JP4606115B2 - 多層基板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層成形体、多層基板及びその製造方法に関するものであり、特に、強度が高く、寸法精度に優れ、回路基板に適した多層基板及びその製造方法に関する。
従来より、セラミックスを絶縁基板とする多層基板が用いられているが、近年、多層基板に対して種々の機能の付加が求められ、異種セラミックスを組み合わせた多層基板が提案されている。例えば、強度の弱いセラミック絶縁層を強度の強い絶縁層で補強したり、多層基板の中に容量値の高いキャパシタを内臓するために、低誘電率のセラミック絶縁層中に高誘電率のセラミック絶縁層などを積層した多層基板が知られている。
このような多層基板では、セラミックスのクラックやデラミネーション(層間剥離)を防止するために、異種のセラミック絶縁層間で焼成収縮率および熱膨張係数を一致させるように絶縁層材料の特性を選択、制御することが通常行われている。
しかし、近年においては、多層基板の低コスト化や、多層基板上に形成された電極の寸法精度向上のため、焼成時のX−Y方向における多層基板の収縮率を小さくすることが要求されており、上記従来の多層基板では、この要求を達成することができなかった。
このような要求を満足するため、近年では、積層体の表面に、該積層体の焼成温度では焼結しない未焼成絶縁層によって拘束し、厚み方向にのみ収縮させた後、未焼成絶縁層を取り除く方法が開発されたが(例えば、特許文献1参照)、未焼成絶縁層によって収縮を抑制する特許文献1の方法では、焼成終了後に未焼成絶縁層を取り除く必要があるために、製造工程が増える、あるいは複雑になるとともに、製造コストが高くなった。
そこで、焼成収縮開始温度の異なる2種のセラミック成形体を積層して同時焼成することによって焼成の収縮による寸法変化を抑制することが提案された(例えば、特許文献2参照)。
ところが、特許文献2に記載の製造方法では、寸法変化の抑制が可能ではあるものの、焼成収縮開始温度のみを制御するため、収縮抑制の挙動にばらつきが大きく、また、収縮率自体も大きく、焼成における寸法精度がばらつくという問題があった。
そこで、結晶化ガラス粉末及びセラミック粉末を含む2種類の絶縁シートを、一方に含まれる結晶化ガラス粉末の結晶化温度が、他方に含まれる結晶化ガラス粉末の軟化点よりも低くなるように作製し、これらを積層した積層体を同時焼成して多層基板を作製する方法が提案されており(例えば、特許文献3参照)、これによって、寸法精度に優れ、平面方向の収縮率が0に近く、その収縮率のばらつきが小さい多層基板を作製している。
特許第2554415号 特開平2001−15875号公報 特願2003−418485
しかしながら、特許文献2に記載の多層基板は、2種類の絶縁シートが異なる温度で収縮するため、お互いに収縮を制限することから、寸法精度が大幅に改善されたものの、磁器の強度が低く、落下時やリフローによる実装時にクラックが発生し、最悪の場合には破壊するという問題があった。
従って、本発明は、基板強度を改善した寸法精度の高い多層基板及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、焼成収縮開始温度が異なる少なくとも2種のガラス粉末を用いているため、お互いに平面方向の収縮を抑制するため、高寸法精度を改善するとともに、ガラス粉末の結晶化度を高めることにより、焼成後の積層体の抗折強度を向上させることができるという新規な知見に基づくもので、焼成時の寸法精度を改善し、高強度の多層基板を実現したものである。
