JP4610275B2 - 多層プリント配線板 - Google Patents

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Description

本発明は、多層プリント配線板に関し、特に、光通信用デバイスに好適に用いることができる多層プリント配線板に関する。
近年、通信分野を中心として光ファイバに注目が集まっている。特にIT(情報技術)分野においては、高速インターネット網の整備に、光ファイバを用いた通信技術が必要となる。
そして、このようなインターネット等のネットワーク通信においては、光ファイバを用いた光通信を、基幹網の通信のみならず、基幹網と端末機器(パソコン、モバイル、ゲーム等)との通信や、端末機器同士の通信にも用いることが提案されている。
このような光送受信システムの端末機器に用いることができるICチップ実装用基板として、本出願人は、先に、基板の両面に導体回路と絶縁層とが積層形成され、最外層にソルダーレジスト層が形成されるとともに、光学素子が実装されたICチップ実装用基板であって、このICチップ実装用基板を貫通する光信号伝送用光路が形成されたICチップ実装用基板を提案している(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−329891号公報
上述したICチップ実装用基板では、端末機器の小型化等には十分対応することができるものの、光信号伝送時の伝送損失が大きくなってしまう場合があった。
以下、その理由を図面を参照しながら簡単に説明する。
図17(a)〜(d)は、従来のICチップ実装用基板(多層プリント配線板)の製造工程の一部を模式的に示す部分断面図である。
従来のICチップ実装用基板(多層プリント配線板)を製造する際には、基板上に導体回路624と絶縁層622とを積層形成し、最外層の導体回路624aを形成した後、基板(図示せず)および絶縁層622を貫通するように、光路用貫通孔を形成し、この光路用貫通孔内に樹脂組成物647を充填する。
ここで、樹脂組成物を充填する際には、一旦、光路用貫通孔内から溢れ出る量の樹脂組成物647aを充填し(図17(a)参照)、その後、光路用貫通孔内から溢れ出た樹脂組成物を除去する工程を行っている。
しかしながら、このような方法により樹脂組成物を充填した場合、以下のような不都合が発生することがあった。
具体的には、例えば、
(1)光路用貫通孔に樹脂組成物647を充填した後、余分な樹脂組成物647aを研磨除去することとなるが、溢れ出た余分な樹脂組成物647aの近傍には、最外層の導体回路624aが形成されているため、この樹脂組成物647aの研磨は、先端が細く平らな研磨装置を使用して、樹脂組成物647が溢れている部分のみを部分的に研磨する必要があった。しかしながら、このような研磨方法では、研磨処理に時間がかかるとともに、研磨装置の先端部分に取り付けた研磨砥石や研磨紙等の研磨部材が斜めにあたってしまい、図17(b)に示すように、光路用貫通孔内に充填した樹脂組成物647の端部が斜めに研磨されてしまったり、場合によっては、絶縁層の一部まで研磨されてしまったり、絶縁層の表面に傷をつけてしまう場合があった。そして、樹脂組成物の端部が斜めに研磨されてしまったり、絶縁層の一部が研磨されたり、傷がつけられたりしたまま作製したICチップ実装用基板(多層プリント配線板)では、これらの部分を起点にクラック等が発生してしまうことがあり、信頼性に優れるものではなかった。特に、信頼性試験を行った際にクラックが発生しやすかった。
また、(2)上述した研磨処理において、樹脂組成物647aが斜めに研磨されたり、絶縁層の表面を傷付けたりすることを避けようとした場合には、逆に研磨が不充分で、最外層の絶縁層622の表面に樹脂組成物が残ってしまうことがあった(図17(c)参照)。また、場合によっては、導体回路624aの上面や側面に樹脂組成物647aが残ってしまうこともあった。
このように、樹脂組成物647aが研磨除去されていない部分が生じると、さらに、ソルダーレジスト層を積層形成した場合に、樹脂組成物647aが残っている部分と残っていない部分とで、ソルダーレジスト層との密着力が異なる(樹脂組成物647aが残っている部分の密着力が小さい)ため、ソルダーレジスト層形成後の熱処理工程等で、密着力の小さい部分を起点に、剥離が発生してしまうことがあり、得られたICチップ実装用基板(多層プリント配線板)の信頼性は充分ではなかった。また、導体回路624a上に樹脂組成物647aが残ってしまうと、その部分に電極パッド等を形成しても、電気的に接続されておらず、接続不良の原因となることがあった。
また、(3)上述した研磨処理によっては、樹脂組成物647aとともに、最外層の導体回路624aの一部が研磨されてしまうことがあり(図17(d)参照)、これにより、電極が薄くなったり、電極が無くなってしまうとの不都合が発生することがあった。
そこで、本発明者らは、上述した課題を解決すべく鋭意検討を行い、本発明を完成した。
すなわち、本発明の多層プリント配線板は、基板の少なくとも片面に導体回路と絶縁層とが積層形成され、樹脂組成物からなる光信号伝送用光路が形成され、さらに、最外層の絶縁層上に導体回路が形成された多層プリント配線板であって、
上記光信号伝送用光路は、上記基板及び上記絶縁層を貫通しており、
上記光信号伝送用光路の端部は、上記最外層の絶縁層の表面よりも突出しており、
上記最外層の絶縁層上に形成された導体回路の少なくとも一部は、ダミー導体回路であり、
上記ダミー導体回路は、上記光信号伝送用光路との距離が25〜50μmとなる位置に形成されており、
上記ダミー導体回路の高さは、上記光信号伝送用光路における上記最外層の絶縁層の表面よりも突出している部分の高さと同一であることを特徴とする。
また、本発明の多層プリント配線板の製造方法は、基板の少なくとも片面に導体回路と絶縁層とを積層形成することにより、最外層の絶縁層上に最外層の薄膜導体層が形成され、上記最外層の薄膜導体層上に最外層の電解めっき層とめっきレジスト層とが所定のパターンで形成された多層配線板を作製し、
上記多層配線板を貫通するように光路用貫通孔を形成し、
上記光路用貫通孔内に、上記光路用貫通孔の内積よりも多い未硬化の樹脂組成物を充填し、
上記未硬化の樹脂組成物を硬化させた後、樹脂組成物を研磨することにより光信号伝送用光路を形成し、
上記めっきレジスト層と上記めっきレジスト層下の最外層の薄膜導体層とを除去することによりダミー導体回路を含む最外層の導体回路を形成する多層プリント配線板の製造方法であって、
上記最外層の電解めっき層及びめっきレジスト層の高さと、上記樹脂組成物における上記最外層の絶縁層の表面よりも突出している部分の高さとが同一になるように上記樹脂組成物を研磨し、
上記光信号伝送用光路との距離が25〜50μmとなる位置に上記ダミー導体回路が形成されるように、上記最外層の導体回路を形成することを特徴とする。
本発明の多層プリント配線板では、上記光信号伝送用光路の壁面に導体層が形成されていることが望ましい。
本発明の多層プリント配線板では、樹脂組成物からなる光信号伝送用光路が形成されており、この光信号伝送用光路の端部は、最外層の絶縁層の表面よりも突出しているため、本発明の多層プリント配線板を製造する際に、樹脂組成物からなる光信号伝送用光路が斜めに研磨されたり、絶縁層や導体回路上に光信号伝送用光路を構成する樹脂組成物が残ったりすることがない。
そのため、本発明の多層プリント配線板は、光信号伝送用光路や絶縁層にクラックが発生したり、ソルダーレジスト層を形成した際に、このソルダーレジスト層の剥離が発生したり、導体回路の断線等が発生したりすることがなく、光信号伝送用光路を介した光信号伝送において、伝送損失が少なく光信号伝送能に優れるとともに、電気的信頼性にも優れることとなる。
本発明の多層プリント配線板は、基板の少なくとも片面に導体回路と絶縁層とが積層形成され、樹脂組成物からなる光信号伝送用光路が形成され、さらに、最外層の絶縁層上に導体回路が形成された多層プリント配線板であって、
上記光信号伝送用光路は、上記基板及び上記絶縁層を貫通しており、
上記光信号伝送用光路の端部は、上記最外層の絶縁層の表面よりも突出しており、
上記最外層の絶縁層上に形成された導体回路の少なくとも一部は、ダミー導体回路であり、
上記ダミー導体回路は、上記光信号伝送用光路との距離が25〜50μmとなる位置に形成されており、
上記ダミー導体回路の高さは、上記光信号伝送用光路における上記最外層の絶縁層の表面よりも突出している部分の高さと同一であることを特徴とする。
本発明の多層プリント配線板では、樹脂組成物からなる光信号伝送用光路が形成されており、この光信号伝送用光路の端部は、最外層の絶縁層の表面よりも突出しているため、光信号伝送能に優れるとともに、電気的信頼性に優れることとなる。
また、本発明の多層プリント配線板では、基板の少なくとも片面に導体回路と絶縁層が形成されていればよく、必ずしも基板の両面に導体回路と絶縁層が形成されている必要はないが、以下の説明では、基板の両面に導体回路と絶縁層が形成された実施形態を中心に、本発明の多層プリント配線板を説明する。
さらに、本発明の多層プリント配線板では、必ずしもソルダーレジスト層が形成されている必要はないが、通常、多層プリント配線板の最外層にソルダーレジスト層が形成されているため、以下の説明では、ソルダーレジスト層が形成された実施形態を中心に、本発明の多層プリント配線板を説明する。
以下、本発明の多層プリント配線板について、図面を参照しながら説明する。
図1−1〜図1−3は、本発明の多層プリント配線板の一部を模式的に示す部分断面図である。
図1−1(a)に示すように、本発明の多層プリント配線板520は、基板(図示せず)および絶縁層522を貫通するように樹脂組成物547からなる光信号伝送用光路542が形成されるとともに、ソルダーレジスト層534には、光信号伝送用光路として機能する光路用開口531が形成されている。ここで、樹脂組成物547からなる光信号伝送用光路542は、その端部が最外層の絶縁層522の表面よりも突出するように形成されている。
そして、樹脂組成物547や絶縁層522が余分に研磨されていたり、これらに傷が発生していたりすることがなく、また、光信号伝送用光路547近傍の導体回路524aが余分に研磨されていたり、絶縁層522や導体回路524aに樹脂組成物547が残っていたりすることもなく、多層プリント配線板520では、確実に光信号および電気信号を伝送することができる。
さらに、ソルダーレジスト層534は、上面にうねりが生じておらず、最外層の絶縁層522からソルダーレジスト層534の上面までの距離は、ソルダーレジスト層全体において、略同一である。その理由の一つは、光信号伝送用光路542の端部が最外層の絶縁層522の表面よりも突出しているからであり、他の理由の一つは、最外層の導体回路(以下、単に最外導体回路ともいう)524aが光信号伝送用光路542の近傍に形成されているからである。
また、ソルダーレジスト層534に形成された光路用開口531は、(a)に示すように縦断面の形状が左右対象で、その底部に樹脂残りがない所望の形状を有している。
このような形状の光路用開口を形成することができるのは、ソルダーレジスト層にうねりが生じていないからである。
また、ソルダーレジスト層534と導体回路524aや絶縁層522との間で剥離も発生していない。これは、ソルダーレジスト層534と導体回路524aや絶縁層522との密着力を低下させる余分な樹脂組成物が残っていないからである。
また、(b)に示した多層プリント配線板1520は、(a)に示した多層プリント配線板520と比べて、導体回路1524(最外導体回路1524aを含む)の形状が異なる以外は、その構成は同一である。
多層プリント配線板1520では、2層の金属層からなる導体回路1524(最外導体回路1524aを含む)が形成されている。そして、この2層の金属層からなる導体回路1524aの高さと、同一高さ分突出するように、光信号伝送用光路1524が形成されている。
このような多層プリント配線板1520においても、(a)に示した多層プリント配線板520と同様の効果を享受することができる。
また、(c)に示した多層プリント配線板2520は、(b)に示した多層プリント配線板1520と比べて、光信号伝送用光路2542の形状が異なる以外は、その構成は同一である。
多層プリント配線板2520では、光信号伝送用光路2542(樹脂組成物2547)の端部が最外層の絶縁層522の表面より突出するように形成されている。そして、光信号伝送用光路2542の突出している部分の高さが、2層の金属層からなる導体回路2524aの下側の層の高さと同一となるように構成されている。
このような多層プリント配線板2520においても、(a)に示した多層プリント配線板520と同様の効果を享受することができる。
また、図1−2(d)に示した多層プリント配線板3520は、図1−1(a)に示した多層プリント配線板520と比べて、光信号伝送用光路3542の形状が異なる以外は、その構成は同一である。
多層プリント配線板3520では、ソルダーレジスト層534に光路用開口が形成されておらず、光信号伝送用光路3542(樹脂組成物3547)の端部がソルダーレジスト層534の表面と同一平面を構成するように形成されている。
このような多層プリント配線板3520においても、図1−1(a)に示した多層プリント配線板520と同様の効果を享受することができる。
また、(e)に示した多層プリント配線板4520は、図1−1(a)に示した多層プリント配線板520と比べて、最外導体回路4524aの形成位置が異なる以外は、その構成は同一である。
多層プリント配線板4520では、光信号伝送用光路542(樹脂組成物547)の最外層の絶縁層522から突出した部分の側面と、導体回路4524aの側面とが接するように、最外導体回路4524aが形成されている。
このような多層プリント配線板4520においても、図1−1(a)に示した多層プリント配線板520と同様の効果を享受することができる。
また、(f)に示した多層プリント配線板5520は、(e)に示した多層プリント配線板4520と比べて、光信号伝送用光路5542の構成が異なる以外は、その他の構成は同一である。
多層プリント配線板5520では、光信号伝送用光路5542の壁面に導体層5545が形成されており、この導体層5545は、最外導体回路5524aと電気的に接続されている。
このような多層プリント配線板5520においても、図1−1(a)に示した多層プリント配線板520と同様の効果を享受することができる。
加えて、光信号伝送用光路が、基板や絶縁層を挟んだ導体回路間を電気的に接続するスルーホールとしても機能することができる。
また、図1−3(g)に示す本発明の多層プリント配線板570では、基板(図示せず)および絶縁層572を貫通するように樹脂組成物597からなる光信号伝送用光路592が形成されるとともに、最外層に透明なソルダーレジスト層584が形成されている。そして、透明なソルダーレジスト層584上には、マイクロレンズ596が配設されている。ここで、樹脂組成物594からなる光信号伝送用光路592は、その端部が最外層の絶縁層572の表面よりも突出するように形成されている。
そして、(a)に示した多層プリント配線板520と同様、樹脂組成物597や絶縁層572が余分に研磨されていたり、これらに傷が発生していたりすることがなく、また、光信号伝送用光路597近傍の導体回路574aが余分に研磨されていたり、絶縁層572や導体回路574aに樹脂組成物597が残っていたりすることもなく、多層プリント配線板570では、確実に光信号および電気信号を伝送することができる。
さらに、このソルダーレジスト層584は、上面にうねりが生じておらず、最外層の絶縁層572からソルダーレジスト層584の上面までの距離は、ソルダーレジスト層全体において、略同一である。その理由の一つは、光信号伝送用光路592の端部が最外層の絶縁層572の表面よりも突出しているからであり、他の理由の一つは、最外導体回路574aが光信号伝送用光路592の近傍に形成されているからである。
また、ソルダーレジスト層584上に配設されたマイクロレンズ596は、傾くことなく所定の部位に配設されている。このようなマイクロレンズを配設することができるのは、ソルダーレジスト層にうねりが生じていないからである。
また、ソルダーレジスト層584と導体回路574aや絶縁層572との間で剥離も発生していない。これは、ソルダーレジスト層584と導体回路574aや絶縁層572との密着力を低下させる余分な樹脂組成物が残っていないからである。
このように、本発明の多層プリント配線板において、最外層のソルダーレジスト層が透明なソルダーレジスト層である場合には、例えば、ソルダーレジスト層上にマイクロレンズを配設した際に、ソルダーレジスト層にうねりがないことにより、マイクロレンズが傾いたりすることがなく、マイクロレンズを介して光信号を確実に伝送することができ、光信号伝送能により優れることとなる。
また、(h)に示した多層プリント配線板1570は、図1−3(g)に示した多層プリント配線板570と比べて、最外導体回路1574aの形成位置、及び、マイクロレンズの有無が異なる以外は、その構成は同一である。
多層プリント配線板1570では、最外導体回路1574aが光信号伝送用光路1592の近傍に形成されているものの、両者は側面同士が接することのない位置に形成されている。また、多層プリント配線板1570では、マイクロレンズが配設されていない。
このような多層プリント配線板1570においても、マイクロレンズを配設した効果以外の(g)に示した多層プリント配線板570が奏する効果と同様の効果を享受することができる。
また、(i)に示した多層プリント配線板2570は、図1−3(g)に示した多層プリント配線板570と比べて、導体回路2574(最外導体回路2574aを含む)および光信号伝送用光路2592の構成が異なる以外は、その構成は同一である。
多層プリント配線板2570では、導体回路2574(最外導体回路2574a)が2層から構成されており、さらに、光信号伝送用光路2592の壁面に導体層2595が形成されている。
このような多層プリント配線板1570においても、マイクロレンズを配設した効果以外の(g)に示した多層プリント配線板570が奏する効果と同様の効果を享受することができる。
加えて、光信号伝送用光路が、基板や絶縁層を挟んだ導体回路間を電気的に接続するスルーホールとしても機能することができる。
また、図1−1〜図1−3に示したような、光信号伝送用光路の端部が、最外層の絶縁層の表面よりも突出している構成とすることにより、光信号伝送用光路の端部が斜めになったり、不要な箇所に樹脂組成物が残ったりすることがないため、光信号伝送用光路の端部にマイクロレンズ(レンズマーカを含む)や光導波路を形成する場合に、光信号伝送用光路の端部で、光の屈折角度が変わったり、光が透過することができない部分が発生したりするという不都合が生じることがなく、光伝送損失を小さくすることができる。
勿論、上記マイクロレンズや上記光導波路は、光信号伝送用光路の端部に必要に応じて形成されていればよく、また、マイクロレンズが形成されていなくても充分に伝送損失を小さくすることができる。
本発明の多層プリント配線板において、最外導体回路の一部は、樹脂組成物からなる光信号伝送用光路の近傍に形成されていることが望ましい。ここで、最外導体回路が光信号伝送用光路の近傍に形成されているとは、多層プリント配線板の用途やサイズ、ソルダーレジスト層の厚さや導体回路の高さ等に依存するため、一概にはいえないが、例えば、上記多層プリント配線板が、パッケージ基板として機能するものである場合には、光信号伝送用光路からの距離が50μm程度以下の位置に最外導体回路が形成されていることが望ましい。また、上記最外導体回路は、上記光信号伝送用光路の突出した部分の側面に接するように形成されているか、または、上記光信号伝送用光路との距離が25〜50μmとなる位置に形成されていることがより望ましい。
光信号伝送用光路と最外導体回路との距離が、25〜50μmであれば、上記平坦性を確保しつつ、最外導体回路形成時のエッチング性にも優れることとなる。
なお、ソルダーレジスト層を形成する場合、その厚さは、上記多層プリント配線板がパッケージ基板である場合には、絶縁性を確実に確保する、ソルダーレジスト組成物をクラッド塗布する際に厚さのバラツキを抑える、光学素子や各種電子部品の実装を容易にする等の観点から、その上限は概ね40μm程度であり、30μm以下であることが望ましく、その下限は概ね10μm程度であり、15μm以上であることが望ましい。
また、上記多層プリント配線板が、マザーボード用基板として機能するものである場合にも、光信号伝送用光路からの距離が50μm程度以下の位置に最外導体回路が形成されていることが望ましい。また、上記最外導体回路は、上記光信号伝送用光路の突出した部分の側面に接するように形成されているか、または、上記光信号伝送用光路との距離が25〜50μmとなる位置に形成されていることがより望ましい。
なお、マザーボード用基板において、ソルダーレジスト層を形成する場合も、その厚さは、望ましい上限が40μm程度、望ましい下限が10μm程度であり、より望ましい上限が30μm程度、より望ましい下限が15μm程度である。また、最外層の絶縁層上に光導波路が形成され、さらに、この光導波路を覆うようにソルダーレジスト層が形成されている場合には、上記ソルダーレジスト層は、光導波路上に形成された部分の厚さが上記範囲にあることが望ましい。
さらに、上記光信号伝送用光路の近傍に最外導体回路が形成されている場合、この最外導体回路の側面の一部は、図1−2(e)、(f)等に示すように、上記光信号伝送用光路の上記最外層の絶縁層の表面よりも突出している部分に接していることも望ましい。
