JP4606748B2 - 固形製剤の製造方法 - Google Patents

固形製剤の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4606748B2
JP4606748B2 JP2004030450A JP2004030450A JP4606748B2 JP 4606748 B2 JP4606748 B2 JP 4606748B2 JP 2004030450 A JP2004030450 A JP 2004030450A JP 2004030450 A JP2004030450 A JP 2004030450A JP 4606748 B2 JP4606748 B2 JP 4606748B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
laser
soluble polymer
solid preparation
spin coater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004030450A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005220083A (ja
Inventor
洋美 笠原
文彰 岡崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Chemical Corp
Original Assignee
Kyocera Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Chemical Corp filed Critical Kyocera Chemical Corp
Priority to JP2004030450A priority Critical patent/JP4606748B2/ja
Publication of JP2005220083A publication Critical patent/JP2005220083A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4606748B2 publication Critical patent/JP4606748B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

本発明は、固形製剤の製造方法に係わり、さらに詳しくは、服用後薬物が胃で分解を受けることなく、腸で最外層が分解された後腸壁に付着することにより薬物が持続的に吸収されるという性質を有する腸溶性固形製剤の製造方法に関する。
近年、高い薬理活性を有する薬剤が数多く開発されているが、バンコマイシンに代表されるペプチド系抗生物質やペニシリン系抗生物質などは、通常の投与法では吸収部位である腸に到達するまでの途上で分解され、あるいはバイオアベイラビリティが低下するため、大部分が利用されずに体内から排出される。
従来から、経口投与によるバイオアベイラビリティを向上するため、薬物含有層と難水溶性の層を積層した2層構造の製剤、あるいはさらに消化管壁への付着を図るための生体接着性物質の層を積層した製剤が開発されている。そして、このような固形製剤の製造方法として、難水溶性ポリマーのフィルムに作成した窪みに、薬液、薬物粉末などを充填した後、腸溶性ポリマーのフィルムを貼り合わせてシールし、それを種々の口径(例えば約3mm)のパンチャーなどで打ち抜くことにより、微小な固形製剤を得る方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−338456公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、150μm以下の径を有する製剤を作製しようとした場合、端面を精度良く加工することが難しく、外観良好な製剤を得ることができないという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、150μm径以下の微小な製剤においても、端面精度に優れ外観良好な固形製剤を製造する方法を提供することを目的とする。
固形製剤は、薬剤層の片面に生体接着層が積層して形成されるとともに、もう一方の面に難水溶性ポリマーから成る層が積層して形成され、かつ該生体接着層の外側を覆うようにアルカリ可溶性の層が設けられており、直径あるいは辺の長さが5〜150μmであることを特徴とする。
