JP4611561B2 - 新規なビニル系樹脂およびその製造方法 - Google Patents

新規なビニル系樹脂およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分子内に特定のエステル基を有する不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(A)から成るビニル系樹脂、この(A)と、(A)以外のビニル系単量体に由来する繰り返し単位(B)とからなるビニル系樹脂、およびこれらビニル系樹脂の製造方法に関する。さらに詳しくは、活性エステル基としてオキシカルボニルメチルエステル基またはカルボニルメチルエステル基を有する不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(A)を含有するビニル系樹脂、この(A)および(A)以外のビニル系単量体に由来する繰り返し単位(B)からなるビニル系樹脂に関する。また、当該活性エステル基を含有する不飽和ジカルボン酸エステルを単独重合させるか、もしくは当該不飽和ジカルボン酸エステルを他のビニル系単量体と共重合させるビニル系樹脂の製造する方法に関する。 そして本発明のビニル系樹脂は、海水中の構造物、船舶、漁網等に塗布される防汚塗料や各種の屋外用塗料のベース樹脂成分として使用される。また、繊維処理剤、接着剤、シーリング剤用のベース樹脂成分としても使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、活性エステル基の一つであるオキシカルボニルメチルエステル基を含有するビニル系樹脂としては、特公昭63−61989号公報に開示されている如く(メタ)アクリル酸エステル系の重合体が知られている。また、カルボニルメチルエステル基を含有するビニル系樹脂としては、公表特許昭60−500452号公報に開示されている如く(メタ)アクリル酸エステル系の重合体が知られている。しかし、こうした活性エステル基を含有する不飽和ジカルボン酸エステルの重合体、あるいは、当該不飽和ジカルボン酸エステルと他のビニル系単量体との共重合体は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、活性エステル基として、オキシカルボニルメチルエステル基および/またはカルボニルメチルエステル基を含有する不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位から成る新規なビニル系樹脂、当該繰り返し単位並びに他の繰り返し単位から成る新規なビニル系樹脂を提供することにある。また、本発明の課題は、前記した如きビニル系樹脂の製造方法を提供することにもある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、オキシカルボニルメチルエステル基および/またはカルボニルメチルエステル基を含有する不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位から成る新規なビニル系樹脂、当該繰り返し単位並びに他の繰り返し単位から成る新規なビニル系樹脂、並びにそれらの製造方法を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は、
1.下記の一般式(I)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位、および下記一般式(II)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位(A)からなり、重量平均分子量が1,000〜300,000であることを特徴とするビニル系樹脂、
【0006】
【化6】
Figure 0004611561
【0007】
〔但し、式(I)および(II)中、RaおよびRbは、それぞれ独立に、
−CH(R1)COOR2、−CH(R3)COOR4、−CH(R5)COR6
−CH(R7)COR8またはR9を表し、しかも、RaおよびRbの少なくとも一方は、−CH(R1)COOR2または−CH(R5)COR6であり、Xは水素原子またはメチル基を表すものとする。そして、これらに含有されるR1、R3、R5およびR7は、それぞれ独立に、水素原子、フェニル基または炭素原子数が1〜12のアルキル基を、R2、R4、R6、R8およびR9は、それぞれ独立に、1価の有機基を表すものとする。〕
【0008】
2.上記の一般式(I)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位、および上記一般式(II)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位(A)1〜99モル%と、該繰り返し単位(A)以外のビニル単量体に由来する繰り返し単位(B)99〜1モル%とからなり、重量平均分子量が1,000〜300,000であることを特徴とするビニル系樹脂、
【0009】
3.上記の一般式(I)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位、および上記一般式(II)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位(A)2〜50モル%と、該繰り返し単位(A)以外のビニル単量体に由来する繰り返し単位(B)98〜50モル%とからなり、重量平均分子量が1,000〜300,000であることを特徴とするビニル系樹脂、
【0010】
4.前記した繰り返し単位(B)が(メタ)アクリル酸エステル類、カルボン酸アミド基含有単量体類、カルボン酸ビニルエステル類、および芳香族ビニル化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体に由来するものであることを特徴とする2.または3.のいずれかのビニル系樹脂、
【0011】
5.前記したRaおよびRbの両方が、それぞれ独立して、−CH(R1)COOR2、−CH(R3)COOR4、−CH(R5)COR6、または−CH(R7)COR8であることを特徴とする1.〜4.のいずれかのビニル系樹脂、
【0012】
6.前記したR2、R4、R6、R8、およびR9が、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または置換アリール基であることを特徴とする1.〜5.のいずれかのビニル系樹脂、
【0013】
7.前記したR2、R4、およびR9が、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜8のアルキル基またはアルコキシ基を含む炭素原子数が3〜8のアルコキシ基置換アルキル基であることを特徴とする1.〜5.のいずれかのビニル系樹脂、
【0014】
8.前記したR6およびR8が、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜8のアルキル基であることを特徴とする1.〜7.のいずれかのビニル系樹脂、
【0015】
9.前記したR1およびR3が、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基であることを特徴とする1.〜8.のいずれかのビニル系樹脂、
【0016】
10.前記したR5、R7のうちの少なくとも一方が、水素原子であることを特徴とする1.〜9.のいずれかのビニル系樹脂、
【0017】
11.前記したXが、水素原子であることを特徴とする1.〜10.のいずれかのビニル系樹脂、
【0018】
12.下記の一般式(V)で表されるイタコン酸エステルもしくは一般式(VI)で表されるマレイン酸エステル、フマル酸エステル、シトラコン酸エステルまたはメサコン酸エステルを必須成分とする単量体を重合させることを特徴とするビニル系樹脂の製造方法。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【化8】
Figure 0004611561
〔但し、式(V)および(VI)中、RaおよびRbは、それぞれ独立に、
−CH(R1)COOR2、−CH(R3)COOR4、−CH(R5)COR6
−CH(R7)COR8またはR9を表し、しかも、RaおよびRbの少なくとも一方は、−CH(R1)COOR2または−CH(R5)COR6であり、Xは水素原子またはメチル基を表すものとする。そして、これらに含有されるR1、R3、R5およびR7は、それぞれ独立に、水素原子、フェニル基または炭素原子数が1〜12のアルキル基を、R2、R4、R6、R8およびR9は、それぞれ独立に、1価の有機基を表すものとする。〕
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳しく説明する。
本発明のビニル系樹脂とは、▲1▼下記の一般式(I)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位、および下記一般式(II)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位(A)からなり、重量平均分子量が1,000〜300,000であるビニル系樹脂[以下、ビニル系樹脂(VR−1)と略記する。]並びに▲2▼上記不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(A)1〜99モル%と、(A)以外のビニル単量体に由来する繰り返し単位(B)99〜1モル%とからなり、重量平均分子量が1,000〜300,000であるビニル系樹脂[以下、ビニル系樹脂(VR−2)と略記する]、を指称するものである。
【0034】
【化9】
Figure 0004611561
【0035】
〔但し、式(I)および(II)中、RaおよびRbは、それぞれ独立に、
−CH(R1)COOR2、−CH(R3)COOR4、−CH(R5)COR6
−CH(R7)COR8またはR9を表し、しかも、RaおよびRbの少なくとも一方は、−CH(R1)COOR2または−CH(R5)COR6であり、Xは水素原子またはメチル基を表すものとする。そして、これらに含有されるR1、R3、R5およびR7は、それぞれ独立に、水素原子、フェニル基または炭素原子数が1〜12のアルキル基を、R2、R4、R6、R8およびR9は、それぞれ独立に、1価の有機基を表すものとする。〕
【0036】
まず、本発明のビニル系樹脂(VR−1)について説明する。
ビニル系樹脂(VR−1)を構成する繰り返し単位(A)のうち、一般式(I)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位の具体的なものとしては、下記一般式(I−1)〜(I−10)で示される各種のイタコン酸エステルに由来する繰り返し単位がある。
【0037】
【化10】
Figure 0004611561
【0038】
【化11】
Figure 0004611561
【0039】
【化12】
Figure 0004611561
【0040】
【化13】
Figure 0004611561
【0041】
【化14】
Figure 0004611561
【0042】
【化15】
Figure 0004611561
【0043】
【化16】
Figure 0004611561
【0044】
【化17】
Figure 0004611561
【0045】
【化18】
Figure 0004611561
【0046】
【化19】
Figure 0004611561
【0047】
また、ビニル系樹脂(VR−1)を構成する繰り返し単位(A)のうち、一般式(II)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位の具体的なものとしては、下記一般式(II−1)〜(II−10)で示される如き、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、シトラコン酸エステルまたはメサコン酸エステルに由来する繰り返し単位がある。
【0048】
【化20】
Figure 0004611561
【0049】
【化21】
Figure 0004611561
【0050】
【化22】
Figure 0004611561
【0051】
【化23】
Figure 0004611561
【0052】
【化24】
Figure 0004611561
【0053】
【化25】
Figure 0004611561
【0054】
【化26】
Figure 0004611561
【0055】
【化27】
Figure 0004611561
【0056】
【化28】
Figure 0004611561
【0057】
【化29】
Figure 0004611561
【0058】
本発明のビニル系樹脂(VR−1)は、上掲した各種の繰り返し単位のうちの1種類のみから構成されるもの並びに2種類以上から構成されるものを包含する。
【0059】
上掲した(I−1)〜(I−10)および(II−1)〜(II−10)に含有される各種の基R1〜R9について説明する。
【0060】
1、R3、R5およびR7は、それぞれ独立に、水素原子、フェニル基または炭素原子数が1〜12のアルキル基を表す。このうち、炭素原子数が1〜12のアルキル基の代表的なものとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。そして、これらの中で、R1およびR3として好ましいものは、水素原子および炭素原子数が1〜5のアルキル基であり、特に好ましいものは、水素原子およびメチル基である。R5およびR7として好ましいものは、水素原子および炭素原子数が1〜5のアルキル基であり、特に好ましいものは、水素原子である。
【0061】
1価の有機基であるR2、R4、R6、R8およびR9の代表的なものとしては、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、等の各種のものが挙げられる。かかる1価の有機基のなかで、アルキル基の代表的なものとしては、R1のうちのアルキル基の代表的なものとして前掲した如き各種の基に加えて、n−トリデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、等が挙げられる。
【0062】
置換アルキル基の代表的なものとしては、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−(n−プロポキシ)エチル基、2−(n−ブトキシ)エチル基、2−(n−ヘキシルオキシ)エチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、4−(n−プロポキシ)ブチル基、6−エトキシヘキシル基、6−(n−ヘキシルオキシ)ヘキシル基、等のアルコキシ基置換アルキル基;2−フェノキシエチル基、2−(4−メチルフェノキシ)エチル基、等のアリールオキシ基が置換したアルキル基;2−ベンジルオキシエチル基、2−(2−フェニルエトキシ)エチル基、等のアラルキルオキシ基が置換したアルキル基;ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、等のアリール基が置換したアルキル基、等が挙げられる。
【0063】
シクロアルキル基の代表的なものとしては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、等が挙げられる。
【0064】
アリール基の代表的なものとしては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、等が挙げられる。
【0065】
置換アリール基の代表的なものとしては、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ニトロフェニル基、4−メチル−1−ナフチル基、等が挙げられる。
【0066】
そしてこれらのなかで、R2、R4およびR9として特に好ましいものは、炭素原子数が1〜8のアルキル基またはアルコキシ基を含む炭素原子数が3〜8のアルコキシ基置換アルキル基である。
【0067】
6およびR8として好ましいものは、炭素原子数が1〜8のアルキル基であり、特に好ましいものは、メチル基である。
【0068】
上述した各種の繰り返し単位からなる本発明のビニル系樹脂(VR−1)は、上掲した各種の繰り返し単位のうちの1種類のみから構成されるもの並びに2種類以上から構成されるものを包含する。当該ビニル系樹脂が2種類以上の繰り返し単位から構成される場合には、当該ビニル系樹脂(VR−1)を構成する各繰り返し単位の含有率は、それぞれ1〜99モル%、好ましくは、3〜97モル%である。
【0069】
また、上述した一般式(I−1)〜(I−10)で示される各種の繰り返し単位のなかで、好ましいものは、一般式(I−1)、(I−2)、(I−5)あるいは(I−6)で示される、活性エステル基を1個のみ含有するもの、および一般式(I−3)、(I−4)、(I−7)もしくは(I−8)で示される、2個のオキシカルボニルメチルエステル基または2個のカルボニルメチルエステル基を含有するものである。そして一般式(I−3)、(I−4)、(I−7)および(I−8)で示される繰り返し単位のなかで、特に好ましいものは、一般式(I−4)および(I−8)で示される、同一の活性エステル基を含有するものである。
【0070】
上述した一般式(II−1)〜(II−10)で示される各種の繰り返し単位のなかで、好ましいものは、一般式(II−1)、(II−2)、(II−5)あるいは(II−6)で示される、活性エステル基を1個のみ含有するもの、および一般式(II−3)、(II−4)、(II−7)もしくは(II−8)で示される、2個のオキシカルボニルメチルエステル基または2個のカルボニルメチルエステル基を含有するものである。そして一般式(II−3)、(II−4)、(II−7)および(II−8)で示される繰り返し単位のなかで、特に好ましいものは、一般式(II−4)および(II−8)で示される、同一の活性エステル基を含有するものである。
【0071】
また、上述した一般式(II−1)〜(II−10)で示される各種の繰り返し単位に含有されるXとしては水素原子がより好ましい。即ち、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、シトラコン酸エステルもしくはメサコン酸エステルに由来する繰り返し単位のなかでは、マレイン酸エステルまたはフマル酸エステルに由来する繰り返し単位が好ましい。
【0072】
本発明のビニル系樹脂(VR−1)の重量平均分子量は、強度と取り扱い易さの点から、1,000〜300,000、好ましくは、1,000〜150,000、最も好ましくは1,000〜100,000の範囲である。尚、ここで云う重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用して測定されるポリスチレン換算の分子量を指称するものである。
【0073】
本発明のビニル系樹脂(VR−1)を調製するには、(i)下記一般式(III)で示されるエステル基および/または下記一般式(IV)で示されるエステル基を含有する不飽和ジカルボン酸エステル単量体を重合せしめる方法、(ii)イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸の如き不飽和ジカルボン酸あるいは前記した如き不飽和ジカルボン酸のハーフエステルを重合する事により調製したカルボキシル基を含有する重合体を、塩基性化合物の存在下にα−ハロカルボン酸エステル類および/またはα−ハロケトン類と反応させる方法等を適用すればよい。かかる方法のなかで、ポリマーの精製が容易で簡便に目的物を得ることが出来る点から、(i)の方法が特に好ましい。
【0074】
【化30】
Figure 0004611561
〔但し、R1およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、フェニル基または炭素原子数が1〜12のアルキル基を、R2およびR6は、それぞれ独立に、1価の有機基を表すものとする。〕
【0075】
(i)なる方法でビニル系樹脂(VR−1)を調製する際に使用される上記した一般式(III)で示されるオキシカルボニルメチルエステル基および/または一般式(IV)で示されるカルボニルメチルエステル基を含有する不飽和ジカルボン酸エステルの具体的なものとしては、下記一般式(V)で表されるイタコン酸エステルもしくは一般式(VI)で表されるマレイン酸エステル、フマル酸エステル、シトラコン酸エステルもしくはメサコン酸エステルが挙げられる。
【0076】
【化31】
Figure 0004611561
【0077】
〔但し、式(V)および(VI)中、RaおよびRbは、それぞれ独立に、
−CH(R1)COOR2、−CH(R3)COOR4、−CH(R5)COR6
−CH(R7)COR8またはR9を表し、しかも、RaおよびRbの少なくとも一方は、−CH(R1)COOR2または−CH(R5)COR6であり、Xは水素原子またはメチル基を表すものとする。そして、これらに含有されるR1、R3、R5およびR7は、それぞれ独立に、水素原子、フェニル基または炭素原子数が1〜12のアルキル基を、R2、R4、R6、R8およびR9は、それぞれ独立に、1価の有機基を表すものとする。〕
【0078】
一般式(V)で示されるイタコン酸エステルの代表的なものとしては、下記一般式(V−1)〜(V−10)で示される化合物が挙げられる。
【0079】
【化32】
Figure 0004611561
【0080】
【化33】
Figure 0004611561
【0081】
【化34】
Figure 0004611561
【0082】
【化35】
Figure 0004611561
【0083】
【化36】
Figure 0004611561
【0084】
【化37】
Figure 0004611561
【0085】
【化38】
Figure 0004611561
【0086】
【化39】
Figure 0004611561
【0087】
【化40】
Figure 0004611561
【0088】
【化41】
Figure 0004611561
【0089】
一般式(VI)で示されるマレイン酸エステル、フマル酸エステル、シトラコン酸エステルまたはメサコン酸エステルの代表的なものとしては、下記一般式(VI−1)〜(VI−10)で示される化合物が挙げられる。
【0090】
【化42】
Figure 0004611561
【0091】
【化43】
Figure 0004611561
【0092】