このように、最外導体回路の側面の一部が、光信号伝送用光路の上記最外層の絶縁層の表面よりも突出している部分に接している場合、ソルダーレジスト層を形成した際に、形成されたソルダーレジスト層にうねりが発生することをより確実に抑えることができ、所望の形状の光路用開口を形成したり、マイクロレンズを配設したりするのに特に適することとなるからである。
また、上記多層プリント配線板においては、図1−1(a)、(b)等に示したように、最外導体回路の高さは、上記光信号伝送用光路の上記最外層の絶縁層の上面よりも突出している部分の高さと同一であることが望ましい。
このように、最外導体回路の高さが、上記突出している部分の高さと同一である場合、ソルダーレジスト層を形成した際に、形成されたソルダーレジスト層にうねりが発生すくことをより確実に抑えることができ、所望の形状の光路用開口を形成したり、マイクロレンズを配設したりするのに特に適することとなるからである。
なお、光路用開口を形成した場合も、その光路用開口内にマイクロレンズを配設してもよく、所望の形状の光路用開口を形成することもまた、マイクロレンズを配設するのに適することとなる。
また、上記多層プリント配線板において、上記光信号伝送用光路の近傍に形成される最外導体回路は、ダミー導体回路であることが望ましい。
なお、上記ダミー電極とは、多層プリント配線板の設計上、電流が流れることがない以外は、上記外部電極と同様の構成を有するものをいう。
また、上記光信号伝送用光路の近傍に形成される最外導体回路は、電源パターンや、グランドパターンの一部であることも望ましい。ノイズの発生を抑えるとの観点からは、グランドパターンの一部であることが望ましい。
また、上記光信号伝送用光路の近傍に形成される最外導体回路は、その一部に光学素子を実装するための電極パッドが形成されていることも望ましい。
上記最外導体回路の平面視形状は特に限定されず、例えば、円形、楕円形、四角形、多角形等どのような形状であってもよく、また、メッシュ形状や、ベタパターン形状であってもよい。
本発明の多層プリント配線板において、ソルダーレジスト層は、図1−3に示したように、透明なものであってもよい。
この場合、上記ソルダーレジスト層は、厚さ30μmにおける通信波長光の透過率が60%以上である。以下、厚さ30μmにおける通信波長光の透過率を単位(%/30μm)で示す。
通信波長光の透過率が60%/30μm未満では、光信号の損失が大きく、光信号を伝送することができなくなるからである。以下、この上記範囲の透過率を有するソルダーレジスト層を透明ソルダーレジスト層ともいう。
上記透過率は、90%/30μm以上であることがより望ましい。
なお、本明細書において、通信波長光の透過率とは、所定長さ(例えば、1mmや30μm)あたりの通信波長光の透過率をいう。具体的には、例えば、そのパワーIの光信号がソルダーレジスト層に入射し、所定長さの厚みを有するソルダーレジスト層を通過して出てきたとした際に、出てきた光信号のパワーがIである場合に下記式(1)により算出される値である。
透過率(%)=(I/I)×100・・・(1)
なお、上記透過率とは、25〜30℃で測定した透過率をいう。
上記ソルダーレジスト層としては、上記範囲の透過率を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等を樹脂成分とするソルダーレジスト組成物を用いて形成することができる。
また、上記範囲の透過率を有するものであれば市販のソルダーレジスト組成物を用いることもできる。
また、上記透明ソルダーレジスト層の屈折率は、光信号伝送用光路を構成する樹脂組成物の屈折率と同一であることが望ましい。両者の界面での反射による伝送損失が発生しないからである。
本発明の多層プリント配線板には、樹脂組成物からなる光信号伝送用光路が形成されている。上記光信号伝送用光路としては、例えば、一括貫通孔構造や、個別貫通孔構造等が挙げられる。これらの具体的な構造については、後に図面を参照しながら説明する。
上記樹脂組成物の樹脂成分としては、通信波長帯での吸収が少ないものであれば特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂等が挙げられる。
具体的には、例えば、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂、フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂、重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂、ベンゾシクロブテンから製造されるポリマー等が挙げられる。
また、上記樹脂組成物には、上記樹脂成分以外に、例えば、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていてもよい。これらの粒子を含ませることにより光信号伝送用光路と、基板、絶縁層、ソルダーレジスト層等との間で熱膨張係数の整合を図ることができ、また、粒子の種類によっては難燃性を付与することもできる。
上記粒子としては、例えば、無機粒子、樹脂粒子、金属粒子等が挙げられる。
上記無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物、チタニア等のチタン化合物等からなるものが挙げられる。また、少なくとも2種類の無機材料を混合、溶融した混合組成の粒子であってもよい。
上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、具体的には、例えば、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等からなるものが挙げられる。
上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、鉛等が挙げられる。上記金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていることが望ましい。
また、これらの粒子は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記粒子の粒子径は、波長より短いことが望ましい。
また、上記粒子径の下限は、0.01μmが望ましく、0.1μmがより望ましく、0.2μmが特に望ましい。一方、上記粒子径の上限は、0.8μmが望ましく、0.6μmがより望ましい。
なお、本明細書において、粒子径とは、粒子の一番長い部分の長さのことをいう。
上記樹脂組成物が含有する粒子の配合量の下限は10重量%が望ましく、上限は50重量%が望ましい。粒子の配合量が10重量%未満であると、粒子を配合させる効果が得られないことがあり、粒子の配合量が50重量%を超えると、光信号伝送用光路内に充填しづらくなるからである。より望ましい上記粒子の配合量の下限は20重量%であり、より望ましい上記粒子の配合量の上限は40重量%である。
また、上記光信号伝送用光路は、厚さ1mmにおける通信波長光の透過率が70%以上であることが望ましい。以下、厚さ1mmにおける通信波長光の透過率を単位(%/1mm)で示す。
通信波長光の透過率が70%/1mm未満では、光信号の損失が大きく、光信号の伝送性の低下に繋がることがあるからである。上記透過率は、90%/1mm以上であることがより望ましい。
また、上記光信号伝送用光路の壁面には、導体層が形成されていてもよい。
上記導体層を形成することにより、光信号伝送用光路の壁面での光の乱反射を低減し、光信号の伝送性を向上させることができる。また、上記導体層は、場合によっては、スルーホールとしての役目を果たすこともできる。
上記多層プリント配線板においては、マイクロレンズが配設されていてもよい。上記マイクロレンズは、透明ソルダーレジスト層上に直接配設されていてもよく、ソルダーレジスト層に形成された光信号伝送用光路として機能する光路用開口内に形成されていてもよい。
マイクロレンズを配設することにより、光信号が、マイクロレンズで集光されることとなり、より確実に光信号を伝送することが可能となるからである。
上記マイクロレンズとしては特に限定されず、光学レンズに使用されているものが挙げられ、その材質の具体例としては、光学ガラス、光学レンズ用樹脂等が挙げられる。上記光学レンズ用樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の上記光信号伝送用光路に充填する樹脂組成物として説明したポリマー材料と同様の材料等が挙げられる。
また、上記マイクロレンズの形状としては、例えば、片面にのみ凸面を有する凸形状レンズ等が挙げられ、この場合、上記レンズの凸面の曲率半径は、光信号伝送用光路の設計等を考慮して適宜選択すればよい。具体的には、例えば、焦点距離を長くする必要があるときには、曲率半径を大きくすることが望ましく、焦点距離を短くする必要があるときには、曲率半径を小さくすることが望ましい。
なお、上記マイクロレンズの形状は、凸形状レンズに限定されるわけではなく、光信号を所望の方向に集光することができる形状であればよい。
上記マイクロレンズは、その通信波長光の透過率が70%/1mm以上であることが望ましい。
通信波長光の透過率が70%/1mm未満では、光信号の損失が大きく、光信号の伝送性の低下に繋がることがあるからである。上記透過率は、90%/1mm以上であることがより望ましい。
また、上記マイクロレンズには、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていてもよい。
粒子を含ませることにより、マイクロレンズの強度が向上し、形状がより確実に維持されることとなるとともに、上記基板や絶縁層等との間で熱膨張係数を整合させることができ、熱膨張係数の差に起因したクラック等がより発生しにくくなるからである。
上記マイクロレンズに粒子が含まれている場合、該マイクロレンズの樹脂成分の屈折率と、上記粒子の屈折率とは同程度であることが望ましい。そのため、マイクロレンズに含まれる粒子は、屈折率の異なる2種類以上の粒子を混ぜ合わせて、粒子の屈折率が樹脂成分の屈折率と同程度になるようにしたものであることが望ましい。
具体的には、例えば、樹脂成分が屈折率1.53のエポキシ樹脂である場合、マイクロレンズに含まれる粒子は、屈折率が1.46のシリカ粒子と屈折率が2.65のチタニア粒子とを混ぜ合わせて、溶解して粒子としたもの等が望ましい。
なお、粒子を混ぜ合わせる方法としては、混練する方法、2種類以上の粒子を溶かして混ぜ合わせた後、粒子状にする方法等が挙げられる。
なお、上記粒子の具体例としては、上記光信号伝送用光路に配合される粒子と同様のもの等が挙げられる。
上記粒子の粒子径は特に限定されないが、その上限は0.8μm、その下限は0.01μmが望ましい。
上記マイクロレンズは、通常、インクジェット装置やディスペンサーを用いて配設されることとなるが、インクジェット装置の塗布ノズルの内径や、ディスペンサーのノズル内径寸法は、20μmが現在の最小寸法であり、粒子径が上記範囲にある場合には、ノズルが詰まることなく、塗布することができるからである。
また、上記粒子径の下限は0.1μmであることがより望ましい。
上記粒子径が、この範囲にあることはインクジェット装置やディスペンサー等による塗布での粘度の安定性や、塗布量のバラツキの観点からより望ましいからである。
上記マイクロレンズに含まれる粒子の配合量の望ましい下限は5重量%であり、より望ましい下限は10重量%である。一方、上記粒子の配合量の望ましい上限は60重量%であり、より望ましい上限は50重量%である。粒子の配合量が5重量%未満であると、粒子を配合させる効果が得られないことがあり、粒子の配合量が60重量%を超えると、光信号の伝送が阻害されることがあるからである。
なお、本発明の多層プリント配線板において、マイクロレンズが配設されている場合、該マイクロレンズは、互いに独立したマイクロレンズであってもよいし、複数のレンズが並列に配置されたマイクロレンズアレイであってもよい。
上記マイクロレンズは、直接配設されていてもよいし、光学接着剤を介して配設されていてもよいが直接配設されていることが望ましい。
上記光学接着剤としては特に限定されず、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系等の光学接着剤を用いることができる。
上記光学接着剤の特性は、粘度:0.2〜1.0Pa・s、屈折率:1.4〜1.6、光透過率:80%以上、熱膨張係数(CTE):4.0×10−5〜9.0×10−5(/℃)であることが望ましい。
また、上記光学接着剤の厚さは、50μm以下であることが望ましい。
また、上記マイクロレンズが配設される場合、その配設領域には、表面処理が施されていてもよい。
インクジョット装置等でマイクロレンズを形成するための樹脂を塗布した際に、ソルダーレジスト層を形成するまでの工程条件のバラツキや放置時間に起因するマイクロレンズを配設する部位の濡れ性のバラツキにより、マイクロレンズの形状、特にサグ高さにバラツキが発生しやすいのに対し、撥水コート剤による表面処理等を施すことにより、サグ高さのバラツキを抑えることができる。
上記表面処理としては、例えば、フッ素系ポリマーコーティング剤(表面張力10〜12mN/m)等の撥水コート剤による処理、CFプラズマによる撥水処理、Oプラズマによる親水処理等が挙げられる。
なお、本明細書において、マイクロレンズのサグ高さとは、ソルダーレジスト層の表面から突出した部分の高さをいう。
また、上記マイクロレンズは、レンズマーカを介して配設されていてもよい。
上記レンズマーカとしては、例えば、特開2002−331532号公報に開示されたもの等が挙げられる。
また、レンズマーカが形成されている場合、上記マイクロレンズは、撥水処理または親水処理が施されたレンズマーカに配設されていることが望ましい。
レンズマーカ表面が汚れていた場合、マイクロレンズの形成に用いる樹脂組成物(レンズ用樹脂組成物)が均一に広がらず、所望の形状のマイクロレンズを形成することができない原因になることがあるが、上述した撥水処理や親水処理を施すことにより、レンズマーカ表面の汚れを除去することができ、上記レンズ用樹脂組成物をレンズマーカ上に均一に広げることができるからである。
さらには、レンズマーカには、撥水処理よりも親水処理が施されていることが望ましい。
親水処理が施されている場合、レンズマーカ上にマイクロレンズを配設する際に滴下したレンズ用樹脂組成物が、レンズマーカ上の全体に広がりやすく、また、レンズマーカの外周でその樹脂の広がりが確実に停止するため、表面張力により所定の形状のマイクロレンズを形成するのに適しているからである。
また、本発明の多層プリント配線板においては、上記基板を挟んだ導体回路間がスルーホールを介して接続され、上記絶縁層を挟んだ導体回路間がバイアホールを介して接続されていることが望ましい。多層プリント配線板の高密度配線を実現しつつ、その小型化を図ることができるからである。
このような構成からなる多層プリント配線板は、主に光通信に用いられるものであり、光学素子やICチップが実装されパッケージ基板として機能するものであってもよいし、その内部に光導波路が形成されマザーボード用基板として機能するものであってもよい。
以下、パッケージ基板として機能する多層プリント配線板と、マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板とに分けて説明する。
図2は、パッケージ基板として機能する本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。なお、図2には、ICチップが実装された状態のパッケージ基板を示す。
パッケージ基板(多層プリント配線板)120は、基板121の両面に導体回路124と絶縁層122とが積層形成され、基板121を挟んだ導体回路間、および、絶縁層122を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール129およびバイアホール127により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層134a、134bが形成されている。ここで、一方の最外層に形成されたソルダーレジスト層134aは、通信波長光の透過率が高くないため、光信号伝送用光路として機能する光路用開口が形成されており、他方の最外層に形成されたソルダーレジスト層134bは、透明であるため、樹脂組成物147からなる光信号伝送用光路142の端部全体を覆うように形成されている。
このパッケージ基板120では、基板121および絶縁層122を貫通するように樹脂組成物147からなる光信号伝送用光路142が形成されており、光信号伝送用光路142の端部は、最外層の絶縁層122の表面よりも突出している。
ここで、基板121および絶縁層122を貫通する光信号伝送用光路142は、発光素子138の全ての発光部138a〜138dからの光信号を伝送することができる大きさで一括形成されている。
また、最外層の絶縁層122上に形成された最外導体回路124aは、その側面が光信号伝送用光路142の突出する部分に接するように形成されており、かつ、最外導体回路124aの高さと、光信号伝送用光路142の突出している部分との高さが同一になるように形成されている。
パッケージ基板120の一の面(ソルダーレジスト層134aが形成された側の面)には、発光部138a〜138dのそれぞれがソルダーレジスト層134aに対向するように、4チャンネルの発光素子138が半田接続部143を介して表面実装されるとともに、ICチップ140が半田接続部143を介して表面実装されている。また、パッケージ基板120の他の面(透明ソルダーレジスト層134bが形成された側の面)には、半田バンプ137が形成されている。
また、透明ソルダーレジスト層134b上には、マイクロレンズ146a〜146dが直接配設されている。
このような構成からなるパッケージ基板120において、ICチップ140からの電気信号は、発光素子138で光信号に変換された後、光路用開口131、光信号伝送用光路142、ソルダーレジスト層134およびマイクロレンズ146a〜146dを介して外部の光学部品等に伝送されることとなる。
また、パッケージ基板120では、ソルダーレジスト層134a、134bに金属めっき層を介して半田バンプ137が形成されているため、ICチップ140と外部基板等との間での電気信号の伝送は、半田バンプ137を介しても行うことができる。
このように半田バンプが形成されている場合には、上記パッケージ基板をマザーボード用基板等の外部基板と半田バンプを介して接続することができ、この場合には、半田が有するセルフアライメント作用により上記パッケージ基板を所定の位置に配置することができる。
なお、上記セルフアラインメント作用とは、リフロー処理時に半田が自己の有する流動性により半田バンプ形成用開口の中央付近により安定な形状で存在しようとする作用をいい、この作用は、半田がソルダーレジスト層にはじかれるとともに、半田が金属に付く場合には、球形になろうとする表面張力が強く働くために起こるものと考えられる。
このセルフアライメント作用を利用した場合、上記半田バンプを介して、上記パッケージ基板を外部基板に接続する際に、リフロー前には両者に位置ズレが発生していたとしても、リフロー時に上記パッケージ基板が移動し、該パッケージ基板を外部基板上の正確な位置に取り付けることができる。
従って、上記パッケージ基板に実装された光学素子と、外部の光学部品とを光信号伝送用光路等を介して、光信号の伝送を行う場合に、上記パッケージ基板に実装された光学素子の実装位置が正確であれば、上記パッケージ基板と上記外部基板との間で正確な光信号の伝送を行うことができる。
このようなパッケージ基板として機能する多層プリント配線板において、実装される光学素子としては、例えば、受光素子や発光素子等が挙げられる。
これらは、上記パッケージ基板の構成や、要求特性等を考慮して適宜使い分ければよい。
上記受光素子の材料としては、Si、Ge、InGaAs等が挙げられる。これらのなかでは、受光感度に優れる点からInGaAsが望ましい。
上記受光素子としては、例えば、PD(フォトダイオード)、APD(アバランシェフォトダイオード)等が挙げられる。
上記発光素子としては、例えば、LD(半導体レーザ)、DFB−LD(分布帰還型−半導体レーザ)、LED(発光ダイオード)、インフラ型または酸化狭窄型のVCSEL(面発光半導体レーザ)等が挙げられる。
これらは、上記パッケージ基板の構成や要求特性等を考慮して適宜使い分ければよい。
上記発光素子の材料としては、ガリウム、砒素およびリンの化合物(GaAsP)、ガリウム、アルミニウムおよび砒素の化合物(GaAlAs)、ガリウムおよび砒素の化合物(GaAs)、インジウム、ガリウムおよび砒素の化合物(InGaAs)、インジウム、ガリウム、砒素およびリンの化合物(InGaAsP)等が挙げられる。
これらは、通信波長を考慮して使い分ければよく、例えば、通信波長が0.85μm帯の場合にはGaAlAsを使用することができ、通信波長が1.3μm帯や1.55μm帯の場合には、InGaAsやInGaAsPを使用することができる。
また、受光素子や発光素子等の光学素子は、マルチチャンネルの光学素子であってもよく、そのチャンネル数は特に限定されない。
また、上記光学素子は、上記外部電極を介してフリップチップボンディングにより実装されるものでもよく、ワイヤボンディングにより実装されるものでもよい。
また、上記光学素子は、外部電極が形成された面(以下、外部電極形成面ともいう)を平面視した場合、その平面形状を均等に2分割する中心線を挟んで一方の領域に偏在するように上記外部電極が形成されていてもよい。
