JP4607149B2 - セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、主に、土木・建築業界において使用されるセメント混和材及びセメント組成物に関する。
近年、土木・建築分野において、コンクリート構造物の耐久性向上に対する要望が高まっている。
コンクリート構造物の劣化要因の1つとして、ひび割れがある。ひび割れはコンクリートの信頼性を損なうものである。
ひび割れの発生原因は多様であるが、なかでも、マッシブなコンクリートに特有のひび割れとして、水和発熱に起因する温度ひび割れが挙げられる。
水和発熱に起因する温度ひび割れを抑制するため、これまでに様々な方法が提案されている。特に、水和発熱量の少ないビーライト含有量を高めた低熱ポルトランドセメントは、硬化時の水和発熱量を著しく低減できるだけでなく、施工時の流動性に優れ、中期・長期の強度発現性が良好であるなど、種々の利点を有している。
しかしながら、生コン工場のセメントサイロにおいては、出荷量の多い普通ポルトランドセメント、高炉セメント、及び早強ポルトランドセメントが貯蔵されているため、出荷量の少ない低熱ポルトランドセメント専用のサイロを新たに作らなければならず、目下のところ低熱ポルトランドセメントは、打設現場に生コンプラントを設置するような大型物件に限定された形で使用されている。
このように、低熱ポルトランドセメントは優れた性質を持ちながらも、セメントタイプであることから、サイロの増設といった新たな設備投資を必要とするという問題があった。
サイロの増設といった新たな設備投資を必要とせず、各地の生コン工場で開袋投入することによって使用できる混和材タイプとしては、従来より、有機酸等のセメントの凝結遅延剤を用いて水和熱を抑制することが提案された(特許文献1参照)。
しかしながら、強度発現性が低下したり極端に凝結が遅延するという問題があった。
この問題を改善するために、有機酸に、アルカリ金属の炭酸塩、珪酸塩、アルミン酸塩、及び水酸化物等といった、急結性のアルカリ金属塩を加えた混和材が提案された(特許文献2参照)。
しかしながら、この混和材は、水和熱抑制効果の温度依存性が大きく、低温では水和熱抑制効果が顕著であるが、高温では水和熱抑制効果が乏しいという問題点があった。
また、デキストリンも水和熱抑制剤として知られている(特許文献3参照)。
しかしながら、デキストリンは低温では水和熱抑制効果が殆どなく、高温では極端に水和を遅延するという問題があった。
これに対して、デキストリンと、有機酸の一種であるサリチル酸とを主成分とする混和材が提案されている(特許文献4参照)。
しかしながら、この混和材は、温度依存性が小さな水和熱抑制効果を有しているものの、強度発現性に乏しいものであった。
マッシブなコンクリート、いわゆる、マスコンの温度ひび割れを抑制する技術としては、水和熱抑制剤を適用する方法が提案されている(特許文献5〜特許文献8参照)。
しかしながら、いまだに充分な性能を実現できていないのが実状であり、常温から高温領域にわたり幅広い温度環境下で温度ひび割れを効果的に抑制できるセメント混和材の開発が強く望まれている。
一方、フミン酸やニトロフミン酸は、根の活性化と地力の維持・向上を目的として、土壌改良剤等農業分野で広範に利用されている。
ニトロフミン酸は、例えば、亜炭、草炭等の腐食性物質を含有する若年炭の粉砕物と硝酸を反応させて得られるものである。
土壌改良剤としては、このニトロフミン酸や、これに、ドロマイト、マグネサイト、マグネシア、蛇紋岩、ケイ酸マグネシウム、及び水酸化マグネシウムなどの一種又は二種以上を加え反応させたニトロフミン酸マグネシウムが提案されている(特許文献9参照)。
しかしながら、これをセメント混和材として利用した際に、どのような効果を生むかについては全く知られていない。
このニトロフミン酸やニトロフミン酸マグネシウムはフミン酸を主成分とするが、単に、フミン酸やフミン酸塩をセメントに混和したのでは、本発明の効果は得られない。
一方、高強度混和材を使用することで、高い強度を確保しつつ、単位セメント量を低減できることが知られている(特許文献10)。
この技術を高強度コンクリートに応用すれば、単位セメント量を低減できるため、その分だけ水和発熱量も低減できる。
しかしながら、高強度コンクリートの水和熱低減に対する要求は益々高まっており、さらなる水和熱低減が求められているのが現状である。