即ち、本発明の多層基板は、第1の結晶化ガラスを含む第1の絶縁層と、前記第1の結晶化ガラスとは結晶化温度が異なる第2の結晶化ガラスを含む第2の絶縁層とを積層してなるセラミック積層基板の表面及び内部に電極を配設してなり、前記結晶化ガラスの結晶化度がそれぞれ80%以上であり、前記第1の結晶化ガラスの結晶化温度が、前記第2の結晶化ガラスの軟化点よりも低く、前記第1の結晶化ガラスの熱膨張係数と、第2の結晶化ガラスの熱膨張係数との差が2×10 −6 /℃以下であることを特徴とする。
記第1の結晶化ガラスの結晶化温度が、前記第2の結晶化ガラスの軟化点よりも低いことにより、前記第1の絶縁層が前記第2の絶縁層より先に焼結が開始し、かつ終了するため、密着した面で互いに収縮を抑制しあうことで高寸法精度をより得やすく、反りをより低減できる。
前記第1の結晶化ガラスの熱膨張係数と、前記第2の結晶化ガラスの熱膨張係数との差が2×10−6/℃以下であることにより、焼成時の層間応力の発生を抑制するため、相間剥離の発生を抑制することがより容易になる。
また、さらに前記第1及び第2とは異なる結晶化ガラスを含む第3の絶縁層を含むことが好ましい。これにより、さらに寸法制度を高めることができる。
前記絶縁層が、それぞれガラス粉末を30質量%以上含むことが好ましい。これにより、ガラスの軟化流動により、低温焼結が容易になる。
前記結晶化ガラスが、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト及びスーアナイトのうち少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより、高強度化と誘電損失の低減が容易になる。
また、本発明の多層基板の製造方法は、第1の結晶化ガラスからなる第1のガラス粉末を含む第1のグリーンシート及び前記第1の結晶化ガラスの結晶化温度よりも結晶化温度及び軟化点が高い第2の結晶化ガラスからなる第2のガラス粉末を含み、前記第1グリーンシートよるも焼成収縮開始温度が高い第2のグリーンシートを作製する成形工程と、前記第1及び第2のグリーンシートの少なくとも一部の表面及び内部に導体ペーストを用いて導体パターンを形成する導体形成工程と、前記導体パターンが形成されたものを含む前
記第1及び第2のグリーンシートを積層し、積層体を作製する積層工程と、該積層体を焼成して、前記第1及び第2の結晶化ガラスの結晶化度を80%以上にするとともに、前記第1及び第2の結晶化ガラスの熱膨張係数の差を2×10 −6 /℃以下とする焼成工程を具備することを特徴とする。
このような製造方法を採用することにより、焼成時におけるグリーンシートの平面方向の収縮を抑制して焼成収縮ばらつきを低減して寸法制度を高め、且つ各グリーンシートに高結晶化度の結晶化ガラスを含ませることにより、強度を改善することができる。
前記第1の結晶化ガラスの結晶化温度が、前記第2の結晶化ガラスの軟化点よりも低いことにより、前記第1のグリーンシートの層が前記第2のグリーンシートの層より先に焼結が開始し、かつ終了するため、密着した面で互いに収縮を抑制しあうことで高寸法精度をより得やすく、反りをより低減できる。
前記第1の結晶化ガラスと前記第2の結晶化ガラスとの熱膨張係数の差が、2×10−6/℃以下であることにより、焼成時の層間応力の発生を抑制するため、相間剥離の発生を抑制することがより容易になる。
前記第1及び第2のグリーンシートとして、それぞれ前記第1及び第2のガラス粉末を30質量%以上含むものを用いることが好ましい。これにより、焼結性向上る。
前記焼成工程後に、前記第1及び第2の結晶化ガラスが、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト及びスーアナイトのうち少なくとも1種を形成するものであることが好ましい。これにより、高強度化が容易になる。
本発明は、高強度で寸法制度の高い多層基板に関するものであり、第1の結晶化ガラスを含む第1の絶縁層と、前記第1の結晶化ガラスとは結晶化温度が異なる第2の結晶化ガラスを含む第2の絶縁層と、を積層してなるセラミック積層基板の表面及び内部に電極を配設したものである。