【化44】
Figure 0004611561
【0093】
【化45】
Figure 0004611561
【0094】
【化46】
Figure 0004611561
【0095】
【化47】
Figure 0004611561
【0096】
【化48】
Figure 0004611561
【0097】
【化49】
Figure 0004611561
【0098】
【化50】
Figure 0004611561
【0099】
【化51】
Figure 0004611561
【0100】
上掲した一般式(III)または(IV)なるエステル基、一般式(V−1)〜(V−10)および一般式(VI−1)〜(VI−10)なる単量体に含有される各種の基R1〜R9について説明する。
【0101】
1、R3、R5およびR7は、それぞれ独立に、水素原子、フェニル基または炭素原子数が1〜12のアルキル基を表す。このうち、炭素原子数が1〜12のアルキル基の代表的なものとしては、前述の一般式(I−1)〜(I−10)および一般式(II−1)〜(II−10)に含有されるR1等の代表的なものとして例示した各種のものが挙げられる。そして、これらの中で、R1およびR3として好ましいものは、水素原子および炭素原子数が1〜5のアルキル基であり、特に好ましいものは、水素原子およびメチル基である。R5およびR7として好ましいものは、水素原子および炭素原子数が1〜5のアルキル基であり、特に好ましいものは、水素原子である。
【0102】
1価の有機基であるR2、R4、R6、R8およびR9の代表的なものとしては、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、等の各種のものが挙げられる。かかる各種の1価の有機基の代表的なものとしては、前述の一般式(I−1)〜(I−10)および一般式(II−1)〜(II−10)で示される繰り返し単位に含有されるR2、R4、R6、R8およびR9の代表的なものとして例示した各種のものが挙げられる。
【0103】
そしてこれらのなかで、R2、R4およびR9として特に好ましいものは、炭素原子数が1〜8のアルキル基またはアルコキシ基を含む炭素原子数が3〜8のアルコキシ基置換アルキル基である。
【0104】
6およびR8として好ましいものは、炭素原子数が1〜8のアルキル基であり、特に好ましいものは、メチル基である。
【0105】
上掲した一般式(V−1)〜(V−10)で示される単量体のなかで好ましいものは、一般式(V−1)、(V−2)、(V−5)あるいは(V−6)で示される活性エステル基としてのオキシカルボニルメチルエステル基あるいはカルボニルメチルエステル基を1個のみ含有する単量体、および一般式(V−3)、(V−4)、(V−7)もしくは(V−8)で示される、2個のオキシカルボニルメチルエステル基または2個のカルボニルメチルエステル基を含有する単量体である。そして一般式(V−3)、(V−4)、(V−7)および(V−8)で示される単量体のなかで、特に好ましいものは、一般式(V−4)および(V−8)で示される同一の活性エステル基を含有する単量体である。
【0106】
上述した一般式(VI−1)〜(VI−10)で示される単量体のなかで、好ましいものは、一般式(VI−1)、(VI−2)、(VI−5)あるいは(VI−6)で示される活性エステル基を1個のみ含有する単量体、および一般式(VI−3)、(VI−4)、(VI−7)もしくは(VI−8)で示される、2個のオキシカルボニルメチルエステル基または2個のカルボニルメチルエステル基を含有する単量体である。そして一般式(VI−3)、(VI−4)、(VI−7)および(VI−8)で示される単量体のなかで、特に好ましいものは、一般式(VI−4)および(VI−8)で示される同一の活性エステル基を含有する単量体である。
【0107】
上述した好ましいイタコン酸エステルのなかの一般式(V−4)で示される単量体の代表的なものを以下に例示する。
【0108】
一般式(V−4)で示されるイタコン酸エステルのなかで、R1として水素原子を有する単量体の代表的なものとしては、ビス(メトキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス(エトキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス(n−プロポキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス(iso−プロポキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス(n−ブトキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス(n−ヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス(n−オクチルオキシカルボニルオキシメチル)イタコネート、等のR2としてアルキル基を有する化合物;
【0109】
ビス(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス(2−エトキシエトキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス[2−(n−プロポキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、ビス[2−(n−ブトキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、ビス[2−(n−ヘキシルオキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、ビス(3−メトキシプロポキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2としてアルコキシ基置換アルキルを有する化合物;
【0110】
ビス(2−フェノキシエトキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス[2−(4−メチルフェノキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、等のR2としてアリールオキシ基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0111】
ビス(2−ベンジルオキシエトキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス[2−(2−フェニルエトキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、等のR2としてアラルキルオキシ基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0112】
ビス(ベンジルオキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス(1−フェニルエトキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0113】
ビス(シクロペンチルオキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス(4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0114】
ビス(フェノキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス(1−ナフトキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス(2−ナフトキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2としてアリール基を有する化合物;
【0115】
ビス(3−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、ビス(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2として置換アリール基を有する化合物、が挙げられる。
【0116】
一般式(V−4)で示されるイタコン酸エステルのなかで、R1としてメチル基を有する単量体の代表的なものとしては、ビス(1−メトキシカルボニルエチル)イタコネート、ビス(1−エトキシカルボニルエチル)イタコネート、ビス[1−(n−プロポキシカルボニル)エチル]イタコネート、ビス[1−(iso−プロポキシカルボニル)エチル]イタコネート、ビス[1−(n−ブトキシカルボニル)エチル]イタコネート、ビス[1−(iso−ブトキシカルボニル)エチル]イタコネート、ビス[1−(n−ヘキシルオキシカルボニル)エチル]イタコネート、ビス[1−(n−オクチルオキシカルボニル)エチル]イタコネート、ビス[1−(n−デシルオキシカルボニル)エチル]イタコネート、等のR2としてアルキル基を有する化合物;
【0117】
ビス[1−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチル]イタコネート、ビス[1−(2−エトキシエトキシカルボニル)エチル]イタコネート、ビス{1−[2−(n−プロポキシ)エトキシカルボニル]エチル}イタコネート、ビス{1−[2−(n−ブトキシ)エトキシカルボニル]エチル}イタコネート、ビス[1−(3−メトキシプロポキシカルボニル)エチル]イタコネート、等のR2としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0118】
ビス[1−(2−フェノキシエトキシカルボニル)エチル]イタコネート、ビス{1−[2−(4−メチルフェノキシ)エトキシカルボニル]エチル}イタコネート、等のR2としてアリールオキシ基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0119】
ビス[1−(2−ベンジルオキシエトキシカルボニル)エチル]イタコネート、ビス{1−[2−(2−フェニルエトキシ)エトキシカルボニル]エチル}イタコネート、等のR2としてアラルキルオキシ基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0120】
ビス(1−ベンジルオキシカルボニルエチル)イタコネート、ビス[1−(1−フェニルエトキシカルボニル)エチル]イタコネート、等のR2としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0121】
ビス(1−シクロペンチルオキシカルボニルエチル)イタコネート、ビス(1−シクロヘキシルオキシカルボニルエチル)イタコネート、等のR2としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0122】
ビス(1−フェノキシカルボニルエチル)イタコネート、ビス[1−(1−ナフトキシカルボニル)エチル]イタコネート、ビス[1−(2−ナフトキシカルボニル)エチル]イタコネート、等のR2としてアリール基を有する化合物;
【0123】
ビス[1−(3−メチルフェノキシカルボニル)エチル]イタコネート、ビス[1−(4−メチルフェノキシカルボニル)エチル]イタコネート、等のR2として置換アリール基を有する化合物;
【0124】
さらに、一般式(V−4)で表されるイタコン酸エステルのなかで、R1として炭素原子数が2〜12なる各種のアルキル基あるいはフェニル基を有する単量体の代表的なものとしては、R1としてメチル基を含有するものの例として上掲した各種のイタコン酸エステルにおいて、メチル基を炭素原子数が2〜12なる各種のアルキル基あるいはフェニル基に置き換えた構造を有する各種の単量体を例示することができる。
【0125】
一般式(V−4)で示されるイタコン酸エステルなかで好ましいものは、1価の有機基であるR2が、炭素原子数が1〜8のアルキル基またはアルコキシ基を含む炭素原子数が3〜8のアルコキシ基置換アルキル基であり、且つ、R1が水素原子または炭素原子数が1〜5のアルキル基有する化合物である。これらのなかで特に好ましいものは、R1として水素原子またはメチル基を有する化合物である。
【0126】
上述した好ましいイタコン酸エステルのなかの一般式(V−1)および(V−2)で示される単量体の代表的なものを以下に例示する。
【0127】
一般式(V−1)および(V−2)で示されるイタコン酸エステルのなかで、R1として水素原子を有する化合物の代表的なものとしては、モノメチル−モノ(メトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノメチル−モノ(エトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノメチル−モノ(n−ブトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノエチル−モノ(エトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(n−プロピル)−モノ(n−プロポキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(n−ブチル)−モノ(メトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(n−ブチル)−モノ(n−ブトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(n−ヘキシル)−モノ(n−ヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(メトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノメチル−モノ(2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノメチル−モノ(n−デシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2およびR9としてアルキル基を有する化合物;
【0128】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(メトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(2−メトキシエチル)−モノ(エトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(n−プロポキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(n−ブトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(n−ヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ[2−(n−ヘキシルオキシ)エチル)]−モノ(メトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ[3−(n−プロポキシ)プロピル]−モノ(n−デシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2としてアルキル基を、R9としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0129】
モノベンジル−モノ(メトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(2−フェニルエチル)−モノ(エトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノベンジル−モノ(n−ブトキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2としてアルキル基を、R9としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0130】
モノシクロペンチル−モノ(メトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ(エトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ(2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2としてアルキル基を、R9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0131】
モノフェニル−モノ(メトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(1−ナフチル)−モノ(エトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノフェニル−モノ(2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2としてアルキル基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0132】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(メトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(エトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(4−メチルフェニル)−モノ(2−エチルヘキシルオキシカルボニルカルボニルメチル)イタコネート、等のR2としてアルキル基を、R9として置換アリール基を有する化合物;
【0133】
モノメチル−モノ(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノエチル−モノ(2−エトキシエトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(n−プロピル)−モノ[2−(n−プロポキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、モノ(n−ブチル)−モノ[2−(n−ブトキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、モノメチル−モノ[2−(n−ヘキシルオキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(3−メトキシプロポキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9としてアルキル基を有する化合物;
【0134】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(2−メトキシエチル)−モノ[2−(n−ヘキシルオキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、モノ(6−エトキシヘキシル)−モノ(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(2−エトキシエトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ[2−(n−プロポキシ)エチル]−モノ[2−(n−プロポキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、等のR2 及びR9としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0135】
モノベンジル−モノ(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(2−フェニルエチル)−モノ[2−(n−プロポキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、モノ(1−フェニルエチル)−モノ[2−(n−ブトキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、等のR2 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0136】
モノフェニル−モノ(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノフェニル−モノ[2−(n−ヘキシルオキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、モノ(1−ナフチル)−モノ[2−(n−プロポキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、等のR2 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0137】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(4−メチルフェニル)−モノ[2−(n−ヘキシルオキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、等のR2 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9 として置換アリール基を有する化合物;
【0138】
モノシクロヘキシル−モノ(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ[2−(n−ヘキシルオキシ)エトキシカルボニルメチル]イタコネート、等のR2としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0139】
モノメチル−モノ(ベンジルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノエチル−モノ(1−フェニルエトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(ベンジルオキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてアルキル基を有する化合物;