また、前述の高強度混和材は、シリカ質微粉末や微粉のセッコウを主体とするため、粉塵の発生等により作業性悪化することも考えられる。
今日では作業環境の改善も大きな課題であり、粉塵の発生の少ない高強度混和材の開発も強く求められている。
本発明者らは、多くの実験を通して、シリカ質微粉末及び/又は無水セッコウと、亜炭と硝酸から生成したフミン酸、軽質マグネシア、及び珪酸質物質から得られる反応生成物とを含有するセメント混和材が、低発熱型の高強度混和材として著しい効果を生むこと、また、単なるシリカ質微粉末及び/又は無水セッコウと、該反応生成物との組み合わせによる効果ではなく、相乗効果を生むこと、また、粉塵の発生も著しく少なくなるなどの知見を得て、本発明を完成するに至った。
特開昭50−080315号公報 特公平07−012963号公報 特公昭57−000261号公報 特開昭60−054955号公報 特開平06−305799号公報 特開2002−137951号公報 特開2002−241167号公報 特開2003−034564号公報 特公昭40−014122号公報 特開2001−039759号公報
本発明は、土木用途や建築用途において使用されるセメント混和材及びセメント組成物を提供する。
本発明は、亜炭と硝酸から生成したフミン酸、軽質マグネシア、及び珪酸質物質から得られる、化学成分が、フミン酸45〜58%、く溶性MgO2〜13%、SiO 2 4〜12%、Fe 2 O 3 2〜9%、Al 2 O 3 2〜8%、及び水分0〜20%である反応生成物と、シリカ質微粉末及び/又は無水セッコウとを含有してなり、セメント混和材100部中、反応生成物5〜40部、シリカ質微粉末及び/又は無水セッコウ60〜95部であるセメント混和材であり、珪酸質物質が砂岩である該セメント混和材であり、反応生成物の粒度が、600μm以下である該セメント混和材であり、シリカ質微粉末が、フライアッシュ、シリカフューム、ケイ藻土、及び溶融シリカを製造する際に発生するシリカダストからなる群より選ばれる一種又は二種以上である該セメント混和材であり、無水セッコウの粒度がブレーン比表面積値で4,000cm2/g以上である該セメント混和材であり、セメントと該セメント混和材とを含有してなり、セメント混和材をコンクリート1m 3 あたり10〜100kg使用することを特徴とするセメント組成物である。
本発明のセメント混和材を使用することにより、例えば、圧縮強度が40N/mm2以上と高く、断熱温度上昇量が40℃以下と小さい、低発熱型高強度のコンクリートが得られる。このため、マスコンやプレストレストコンクリートに適用した際のひび割れを効果的に抑制でき、極めて粉塵が発生しにくいなどの効果を奏する。
本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
本発明は、亜炭と硝酸から生成したフミン酸、軽質マグネシア、及び珪酸質物質から得られる反応生成物と、シリカ質微粉末及び/又は無水セッコウとを含有してなるセメント混和材を使用するものである。
本発明では、亜炭を使用するが、その他、硝酸との反応によりフミン酸が得られる草炭、褐炭、及び泥炭等の若年炭も使用可能である。
また、硝酸としては、通常、濃度20〜50%のものを使用する。
軽質マグネシアは、生成したフミン酸を中和するもので、本発明では、その他、ドロマイト、マグネサイト、及び水酸化マグネシウムなども使用可能である。
珪酸質物質としては、珪石や砂岩等が挙げられるが、通常、砂岩を使用する。
まず、亜炭を硝酸で酸化分解してフミン酸を生成し、それに、軽質マグネシアと珪酸質物質を加えて中和して中和生成物を製造する。
亜炭や硝酸の使用割合は特に限定されるものではないが、通常、乾物換算の亜炭100部に対して、無水換算の硝酸40〜70部が好ましい。
軽質マグネシアと珪酸質物質の使用割合は特に限定されるものではないが、珪酸質物質として砂岩を使用する場合、通常、乾物換算の亜炭100部に対して、軽質マグネシア5〜30部で、砂岩10〜25部が好ましい。
中和生成物を、水等を使用し、造粒後、乾燥し反応生成物とする。
本発明では、この亜炭と硝酸から生成したフミン酸、軽質マグネシア、及び珪酸質物質から得られる反応生成物(以下、単に反応生成物という)を分級・粉砕処理等によって粒度調整して使用することが可能である。なかでも、600μm以下の細粒分を用いることが好ましい。また、同様に製造される腐植酸苦土肥料をそのまま、あるいは、篩い分けや分級、粉砕処理等によって粒度調整したものを使用することが可能である。