以下に、本発明の多層基板について、具体的に図を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施様態である多層基板の構造の概略断面図である。図1によれば、多層基板10は、セラミック絶縁層1a〜1gが積層されたセラミック絶縁基板1と、セラミック絶縁基板1の表面及び裏面に形成された表面導体層2、セラミック絶縁基板1の内部に形成された内部導体層3、内部導体層3間の電気的接続又は表面導体層2と内部導体層3の電気的接続を行うためのビアホール導体4を有する。
本発明によれば、多層基板10は、結晶化温度が異なる2種類以上のガラス粉末を含み、それらの粉末の焼成収縮開始温度が異なるグリーンシートをそれぞれ複数ずつ積層した積層体を焼成してなり、例えば、図1において、後で詳述するように、多層基板10を構成する絶縁層1a〜1gのうち、絶縁層1a、1gとなるグリーンシートの収縮終了温度を、他の絶縁層1b〜1fとなるグリーンシートとの収縮開始温度よりも低くなるようにすれば良い。また、絶縁層1a、1gに含まれるグリーンシートの収縮開始温度を、他の絶縁層1b〜1fに含まれるグリーンシートの収縮終了温度よりも高くなるようにしても良い。
絶縁層1a、1g、及び絶縁層1b〜1fに含まれるガラスの結晶化度については、80%以上とすることが重要であり、積層体の抗折強度の改善が容易になる。とりわけ、より高強度化とするためには、各絶縁層に含まれる全てのガラスの結晶化度を85%以上、更には90%以上とすることが望ましい。
セラミック積層基板の抗折強度は、落下時やリフローによる実装時等に磁器に応力や衝撃が加わった際にクラックが発生することを防止するため、250MPa以上であることが重要であり、製造時の不良率を低減し、製品の安定供給を図るために、特に270MPa以上、更には300MPa以上、より好適には320MPa以上であることが望ましい。
絶縁層1a、1gに含まれる結晶化ガラスの結晶化温度が、他の絶縁層1b〜1fに含まれる結晶化ガラスの結晶化ガラスの軟化点よりも低いことが好ましい。このような構成を採用すれば、焼成時の収縮率を3%以下にすることが容易となり、寸法制度を高めることを容易に達成することができる。
即ち、絶縁層1a、1gとなるグリーンシートの収縮終了温度が、他の絶縁層1b〜1fとなるグリーンシートの収縮開始温度よりも低くなり、絶縁層1a、1gは絶縁層1b〜1fよりも低温で収縮が開始する。その際に、2種以上の結晶化ガラスのうち、1種の結晶化温度が、他の1種の結晶化ガラスの軟化点よりも低いため、絶縁層1b〜1fが収縮開始するときには、絶縁層1a、1gの焼成収縮はほとんど終了しており(最終焼成体積収縮量の97%以上)、お互いのX−Y方向(グリーンシートの平面方向)の収縮を抑制し合うことが可能となり、焼成の再現性も向上できる。とりわけ、X−Y方向の収縮をより効果的に抑制し、且つ再現性をより向上するために、一方のガラスの軟化点と他方のガラスの結晶化温度の差が、5℃以上、特に10℃以上、更には15℃以上であることが望ましい。
セラミック積層基板に含まれる2種の結晶化ガラスの熱膨張係数の差は、2×10−6/℃以下であることが好ましい。例えば、図1において、絶縁層1a、1gに含まれる結晶化ガラスの熱膨張係数と、絶縁層1b〜1fに含まれる結晶化ガラスの熱膨張係数の差を2×10−6/℃以下、特に1×10−6/℃以下にすることが望ましい。これにより、最高焼成温度からの冷却時において、熱収縮の差が生じて絶縁層と異種材料絶縁層の界面にクラックやデラミネーションの発生をより効果的に抑制することができる。
本発明によれば、絶縁層1a、1g及び絶縁層1b〜1fの2種の絶縁層が、いずれも結晶化ガラスを30質量%以上、特に35質量%以上、更には40質量%以上含むことが焼結性を高める点において好ましい。
