JP4606655B2 - 呼吸用気体供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用の気体を供給する呼吸用気体供給装置に関する。さらに詳細には、空気中から酸素を分離供給する医療用酸素濃縮装置、および加圧された空気を供給する医療用陽圧式人工呼吸補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、喘息、肺気腫症、慢性気管支炎等の呼吸器系疾患に苦しむ患者が増加する傾向にあるが、その最も効果的な治療法の一つとして酸素吸入療法があり、空気中から酸素濃縮気体を直接分離する酸素濃縮装置が開発され、使用時の利便性、保守管理の容易さから酸素吸入療法のための治療装置として次第に普及するようになって来ている。
【0003】
かかる医療用酸素濃縮装置としては、酸素選択透過膜を用いた膜分離型酸素濃縮装置と、窒素又は酸素を選択的に吸着し得る吸着剤を用いた吸着型酸素濃縮装置が知られている。更には、酸素イオンを選択的に透過する固体電解質膜を利用し、電気化学的に酸素を生成する装置なども有る。吸着型酸素濃縮装置としては、気体圧縮機、または気体吸引機を用いた圧力変動吸着型酸素濃縮装置があり、通常、窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した吸着床にコンプレッサーで圧縮空気を導入して加圧状態で窒素を吸着させることにより酸素濃縮気体を得る吸着工程と、吸着床の内圧を減少させて窒素を脱着させ吸着剤の再生を行なう脱着工程を交互に行なうことにより酸素濃縮気体を患者に供給する呼吸用気体供給装置である。また、酸素濃縮気体を患者に供給するためのインターフェースとしては、酸素濃縮気体をチューブによって鼻腔へと導く鼻カニューラが一般的である。
【0004】
一方、医療用陽圧式人工呼吸補助装置は、肺結核後遺症や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫など自発呼吸だけでは十分な換気が得られない換気不全患者の呼吸をサポートするために使用される間欠的陽圧式人工呼吸補助装置、および睡眠時無呼吸症候群など睡眠時に気道閉塞を呈する患者に対して、気道を常に陽圧に保つことのできる持続陽圧式人工呼吸補助装置が普及しつつある。
【0005】
また、心不全のように循環障害を持つ疾患においては、過換気と低換気が繰り返し現れるチェーンストークス呼吸を呈することで知られている。このような睡眠呼吸障害に対する治療法として、高濃度酸素療法や間欠的陽圧式人工呼吸補助療法、および持続陽圧式人工呼吸療法の有用性が認められつつある。
【0006】
間欠的陽圧式人工呼吸補助装置の中でも最も一般的な鼻マスクを用いるタイプを、図1を用いて説明する。本体1は2〜30cmH2O程度の陽圧空気を間欠的に発生し、導管2に送る。中でも、使用者7の吸気と呼気に合わせて2レベルの圧力、例えば図2に示すように、吸気時陽圧(IPAP:Inspiration Positive Airway Pressure):12〜15cmH2O、呼気時陽圧(EPAP:Expiration Positive Airway Pressure):2〜4cmH2Oの設定圧力で陽圧空気を使用者に供給するタイプが主流である。導管2は、マスククッション6を固定するマスクフレーム5に繋がり、マスククッション6を通して、陽圧空気を使用者7の鼻腔へ送る。呼気排出孔3は使用者7の呼気ガスを呼吸回路外へ排出するために設けてあり、治療用ガス混入ポート4は、陽圧空気以外に酸素など治療用ガスの混入を必要とする患者に対して治療用ガスの投入口として使用される。
【0007】