本発明の反応生成物の化学成分は、通常、フミン酸が45〜58%、く溶性MgOが2〜13%、SiO2が4〜12%、Fe2O3が2〜9%、Al2O3が2〜8%、及び水分が0〜20%である。なお、く溶性MgOのうち、水溶性MgOは1〜5%である。
ここで、く溶性MgOとは、2%のクエン酸水溶液に溶解するMgOを意味し、水溶性MgOは、く溶性MgOのなかにはいる。
本発明の反応生成物は、化学成分の上では、フミン酸を主成分とするが、単に、フミン酸やその塩を用いたのでは、本発明の効果は得られない。
これは、数々の実験を通して見いだしたものである。その原因は定かではないが、反応生成物を製造する工程で加えられる軽質マグネシアや砂岩等の珪酸質物質との相互作用により、独自の複合材料が形成されているためと推察される。
また、これらの軽質マグネシアや砂岩等の珪酸質物質との複合化によって、化学成分の溶解性が異なることも考えられる。
反応生成物に含まれるMgO成分には、水に可溶性のものと、難溶性のものが混在しており、このことも、本発明の効果を生んでいるひとつの要因と考えられる。
反応生成物の粒度は特に限定されるものではないが、通常、600μm以下の細粒分を使用することが好ましい。粗粒が含まれると、充分な水和熱抑制効果が得られにくくなるおそれがあり、また、強度発現性が悪くなるおそれがある。
本発明で使用するシリカ質微粉末は特に限定されるものではないが、具体例としては、シリカフューム、溶融シリカを製造する際に発生するシリカダスト、フライアッシュ、及びケイ藻土等が挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。そのうち、フライアッシュやケイ藻土を選定することが水和熱抑制効果の面から好ましい。
シリカ質微粉末の粉末度は特に限定されるものではないが、通常、フライアッシュについては、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で3,000〜9,000cm2/g程度であり、シリカヒュームについては、BET比表面積で10〜200m2/g程度であり、ケイ藻土については、BET比表面積で2〜20m2/g程度であり、シリカダストについては、BET比表面積で2〜100m2/g程度である。
本発明で使用する無水セッコウは特に限定されるものではなく、天然無水セッコウやフッ酸製造の際に副生する無水セッコウなどが使用可能である。
本発明では、水和熱抑制効果の面から、また、強度発現性の面から、フッ酸製造の際に副生する無水セッコウを使用することが好ましい。
無水セッコウの粒度は特に限定されるものではないが、通常、ブレーン値で4,000〜8,000cm2/gが好ましく、6,000cm2/g前後がより好ましい。4,000cm2/g未満では強度発現性が充分でなくなるおそれがあり、8,000cm2/gを超えても、さらなる効果の増進が期待できない。また、強度発現性の面から、無水セッコウの平均粒径は、10μm以下が好ましい。
本発明では、強度発現性の面から、また、水和熱低減効果やひび割れ抑制効果の面から、シリカ質微粉末と無水セッコウとを併用することが好ましい。
セメント混和材中の反応生成物と、シリカ質微粉末及び/又は無水セッコウの配合割合は特に限定されるものではないが、通常、反応生成物と、シリカ質微粉末及び/又は無水セッコウからなるセメント混和材100部中、反応生成物は5〜40部が好ましく、10〜30部がより好ましい。シリカ質微粉末及び/又は無水セッコウは60〜95部が好ましく、70〜90部がより好ましい。反応生成物が5部未満で、シリカ質微粉末及び/又は無水セッコウが95部を超えると、水和発熱の抑制効果が充分でなくなるおそれがあり、また、粉塵の発生が著しくなる傾向にある。加えて、反応生成物が前記範囲で配合されることにより、長期的な強度発現性が良好になる。
この理由は定かではないが、反応生成物が、シリカ質微粉末及び/又は無水セッコウの分散性を高め、コンクリート中に均一に分散させる効果をもたらすものと考えられる。
一方、反応生成物が40部を超え、シリカ質微粉末及び/又は無水セッコウが60部未満の場合には、水和熱の抑制効果が充分でなく、温度ひび割れの抑制効果が充分に得られなくなるおそれがある。また、強度発現性が悪くなるおそれもある。
