JP4610933B2 - 駆動車輪用軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承すると共に、この車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が具備された駆動車輪用軸受装置に関するものである。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承すると共に、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御して車輪の回転速度を検出するために、回転速度検出装置が装着された駆動車輪用軸受装置が一般的に知られている。従来、このような駆動車輪用軸受装置は、転動体を介して転接する内方部材および外方部材の間にシール装置が設けられ、円周方向に磁極を交互に並べてなる磁気エンコーダを前記シール装置に一体化させると共に、磁気エンコーダと、この磁気エンコーダに対面配置され、車輪の回転に伴う磁気エンコーダの磁極変化を検出する回転速度センサーとで回転速度検出装置が構成されている。
図7に示す駆動車輪用軸受装置はこの代表的な一例であって、外周に車体(図示せず)に取り付けられる車体取付フランジ51bを一体に有し、内周に複列の外側転走面51a、51aが形成された外方部材51と、一端部に車輪(図示せず)が取り付けられる車輪取付フランジ53を一体に有し、この車輪取付フランジ53の円周等配位置に車輪(図示せず)を取り付けるためのハブボルト54が植設され、外周に前記複列の外側転走面51a、51aに対向する一方の内側転走面52aと、この内側転走面52aから軸方向に延びる円筒状の小径段部52bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーションが形成されたハブ輪52と、小径段部52bに圧入され、外周に他方の内側転走面55aが形成された内輪55とを備えている。
複列の外側転走面51a、51aと、これらに対向する内側転走面52a、55a間には複列の転動体(ボール)56が保持器57によって転動自在に収容されている。また、ハブ輪52と内輪55とからなる内方部材58と前記外方部材51との間に形成される環状空間にはシール59、60がそれぞれ装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内に侵入するのを防止している。
これらのシール59、60のうち外方部材51と内輪55間に装着されたインボード側のシール60は、図8に示すように、固定側軌道輪となる外方部材51に内嵌され、断面L字状に形成された芯金61と、この芯金61に一体に加硫接着されたシール部材62とからなるシールリング63と、回転側軌道輪となる内輪55に外嵌され、同じく断面L字状に形成されたスリンガ64とを備えている。シール部材62はゴム等の弾性部材からなり、サイドリップ62aとグリースリップ62b、および中間リップ62cの3本のシールリップを備え、サイドリップ62aの先端縁をスリンガ64の立板部64bの内側面に摺接させ、残りのグリースリップ62bと中間リップ62cの先端縁を、スリンガ64の円筒部64aに摺接させている。
また、スリンガ64の外側面には、磁性体粉が混入された磁気エンコーダ65が一体に加硫接着されている。この磁気エンコーダ65は、周方向に交互に磁極N、Sが形成されたゴム磁石からなり、車輪回転速度の検出用のロータリエンコーダを構成している。そして、シールリング63とスリンガ64の立板部64bの先端とは僅かな径方向すきまを介して対峙され、このすきまでラビリンスシール66を構成している。こうした構成により、雨水や泥水等の異物が多量に存在する環境下においても充分な密封性を発揮することができる。
特開2002−147478号公報
然しながら、こうした従来の駆動車輪用軸受装置において、安定した磁気特性とセンサー(図示せず)の検出精度を確保するためには、磁気エンコーダ65自体の回転振れや磁気エンコーダ65とセンサー間の距離、所謂エアギャップを厳しく管理しなければならない。したがって前記磁気エンコーダ65が接合されたスリンガ64を、回転振れ精度が良好な回転側部材に直接装着する必要があり、センサーの設置スペースが制約されるといった問題があった。この従来の磁気エンコーダ65では、直接内側転走面55aが形成された内輪55の外径にスリンガ64が装着されているため、良好な回転振れ精度が得られる反面、磁気エンコーダ65やセンサーの設置スペースが制約され、設計自由度に乏しいといった問題が内在していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、回転振れ精度が良好で、かつ磁気エンコーダやセンサーの設置スペースの自由度が高く、安定した磁気特性とセンサーの検出精度を確保できる駆動車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された駆動車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に内嵌され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手の外側継手部材とからなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記軸部を塑性変形させて前記ハブ輪に加締ることにより前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合された駆動車輪用軸受装置において、前記外側継手部材の外周にリング状の磁気エンコーダが配設されると共に、この磁気エンコーダが、リング状に形成された芯金に加硫接着され、エラストマに磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極が着磁され、前記外側継手部材の外周に形成されたブーツ溝の一部に係合する状態で、前記磁気エンコーダを介してブーツが前記外側継手部材に緊締され、当該磁気エンコーダが前記外方部材に固定されたセンサーカバーによって保護されている構成を採用した。