持続陽圧式人工呼吸補助装置は間欠的陽圧式人工呼吸補助装置と構成は殆ど同じであるが、使用者の吸気/呼気によらず常に一定の陽圧空気を気道に供給するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
陽圧式人工呼吸補助装置の中でも、鼻マスクを用いる非侵襲的タイプの陽圧式人工呼吸補助装置は、医師による管理が比較的簡単であり、在宅において治療を実施するケースが急激に増加している。また、そのような患者の殆どは高濃度酸素ガスの混入治療を必要としており、患者は陽圧式人工呼吸補助装置のみならず酸素濃縮装置も所有し、医師の指導の基に両装置をチューブ等で繋ぎ合わせ、高濃度酸素の混ざった陽圧空気を吸入する。
【0009】
しかしながら、このような患者は昼間と睡眠時で処方が異なることが多く、状況に応じて各装置の設定変更やチューブの繋ぎ替えを頻回に行なわなければならない。例えば、昼間は高濃度酸素吸入療法のみを実施し、睡眠時は高濃度酸素ガスを混入した間欠的陽圧式人工呼吸療法を実施する場合が多い。このような場合は、患者は、昼間は酸素濃縮装置に直接繋いだ鼻カニューラから高濃度酸素を吸入し、夜間は鼻カニューラを酸素濃縮装置から外して、チューブによって酸素濃縮装置と鼻マスクを繋ぎ、更に夜間の設定流量となるように酸素流量を設定し直す必要がある。当然ながら、翌日の昼間は再び鼻カニューラに接続し直して高濃度酸素流量を調整する必要があり、これらの作業は患者にとって大きな負担となってしまうことに加え、チューブ接続ミスや設定変更ミス等によって必要な量の高濃度酸素を吸入することができないといった危険性が増えることは言うまでもない。
【0010】
本発明は、陽圧式人工呼吸補助装置と酸素濃縮装置を併用して用いる場合に、設定変更やチューブの繋ぎ替え作業を簡便に行い、且つ、必要な量の高濃度酸素を吸入することができない等の危険性を無くすような呼吸用気体供給装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成するため、本発明者は鋭意検討した結果、酸素濃縮装置と陽圧式人工呼吸補助装置を連結させた新しい呼吸用気体供給装置を提供することによって課題を解決できることを見出した。
【0012】
即ち本発明は、呼吸用陽圧空気を発生する陽圧空気発生手段、使用者に該陽圧空気を供給するための陽圧空気供給用呼吸インターフェース、および該陽圧空気発生手段と該陽圧空気供給用呼吸インターフェースを繋ぐ導管手段を備えた陽圧式人工呼吸補助手段と、空気中から酸素を分離し高濃度酸素を発生する酸素濃縮手段、該高濃度酸素を使用者に送るための酸素供給用呼吸インターフェースを備えた酸素供給手段を備えた呼吸用気体供給装置において、該高濃度酸素を該酸素供給用呼吸インターフェース、又は該導管もしくは該陽圧空気供給用呼吸インターフェースに供給する酸素供給切り換え手段を備え、該酸素供給切り換え手段は、操作に応じて、以下の(A)、(B)及び(C)から選択されるいずれか1つの接続状態により、酸素濃縮手段の酸素供給口と各供給先とを接続することを特徴とする呼吸用気体供給装置を提供するものである。
接続状態(A):該高濃度酸素の供給先を、該陽圧空気供給用呼吸インターフェース又は該導管に、先端を配置した接続用チューブに接続する。
接続状態(B):該高濃度酸素の供給先を、該酸素供給用呼吸インターフェースに接続する。
接続状態(C):該酸素供給口から該接続用チューブ間の流路を閉とする。
また本発明は、使用者の入力に応じて、該(A)、(B)及び(C)のうちいずれか1つの接続状態を選択しうる入力操作手段を備えた、呼吸用気体供給装置を提供するものである。
【0013】
また本発明は、かかる切り換え手段が電磁弁であり、かつ該陽圧式人工呼吸補助手段及び該酸素供給手段が其々別の電源を備え、両電源のON/OFFの状態を検知して、