【0140】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(ベンジルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(1−フェニルエトキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(6−エトキシヘキシル)−モノ(ベンジルオキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0141】
モノシクロペンチル−モノ(ベンジルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ(2−フェニルエトキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0142】
モノフェニル−モノ(ベンジルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(1−ナフチル)−モノ(2−フェニルエトキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてアリール基を有する化合物;
【0143】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(ベンジルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(4−メチルフェニル)−モノ(1−フェニルエトキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 として置換アリールを有する化合物;
【0144】
モノメチル−モノ(シクロペンチルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノエチル−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(n−ブチル)−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 としてシクロアルキル基を、R9としてアルキル基を有する化合物;
【0145】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(シクロペンチルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ[2−(n−オクチルオキシ)エチル]−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 としてシクロアルキル基を、R9 としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0146】
モノシクロペンチル−モノ(シクロペンチルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノシクロペンチル−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 及びR9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0147】
モノフェニル−モノ(シクロペンチルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(1−ナフチル)−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 としてシクロアルキル基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0148】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(シクロペンチルオキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 としてシクロアルキル基を、R9として置換アリール基を有する化合物;
【0149】
モノメチル−モノ(フェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(n−ヘキシル)−モノ(フェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(n−オクチル)−モノ(フェノキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 としてアリール基を、R9としてアルキル基を有する化合物;
【0150】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(フェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(フェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(6−エトキシヘキシル)−モノ(フェノキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 としてアリール基を、R9としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0151】
モノベンジル−モノ(フェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノベンジル−モノ(1−ナフトキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 としてアリール基を、R9 としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0152】
モノシクロペンチル−モノ(フェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ(フェノキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 としてアリール基を、R9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0153】
モノフェニル−モノ(フェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(1−ナフチル)−モノ(フェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノフェニル−モノ(1−ナフトキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 及びR9としてアリール基を有する化合物;
【0154】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(フェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(4−メチルフェニル)−モノ(1−ナフトキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 としてアリール基を、R9として置換アリール基を有する化合物;
【0155】
モノメチル−モノ(3−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(n−ヘキシル)−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 として置換アリール基を、R9としてアルキル基を有する化合物;
【0156】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(3−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ[2−(n−ヘキシルオキシ)エチル]−モノ(3−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 として置換アリール基を、R9 としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0157】
モノベンジル−モノ(3−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノベンジル−モノ(4−ニトロフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 として置換アリール基を、R9 としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0158】
モノシクロペンチル−モノ(3−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 として置換アリール基を、R9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0159】
モノフェニル−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(1−ナフチル)−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 として置換アリール基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0160】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)イタコネート、等のR2 及びR9として置換アリール基を有する化合物、が挙げられる。
【0161】
一般式(V−1)および(V−2)で示されるイタコン酸エステルのなかで、R1として炭素原子数が1〜12なる各種のアルキル基あるいはフェニル基を有する単量体の代表的なものとしては、R1として水素原子を有する化合物の例として上掲した各種のイタコン酸エステルにおいて、当該水素原子を炭素原子数が1〜12なる各種のアルキル基あるいはフェニル基に置き換えた構造を有する各種の単量体を例示することができる。
【0162】
また、一般式(V−1)および(V−2)で示されるイタコン酸エステルのなかで好ましいものは、1価の有機基であるR2及びR9として、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜8のアルキル基またはアルコキシ基を含む炭素原子数が3〜8のアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物である。そして、これらのうちで特に好ましいものは、R1として水素原子またはメチル基を有する化合物である。
【0163】
上述した好ましいイタコン酸エステルのなかの一般式(V−8)で示される単量体の具体的なものを以下に例示する。
【0164】
一般式(V−8)で示されるイタコン酸エステルのなかで、R5として水素原子を有する化合物の代表的なものとしては、ビス(2−オキソプロピル)イタコネート、ビス(2−オキソブチル)イタコネート、ビス(3−メチル−2−オキソブチル)イタコネート、ビス(2−オキソペンチル)イタコネート、ビス(4−メチル−2−オキソペンチル)イタコネート、ビス(2−オキソデシル)イタコネート、ビス(2−オキソトリデシル)イタコネート、ビス(2−オキソテトラデシル)イタコネート、等のR6としてアルキル基を有する化合物;
【0165】
ビス(4−メトキシ−2−オキソブチル)イタコネート、ビス(4−エトキシ−2−オキソブチル)イタコネート、ビス[2−オキソ−4−(n−プロポキシ)ブチル]イタコネート、等のR6としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0166】
ビス(2−オキソ−4−フェノキシブチル)イタコネート、ビス[4−(4−メチルフェノキシ)−2−オキソブチル]イタコネート、等のR6としてアリールオキシが置換したアルキル基を有する化合物;
【0167】
ビス(4−ベンジルオキシ−2−オキソブチル)イタコネート、ビス[2−オキソ−4−(2−フェニルエトキシ)ブチル]イタコネート、等のR6としてアラルキルオキシ基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0168】
ビス(2−オキソ−3−フェニルプロピル)イタコネート、ビス(2−オキソ−4−フェニルブチル)イタコネート、等のR6としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0169】
ビス(シクロペンチルカルボニルメチル)イタコネート、ビス(シクロヘキシルカルボニルメチル)イタコネート、等のR6としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0170】
ビス(ベンゾイルメチル)イタコネート、ビス(1−ナフトイルメチル)イタコネート、等のR6としてアリール基を有する化合物等が挙げられる。
【0171】
一般式(V−8)で示されるイタコン酸エステルのなかで、R5として炭素原子数が1〜12なるアルキル基またはフェニル基を含有する化合物の代表的なものとしては、R5として水素原子を有する化合物の例として上掲した各種のイタコン酸エステルにおいて、当該水素原子を炭素原子数が1〜12なる各種のアルキル基あるいはフェニル基に置き換えた構造を有する化合物が挙げられる。
【0172】
一般式(V−8)で示されるイタコン酸エステルとして例示した各種の化合物なかで好ましいものは、1価の有機基R6として炭素原子数が1〜8のアルキル基を有し、且つ、R5として水素原子または炭素原子数が1〜5のアルキル基を有する化合物である。これらのなかでより好ましいものは、R5として水素原子を有する化合物である。最も好ましいものは、R5として水素原子を有し、且つ、R6としてメチル基を有する化合物である。
【0173】
上述した好ましいイタコン酸エステルのなかの一般式(V−5)および(V−6)で示される単量体の代表的なものを以下に例示する。
【0174】
一般式(V−5)および(V−6)で示されるイタコン酸エステルのなかで、R5 として水素原子を有する化合物の代表的なものとしては、モノメチル−モノ(2−オキソプロピル)イタコネート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(2−オキソプロピル)イタコネート、モノメチル−モノ(2−オキソブチル)イタコネート、モノエチル−モノ(2−オキソプロピル)イタコネート、モノエチル−モノ(2−オキソブチル)イタコネート、モノ(n−ヘキシル)−モノ(2−オキソオクチル)イタコネート、モノメチル−モノ(2−オキソデシル)イタコネート、等のR6およびR9としてアルキル基を有する化合物;
【0175】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(2−オキソプロピル)イタコネート、モノ(6−エトキシヘキシル)−モノ(2−オキソプロピル)イタコネート、モノ(2−メトキシエチル)−モノ(2−オキソブチル)イタコネート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(2−オキソペンチル)イタコネート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(2−オキソヘキシル)イタコネート、モノ[3−(n−プロポキシ)プロピル]−モノ(2−オキソデシル)イタコネート、等のR6 としてアルキル基を、R9としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0176】
モノベンジル−モノ(2−オキソプロピル)イタコネート、モノベンジル−モノ(2−オキソブチル)イタコネート、モノ(2−フェニルエチル)−モノ(2−オキソブチル)イタコネート、等のR6 としてアルキル基を、R9 としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0177】
モノシクロペンチル−モノ(2−オキソプロピル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ(2−オキソブチル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ(2−オキソデシル)イタコネート、の如きR6としてアルキル基を、R9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0178】
モノフェニル−モノ(2−オキソプロピル)イタコネート、モノ(1−ナフチル)−モノ(2−オキソブチル)イタコネート、モノフェニル−モノ(2−オキソペンチル)イタコネート、モノフェニル−モノ(2−オキソデシル)イタコネート、等のR6 としてアルキル基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0179】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(2−オキソプロピル)イタコネート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(2−オキソブチル)イタコネート、モノ(4−ニトロフェニル)−モノ(2−オキソデシル)イタコネート、等のR6としてアルキル基を、R9として置換アリール基を有する化合物;
【0180】
モノメチル−モノ(4−メトキシ−2−オキソブチル)イタコネート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(4−メトキシ−2−オキソブチル)イタコネート、モノエチル−モノ(4−エトキシ−2−オキソブチル)イタコネート、モノ(n−ヘキシル)−モノ(5−メトキシ−2−オキソペンチル)イタコネート、等のR6 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9としてアルキル基を有する化合物;
【0181】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(4−メトキシ−2−オキソブチル)イタコネート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(4−エトキシ−2−オキソブチル)イタコネート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(4−ブトキシ−2−オキソブチル)イタコネート、等のR6 およびR9としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0182】
モノベンジル−モノ(4−メトキシ−2−オキソブチル)イタコネート、モノベンジル−モノ(4−エトキシ−2−オキソブチル)イタコネート、モノ(2−フェニルエチル)−モノ[2−オキソ−4−(n−プロポキシ)ブチル]イタコネート、等のR6 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0183】
モノフェニル−モノ(4−メトキシ−2−オキソブチル)イタコネート、モノ(1−ナフチル)−モノ[2−オキソ−4−(n−プロポキシ)ブチル]イタコネート、モノフェニル−モノ[4−(n−ブトキシ)−2−オキソブチル]イタコネート、等のR6 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0184】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(4−メトキシ−2−オキソブチル)イタコネート、モノ(4−メチルフェニル)−モノ(4−エトキシ−2−オキソブチル)イタコネート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ[2−オキソ−4−(n−プロポキシ)ブチル]イタコネート、等のR6 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9 として置換アリール基を有する化合物;
【0185】
モノシクロヘキシル−モノ(4−メトキシ−2−オキソブチル)イタコネート、モノシクロペンチル−モノ[2−オキソ−4−(n−プロポキシ)ブチル]イタコネート、等のR6 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9 としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0186】
モノメチル−モノ(2−オキソ−3−フェニルプロピル)イタコネート、モノエチル−モノ(2−オキソ−3−フェニルブチル)イタコネート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(2−オキソ−3−フェニルプロピル)イタコネート、等のR6 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてアルキル基を有する化合物;
【0187】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(2−オキソ−3−フェニルプロピル)イタコネート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(2−オキソ−4−フェニルブチル)イタコネート、等のR6 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0188】
モノシクロペンチル−モノ(2−オキソ−3−フェニルプロピル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ(2−オキソ−4−フェニルブチル)イタコネート、等のR6 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0189】
モノフェニル−モノ(2−オキソ−3−フェニルプロピル)イタコネート、モノフェニル−モノ(2−オキソ−3−フェニルブチル)イタコネート、モノ(1−ナフチル)−モノ(2−オキソ−4−フェニルブチル)イタコネート、等のR6 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてアリール基を有する化合物;