本発明のセメント混和材の使用量は特に限定されるものではないが、通常、セメントとセメント混和材からなるセメント組成物100部中、0.1〜5部が好ましく、0.3〜3部がより好ましい。セメント混和材の使用量が少ないと充分な水和熱抑制効果が得られなくなるおそれがあり、過剰に使用すると強度発現性が悪くなるおそれがある。
セメント混和材の使用量を単位量で見た場合には、1m3あたり、10〜100kgが好ましく、20〜70kgがより好ましい。セメント混和材の使用量が10kg未満では、本発明の効果が充分に得られなくなるおそれがあり、100kgを超えてもさらなる効果の増進が期待できない。
本発明のコンクリートの水/セメント比(W/C)は、40%以上が好ましい。40%未満では、フレッシュコンクリートの作業性が著しく悪くなったり、プラスチックひび割れや硬化後の自己収縮によるひび割れが発生し易くなる。
本発明のコンクリートの単位セメント量は、350kg/m3以下が好ましい。単位セメント量が350kg/m3を超えると、コンクリートの水和発熱量が多くなりコンクリートに熱ひび割れが発生し易くなる。
ただし、本発明のセメント混和材を使用せずに単位セメント量を少なくすると、水和発熱は小さくできるものの所要の強度が得られないため、実用できない。
本発明のコンクリートの断熱温度上昇量は、40℃以下であることが好ましい。断熱温度上昇量が40℃を超えると、水和発熱によりコンクリートに熱ひび割れが発生し易くなる。
本発明で使用するセメントは、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、石灰石粉末や高炉徐冷スラグ微粉末等を混合したフィラーセメント、並びに、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造した環境調和型セメント(エコセメント)などが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。
本発明のセメント混和材やセメント組成物はそれぞれの材料を施工時に混合しても良いし、あらかじめ一部あるいは全部を混合しておいても差し支えない。
本発明では、砂等の細骨材や、砂利等の粗骨材や、膨張材、急硬材、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、高分子エマルジョン、凝結調整剤、ベントナイトなどの粘土鉱物、及びハイドロタルサイトなどのアニオン交換体等の各種添加剤や、高炉水砕スラグ微粉末、高炉徐冷スラグ微粉末、及び石灰石微粉末等の混和材料等からなる群より選ばれた一種又は二種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
以下、実験例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実験例1
表1に示す単位セメント量、単位水量、及び単位セメント混和材量(以下、単位混和材量という)を用いてコンクリートを調製した。この際、s/aは48%で一定とし、コンクリートのスランプが18±1.5cmとなるように高性能減水剤を添加し、空気量3.0±1.5%とした。
調製したコンクリートの断熱温度上昇量と、材齢28日の圧縮強度を測定した。
また、大きなコンクリート構造物を作製してひび割れの発生状況を調べた。
なお、セメント混和材使用時の粉塵発生挙動も観察した。その結果を表1に併記する。
<使用材料>
セメントα:市販の普通ポルトランドセメント、比重3.15
セメント混和材a:反応生成物イ20部と無水セッコウA80部との混合物
セメント混和材b:反応生成物イ20部と無水セッコウB80部との混合物
セメント混和材c:反応生成物イ20部と無水セッコウC80部との混合物
セメント混和材d:反応生成物イ20部と無水セッコウD80部との混合物
セメント混和材e:反応生成物イ20部とシリカ質微粉末E80部との混合物
セメント混和材f:反応生成物イ20部とシリカ質微粉末F80部との混合物
セメント混和材g:反応生成物イ20部とシリカ質微粉末G80部との混合物
セメント混和材h:反応生成物イ20部とシリカ質微粉末H80部との混合物
セメント混和材i:反応生成物イ20部とシリカ質微粉末I80部との混合物
セメント混和材j:反応生成物イ20部、無水セッコウB40部、及びシリカ質微粉末F40部の混合物