(i)該陽圧式人工呼吸補助手段と該酸素濃縮手段の両方の電源をONにした場合に、該電磁弁が作動して接続状態(A)へ、
(ii)該陽圧式人工呼吸補助手段の電源をOFF、且つ該酸素濃縮手段の電源をONにした場合に、該電磁弁が作動して接続状態(B)へ、
(iii)該陽圧式人工呼吸補助手段の電源をON、且つ該酸素濃縮手段の電源をOFFにした場合に、該電磁弁が作動して接続状態(C)へ、
自動的に切り換える制御手段を備えることを特徴とする呼吸用気体供給装置を提供するものである。
【0014】
また本発明は、呼吸用陽圧空気を発生する陽圧空気発生手段、使用者に該陽圧空気を供給するための陽圧空気供給用呼吸インターフェース、および該陽圧空気発生手段と該陽圧空気供給用呼吸インターフェースを繋ぐ導管手段を備えた陽圧式人工呼吸補助手段と、空気中から酸素を分離し高濃度酸素を発生する酸素濃縮手段、該高濃度酸素を使用者に送るための酸素供給用呼吸インターフェースを備えた酸素供給手段を備えた呼吸用気体供給装置において、該高濃度酸素を該酸素供給用呼吸インターフェース、又は該導管もしくは該陽圧空気供給用呼吸インターフェースに供給する酸素供給切り換え手段を備え、かかる陽圧式人工呼吸補助手段及び該酸素供給手段が其々別の電源を備え、両電源のON/OFFの状態を検知して、
(i)該陽圧式人工呼吸補助手段及び該酸素供給手段の両方の電源が両方ともONの場合には、陽圧空気に酸素を混入して吸入する場合の設定酸素流量になるように、
(ii)該陽圧式人工呼吸補助手段の電源がOFF、且つ該酸素供給手段の電源がONの場合には、酸素のみを吸入する場合の設定酸素流量になるように、
該高濃度酸素の供給流量を自動的に変更する制御手段を備えることを特徴とする呼吸用気体供給装置を提供するものである。
また本発明は、呼吸用陽圧空気を発生する陽圧空気発生手段、使用者に該陽圧空気を供給するための陽圧空気供給用呼吸インターフェース、および該陽圧空気発生手段と該陽圧空気供給用呼吸インターフェースを繋ぐ導管手段を備えた陽圧式人工呼吸補助手段と、空気中から酸素を分離し高濃度酸素を発生する酸素濃縮手段、該高濃度酸素を使用者に送るための酸素供給用呼吸インターフェースを備えた酸素供給手段を備えた呼吸用気体供給装置において、該高濃度酸素を該酸素供給用呼吸インターフェース、又は該導管もしくは該陽圧空気供給用呼吸インターフェースに供給する酸素供給切り換え手段を備え、使用者の入力操作に応じて、以下の(1)又は(2)の設定状態となるように制御を行う、入力及び制御手段を備えた、呼吸用気体供給装置を提供するものである。
設定状態(1):陽圧空気に酸素を混入して吸入する場合の設定酸素流量になるように、該高濃度酸素の供給流量を自動的に変更する。
設定状態(2):酸素のみを吸入する場合の設定酸素流量になるように該高濃度酸素の供給流量を自動的に変更する。
また本発明は、前記酸素濃縮手段と前記陽圧式呼吸手段は、それぞれを分離することができる呼吸用気体供給装置を提供するものである。
【0015】
更に本発明は、特にかかる陽圧式人工呼吸補助手段が、使用者の呼吸に対応し、吸気時に吸気時設定圧力、呼気時に該吸気時圧力よりも低い呼気時設定圧力で陽圧空気を供給することを特徴とする間欠的陽圧式人工呼吸補助手段であることを特徴とする呼吸用気体供給装置を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の呼吸用気体供給装置は、呼吸用陽圧空気を発生する陽圧空気発生手段、使用者に該陽圧空気を供給するための陽圧空気供給用呼吸インターフェース、および該陽圧空気発生手段と該陽圧空気供給用呼吸インターフェースを繋ぐ導管手段を備えた陽圧式人工呼吸補助手段と、空気中から酸素を分離し高濃度酸素を発生する酸素濃縮手段、および該高濃度酸素を使用者に送るための酸素供給用呼吸インターフェースを備えた酸素供給手段を有する呼吸用気体供給装置であり、該酸素供給用呼吸インターフェース、又は該導管内もしくは該陽圧空気供給用呼吸インターフェース内に該高濃度酸素を供給するように流路を切り換えるための酸素供給切り換え手段から構成される。