セラミック積層基板を構成する各絶縁層1a〜1gの主成分であるセラミックスとして、Al,SiO,MgTiO,CaZrO,CaTiO,MgSiO,BaTi,ZrTiO,SrTiO,BaTiO,TiO,AlN,SiNなどを例示できる。
また、各絶縁層1a〜1gに含まれる結晶化ガラスが、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト及びスーアナイトから選ばれる1種以上であることが、多層基板の曲げ強度をより高め、誘電損失をより小さくする点で望ましい。
結晶化ガラスを採用し、上記のセラミック結晶を析出させることにより、1000℃以下の温度で焼成可能とすることが容易となり、その結果、導体層としてCu,Ag,Alなどの低抵抗導体を用いることができ、また、低誘電率化が容易となり、高速伝送化に適す。
なお、以上のように2種の絶縁層の組み合わせについて説明したが、絶縁層は3種でも、更には4種以上であっても良く、絶縁層の種々組成を制御することによって、焼成収縮挙動を容易に制御、変更することができる。
次に、本発明の多層基板の製造方法は、成形工程、導体形成工程、積層工程、及び焼成工程を具備するものであり、これらの工程について、それぞれ、図1の多層基板を例として取り上げ、以下に説明する。
まず、成形工程として、結晶化度が80%以上の結晶化ガラスからなる第1のガラス粉末に対して、焼成途中で容易に揮発する揮発性有機バインダと、有機溶剤と、必要に応じて可塑剤と、を混合し、スラリーを作製する。これらのスラリーを用いて、リップコーター法やドクターブレード法などによってテープ成形を行い、所定寸法に切断しグリーンシートAを作製する。次に、結晶化度が80%以上の結晶化ガラスからなる第2のガラス粉末に対して、焼成途中で容易に揮発する揮発性有機バインダと、有機溶剤と、必要に応じて可塑剤と、を混合し、グリーンシートAと同様にしてグリーンシートBを作製する。この場合、グリーンシートAとグリーンシートBの焼成収縮開始温度が異なるように、ガラス粉末を選定する。
なお、グリーンシートBを用いる代わりに、第2のガラス粉末を含むペーストを作製し、グリーンシートAの表面に塗布することも可能である。
次に、導体形成工程として、成形工程で得られた複数のグリーンシートA、Bのうち、所望のグリーンシートの表面に対して、導体ペーストを用いたスクリーン印刷法などによって、表面導体層や内部導体層となる導体パターンを被着形成する。また、所望のグリーンシートに対して、パンチングやレーザー穿孔等によって貫通孔を形成し、グリーンシートの貫通孔の内部に導体ペーストを充填する。このようにして、グリーンシートの表面や内部に導体パターンを形成した導体付グリーンシートを複数作製する。
次に、積層工程として、導体形成工程で得られた各導体付グリーンシートと、所望により導体パターンの形成されていないグリーンシートA、B等を積層する。その際に、導体パターンが所定の設計した回路となるように組み合わせることは言うまでもない。
本発明に寄れば、積層体において、グリーンシートの平面方向に対する収縮率を3%以下になるように設計するのが良い。
次に、焼成工程として、積層工程で得られた積層体を焼成する。焼成に際しては、低温側で収縮が開始するグリーンシートの収縮開始温度とそのグリーンシートに含まれるガラスの結晶化温度の中間の温度で一旦保持する多段焼成でも可能であるが、通常の単一キープ温度においても昇温速度を調整する等の手法によって、同時焼成を行うことが可能であり、このような焼成において、X−Y方向(グリーンシートの平面方向)への焼成収縮が抑制され、Z方向(グリーンシートの厚み方向)に焼成収縮した寸法精度の高い基板を作製することができる。