本発明の第1の発明は固形製剤の製造方法であり、基板の上に直接または離型層を介して生体接着層または難水溶性ポリマー層である第1の層をスピンコーターを用いて形成する工程と、前記第1の層の上に薬剤層をスピンコーターを用いて積層して形成する工程と、前記薬剤層の上に難水溶ポリマー層または生体接着層のうちで前記第1の層と異なる層をスピンコーターを用いて積層し、3〜50μmの厚さを有する3層の積層体を形成する工程と、前記工程で得られた積層体にレーザを照射してXY方向に切断する工程と、前記工程で切断された積層体を前記基板から剥離する工程と、前記基板から剥離され個々に分割された積層体粒子を、アルカリ可溶性のポリマーを含む液と混合し、各粒子の外側に前記ポリマーから成る被覆層を形成する工程を具備する固形製剤の製造方法であって、前記固形製剤の直径あるいは辺の長さが5〜150μmであることを特徴とする。
本発明の第2の発明は固形製剤の製造方法であり、基板の上に直接または離型層を介して生体接着層をスピンコーターを用いて形成する工程と、前記生体接着層の上に薬剤層をスピンコーターを用いて積層して形成する工程と、前記生体接着層と薬剤層との二重層にレーザを照射してXY方向に切断する第1のレーザ切断工程と、前記第1のレーザ切断工程で切断された二重層の上に、スピンコーターを用いて難水溶性ポリマーから成る層を被覆する工程と、前記難水溶性ポリマーから成る被覆層にレーザを照射し、前記第1のレーザ切断工程と同じ位置でXY方向に切断する第2のレーザ切断工程と、前記第2のレーザ切断工程で切断された積層体を前記基板から剥離する工程と、前記基板から剥離され個々に分割された積層体粒子を、アルカリ可溶性のポリマーを含む液と混合し、各粒子の外側に前記ポリマーから成る被覆層を形成する工程を具備する固形製剤の製造方法であって、前記固形製剤の直径あるいは辺の長さが5〜150μmであることを特徴とする。
本発明の第3の発明は固形製剤の製造方法であり、基板の上に直接または離型層を介してアルカリ可溶性ポリマーからなる層をスピンコーターを用いて形成する工程と、前記アルカリ可溶性ポリマーからなる層の上に生体接着層をスピンコーターを用いて形成する工程と、前記生体接着層の上に薬剤層をスピンコーターを用いて積層して形成する工程と、前記アルカリ可溶性ポリマー層と生体接着層と薬剤層との三重層にレーザを照射してXY方向に切断する第1のレーザ切断工程と、前記第1のレーザ切断工程で切断された三重層の上に、難水性ポリマーからなる層をスピンコーターを用いて被覆する工程と、前記難水性ポリマーからなる被覆層にレーザを照射し、前記第1のレーザ切断工程と同じ位置でXY方向に切断する第2のレーザ切断工程と、前記第2のレーザ切断工程で切断された積層体を前記基板から剥離する工程を具備する固形製剤の製造方法であって、前記固形製剤の直径あるいは辺の長さが5〜150μmであることを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも薬剤層と生体接着層およびアルカリ可溶性のポリマー層が積層して形成された積層体を、レーザを照射してXY方向に碁盤目状に切断することにより、打ち抜きなどの従来の切断加工方法に比べて加工寸法を大幅に小さくすることができる。そして、極めて微小で非対称な積層構造を有し、かつ端面精度に優れ外観が良好な固形製剤を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、固形製剤の第1の実施形態を示す断面図である。図において符号1は薬剤層を示し、この薬剤層1の両面に、難水溶性ポリマーから成るバリヤ層2および生体接着層3がそれぞれ積層して形成されている。また、このようにバリヤ層2と薬剤層1および生体接着層3の3層が積層された積層体の外側に、腸溶層であるアルカリ可溶層4が設けられており、製剤全体は5〜150μmと極めて微小な径(あるいは辺)を有している。
薬剤層1は、水溶性高分子を主な基剤成分とし、薬物を含有する層である。水溶性高分子としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシドなどが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上の混合物として使用される。
薬物としては、水溶性の難・低吸収性薬物(アミノグリコシド系抗生物質、ペニシリン系抗生物質、セファロスポリン系抗生物質、セフェム系抗生物質、ペプチド系抗生物質、アシクロビルなどの抗ウイルス薬、エピルビシンなどの制癌剤など)、インスリン、カルシトニン、各種のインターフェロン、成長ホルモン、バソプレシンおよびその誘導体など、各種の蛋白・ペプチド薬をはじめとしてあらゆる薬物が挙げられる。
バリヤ層2は、胃酸やその他の消化液にも安定な難水溶性ポリマーにより構成されている。難水溶性ポリマーとしては、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどの難溶性セルロース、およびヒドロキシプロピルセルロースフタレート、酢酸フタル酸セルロース、セラック、パルミチン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸などが挙げられる。
生体接着層3は、生体接着性の物質を含有し、この物質が、小腸粘膜に存在する消化酵素の活性を失活させるとともに、消化管(この場合は小腸)壁の吸収細胞に接着して、粘膜‐細胞間における薬物分子の濃度勾配を長時間にわたって高く維持することにより、高吸収効率化を図る。