このように、ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合された駆動車輪用軸受装置において、外側継手部材の外周にリング状の磁気エンコーダが配設されると共に、この磁気エンコーダが、リング状に形成された芯金に加硫接着され、エラストマに磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極が着磁され、外側継手部材の外周に形成されたブーツ溝の一部に係合する状態で、磁気エンコーダを介してブーツが外側継手部材に緊締され、当該磁気エンコーダが外方部材に固定されたセンサーカバーによって保護されているので、回転振れ精度が良好で、かつ磁気エンコーダやセンサーの設置スペースの自由度が高く、さらに、磁気エンコーダとセンサーの軸方向の位置決め精度を厳しく規制しなくともエアギャップを精度良く設定することができる。したがって、安定した磁気特性とセンサーの検出精度を確保できる駆動車輪用軸受装置を提供することができる。また、泥水や飛び石等が直接この磁気エンコーダやセンサーに接触することがなく、回転速度検出装置の耐久性を向上させると共に、安定した磁気特性とセンサーの検出精度を確保することができる。さらに、ブーツ装着部の微小な嵌合すきまをこのエラストマからなる磁気エンコーダで閉塞することができ、シール性が向上する。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記ハブ輪の内径に硬化した凹凸部が形成され、前記軸部に形成された嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合されていれば、ナット等で強固に緊締して予圧量を管理する必要がなく、軽量・コンパクト化を図ることができると共に、ハブ輪の強度・耐久性を向上させ、かつ長期間その予圧量を維持することができる。
好ましくは、請求項に記載の発明のように、前記センサーカバーが、ステンレス鋼鈑あるいは防錆処理された冷間圧延鋼鈑をプレス加工にて形成されているので、懸架装置を構成するナックルがアルミ合金等の軽合金製であっても、ガルバニック腐食を防止することができる。したがって、このガルバニック腐食を防止するために、従来、外方部材にしばしば施されていたメッキ処理を廃止することができ、装置の耐久性向上と共に、低コスト化を図ることができる。
本発明に係る駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された駆動車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に内嵌され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手の外側継手部材とからなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記軸部を塑性変形させて前記ハブ輪に加締ることにより前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合された駆動車輪用軸受装置において、前記外側継手部材の外周にリング状の磁気エンコーダが配設されると共に、この磁気エンコーダが、リング状に形成された芯金に加硫接着され、エラストマに磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極が着磁され、前記外側継手部材の外周に形成されたブーツ溝の一部に係合する状態で、前記磁気エンコーダを介してブーツが前記外側継手部材に緊締され、当該磁気エンコーダが前記外方部材に固定されたセンサーカバーによって保護されているので、回転振れ精度が良好で、かつ磁気エンコーダやセンサーの設置スペースの自由度が高く、さらに、磁気エンコーダとセンサーの軸方向の位置決め精度を厳しく規制しなくともエアギャップを精度良く設定することができる。したがって、安定した磁気特性とセンサーの検出精度を確保できる駆動車輪用軸受装置を提供することができる。また、泥水や飛び石等が直接この磁気エンコーダやセンサーに接触することがなく、回転速度検出装置の耐久性を向上させると共に、安定した磁気特性とセンサーの検出精度を確保することができる。さらに、ブーツ装着部の微小な嵌合すきまをこのエラストマからなる磁気エンコーダで閉塞することができ、シール性が向上する。
ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された駆動車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に内嵌され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手の外側継手部材とからなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記ハブ輪の内径に硬化した凹凸部が形成され、前記軸部に形成された嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合された駆動車輪用軸受装置において、前記外側継手部材の外周に形成されたブーツ溝の一部に係合した状態で磁気エンコーダが配設され、この磁気エンコーダが、リング状に形成された芯金に加硫接着され、エラストマに磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極が着磁され、前記外側継手部材の外周に形成されたブーツ溝の一部に係合する状態で、前記磁気エンコーダを介してブーツが前記外側継手部材に緊締され、当該磁気エンコーダが前記外方部材に固定されたセンサーカバーによって保護されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は図1の要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)、中央寄り側をインボード側(図面右側)という。
この駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪1と複列の転がり軸受2および等速自在継手3とがユニット化して構成されている。複列の転がり軸受2は、外方部材4と内方部材5と複列の転動体(ボール)6、6とを備えている。外方部材4は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ4bを一体に有し、内周に複列の外側転走面4a、4aが形成され、高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。
一方、内方部材5は、ハブ輪1と、このハブ輪1に内嵌された後述する外側継手部材14とを有している。ハブ輪1は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、アウトボード側の端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジ7を有し、この車輪取付フランジ7の周方向等配に複数のハブボルト8が植設されている。また、ハブ輪1の外周には、前記複列の外側転走面4a、4aに対向する一方の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成されている。そして、後述するアウトボード側のシール10が摺接するシールランド部から内側転走面1aおよび小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。これにより、車輪取付フランジ7の基部となるシールランド部は耐摩耗性が向上するばかりでなく、車輪取付フランジ7に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪1の耐久性が一層向上する。
等速自在継手3は、外側継手部材14と継手内輪15、ケージ16、およびトルク伝達ボール17とからなる。外側継手部材14はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、カップ状のマウス部18と、このマウス部18の底部をなす肩部19と、この肩部19から軸方向に延びる円筒状の軸部20が一体に形成されている。この軸部20は、ハブ輪1の小径段部1bに所定の径方向すきまを介して円筒嵌合するインロウ部20aと、このインロウ部20aの端部に嵌合部20bがそれぞれ形成されている。
マウス部18の内周には軸方向に延びる曲線状のトラック溝18aが形成されると共に、継手内輪15の外周には、このトラック溝18aに対応するトラック溝15aが形成されている。また、肩部19の外周には、前記複列の外側転走面4a、4aに対向する他方の内側転走面14aが形成されている。そして、トラック溝18aと、インボード側のシール11が摺接するシールランド部から内側転走面14aおよび軸部20に亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。ここで、嵌合部20bは鍛造後の生のままとされている。
外方部材4の複列の外側転走面4a、4aと、これらに対向する複列の内側転走面1a、14a間には複列の転動体6、6が収容され、保持器9、9によって転動自在に保持されている。また、外方部材4の端部にはシール10、11が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。なお、ここでは、複列の転がり軸受2として転動体6にボールを用いた複列のアンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず、例えば、円すいころを用いた複列の円すいころ軸受であっても良い。
ここで、ハブ輪1の内周には凹凸部12が形成され、熱処理によって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。熱処理としては、局部加熱ができ、硬化層深さの設定が比較的容易にできる高周波誘導加熱による焼入れが好適である。なお、凹凸部12はアヤメローレット状に形成され、旋削等により独立して形成された複数の環状溝と、ブローチ加工等により形成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝、あるいは、互いに傾斜した螺旋溝で構成した交叉溝からなる。また、凹凸部12の凸部は良好な食い込み性を確保するために、その先端部が三角形状等の尖塔形状に形成されている。