なお、焼成収縮開始温度が異なる2種のグリーンシートに含まれる主成分であるセラミックス及び副成分の結晶化ガラスは、例えば、焼結収縮挙動の相違のみならず、目的に応じて、比誘電率、曲げ強度、誘電損失、熱伝導率、嵩密度、温度係数などの他の特性が異なっていてもよいし、一層内で部分的に異なる材料の絶縁層が存在しても、本発明の手法を用いれば、反りやデラミネーションを抑制できるため、差し支えない。
図1の焼成収縮挙動が異なる2種のグリーンシートA、Bの積層形態としては、ABBBBBAにて積層したが、その他に、例えばABABABA、AAABAAA、AABBBAA、AABABAA、AABBAAA、ABAAAAA、ABAAABA、ABBABBA、AABAAAA、ABBAAAA、ABBBAAA、ABBBBAA等の構成でもよく、積層数を変えても、AとBとを反対に入れ替えてもよい。
さらに、焼成収縮挙動が異なる2種のグリーンシートA、B、Cを用いた場合の積層形態としては、ABCCCBA、ABBCBBA、ABBCCBBA、ABCBABCBA、AAABCBAAA等の任意の組み合わせ及び任意の積層数に設定できる。もちろん、対称性を具備するのが好ましいのは言うまでもない。
なお、グリーンシートの種類は、焼成収縮挙動がそれぞれ異なる4種以上のグリーンシートで構成されていても良い。特に、1種のグリーンシートの焼成終了温度が、他のグリーンシートの少なくとも1種のグリーンシートの焼成開始温度よりも低くなるように設定する、即ち、1種のグリーンシートに含まれる結晶化ガラスの結晶化温度が、他のグリーンシートの少なくとも1種のグリーンシートに含まれる軟化点よりも低くなるように設定するのが好ましい。
表1の多層基板を作製した。まず、焼成収縮開始温度が異なるガラスセラミック絶縁層A,Bを形成する各組成物に対して、それぞれ有機バインダとしてエチルセルロースと有機溶剤として2−2−4−トリメチル・ペンタジオールモノイソブチレートを添加してなる2種類のスラリーを調整し、これをドクターブレード法によりそれぞれ成形してグリーンシートA、Bを作製した。
そして、グリーンシートA、Bの所定の位置にパンチング等により貫通孔を形成し、この貫通孔にAg粉末を含む導電性ペーストを充填するとともに、またこの導電性ペーストをグリーンシートA、Bの表面の所定の位置にスクリーン印刷し、乾燥して導体付グリーンシートを作製した。
導電性ペーストが充填され、所定形状の導体層が形成されたグリーンシートA、Bを積層し、図1の構造となる積層成形体を作成した。
この後、大気中400℃で脱バインダ処理し、さらに910℃で焼成し、図1に示す多層基板を得た。なお、焼成前の各絶縁層1a〜1gの厚みは0.2mmであり、焼成後の多層基板の大きさは、縦10mm、横10mm、厚み0.8mmであった。
なお、グリーンシート積層体と焼成後の多層基板に対して、所定のポイント間の長さを測定することにより、X−Y方向の多層基板の収縮率を測定した。なお、各試料について10個の試料を作製しそれぞれの収縮率を測定し、10個の試料の収縮率の最大収縮率と最小収縮率の差を収縮ばらつきとして評価した。また、基板を研磨して光学顕微鏡で観察することにより、基板におけるクラック、デラミネーションの有無を評価し、欠陥として表2に示した。
各絶縁層のガラスの結晶化度については、各絶縁層単体を表2に示す同時焼成した場合と同じ条件で焼成した試料のXRD回折パターンからリートベルト解析法により決定した。尚、XRD回折の測定時には、誤差を小さくするために、酸化亜鉛を標準試料として混合した。
基板の抗折強度評価用の試料として、第1絶縁層となるグリーンシート(焼成前厚み0.2mm)で第2絶縁層となるグリーンシート(焼成前厚み0.2mm)5層を挟んだ構造で表2に示す焼成温度で1時間同時焼成して、5mm×40mm×0.8mmの試験片を得た。この試験片について、室温において、クロスヘッド速度0.5mm/min、下部支点間距離30mmの条件で3点曲げ強度の測定を行った。