生体接着性物質としては、アルギン酸ナトリウム、プルラン、ペクチン、トラガント、アラビアゴム、酸性多糖類またはその塩、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリアクリル酸またはその塩、アクリル酸共重合体またはその塩、カルボキシメチルセルロース及びナトリウム塩などのセルロース誘導体などが挙げられる。
また、薬物の吸収効果をさらに高めるために、生体接着層3に吸収促進剤を含有させることも可能である。吸収促進剤を併用する場合には、薬物と吸収促進剤が常に限られた閉鎖空間内に共存するので、効果を最大限に引き出すことができる。吸収促進剤としては、ラブラゾールTMやカプリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
腸溶層であるアルカリ可溶層4は、薬物の吸収にとって最も有利なpH(小腸内のpHであるアルカリ性)部位に到達してはじめて溶解し、それまでは胃酸などによる薬物の分解を防止する。アルカリ可溶層4は、胃酸に対して安定なアルカリ可溶性のポリマーにより構成されている。
アルカリ可溶性のポリマーとしては、セルロースアセテートトリメリテート、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボシキメチルエチルセルロース(CMEC)、メタクリル酸‐アクリル酸エチルエステル共重合体、メタクリル酸‐メタクリル酸メチルエステル共重合体などが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
アルカリ可溶層4は、少なくとも生体接着層3の外側を覆うように形成することが望ましい。必ずしもバリヤ層2の上に被覆する必要はないが、製剤の外周全体を覆うように形成する方が、後述する効率的な製造方法を採ることができるので有利である。
そして、アルカリ可溶層4が製剤の外周全体を覆うように形成された構造では、バリヤ層2は必ずしも必要ではないが、アルカリ可溶層4が腸内で溶解し、生体接着層3が小腸に付着して持続的に薬物が細胞内に注入されている間は、バリヤ層2が消化液などの攻撃から薬物を保護する働きをする。したがって、バリヤ層2があった方が薬効低下が少なくなる。
次に、このような構造を有する固形製剤を製造する方法を、図面に基づいて説明する。
製造方法の第1の実施形態においては、図2(a)に示すように、必要に応じて離型剤(図示を省略。)が塗布されたシリコン、ガラスなどの基板5の上に、難水溶性ポリマーから成るバリヤ層2を形成した後、その上に薬剤層1を形成する。
これらの層を形成するには、難水溶性ポリマーを含む溶液、あるいは水溶性高分子を基剤成分とし薬物を含有する溶液を、スピンコーター、バーコーター、ダイコーターなどの塗布装置を用いてそれぞれ塗布した後、加熱して乾燥する方法が採られる。薄層の形成が可能であることから、スピンコーターによる塗布が最も好ましい。加熱・乾燥の条件は、50〜80℃の温度で5〜10分間加熱することが好ましい。
次いで、図2(b)に示すように、薬剤層1の上に、生体接着性物質を含む溶液を、スピンコーター、バーコーター、ダイコーターなどの塗布装置を用いて塗布した後、50〜80℃の温度で5〜10分間加熱・乾燥して生体接着層3を形成する。こうして、約3〜50μmの厚さを有する3層の積層膜が得られる。
次に、図2(c)に示すように、3層積層膜にレーザ6を照射し、XY方向に切削する。こうして、積層膜を数μm〜数十μm角の碁盤目状に切断する。レーザ6の照射による切削は、加工幅が狭く、切断代(切溝の幅)が小さいうえに、周囲に切断ひずみを残さない、切断速度が速いなどの利点がある。
レーザとしては、発振波長(λ)が190〜600nmのレーザを使用することが望ましい。具体的には、XeFエキシマレーザ(λ=351nm)、XeClエキシマレーザ(λ=308nm)、KrFエキシマレーザ(λ=248nm)、ArFエキシマレーザ(λ=193nm)を使用することができる。さらに、Arレーザ+SHG(第2高調波)(λ=257nm)、YAGレーザ+5HG(第5高調波)(λ=213nm)、YAGレーザ+FHG(第4高調波)(λ=266nm)、YAGレーザ+THG(第3高調波)(λ=355nm)などの高調波レーザを使用することもできる。このような紫外線レーザを使用することにより、切断端面の加工精度を上げることができ、平滑で寸法精度の良好な端面を得ることができる。
次いで、図2(d)に示すように、切溝7が形成された積層膜を基板5から剥離し、個々に分割した後、図2(e)に示すように、分割された粒状の積層体8を、アルカリ可溶性のポリマーを含む液9中に加えて混合し、各積層体8の外周全体にアルカリ可溶性のポリマーから成る被覆層を形成する。