【0017】
かかる陽圧空気発生手段は、空気を加圧して陽圧空気を発生する手段であり、ブロアが用いられる。陽圧空気供給の制御は、使用者の医師の処方圧力に合わせて吸気時間に吸気時陽圧(IPAP)、呼気時に呼気時陽圧(EPAP)のガスを供給するように、陽圧空気発生手段の発生を制御するものであり、陽圧空気発生手段出口から導管手段、陽圧空気供給用呼吸インターフェース内の呼吸回路に圧力センサー、流量センサー等を設けることにより患者の吸気開始点、呼気開始点を検出し、これに応じて陽圧空気発生手段の供給圧力を切り換え制御する装置や、吸気時間、呼気時間を予め設定しておき、それに従って陽圧空気発生手段の供給圧力を切り換え制御し、使用者がそれに呼吸を合わせるものが使用される。
【0018】
陽圧空気供給用呼吸インターフェースは、使用者の鼻に陽圧空気を供給する鼻マスクや、鼻および口を覆うフェイスマスクなどの呼吸用マスクが用いられる。これらには、使用者の呼気をマスク外に排出する呼気排出孔が設けられている。
【0019】
また、酸素濃縮手段には吸着型の酸素濃縮手段、電解質を用いた電気化学型の酸素濃縮手段を用いることが出来る。吸着型の酸素濃縮手段とは、窒素を選択的に吸着しうる吸着剤を充填した吸着床に空気圧縮手段で圧縮空気を導入して加圧状態で窒素を吸着させることにより酸素濃縮気体を得る吸着工程と、吸着床の内圧を減少させて窒素を脱着させ吸着剤の再生を行なう脱着工程を交互に行なうことにより酸素を濃縮する加圧型手段、あるいは常圧空気を導入し常圧で窒素を吸着する工程と、気体吸引により吸着床の内圧を常圧より減圧して窒素を脱着させ吸着剤の再生を行なう脱着工程を交互に行なうことにより酸素を濃縮する減圧型手段、またこれら加圧型手段、減圧型手段をくみあわせたものである。
【0020】
かかる吸着剤としては、窒素に対して選択的吸着性を有する結晶性ゼオライトモレキュラーシーブがある。このようなゼオライトにはカチオンとして金属元素を有するゼオライトが好ましい。空気圧縮手段における電気駆動式機械手段としてはコンプレッサー、ポンプなどが挙げられる。気体吸引手段における電気駆動式機械手段としてもコンプレッサーが使用される。また、濃縮された酸素を使用者に供給するための酸素供給用呼吸インターフェースとしては、使用者の鼻腔に管を挿入するタイプの鼻カニューラが使用される。
【0021】
また、本発明における呼吸用気体供給装置は、該酸素供給手段によって生成された高濃度酸素を鼻カニューラ、または呼吸用マスク内もしくは該導管内に供給するよう切り換える手段を備える。
【0022】
該酸素供給切り換え手段としては手動の切り換え弁や電磁弁等の弁手段を用いるのが好ましい。これらの弁手段は、1次側はチューブ等を介して酸素濃縮手段における酸素供給口に接続し、2次側を鼻カニューラおよび呼吸用マスク内に先端を配置した接続用チューブに接続する。または、マスク内に先端を配置したチューブの代わりに導管内に酸素を供給するような位置に2次側を接続したチューブを用いても良い。すなわち、導管内にチューブ先端を配置させたり、T字管等にチューブを接続しT字管を導管内に配置させれば良い。
【0023】
また、該弁手段として電磁弁を用いれば、患者が手で弁手段を切り換える手間を無くすことができる。例えば、電磁弁の駆動を装置の電源と連動させることによって自動的に弁の切り換えが可能となる。