このように、外部電極が偏在している場合、上記光学素子とパッケージ基板に実装される駆動ICやアンプIC等のICチップとを直線的で、かつ、等長な導体回路を介して接続することができ、その結果、設計の自由度に優れるとともに、スキュー(信号のズレ)等の発生を抑えることができるため光信号伝送に係る信頼性にも優れることとなるからである。
また、外部電極が偏在している場合には、上記外部電極形成面において、外部電極が形成された一方の領域と、中心線を挟んだ反対側の他方の領域にはダミー電極等の水平保持部材が形成されていることが望ましい。
特に、上記光学素子が、フリップチップボンディングによりフェイスダウン実装するタイプのものである場合には、水平保持部材が形成されていることが望ましい。水平保持部材が形成されていないと、実装時に光学素子が傾いてしまい光信号伝送を伝送することができない場合があるからである。
なお、上記ダミー電極とは、光学素子の設計上、電流が流れることがない以外は、上記外部電極と同様の構成を有するものをいう。
上記光学素子には、アンダーフィルが充填されていてもよい。
上記アンダーフィルの材料としては特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂や、これらと熱可塑性樹脂とを含む樹脂複合体等を用いることができる。また、市販のアンダーフィル用樹脂を用いることもできる。
また、上記アンダーフィルは、その通信波長光の透過率が70%/1mm以上であることが望ましい。通信波長光の透過率が70%/1mm未満では、光信号の損失が大きく、光信号の伝送性の低下に繋がることがあるからである。上記透過率は、90%/1mm以上であることがより望ましい。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
上記感光性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂等が挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂としては、例えば、上記した熱硬化性樹脂の熱硬化基とメタクリル酸やアクリル酸とをアクリル化反応させたもの等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)ポリエーテルイミド(PI)等が挙げられる。
また、上記アンダーフィルには、粒子が含まれていてもよい。粒子が含まれている場合、その配合量によって熱膨張係数を調整することができるため、アンダーフィルとパッケージ基板や光学素子との間で熱膨張係数の整合を図ることができる。
上記粒子の具体例として、上記光信号伝送用光路に含まれる粒子と同様のもの等が挙げられる。
また、上記粒子が上記アンダーフィルに含まれている場合、該粒子の配合量の下限は20重量%が望ましく、上限は70重量%が望ましい。通常、この範囲であれば、パッケージ基板や光学素子の熱膨張係数と整合させるのに適しているとともに、充填時に必要な流動性も有することとなるからである。
より望ましい下限は30重量%であり、より望ましい上限は60重量%である。
また、図2に示したようなマルチチャンネル光学素子が実装されたパッケージ基板において、配設されるマイクロレンズの径は、アレイ素子における各チャンネル間のピッチに応じて適宜決定すればよく、例えば、250μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、100〜240μmが望ましく、180〜230μmがより望ましい。100μm未満では、所望の焦点距離を得ることができない場合があり、240μmを超えると隣合うマイクロレンズ同士が接触してしまい、マイクロレンズを所定の位置に配置することができなくなる場合がある。
また、例えば、500μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、100〜490μmが望ましく、180〜480μmがより望ましい。100μm未満では、所望の焦点距離を得ることができない場合があり、490μmを超えると隣合うマイクロレンズ同士が接触してしまい、マイクロレンズを所定の位置に配置することができなくなる場合がある。
上記一括貫通孔構造の光信号伝送用光路の形状としては、例えば、円柱、角柱、楕円柱、複数の円柱が並列に並べられ、互いに隣り合う円柱の側面の一部が繋がった形状、直線と円弧とで囲まれた底面を有する柱状体等が挙げられる。
また、上記光信号伝送用光路の形状が、複数の円柱が並列に並べられ、互いに隣り合う円柱の側面の一部が繋がった形状である場合には、その一部に、実際には、光信号伝送用光路として機能しないダミー円柱が形成されていてもよい。
また、上記一括貫通孔構造の光信号伝送用光路の大きさは、縦、横のそれぞれが100μm〜5mmであることが望ましい。また、上記光信号伝送用光路の形状が円柱である場合は、その径が上記範囲にあることが望ましい。
上記断面の径が100μm未満では、光信号の伝送が阻害されることがあり、一方、5mmを超えても、光信号の伝送損失の向上はみられず、上記パッケージ基板の小型化が難しくなる。
図2に示した一括貫通孔構造の光信号伝送用光路が形成された多層プリント配線板では、光信号伝送用光路の近傍に、光学素子の電極パッドと接続された最外導体回路が形成されている。
本発明の多層プリント配線板においては、上述したように、最外導体回路として、ダミー導体回路が形成されていてもよい。以下、一括貫通孔構造の光信号伝送用光路の端部の近傍にダミー導体回路が形成された場合の形態について、図面を参照しながら簡単に説明する。
図18(a)〜(c)は、一括貫通孔構造の光信号伝送用光路が形成された本発明の多層プリント配線板の一部を模式的に示す平面図である。
図18(a)に示す多層プリント配線板710では、一括貫通孔構造の光信号伝送用光路711の外周に接するように、平面視楕円環ベタ形状のダミー導体回路713が形成されている。なお、図中、714は光学素子を実装するための電極パッドであり、715は絶縁層である。
また、図18(b)に示す多層プリント配線板720では、一括貫通孔構造の光信号伝送用光路721の周囲全体に、平面視楕円環ベタ形状のダミー導体回路723が形成されている。ここで、ダミー導体回路723は、光信号伝送用光路の外縁に接することなく形成されている。なお、図中、724は光学素子を実装するための電極パッドであり、725は絶縁層である。
また、図18(c)に示す多層プリント配線板730では、一括貫通孔構造の光信号伝送用光路731の周囲に、平面視矩形状のダミー導体回路733が4つ形成されている。ここで、ダミー導体回路733は、光信号伝送用光路の外縁に接することなく形成されている。なお、図中、734は光学素子を実装するための電極パッドであり、735は絶縁層である。
なお、ダミー導体回路の平面視形状は、図18に示した形状に限定されるわけではなく、上述したように、円形やメッシュ形状等であってもよい。
図3は、パッケージ基板として機能する本発明の多層プリント配線板の別の一実施形態を模式的に示す断面図である。なお、図3では、ICチップが実装された状態のパッケージ基板を示す。
図3に示したパッケージ基板220は、図2に示したパッケージ基板120と比べて、光信号伝送用光路の形状が異なる以外、その構成は同一である。従って、ここでは、光信号伝送用光路の形状についてのみ詳細に説明することとする。
図3に示すパッケージ基板220では、基板221および絶縁層222を貫通するように、樹脂組成物247からなる4つの独立した光信号伝送用光路242(242a〜242d)が形成されており、光信号伝送用光路242の端部は、最外層の絶縁層222の表面よりも突出している。
また、最外層の絶縁層上に形成された最外導体回路224aは、その側面が光信号伝送用光路242の突出する部分に接するように形成されており、かつ、最外導体回路の高さと、光信号伝送用光路242の突出している部分の高さとが同一になるように形成されている。
また、最外層にはソルダーレジスト層234a、234bが形成されている。ここで、一方の最外層に形成されたソルダーレジスト層234aは、通信波長光の透過率が高くないため、光信号伝送用光路として機能する光路用開口が形成されており、他方の最外層に形成されたソルダーレジスト層234bは、透明であるため、樹脂組成物247からなる光信号伝送用光路242の端部全体を覆うように形成されている。また、ソルダーレジスト層234bには、マイクロレンズが配設されている。
パッケージ基板220の一の面には、4チャンネルの発光素子238が半田接続部を介して表面実装されている。
従って、4チャンネルの発光素子238からの光信号は、光信号伝送用光路242a〜242dのいずれかを介して伝送することができる。ここで、各光信号伝送用光路は、4チャンネルの発光素子が有する各受光部238a〜238dからの光信号を伝送することができるように、個別に独立して形成されている。
このような構成からなるパッケージ基板220において、ICチップ240からの電気信号は、発光素子238で光信号に変換された後、光路用開口231、ソルダーレジスト層234、光信号伝送用光路242〜242d、ソルダーレジスト層234およびマイクロレンズ246a〜246dを介して外部の光学部品等に伝送されることとなる。
また、各光信号伝送用光路の大きさは、その断面の径の下限は100μmであることが望ましく、その上限は500μmであることが望ましい。上記径が100μm未満では、光路が塞がれてしまうおそれがあるとともに、該光信号伝送用光路に未硬化の樹脂組成物を充填することが困難となることがある。一方、上記径を500μmより大きくしても光信号の伝送性はあまり向上せず、パッケージ基板を構成する導体回路等の設計の自由度を阻害する原因となることがあるからである。
より望ましい径の下限は250μmであり、より望ましい径の上限は350μmである。
なお、上記光信号伝送用光路の上記基板および上記絶縁層を貫通する部分の断面の径とは、上記光信号伝送用光路が円柱状の場合にはその断面の直径、楕円柱状の場合にはその断面の長径、四角柱状や多角柱状の場合にはその断面の最も長い部分の長さをいう。また、本発明において、光信号伝送用光路の断面とは、パッケージ基板の主面に平行な方向の断面をいう。
このような実施形態のパッケージ基板においても、光信号伝送用光路の端部に配設するマイクロレンズの径は、アレイ素子における各チャンネル間のピッチに応じて適宜決定すればよく、例えば、250μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、100〜190μmが望ましい。なお、この場合、光信号伝送用光路の径は、150〜200μmが望ましい。
また、例えば、500μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、100〜490μmが望ましく、180〜480μmがより望ましい。なお、この場合、光信号伝送用光路の径は、150〜450μmが望ましい。
また、個別に形成された光信号伝送用光路の径が150μm以上が望ましい理由は以下の通りである。
すなわち、上記形態の光信号伝送用光路は、基板および絶縁層を貫通する貫通孔を形成した後、該貫通孔内に必要に応じて樹脂組成物を充填することにより形成するのであるが、上記貫通孔は、通常ドリルを用いて形成され、ドリル加工で貫通孔を形成する場合、その径が150μm未満の貫通孔を形成することが困難だからである。
また、上記個別貫通孔構造の各光信号伝送用光路の形状としては、例えば、円柱、角柱、楕円柱、直線と円弧とで囲まれた底面を有する柱状体等が挙げられる。
図3に示した個別貫通孔構造の光信号伝送用光路が形成された多層プリント配線板では、光信号伝送用光路の近傍に、光学素子の電極パッドと接続された最外導体回路が形成されている。
本発明の多層プリント配線板においては、上述したように、最外導体回路として、ダミー導体回路が形成されていてもよい。以下、個別貫通孔構造の光信号伝送用光路の端部の近傍にダミー導体回路が形成された場合の形態について、図面を参照しながら簡単に説明する。
図19(a)、(b)は、個別貫通孔構造の光信号伝送用光路が形成された本発明の多層プリント配線板の一部を模式的に示す平面図である。
図19(a)に示す多層プリント配線板810では、個別貫通孔構造の光信号伝送用光路811の周囲に、平面視矩形状のダミー導体回路813が10個形成されている。ここで、ダミー導体回路813は、光信号伝送用光路の外縁に接することなく形成されている。なお、図中、814は光学素子を実装するための電極パッドであり、815は絶縁層である。
また、図19(b)に示す多層プリント配線板820では、個別貫通孔構造の光信号伝送用光路821の外周に接するように、平面視ベタ形状のダミー導体回路823が形成されている。なお、図中、824は光学素子を実装するための電極パッドであり、825は絶縁層である。
なお、ダミー導体回路の平面視形状は、図19に示した形状に限定されるわけではなく、上述したように、円形やメッシュ形状等であってもよい。
また、図2、3に示したパッケージ基板として機能する多層プリント配線板では、発光素子が実装されている例を示したが、上記多層プリント配線板では、発光素子に代えて受光素子が実装されていてもよく、発光素子と受光素子とが同時に実装されていてもよい。
また、実装される光学素子のチャンネル数も4チャンネルに限定されるわけではなく、1チャンネルであってもよく、2チャンネルや3チャンネルまたは5チャンネル以上であってもよい。
また、図2、3に示したパッケージ基板では、一方の最外層に透過率の高くないソルダーレジスト層が形成されており、他方のソルダーレジスト層に透明ソルダーレジスト層が形成されているが、上記パッケージ基板は、必ずしもこのような形態に限定されるわけではなく、両方のソルダーレジスト層ともに透過率の高くないソルダーレジスト層であってもよいし、透明ソルダーレジスト層であってもよい。
また、パッケージ基板として機能する本発明の多層プリント配線板は、凹部形状の光信号伝送用光路が形成されたパッケージ基板であってもよい。
図4は、パッケージ基板として機能する本発明の多層プリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。
パッケージ基板420は、基板421の両面に導体回路424と絶縁層422とが積層形成され、基板421を挟んだ導体回路間、および、絶縁層422を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール429およびバイアホール427により電気的に接続されている。また、両側の最外層には透明ソルダーレジスト層434が形成されている。
このパッケージ基板420では、基板の片面に積層形成された絶縁層に、樹脂組成物447からなる凹部形状の光信号伝送用光路442が設けられている。この光信号伝送用光路442のソルダーレジスト層434側の端部は、最外層の絶縁層422の表面から突出している。
この光信号伝送用光路442内には、発光素子438とICチップ440とがワイヤボンディング449により実装されている。
また、最外層の絶縁層上に形成された最外導体回路424aは、その側面が光信号伝送用光路442の突出する部分の近傍に形成されており、かつ、最外導体回路424aの高さと、光信号伝送用光路442の突出している部分との高さが同一になるように形成されている。
なお、凹部形状の光信号伝送用光路を有するパッケージ基板においても、フリップチップボンディングにより実装する発光素子が実装されていてもよく、この場合、外部電極は発光部が形成された面と反対側の面に形成されていればよい。
また、光信号伝送用光路442が形成された側(図中、下側)のソルダーレジスト層434上には、マイクロレンズ446(446a〜446d)が配設されている。
このような形態のパッケージ基板もまた、本発明の多層プリント配線板の一実施形態である。
上述したように、本発明の多層プリント配線板は、マザーボード用基板として機能するものであってもよい。次に、マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板について説明する。
図5は、マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
図5に示すマザーボード用基板1120は、基板1121の両面に導体回路1124と絶縁層1122とが積層形成され、基板1121を挟んだ導体回路間、および、絶縁層1122を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール1129およびバイアホール(図示せず)により電気的に接続されている。また、一方の最外層には透過率の高くないソルダーレジスト層1134aが形成されており、他方のソルダーレジスト層には透明ソルダーレジスト層1134bが形成されている。
このマザーボード用基板1120では、基板1121および絶縁層1122を貫通するように樹脂組成物1147からなる光信号伝送用光路1142が設けられている。
光信号伝送用光路1142は、その端部が、最外層の絶縁層1122の表面よりも突出するように形成されている。
また、最外層の絶縁層1122上に形成された最外導体回路1124aは、その側面が光信号伝送用光路1142の突出する部分に接するように形成されており、かつ、最外導体回路1124aの高さと、光信号伝送用光路1142の突出している部分との高さが同一になるように形成されている。
マザーボード用基板1120のソルダーレジスト層1134a側(図中下側)の最外層の絶縁層1122上には、コア1151とクラッド1152(アンダークラッド1152aおよびオーバークラッド1152b)とからなる光導波路1150が形成されている。そして、アンダークラッド1152aは、その下部に導体回路が形成されていない部分の厚さが、導体回路の厚さよりも厚くなるように構成されている。
また、光導波路1150のそれぞれの端部には、光路変換ミラーが形成されており、光導波路1150と光信号伝送用光路1142との間で光信号を伝送することができるように構成されている。
また、ソルダーレジスト層1134b上には、マイクロレンズ1146a、1146bが配設されている。
マイクロレンズ1146a、1146bのそれぞれは、端部に光路変換ミラーが形成されたコア1151のそれぞれの端部に対応する位置に配設されている。
なお、本発明の多層プリント配線板において、光導波路に形成された光路変換ミラーの表面には、金属蒸着層が形成されていてもよい。
このようなマザーボード用基板1120において、外部のパッケージ基板等からの光信号は、マイクロレンズ1146a、ソルダーレジスト層1134b、光信号伝送用光路1142、光導波路1150、光信号伝送用光路1142、ソルダーレジスト層1134bおよびマイクロレンズ1146bを介して他のパッケージ基板等に伝送されることとなる。
また、ソルダーレジスト層1134bには、半田バンプ1137が形成されており、この半田バンプ1137を含むパッケージ基板を実装することができる。また、ソルダーレジスト層1134a側にも半田バンプが形成されていてもよい。
また、マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板の実施形態は、図5に示したような実施形態に限定されるわけではなく、図6に示したような実施形態であってもよい。
図6は、マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。
図6に示すマザーボード用基板1220には、基板1221の両面に導体回路1224と絶縁層1222とが積層形成され、基板1221を挟んだ導体回路間、および、絶縁層1222を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール1229およびバイアホール1227により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層1234aが形成され、他方の最外層には、透明ソルダーレジスト層1234bが形成されている。
このマザーボード用基板1220では、基板1221および絶縁層1222を貫通するように樹脂組成物1247からなる光信号伝送用光路1242が設けられている。
光信号伝送用光路1242は、その端部が、最外層の絶縁層1222の表面よりも突出するように形成されている。そして、この光信号伝送用光路は、複数の光信号を一括して伝送することができる一括貫通孔構造を有している。
従って、マザーボード用基板1220に、マルチチャンネル光学素子が実装されたパッケージ基板や、マルチチャンネル光学素子を直接実装した場合に、全てのチャンネルからの光信号を伝送することができる。
また、最外層の絶縁層1222上に形成された最外導体回路1224aは、その側面が光信号伝送用光路1242の突出する部分に接するように形成されており、かつ、最外導体回路の高さと、光信号伝送用光路1242の突出している部分との高さが同一になるように形成されている。
マザーボード用基板1220の一方(ソルダーレジスト層1234a側)の最外層の絶縁層1222上には、4つのコア1251a〜1251bとクラッド1252とからなる光導波路1250が形成されている。
また、光導波路1250のそれぞれの端部には、光路変換ミラーが形成されており、光導波路1250と光信号伝送用光路1242との間で光信号を伝送することができるように構成されている。
また、透明ソルダーレジスト層1234b上には、マイクロレンズ1246a〜1246dが配設されている。
マイクロレンズ1246a〜1246dのそれぞれは、端部に光路変換ミラーが形成されたコア1251のそれぞれの端部に対応する位置に配設されている。