こうして、図1に示す固形製剤が得られる。この固形製剤は、数μm〜数十μmと極めて微小な径を有し、コアである積層体8の端面精度に優れ、良好な外観を有している。なお、この第1の実施形態の製造方法は、バリヤ層2の形成と生体接着層3の形成の工程順を反対にし、生体接着層3、薬剤層1、バリヤ層2の順で形成しても、同様の効果を上げることができる。
本発明の製造方法の第2の実施形態について説明する。この実施形態においては、図3(a)に示すように、基板5の上に生体接着層3と薬剤層1を第1の実施形態と同様にして順に形成した後、図3(b)に示すように、生体接着層3と薬剤層1との2層積層膜にレーザ6を照射し、XY方向に数μm〜数十μm角の碁盤目状に切断する。
次いで、図3(c)に示すように、切断された2層積層膜の上に、バリヤ物質である難水溶性ポリマーを含む溶液をスピンコーター、バーコーター、ダイコーターなどの塗布装置を用いて塗布した後、加熱・乾燥してバリヤ層2を形成する。こうして、切溝7a内を含めて2層積層膜の外周全体を覆うように、バリヤ層2が連続的に形成される。
次いで、図3(d)に示すように、バリヤ層2にレーザ6を照射し、2層積層膜の切溝7aと同じ位置で生体接着層3を切断する。
次に、こうして新しい切溝7bが形成された積層膜を、図3(e)に示すように、基板5から剥離し個々に分割した後、図3(f)に示すように、分割された積層体8を、アルカリ可溶性のポリマーを含む液9中に加えて混合し、各積層体8の外周全体にアルカリ可溶性のポリマーから成る被覆層を形成する。
こうして得られた固形製剤を図4に示す。この固形製剤は、数μm〜数十μmと極めて微小な径を有し、コアである積層体8の端面精度に優れ、良好な外観を有している。また、バリヤ層2が、薬剤層1の上だけでなく、生体接着層3と薬剤層1との2層積層膜の端面を覆うように形成されているので、第1の実施形態により得られた固形製剤に比べて、端面からの薬物の漏洩が少ないという利点がある。
本発明の製造方法の第3の実施形態について説明する。この実施形態においては、図5(a)に示すように、基板5の上に離型層(図示を省略。)を介してアルカリ可溶層4と生体接着層3および薬剤層1を順に形成した後、図5(b)に示すように、レーザ6を照射し、XY方向に数μm〜数十μm角の碁盤目状に切断する。符号10aは切溝を示す。
次いで、図5(c)に示すように、切断された3層積層膜の上に、バリヤ物質である難水溶性ポリマーを含む溶液をスピンコーター、バーコーター、ダイコーターなどの塗布装置を用いて塗布した後、加熱・乾燥してバリヤ層2を形成する。こうして、切溝10aを含めて3層積層膜の外周全体を覆うように、バリヤ層2が連続的に形成される。
次いで、図5(d)に示すように、バリヤ層2にレーザ6を照射し、3層積層膜の切溝10aと同じ位置でバリヤ層2を切断する。
次に、こうして新しい切溝10bが形成された積層膜を、図5(e)に示すように、基板5から剥離し個々に分割する。こうして得られた固形製剤を図6に示す。
この固形製剤は、薬剤層1の切断端面がバリヤ層2で覆われてており、さらに下面がアルカリ可溶層4になっているため、第1の実施形態により得られた固形製剤に比べて、端面からの薬物の漏洩が少ない。また、第1および第2の実施形態に比べて製造工程が簡単であるという利点がある。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
シリコーン系離型剤(ジメチルポリシロキサン)が塗布されたシリコン基板の上に、スピンコーターを用いて、難水溶性ポリマーであるエチルセルロースのトルエン‐エタノール(80:20)溶液(濃度14重量%)を塗布した後、80℃で5分間加熱して乾燥した。乾燥後の膜厚は8μmであった。
次いで、得られた乾燥膜の上に、吸収促進剤としてカプリン酸ナトリウムを配合したインスリンのポリビニルアルコール液をスピンコーターを用いて塗布し、冷凍庫内で1時間放置してインスリン液を凍らせた。次いで、凍ったインスリン液の上に、生体接着性物質であるアルギン酸ナトリウムの水溶液(濃度3重量%)をスピンコーターを用いて塗布した後、2晩低温下で空気を送り込みながら放置することにより、溶媒を留去した。
こうして得られたた3層積層膜に、上面からArFエキシマレーザ(λ=193nm)を照射し、30μm角の碁盤目状に切断した。次いで、切断された積層膜をシリコン基板から剥離し切溝から分割した後、分割された粒状の積層体を、アルカリ可溶性ポリマーであるセルロースアセテートトリメリテートの酢酸エチル‐イソプロパノール(80:20)混合溶液(濃度11重量%)中に加えた。そして、メカニカルスターラーにより撹拌しながら混合した後乾燥し、最外層にセルロースアセテートトリメリテートの被覆層を形成した。
こうして、36μm径で端面精度に優れ外観が良好な固形製剤を得られた。
実施例2
実施例1と同様に、シリコン基板の上にエチルセルロースの乾燥膜(膜厚8μm)を形成した後、その上に、ポリビニルアルコールを基材としカプリン酸ナトリウムを配合したインスリン液をスピンコーターを用いて塗布し、冷凍庫内で1時間放置してインスリン液を凍らせた。次いで、凍ったインスリン液の上に、実施例1と同様にして、3重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液を塗布した後、溶媒を留去した。