【0190】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(2−オキソ−3−フェニルプロピル)イタコネート、モノ(4−メチルフェニル)−モノ(2−オキソ−3−フェニルブチル)イタコネート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(2−オキソ−4−フェニルブチル)イタコネート、等のR6 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 として置換アリール基を有する化合物;
【0191】
モノメチル−モノ(シクロペンチルカルボニルメチル)イタコネート、モノエチル−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)イタコネート、モノ(n−ブチル)−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)イタコネート、等のR6 としてシクロアルキル基を、R9 としてアルキル基を有する化合物;
【0192】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(シクロペンチルカルボニルメチル)イタコネート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)イタコネート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)イタコネート、等のR6 としてシクロアルキル基を、R9 としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0193】
モノシクロペンチル−モノ(シクロペンチルカルボニルメチル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)イタコネート、モノシクロペンチル−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)イタコネート、等のR6 およびR9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0194】
モノフェニル−モノ(シクロペンチルカルボニルメチル)イタコネート、モノ(1−ナフチル)−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)イタコネート、等のR6 としてシクロアルキル基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0195】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(シクロペンチルカルボニルメチル)イタコネート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)イタコネート、モノ(4−ニトロフェニル)−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)イタコネート、等のR6 としてシクロアルキル基を、R9として置換アリール基を有する化合物;
【0196】
モノメチル−モノ(ベンゾイルメチル)イタコネート、モノエチル−モノ(ベンゾイルメチル)イタコネート、モノメチル−モノ(1−ナフチルカルボニルメチル)イタコネート、モノメチル−モノ(2−ナフチルカルボニルメチル)イタコネート、等のR6 としてアリール基を、R9としてアルキル基を有する化合物;
【0197】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(ベンゾイルメチル)イタコネート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(ベンゾイルメチル)イタコネート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(ベンゾイルメチル)イタコネート、モノ(2−メトキシエチル)−モノ(1−ナフチルカルボニルメチル)イタコネート、等のR6 としてアリール基を、R9としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0198】
モノベンジル−モノ(ベンゾイルメチル)イタコネート、モノベンジル−モノ(1−ナフチルカルボニルメチル)イタコネート、等のR6 としてアリール基を、R9 としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0199】
モノシクロペンチル−モノ(ベンゾイルメチル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ(ベンゾイルメチル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ(1−ナフチルカルボニルメチル)イタコネート、等のR6 としてアリール基を、R9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0200】
モノフェニル−モノ(ベンゾイルメチル)イタコネート、モノ(1−ナフチル)−モノ(ベンゾイルメチル)イタコネート、モノフェニル−モノ(1−ナフチルカルボニルメチル)イタコネート、等のR6 およびR9としてアリール基を有する化合物;
【0201】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(ベンゾイルメチル)イタコネート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(ベンゾイルメチル)イタコネート、モノ(4−メチルフェニル)−モノ(1−ナフチルカルボニルメチル)イタコネート、等のR6 としてアリール基を、R9として置換アリール基を有する化合物;
【0202】
モノメチル−モノ(3−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、モノメチル−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、等のR6 として置換アリール基を、R9としてアルキル基を有する化合物;
【0203】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(3−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、等のR6 として置換アリール基を、R9 としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0204】
モノベンジル−モノ(3−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、モノベンジル−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、モノベンジル−モノ(4−ニトロベンゾイルメチル)イタコネート、等のR6 として置換アリール基を、R9 としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0205】
モノシクロペンチル−モノ(3−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、モノシクロオクチル−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、モノシクロヘキシル−モノ(4−ニトロベンゾイルメチル)イタコネート、等のR6 として置換アリール基を、R9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0206】
モノフェニル−モノ(3−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、モノフェニル−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、モノ(1−ナフチル)−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、モノフェニル−モノ(4−ニトロベンゾイルメチル)イタコネート、等のR6 として置換アリール基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0207】
モノ(3−メチルフェニル)−モノ(3−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、モノ(4−メチルフェニル)−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)イタコネート、等のR6 およびR9としてとして置換アリール基を有する化合物、が挙げられる。
【0208】
一般式(V−5)および(V−6)で示されるイタコン酸エステルのなかで、R5として炭素原子数が1〜12なるアルキル基またはフェニル基を含有する化合物の代表的なものとしては、R5として水素原子を有する化合物の例として上掲した各種のイタコン酸エステルにおいて、当該水素原子を炭素原子数が1〜12なる各種のアルキル基あるいはフェニル基に置き換えた構造を有する化合物が挙げられる。
【0209】
一般式(V−5)および(V−6)で示されるイタコン酸エステルとして例示した各種の化合物なかで好ましいものは、1価の有機基R6として炭素原子数が1〜8のアルキル基を、R5として水素原子または炭素原子数が1〜5のアルキル基を有し、且つ、R9として炭素原子数が1〜8のアルキル基またはアルコキシ基を含む炭素原子数が1〜8のアルコキシ基置換アルキル基を有するものである。これらのなかで、より好ましいものは、R5として水素原子を有する化合物である。最も好ましいものは、R5として水素原子を有し、且つ、R6としてメチル基を有する化合物である。
【0210】
一般式(VI)で示される単量体のなかの好ましいものの一つである一般式(VI-4)で示される単量体の代表的なものを、以下に例示する。
【0211】
一般式(VI−4)で示されるフマル酸エステルのなかで、R1として水素原子を有する単量体の代表的なものとしては、ビス(メトキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(エトキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(n−プロポキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(iso−プロポキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(n−ブトキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(iso−ブトキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(n−ヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(n−オクチルオキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(n−ドデシルオキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2としてアルキル基を有する化合物;
【0212】
ビス(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(2−エトキシエトキシカルボニルメチル)フマレート、ビス[2−(n−プロポキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、ビス[2−(n−ブトキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、ビス[2−(n−ヘキシルオキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、ビス(6−エトキシヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(3−メトキシプロポキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0213】
ビス(2−フェノキシエトキシカルボニルメチル)フマレート、ビス[2−(4−メチルフェノキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、等のR2としてアリールオキシ基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0214】
ビス(2−ベンジルオキシエトキシカルボニルメチル)フマレート、ビス[2−(2−フェニルエトキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、等のR2としてアラルキルオキシ基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0215】
ビス(ベンジルオキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(1−フェニルエトキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(2−フェニルエトキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0216】
ビス(シクロペンチルオキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0217】
ビス(フェノキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(1−ナフトキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(2−ナフトキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2としてアリール基を有する化合物;
【0218】
ビス(3−メチルフェノキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)フマレート、ビス(4−ニトロフェノキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2として置換アリール基を有する化合物等が挙げられる。
【0219】
一般式(VI−4)で示されるフマル酸エステルのなかで、R1としてメチル基を有する単量体の代表的なものとしては、ビス(1−メトキシカルボニルエチル)フマレート、ビス(1−エトキシカルボニルエチル)フマレート、ビス[1−(n−プロポキシカルボニル)エチル]フマレート、ビス[1−(iso−プロポキシカルボニル)エチル]フマレート、ビス[1−(n−ブトキシカルボニル)エチル]フマレート、ビス[1−(iso−ブトキシカルボニル)エチル]フマレート、ビス[1−(n−ヘキシルオキシカルボニル)エチル]フマレート、ビス[1−(n−オクチルオキシカルボニル)エチル]フマレート、ビス[1−(n−デシルオキシカルボニル)エチル]フマレート、等のR2としてアルキル基を有する化合物;
【0220】
ビス[1−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチル]フマレート、ビス[1−(2−エトキシエトキシカルボニル)エチル]フマレート、ビス{1−[2−(n−プロポキシ)エトキシカルボニル]エチル}フマレート、ビス{1−[2−(n−ブトキシ)エトキシカルボニル]エチル}フマレート、ビス{1−[2−(n−ヘキシルオキシ)エトキシカルボニル]エチル}フマレート、ビス[1−(3−メトキシプロポキシカルボニル)エチル]フマレート、等のR2としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0221】
ビス[1−(2−フェノキシエトキシカルボニル)エチル]フマレート、ビス{1−[2−(4−メチルフェノキシ)エトキシカルボニル]エチル}フマレート、等のR2としてアリールオキシ基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0222】
ビス[1−(2−ベンジルオキシエトキシカルボニル)エチル]フマレート、ビス{1−[2−(2−フェニルエトキシ)エトキシカルボニル]エチル}フマレート、等のR2としてアラルキルオキシ基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0223】
ビス(1−ベンジルオキシカルボニルエチル)フマレート、ビス[1−(1−フェニルエトキシカルボニル)エチル]フマレート、ビス[1−(2−フェニルエトキシカルボニル)エチル]フマレート、等のR2としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0224】
ビス(1−シクロペンチルオキシカルボニルエチル)フマレート、ビス(1−シクロヘキシルオキシカルボニルエチル)フマレート、ビス[1−(4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)エチル]フマレート、等のR2としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0225】
ビス(1−フェノキシカルボニルエチル)フマレート、ビス[1−(1−ナフトキシカルボニル)エチル]フマレート、ビス[1−(2−ナフトキシカルボニル)エチル]フマレート、等のR2としてアリール基を有する化合物;
【0226】
ビス[1−(3−メチルフェノキシカルボニル)エチル]フマレート、ビス[1−(4−メチルフェノキシカルボニル)エチル]フマレート、ビス[1−(4−ニトロフェノキシカルボニル)エチル]フマレート、等のR2として置換アリール基を有する化合物、が挙げられる。
【0227】
一般式(VI−4)で示されるフマル酸エステルのなかで、R1として炭素原子数が2〜12なる各種のアルキル基あるいはフェニル基を有する単量体の代表的なものとしては、R1としてメチル基を含有するものの例として上掲した各種のフマル酸エステルにおいて、当該メチル基を炭素原子数が2〜12なる各種のアルキル基あるいはフェニル基に置き換えた構造を有する各種の単量体を例示することができる。
【0228】
一般式(VI−4)で示されるマレイン酸エステルの具体的なものとしては、一般式(VI−4)で示されるフマル酸エステルの代表的なものとして上掲した各種の化合物に対応する各種のマレイン酸エステルが挙げられる。
【0229】
一般式(VI−4)で示されるメサコン酸エステルの具体的なものとしては、一般式(VI−4)においてXが水素原子であるフマル酸エステルの代表的なものとして上掲した各種の化合物おいて、当該水素原子をメチル基に置き換えた構造を有する各種の化合物挙げられる。
【0230】
一般式(VI−4)で示されるシトラコン酸エステルの具体的なものとしては、一般式(VI−4)においてXが水素原子であるマレイン酸エステルの代表的なものとして上掲した各種の化合物おいて、当該水素原子をメチル基に置き換えた構造を有する各種の化合物が挙げられる。
【0231】
一般式(VI−4)で示される各種の不飽和ジカルボン酸エステルなかで好ましいものは、1価の有機基であるR2が、炭素原子数が1〜8のアルキル基またはアルコキシ基を含む炭素原子数が3〜8のアルコキシ基置換アルキル基であり、且つ、R1が水素原子または炭素原子数が1〜5のアルキル基有する化合物である。これらのなかでより好ましいものは、R1として水素原子またはメチル基を有する化合物である。かかる一般式(VI−4)で示される各種の不飽和ジカルボン酸エステル類のなかで、特に好ましいものは、Xとして水素原子を有するフマル酸エステルまたはマレイン酸エステルである。
【0232】
一般式(VI)で示される単量体のなかの好ましいものの一つである一般式(VI-1)および(VI−2)で示される単量体の代表的なものを、以下に例示する。
【0233】
一般式(VI-1)および(VI−2)で示されるフマル酸エステルのなかで、R1として水素原子を有する化合物の代表的なものとしては、モノメチル−モノ(メトキシカルボニルメチル)フマレート、モノメチル−モノ(エトキシカルボニルメチル)フマレート、モノメチル−モノ(n−ブトキシカルボニルメチル)フマレート、モノエチル−モノ(エトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(n−プロピル)−モノ(n−プロポキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(n−ブチル)−モノ(メトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(n−ブチル)−モノ(n−ブトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(n−ヘキシル)−モノ(n−ヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(メトキシカルボニルメチル)フマレート、モノメチル−モノ(2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノメチル−モノ(n−デシルオキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2およびR9としてアルキル基を有する化合物;
【0234】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(メトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(2−メトキシエチル)−モノ(エトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(エトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(n−プロポキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(n−ブトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(n−ヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(4−エトキシブチル)−モノ(2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノ[2−(n−ヘキシルオキシ)エチル)]−モノ(メトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ[3−(n−プロポキシ)プロピル]−モノ(n−デシルオキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2としてアルキル基を、R9としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0235】