また、セラミックスAを形成する組成物とセラミックスBを形成する組成物についてワックスを添加して、100MPaでプレスすることにより圧粉体を形成し、この圧粉体に対して空気中でTMA(熱機械分析)による室温〜1000℃の温度範囲により各セラミックスの収縮開始温度S、収縮終了温度E、室温〜900℃における熱膨張係数を評価した。
ガラスの軟化点と結晶化温度は、DTA(示唆熱分析)により、10℃/分で昇温して得られる曲線より評価した。結果を表1、2に示した。
Figure 0004606115
Figure 0004606115
本発明の試料No.1〜8は収縮率が0〜3.0%と小さく、曲げ強度が250MPa以上と大きく、焼成におけるクラックやデラミネーションが発生しない基板であった。
一方、結晶化度が80%に満たない第1絶縁層で構成された試料No.9及び10は、収縮率が8.5%以上と高く、強度が230MPa以下と低く、特に、試料No.9は第1絶縁層の結晶化温度に対して、第2絶縁層の軟化点が大幅に低く、熱膨張係数差が大きいため、その結果、欠陥が観察された。
本発明のセラミック積層基板の一例を示す概略断面図を示す。
符号の説明
1・・・セラミック積層基板
2・・・表面導体層
3・・・内部導体層
4・・・ビアホール導体
10・・・多層基板

Claims (7)

  1. 第1の結晶化ガラスを含む第1の絶縁層と、前記第1の結晶化ガラスとは結晶化温度が異なる第2の結晶化ガラスを含む第2の絶縁層とを積層してなるセラミック積層基板の表面及び内部に電極を配設してなり、前記結晶化ガラスの結晶化度がそれぞれ80%以上であり、前記第1の結晶化ガラスの結晶化温度が、前記第2の結晶化ガラスの軟化点よりも低く、前記第1の結晶化ガラスの熱膨張係数と、第2の結晶化ガラスの熱膨張係数との差が2×10−6/℃以下であることを特徴とする多層基板。
  2. さらに前記第1及び第2とは異なる結晶化ガラスを含む第3の絶縁層を含むことを特徴とする請求項1記載の多層基板。
  3. 前記絶縁層が、それぞれ結晶化ガラスを30質量%以上含むことを特徴とする請求項1又は2記載の多層基板。
  4. 前記結晶化ガラスが、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト及びスーアナイトのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の多層基板。
  5. 第1の結晶化ガラスからなる第1のガラス粉末を含む第1のグリーンシート及び前記第1の結晶化ガラスの結晶化温度よりも結晶化温度及び軟化点が高い第2の結晶化ガラスからなる第2のガラス粉末を含み、前記第1グリーンシートよりも焼成収縮開始温度が高い第2のグリーンシートを作製する成形工程と、前記第1及び第2のグリーンシートの少なくとも一部の表面及び内部に導体パターンを形成する導体形成工程と、前記導体パターンが形成されたものを含む前記第1及び第2のグリーンシートを積層し、積層体を作製する積層工程と、該積層体を焼成して、前記第1及び第2の結晶化ガラスの結晶化度を80%以上にするとともに、前記第1及び第2の結晶化ガラスの熱膨張係数の差を2×10−6/℃以下とする焼成工程を具備することを特徴とする多層基板の製造方法。
  6. 前記第1及び第2のグリーンシートとして、それぞれ前記第1及び第2のガラス粉末を30質量%以上含むものを用いることを特徴とする請求項5記載の多層基板の製造方法。
  7. 前記焼成工程後により、前記第1及び第2の結晶化ガラスが、ディオプサイド、ハーディ
    ストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト及びスーアナイトのうち少なくとも1種の結晶を形成するものであることを特徴とする請求項5又は6記載の多層基板の製造方法。
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