次に、得られた3層積層膜に、上面からArFエキシマレーザ(λ=193nm)を照射し、30μm角の碁盤目状に切断した。次いで、切断された積層膜をシリコン基板から剥離した後、実施例1と同様にセルロースアセテートトリメリテート溶液中に加え、撹拌・混合した。その後乾燥し、最外層にセルロースアセテートトリメリテートの被覆層を形成した。
こうして、36μm径で端面精度に優れ外観が良好な固形製剤が得られた。
実施例3
離型剤が塗布されたシリコン基板の上に、3重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液をスピンコーターを用いて塗布した後、2晩低温下で空気を送り込みながら放置することにより、溶媒を留去した。
次いでその上に、ヒドロキシプロピルセルロースを基材とし、吸収促進剤としてカプリン酸ナトリウムを配合したインスリン液をスピンコーターを用いて塗布し、冷凍庫内で1時間放置してインスリン液を凍らせた。
次に、得られた2層構造膜にArFエキシマレーザ(λ=193nm)を照射し、30μm角の碁盤目状に切断した。その後、その上に難水溶性ポリマーであるエチルセルロースの乾燥膜を形成した。乾燥後の膜厚は18μmであった。
次いで、こうして得られたエチルセルロース層の上から再びArFエキシマレーザ(λ=193nm)を照射し、先の切溝と同じ位置に切溝を入れた。こうして、2層構造膜の上にエチルセルロース層が被覆された積層膜は、30μm角の碁盤目状に切削加工された。次に、こうして再度切削加工がなされた積層膜を、シリコン基板から剥離し切溝から分割した後、分割された積層体を、アルカリ可溶性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのトルエン‐エタノール(80:20)混合溶液(濃度11重量%)中に加えた。そして、メカニカルスターラーにより撹拌しながら混合した後乾燥し、最外層にヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートの被覆層を形成した。
こうして、36μm径で端面精度に優れ外観が良好な固形製剤を得られた。この固形製剤は、薬剤層の切断端面がバリヤ層であるエチルセルロース層で覆われているので、実施例1および2で得られた製剤に比べて、端面からの薬物の漏洩が少ないという利点があった。
実施例4
離型剤が塗布されたシリコン基板の上に、アルカリ可溶性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのトルエン‐エタノール(80:20)混合溶液(濃度11重量%)をスピンコーターを用いて塗布した後乾燥し、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート層を形成した。
次いでその上に、3重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液をスピンコーターを用いて塗布した後、2晩低温下で空気を送り込みながら放置することにより、溶媒を留去した。
次いでその上に、ヒドロキシプロピルセルロースを基材とし、吸収促進剤としてカプリン酸ナトリウムを配合したインスリン液をスピンコーターを用いて塗布し、冷凍庫内で1時間放置してインスリン液を凍らせた。
こうして得られた3層構造膜にArFエキシマレーザ(λ=193nm)を照射し、30μm角の碁盤目状に切断した。その後、その上に難水溶性ポリマーであるエチルセルロースの乾燥膜を形成した。乾燥後の膜厚は21μmであった。
次に、エチルセルロース層の上から再びArFエキシマレーザ(λ=193nm)を照射し、先の切溝と同じ位置に切溝を入れた。こうして、3層構造膜の上にエチルセルロース層が被覆された積層膜は、30μm角の碁盤目状に切削加工された。次いで、再度切削加工がなされた積層膜を、シリコン基板から剥離し切溝から分割した。
こうして、30μm径で端面精度に優れ外観が良好な固形製剤を得られた。この固形製剤は、薬剤層の切断端面がバリヤ層であるエチルセルロース層で覆われてており、さらに下面がアルカリ可溶層になっているため、実施例1および2で得られた製剤に比べて、端面からの薬物の漏洩が少なく、また実施例1〜3に比べて製造工程が簡単であるという利点があった。
本発明によれば、極めて微小で非対称な積層構造を有し、かつ端面精度に優れ外観が良好な固形製剤を得ることができる。したがって、この固形製剤によれば、遺伝子組み換え蛋白薬、高分子薬、水溶性の難・低吸収性薬物(アミノグリコシド系抗生物質、ペニシリン系抗生物質、セファロスポリン系抗生物質、セフェム系抗生物質、ペプチド系抗生物質、抗ウイルス薬、制癌剤)などの経口投与後の吸収率を大幅に高めることができる。