なお、図6に示したマザーボード用基板には、一括貫通孔構造の光信号伝送用光路が一つ形成されているだけであるが、図5に示したように、2以上の光信号伝送用光路が形成されていもよい。
また、マザーボード用基板として機能する本発明の多層プリント配線板は、一括貫通孔構造の光信号伝送用光路を有するもののほか、個別貫通孔構造の光信号伝送用光路を有するものであってもよい。
図5、6に示したようなマザーボード用基板として機能する多層プリント配線板には、光導波路が形成されている。
上記光導波路としては、上記光導波路としては、ポリマー材料等からなる有機系光導波路、石英ガラス、化合物半導体等からなる無機系光導波路等が挙げられる。これらのなかでは、ポリマー材料等からなる有機系光導波路が望ましい。絶縁層との密着性に優れ、加工が容易だからである。
上記ポリマー材料としては、通信波長帯での吸収が少ないものであれば特に限定されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等が挙げられる。
具体的には、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂、フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテンから製造されるポリマー等が挙げられる。
また、上記光導波路がマルチモードの光導波路である場合、その材料は、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂であることが望ましく、上記光導波路がシングルモードの光導波路である場合、その材料は、ポリイミド樹脂やシリコーン樹脂、シロキサン樹脂であることが望ましい。
また、上記光導波路のコア部の厚さは1〜100μmが望ましく、その幅は1〜100μmが望ましい。上記幅が1μm未満では、その形成が容易でないことがあり、一方、上記幅が100μmを超えると、マザーボード用基板(多層プリント配線板)を構成する導体回路等の設計の自由度を阻害する原因となることがある。
また、上記光導波路のコア部の厚さと幅との比は、1:1に近いほうが望ましい。これは、通常、上記受光素子の受光部や上記発光素子の発光部の平面形状が円形状だからである。なお、上記厚さと幅との比は特に限定されるものではなく、通常、約1:2〜約2:1程度であればよい。
さらに、上記光導波路が通信波長1.31μmまたは1.55μmのシングルモードの光導波路である場合には、そのコア部の厚さおよび幅は5〜15μmであることがより望ましく、10μm程度であることが特に望ましい。また、上記光導波路が通信波長0.85μmでマルチモードの光導波路である場合には、そのコア部の厚さおよび幅は20〜80μmであることがより望ましく、50μm程度であることが特に望ましい。
また、上記光導波路には、粒子が配合されていてもよい。粒子が配合されることにより、光導波路にクラックが発生しにくくなるからである。即ち、光導波路に粒子が配合されていない場合には、光導波路と他の層(基板や絶縁層等)との熱膨張係数が異なることに起因して光導波路にクラックが発生することがあるが、光導波路に粒子を配合して熱膨張係数を調整することにより、上記他の層との熱膨張係数の差を小さくした場合には、光導波路にクラックが発生しにくくなるからである。
上記粒子としては、例えば、上記光信号伝送用光路に含まれる粒子と同様のもの等が挙げられる。これらの粒子は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
上記粒子としては、無機粒子が望ましく、シリカ、チタニアまたはアルミナからなる粒子が望ましい。また、シリカ、チタニアおよびアルミナのうちの少なくとも2種を混合、溶融させて形成した混合組成の粒子も望ましい。
また、上記樹脂粒子等の粒子の形状は特に限定されず、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。
また、上記粒子の粒子径は、通信波長より短いことが望ましい。粒子径が通信波長より長いと光信号の伝送を阻害することがあるからである。
上記粒子径は、その下限が0.01μmで、上限が0.8μmであることがより望ましい。この範囲を外れる粒子を含んでいると、粒度分布が広くなりすぎて、樹脂組成物中に混合した際に、該樹脂組成物の粘度のバラツキが大きくなり、樹脂組成物を調製する場合の再現性が低くなり、所定の粘度を有する樹脂組成物を調製することが困難になることがあるからである。
上記粒子径は、その下限が0.1μmで、その上限が0.8μmであることがさらに望ましい。この範囲にあると、スピンコート、ロールコート等を用いて樹脂組成物を塗布するの適しており、また、粒子が混合された樹脂組成物を調製する際に、所定の粘度に調製しやすくなる。
上記粒子径は、その下限が0.2μmで、その上限が0.6μmであることが特に望ましい。この範囲が、樹脂組成物の塗布、光導波路のコア部の形成に特に適している。さらに、形成した光導波路ごとのバラツキ、特に、コア部のバラツキが最も小さくなり、マザーボード用基板の特性に特に優れることとなるからである。
また、この範囲の粒子径を有する粒子であれば、2種類以上の異なる粒子径の粒子が含まれていてもよい。
上記粒子の配合量は、その望ましい下限が10重量%であり、より望ましい下限が20重量%である。一方、上記粒子の望ましい上限は80重量%であり、より望ましい上限は70重量%である。粒子の配合量が10重量%未満であると、粒子を配合させる効果が得られないことがあり、粒子の配合量が80重量%を超えると、光信号の伝送が阻害されることがあるからである。
また、上記光導波路の形状は特に限定されないが、その形成が容易であることから、シート状が好ましい。
また、上記光導波路がコア部とクラッド部とから構成されているものである場合、上記粒子は、コア部とクラッド部との両方に配合されていてもよいが、コア部には粒子が配合されておらず、該コア部の周囲を覆うクラッド部にのみ粒子が配合されていることが望ましい。その理由は以下のとおりである。
すなわち、光導波路に粒子を配合する場合、該粒子と光導波路の樹脂成分との密着性によっては、粒子と樹脂成分との界面に空気層が生じてしまうことがあり、この場合には、この空気層により光の屈折方向が変わり、光導波路の伝送損失が大きくなることがあるのに対し、クラッド部にのみ粒子が配合を配合した場合には、上述したような粒子を配合することにより、光導波路の伝送損失が大きくなるというような問題が発生することがないとともに、光導波路でクラックが発生しにくくなるとの上述した効果を得ることができるからである。
また、上記光導波路には、光路変換ミラーが形成されていることが望ましい。光路変換ミラーを形成することにより、光路を所望の角度に変更することが可能だからである。
上記光路変換ミラーの形成は、後述するように、光導波路の一端を切削することにより行うことができる。また、光導波路に光路変換ミラーを形成する代わりに、光導波路の端部の先に、光路変換部を有する部材を配置してもよい。
また、マザーボード用基板として機能する本発明の多層プリント配線板は、必ずしも、図5、6に示したような、最外層の絶縁層上に光導波路が形成されたものに限定されるわけではなく、例えば、図21、22に示したように、ソルダーレジスト層上に光導波路が形成されていてもよい。
図21は、マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。
図21に示すマザーボード用基板1320の構成は、図5に示したマザーボード用基板1120の構成と比べて、ソルダーレジスト層及び光導波路の構成が異なる以外は、マザーボード用基板1120の構成と同一である。従って、ここでは、ソルダーレジスト層及び光導波路の構成を中心に、マザーボード用基板1320について説明する。
マザーボード用基板1320では、マイクロレンズ1346a、1346bを配設した側と反対側(図中下側)の最外層の絶縁層1322上に透明ソルダーレジスト層1334aが形成されており、さらに、この透明ソルダーレジスト層1334a上の全体に、コア1351とクラッド1352とからなる光導波路1350が形成されている。また、光導波路1350の所定の箇所には光路変換ミラーが形成されている。
また、上述したように、ソルダーレジスト層1334a、および、光導波路1350以外の構成は、マザーボード用基板1120と同一である。
このようなマザーボード用基板1320において、外部のパッケージ基板等からの光信号は、マイクロレンズ1346a、ソルダーレジスト層1334b、光信号伝送用光路1342、ソルダーレジスト層1334a、光導波路1350、ソルダーレジスト層1334a、光信号伝送用光路1342、ソルダーレジスト層1334b、マイクロレンズ1346bを介して、他のパーケージ基板等に伝送されることとなる。
また、マザーボード用基板として機能する本発明の多層プリント配線板は、図22に示したような形態であってもよい。
図22(a)は、マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図であり、(b)は、マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板のさらに別の一例を模式的に示す部分断面図である。
図22(a)に示すマザーボード用基板1420は、基板1421の両面に導体回路1424と絶縁層1422とが積層形成され、基板1421を挟んだ導体回路間、および、絶縁層1422を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール1429およびバイアホール(図示せず)により電気的に接続されている。
このマザーボード用基板1420では、基板1421および絶縁層1422を貫通するように樹脂組成物1447からなる光信号伝送用光路1442が設けられている。
光信号伝送用光路1442は、その端部が、最外層の絶縁層1422の表面よりも突出するように形成されている。
また、最外層の絶縁層1422上に形成された最外導体回路1424aは、その側面が光信号伝送用光路1442の突出する部分に接するように形成されており、かつ、最外導体回路1424aの高さと、光信号伝送用光路1442の突出している部分との高さが同一になるように形成されている。
マザーボード用基板1420の光導波路1450が形成された側と反対側(図中上側)の最外層には、透過率の高くないソルダーレジスト層1434bが形成されており、このソルダーレジスト層1434bには、光信号伝送用光路1442と光学的に接続された光路用開口が形成されている。なお、光路用開口の断面の大きさは、図示したように、光信号伝送用光路の断面の大きさと同一であってもよいし、大きくても良いし、小さくてもよい。
また、マザーボード用基板の光導波路1450が形成される側(図中下側)には、最外層の絶縁層1422上に透過率の高くないソルダーレジスト層1434aが形成されており、このソルダーレジスト層1434a上には、その両端に光路変換ミラーが形成された必要最小限の大きさの光導波路1450が形成されている。この光導波路1450は、コア1451とクラッド1452とから構成されている。
また、ソルダーレジスト層1434bには、半田1437が形成されている。
また、ソルダーレジスト層1434aには、該ソルダーレジスト層1434aを貫通するように、樹脂組成物からなる光信号伝送用光路が形成されている。
従って、マザーボード用基板1420では、光信号伝送用光路の最外層の絶縁層より突出している部分の高さが、最外導体回路1424aの高さと同一かそれよりも高いこととなる。
なお、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径は、図示したように、光信号伝送用光路の基板および絶縁層を貫通する部分の断面の径と同一であってもよいし、大きくてもよいし、小さくてもよい。形成の容易性、および、位置精度の確保の容易性の観点からは、大きいことが望ましい。
このようなマザーボード用基板1420において、外部のパッケージ基板等からの光信号は、ソルダーレジスト層1434bに形成された光路用開口、光信号伝送用光路1442、光導波路1450、光信号伝送用光路1442、ソルダーレジスト層1434bに形成された光路用開口を介して他のパッケージ基板等に伝送されることとなる。
また、(a)に示したマザーボード用基板1420を構成する光導波路の形状は、その両端部に光路変換ミラーが形成された形状であるが、上記マザーボード用基板を構成する光導波路の形状は、このような形状に限定されるわけではなく、例えば、(b)に示す光導波路1550のような形状であってもよい。
即ち、ソルダーレジスト層1434a上の一部に、コア1551とクラッド1552とからなるシート状の光導波路1550が形成され、さらに一部にV字状の切れ込みを設けることにより光路変換ミラーが形成された形状の光導波路であってもよい。
また、図22(a)、(b)に示したような、光導波路を形成する側のソルダーレジスト層としては、透過率の高くないソルダーレジスト層が用いられたマザーボード用基板において、光導波路の形状は、図22(a)、(b)に示したような形状に限定されるわけではなく、図21に示したようなソルダーレジスト層上全面に形成される形状であってもよい。
また、図22(a)、(b)に示したマザーボード用基板においては、光導波路が形成された側のソルダーレジスト層を貫通するように光信号伝送用光路が形成されており、この部分には、光信号伝送用光路の基板や絶縁層を貫通する部分に充填される樹脂組成物と同様の樹脂組成物が充填されているが、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分には、例えば、光導波路を構成する下部クラッドと同様の材質のもの(クラッド用樹脂組成物)が充填されていてもよい。
ソルダーレジスト層を貫通する部分に樹脂組成物を充填する工程を省略することができ、その結果、この工程で必要とされる樹脂組成物の充填、硬化、研磨等に起因するダメージ、特に、研磨に起因するダメージをなくすことができる。
勿論、図5や図21に示したマザーボード用基板においても、光導波路の形状は、図22(a)、(b)に示したような絶縁層上の一部に形成された形状であってもよく、また、図6に示したマザーボード用基板においても、光導波路の形状は、図示したような絶縁層上の一部に形成された形状のみならず、絶縁層上の全体に形成された形状であってもよい。
次に、本発明の多層プリント配線板の製造方法について工程順に説明する。
本発明の多層プリント配線板の製造方法は、基板の少なくとも片面に導体回路と絶縁層とを積層形成することにより、最外層の絶縁層上に最外層の薄膜導体層が形成され、上記最外層の薄膜導体層上に最外層の電解めっき層とめっきレジスト層とが所定のパターンで形成された多層配線板を作製し、
上記多層配線板を貫通するように光路用貫通孔を形成し、
上記光路用貫通孔内に、上記光路用貫通孔の内積よりも多い未硬化の樹脂組成物を充填し、
上記未硬化の樹脂組成物を硬化させた後、樹脂組成物を研磨することにより光信号伝送用光路を形成し、
上記めっきレジスト層と上記めっきレジスト層下の最外層の薄膜導体層とを除去することによりダミー導体回路を含む最外層の導体回路を形成する多層プリント配線板の製造方法であって、
上記最外層の電解めっき層及びめっきレジスト層の高さと、上記樹脂組成物における上記最外層の絶縁層の表面よりも突出している部分の高さとが同一になるように上記樹脂組成物を研磨し、
上記光信号伝送用光路との距離が25〜50μmとなる位置に上記ダミー導体回路が形成されるように、上記最外層の導体回路を形成することを特徴とする。
ここでは、パッケージ基板として機能する多層プリント配線板を例に、多層プリント配線板の製造方法を説明する。
上記多層プリント配線板の製造方法では、まず、基板の両面に導体回路と絶縁層とが積層形成された多層配線板を製造する。上記多層配線板は、セミアディティブ法、フルアディテブ法、サブトラクティブ法、一括積層法、コンフォーマル法等を用いて製造することができる。ここでは、セミアディティブ法およびサブトラクティブ法を例に多層配線板の製造方法を説明する。
(1)絶縁性基板を出発材料とし、まず、該絶縁性基板上に導体回路を形成する。
上記絶縁性基板としては特に限定されず、例えば、ガラスエポキシ基板、ビスマレイミド−トリアジン(BT)樹脂基板、銅張積層板、RCC基板等の樹脂基板、窒化アルミニウム基板等のセラミック基板、シリコン基板等が挙げられる。
上記導体回路は、例えば、上記絶縁性基板の表面に無電解めっき処理等によりベタの導体層を形成した後、エッチング処理を施すことにより形成することができる。
また、上記絶縁性基板を挟んだ導体回路間を接続するためのスルーホールを形成してもよい。また、導体回路を形成した後には、必要に応じて、導体回路の表面にエッチング処理等により粗化面を形成してもよい。
(2)次に、導体回路を形成した基板上に、バイアホール用開口を有する絶縁層を形成する。
上記絶縁層は、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂や、これらと熱可塑性樹脂と含む樹脂複合体等を用いて形成すればよい。
具体的には、まず、未硬化の樹脂をロールコーター、カーテンコーター等により塗布したり、樹脂フィルムを熱圧着したりすることにより樹脂層を形成し、その後、必要に応じて、硬化処理を施すとともに、レーザ処理や露光現像処理によりバイアホール用開口を形成することにより絶縁層を形成することができる。
また、上記熱可塑性樹脂からなる樹脂層は、フィルム状に成形した樹脂成形体を熱圧着することにより形成することができる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
上記感光性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂等が挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂としては、例えば、上記した熱硬化性樹脂の熱硬化基とメタクリル酸やアクリル酸とをアクリル化反応させたもの等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)ポリエーテルイミド(PI)等が挙げられる。
また、上記樹脂複合体の具体的な組み合わせとしては、例えば、フェノール樹脂/ポリエーテルスルフォン、ポリイミド樹脂/ポリスルフォン、エポキシ樹脂/ポリエーテルスルフォン、エポキシ樹脂/フェノキシ樹脂等が挙げられる。また、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との具体的な組み合わせとしては、例えば、アクリル樹脂/フェノキシ樹脂、エポキシ基の一部をアクリル化したエポキシ樹脂/ポリエーテルスルフォン等が挙げられる。
また、上記樹脂複合体における熱硬化性樹脂や感光性樹脂と熱可塑性樹脂との配合比率は、熱硬化性樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=95/5〜50/50が望ましい。耐熱性を損なうことなく、高い靱性値を確保することができるからである。
また、上記絶縁層は、2層以上の異なる樹脂層から構成されていてもよい。
また、上記絶縁層は、粗化面形成用樹脂組成物を用いて形成してもよい。
上記粗化面形成用樹脂組成物とは、例えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して難溶性の未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質が分散されたものである。
なお、上記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、絶縁層に上記粗化液を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持することができるものであればよく、例えば、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、上記熱硬化性樹脂を感光化する場合は、メタクリル酸やアクリル酸等を用い、熱硬化基を(メタ)アクリル化反応させる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。
上記可溶性の物質は、無機粒子、樹脂粒子および金属粒子から選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。
上記無機粒子としては、例えば、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、マグネシウム化合物、ケイ素化合物等からなるものが挙げられる。
上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に浸漬した場合に、上記耐熱性樹脂マトリックスよりも溶解速度の早いものであれば特に限定されない。
なお、上記樹脂粒子は予め硬化処理されていることが必要である。硬化させておかないと上記樹脂粒子が耐熱性樹脂マトリックスを溶解させる溶剤に溶解してしまうこととなるからである。
上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、鉛等からなるものが挙げられる。また、上記金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