モノベンジル−モノ(メトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(2−フェニルエチル)−モノ(エトキシカルボニルメチル)フマレート、モノベンジル−モノ(n−ブトキシカルボニルメチル)フマレート、モノベンジル−モノ(2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2としてアルキル基を、R9としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0236】
モノシクロペンチル−モノ(メトキシカルボニルメチル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ(エトキシカルボニルメチル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ(2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2としてアルキル基を、R9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0237】
モノフェニル−モノ(メトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(1−ナフチル)−モノ(エトキシカルボニルメチル)フマレート、モノフェニル−モノ(n−ブトキシカルボニルメチル)フマレート、モノフェニル−モノ(2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2としてアルキル基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0238】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(メトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(エトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(4−メチルフェニル)−モノ(2−エチルヘキシルオキシカルボニルカルボニルメチル)フマレート、等のR2としてアルキル基を、R9として置換アリール基を有する化合物;
【0239】
モノメチル−モノ(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)フマレート、モノエチル−モノ(2−エトキシエトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(n−プロピル)−モノ[2−(n−プロポキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(3−メトキシプロポキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9としてアルキル基を有する化合物;
【0240】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(2−メトキシエチル)−モノ[2−(n−ヘキシルオキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、モノ(6−エトキシヘキシル)−モノ(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(3−メトキシプロピル)−モノ(3−メトキシプロポキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 及びR9としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0241】
モノベンジル−モノ(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(2−フェニルエチル)−モノ[2−(n−プロポキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、モノ(1−フェニルエチル)−モノ[2−(n−ブトキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、モノベンジル−モノ[2−(n−ヘキシルオキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、等のR2 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0242】
モノフェニル−モノ(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)フマレート、モノフェニル−モノ[2−(n−ヘキシルオキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、モノ(1−ナフチル)−モノ[2−(n−プロポキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、等のR2 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0243】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(4−メチルフェニル)−モノ[2−(n−ヘキシルオキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ[2−(n−プロポキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、等のR2 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9 として置換アリール基を有する化合物;
【0244】
モノシクロヘキシル−モノ(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ[2−(n−ブトキシ)エトキシカルボニルメチル]フマレート、等のR2 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9 としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0245】
モノメチル−モノ(ベンジルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノエチル−モノ(1−フェニルエトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(ベンジルオキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてアルキル基を有する化合物;
【0246】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(ベンジルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(1−フェニルエトキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(6−エトキシヘキシル)−モノ(ベンジルオキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0247】
モノシクロペンチル−モノ(ベンジルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノモノシクロヘキシル−モノ(2−フェニルエトキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0248】
モノフェニル−モノ(ベンジルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(1−ナフチル)−モノ(2−フェニルエトキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてアリール基を有する化合物;
【0249】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(ベンジルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(4−メチルフェニル)−モノ(1−フェニルエトキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 として置換アリールを有する化合物;
【0250】
モノメチル−モノ(シクロペンチルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノエチル−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(2−エチルへキシル)−モノ(シクロペンチルオキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 としてシクロアルキル基を、R9としてアルキル基を有する化合物;
【0251】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(シクロペンチルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノ[2−(n−オクチルオキシ)エチル]−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 としてシクロアルキル基を、R9 としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0252】
モノシクロペンチル−モノ(シクロペンチルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノシクロペンチル−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 及びR9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0253】
モノフェニル−モノ(シクロペンチルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(1−ナフチル)−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 としてシクロアルキル基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0254】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(シクロペンチルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(4−ニトロフェニル)−モノ(シクロヘキシルオキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 としてシクロアルキル基を、R9として置換アリール基を有する化合物;
【0255】
モノメチル−モノ(フェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(n−ヘキシル)−モノ(フェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノメチル−モノ(1−ナフトキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 としてアリール基を、R9としてアルキル基を有する化合物;
【0256】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(フェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(フェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(6−エトキシヘキシル)−モノ(フェノキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 としてアリール基を、R9としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0257】
モノベンジル−モノ(フェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノベンジル−モノ(1−ナフトキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 としてアリール基を、R9 としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0258】
モノシクロペンチル−モノ(フェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ(フェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ(1−ナフトキシカルボニルメチル)フマレート、等R2 としてアリール基を、R9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0259】
モノフェニル−モノ(フェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(1−ナフチル)−モノ(フェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノフェニル−モノ(1−ナフトキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 及びR9としてアリール基を有する化合物;
【0260】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(フェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(フェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(4−メチルフェニル)−モノ(1−ナフトキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 としてアリール基を、R9として置換アリール基を有する化合物;
【0261】
モノメチル−モノ(3−メチルフェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(n−ブチル)−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)フマレート、等R2 として置換アリール基を、R9としてアルキル基を有する化合物;
【0262】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(3−メチルフェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノ[2−(n−ヘキシルオキシ)エチル]−モノ(3−メチルフェノキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 として置換アリール基を、R9 としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0263】
モノベンジル−モノ(3−メチルフェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノベンジル−モノ(4−ニトロフェノキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 として置換アリール基を、R9 としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0264】
モノシクロペンチル−モノ(3−メチルフェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 として置換アリール基を、R9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0265】
モノフェニル−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(1−ナフチル)−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 として置換アリール基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0266】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)フマレート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(4−メチルフェノキシカルボニルメチル)フマレート、等のR2 及びR9として置換アリール基を有する化合物、が挙げられる。
【0267】
一般式(VI−1)および(VI−2)で示されるフマル酸エステルのなかで、R1として炭素原子数が1〜12なる各種のアルキル基あるいはフェニル基を有する単量体の代表的なものとしては、R1として水素原子を有する化合物の例として上掲した各種のフマル酸エステルにおいて、当該水素原子を炭素原子数が1〜12なる各種のアルキル基あるいはフェニル基に置き換えた構造を有する各種の単量体を例示することができる。
【0268】
一般式(VI−1)および(VI−2)で示されるマレイン酸エステルの具体的なものとしては、一般式(VI−1)および(VI−2)で示されるフマル酸エステルの代表的なものとして上掲した各種の化合物に対応するマレイン酸エステルが挙げられる。
【0269】
一般式(VI−1)および(VI−2)で示されるメサコン酸エステルの具体的なものとしては、一般式(VI−1)および(VI−2)においてXが水素原子であるフマル酸エステルの代表的なものとして上掲した各種の化合物おいて、当該水素原子をメチル基に置き換えた構造を有する各種の化合物挙げられる。
【0270】
一般式(VI−1)および(VI−2)で示されるシトラコン酸エステルの具体的なものとしては、一般式(VI−1)および(VI−2)においてXが水素原子であるマレイン酸エステルの代表的なものとして上掲した各種の化合物おいて、当該水素原子をメチル基に置き換えた構造を有する各種の化合物挙げられる。
【0271】
一般式(VI−1)および(VI−2)で示される各種の不飽和ジカルボン酸エステルなかで好ましいものは、1価の有機基であるR2が、炭素原子数が1〜8のアルキル基またはアルコキシ基を含む炭素原子数が3〜8のアルコキシ基置換アルキル基であり、且つ、R1が水素原子または炭素原子数が1〜5のアルキル基有する化合物である。これらのなかでより好ましいものは、R1として水素原子またはメチル基を有する化合物である。一般式(VI−1)および(VI−2)で示される各種の不飽和ジカルボン酸エステル類のなかで、特に好ましいものは、Xとして水素原子を有するフマル酸エステルおよびマレイン酸エステルである。
【0272】
一般式(VI)で示される単量体のなかの好ましいものの一つである一般式(VI-8)で示される単量体の代表的なものを、以下に例示する。
【0273】
一般式(VI−8)で示されるフマル酸エステルのなかで、R5として水素原子を有する化合物の代表的なものとしては、ビス(2−オキソプロピル)フマレート、ビス(2−オキソブチル)フマレート、ビス(3−メチル−2−オキソブチル)フマレート、ビス(2−オキソペンチル)フマレート、ビス(4−メチル−2−オキソペンチル)フマレート、ビス(2−オキソデシル)フマレート、ビス(2−オキソトリデシル)フマレート、ビス(2−オキソテトラデシル)フマレート、等のR6としてアルキル基を有する化合物;
【0274】
ビス(4−メトキシ−2−オキソブチル)フマレート、ビス(4−エトキシ−2−オキソブチル)フマレート、ビス[2−オキソ−4−(n−プロポキシ)ブチル]フマレート、等のR6としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0275】
ビス(2−オキソ−4−フェノキシブチル)フマレート、ビス[4−(4−メチルフェノキシ)−2−オキソブチル]フマレート、等のR6としてアリールオキシが置換したアルキル基を有する化合物;
【0276】
ビス(4−ベンジルオキシ−2−オキソブチル)フマレート、ビス[2−オキソ−4−(2−フェニルエトキシ)ブチル]フマレート、等のR6としてアラルキルオキシ基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0277】
ビス(2−オキソ−3−フェニルプロピル)フマレート、ビス(2−オキソ−4−フェニルブチル)フマレート、等のR6としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0278】
ビス(シクロペンチルカルボニルメチル)フマレート、ビス(シクロヘキシルカルボニルメチル)フマレート、等のR6としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0279】
ビス(ベンゾイルメチル)フマレート、ビス(1−ナフトイルメチル)フマレート、等のR6としてアリール基を有する化合物、が挙げられる。
【0280】