固形製剤の第1の実施形態を示す断面図である。 固形製剤を製造する方法の第1の実施形態を説明するための断面図である。 固形製剤を製造する方法の第2の実施形態を説明するための断面図である。 第2の実施形態により製造された固形製剤の構造を示す断面図である。 固形製剤を製造する方法の第3の実施形態を説明するための断面図である。 第3の実施形態により製造された固形製剤の構造を示す断面図である。
符号の説明
1…薬剤層、2…バリヤ層、3…生体接着層、4…アルカリ可溶層、6…レーザ、8…積層体、9…アルカリ可溶性ポリマーを含む液。

Claims (4)

  1. 基板の上に直接または離型層を介して生体接着層または難水溶性ポリマー層である第1の層をスピンコーターを用いて形成する工程と、
    前記第1の層の上に薬剤層をスピンコーターを用いて積層して形成する工程と、
    前記薬剤層の上に難水溶ポリマー層または生体接着層のうちで前記第1の層と異なる層をスピンコーターを用いて積層し、3〜50μmの厚さを有する3層の積層体を形成する工程と、
    前記工程で得られた積層体にレーザを照射してXY方向に切断する工程と、
    前記工程で切断された積層体を前記基板から剥離する工程と、
    前記基板から剥離され個々に分割された積層体粒子を、アルカリ可溶性のポリマーを含む液と混合し、各粒子の外側に前記ポリマーから成る被覆層を形成する工程
    を具備する固形製剤の製造方法であって、
    前記固形製剤の直径あるいは辺の長さが5〜150μmであることを特徴とする固形製剤の製造方法。
  2. 基板の上に直接または離型層を介して生体接着層をスピンコーターを用いて形成する工程と、
    前記生体接着層の上に薬剤層をスピンコーターを用いて積層して形成する工程と、
    前記生体接着層と薬剤層との二重層にレーザを照射してXY方向に切断する第1のレーザ切断工程と、
    前記第1のレーザ切断工程で切断された二重層の上に、スピンコーターを用いて難水溶性ポリマーから成る層を被覆する工程と、
    前記難水溶性ポリマーから成る被覆層にレーザを照射し、前記第1のレーザ切断工程と同じ位置でXY方向に切断する第2のレーザ切断工程と、
    前記第2のレーザ切断工程で切断された積層体を前記基板から剥離する工程と、
    前記基板から剥離され個々に分割された積層体粒子を、アルカリ可溶性のポリマーを含む液と混合し、各粒子の外側に前記ポリマーから成る被覆層を形成する工程
    を具備する固形製剤の製造方法であって、
    前記固形製剤の直径あるいは辺の長さが5〜150μmであることを特徴とする固形製剤の製造方法。
  3. 基板の上に直接または離型層を介してアルカリ可溶性ポリマーからなる層をスピンコーターを用いて形成する工程と、
    前記アルカリ可溶性ポリマーからなる層の上に生体接着層をスピンコーターを用いて形成する工程と、
    前記生体接着層の上に薬剤層をスピンコーターを用いて積層して形成する工程と、
    前記アルカリ可溶性ポリマー層と生体接着層と薬剤層との三重層にレーザを照射してXY方向に切断する第1のレーザ切断工程と、
    前記第1のレーザ切断工程で切断された三重層の上に、難水性ポリマーからなる層をスピンコーターを用いて被覆する工程と、
    前記難水性ポリマーからなる被覆層にレーザを照射し、前記第1のレーザ切断工程と同じ位置でXY方向に切断する第2のレーザ切断工程と、
    前記第2のレーザ切断工程で切断された積層体を前記基板から剥離する工程
    を具備する固形製剤の製造方法であって、
    前記固形製剤の直径あるいは辺の長さが5〜150μmであることを特徴とする固形製剤の製造方法。
  4. 前記レーザが、発振波長190〜600nmのレーザであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の固形製剤の製造方法。
JP2004030450A 2004-02-06 2004-02-06 固形製剤の製造方法 Expired - Fee Related JP4606748B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004030450A JP4606748B2 (ja) 2004-02-06 2004-02-06 固形製剤の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004030450A JP4606748B2 (ja) 2004-02-06 2004-02-06 固形製剤の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005220083A JP2005220083A (ja) 2005-08-18
JP4606748B2 true JP4606748B2 (ja) 2011-01-05

Family