反応生成物イ:最大粒径600μm、フミン酸50%、く溶性MgOが11%、水溶性MgOが4%、SiO2が9%、Fe2O3が5%、Al2O3が5%、及び水分が20%、比重1.20
無水セッコウA:フッ酸製造時に副生する無水セッコウ、比重2.96、ブレーン値4,000cm2/gに粉砕、平均粒径12μm
無水セッコウB:フッ酸製造時に副生する無水セッコウ、比重2.96、ブレーン値6,000cm2/gに粉砕、平均粒径8μm
無水セッコウC:フッ酸製造時に副生する無水セッコウ、比重2.96、ブレーン値8,000cm2/gに粉砕、平均粒径4μm
無水セッコウD:天然無水セッコウ、比重2.96、ブレーン値5,000cm2/gに粉砕、平均粒径18μm
シリカ質微粉末E:シリカフューム、比重2.20、BET比表面積100m2/g、平均粒径0.2μm
シリカ質微粉末F:フライアッシュ、比重2.40、ブレーン値4,000cm2/g、平均粒径8μm
シリカ質微粉末G:ケイ藻土、比重2.30、BET比表面積20m2/g、平均粒径3μm
シリカ質微粉末H:溶融シリカを製造する際に発生するダスト、比重2.20、BET比表面積50m2/g、平均粒径1μm
シリカ質微粉末I:シリカ質微粉末Eとシリカ質微粉末Fの等量混合物、比重2.30
細骨材 :新潟県姫川産、比重2.62
粗骨材 :新潟県姫川産、比重2.64
高性能減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤、市販品
水 :水道水
<測定方法>
断熱温度上昇量:東京理工(株)社製の断熱温度上昇量測定装置を用いて、打設温度20℃の条件で測定
圧縮強度 :JIS A 1108に準じて測定
ひび割れの発生状況:厚さ1m、高さ2.5m、長さ10mの壁を作成した。型枠の存置期間は材齢7日までとし、ひび割れの発生状況を観察した。ひび割れが2本以上発生したか、もしくは、ひび割れ本数は1本だが、ひび割れ幅が0.2mm以上の場合を不可、ひび割れの本数は1本だが、ひび割れ幅が0.1mm以上、0.2mm未満の場合を可、ひび割れの本数が1本で、かつ、ひび割れ幅が0.05mm未満の場合を良、目視で観察できるひび割れがない場合を優とした。
粉塵の発生状況:セメント混和材の20kgを紙製の袋に詰め、解袋作業を行った際の粉塵の発生状況を確認した。粉塵の発生が著しい場合を不可、多少の粉塵は発生するが許容できる範囲の場合を可、粉塵の発生がほとんどない場合を良とした。
Figure 0004607149
表1から明らかなように、本発明のコンクリートは、圧縮強度が40N/mm2以上と高く、断熱温度上昇量が40℃以下と小さい。
一方、本発明のセメント混和材を配合していない比較例では、本発明のコンクリートよりも断熱温度上昇量が大きく、圧縮強度が低い。
また、反応生成物とシリカ質微粉末及び/又は無水セッコウを組み合わせることによって、混和材の解袋作業時の粉塵が低減され、圧縮強度は向上し、断熱温度上昇量は小さくなり、ひび割れ抵抗性が向上することがわかる。
実験例2
表2に示す単位セメント量、単位水量、及び単位混和材量を用いたこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に示す。
Figure 0004607149
表2から明らかなように、本発明のコンクリートは、圧縮強度が40N/mm2以上と高く、断熱温度上昇量が40℃以下と小さい。
一方、本発明のセメント混和材を配合していない比較例では、本発明のコンクリートよりも断熱温度上昇量が大きく、圧縮強度が低い。
実験例3
表3に示す単位セメント量、単位水量、及び単位混和材量を用いたこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に示す。
Figure 0004607149
表3から明らかなように、本発明のコンクリートは、圧縮強度が40N/mm2以上と高く、断熱温度上昇量が40℃以下と小さい。
一方、本発明のセメント混和材を配合していない比較例では、いずれも、本発明のコンクリートよりも断熱温度上昇量が大きい。
実験例4
表4に示す反応生成物20部、シリカ質微粉末F40部、及び無水セッコウB40部からなるセメント混和材を調製した。