一般式(VI−8)で示されるフマル酸エステルのなかで、R5として炭素原子数が1〜12なるアルキル基またはフェニル基を含有する化合物の代表的なものとしては、R5として水素原子を有する化合物の例として上掲した各種のフマル酸エステルにおいて、当該水素原子を炭素原子数が1〜12なる各種のアルキル基あるいはフェニル基に置き換えた構造を有する化合物が挙げられる。
【0281】
一般式(VI−8)で示されるマレイン酸エステルの具体的なものとしては、一般式(VI−8)で示されるフマル酸エステルの代表的なものとして上掲した各種の化合物に対応するマレイン酸エステルが挙げられる。
【0282】
一般式(VI−8)で示されるメサコン酸エステルの具体的なものとしては、一般式(VI−8)においてXが水素原子であるフマル酸エステルの代表的なものとして上掲した各種の化合物おいて、当該水素原子をメチル基に置き換えた構造を有する各種の化合物挙げられる。
【0283】
一般式(VI−8)で示されるシトラコン酸エステルの具体的なものとしては、一般式(VI−8)においてXが水素原子であるマレイン酸エステルの代表的なものとして上掲した各種の化合物おいて、当該水素原子をメチル基に置き換えた構造を有する各種の化合物挙げられる。
【0284】
一般式(VI−8)で示される不飽和ジカルボン酸エステルとして例示した各種の化合物なかで好ましいものは、1価の有機基R6として炭素原子数が1〜8のアルキル基を有し、且つ、R5として水素原子または炭素原子数が1〜5のアルキル基を有する化合物である。これらのなかでより好ましいものは、R5として水素原子を有する化合物である。最も好ましいものは、R5として水素原子を有し、且つ、R6としてメチル基を有する化合物である。一般式(VI−8)で示される各種の不飽和ジカルボン酸エステル類のなかで、特に好ましいものは、Xとして水素原子を有するフマル酸エステルまたはマレイン酸エステルである。
【0285】
上述した好ましい不飽和ジカルボン酸エステルのなかの一般式(VI−5)および(VI−6)で示される単量体の代表的なものを以下に例示する。
【0286】
一般式(VI−5)および(VI−6)で示されるフマル酸エステルのなかで、R5 として水素原子を有する化合物の代表的なものとしては、モノメチル−モノ(2−オキソプロピル)フマレート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(2−オキソプロピル)フマレート、モノメチル−モノ(2−オキソブチル)フマレート、モノエチル−モノ(2−オキソプロピル)フマレート、モノエチル−モノ(2−オキソブチル)フマレート、モノ(n−ヘキシル)−モノ(2−オキソオクチル)フマレート、モノメチル−モノ(2−オキソデシル)フマレート、等のR6およびR9としてアルキル基を有する化合物;
【0287】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(2−オキソプロピル)フマレート、モノ(6−エトキシヘキシル)−モノ(2−オキソプロピル)フマレート、モノ(2−メトキシエチル)−モノ(2−オキソブチル)フマレート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(2−オキソペンチル)フマレート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(2−オキソヘキシル)フマレート、モノ[3−(n−プロポキシ)プロピル]−モノ(2−オキソデシル)フマレート、等のR6 としてアルキル基を、R9としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0288】
モノベンジル−モノ(2−オキソプロピル)フマレート、モノベンジル−モノ(2−オキソブチル)フマレート、モノ(2−フェニルエチル)−モノ(2−オキソブチル)フマレート、等のR6 としてアルキル基を、R9 としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0289】
モノシクロペンチル−モノ(2−オキソプロピル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ(2−オキソブチル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ(2−オキソデシル)フマレート、等のR6としてアルキル基を、R9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0290】
モノフェニル−モノ(2−オキソプロピル)フマレート、モノ(1−ナフチル)−モノ(2−オキソブチル)フマレート、モノフェニル−モノ(2−オキソペンチル)フマレート、モノフェニル−モノ(2−オキソデシル)フマレート、等のR6 としてアルキル基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0291】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(2−オキソプロピル)フマレート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(2−オキソブチル)フマレート、等のR6としてアルキル基を、R9として置換アリール基を有する化合物;
【0292】
モノメチル−モノ(4−メトキシ−2−オキソブチル)フマレート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(4−メトキシ−2−オキソブチル)フマレート、モノエチル−モノ(4−エトキシ−2−オキソブチル)フマレート、モノ(n−ヘキシル)−モノ(5−メトキシ−2−オキソペンチル)フマレート、等のR6 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9としてアルキル基を有する化合物;
【0293】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(4−メトキシ−2−オキソブチル)フマレート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(4−エトキシ−2−オキソブチル)フマレート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(4−ブトキシ−2−オキソブチル)フマレート、等のR6 およびR9としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0294】
モノベンジル−モノ(4−メトキシ−2−オキソブチル)フマレート、モノベンジル−モノ(4−エトキシ−2−オキソブチル)フマレート、モノ(2−フェニルエチル)−モノ[2−オキソ−4−(n−プロポキシ)ブチル]フマレート、等のR6 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0295】
モノフェニル−モノ(4−メトキシ−2−オキソブチル)フマレート、モノ(1−ナフチル)−モノ[2−オキソ−4−(n−プロポキシ)ブチル]フマレート、モノフェニル−モノ[4−(n−ブトキシ)−2−オキソブチル]フマレート、等のR6 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0296】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(4−メトキシ−2−オキソブチル)フマレート、モノ(4−メチルフェニル)−モノ(4−エトキシ−2−オキソブチル)フマレート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ[2−オキソ−4−(n−プロポキシ)ブチル]フマレート、等のR6 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9 として置換アリール基を有する化合物;
【0297】
モノシクロヘキシル−モノ(4−メトキシ−2−オキソブチル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ(4−エトキシ−2−オキソブチル)フマレート、モノシクロペンチル−モノ[2−オキソ−4−(n−プロポキシ)ブチル]フマレート、等のR6 としてアルコキシ基置換アルキル基を、R9 としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0298】
モノメチル−モノ(2−オキソ−3−フェニルプロピル)フマレート、モノエチル−モノ(2−オキソ−3−フェニルブチル)フマレート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(2−オキソ−3−フェニルプロピル)フマレート、等のR6 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてアルキル基を有する化合物;
【0299】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(2−オキソ−3−フェニルプロピル)フマレート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(2−オキソ−4−フェニルブチル)フマレート、等のR6 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0300】
モノシクロペンチル−モノ(2−オキソ−3−フェニルプロピル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ(2−オキソ−4−フェニルブチル)フマレート、等のR6 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0301】
モノフェニル−モノ(2−オキソ−3−フェニルプロピル)フマレート、モノフェニル−モノ(2−オキソ−3−フェニルブチル)フマレート、モノ(1−ナフチル)−モノ(2−オキソ−4−フェニルブチル)フマレート、等のR6 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 としてアリール基を有する化合物;
【0302】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(2−オキソ−3−フェニルプロピル)フマレート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(2−オキソ−4−フェニルブチル)フマレート、等のR6 としてアリール基が置換したアルキル基を、R9 として置換アリール基を有する化合物;
【0303】
モノメチル−モノ(シクロペンチルカルボニルメチル)フマレート、モノエチル−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)フマレート、モノ(n−ブチル)−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)フマレート、等のR6 としてシクロアルキル基を、R9 としてアルキル基を有する化合物;
【0304】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(シクロペンチルカルボニルメチル)フマレート、モノ(2−エトキシエチル)−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)フマレート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)フマレート、等のR6 としてシクロアルキル基を、R9 としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0305】
モノシクロペンチル−モノ(シクロペンチルカルボニルメチル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)フマレート、モノシクロペンチル−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)フマレート、等のR6 およびR9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0306】
モノフェニル−モノ(シクロペンチルカルボニルメチル)フマレート、モノ(1−ナフチル)−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)フマレート、等のR6 としてシクロアルキル基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0307】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(シクロペンチルカルボニルメチル)フマレート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)フマレート、モノ(4−ニトロフェニル)−モノ(シクロヘキシルカルボニルメチル)フマレート、等のR6 としてシクロアルキル基を、R9として置換アリール基を有する化合物;
【0308】
モノメチル−モノ(ベンゾイルメチル)フマレート、モノエチル−モノ(ベンゾイルメチル)フマレート、モノメチル−モノ(1−ナフチルカルボニルメチル)フマレート、等のR6 としてアリール基を、R9としてアルキル基を有する化合物;
【0309】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(ベンゾイルメチル)フマレート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(ベンゾイルメチル)フマレート、モノ(2−メトキシエチル)−モノ(1−ナフチルカルボニルメチル)フマレート、等のR6 としてアリール基を、R9としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0310】
モノベンジル−モノ(ベンゾイルメチル)フマレート、モノベンジル−モノ(1−ナフチルカルボニルメチル)フマレート、等のR6 としてアリール基を、R9 としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0311】
モノシクロペンチル−モノ(ベンゾイルメチル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ(ベンゾイルメチル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ(1−ナフチルカルボニルメチル)フマレート、等のR6 としてアリール基を、R9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0312】
モノフェニル−モノ(ベンゾイルメチル)フマレート、モノ(1−ナフチル)−モノ(ベンゾイルメチル)フマレート、モノフェニル−モノ(1−ナフチルカルボニルメチル)フマレート、等のR6 およびR9としてアリール基を有する化合物;
【0313】
モノ(4−メチルフェニル)−モノ(ベンゾイルメチル)フマレート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(ベンゾイルメチル)フマレート、モノ(4−メチルフェニル)−モノ(1−ナフチルカルボニルメチル)フマレート、等のR6 としてアリール基を、R9として置換アリール基を有する化合物;
【0314】
モノメチル−モノ(3−メチルベンゾイルメチル)フマレート、モノエチル−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)フマレート、モノ(2−エチルヘキシル)−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)フマレート、等のR6 として置換アリール基を、R9としてアルキル基を有する化合物;
【0315】
モノ(2−メトキシエチル)−モノ(3−メチルベンゾイルメチル)フマレート、モノ[2−(n−ブトキシ)エチル]−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)フマレート、等のR6 として置換アリール基を、R9 としてアルコキシ基置換アルキル基を有する化合物;
【0316】
モノベンジル−モノ(3−メチルベンゾイルメチル)フマレート、モノベンジル−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)フマレート、等のR6 として置換アリール基を、R9 としてアリール基が置換したアルキル基を有する化合物;
【0317】
モノシクロペンチル−モノ(3−メチルベンゾイルメチル)フマレート、モノシクロヘキシル−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)フマレート、モノシクロオクチル−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)フマレート、等のR6 として置換アリール基を、R9としてシクロアルキル基を有する化合物;
【0318】
モノフェニル−モノ(3−メチルベンゾイルメチル)フマレート、モノフェニル−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)フマレート、モノ(1−ナフチル)−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)フマレート、等のR6 として置換アリール基を、R9としてアリール基を有する化合物;
【0319】
モノ(3−メチルフェニル)−モノ(3−メチルベンゾイルメチル)フマレート、モノ(4−クロロフェニル)−モノ(4−メチルベンゾイルメチル)フマレート、等のR6 およびR9としてとして置換アリール基を有する化合物、が挙げられる。
【0320】
一般式(VI−5)および(VI−6)で示されるフマル酸エステルのなかで、R5として炭素原子数が1〜12なるアルキル基またはフェニル基を含有する化合物の代表的なものとしては、R5として水素原子を有する化合物の例として上掲した各種のフマル酸エステルにおいて、当該水素原子を炭素原子数が1〜12なる各種のアルキル基あるいはフェニル基に置き換えた構造を有する化合物が挙げられる。
【0321】
一般式(VI−5)および(VI−6)で示されるマレイン酸エステルの具体的なものとしては、一般式(VI−5)および(VI−6)で示されるフマル酸エステルの代表的なものとして上掲した各種の化合物に対応するマレイン酸エステルが挙げられる。
【0322】
一般式(VI−5)および(VI−6)で示されるメサコン酸エステルの具体的なものとしては、一般式(VI−5)および(VI−6)においてXが水素原子であるフマル酸エステルの代表的なものとして上掲した各種の化合物おいて、当該水素原子をメチル基に置き換えた構造を有する各種の化合物挙げられる。
【0323】
一般式(VI−5)および(VI−6)で示されるシトラコン酸エステルの具体的なものとしては、一般式(VI−5)および(VI−6)においてXが水素原子であるマレイン酸エステルの代表的なものとして上掲した各種の化合物おいて、当該水素原子をメチル基に置き換えた構造を有する各種の化合物挙げられる。
【0324】
一般式(VI−5)および(VI−6)で示される不飽和ジカルボン酸エステルとして例示した各種の化合物なかで好ましいものは、1価の有機基R6として炭素原子数が1〜8のアルキル基を、R5として水素原子または炭素原子数が1〜5のアルキル基を有し、且つ、R9として炭素原子数が1〜8のアルキル基またはアルコキシ基を含む炭素原子数が1〜8のアルコキシ基置換アルキル基を有するものである。これらのなかでより好ましいものは、R5として水素原子を有する化合物である。最も好ましいものは、R5として水素原子を有し、且つ、R6としてメチル基を有する化合物である。一般式(VI−5)および(VI−6)で示される各種の不飽和ジカルボン酸エステル類のなかで、特に好ましいものは、Xとして水素原子を有するフマル酸エステルおよびマレイン酸エステルである。
【0325】
上掲した、各種の単量体の1種あるいは2種以上の混合物を重合させることにより、本発明のビニル系樹脂(VR−1)を調製することができる。かかるビニル系樹脂(VR−1)を調製する方法としては、塊状重合、有機溶剤中での溶液重合あるいは分散重合、水系媒体中での懸濁重合あるは乳化重合等の公知慣用の方法を適用することができる。塊状重合または水系媒体中で重合を行う場合には、ラジカル重合法を適用すればよい。また、有機溶剤中で重合を行う場合には、アニオン重合法やラジカル重合法を適用することができる。そして、これらのなかでラジカル重合法、特に、有機溶剤中での溶液ラジカル重合法が最も簡便であり、好ましいものである。
【0326】
溶液ラジカル重合法により本発明のビニル系樹脂を調製する際には、公知慣用の有機溶剤が使用される。その代表的なものとしては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタンの如き、脂肪族系または脂環式系の炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼンの如き、芳香族炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノブチエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルの如き、アルコール類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートの如き、エステル類;
【0327】
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノンの如き、ケトン類;ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルの如き、エーテル類;さらには、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネート等が挙げられる。
【0328】