【0024】
即ち、該陽圧式人工呼吸補助手段と該酸素供給手段(或は該酸素濃縮手段)がそれぞれ別の電源を備え、(1)該陽圧式人工呼吸補助手段と該酸素濃縮手段の両方の電源をONにした場合に、電磁弁が作動して該高濃度酸素の供給先を該接続用チューブに接続し、(2)該陽圧式人工呼吸補助手段の電源をOFF、且つ該酸素濃縮手段の電源をONにした場合に、電磁弁が作動して該高濃度酸素の供給先を該酸素供給用呼吸インターフェースに接続する。
【0025】
更に、該酸素濃縮手段を使用せず該陽圧式人工呼吸補助手段のみで治療を行なう場合には、陽圧空気が接続用チューブを通って酸素濃縮手段内に逆流し、患者に十分な陽圧空気の供給ができないことを防ぐため、(3)該電磁弁によって、該陽圧式人工呼吸補助手段の電源をON、且つ該酸素濃縮手段の電源をOFFにした場合に、該高濃度酸素の供給口から該接続用チューブ間の流路を閉とすることにより、該高濃度酸素の供給口から該接続用チューブ間の流路を遮断するのが望ましい。
【0026】
また、本発明の呼吸用気体供給装置は該酸素供給手段を単独で使うか、もしくは該陽圧式人工呼吸補助手段と組み合わせて使うかによって、自動的に酸素供給流量を切り換える手段を持つ。
【0027】
酸素供給手段単独で使用する場合と、該陽圧式人工呼吸補助手段と組み合わせて使う場合の酸素流量は、予め医師によって処方された値を装置に入力しておき、其々の電源に連動させて酸素流量を自動切り換えするのが好ましい。
【0028】
即ち、該酸素供給手段および該陽圧式人工呼吸補助装置の電源が両方ともONの場合には、陽圧空気に酸素を混入して吸入する場合の設定酸素流量になるように、該高濃度酸素流量を自動的に変更するよう制御し、該酸素供給手段の電源がON、且つ該陽圧式人工呼吸補助装置の電源がOFFの場合には、酸素のみを吸入する場合の設定酸素流量になるように該高濃度酸素流量を自動的に変更するよう制御する。もしくは、電源のON/OFFによって電磁弁の動作や自動設定変更を行なう代わりに、あるボタンを押すなど、使用者が特定の入力を行った場合に、電磁弁の動作や自動設定変更を行なうようにすることも可能である。
【0029】
また、呼吸状態のモニタ手段を備え、呼吸状態に応じて該高濃度酸素流量を自動的に変化させても良い。例えば、血中酸素飽和度をモニタするパルスオキシメーターを該モニタ手段として備え、酸素飽和度が低い場合に該高濃度酸素流量を増やし、酸素飽和度が高い場合に該酸素流量を減らすことによって、患者の時々刻々と変化する病態に応じて最適な治療を施すことができ、過剰な酸素吸入を避けることもできる。
【0030】
また、呼吸状態が良い場合には該陽圧式人工呼吸補助手段を自動的にOFFとし、高濃度酸素吸入療法のみとし、呼吸状態が悪い場合には高濃度酸素を混入した陽圧式人工呼吸補助療法に自動的に切り換える方法も考えられる。更に、呼吸状態の程度に応じて、陽圧式人工呼吸補助手段によって発生する陽圧空気の圧力を自動調整することによって、より効果的な治療を提供できる。この場合、該モニタ手段として、呼吸に関連した胸腹の動きを測定するレスピバンド、吸気と呼気を測定する鼻および口サーミスタまたは鼻および口の微圧計、更に脳波計などを用いることができる。
【0031】
【実施例】
本発明の呼吸用気体供給装置を、図3の好適な実施例を用いて更に詳細に説明する。