外側継手部材14の肩部19にハブ輪1の小径段部1bの端面が衝合され、突合せ状態になるまでハブ輪1に軸部20が内嵌される。そして、この軸部20における嵌合部20bの内径にマンドレル等の拡径治具を押し込んで嵌合部20bを拡径し、この嵌合部20bをハブ輪1の凹凸部12に食い込ませて加締め、ハブ輪1と外側継手部材14とを一体に塑性結合させている。これにより、従来のようにナット等で強固に緊締して予圧量を管理する必要がないため、軽量・コンパクト化を図ることができると共に、ハブ輪1の強度・耐久性を向上させ、かつ長期間その予圧量を維持することができる。なお、中空の軸部20にはエンドキャップ13が装着され、マウス部18内に封入されたグリースが外部に漏洩するのを防止している。また、図示はしないが、ハブ輪1の開口端部にもエンドキャップが装着され、塑性結合部に雨水等が浸入してその部位が発錆するのを防止している。
なお、ハブ輪1と外側継手部材14とを塑性結合する手段として例示した構成以外にも、例えば、図示はしないが、ハブ輪に外側継手部材の軸部を内嵌すると共に、この軸部の端部を径方向外方に塑性変形させて加締部を形成し、この加締部で両部材を軸方向に固定するようにしても良い。
図2に拡大して示すように、マウス部18の開口端部には、ブーツ21を外側継手部材14に固定するための環状のブーツ溝22が形成されている。そして、このブーツ溝22の一部に係合する状態でリング状の磁気エンコーダ23が設けられている。この磁気エンコーダ23は、ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁されている。なお、磁気エンコーダ23は、リング状に形成された芯金(図示せず)に加硫接着され、この芯金をマウス部18の外周に嵌合しても良いし、あるいは、マウス部18の外周に直接加硫接着等で一体接合するようにしても良い。
ブーツ21は、その大径端部21aが磁気エンコーダ23を介してブーツ溝22に装着されると共に、外周にブーツバンド21bが緊締されて外側継手部材14に固定されているので、ブーツ21の装着部の微小な嵌合すきまをこの磁気エンコーダ23で閉塞することができ、ブーツ装着部のシール性が向上する。
本実施形態では、磁気エンコーダ23が、直接内側転走面14aが形成された外側継手部材14におけるマウス部18の外周に設けられているので、回転振れ精度が良好で、かつ磁気エンコーダ23やセンサーの設置スペースの自由度が高い。さらに、磁気エンコーダ23に、従来のようなアキシアルタイプでなくラジアルタイプを採用することにより、磁気エンコーダ23とセンサーの軸方向の位置決め精度を厳しく規制しなくともエアギャップを精度良く設定することができる。したがって、安定した磁気特性とセンサーの検出精度を確保できる駆動車輪用軸受装置を提供することができる。
図3は本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図、図4は図3の要部拡大図である。なお、この実施形態は前述した実施形態と基本的には磁気エンコーダの設置位置が異なるのみで、その他同一部位、同一部品、あるいは同一の機能を有する部位には同じ符号を付けて重複した説明を省略する。
本実施形態では、外側継手部材14の肩部19の外周に磁気エンコーダ23が設けられている。この磁気エンコーダ23に所定の径方向すきま(エアギャップ)を介してセンサー24が対峙して配設されている。センサー24は、図示しない懸架装置を構成するナックルに固定され、センサーカバー25によって泥水や飛び石等が直接このセンサー24に接触しないように保護されている。センサーカバー25は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて断面が略L字状に、全体として環状に形成され、外方部材4に固定されている。
最近、車両の軽量化を狙って、懸架装置を構成するナックルにアルミ合金が使用される場合が増えてきているが、外方部材4とナックルが、お互い接触させた状態で2種の金属が腐食環境にさらされた場合、電位差の低い方の金属(この場合、アルミ合金製のナックル)はアノード(陽極)となって早期に腐食を起こすといった問題が発生する。こうした異種金属の組み合せによる腐食、所謂、ガルバニック腐食によって、ナックルは早期に電食を起こし、耐久性が著しく低下する恐れがあるが、前述したセンサーカバー25を介して外方部材4がナックルに取り付けられているので、こうしたガルバニック腐食を防止することができる。したがって、このガルバニック腐食を防止するために、従来、外方部材にしばしば施されていたメッキ処理を廃止することができ、装置の耐久性向上と共に、低コスト化を図ることができる。
図5は本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図、図6は図5の要部拡大図である。なお、この実施形態は前述した実施形態と基本的には磁気エンコーダの設置位置が異なるのみで、その他同一部位、同一部品、あるいは同一の機能を有する部位には同じ符号を付けて重複した説明を省略する。
本実施形態では、外側継手部材14の軸部20の外周に、また複列の転がり軸受2’を構成する複列の転動体6、6間に磁気エンコーダ23が設けられている。そして、この磁気エンコーダ23に所定の径方向すきま(エアギャップ)を介してセンサー26が対峙して配設されている。センサー26は、外方部材27の径方向に貫通して穿設された装着孔28に嵌挿され、図示しない固定用ビスを介して固定されている。このように磁気エンコーダ23とセンサー26によって構成される回転速度検出装置29が複列の転がり軸受2’内に内蔵されているので、泥水や飛び石等からこの回転速度検出装置29を確実に保護することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された構造の駆動車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 同上、要部拡大図である。 本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 同上、要部拡大図である。 本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図である。 同上、要部拡大図である。 従来の駆動車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 同上、要部拡大図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、14a・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・小径段部
2、2’・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4、27・・・・・・・・・外方部材
4a・・・・・・・・・・・外側転走面
4b・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
5・・・・・・・・・・・・内方部材
6・・・・・・・・・・・・転動体
7・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
8・・・・・・・・・・・・ハブボルト
9・・・・・・・・・・・・保持器
10、11・・・・・・・・シール
12・・・・・・・・・・・凹凸部
13・・・・・・・・・・・エンドキャップ
14・・・・・・・・・・・外側継手部材
15・・・・・・・・・・・継手内輪
15a、18a・・・・・・トラック溝
16・・・・・・・・・・・ケージ
17・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
18・・・・・・・・・・・マウス部
19・・・・・・・・・・・肩部
20・・・・・・・・・・・軸部
20a・・・・・・・・・・インロウ部
20b・・・・・・・・・・嵌合部
21・・・・・・・・・・・ブーツ
21a・・・・・・・・・・大径端部
21b・・・・・・・・・・ブーツバンド
22・・・・・・・・・・・ブーツ溝
23・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
24、26・・・・・・・・センサー
25・・・・・・・・・・・センサーカバー
28・・・・・・・・・・・装着孔
29・・・・・・・・・・・回転速度検出装置
51・・・・・・・・・・・外方部材
51a・・・・・・・・・・外側転走面
51b・・・・・・・・・・車体取付フランジ
52・・・・・・・・・・・ハブ輪
52a、55a・・・・・・内側転走面
52b・・・・・・・・・・小径段部
53・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
54・・・・・・・・・・・ハブボルト
55・・・・・・・・・・・内輪
56・・・・・・・・・・・転動体
57・・・・・・・・・・・保持器
58・・・・・・・・・・・内方部材
59・・・・・・・・・・・アウトボード側のシール
60・・・・・・・・・・・インボード側のシール
61・・・・・・・・・・・芯金
62・・・・・・・・・・・シール部材
62a・・・・・・・・・・サイドリップ
62b・・・・・・・・・・グリースリップ
62c・・・・・・・・・・中間リップ
63・・・・・・・・・・・シールリング
64・・・・・・・・・・・スリンガ
64a・・・・・・・・・・円筒部
64b・・・・・・・・・・立板部
65・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
66・・・・・・・・・・・ラビリンスシール

Claims (3)

  1. ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された駆動車輪用軸受装置であって、
    前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に内嵌され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手の外側継手部材とからなる内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記軸部を塑性変形させて前記ハブ輪に加締ることにより前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合された駆動車輪用軸受装置において、
    前記外側継手部材の外周にリング状の磁気エンコーダが配設されると共に、この磁気エンコーダが、リング状に形成された芯金に加硫接着され、エラストマに磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極が着磁され、前記外側継手部材の外周に形成されたブーツ溝の一部に係合する状態で、前記磁気エンコーダを介してブーツが前記外側継手部材に緊締され、当該磁気エンコーダが前記外方部材に固定されたセンサーカバーによって保護されていることを特徴とする駆動車輪用軸受装置。
  2. 前記ハブ輪の内径に硬化した凹凸部が形成され、前記軸部に形成された嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合されている請求項1に記載の駆動車輪用軸受装置。
  3. 前記センサーカバーが、ステンレス鋼鈑あるいは防錆処理された冷間圧延鋼鈑をプレス加工にて形成されている請求項1に記載の駆動車輪用軸受装置。
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