有機溶剤中で溶液ラジカル重合を行なう際に用いられる、ラジカル重合開始剤類としては公知慣用の各種のものを使用できる。その代表的なものとしては、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルハイドロパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等がなどが挙げられる。
【0329】
不飽和ジカルボン酸エステル単量体、有機溶剤およびラジカル重合開始剤からビニル系樹脂(VR−1)を調製するには、例えば、▲1▼単量体、有機溶剤、重合開始剤の全量を反応容器に仕込んで加熱する、▲2▼加熱した有機溶剤中に単量体と重合開始剤を添加する、▲3▼単量体の一部と有機溶剤の混合物を加熱し、この混合物に残りの単量体と重合開始剤を添加する、等の各種の方法を適用することができる。
【0330】
重合にあたり、重合温度としては、概ね60〜140℃の範囲、反応時間としては、概ね、8〜50時間程度の条件を適用すればよい。また、重合開始剤は、単量体に対して概ね0.5〜10重量%程度使用すればよい。
【0331】
次に、ビニル系樹脂(VR−2)について詳しく説明する。
ビニル系樹脂(VR−2)は、前述の如く、不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(A)1〜99モル%、前記した(A)以外のビニル単量体に由来する繰り返し単位(B)99〜1モル%からなる重量平均分子量が1,000〜300,000のビニル系樹脂である。そして、ビニル系樹脂(VR−2)を構成する繰り返し単位(A)の具体的なもの、および、その好ましいものはビニル系樹脂(VR−1)に導入される繰り返し単位(A)の具体的なもの、および、好ましいものとして前掲した如きものが挙げられる。
【0332】
ビニル系樹脂(VR−2)を構成する(A)以外のビニル単量体に由来する繰り返し単位(B)としては、公知慣用の各種のビニル系単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。
【0333】
そして、かかる繰り返し単位(B)を与えるビニル系単量体の代表的なものとしては、(メタ)アクリル酸エステル類、カルボン酸アミド基含有単量体類、カルボン酸ビニルエステル類、芳香族ビニル化合物等が挙げられる。
【0334】
これらの中で、(メタ)アクリル酸エステル類の代表的なものとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートの如き、炭素数が1〜18なるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートの如き、シクロアルキル(メタ)アクリレート類;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートの如き、アリール基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレートの如きアルコキシアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類;
【0335】
2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートもし3−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ピペリジン、N−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ピロリジンもしくはN−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]モルホリンの如き、3級アミノ基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類;
【0336】
グリシジル(メタ)アクリレート、(β−メチル)グリシジル(メタ)アクリレートの如き、エポキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類;トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、トリエチルシロキシエチル(メタ)アクリレートの如き、シリルエーテル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類;
【0337】
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの如き、水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類;前記した如き水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類とε−カプロラクトンとを反応させて得られる、水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステル;
【0338】
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、片末端がメトキシ基等のアルコキシ基で封鎖されたポリエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、片末端がメトキシ基等のアルコキシ基で封鎖されたポリプロピレングリコールのモノ(メタ)アクリレートの如き、ポリエーテル鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステル類;
【0339】
トリiso−プロピルシリル(メタ)アクリレート、トリn−ブチルシリル(メタ)アクリレート、トリsec−ブチルシリル(メタ)アクリレートの如きシリルエステル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類、等が挙げられる。
【0340】
カルボン酸アミド基を含有する単量体の代表的なものとしては、(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド等のN原子上に置換基を有しないカルボン酸アミド基含有単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドの如き(メタ)アクリルアミド誘導体、等が挙げられる。
カルボン酸アミド基含有単量体類は、好ましくは(メタ)アクリルアミド、および(メタ)アクリルアミド誘導体である。
【0341】
カルボン酸ビニルエステル類の代表的なものとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブタン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、炭素数が5〜10なる分岐したアルキル基を有する脂肪族モノカルボン酸類のビニルエステル、安息香酸ビニル、p−tert−ブチル安息香酸ビニル等が挙げられる。
【0342】
芳香族ビニル化合物の代表的なものとしては、スチレン、4−メチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0343】
また、上掲した単量体以外にも各種の単量体を使用することができ、その代表的なものとしては、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジエチルフマレート、ジ−n−ブチルフマレート、ジ−n−ブチルイタコネートの如き、不飽和ジカルボン酸類と1価アルコール類とのジエステル類;ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチル−モノ−n−ブチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチル−モノ−n−ブチルフマレートの如き、水酸基を含有する不飽和ジカルボン酸エステル類;モノ−n−ブチルマレート、モノ−n−ブチルフマレート、モノメチルイタコネートの如き、不飽和ジカルボン酸のモノエステル類:アリルグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテルの如きアリル化合物;
【0344】
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン、メサコン酸、酸無水マレイン酸、無水イタコン酸の如き不飽和カルボン酸あるいはそれらの酸無水物;エチレン、プロピレン、1−ブテン等のオレフィン類;フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等のフルオロオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデンの如きクロロオレフィン類;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類等が挙げられる。
【0345】
本発明のビニル系樹脂(VR−2)を構成する繰り返し単位の比率は、不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(A)1〜99モル%、前記した(A)以外のビニル単量体に由来する繰り返し単位(B)99〜1モル%である。
そして、かかるビニル系樹脂(VR−2)の一つの好ましい態様は、繰り返し単位(A)1〜50モル%と繰り返し単位(B)99〜50モル%(合計100モル%)からなる樹脂、好ましくは、繰り返し単位(A)2〜50モル%と繰り返し単位(B)98〜50モル%(合計100モル%)からなる樹脂、最も好ましくは繰り返し単位(A)5〜50モル%と繰り返し単位(B)95〜50モル%(合計100モル%)からなる樹脂である。これらの態様の樹脂は、特に各種の有機溶剤への溶解性に優れることから取扱いが容易である点で好ましい。またこれらの態様の樹脂は耐水性に優れる点でも好ましいものである。
また、他の好ましい態様は、繰り返し単位(A)50〜99モル%と繰り返し単位(B)1〜50モル%(合計100モル%)からなる樹脂、好ましくは、繰り返し単位(A)50〜80モル%と繰り返し単位(B)50〜20モル%(合計100モル%)からなる樹脂、最も好ましくは繰り返し単位(A)50〜70モル%と繰り返し単位(B)50〜30モル%(合計100モル%)からなる樹脂である。これら他の態様の樹脂は、特に活性エステル基の含有率が高く、弱アルカリ条件下でも加水分解され易い点で好ましい。
【0346】
そして、かかるビニル系樹脂(VR−2)を構成する繰り返し単位(B)としては、上掲した各種の単量体の中で、(メタ)アクリル酸エステル、カルボン酸アミド基含有単量体、カルボン酸ビニルエステルおよび芳香族ビニル化合物から成る群より選ばれる少なくとも一種の単量体に由来する繰り返し単位であることが好ましい。そして、(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位としては、炭素数が1〜8なるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートあるいはシクロアルキル(メタ)アクリレートに由来する単位が特に好ましい。
【0347】
船底防汚塗料用のビヒクル成分としてビニル系樹脂(VR−2)使用する場合、好ましいビニル系樹脂の一つとして、アルコキシ基が置換したアルキル基、ポリエーテル鎖、アミド基、水酸基の如き親水性基を導入した樹脂が挙げられる。そして、ビニル系樹脂(VR−2)に導入される親水性基を含有する繰り返し単位の代表的なものとしては、アルコキシ基が置換したアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、ポリエーテル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル類、水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類、カルボン酸アミド基含有単量体の如き、親水性を有する単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。
【0348】
ビニル系樹脂(VR−2)に親水性基を含有する繰り返し単位を導入する場合、その導入量としては、全繰り返し単位を基準に0.5〜30モル%、好ましくは1.0〜20モル%程度が適切である。
【0349】
また、ビニル系樹脂(VR−2)のGPCで測定される重量平均分子量は、1,000〜300,000、好ましくは、2,000〜150,000、最も好ましくは3,000〜100,000の範囲である。
【0350】
本発明のビニル系樹脂(VR−2)を調製するには、(iii)前記した一般式(III)で示されるエステル基および/または前記した一般式(IV)で示されるエステル基を含有する不飽和ジカルボン酸エステル単量体を共重合可能なビニル系単量体と共重合せしめる方法、(iV)イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸の如き不飽和ジカルボン酸や前記した如き不飽和ジカルボン酸のハーフエステルと共重合可能なビニル系単量体とからカルボキシル基を含有する共重合体を予め調製し、次いで、得られた共重合体を塩基性化合物の存在下にα−ハロカルボン酸エステル類および/またはα−ハロケトン類と反応させる方法等を適用すればよい。かかる方法のなかで、ポリマーの精製が容易で簡便に目的物を得ることが出来る点から、(iii)の方法が特に好ましい。
【0351】
(iii)なる方法で、ビニル系樹脂(VR−2)を調製するに当たり使用される当該不飽和ジカルボン酸エステル単量体の代表的なもの、および、それらのなかで特に好ましいものとしては、ビニル系樹脂(VR−1)の調製に際して使用される代表的なもの、および、好ましいものとして例示した如きものが挙げられる。
【0352】
また、当該不飽和ジカルボン酸エステル単量体と共重合される単量体の代表的なものは、ビニル系樹脂(VR−2)に導入される繰り返し単位(B)を与える単量体の具体的なものとして前掲した各種のものが挙げられる。
【0353】
当該不飽和ジカルボン酸エステル単量体並びに共重合される単量体の比率としては、得られるビニル系樹脂(VR−2)を構成する不飽和ジカルボン酸エステル単量体に由来する繰り返し単位(A)の割合が、1〜99モル%、好ましくは2〜80モル%、さらに好ましくは5〜70モル%となるように設定すればよい。
なお、前述したビニル系樹脂(VR−2)の一つの好ましい態様を得ようとする場合には、繰り返し単位(A)の割合が1〜50モル%、好ましくは2〜50モル%、さらに好ましくは5〜50モル%となるように単量体比率を設定すればよく、他の好ましい態様を得ようとする場合には、繰り返し単位(A)の割合が50〜99モル%、好ましくは50〜80モル%、さらに好ましくは50〜70モル%となるように単量体比率を設定すればよい。
【0354】
そして、繰り返し単位(B)のなかで、上述した好ましい繰り返し単位をビニル系樹脂(VR−2)に導入するには、(メタ)アクリル酸エステル、カルボン酸アミド基含有単量体類、カルボン酸ビニルエステルおよび芳香族ビニル化合物から成る群より選ばれる少なくとも一種の単量体を共重合する単量体として使用して重合を行えばよい。
【0355】
そして、より好ましい(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する繰り返し単位を導入するには、炭素数が1〜8なるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートあるいはシクロアルキル(メタ)アクリレートを共重合すればよい。また、船底防汚塗料用のビヒクル成分として好ましい樹脂の一つである親水性基を有する樹脂を調製するには、アルコキシ基が置換したアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、ポリエーテル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル類、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、カルボン酸アミド基含有単量体の如き親水性基を含有する単量体を共重合すればよい。
【0356】
かかる親水性基を含有する単量体を共重合する場合、ビニル系樹脂(VR−2)を構成する全繰り返し単位を基準に親水性基を有する繰り返し単位の割合が、0.5〜30モル%、好ましくは1.0〜20モル%の範囲内となるように親水性基を含有する単量体を共重合すればよい。
【0357】
上掲した単量体から、ビニル系樹脂(VR−2)を調製するには、ビニル系樹脂(VR−1)を調製する場合と同様に各種の重合方法を適用できるが、有機溶剤中での溶液ラジカル重合法を適用することが、簡便で特に好ましい。かかる重合法によりビニル系樹脂(VR−2)を調製する場合の、有機溶剤の種類、重合開始剤の種類と使用量、重合温度、重合時間、重合処方等はビニル系樹脂(VR−1)調製の場合に準じればよい。
【0358】
【実施例】
次に、本発明を、実施例により、一層、具体的に説明をするが、本発明は、決して、これらの例のみに限定されるものではない。なお、以下において、部および%は、特に断りの無い限り、すべて、重量基準であるものとする。
【0359】
尚、実施例において、ビニル系樹脂の分析に使用した装置、測定条件は下記の通りである。調製したビニル系樹脂における繰り返し単位の含有量は1H−NMRの測定データに基づき算出した。ビニル系樹脂の重量平均分子量はGPC測定データに基づき算出した。また、ビニル系樹脂溶液の不揮発分は、樹脂溶液を105℃の恒温器中で3時間の乾燥を行った際の残留物の重量に基づいて算出した。
【0360】
Figure 0004611561
【0361】
実施例で使用した活性エステル基を含有する不飽和ジカルボン酸エステル単量体は下記の通りである。
【0362】
1.ビス(メトキシカルボニルメチル)イタコネート(以下、BMCMIと略称する):イタコン酸カリウム塩とクロロ酢酸メチルの反応により合成した。
2.ビス(エトキシカルボニルメチル)イタコネート(以下、BECMIと略称する):イタコン酸カリウム塩とクロロ酢酸エチルの反応により合成した。
3.ビス(n−ブトキシカルボニルメチル)イタコネート(以下、BBCMIと略称する):イタコン酸カリウム塩とクロロ酢酸n−ブチルの反応により合成した。
4.ビス(2−メトキシエトキシカルボニルメチル)イタコネート(以下、BMECMIと略称する):イタコン酸カリウム塩とクロロ酢酸2−メトキシエチルの反応により合成した。
5.ビス(1−メトキシカルボニルエチル)イタコネート(以下、BMCEIと略称する):イタコン酸カリウム塩と2−クロロプロピオン酸メチルの反応により合成した。
【0363】
6.モノメチル−モノ(メトキシカルボニルメチル)イタコネート(以下、MMCMIと略称する):イタコン酸モノメチルのカリウム塩とクロロ酢酸メチルの反応により合成した。
7.モノメチル−モノ(n−ブトキシカルボニルメチル)イタコネート(以下、MBCMIと略称する):イタコン酸モノメチルのカリウム塩とクロロ酢酸n−ブチルの反応により合成した。
8.ビス(2−オキソプロピル)イタコネート(以下、OXPIと略称する):イタコン酸カリウム塩と1−クロロ−2−オキソプロパンの反応により合成した。
9.ビス(メトキシカルボニルメチル)フマレート(以下、BMCMFと略称する):フマル酸カリウム塩とクロロ酢酸メチルの反応により合成した。
10.ビス(1−メトキシカルボニルエチル)フマレート(以下、BMCEFと略称する):フマル酸カリウム塩と2−クロロプロピオン酸メチルの反応により合成した。
11.ビス(メトキシカルボニルメチル)マレート(以下、BMCMMと略称する):マレイン酸カリウム塩とクロロ酢酸メチルの反応により合成した。
【0364】
実施例1(ビニル系樹脂の調製)
空冷管を備えたガラス製の反応容器に、BMCMI 10.0部、ジ−tert−ブチルパーオキサイド(DTBPO) 0.30部、酢酸n−ブチル(BAc) 7.0部、キシレン(Xy) 3.0部を仕込み充分混合した後、反応容器を120℃に保った油浴に浸漬して加熱を開始した。加熱開始から、12時間後、24時間後および36時間後にそれぞれ0.1部のDTBPOを追加した。合計48時間加熱することにより重合を行って重合体の溶液を得た。得られた重合体の溶液にメタノール 40部を加えて充分混合しメタノール可溶分の抽出を行った。メタノール 40部を使用する可溶分抽出操作をさらに3回行って高粘度の液状残留物を得た。この液状残留物から減圧で揮発分を除去して粘着性固体状のBMCMIの単独重合体7.82部(収率 78.2%)を得た。得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,900であった。IRスペクトルを図1に、1H−NMRスペクトルを図2に示した。
【0365】
実施例2(ビニル系樹脂の調製)
BMCMIの10部に代えてBECMIの10部を使用する以外は実施例1と同様に重合、重合体の単離操作、揮発分の除去を行って、粘着性固体状のBECMIの単独重合体7.14部(収率 71.4%)を得た。得られた樹脂のMwは、18,300であった。IRスペクトルを図3に、1H−NMRスペクトルを図4に示した。
【0366】
実施例3(ビニル系樹脂の調製)
実施例1と同様の反応容器に、BMCMI 5部、メチルアクリレート(MA) 5部と、DTBPO 0.3部、Xy 2部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)2部、BAc 6部を仕込んで充分混合した後、反応容器を120℃に保った油浴に浸漬し、16時間加熱して重合を行った。得られた共重合体の溶液にテトラヒドロフラン(THF)20部を加え溶解して得られた溶液をメタノール 400部に投入し共重合体を沈殿させた。沈殿した共重合体を濾別し減圧下で1日間乾燥を行って白色粉末状のBMCMIとMAの共重合体 8.46部(収率 84.6%)を得た。得られた共重合体は、Mwが25,500であり、BMCMIに由来する繰り返し単位を24.8モル%含有していた。IRスペクトルを図5に、1H−NMRスペクトルを図6に示した。
【0367】
実施例4(ビニル系樹脂の調製)
BMCMI 5部とMA 5部に代えて、BECMI 5部とMA 5部を使用した以外は、実施例3と同様に重合、重合体の単離操作および乾燥を行って白色粉末状のBECMIとMAの共重合体 8.12部(収率81.2%)を得た。得られた共重合体は、Mwが35,800であり、BECMIに由来する繰り返し単位を14.3モル%含有していた。