コンプレッサーで加圧された空気は、吸着剤を充填した吸着床に送られ、吸着床内を間欠的に加減圧して濃縮酸素を発生し、濃縮酸素は製品タンクへ運ばれる。製品タンクの下流には流量設定器が設けられており、予め処方されていた設定流量および制御手段aからの信号に応じて流量を決定する。流量設定器の更に下流には電磁弁が備えられており、制御手段aからの信号に応じて、酸素の供給を鼻カニューラ10、または鼻マスク内に先端を配置された接続用チューブ11に切り換える。なお、接続用チューブ11の先端は導管2内でも構わない。また、電磁弁は酸素濃縮手段8の電源aがOFFの場合には接続用チューブ11への流路を閉じ、陽圧式人工呼吸補助手段9からの陽圧空気の逆流を防ぐ。加湿器は、高濃度酸素を加湿するために設けられており、酸素濃縮手段8の内部に設けられても良いし、外部に設けられていても良い。
【0032】
陽圧式人工呼吸補助手段9は、制御手段bによってブロアを制御し、ブロアは吸気時圧力とこれ以下の呼気時圧力を発生し導管2に送る。圧力計は陽圧空気の圧力値を制御手段bに送り、制御手段bはこの値を基に予め設定された圧力となるようブロアの回転数を制御する。また、流量計は患者の呼吸を検知して制御手段bに送り、制御手段bは患者の呼吸が吸気であるか呼気であるかを判断し、所定の圧力を発生するようブロアの回転数を制御する。
【0033】
酸素濃縮手段8の電源a、および陽圧式人工呼吸補助手段9の電源bのON/OFF信号は、それぞれ制御手段aに送られ、制御手段aは、ON/OFF信号に応じて電磁弁の切り換え、および設定酸素流量の自動変更を行なう。
【0034】
また、酸素濃縮手段8と陽圧式人工呼吸手段9はそれぞれを分離することができ、組み合わせて用いる場合には台座式のドッキングステーション等によって両手段が接続され、両手段をドッキングさせることによって、両手段間で接続用チューブ11および電源ON/OFF信号が自動的に接続されるのが好ましい。
【0035】
【発明の効果】
本発明により、陽圧式人工呼吸補助装置と酸素濃縮装置を併用して用いる場合に、設定変更やチューブの繋ぎ替え作業の手間を軽減し、更に、設定変更のミスやチューブの繋ぎ替えミスが原因となって処方された量の酸素を吸入できない等の危険性を無くし、簡単且つ安全な治療器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鼻マスク式の間欠的陽圧式人工呼吸補助装置。
【図2】一般的な間欠的陽圧式人工呼吸補助装置における供給圧力パターン。
【図3】本発明の好適な呼吸用気体供給装置。
【符号の説明】
1.陽圧空気発生手段
2.導管
3.呼気排出孔
4.治療用ガス混入ポート
5.マスクフレーム
6.鼻マスク
7.使用者
8.酸素濃縮手段
9.陽圧式人工呼吸補助手段
10.鼻カニューラ
11.接続用チューブ
Claims (7)
- 呼吸用陽圧空気を発生する陽圧空気発生手段、使用者に該陽圧空気を供給するための陽圧空気供給用呼吸インターフェース、および該陽圧空気発生手段と該陽圧空気供給用呼吸インターフェースを繋ぐ導管手段を備えた陽圧式人工呼吸補助手段と、空気中から酸素を分離し高濃度酸素を発生する酸素濃縮手段、該高濃度酸素を使用者に送るための酸素供給用呼吸インターフェースを備えた酸素供給手段を備えた呼吸用気体供給装置において、該高濃度酸素を該酸素供給用呼吸インターフェース、又は該導管もしくは該陽圧空気供給用呼吸インターフェースに供給する酸素供給切り換え手段を備え、該酸素供給切り換え手段は、操作に応じて、以下の(A)、(B)及び(C)から選択されるいずれか1つの接続状態により、酸素濃縮手段の酸素供給口と各供給先とを接続することを特徴とする呼吸用気体供給装置。
接続状態(A):該高濃度酸素の供給先を、該陽圧空気供給用呼吸インターフェース又は該導管に、先端を配置した接続用チューブに接続する。
接続状態(B):該高濃度酸素の供給先を、該酸素供給用呼吸インターフェースに接続する。
接続状態(C):該酸素供給口から該接続用チューブ間の流路を閉とする。 - 使用者の入力に応じて、該(A)、(B)及び(C)のうちいずれか1つの接続状態を選択しうる入力操作手段を備えた請求項1記載の呼吸用気体供給装置。