調製したセメント混和材の単位量を30kg/m3とし、単位セメント量300kg/m3で、W/Cを45%としたこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表4に併記する。
<使用材料>
市販のフミン酸:試薬、フミン酸
Figure 0004607149
表4から明らかなように、本発明のコンクリートは、圧縮強度が40N/mm2以上と高く、断熱温度上昇量が40℃以下と小さい。
一方、本発明のセメント混和材を配合していない比較例では、いずれも本発明のコンクリートよりも断熱温度上昇量が大きく、圧縮強度が低い。
実験例5
表5に示す反応生成物イとシリカ質微粉末Fからなるセメント混和材を使用したこと以外は実験例4と同様に行った。結果を表5に併記する。
Figure 0004607149
表5から明らかなように、本発明のコンクリートは、圧縮強度が40N/mm2以上と高く、断熱温度上昇量が40℃以下と小さく、ひび割れ抵抗性が大きい。また、反応生成物の配合割合が5〜40部の場合にその効果が顕著である。
実験例6
反応生成物イと同じ化学成分で、表6に示す最大粒径の反応生成物10部、シリカ質微粉末F45部、及び無水セッコウB45部からなるセメント混和材を調製したこと以外は実験例4と同様に行った。結果を表6に併記する。
Figure 0004607149
表6から明らかなように、本発明のコンクリートは、圧縮強度が40N/mm2以上と高く、断熱温度上昇量が40℃以下と小さい。そして、反応生成物の最大粒径が細かいほど、圧縮強度が高く、断熱温度上昇量が小さく、ひび割れ抵抗性が大きい。
実験例7
セメントβとセメント混和材jを使用し、表7に示す配合のコンクリートで実験したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表7に併記する。
<使用材料>
セメントβ :市販の高炉セメントB種、比重3.06
Figure 0004607149
表7から明らかなように、本発明のコンクリートは、圧縮強度が40N/mm2以上と高く、断熱温度上昇量が40℃以下と小さい。
一方、本発明のセメント混和材を配合していない比較例では、何れも本発明のコンクリートよりも断熱温度上昇量が大きいか、圧縮強度が低い。そして、普通セメントを用いる場合よりも高炉セメントを用いた場合に本発明の効果が顕著であることがわかる。
本発明のセメント混和材を使用することにより、圧縮強度が40N/mm2以上と高く、断熱温度上昇量が40℃以下と小さいコンクリートが得られる。このため、マスコンやプレストレストコンクリートに適用した際のひび割れを効果的に抑制できる。しかも、本発明のセメント混和材は極めて粉塵が発生しにくいなどの効果を奏する。

Claims (6)

  1. 亜炭と硝酸から生成したフミン酸、軽質マグネシア、及び珪酸質物質から得られる、化学成分が、フミン酸45〜58質量%、く溶性MgO2〜13質量%、SiO 2 4〜12質量%、Fe 2 O 3 2〜9質量%、Al 2 O 3 2〜8質量%、及び水分0〜20質量%である反応生成物と、シリカ質微粉末及び/又は無水セッコウとを含有してなり、セメント混和材100質量部中、反応生成物5〜40質量部、シリカ質微粉末及び/又は無水セッコウ60〜95質量部であるセメント混和材。
  2. 珪酸質物質が砂岩である請求項1に記載のセメント混和材。
  3. 反応生成物の粒度が、600μm以下である請求項1又は請求項2に記載のセメント混和材。
  4. シリカ質微粉末が、フライアッシュ、シリカフューム、ケイ藻土、及び溶融シリカを製造する際に発生するシリカダストからなる群より選ばれる一種又は二種以上である請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載のセメント混和材。
  5. 無水セッコウの粒度が、ブレーン比表面積値で4,000cm2/g以上である請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載のセメント混和材。
  6. セメントと、請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載のセメント混和材とを含有してなり、セメント混和材をコンクリート1m 3 あたり10〜100kg使用することを特徴とするセメント組成物。
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