【0368】
実施例5(ビニル系樹脂の調製)
BMCMI 5部とMA 5部に代えて、BBCMI 5部とMA 5部を使用した以外は、実施例3と同様に重合、重合体の単離操作および乾燥を行って白色粉末状のBBCMIとMAの共重合体 7.81部(収率78.1%)を得た。得られた共重合体は、Mwが46,100であり、BBCMIに由来する繰り返し単位を19.5モル%含有していた。IRスペクトルを図7に、1H−NMRスペクトルを図8に示した。
【0369】
実施例6(ビニル系樹脂の調製)
BMCMI 5部とMA 5部に代えて、BECMI 5部とメチルメタクリレート(MMA) 5部を使用した以外は、実施例3と同様に重合、重合体の単離操作および乾燥を行って白色粉末状のBECMIとMMAの共重合体 8.82部(収率88.2%)を得た。得られた共重合体は、Mwが39,700であり、BECMIに由来する繰り返し単位を22.4モル%含有していた。IRスペクトルを図9に、1H−NMRスペクトルを図10に示した。
【0370】
実施例7(ビニル系樹脂の調製)
BMCMI 5部とMA 5部に代えて、BBCMI 5部とMMA 5部を使用した以外は、実施例3と同様に重合、重合体の単離操作および乾燥を行って白色粉末状のBBCMIとMMAの共重合体 8.53部(収率85.3%)を得た。得られた共重合体は、Mwが30,000であり、BBCMIに由来する繰り返し単位を18.7モル%含有していた。
【0371】
実施例8(ビニル系樹脂の調製)
BMCMI 5部とMA 5部に代えて、BMECMI 5部とMMA 5部を使用した以外は、実施例3と同様に重合、重合体の単離操作および乾燥を行って白色粉末状のBMECMIとMMAの共重合体 7.24部(収率72.4%)を得た。得られた共重合体は、Mwが21,300であり、BMECMIに由来する繰り返し単位を19.2モル%含有していた。IRスペクトルを図11に、1H−NMRスペクトルを図12に示した。
【0372】
実施例9(ビニル系樹脂の調製)
BMCMI 5部とMA 5部に代えて、BMCEI 5部とMMA 5部を使用した以外は、実施例3と同様に重合、重合体の単離操作および乾燥を行って白色粉末状のBMCEIとMMAの共重合体 7.86部(収率78.6%)を得た。得られた共重合体は、Mwが20,200であり、BMCEIに由来する繰り返し単位をモル%含有していた。IRスペクトルを図13に、1H−NMRスペクトルを図14に示した。
【0373】
実施例10(ビニル系樹脂の調製)
BMCMI 5部とMA 5部に代えて、BECMI 5部とスチレン(ST) 5部を使用した以外は、実施例3と同様に重合、重合体の単離操作および乾燥を行って白色粉末状のBECMIとSTの共重合体 9.01部(収率90.1%)を得た。得られた共重合体は、Mwが25,600であり、BECMIに由来する繰り返し単位を26.3モル%含有していた。IRスペクトルを図15、1H−NMRスペクトルを図16に示した。
【0374】
実施例11(ビニル系樹脂の調製)
BMCMI 5部とMA 5部に代えて、BBCMI 5部とST 5部を使用した以外は、実施例3と同様に重合、重合体の単離操作および乾燥を行って白色粉末状のBBCMIとSTの共重合体 7.68部(収率76.8%)を得た。得られた共重合体は、Mwが20,700であり、BBCMIに由来する繰り返し単位を23.1モル%含有していた。IRスペクトルを図17、1H−NMRスペクトルを図18に示した。
【0375】
実施例12(ビニル系樹脂の調製)
攪拌機、温度計、冷却管および窒素ガス導入口を備えた反応器にXy 300部、BAc 450部を仕込んで、窒素ガス気流下に攪拌しながら120℃に昇温した。次いで、MMCMI 500部、MMA 500部、DTBPO 30部およびBAc 250部からなる混合物を4時間に亘って滴下した。滴下終了の2時間後にDTBPO 3部を添加し、その後も同温度で10時間の反応を行って、不揮発分が50.2%で、Mwが22,400なる、MMCMIに由来する繰り返し単位が31.6モル%含有されるMMCMIとMMAの共重合体の溶液を得た。
【0376】
実施例13(ビニル系樹脂の調製)
実施例12と同様に反応容器に、Xy 200部、BAc 350部、PGME 200部を仕込み、窒素ガス気流下に攪拌しながら120℃に昇温した。次いで、MBCMI 500部とMMA 500部と、DTBPO 30部およびBAc 250部からなる混合物を4時間に亘って滴下した。滴下終了の2時間後にDTBPO 3部を添加し、その後も同温度で10時間の反応を行って、不揮発分が50.1%で、Mwが19,800なる、MBCMIに由来する繰り返し単位が27.9モル%含有されるMBCMIとMMAの共重合体溶液を得た。
【0377】
実施例14(ビニル系樹脂の調製)
実施例12と同様の反応容器に、Xy 500部とBAc 250部を仕込み、窒素ガス気流下に攪拌しながら90℃に昇温した。次いで、BBCMI 350部、MMA 650部、BAc 250部およびtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPOEH) 25部からなる混合物を3時間に亘って滴下した。その後、同温度で10時間攪拌を行って、不揮発分が50.0%で、Mwが17,412なる、BBCMIに由来する繰り返し単位が13.1モル%含有されるBBCMIとMMAの共重合体溶液を得た。
【0378】
実施例15(ビニル系樹脂の調製)
実施例1と同様の反応容器に、Xy 200部、PGME 200部、BAc350部を仕込んで、窒素ガス気流下に攪拌しながら80℃に昇温した。ついで、、BMCMI 500部、MMA 250部、酢酸ビニル(VAc) 200部、2−メトキシエチルメタクリレート(MEMA) 50部、TBPOEH30部およびBAc 250部からなる混合物を、4時間に亘って滴下した。滴下終了2時間後にTBPOEH 3部を添加し、その後、同温度で10時間の攪拌を行って不揮発分が50.1%、Mwが21,800なるBMCMI、MMA、VAc、MEMAに由来する繰り返し単位が、それぞれ、26.1モル%、35.7モル%、33.2モル%、5.0モル%含有されるBMCMI・MMA・VAc・MEMA共重合体の溶液を得た。
【0379】
実施例16(ビニル系樹脂の調製)
ビニル系単量体として、BMCMI 500部、MMA 250部、VAc 200部およびMEMA 50部に代えて、BMCMI 400部、MMA 400部、VAc 150部およびN−メトキシメチルアクリルアミド(MMAM)50部を使用する以外は、実施例15と同様に重合を行って、不揮発分が50.2%で、Mwが29,600なるBMCMI、MMA、VAc、MMAMに由来する繰り返し単位が、それぞれ、19.1モル%、52.4モル%、22.8モル%、5.7モル%含有されるBMCMI・MMA・VAc・MMAM共重合体の溶液を得た。
【0380】
実施例17(ビニル系樹脂の調製)
ビニル系単量体として、BMCMI 500部、MMA 250部、VAc 200部およびMEMA 50部に代えて、BMCMI 500部、MMA 200部、VAc 200部および数平均分子量が490なるメトキシポリエチレングルコールモノメタクリレート(MPEGMA)100部を使用する以外は、実施例15と同様に重合を行って、不揮発分が50.3%で、Mwが26,500なるBMCMI、MMA、VAc、MPEGMAに由来する繰り返し単位が、それぞれ、28.7モル%、31.5モル%、36.6モル%、3.2モル%含有されるBMCMI・MMA・VAc・MPEGMA共重合体の溶液を得た。
【0381】
実施例18(ビニル系樹脂の調製)
実施例1と同様の反応容器に、OXPI 2.0部、エチルメタクリレート(EMA) 2.0部、BAc 2.0部、Xy 2.0部およびTBPOEH 0.2部を仕込み充分混合してから、反応容器を80℃に保った油浴に浸漬し、16時間加熱して重合を行った。得られた共重合体の溶液にTHF 8部を加え溶解して得られた溶液をメタノール160部に投入して共重合体を沈殿させた。沈殿した共重合体を濾別し減圧下で1日間乾燥を行って白色粉末状のOXPIとEMAの共重合体 3.10部(収率:77.5%)を得た。得られた共重合体は、Mwが17,800であり、OXPIに由来する繰り返し単位を32.0モル%含有していた。IRスペクトルを図19に、1H−NMRスペクトルを図20に示した。
【0382】
実施例19(ビニル系樹脂の調製)
OXPI 2.0部とEMA 2.0部に代えて、OXPI 2.0部とMMA 2.0部を使用した以外は、実施例18と同様に重合、重合体の単離操作および乾燥を行って白色粉末状のOXPIとMMAの共重合体 3.14部(収率:78.5%)を得た。得られた共重合体は、Mwが23,000であり、OXPIに由来する繰り返し単位を29.2モル%含有していた。
【0383】
実施例20(ビニル系樹脂の調製)
OXPI 2.0部とEMA 2.0部に代えて、OXPI 2.0部とシクロヘキシルメタクリレート(CHMA) 2.0部を使用した以外は、実施例18と同様にして重合、重合体の単離操作と乾燥を行って白色粉末状のOXPIとCHMAの共重合体 3.21部(収率:80.3%)を得た。得られた共重合体は、Mwが28,600であり、OXPIに由来する繰り返し単位を41.0モル%含有していた。
【0384】
実施例21(ビニル系樹脂の調製)
OXPI 2.0部とMMA 2.0部に代えて、OXPI 2.0部とST2.0部を使用した以外は、実施例18と同様にして重合、重合体の単離操作と乾燥を行って白色粉末状のOXPIとSTの共重合体 3.36部(収率:84.0%)を得た。得られた共重合体は、Mwが23,600であり、OXPIに由来する繰り返し単位を30.1モル%含有していた。
【0385】
実施例22(ビニル系樹脂の調製)
OXPI 2.0部とMMA 2.0部に代えて、OXPI 2.0部とVAc 2.0部を使用した以外は、実施例18と同様にして重合、重合体の単離操作と乾燥を行って白色粉末状のOXPIとVAcの共重合体 2.89部(収率:72.3%)を得た。得られた共重合体は、Mwが14,800であり、OXPIに由来する繰り返し単位を32.0モル%含有していた。IRスペクトルを図21に、1H−NMRスペクトルを図22に示した。
【0386】
実施例23(ビニル系樹脂の調製)
OXPI 2.0部とMMA 2.0部に代えて、BMCMF 1.2部、ST 2.8部を使用した以外は実施例18と同様に重合、重合体の単離操作と乾燥を行って白色粉末状のBMCMFとSTの共重合体 3.32部(収率:83.0%)を得た。得られた共重合体は、BMCMFに由来する繰り返し単位を14.6モル%含有し、Mwは18,200であった。
【0387】
実施例24(ビニル系樹脂の調製)
OXPI 2.0部とMMA 2.0部に代えて、BMCEF 2.0部、ST 2.0部を使用した以外は、実施例18と同様に重合、重合体の単離操作と乾燥を行って白色粉末状のBMCEFとSTの共重合体 3.40部(収率:85.0%)を得た。得られた共重合体は、Mwが44,800であり、BMCEFに由来する繰り返し単位を26.5モル%含有していた。
【0388】
実施例25(ビニル系樹脂の調製)
OXPI 2.0部とMMA 2.0部に代えて、BMCEF 2.0部、MMA 1.2部およびVAc 0.8部を使用した以外は、実施例18と同様に重合、重合体の単離と乾燥を行って白色粉末状のBMCEF・MMA・VAc共重合体 3.14部(収率:78.5%)を得た。共重合体は、Mwが16,500であり、BMCF、MMA、VAcに由来する繰り返し単位を、それぞれ、26.8モル%、53.5モル%、19.7モル%含有していた。IRスペクトルを図23に、1H−NMRスペクトルを図24に示した。
【0389】
実施例26(ビニル系樹脂の調製)
OXPI 2.0部とMMA 2.0部に代えて、BMCMM 2.0部、ST 2.0を使用した以外は、実施例18と同様に重合、重合体の単離と乾燥を行って白色粉末状のBMCMMとSTの共重合体 3.09部(収率:77.3%)を得た。得られた共重合体は、Mwが13,500であり、BMCMMに由来する繰り返し単位を28.6モル%含有していた。
【0390】
実施例27(ビニル系樹脂の調製)
実施例12と同様の反応容器に、Xy 100部とBAc 250部仕込んで、窒素ガス気流下に攪拌しながら80℃に昇温した。ついで、OXPI 200部、MMA 186部、VAc 64部、MEMA 50部、TBPOEH 10部およびBAc 150部からなる混合物を、4時間に亘って滴下した。滴下終了2時間後にTBPOEH 2.5部を添加し、その後、同温度で10時間の攪拌を行って不揮発分が50.1%、Mwが41,200なるOXPI、MMA、VAc、MEMAに由来する繰り返し単位が、それぞれ、21.9モル%、49.2モル%、19.7モル%、9.2モル%含有されるOXPI・MMA・VAc・MEMA共重合体の溶液を得た。
【0391】
【発明の効果】
本発明によれば、活性エステル基を有する不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位を有する新規なビニル系樹脂、および、その製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたビニル系樹脂のIRスペクトルである。
【図2】実施例1で得られたビニル系樹脂の1H−NMRスペクトルである。
【図3】実施例2で得られたビニル系樹脂のIRスペクトルである。
【図4】実施例2で得られたビニル系樹脂の1H−NMRスペクトルである。
【図5】実施例3で得られたビニル系樹脂のIRスペクトルである。
【図6】実施例3で得られたビニル系樹脂の1H−NMRスペクトルである。
【図7】実施例5で得られたビニル系樹脂のIRスペクトルである。
【図8】実施例5で得られたビニル系樹脂の1H−NMRスペクトルである。
【図9】実施例6で得られたビニル系樹脂のIRスペクトルである。
【図10】実施例6で得られたビニル系樹脂の1H−NMRスペクトルである。
【図11】実施例8で得られたビニル系樹脂のIRスペクトルである。
【図12】実施例8で得られたビニル系樹脂の1H−NMRスペクトルである。
【図13】実施例9で得られたビニル系樹脂のIRスペクトルである。
【図14】実施例9で得られたビニル系樹脂の1H−NMRスペクトルである。
【図15】実施例10で得られたビニル系樹脂のIRスペクトルである。
【図16】実施例10で得られたビニル系樹脂の1H−NMRスペクトルである。
【図17】実施例11で得られたビニル系樹脂のIRスペクトルである。
【図18】実施例11で得られたビニル系樹脂の1H−NMRスペクトルである。
【図19】実施例18で得られたビニル系樹脂のIRスペクトルである。
【図20】実施例18で得られたビニル系樹脂の1H−NMRスペクトルである。
【図21】実施例22で得られたビニル系樹脂のIRスペクトルである。
【図22】実施例22で得られたビニル系樹脂の1H−NMRスペクトルである。
【図23】実施例25で得られたビニル系樹脂のIRスペクトルである。
【図24】実施例25で得られたビニル系樹脂の1H−NMRスペクトルである。

Claims (12)

  1. 下記の一般式(I)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位、および下記一般式(II)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位(A)からなり、重量平均分子量が1,000〜300,000であることを特徴とするビニル系樹脂。
    Figure 0004611561
    〔但し、式(I)および(II)中、RおよびRは、それぞれ独立に、−CH(R)COOR、−CH(R)COOR、−CH(R)COR、−CH(R)CORまたはRを表し、しかも、RおよびRの少なくとも一方は、−CH(R)COORまたは−CH(R)CORであり、Xは水素原子またはメチル基を表すものとする。そして、これらに含有されるR、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、フェニル基または炭素原子数が1〜12のアルキル基を、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、1価の有機基を表すものとする。〕
  2. 下記の一般式(I)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位、および下記一般式(II)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位(A)1〜99モル%と、該繰り返し単位(A)以外のビニル単量体に由来する繰り返し単位(B)99〜1モル%とからなり、重量平均分子量が1,000〜300,000であることを特徴とするビニル系樹脂。
    Figure 0004611561
    〔但し、式(I)および(II)中、RおよびRは、それぞれ独立に、−CH(R)COOR、−CH(R)COOR、−CH(R)COR、−CH(R)CORまたはRを表し、しかも、RおよびRの少なくとも一方は、−CH(R)COORまたは−CH(R)CORであり、Xは水素原子またはメチル基を表すものとする。そして、これらに含有されるR、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、フェニル基または炭素原子数が1〜12のアルキル基を、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、1価の有機基を表すものとする。〕
  3. 下記の一般式(I)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位、および下記一般式(II)で表される不飽和ジカルボン酸エステルに由来する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位(A)2〜50モル%と、該繰り返し単位(A)以外のビニル単量体に由来する繰り返し単位(B)98〜50モル%とからなり、重量平均分子量が1,000〜300,000であることを特徴とするビニル系樹脂。
    Figure 0004611561
    〔但し、式(I)および(II)中、RおよびRは、それぞれ独立に、−CH(R)COOR、−CH(R)COOR、−CH(R)COR、−CH(R)CORまたはRを表し、しかも、RおよびRの少なくとも一方は、−CH(R)COORまたは−CH(R)CORであり、Xは水素原子またはメチル基を表すものとする。そして、これらに含有されるR、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、フェニル基または炭素原子数が1〜12のアルキル基を、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、1価の有機基を表すものとする。〕
  4. 前記した繰り返し単位(B)が(メタ)アクリル酸エステル類、カルボン酸アミド基含有単量体類、カルボン酸ビニルエステル類、および芳香族ビニル化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体に由来するものであることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載のビニル系樹脂。
  5. 前記したRおよびRの両方が、それぞれ独立して、−CH(R)COOR、−CH(R)COOR、−CH(R)COR、または−CH(R)CORであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のビニル系樹脂。
  6. 前記したR、R、R、R、およびRが、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または置換アリール基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のビニル系樹脂。
  7. 前記したR、R、およびRが、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜8のアルキル基またはアルコキシ基を含む炭素原子数が3〜8のアルコキシ基置換アルキル基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のビニル系樹脂。
  8. 前記したRおよびRが、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜8のアルキル基であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のビニル系樹脂。
  9. 前記したRおよびRが、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のビニル系樹脂。
  10. 前記したR、Rのうちの少なくとも一方が、水素原子であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のビニル系樹脂。
  11. 前記したXが、水素原子であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のビニル系樹脂。
  12. 下記の一般式(V)で表されるイタコン酸エステルもしくは一般式(VI)で表されるマレイン酸エステル、フマル酸エステル、シトラコン酸エステルまたはメサコン酸エステルを必須成分とする単量体を重合させることを特徴とするビニル系樹脂の製造方法。
    Figure 0004611561
    〔但し、式(V)および(VI)中、RおよびRは、それぞれ独立に、−CH(R)COOR、−CH(R)COOR、−CH(R)COR、−CH(R)CORまたはRを表し、しかも、RおよびRの少なくとも一方は、−CH(R)COORまたは−CH(R)CORであり、Xは水素原子またはメチル基を表すものとする。そして、これらに含有されるR、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、フェニル基または炭素原子数が1〜12のアルキル基を、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、1価の有機基を表すものとする。〕
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