- 該切り換え手段が電磁弁であり、かつ該陽圧式人工呼吸補助手段及び該酸素供給手段が其々別の電源を備え、両電源のON/OFFの状態を検知して、
(i)該陽圧式人工呼吸補助手段と該酸素濃縮手段の両方の電源をONにした場合に、該電磁弁が作動して接続状態(A)へ、
(ii)該陽圧式人工呼吸補助手段の電源をOFF、且つ該酸素濃縮手段の電源をONにした場合に、該電磁弁が作動して接続状態(B)へ、
(iii)該陽圧式人工呼吸補助手段の電源をON、且つ該酸素濃縮手段の電源をOFFにした場合に、該電磁弁が作動して接続状態(C)へ、
自動的に切り換える制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の呼吸用気体供給装置。 - 呼吸用陽圧空気を発生する陽圧空気発生手段、使用者に該陽圧空気を供給するための陽圧空気供給用呼吸インターフェース、および該陽圧空気発生手段と該陽圧空気供給用呼吸インターフェースを繋ぐ導管手段を備えた陽圧式人工呼吸補助手段と、空気中から酸素を分離し高濃度酸素を発生する酸素濃縮手段、該高濃度酸素を使用者に送るための酸素供給用呼吸インターフェースを備えた酸素供給手段を備えた呼吸用気体供給装置において、該高濃度酸素を該酸素供給用呼吸インターフェース、又は該導管もしくは該陽圧空気供給用呼吸インターフェースに供給する酸素供給切り換え手段を備え、該陽圧式人工呼吸補助手段及び該酸素供給手段が其々別の電源を備え、両電源のON/OFFの状態を検知して、
(i)該陽圧式人工呼吸補助手段及び該酸素供給手段の両方の電源が両方ともONの場合には、陽圧空気に酸素を混入して吸入する場合の設定酸素流量になるように、
(ii)該陽圧式人工呼吸補助手段の電源がOFF、且つ該酸素供給手段の電源がONの場合には、酸素のみを吸入する場合の設定酸素流量になるように、
該高濃度酸素の供給流量を自動的に変更する制御手段を備えることを特徴とする呼吸用気体供給装置。 - 呼吸用陽圧空気を発生する陽圧空気発生手段、使用者に該陽圧空気を供給するための陽圧空気供給用呼吸インターフェース、および該陽圧空気発生手段と該陽圧空気供給用呼吸インターフェースを繋ぐ導管手段を備えた陽圧式人工呼吸補助手段と、空気中から酸素を分離し高濃度酸素を発生する酸素濃縮手段、該高濃度酸素を使用者に送るための酸素供給用呼吸インターフェースを備えた酸素供給手段を備えた呼吸用気体供給装置において、該高濃度酸素を該酸素供給用呼吸インターフェース、又は該導管もしくは該陽圧空気供給用呼吸インターフェースに供給する酸素供給切り換え手段を備え、使用者の入力操作に応じて、以下の(1)又は(2)の設定状態となるように制御を行う、入力及び制御手段を備えた、呼吸用気体供給装置。
設定状態(1):陽圧空気に酸素を混入して吸入する場合の設定酸素流量になるように、該高濃度酸素の供給流量を自動的に変更する。
設定状態(2):酸素のみを吸入する場合の設定酸素流量になるように該高濃度酸素の供給流量を自動的に変更する。 - 前記酸素濃縮手段と前記陽圧式呼吸手段は、それぞれを分離することができる、請求項1〜5のいずれか1項に記載に呼吸用気体供給装置。
- 該陽圧式人工呼吸補助手段が、使用者の呼吸に対応し、吸気時に吸気時設定圧力、呼気時に該吸気時圧力よりも低い呼気時設定圧力で陽圧空気を供給することを特徴とする間欠的陽圧式人工呼吸補助手段であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の呼吸用気体供給装置。
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