ID=34995994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004030450A Expired - Fee Related JP4606748B2 (ja) 2004-02-06 2004-02-06 固形製剤の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4606748B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4787503B2 (ja) * 2005-01-12 2011-10-05 京セラケミカル株式会社 固形製剤の製造方法
JP4787507B2 (ja) * 2005-01-24 2011-10-05 京セラケミカル株式会社 固形製剤及びその製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001089486A1 (fr) * 2000-05-26 2001-11-29 Kanji Takada Preparation administrable autrement que par la voie orale a structure a trois couches
JP2002531394A (ja) * 1998-11-27 2002-09-24 ▲高▼田 ▲寛▼治 消化管用薬物送達経口製剤

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002531394A (ja) * 1998-11-27 2002-09-24 ▲高▼田 ▲寛▼治 消化管用薬物送達経口製剤
WO2001089486A1 (fr) * 2000-05-26 2001-11-29 Kanji Takada Preparation administrable autrement que par la voie orale a structure a trois couches

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005220083A (ja) 2005-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7202328B2 (ja) 小型の摂取可能なデバイス
Patil et al. Recent advancements in mucoadhesive floating drug delivery systems: A mini-review
ES2233106T3 (es) Preparacion oral para administracion gastrointestinal de un medicamento.
US6685962B2 (en) Gastroretentive controlled release pharmaceutical dosage forms
JP2005342154A5 (ja)
WO2005097080A1 (ja) 経口投与剤
JP2010280679A (ja) フィルム状活性物質担体
RU2009140113A (ru) Принимаемый перорально пленочный медикамент и способ его получения
US20070184099A1 (en) Films for use as dosage forms
CN100536834C (zh) 多层经粘膜治疗***
JP2005263704A (ja) 口腔内粘膜フィルム剤
JP4606748B2 (ja) 固形製剤の製造方法
JPS58174307A (ja) 可食性口腔内貼付薬
JP2008037794A (ja) 経口投与剤
JP4787507B2 (ja) 固形製剤及びその製造方法
JP2005350424A (ja) 固形製剤および固形製剤の製造方法
JP4787503B2 (ja) 固形製剤の製造方法
JP2006104176A (ja) 固形製剤の製造方法
JP2006082190A (ja) 高分子膜の切断方法
JP2007277190A (ja) 固形製剤シートの製造方法
KR102670782B1 (ko) 다층 경구용 박막
JP2006036640A (ja) 薬剤含有積層体及びその製造方法
JP2021511385A (ja) 多層経口薄膜
TW201215413A (en) Particle technology for improving absorption

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101005

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101006

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees