JP4605805B2 - 車両の走行管制装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複数の無人車両または有人車両が走行する走行路の走行を管制する車両の走行管制装置に関する。
広域の鉱山現場などでは、片道数十Kmにわたってダンプトラックによって鉱石を搬送する必要がある。この種の作業には無人車両が広く使用されている。無人車両にはGPS(グローバルポジショニングシステム)等の位置計測装置が搭載され、この位置計測装置で計測された位置と、記憶されたコースデータ上の位置とを比較しつつ両者が一致するように制御される。これにより無人車両は予め決められたコースに沿って走行する。
上記鉱山現場における走行路上には、無人車両(ダンプトラック)以外にも、グレーダおよび散水車などの作業車、エクスカベータなどを搬送する搬送車、オペレータを輸送したり保守作業を行うライトビークルなど各種車両が存在している。
これら各種車両の速度は極端に異なることが多い。グレーダのように作業中の速度が7km/h前後と極端に遅い車両もあれば、ダンプトラック、ライトビークルなどの車両のように高速(50km/h程度)で走行する車両もある。このため速度の高い車両にとって速度の低い車両の存在は、走行の障害となることがある。また車両の前方に故障車両が存在している場合や落石等の障害物が存在している場合にも、走行の障害となる。
このためダンプトラック(無人車両)の前方に、グレーダが存在し、極端に低速で補修作業を行っている場合や、ダンプトラック(無人車両)の前方で故障車両や落石などが発生した場合には、グレーディング作業が終了するまで、あるいは障害物が除去されるまで、ダンプトラックによる搬送作業などを中断せざるを得なかった。搬送作業の中断は作業効率の低下を招く。特に雨の多い季節にはグレーディング作業を頻繁におこなう必要があり作業効率の低下は顕著なものとなる。
そこで従来より無人車両の前方に障害物が存在している場合にこの障害物を障害物センサで検出して検出結果に基づいて障害物を回避する経路を探索してその回避経路を走行させるという発明が、種々特許出願されており既に公知になっている。
たとえば特許文献1には、障害物センサで障害物が発見された場合に、車両の向きを変更させて障害物の存在しない方向を探査し、探査した方向に向かって車両を移動させるという発明が記載されている。
また特許文献2には、障害物が前方に存在していない場合には、路面に設けたガイドに沿って無人車両を走行させ、障害物センサで障害物が検出された場合には、ガイドから外れた迂回経路を設定し、この迂回経路に沿って無人車両を走行させるという発明が記載されている。
しかしこれら従来技術は、屋内のように走行路の距離が短く走行路の走路の路肩などに無人車両が走行できる平坦かつ十分な広さのスペースが確保されることを前提としている。鉱山現場のように走行路の距離が片道数十Kmと長く車両の追い越しなどを行うための平坦かつ十分な広さのスペースを確保することができない屋外作業現場にはそのまま適用することができない。
また、たとえ走行路の両側に平坦な追い越し領域を設けることができたにしても、重量の大きいダンプトラックの場合には路肩が崩れるおそれがある。すなわちダンプトラックは積み荷の状態で重量が200tを超える。このため脆弱で何らメンテナンスされていない路肩を走行する場合にはタイヤがスタックしたり、最悪の場合には路肩の崩壊によって車両が滑落するおそれもある。また路肩の路面の状態を正確にセンシングすることは現実には困難である。
広域の鉱山現場では一般に往復2車線の走行路を造成することが多い。このため前方に障害物が存在している場合にその障害物を追い越して対向車線を走行させることが考えられる。対向する路面はメンテナンスがなされているため路肩のようにメンテナンスが不十分なことに起因するスタック、崩壊などの上記問題は生じない。しかし車両を対向車線上で走行させるようにすると、対向車両と正面衝突する危険が生じる。
ここで対向車線を走行する対向車両が有人車両である場合には、無人車両が対向車線にはみ出すことを事前に予期することができない。このため正面衝突の危険を回避することはできない。また対向車両が無人車両である場合にも、車両に搭載した障害物センサで追い越しを行っている車両の存在を確認してからでは安全な位置で停止することができない。これは障害物センサの有効検出距離に上限があるためである。停止中の障害物については障害物センサで検出してから十分な停止距離をとって安全に停止することができるが、高速で走行中の車両を障害物センサで検出してからでは十分な停止距離を確保して安全に停止することはできない。このため正面衝突の危険を回避することはできない。
以上のように従来技術では、車両を対向車線上で走行させて前方の障害物を回避させようとすると対向車両は十分な停止距離を確保することができず正面衝突を生じるおそれがあった。
さて工場等の屋内を走行する無人車両と異なり、鉱山現場のように屋外を走行する無人車両の走行条件は外部の様々な要因によって変化する。
たとえば車両が走行する走行路上に故障車や落石などの障害物が発生するだけでなく、降雨や霧の発生によって走行路の路面が悪化したり、障害物センサの有効距離が短くなる場合もある。また鉱山現場においては、走行路の路面の舗装状況によって路面の一部だけがぬかるんだり滑りやすくなることもある。
したがってかかる走行路の状態変化などを考慮して安全性を保持できるように車両の位置、速度などの走行条件を変更する必要が生じる。