上記粗化液として用いる酸としては、例えば、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸や、蟻酸、酢酸等の有機酸等が挙げられ、上記酸化剤としては、例えば、クロム酸、クロム硫酸、アルカリ性過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム等)の水溶液等が挙げられ、上記アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
上記可溶性の物質の平均粒子径は、10μm以下が望ましい。
また、平均粒子径の相対的に大きな粗粒子と平均粒子径が相対的に小さな微粒子とを組み合わせて使用してもよい。両者を組み合わせて使用することにより、浅くて複雑な粗化面を形成することができる。
上記レーザ処理に使用するレーザとしては、例えば、炭酸ガスレーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。バイアホール用開口を形成した後、必要に応じて、デスミア処理を施してもよい。
また、この工程では、必要に応じて、スルーホール用貫通孔を形成してもよい。
(3)次に、必要に応じて、バイアホール用開口の内壁を含む絶縁層の表面に内層の導体回路を形成する。
まず、セミアディティブ法による導体回路の形成方法を説明する。
具体的には、まず、絶縁層の表面に、無電解めっきやスパッタリング等により薄膜導体層を形成し、次いで、その表面の一部にめっきレジストを形成した後、めっきレジスト非形成部に電解めっき層を形成する。次に、めっきレジストと、該めっきレジスト下の薄膜導体層とを除去し、導体回路を形成する。
上記薄膜導体層の材質としては、例えば、銅、ニッケル、スズ、亜鉛、コバルト、タリウム、鉛等が挙げられる。電気特性、経済性等に優れる点から銅や銅およびニッケルからなるものが望ましい。
また、上記薄膜導体層の厚さは、0.1〜2.0μmが望ましい。
また、上記薄膜導体層形成前には、絶縁層の表面に粗化面を形成しておいてもよい。
上記めっきレジストは、例えば、感光性ドライフィルムを張り付けた後、露光現像処理を施すことにより形成することができる。
また、上記電解めっき層の厚さは5〜20μmが望ましい。上記電解めっき層を形成するための電解めっきとしては、銅めっきが望ましい。
上記めっきレジストの除去は、例えば、アルカリ水溶液等を用いて行えばよく、上記薄膜導体層の除去は、硫酸と過酸化水素との混合液、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化第二銅等のエッチング液を用いて行えばよい。
また、上記導体回路を形成した後、必要に応じて、絶縁層上の触媒を酸や酸化剤を用いて除去してもよい。電気特性の低下を防止することができるからである。
また、上記導体回路は、サブトラクティブ法により形成してもよい。
この場合は、絶縁層の表面に、無電解めっきやスパッタリング等により薄膜導体層を形成し、次いで、必要に応じて、電解めっき等により、導体層の厚付けを行う。
その後、導体層の表面の一部にエッチングレジストを形成し、エッチングレジスト非形成部に導体層を除去することより導体回路を形成する。
なお、電解めっきやエッチング等は、例えば、セミアディティブ法で用いた方法と同様の方法用いることができる。
(4)さらに、上記(3)の導体回路を形成する工程を行った場合には、上記(2)の工程を繰り返し行い、絶縁層を積層形成する。
その後、必要に応じて、(3)および(2)の工程を繰り返すことにより、導体回路と絶縁層とを積層形成してもよい。
(5)次に、最外層の絶縁層上、最外導体回路を形成するとともに、その端部が、最外層の絶縁層の表面よりも突出した光信号伝送用光路を形成する。
ここで、最外導体回路を形成する際には、後工程を経て形成する樹脂組成物からなる光信号伝送用光路の近傍に位置するように最外導体回路を形成することが望ましく、光信号伝送用光路の突出している部分と最外導体回路の側面とが接するように形成することも望ましい。
また、最外導体回路の高さが、最外層の絶縁層より突出する部分の高さと同一になるように、最外導体回路を形成することも望ましい。
また、この工程で、光信号伝送用光路を形成する際には、光信号伝送用光路の壁面に導体層を形成してもよい。導体層を形成することなく、光路用貫通孔の壁面に必要に応じてデスミア処理を施した後、光路用貫通孔内に樹脂組成物を充填した場合には、樹脂組成物にボイドが発生するおそれがあるが、上記導体層を形成することにより、ボイドが発生するおそれが少なくなる。
また、上記導体層を形成した場合、その表面には、粗化処理を施すことが望ましく、その場合、表面粗さRaは、0.1〜5μm程度であることが望ましい。粗化処理を施すことにより、樹脂組成物との密着性が向上することとなるからである。
具体的には、例えば、下記(a)〜(a)の工程を行うことにより、最外導体回路と光信号伝送用光路とを形成することができる。
(a)まず、最外層の絶縁層上に、上記(3)の工程で用いた方法と同様の方法を用いて、薄膜導体層を形成し、次いで、必要に応じて、電解めっき等により、導体層の厚付けを行う。
(a)次に、基板、絶縁層および導体層を貫通するように、光路用貫通孔を形成する。
上記光路用貫通孔の形成は、例えば、ドリル加工やルータ加工、レーザ処理等により行う。
上記レーザ処理において使用するレーザとしては、上記バイアホール用開口の形成において使用するレーザと同様のもの等が挙げられる。
上記ドリル加工においては、多層配線板の認識マークを読み、加工位置を補正してドリル加工を行う認識マークの認識機能付き装置を用いることが望ましい。
上記光路用貫通孔の形成位置や大きさは特に限定されず、導体回路の設計、ICチップや光学素子等の実装位置等を考慮して適宜選択すればよい。
また、この工程において、複数の円柱が並列に並べられ、互いに隣り合う円柱の側面の一部が繋がった形状の光路用貫通孔を形成する場合、形成する円柱の個数は、奇数個であることが望ましく、また、隣り合わない円柱を先に形成し、その後、隣り合わない円柱同士の間に、側面の一部が繋がった円柱を形成することが望ましい。
側面の一部が繋がった、隣り合う円柱を連続して形成しようとすると、ドリルの先端が既に形成された円柱の方向へ逃げようとしてドリルの先端ふれが発生し、ドリル加工時の精度が低下することがあるからである。
また、光路用貫通孔を形成した後、必要に応じて、光路用貫通孔の壁面にデスミア処理を行ってもよい。
上記デスミア処理は、例えば、過マンガン酸溶液による処理や、プラズマ処理、コロナ処理等を用いて行うことができる。なお、上記デスミア処理を行うことにより、光路用貫通孔内の樹脂残り、バリ等を除去することができ、完成した光信号伝送用光路における壁面での光の乱反射に起因した光信号の伝送損失の増加を防止することができる。
また、光路用貫通孔形成後、下記の工程で未硬化の樹脂組成物を充填する前に、必要に応じて、光路用貫通孔の壁面を粗化面とする粗化面形成工程を行ってもよい。樹脂組成物との密着性の向上を図ることができるからである。
上記粗化面の形成は、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の酸;クロム酸、クロム硫酸、過マンガン酸塩等の酸化剤等により行うことができる。また、プラズマ処理やコロナ処理等により行うこともできる。
(a)次に、光路用貫通孔内に樹脂組成物を充填する。
光路用貫通孔内に、未硬化の樹脂組成物を充填した後、硬化処理を施すことにより、その端部が最外層の絶縁層の表面よりも突出している光信号伝送用光路を形成することができる。
具体的な未硬化の樹脂組成物の充填方法としては特に限定されず、例えば、印刷やポッティング等の方法を用いることができる。
さらに、この工程では、光路用貫通孔の内積よりも多い樹脂組成物を充填し、その後、この樹脂組成物が最外層の絶縁層表面から突出するように、硬化処理を施すことが望ましい。
また、突出した樹脂組成物の露出面に研磨処理を施し、突出部分の高さが、その近傍の最外導体回路の高さと同一になるように研磨処理を施すことも望ましい。
上記研磨処理は、例えば、バフ研磨、紙やすり等による研磨、鏡面研磨、クリーン研磨、ラッピング等により行うことができる。また、酸や酸化剤、薬液等を用いた化学研磨を行ってもよい。また、これらの方法を2種以上組み合わせて研磨処理を行ってもよい。
また、ここでは、樹脂組成物の露出面を含む配線板の露出面全体に、研磨処理を施すことができるため、研磨部材が斜めにあたったりすることがなく、樹脂組成物の露出面の平坦度を確保することができる。
(a)次に、導体層上にエッチングレジストを形成し、その後、エッチングレジスト非形成部分の導体層を除去することにより、最外導体回路をすることができる。
ここで、エッチング処理は、上記(3)の工程で用いた方法と同様の方法により行うことができる。
また、最外導体回路および光信号伝送用光路の形成は、下記(b)〜(b)の工程を経ることにより行うこともできる。
(b)まず、最外層の絶縁層上に、上記(3)の工程で用いた方法と同様の方法を用いて、薄膜導体層を形成する。
(b)次に、基板、絶縁層および薄膜導体層を貫通するように、光路用貫通孔を形成する。
上記光路用貫通孔の形成は、上記(a)の工程で用いた方法と同様の方法等により行うことができる。
また、光路用貫通孔形成後、上記(a)の工程で用いた方法と同様の方法等により、下記の工程で未硬化の樹脂組成物を充填する前に、必要に応じて、光路用貫通孔の壁面を粗化面とする粗化面形成工程を行ってもよい。樹脂組成物との密着性の向上を図ることができるからである。
(b)次に、光路用貫通孔内に樹脂組成物を充填する。
光路用貫通孔内に、未硬化の樹脂組成物を充填した後、硬化処理を施すことにより、その端部が最外層の絶縁層の表面よりも突出している光信号伝送用光路を形成することができる。未硬化の樹脂組成物の充填方法としては特に限定されず、上記(a)の工程で用いた方法と同様の方法等を用いることができる。
さらに、この工程では、上記(a)の工程同様、光路用貫通孔の内積よりも多い樹脂組成物を充填し、その後、この樹脂組成物が最外層の絶縁層表面から突出するように、硬化処理を施すことが望ましい。
また、突出した樹脂組成物の露出面に研磨処理を施し、突出部分の高さが、薄膜導体層の高さと同一になるように研磨処理を施すことも望ましい。この場合も、上述した(a)の工程を経る場合と同様、平坦度を確保することができる。
上記研磨処理は、上記(a)の工程で用いた方法と同様の方法等により行うことができる。
(b)次に、上記薄膜導体層上の一部にめっきレジストを形成し、その後、めっきレジスト非形成部に電解めっき層を形成する。次に、めっきレジストと該めっきレジスト下の薄膜導体層とを除去することにより、最外導体回路を形成することができる。
上記めっきレジスト電解めっき層の形成、薄膜導体層等の具体的な方法としては、上記(3)の工程で用いた方法と同様の方法等を用いることができる。
(6)次に、光路用貫通孔を形成した多層配線板の最外層にソルダーレジスト層を形成する。
上記ソルダーレジスト層は、未硬化のソルダーレジスト組成物を塗布した後、硬化処理を施したり、上記ソルダーレジスト組成物からなるフィルムを圧着し、さらに必要に応じて、硬化処理を施したりすることにより形成することができる。
また、この工程では、ソルダーレジスト層として、透過率の高くないソルダーレジスト層を形成する場合には、ソルダーレジスト層の形成と同時に、光信号伝送用光路として機能することができる光路用開口を形成する。なお、透明ソルダーレジスト層を形成する場合には、光路用開口を形成する必要はない。
上記光路用開口は、例えば、上記ソルダーレジスト組成物を塗布した後、露光現像処理を施すことにより形成することができる。
また、光路用開口の形成と同時に半田バンプ形成用開口(ICチップや光学素子を実装するための開口)を形成してもよい。勿論、光路用開口と半田バンプ形成用開口とは別々に形成してもよい。
また、ソルダーレジスト層を形成する際に、予め、所望の位置に開口を有する樹脂フィルムを作製し、該樹脂フィルムを張り付けることにより、光路用開口や半田バンプ形成用開口を有するソルダーレジスト層を形成してもよい。
また、本発明の多層プリント配線板として、光信号伝送用光路の端部とソルダーレジスト層の表面とが同一平面を構成する多層プリント配線板を製造する場合には、下記の方法を用いることが望ましい。
すなわち、上記(5)の工程において、光信号伝送用光路を形成する工程は行わず、本工程において、ソルダーレジスト層を形成した後、基板、絶縁層およびソルダーレジスト層を貫通する光路用貫通孔を形成する。
その後、光路用貫通孔内への未硬化の樹脂組成物の充填処理、樹脂組成物の硬化処理および樹脂組成物の研磨処理を行う。なお、これらの各処理は、上記(5)の工程で用いた方法と同様の方法等により行うことができる。
また、本工程でソルダーレジスト層を形成する場合、2層以上からなるソルダーレジスト層を形成してもよい。
なお、上述したように、光信号伝送用光路の端部とソルダーレジスト層の表面とが同一平面を構成する多層プリント配線板を製造する場合であって、2層からなるソルダーレジスト層を形成する場合には、1層目(下層)のソルダーレジスト層の表面、光信号伝送用光路の端部とが同一平面を構成するようにしてもよい。
(7)次に、必要に応じて、ソルダーレジスト層上にマイクロレンズを配設する。なお、マイクロレンズの配設は、上記ソルダーレジスト層として透明ソルダーレジスト層を形成した場合には、そのソルダーレジスト層上に配設すればよく、ソルダーレジスト層に光路用開口を形成した場合には、光路用開口内に配設すればよい。
また、マイクロレンズを配設する場合、予め、マイクロレンズを配設する部位に撥水コート材による処理、CFプラズマによる撥水処理、Oプラズマによる親水処理等の表面処理を施しておいてもよい。上記マイクロレンズを配設する部位の濡れ性によっては、マイクロレンズの形状、特に、サグ高さにバラツキが発生しやすいのに対し、表面処理を施すことにより、サグ高さのバラツキを抑えることができる。
上記表面処理の具体的な方法について簡単に説明しておく。
上記撥水コート剤による処理を行う場合には、まず、マイクロレンズを形成する部分に対応する部分が開口したマスクを行い、次にスプレー塗布やスピンコータでの塗布により撥水コート剤を塗布し、その後、撥水コート剤を自然乾燥させ、さらにマスクを剥がすことにより表面処理を終了する。なお、撥水コート剤層の厚さは、通常、1μm程度である。ここでは、メッシュ版やレジスト形成したマスクを用いればよい。
なお、撥水コート剤による処理を行う場合には、マスクを用いることなく、ソルダーレジスト層全体に撥水コート剤による処理を施してもよい。
また、上記CFプラズマによる撥水処理を行う場合には、まず、ソルダーレジスト層上のマイクロレンズを形成する部分に対応する部分が開口したマスクを行い、次に、CFプラズマ処理を行い、さらにマスクを剥がすことにより表面処理を終了する。ここでは、レジスト形成したマスクを用いればよい。
また、上記Oプラズマによる親水処理を行う場合には、まず、ソルダーレジスト層上のマイクロレンズを形成する部分に対応する部分が開口したマスクを行い、次に、Oプラズマ処理を行い、さらにマスクを剥がすことにより表面処理を終了する。ここでは、メタル版やレジスト形成したマスクを用いればよい。
また、上記撥水処理(撥水コート剤による処理含む)と親水処理とを組み合わせて行うことが望ましい。
また、上記マイクロレンズは、直接配設してもよく、また、光学接着剤を介して配設してもよい。
上記ソルダーレジスト層上にマイクロレンズを直接配設する方法としては、例えば、未硬化の光学レンズ用樹脂を樹脂組成物上に適量滴下し、この滴下した未硬化の光学レンズ用樹脂に硬化処理を施す方法が挙げられる。
上記方法において、未硬化の光学レンズ用樹脂をソルダーレジスト層上に適量滴下する際には、ディスペンサー、インクジェット、マイクロピペット、マイクロシリンジ等の装置を用いることができる。また、このような装置を用いてソルダーレジスト層上に滴下した未硬化の光学レンズ用樹脂は、その表面張力により球形になろうとするため、上記ソルダーレジスト層上で半球状となり、その後、半球状の未硬化の光学レンズ用樹脂に硬化処理を施すことで、ソルダーレジスト層上に半球状のマイクロレンズを形成することができるのである。
なお、このようにして形成するマイクロレンズの直径や曲面の形状等は、ソルダーレジスト層と未硬化の光学レンズ用樹脂との濡れ性を考慮しながら、適宜未硬化の光学レンズ用樹脂の粘度等を調整することで制御することができる。
(8)次に、下記の方法を用いて半田パッドや半田バンプの形成を行い、さらに、光学素子の実装を行う。
すなわち、上記半田バンプ形成用開口を形成することにより露出した導体回路部分を、必要に応じて、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金等の耐食性金属により被覆し、半田パッドとする。
上記被覆層は、例えば、めっき、蒸着、電着等により形成することができるが、これらのなかでは、被覆層の均一性に優れるという点からめっきにより形成することが望ましい。
なお、半田パッドの形成は、上記マイクロレンズ配設工程の前に行うこととしてもよい。
さらに、上記半田パッドに相当する部分に開口部が形成されたマスクを介して、上記半田パッドに半田ペーストを充填した後、リフローすることにより半田バンプを形成する。また、半田バンプに代えて金バンプを形成してもよい。
さらに、ソルダーレジスト層に光学素子(受光素子や発光素子)を実装する。光学素子の実装は、例えば、上記半田バンプを介して行うことができる。また、例えば、上記半田バンプを形成する際に、半田ペーストを充填した時点で、光学素子を取り付けておき、リフローと同時に光学素子の実装を行ってもよい。また、ここで用いる半田の組成は特に限定されず、Sn/Pb、Sn/Pb/Ag、Sn/Ag/Cu、Sn/Cu等どのような組成であってもよい。
また、半田に代えて、導電性接着剤等を用いて光学素子を実装してもよい。
(9)次に、必要に応じて、上記光学素子にアンダーフィルを充填する。なお、アンダーフィルの充填方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
このような工程を経ることにより、パッケージ基板として機能する本発明の多層プリント配線板を製造することができる。
また、本発明の多層プリント配線板が、凹部形状の光信号伝送用光路が形成されたパッケージ基板の場合、以下の方法により製造することができる。
すなわち、まず、上記(1)〜(4)の工程と同様の方法を用いて、基板上に導体回路と絶縁層とを積層形成する。その後、上記絶縁層にザグリ加工を施すことにより、光信号伝送用光路となる凹部を形成する。
次に、上記凹部の底面に導体回路を露出させ、必要に応じて露出部分に被覆層を形成した後、該底面に光学素子とICチップとをフリップチップボンディングやワイヤボンディングにより実装する。
次に、上記凹部内への樹脂組成物の充填および最外導体回路の形成を上記(5)の工程と同様の方法等を用いて行い、さらに、上記(6)〜(8)の工程と同様にして、ソルダーレジスト層の形成、マイクロレンズの配設、および、半田バンプの形成を適宜行うことにより、上記凹部形状の光信号伝送用光路が形成されたパッケージ基板を製造することができる。
また、マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板を製造する方法についても簡単に説明しておく。
マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板を製造する場合には、
(1)まず、本発明のパッケージ基板の製造方法の(1)の工程と同様にして、基板の両面または片面に導体回路を形成するともに、必要に応じて、基板を挟んだ導体回路間を接続するスルーホールを形成する。また、この工程でも、導体回路の表面やスルーホールの壁面に、必要に応じて、粗化面を形成してもよい。
(2)次に、必要に応じて、導体回路を形成した基板上に絶縁層と導体回路とを積層形成する。
具体的には、本発明のパッケージ基板の製造方法の(2)〜(5)の工程と同様の方法を用いて、絶縁層と導体回路とを積層形成すればよい。
なお、この絶縁層と導体回路とを積層する工程は、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。
ここで、最外導体回路を形成する際には、パッケージ基板の製造方法を例に説明した場合と同様、最外層の絶縁層上、最外導体回路を形成するとともに、その端部が、最外層の絶縁層の表面よりも突出した光信号伝送用光路を形成する。
ここで、最外導体回路を形成する際には、後工程を経て形成する樹脂組成物からなる光信号伝送用光路の近傍に位置するように最外導体回路を形成することが望ましく、光信号伝送用光路の突出している部分と最外導体回路の側面とが接するように形成することも望ましい。
また、最外導体回路の高さが、最外層の絶縁層より突出する部分の高さと同一になるように、最外導体回路を形成することも望ましい。
(3)次に、基板上および/または絶縁層上の設計に応じた所定の位置(絶縁層上の一部であってもよいし、全部であってもよい)に光導波路を形成する。
なお、上述したように、ソルダーレジスト層上に光導波路を形成する場合には、後工程を経てソルダーレジスト層を形成した後、ソルダーレジスト層上に光導波路を形成すればよい。
上記光導波路の形成は、その材料に石英ガラス等の無機材料を用いて行う場合、予め、所定の形状に成形しておいた光導波路を光学接着剤を介して取り付けることにより行うことができる。
また、上記無機材料からなる光導波路は、LiNbO、LiTaO等の無機材料を液相エピタキシヤル法、化学堆積法(CVD)、分子線エピタキシヤル法等により成膜させることにより形成することができる。
また、ポリマー材料からなる光導波路を形成する方法としては、(1)予め離型フィルム上等にフィルム状に成形しておいた光導波路形成用フィルムを絶縁層上に張り付ける方法や、(2)絶縁層上に下部クラッド、コア、上部クラッドを順次積層形成していくことにより、上記絶縁層等上に直接光導波路を形成する方法等が挙げられる。
なお、光導波路の形成方法としては、離型フィルム上に光導波路を形成する場合も、絶縁層等上に光導波路を形成する場合も同様の方法を用いて行うことができる。
具体的には、反応性イオンエッチングを用いた方法、露光現像法、金型形成法、レジスト形成法、これらを組み合わせた方法等を用いることができる。
上記反応性イオンエッチングを用いた方法では、(i)まず、離型フィルムや絶縁層等(以下、単に離型フィルム等という)の上に下部クラッドを形成し、(ii)次に、この下部クラッド上にコア用樹脂組成物を塗布し、さらに、必要に応じて、硬化処理を施すことによりコア形成用樹脂層とする。(iii)次に、上記コア形成用樹脂層上に、マスク形成用の樹脂層を形成し、次いで、このマスク形成用の樹脂層に露光現像処理を施すことにより、コア形成用樹脂層上にマスク(エッチングレジスト)を形成する。
(iv)次に、コア形成用樹脂層に反応性イオンエッチングを施すことにより、マスク非形成部分のコア形成用樹脂層を除去し、下部クラッド上にコアを形成する。(v)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
この反応性イオンエッチングを用いた方法は、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
また、露光現像法では、(i)まず、離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)次に、この下部クラッド上にコア用樹脂組成物を塗布し、さらに、必要に応じて、半硬化処理を施すことによりコア形成用樹脂組成物の層を形成する。
(iii)次に、上記コア形成用樹脂組成物の層上に、コア形成部分に対応したパターンが描画されたマスクを載置し、その後、露光現像処理を施すことにより、下部クラッド上にコアを形成する。(iv)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
この露光現像法は、工程数が少ないため、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、また、加熱工程が少ないため、光導波路に応力が発生しにくい。
また、上記金型形成法では、(i)まず、離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)次に、下部クラッドに金型形成によりコア形成用の溝を形成する。(iii)さらに、上記溝内にコア用樹脂組成物を印刷により充填し、その後、硬化処理を施すことによりコアを形成する。(iv)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
この金型形成法は、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
また、上記レジスト形成法では、(i)まず、離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)さらに、この下部クラッド上にレジスト用樹脂組成物を塗布した後、露光現像処理を施すことにより、上記下部クラッド上のコア非形成部分に、コア形成用レジスト形成する。
(iii)次に、下部クラッド上のレジスト非形成部分にコア用樹脂組成物の塗布し、(iv)さらに、コア用樹脂組成物を硬化した後、上記コア形成用レジストを剥離することにより、下部クラッド上にコアを形成する。(v)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
このレジスト形成法は、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
これらの方法を用いてポリマー材料からなる光導波路を形成する場合において、コアに粒子が配合された光導波路を形成する場合には、露光現像法に比べて、金型形成法が望ましい。その理由は以下のとおりである。
すなわち、下部クラッドに金型形成によりコア形成用の溝を形成し、その後、この溝内にコアを形成する金型形成法でコアを形成した場合には、コアに配合される粒子は全部、コア中に入ってしまうこととなるため、コアの表面は平坦で光信号の伝送性に優れるのに対し、露光現像法でコアを形成した場合には、現像後のコアにおいて、コア表面から粒子の一部が突出していたり、コア表面に粒子がとれた窪みが形成されていたりして、コアの表面に凹凸が形成されることがあり、この凹凸によって光が所望の方向に反射しなくなり、その結果、光信号の伝送性が低下することがあるからである。
また、上記光導波路には、光路変換ミラーを形成する。
上記光路変換ミラーは、光導波路を絶縁層上に取り付ける前に形成しておいてもよいし、絶縁層上に取り付けた後に形成してもよいが、該光導波路を絶縁層上に直接形成する場合を除いて、予め光路変換ミラーを形成しておくことが望ましい。作業を容易に行うことができ、また、作業時に多層プリント配線板を構成する他の部材、基板や導体回路、絶縁層等に傷を付けたり、これらを破損させたりするおそれがないからである。
上記光路変換ミラーを形成する方法としては特に限定されず、従来公知の形成方法を用いることができる。具体的には、先端がV形90°のダイヤモンドソーや刃物による機械加工、反応性イオンエッチングによる加工、レーザアブレーション等を用いることができる。また、光路変換ミラーを形成する代わりに光路変換部材を埋め込んでもよい。
また、光導波路に90度光路変換ミラーを形成する場合には、下部クラッドの基板または絶縁層と接する面と、光路変換面とのなす角は、45度であってもよいし、135度であってもよい。
また、この工程で光導波路を形成する場合には、マザーボード用基板の設計上、最外層の絶縁層上の光導波路を形成する領域に最外導体回路が形成されている場合がある。
このような場合には、下記の方法を用いて光導波路を形成することが望ましい。最外導体回路の存在に起因する光導波路形成領域の凹凸の影響を受けることがない、光信号伝送性に優れる光導波路を形成することができるからである。
すなわち、フィルム状に成形しておいた光導波路形成用フィルムを絶縁層上に張り付ける場合には、最外層の絶縁層上の最外導体回路非形成領域を、この最外導体回路の高さと同一高さになるように樹脂組成物で充填しておくことが望ましい。これにより、光導波路形成用フィルムを張り付ける際に、このフィルムが平坦な領域に張り付けられることとなり、形成した光導波路にうねり等が発生することがないからである。
なお、最外導体回路非形成領域に充填する樹脂組成物としては特に限定されないが、例えば、クラッドの材料と同様のもの等が挙げられる。
また、下部クラッド、コア、上部クラッドを順次積層形成していくことにより、上記絶縁層等上に直接光導波路を形成する場合には、下部クラッドを形成する工程において、下部クラッドの厚さが導体回路の高さよりも大きくなるようにクラッド用樹脂組成物を塗布し、その後、下部クラッドの表面を平坦化する工程を施すことが望ましい。このような処理を経て、光導波路を形成することにより、形成した光導波路にうねり等が発生することがないからである。
なお、ここでは、基板上または最外層の絶縁層上に光導波路を形成する方法について説明したが、上記多層プリント配線板を製造する場合には、上記光導波路は、基板と絶縁層との間や、絶縁層同士の間に形成する場合もある。
基板と絶縁層との間に光導波路を形成する場合には、上記(1)の工程で、その両面に導体回路が形成された基板を作製した後、上記(3)の工程と同様の方法で基板上の導体回路非形成部分に光導波路を形成し、その後、上記(2)の工程と同様の方法で絶縁層を形成することにより、上記した位置に光導波路を形成することができる。
また、絶縁層同士の間に光導波路を形成する場合には、上記(1)および(2)の工程と同様にして導体回路が形成された基板上に少なくとも1層の絶縁層を積層形成した後、上記(3)の工程と同様にして絶縁層上に光導波路を形成し、その後、さらに、上記(2)の工程と同様の工程を繰り返すことにより、絶縁層同士の間に光導波路を形成することができる。
(4)その後、パッケージ基板として機能する多層プリント配線板を製造する場合と同様、最外層のソルダーレジスト層、光信号伝送用光路として機能する光路用開口、半田バンプ等の形成や、マイクロレンズの配設を行うことにより、マザーボード用基板を製造することができる。
また、場合によっては、上記(3)の工程で基板の最外層全体に光導波路を形成し、光導波路がソルダーレジスト層としての役割を果たすようにしてもよい。
また、上述したように、ソルダーレジスト層上に光導波路を形成する場合には、この工程で、ソルダーレジスト層を形成した後、このソルダーレジスト層上に光導波路を形成すればよい。
また、光導波路をソルダーレジスト層上に形成する場合、ソルダーレジスト層としては透過率の高いソルダーレジスト層を形成することが望ましい。ソルダーレジスト層を貫通する光信号伝送用光路の形成が不要で、製造が容易だからである。
上述した方法を用いることにより、パッケージ基板やマザーボード用基板として機能する本発明の多層プリント配線板を製造することができる。
また、上述したパッケージ基板として機能する本発明の多層プリント配線板を、マザーボード用基板として機能する本発明の多層プリント配線板に半田バンプを介して実装することにより、パッケージ基板間の信号伝送を光信号で行うことができる光通信用デバイスとすることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
A.絶縁層用樹脂フィルムの作製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコーン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
B.貫通孔充填用樹脂組成物の調製
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒子径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で45〜49Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
C.パッケージ基板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板21の両面に18μmの銅箔28がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図7(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板21の両面に導体回路24とスルーホール29とを形成した。
(2)スルーホール29と導体回路24とを形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO(40g/l)、NaPO(6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH(6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、スルーホール29を含む導体回路24の表面に粗化面(図示せず)を形成した(図7(b)参照)。
(3)上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール29内および基板21の片面の導体回路非形成部と導体回路24の外縁部とに樹脂充填材30′の層を形成した。
すなわち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填し、100℃、20分の条件で乾燥させることにより樹脂充填材30′の層を形成した(図7(c)参照)。
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、導体回路24の表面やスルーホール29のランド表面に樹脂充填材30′が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填材層30を形成した。
このようにして、スルーホール29や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材30の表層部および導体回路24の表面を平坦化し、樹脂充填材30と導体回路24の側面とが粗化面(図示せず)を介して強固に密着し、また、スルーホール29の内壁面と樹脂充填材30とが粗化面(図示せず)を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図7(d)参照)。この工程により、樹脂充填材層30の表面と導体回路24の表面とが同一平面となる。
(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレーで吹き付けて、導体回路24の表面とスルーホール29のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、導体回路24の全表面に粗化面(図示せず)を形成した。エッチング液として、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部を含むエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
(6)次に、上記Aで作製した基板より少し大きめの絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネータ装置を用いて貼り付けることにより絶縁層22を形成した(図7(e)参照)。
すなわち、絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度65Pa、圧力0.4MPa、温度80℃、時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
(7)次に、絶縁層22上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCOガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で絶縁層22に、直径80μmのバイアホール用開口26を形成した(図7(f)参照)。
(8)バイアホール用開口26を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、絶縁層22の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口26の内壁面を含むその表面に粗化面(図示せず)を形成した。
(9)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl)と塩化第一スズ(SnCl)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に厚さ0.6〜3.0μmの薄膜導体層(無電解銅めっき膜)32を形成した(図8(a)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
30℃の液温度で40分
(11)次に、薄膜導体層(無電解銅めっき膜)32が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cmで露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト23を設けた(図8(b)参照)。
(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト23非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜33を形成した(図8(c)参照)。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm
時間 65 分
温度 22±2 ℃
(13)さらに、めっきレジスト23を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト23下の薄膜導体層を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、薄膜導体層(無電解銅めっき膜)32と電解銅めっき膜33とからなる厚さ18μmの導体回路24(バイアホール27を含む)を形成した(図8(d)参照)。
(14)さらに、上記(5)の工程で用いたエッチング液と同様のエッチング液を用いて、導体回路24の表面に粗化面(図示せず)を形成し、次いで、上記(6)〜(8)の工程と同様にしてバイアホール用開口26を有し、その表面に粗化面(図示せず)が形成された絶縁層22を積層形成した(図9(a)参照)。
(15)次に、上記(9)の工程で用いた方法と同様の方法で、絶縁層22(バイアホール用開口26の内壁面を含む)の表面に触媒を付与し、さらに、上記(10)の工程で用いた無電解めっき液と同様の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に薄膜導体層(無電解銅めっき膜)32を形成した。
(16)次に、上記(11)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト23を設け、さらに、上記(12)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト23非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜33を形成した(図9(b)参照)。
次に、ルータ加工により、基板21、絶縁層22、薄膜導体層32および電解銅めっき膜33を貫通し、その断面形状が320×1000μmの長方形の両端のそれぞれに半径160μmの半円が付いた形状の光路用貫通孔31を形成し、さらに、光路用貫通孔31aの壁面にデスミア処理を施した(図9(c)参照)。この場合、一括貫通孔構造の光路用貫通孔31aが形成されることとなる。
(17)次に、樹脂を印刷機の穴埋めマスク上に載せて、スクリーン印刷を行うことにより光路用貫通孔31a内に樹脂組成物47′を充填した後(図9(d)参照)、120℃で1時間および150℃で1時間の条件で硬化処理を施し、その後、光路用貫通孔31a内から飛び出している樹脂を、♯3000研磨紙を用いて研磨し、さらに、0.05μmのアルミナ粒子を用いて研磨して表面を平坦化した。ここでは、樹脂組成物47からなる光信号伝送用光路の端部と、電解銅めっき膜33とが同一平面を構成するように、研磨処理を施した(図10(a)参照)。
この工程で樹脂組成物としては、エポキシ樹脂(透過率91%、CTE82ppm)に0.1〜0.8μmの粒度分布を有する粉砕シリカを40重量%添加して、透過率82%、CTE42ppmとし、粘度を200000cpsに調整したをものを用いた。
(18)次に、上記(13)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト23の剥離と、めっきレジスト23下の薄膜導体層の除去とを行い、最外導体回路24を形成した(図10(b)参照)。
なお、この工程において、最外導体回路24aは、後工程で形成する光信号伝送用光路を構成する樹脂組成物の突出した部分と接することとなる位置に形成した。この光信号伝送用光路に接することとなる位置に形成された最外導体回路24aは、ダミー導体回路である。また、このダミー導体回路と、光学素子の電極パッドが設けられる隣接する導体回路との距離は、50μmとした。
さらに、上記(2)の工程で用いた方法と同様の方法で、酸化還元処理を行い、導体回路24の表面を粗化面(図示せず)とした。
(19)次に、光信号伝送用光路を形成した基板の一方の面に、下記の方法で調製したソルダーレジスト組成物を30μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行い、ソルダーレジスト組成物の層34b′を形成した。
ソルダーレジスト組成物の調製は、DMDGに溶解させた60重量%のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)を46.67g、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、エピコート1001)15.0g、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6g、感光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)3g、同じく多価アクリルモノマー(共栄社化学社製、商品名:DPE6A)1.5g、分散系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.71gを混合し、さらにこの混合物に対して光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学社製)を2g、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)を0.2g加えて、粘度を25℃で2.0Pa・sを調整することにより行った。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
また、他方の面には、ソルダーレジスト組成物(RPZ−1、日立化成社製)を30μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行い、ソルダーレジスト組成物の層34a′を形成した(図10(c)参照)。
(20)次いで、半田バンプ形成用開口のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層の層34b′に密着させて1000mJ/cmの紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、半田バンプ形成用開口を形成した。また、光路用開口と半田バンプ形成用開口とのパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト組成物の層34a′に密着させて上記条件で露光現像処理し、光路用開口(断面形状が300×1000μmの長方形の両端のそれぞれに半径150μmの半円が付いた形状)と半田バンプ形成用開口とを形成した。
さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト組成物の層を硬化させ、所定の形状の光路用開口、半田バンプ形成用開口48を有し、その厚さが20μmのソルダーレジスト層34a、34bを形成した(図10(d)参照)。
(21)次に、ソルダーレジスト層34を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10−1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、半田バンプ形成用開口48に厚さ5μmのニッケルめっき層を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10−1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層上に、厚さ0.03μmの金めっき層を形成し、半田パッド36とした。
(22)次に、ソルダーレジスト層34b上にインクジェット装置を用いて、下記の方法によりマイクロレンズ46a〜46dを配設した(図11(a)参照)。
すなわち、UV硬化型エポキシ系樹脂(透過率94%、硬化後の屈折率1.53)を室温(25℃)で、粘度20cpsに調製した後、この樹脂をインクジョット装置の樹脂容器内で、温度40℃、粘度は8cpsに調製し、その後、ソルダーレジスト層34上の所定の位置に、直径220μm、サグ高さ9μmの半球状となるように塗布し、さらに、UV光(500mW/分)を照射させて樹脂を硬化させることにより、マイクロレンズ46a〜46dを配設した。
(23)次に、ソルダーレジスト層34に形成した半田バンプ形成用開口47に半田ペーストを印刷し、さらに、発光素子38の発光部38aの位置合わせを行いながら取り付け、200℃でリフローすることにより、発光素子38を実装するとともに、半田バンプ形成用開口48に半田バンプ37を形成した(図11(b)参照)。
その後、エポキシ系樹脂(透過率90%、CTE73ppm)に0.1〜0.8μmの粒度分布の粉砕シリカを60重量%添加して、透過率80%、CTE30ppm、粘度50cpsに調整したアンダーフィル用樹脂を調製した後、このアンダーフィル用樹脂を発光素子の周囲に塗布し、発光素子とソルダーレジスト層とのギャップ(50μm)に放置浸透させ、さらに、このアンダーフィル用樹脂を120℃で1時間および150℃で2時間の条件で硬化させることによりアンダーフィルを形成した。このような工程を経ることによりパッケージ基板として機能する多層プリント配線板を製造した。
なお、本実施例で形成したソルダーレジスト層34bの通信波長光(850nm)の透過率は、96%/30μmである。
本実施例では、発光素子38としては、InGaAsPからなるVCSELであって、電極パッド間の距離が500μmのものを用いた。
また、多層プリント配線板のサイズは、30mm□である。
(実施例2)
実施例1の(19)の工程において、両面にソルダーレジスト組成物の層34b′を形成を形成し、実施例1の(20)の工程において、光路用開口を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(実施例3)
実施例1の(16)〜(18)の工程において、最外導体回路(ダミー導体回路)および光信号伝送用光路を形成する際に、光信号伝送用光路とダミー導体回路との距離が25μmとなり、このダミー電極と光学素子の電極パッドが設けられる隣接する導体回路との距離が25μmとなるように、最外導体回路(ダミー導体回路)および光信号伝送用光路を形成した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(実施例4)
実施例3で引用する実施例1の(19)の工程において、両面にソルダーレジスト組成物の層34b′を形成を形成し、実施例1の(20)の工程において、光路用開口を形成しなかった以外は、実施例3と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(実施例5)
実施例1の(16)の工程において、電解銅めっき膜を形成する際に、その厚さを30μmとし、実施例1の(18)の工程においてめっきレジスト下の薄膜導体層を除去した後、光信号伝送用光路に接する最外導体回路上にエッチングレジストを形成し、さらに、この光信号伝送用光路に接する最外導体回路以外の最外導体回路にエッチング処理を施して、その厚さを薄くした以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
なお、本実施例で製造した多層プリント配線板では、光信号伝送用光路を構成する樹脂組成物の突出した部分と接することとなる位置に最外導体回路を形成した。この光信号伝送用光路に接することとなる位置に形成した最外導体回路は、ダミー導体回路である。
また、このダミー導体回路と、光学素子の電極パッドが設けられる隣接する導体回路との距離は、50μmである。
また、上記光信号伝送用光路の突出した部分およびダミー導体回路の高さは、他の最外層の絶縁層上に形成された導体回路の高さよりも大きくなるように形成した。
(実施例6)
実施例1の(16)〜(18)の工程に代えて、下記(1)〜(3)の工程を行うことにより、最外導体回路(ダミー導体回路)および光信号伝送用光路を形成した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(1)実施例1の(15)の工程までを経て絶縁層上に、薄膜導体層を形成した後、ドリル加工により、基板、絶縁層および薄膜導体層を貫通する光路用貫通孔(平面視形状が角部円弧の長方形(縦300μm×横1000μm))を形成し、さらに、光路用貫通孔の壁面にデスミア処理を施した。この場合、一括貫通孔構造の光路用貫通孔が形成されることとなる。
(2)次に、樹脂を印刷機の穴埋めマスク上に載せて、スクリーン印刷を行うことにより光路用貫通孔内に樹脂を充填した後、120℃で1時間および150℃で1時間の条件で硬化処理を施し、その後、光路用貫通孔内から飛び出している樹脂を、♯3000研磨紙を用いて研磨し、さらに、0.05μmのアルミナ粒子を用いて研磨して表面を平坦化した。ここでは、樹脂組成物からなる光信号伝送用光路の端部と、薄膜導体層とが同一平面を構成するように、研磨処理を施した。
この工程で樹脂としては、実施例1で使用したものと同様のものを用いた。
(3)上記(11)の工程で用いた方法と同様の方法で、薄膜導体層上の所定の位置に、めっきレジストを設け、さらに、上記(12)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜を形成した。
その後、実施例1の(13)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジストの剥離と、めっきレジスト下の薄膜導体層の除去とを行い、最外導体回路を形成した。
さらに、上記(2)の工程で用いた方法と同様の方法で、酸化還元処理を行い、導体回路の表面を粗化面(図示せず)とした。
なお、本実施例では、光信号伝送用光路を構成する樹脂組成物の突出した部分と接することとなる位置に最外導体回路を形成した。この光信号伝送用光路に接することとなる位置に形成した最外導体回路は、ダミー導体回路である。
また、このダミー導体回路と、光学素子の電極パッドが設けられる隣接する導体回路との距離は、50μmとした。
また、上記光信号伝送用光路の突出した部分およびダミー導体回路の高さは、他の最外層の絶縁層上に形成された導体回路の高さよりも小さくなるように形成した。
(実施例7)
(1)実施例1の(1)〜(15)の工程と同様にして、基板の両面に導体回路と絶縁層とを形成し、さらに、絶縁層上に薄膜導体層を形成した。
(2)次に、実施例1の(16)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジストおよび電解銅めっき膜を形成した。
次に、ザクリ加工により,基板の片面に積層形成された絶縁層、薄膜導体層およ電解銅めっき膜の一部を除去することにより、凹部(平面視形状が正方形(一辺15mm))を形成し、さらに、凹部の壁面にデスミア処理を施した。
(3)次に、樹脂を印刷機の穴埋めマスク上に載せて、スクリーン印刷を行うことにより上記凹部内に樹脂を充填した後、120℃で1時間および150℃で1時間の条件で硬化処理を施し、その後、上記凹部内から飛び出している樹脂を、♯3000研磨紙を用いて研磨し、さらに、0.05μmのアルミナ粒子を用いて研磨して表面を平坦化した。ここでは、樹脂組成物からなる光信号伝送用光路の端部と、電解銅めっき膜とが同一平面を構成するように、研磨処理を施した。
また、この工程では実施例1の(17)の工程で充填した樹脂組成物と同様の樹脂組成物を凹部内に充填した。
(4)次に、実施例1の(18)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジストの剥離と、めっきレジスト下の薄膜導体層の除去とを行い、最外導体回路を形成した。
なお、この工程において、最外導体回路は、後工程で形成する光信号伝送用光路を構成する樹脂組成物の突出した部分と接することとなる位置に形成した。この光信号伝送用光路に接することとなる位置に形成された最外導体回路は、ダミー導体回路である。また、このダミー導体回路と、幅0.1mmで光信号伝送用光路の周囲全体に接するように形成されており、半田バンプが形成される隣接する導体回路との距離は、0.65mmとした。
(5)次に、実施例1の(19)の工程と同様にして、ソルダーレジスト組成物の層を形成した。ここで、光信号伝送用光路を形成した側には、実施例1のソルダーレジスト組成物の層34b′と同様のソルダーレジスト組成物の層を形成し、その反対側には、実施例1のソルダーレジスト組成物の層34a′と同様のソルダーレジスト組成物の層を形成した。
(6)次に、実施例1の(20)の工程と同様の方法を用いて、ソルダーレジスト組成物の層34b′に半田バンプ形成用開口を形成し、その後、ソルダーレジスト組成物の層34a′、34b′に硬化処理を施した。
(7)次に、実施例1の(21)〜(23)の工程と同様の方法を用いて、半田パッドの形成、マイクロレンズの配設、半田バンプの形成を行い、多層プリント配線板を製造した。
なお、本実施例で作製した多層プリント配線板は、そのサイズが35mm□であり、また、ダミー導体回路が形成された側の面では、外周部に478個のBGAパッドが形成されている。
(実施例8)
実施例7の(4)の工程において、ダミー導体回路について、幅0.65mmで光信号伝送用光路の周囲全体に接するように形成するとともに、半田バンプが形成される隣接する導体回路との距離を0.1mmとした以外は、実施例7と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(実施例9)
実施例7の(4)の工程において、ダミー導体回路について、光信号伝送用光路の突出した部分の側面からの距離が0.5mm、幅0.1mmで光信号伝送用光路の周囲に形成するとともに、半田バンプが形成される隣接する導体回路との距離を0.1mmとした以外は、実施例7と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(実施例10〜18)
実施例1〜9のそれぞれにおいて、光学素子として、発光素子のVCSELに代えて、受光素子のPDを実装した以外は、実施例1〜9のそれぞれと同様にして多層プリント配線板を製造した。
(比較例1)
実施例1の(15)〜(18)の工程に代えて、下記(1)〜(3)の工程を行った以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(1)実施例1の(14)の工程までを経て、最外層の絶縁層を形成した後、実施例1の(16)の工程で用いた方法と同様の方法を用いて、基板および絶縁層を貫通する光路用貫通孔を形成する。
(2)次に、実施例1の(17)の工程で用いた方法と同様の方法を用いて、光路用貫通孔内に樹脂組成物を充填し、さらに、硬化処理および研磨処理を施し、樹脂組成物からなる光信号伝送用光路を形成した。
ここで、光信号伝送用光路の端部と、最外層の絶縁層の表面とが同一平面を構成するように、研磨処理を施した。
(3)次に、実施例1の(15)の工程で用いた方法と同様の方法で、薄膜導体層を形成し、さらに、実施例1の(16)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジストおよび電解銅めっき膜を形成した。
その後、実施例1の(18)の工程と同様の方法を用いて、めっきレジストの剥離と、めっきレジスト下の薄膜導体層の除去とを行い、最外導体回路を形成した。
なお、この工程においては、光信号伝送用光路の近傍には、最外導体回路(ダミー導体回路含む)を形成しなかった。
(比較例2)
実施例7の(1)〜(4)の工程に代えて、下記(1)〜(3)の工程を行った以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(1)実施例1の(14)の工程までを経て、最外層の絶縁層を形成した後、実施例7の(2)の工程で用いた方法と同様の方法を用いて、絶縁層の一部をザクリ加工により除去することにより、凹部(平面視形状が正方形(一辺15mm))を形成し、さらに、凹部の壁面にデスミア処理を施した。
(2)次に、実施例7の(3)の工程で用いた方法と同様の方法を用いて、光路用貫通孔内に樹脂組成物を充填し、さらに、硬化処理および研磨処理を施し、樹脂組成物からなる光信号伝送用光路を形成した。
ここで、光信号伝送用光路の端部と、最外層の絶縁層の表面とが同一平面を構成するように、研磨処理を施した。
(3)次に、実施例1の(15)の工程で用いた方法と同様の方法で、薄膜導体層を形成し、さらに、実施例1の(16)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジストおよび電解銅めっき膜を形成した。
その後、実施例1の(18)の工程と同様の方法を用いて、めっきレジストの剥離と、めっきレジスト下の薄膜導体層の除去とを行い、最外導体回路を形成した。
なお、この工程においては、光信号伝送用光路の近傍には、最外導体回路(ダミー導体回路含む)を形成しなかった。
(比較例3、4)
比較例1、2のそれぞれにおいて、光学素子として、VCSELに代えて、PDを実装した以外は、比較例1、2のそれぞれと同様にして多層プリント配線板を製造した。
(実施例19)
A.絶縁層用樹脂フィルムの作製
実施例1のAの工程と同様にして絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
B.貫通孔充填用樹脂組成物の調整
実施例1のBの工程と同様にして貫通孔充填用樹脂組成物を調整した。
C.マザーボード用基板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板71の両面に18μmの銅箔78がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図12(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板71の両面に導体回路74とスルーホール79とを形成した。
(2)スルーホール79と導体回路74とを形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO(40g/l)、NaPO(6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH(6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、スルーホール79を含む導体回路74の表面に粗化面(図示せず)を形成した(図12(b)参照)。
(3)上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール79内および基板71の片面の導体回路非形成部と導体回路74の外縁部とに樹脂充填材80′の層を形成した。
すなわち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填し、100℃、20分の条件で乾燥させることにより樹脂充填材80′の層を形成した(図12(c)参照)。
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、導体回路74の表面やスルーホール79のランド表面に樹脂充填材80′が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填材層80を形成した。
このようにして、スルーホール79や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材80の表層部および導体回路74の表面を平坦化し、樹脂充填材80と導体回路74の側面とが粗化面(図示せず)を介して強固に密着し、また、スルーホール79の内壁面と樹脂充填材80とが粗化面(図示せず)を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図12(d)参照)。この工程により、樹脂充填材層80の表面と導体回路74の表面とが同一平面となる。
(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレーで吹き付けて、導体回路74の表面とスルーホール79のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、導体回路74の全表面に粗化面(図示せず)を形成した。エッチング液として、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部を含むエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
(6)次に、上記Aで作製した基板より少し大きめの絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネータ装置を用いて貼り付けることにより絶縁層72を形成した(図12(e)参照)。
すなわち、絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度65Pa、圧力0.4MPa、温度80℃、時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
(7)次に、絶縁層72上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCOガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で絶縁層72に、直径80μmのバイアホール用開口76を形成した(図12(f)参照)。
(8)バイアホール用開口76を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、絶縁層72の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口76の内壁面を含むその表面に粗化面(図示せず)を形成した。
(9)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、絶縁層72の表面(バイアホール用開口76の内壁面を含む)に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl)と塩化第一スズ(SnCl)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、絶縁層72の表面(バイアホール用開口76の内壁面を含む)に厚さ0.6〜3.0μmの薄膜導体層(無電解銅めっき膜)72を形成した(図13(a)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
30℃の液温度で40分
(11)次に、薄膜導体層(無電解銅めっき膜)82が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cmで露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト73を設けた(図13(b)参照)。
(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト73非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜83を形成した(図13(c)参照)。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm
時間 65 分
温度 22±2 ℃
(13)さらに、めっきレジスト73を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト73下の薄膜導体層を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、薄膜導体層(無電解銅めっき膜)82と電解銅めっき膜83とからなる厚さ18μmの導体回路74(バイアホール77を含む)を形成した(図13(d)参照)。
(14)さらに、上記(5)の工程で用いたエッチング液と同様のエッチング液を用いて、導体回路74の表面に粗化面(図示せず)を形成し、次いで、上記(6)〜(8)の工程と同様にしてバイアホール用開口76を有し、その表面に粗化面(図示せず)が形成された絶縁層72を積層形成した。
(15)次に、上記(9)の工程で用いた方法と同様の方法で、絶縁層72(バイアホール用開口76の内壁面を含む)の表面に触媒を付与し、さらに、上記(10)の工程で用いた無電解めっき液と同様の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、絶縁層72の表面(バイアホール用開口76の内壁面を含む)に薄膜導体層(無電解銅めっき膜)82を形成した(図14(a)参照)。
(16)次に、上記(11)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト73を設け、さらに、上記(12)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト73非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜83を形成した。
その後、ドリル加工により、基板71、絶縁層72、薄膜導体層82および電解銅めっき膜83を貫通し、その断面形状が320×1000μmの長方形の両端のそれぞれに半径160μmの半円が付いた形状の光路用貫通孔81aを形成し、さらに、光路用貫通孔81aの壁面にデスミア処理を施した(図14(b)参照)。この場合、一括貫通孔構造の光路用貫通孔81aが形成されることとなる。
(17)次に、樹脂を印刷機の穴埋めマスク上に載せて、スクリーン印刷を行うことにより光路用貫通孔81a内に樹脂組成物97′を充填した後(図14(c)参照)、120℃で1時間および150℃で1時間の条件で硬化処理を施し、その後、光路用貫通孔81a内から飛び出している樹脂を、♯3000研磨紙を用いて研磨し、さらに、0.05μmのアルミナ粒子を用いて研磨して表面を平坦化することにより、樹脂組成物97からなる光信号伝送用光路を形成した(図14(d)参照)。ここで、樹脂組成物97からなる光信号伝送用光路の端部と、電解銅めっき膜83とが同一平面を構成するように、研磨処理を施した。
この工程で樹脂組成物としては、エポキシ樹脂(透過率91%、CTE82ppm)に0.1〜0.8μmの粒度分布を有する粉砕シリカを40重量%して、透過率82%、CTE42ppmとし、粘度を200000cpsに調整したをものを用いた。
(18)次に、上記(13)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト73の剥離と、めっきレジスト73下の薄膜導体層の除去とを行い、最外導体回路74を形成した(図15(a)参照)。ここで、一方(パッケージ基板を実装する側)の最外層の絶縁層には、光信号伝送用光路を構成する樹脂組成物の突出した部分と接することとなる位置に最外導体回路を形成した。また、他方(光導波路を形成する側)の最外層の絶縁層には、光信号伝送用光路を構成する樹脂組成物の突出した部分の近傍の位置に最外導体回路を形成した。
さらに、上記(2)の工程で用いた方法と同様の方法で、酸化還元処理を行い、導体回路74の表面を粗化面(図示せず)とした。
(19)光信号伝送用光路の一端部(図中、下側)に、下記の方法を用いて、4つのコア51a〜51dが並列に配設され光導波路50を形成した。
まず、コア形成用樹脂としてアクリル系樹脂(屈折率1.52、透過率94%、CTE72ppm)を、クラッド形成用樹脂としてアクリル系樹脂(屈折率1.51、透過率93%、CTE70ppm)に、0.1〜0.8μmの粒度分布を有する粉砕シリカを25重量%添加して透過率を81%、CTEを53ppm、粘度を1000cpsとしたものを準備した。
次に、光路用貫通孔の端部を含む絶縁層上に、スピンコータ(1000pm/10sec)を用いてクラッド形成用樹脂を塗布し、80℃で10分間のプリベーク、2000mJの露光処理、150℃で1時間のポストベークを行い、厚さ50μmの下部クラッドを形成した(図15(b)参照)。ここで、形成した下部クラッドの厚さは、光信号伝送用光路の突出した部分の高さより大きく、また、下部クラッドの厚さとは、一番厚い部分の厚さをいう。
次に、下部クラッド52上に、スピンコータ(1200pm/10sec)を用いてコア形成用樹脂を塗布し、80℃で10分間のプリベーク、1000mJの露光処理、1%TMHを用いたディップによる2分間の現像処理、150℃で1時間のポストベークを行い、幅50μm×厚さ50μmのコア51a〜51dを形成した(図15(c)参照)。
次に、スピンコータ(1000pm/10sec)を用いてクラッド形成用樹脂を塗布し、80℃で10分間のプリベーク、2000mJの露光処理、150℃で1時間のポストベークを行い、コア上での厚さが50μmの上部クラッドを形成し、コア51a〜51dとクラッド52とからなる光導波路50とした。
その後、光導波路50の両端部に、90度の♯3000ブレードを用いたダイシング加工を施し、90度光路変換ミラーを形成した。なお、このようにして形成した光路変換ミラーでの伝送損失は1.2dBであった。
(20)次に、実施例1の(19)の工程と同様にして、光導波路が形成された側の最外層には、透過率が高くないソルダーレジスト組成物の層84a′を形成し、光導波路が形成された側と反対側の端部には、透明ソルダーレジスト組成物の層84b′の形成した(図15(d)参照)。
(21)次いで、光路用開口および半田バンプ形成用開口のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクを光導波路50が形成された側と反対側の透明ソルダーレジスト組成物の層84b′に密着させて1000mJ/cmの紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、光路用開口および半田バンプ形成用開口98を形成した。
さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト組成物の層を硬化させ、光路用開口および半田バンプ形成用開口98を有するソルダーレジスト層84a、84bを形成した(図16(a)参照)。
(22)次に、ソルダーレジスト層84を形成した基板に、実施例1の(21)の工程と同様の方法を用いて半田パッド86を形成した。
(23)次に、ソルダーレジスト層84に形成した半田バンプ形成用開口98に半田ペーストを印刷し、半田バンプ87を形成した。このような工程を経ることにより、マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板を得た(図16(b)参照)。
(実施例20)
実施例19の(21)の工程において光路用開口を形成せず、さらに、(22)の工程を行った後、実施例1の(22)の工程で用いた方法と同様の方法により、光導波路を形成した側と反対側のソルダーレジスト上にマイクロレンズを配設した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(比較例5)
実施例19の(15)〜(18)の工程に代えて、下記(1)〜(3)の工程を行った以外は、実施例19と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(1)実施例19の(14)の工程までを経て、最外層の絶縁層を形成した後、実施例19の(16)の工程で用いた方法と同様の方法を用いて、基板および絶縁層を貫通する光路用貫通孔を形成する。
(2)次に、実施例19の(17)の工程で用いた方法と同様の方法を用いて、光路用貫通孔内に樹脂組成物を充填し、さらに、硬化処理および研磨処理を施し、樹脂組成物からなる光信号伝送用光路を形成した。
ここで、光信号伝送用光路の端部と、最外層の絶縁層の表面とが同一平面を構成するように、研磨処理を施した。
(3)次に、実施例19の(15)の工程で用いた方法と同様の方法で、薄膜導体層を形成し、さらに、実施例19の(16)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジストおよび電解銅めっき膜を形成した。
その後、実施例19の(18)の工程と同様の方法を用いて、めっきレジストの剥離と、めっきレジスト下の薄膜導体層の除去とを行い、最外導体回路を形成した。
なお、この工程においては、光信号伝送用光路の近傍には、最外導体回路(ダミー導体回路含む)を形成しなかった。
実施例および比較例に係る多層プリント配線板について下記の方法により評価した。
(1)光信号伝送能の評価
実施例1および実施例10に係る多層プリント配線板(パッケージ基板)を実施例19に係る多層プリント配線板(マザーボード用基板)に実装した。次に、VCSELを実装した多層プリント配線板(実施例1)のテスト用コネクタにパルスジェネレータで2.5Gbpsの電気信号を入力して、ドライバーICを経由してVCSELで発光させ、実施例20に係る多層プリント配線板(マザーボード用基板)に形成した光導波路(長さ5cm)を介して光信号を伝送させ、さらにこの光信号をPDを実装した多層プリント配線板(実施例9)のPDで受光して電気信号に変え、アンプICを経由してテスト用コネクタから電気信号を取り出し、オシロスコープで光信号伝送が正常に行えたか否かをアイパターンの開口を基準に評価した。
以下、同様に、実施例2、11に係る多層プリント配線板(パッケージ基板)を実施例20に係る多層プリント配線板(マザーボード用基板)に実装する、実施例3、12に係る多層プリント配線板を実施例19に係る多層プリント配線板に実装する、実施例4、13に係る多層プリント配線板を実施例19に係る多層プリント配線板に実装する、実施例5、14に係る多層プリント配線板を実施例19に係る多層プリント配線板に実装する、実施例6、15に係る多層プリント配線板を実施例19に係る多層プリント配線板に実装する、実施例7、16に係る多層プリント配線板を実施例19に係る多層プリント配線板に実装する、実施例8、17に係る多層プリント配線板を実施例19に係る多層プリント配線板に実装する、実施例9、18に係る多層プリント配線板を実施例19に係る多層プリント配線板に実装する、比較例1、3に係る多層プリント配線板を比較例5に係る多層プリント配線板に実装する、比較例2、4に係る多層プリント配線板を比較例5に係る多層プリント配線板に実装することを行い、多層プリント配線板(パッケージ基板)に実装されたVCSELとPDとの間で光信号伝送が正常に行うことができたか否かを評価した。
結果を表1に示した。なお、光信号伝送能の評価のサンプル数は、それぞれ5個とした。
(2)形状評価
上述した光信号伝送能を評価したサンプルについて、クロスカットを行い、下記(i)樹脂残りの有無の観察、(ii)電極形状の観察、および、(iii)光信号伝送用光路の平坦性の評価を行った。ここで、これらの評価は、VCSELを実装したパッケージ基板、PDを実装したパッケージ基板、ならびに、マザーボード用基板のVCSELを実装したパッケージ基板実装側およびPDを実装したパッケージ基板実装側のそれぞれの部位でおこなった。従って、評価対象サンプル数は、20となる
(i)樹脂残りの有無の観察
光信号伝送用光路を端部付近、電極パッドが形成された導体回路上およびダミー導体回路上について、樹脂残りが発生しているか否かを観察し、その発生率を評価した。結果を表1に示した。
(ii)電極形状の観察
電極パッドが形成された導体回路について、その一部が研磨されているか否かを観察し、その発生率を評価した。結果を表1に示した。
(iii)光信号伝送用光路の平坦性の評価
具体的な評価方法について図20(a)、(b)を参照しながら説明する。
すなわち、クロスカットした多層プリント配線板の端面について、まず、光信号伝送用光路2を挟むように形成された最外導体回路1aの上面を結ぶ直線L1を引き、さらに、光信号伝送用光路2の端面を通る直線L2を引く。
そして、光信号伝送用光路2の端面の両端部における、直線L1と直線L2(図20(a)中のA1およびA2、図20(b)中のB1およびB2)との距離を算出する。
その後、両端部の距離の差(A2−A1、および、B2−B1)の絶対値を算出する。
そして、両端部の距離の差(A2−A1、および、B2−B1)の絶対値が2μmを超えるものを平坦性が確保されていないものと判断し、その発生率を評価した。結果を表1に示した。
なお、図中1は導体回路であり、3は絶縁層である。
(3)信頼性評価
上記(1)光信号伝送能の評価を行ったものと同様にして、パッケージ基板をマザーボード用基板に実装し、これらについて、液槽での温度サイクル試験を行い、その信頼性を評価した。
具体的には、−55℃で3分、125℃で3分を1サイクルとして、これを1000サイクル繰り返し、その後、VCSELを実装したパッケージ基板、PDを実装したパッケージ基板、ならびに、マザーボード用基板のVCSELを実装したパッケージ基板実装側およびPDを実装したパッケージ基板実装側のそれぞれの部位において、光信号伝送用光路を端部付近、電極パッドが形成された導体回路付近およびダミー導体回路付近で、ソルダーレジスト層表面およびクロスカット面をそれぞれ顕微鏡で観察し、導体回路の剥れ、および、クラックが発生している部位の発生率を評価した。結果を表1に示した。
なお、評価サンプル数は20である。
Figure 0004610275
表1に示した結果から明かなように、実施例に係る多層プリント配線板を用いた場合には、形状評価において不良形状は観察されず、信頼性評価において剥れやクラックは発生しておりらず、また、正常に光信号が伝送されており、その評価結果は良好であった。
一方、比較例に係る多層プリント配線板については、比較例1、2のフリップチップ型の光学素子が実装された多層プリント配線板では、電極パッドが形成された導体回路間の距離が短いため、光路用貫通孔内に樹脂組成物を充填した際に、この樹脂組成物が電極パッドが形成された導体回路にまで流れてしまうことが多く、その結果、樹脂残りが生じたり、導体回路の一部が研磨されてしまうこととなっていた。
また、比較例3、4のワイヤボンディング型の光学素子が実装された多層プリント配線板では、電極パッドが形成された導体回路間の距離が長いため、導体回路の一部が研磨されてしまうことはなかったものの、研磨時に研磨部材が斜めにあたってしまい、樹脂残りが発生してしまうことがあった。
また、比較例1〜5に係る多層プリント配線板では、光信号伝送用光路を形成するために樹脂組成物を充填した後、光信号伝送用光路の端面付近のみを部分的に研磨装置を用いて研磨するため、研磨装置と絶縁層との平行度とを充分に調整することができず、研磨時に研磨部材が斜めにあたってしまい、平坦度に劣るものとなってしまうことがあった。
上述したような理由に起因して、比較例に係る多層プリント配線板では、信頼性試験において、樹脂残りの生じていた部分ではソルダーレジスト層が剥離している部分があり、平坦度が悪く、斜めに研磨されていた部分では、その部分を起点にクラックが発生していることがあった。
また、光信号伝送能の評価において、正常な光信号伝送を行うことができなかったのは、光信号伝送用光路の端面が斜めに研磨されてしまった場合に、その部分での伝送損失が増大したからではないかと考えられる。
(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の一部を模式的に示す部分断面図である。 (d)〜(g)は、本発明の多層プリント配線板の一部を模式的に示す部分断面図である。 (h)〜(j)は、本発明の多層プリント配線板の一部を模式的に示す部分断面図である。 パッケージ基板として機能する本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。 パッケージ基板として機能する本発明の多層プリント配線板の別の一実施形態を模式的に示す断面図である。 パッケージ基板として機能する本発明の多層プリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。 マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。 マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 従来のICチップ実装用基板(多層プリント配線板)に形成された光信号伝送用光路の端部近傍を模式的に示す部分断面図である。 (a)〜(c)は、一括貫通孔構造の光信号伝送用光路が形成された本発明の多層プリント配線板の一部を模式的に示す平面図である。 (a)、(b)は、個別貫通孔構造の光信号伝送用光路が形成された本発明の多層プリント配線板の一部を模式的に示す平面図である。 多層プリント配線板の評価方法を説明するための模式図である。 マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。 (a)、(b)は、マザーボード用基板として機能する多層プリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
120、220、320、420 パッケージ基板
121、221、321、421 基板
122、222、322、422 絶縁層
124、224、324、424 導体回路
127、227、327、427 バイアホール
129、229、329、429 スルーホール
134、234、334、434 ソルダーレジスト層
138、238、338、438 発光素子
139、239、339、439 受光素子
142、242、342、442 光信号伝送用光路
146、246、346、446 マイクロレンズ
1120、1220 マザーボード用基板
1121、1221 基板
1122、1222 絶縁層
1124、1224 導体回路
1127、1227 バイアホール
1129、1229 スルーホール
1134、1234 ソルダーレジスト層
1146a、1146b、1246a〜1246d マイクロレンズ
1150、1250 光導波路

Claims (5)

  1. 基板の少なくとも片面に導体回路と絶縁層とが積層形成され、樹脂組成物からなる光信号伝送用光路が形成され、さらに、最外層の絶縁層上に導体回路が形成された多層プリント配線板であって、
    前記光信号伝送用光路は、前記基板及び前記絶縁層を貫通しており、
    前記光信号伝送用光路の端部は、前記最外層の絶縁層の表面よりも突出しており、
    前記最外層の絶縁層上に形成された導体回路の少なくとも一部は、ダミー導体回路であり、
    前記ダミー導体回路は、前記光信号伝送用光路との距離が25〜50μmとなる位置に形成されており、
    前記ダミー導体回路の高さは、前記光信号伝送用光路における前記最外層の絶縁層の表面よりも突出している部分の高さと同一であることを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 前記光信号伝送用光路の壁面に導体層が形成されてい請求項に記載の多層プリント配線板。
  3. 前記光信号伝送用光路と光学的に結合した光導波路をさらに有しており、
    前記光導波路は、コア部とクラッド部とから構成されており、
    前記コア部には無機粒子が配合されておらず、前記クラッド部にのみ無機粒子が配合されている請求項1又は2に記載の多層プリント配線板。
  4. 前記無機粒子の粒子径は、0.01〜0.8μmである請求項3に記載の多層プリント配線板。
  5. 基板の少なくとも片面に導体回路と絶縁層とを積層形成することにより、最外層の絶縁層上に最外層の薄膜導体層が形成され、前記最外層の薄膜導体層上に最外層の電解めっき層とめっきレジスト層とが所定のパターンで形成された多層配線板を作製し、
    前記多層配線板を貫通するように光路用貫通孔を形成し、
    前記光路用貫通孔内に、前記光路用貫通孔の内積よりも多い未硬化の樹脂組成物を充填し、
    前記未硬化の樹脂組成物を硬化させた後、樹脂組成物を研磨することにより光信号伝送用光路を形成し、
    前記めっきレジスト層と前記めっきレジスト層下の最外層の薄膜導体層とを除去することによりダミー導体回路を含む最外層の導体回路を形成する多層プリント配線板の製造方法であって、
    前記最外層の電解めっき層及びめっきレジスト層の高さと、前記樹脂組成物における前記最外層の絶縁層の表面よりも突出している部分の高さとが同一になるように前記樹脂組成物を研磨し、
    前記光信号伝送用光路との距離が25〜50μmとなる位置に前記ダミー導体回路が形成されるように、前記最外層の導体回路を形成することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
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