従来の広域作業現場では、車両の走行条件に変更が生じた場合に、監視局で広域の走行路全体分の走行条件のデータを新たに作成し直し、この作成し直したデータを全ての車両に送信するようにしていた。
特開昭62−88006号公報 特開平9−269828号公報
上記広域の走行路全体の走行条件のデータを全車両に送信しようとすると無線負荷はきわめて大きくなる。そこで一時的に全ての車両を停止させた上でデータを全車両に送信するという手法がとられる。しかし全車両の一時停止は生産効率が低下するという問題を引き起こす。また全車両を一時停止させる手法をとる代わりに上記広域の走行路全体の走行条件のデータを小さいサイズのデータに直して長時間をかけて送信するという手法がとられる。しかし小さいサイズのデータを長時間かけて送信すると、データの変更がすべて完了するまでの時間遅れが多大なものとなる。このためデータ変更の遅れによって車両間で干渉が生じるなどの安全上の問題を引き起こす。
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、走行条件の設定、変更があった場合に、全車両停止による生産効率の低下という問題を招来することなく、しかもデータ変更の遅れによる安全上の問題を招来することなく、迅速にデータを送信できるようにすることを第1の解決課題とするものである。
ところで無人車両の走行路を横切るように、有人車両の走行路が一時的に設けられる場合がある。この場合無人車両をその一時的に設けられた走行路の手前で一時的に停止させる必要がある。しかしこの場合にも監視局で広域の走行路全体分の走行条件のデータを新たに作成し直し、この作成し直したデータを全ての車両に送信するようにしていた。
このため上述したように全車両停止による生産効率の低下という問題が生じたり、データ変更の遅れによる安全上の問題が生じたりしていた。
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、車両を一時停止させる必要が生じた場合に、全車両停止による生産効率の低下という問題を招来することなく、しかもデータ変更の遅れによる安全上の問題を招来することなく、迅速にデータを送信できるようにすることを第2の解決課題とするものである。
そこで本発明の第1発明は、上記第1の解決課題を達成するために、
車両が走行する走行路の走行条件を監視局で設定し前記監視局から前記車両に対して前記走行条件に応じた走行指令を与える車両の走行管制装置において、
前記走行路の一部の区間における上限速度を設定する上限速度設定手段と、
前記一部の区間に対応づけて前記設定された上限速度を含む走行条件を、前記車両に対して走行指令として与える指令手段を具え、
前記車両は、
前記指令手段から走行指令が与えられた場合に、前記一部の区間では、前記上限速度を超えない速度で前記走行路を走行すること
を特徴とする。
上記第1発明を図4に対応させて説明する。
すなわち第1発明によれば、走行路の一部の区間47における上限速度が設定される。そして一部の区間47に対応づけて設定された上限速度を含む走行条件が、車両に対して走行指令として与えられる。車両は走行指令が与えられた場合に、一部の区間47では、上限速度を超えない速度で走行路を走行する。
このように第1発明によれば走行路全区間の走行条件を新たに作成し直すことなく、一部の区間47に対応づけられた走行条件を新たに作成して走行指令として与えるだけでよいので、データの送信負荷は最小となる。このため走行条件の設定があった場合に、全車両停止による生産効率の低下という問題を招来することなく、しかもデータ変更の遅れによる安全上の問題を招来することなく、迅速にデータを送信できるようになる。
また本発明の第2発明は、
車両が走行する走行路の走行条件を監視局で変更し前記監視局から前記車両に対して前記変更された走行条件に応じた走行指令を与える車両の走行管制装置において、
前記走行路の一部の区間における走行速度を変更する走行速度変更手段と、
前記一部の区間に対応づけて前記変更された走行速度を含む走行条件を、前記車両に対して走行指令として与える指令手段とを具え、
前記車両は、
前記指令手段から走行指令が与えられた場合に、前記一部の区間では、前記変更された走行速度で前記走行路を走行すること
を特徴とする。
上記第2発明を図4に対応させて説明する。
すなわち第2発明によれば、走行路の一部の区間47における走行速度が変更される。そして一部の区間47に対応づけて変更された走行速度を含む走行条件が、車両に対して走行指令として与えられる。車両は、走行指令が与えられた場合に、一部の区間47では、変更された走行速度で走行路を走行する。
このように第2発明によれば走行路全区間の走行条件を新たに作成し直すことなく、一部の区間47に対応づけられた走行条件を新たに作成して走行指令として与えるだけでよいので、データの送信負荷は最小となる。このため走行条件の変更があった場合に、全車両停止による生産効率の低下という問題を招来することなく、しかもデータ変更の遅れによる安全上の問題を招来することなく、迅速にデータを送信できるようになる。
また本発明の第3発明は、
車両の進行方向に対して横方向に作用する横方向加速度に応じて前記車両がスリップする走行路に適用され、前記車両が走行する走行路の走行条件を監視局で設定し前記監視局から前記車両に対して前記走行条件に応じた走行指令を与える車両の走行管制装置において、
前記走行路の一部の区間における横方向加速度の上限値を設定する横方向加速度設定手段と、
前記一部の区間に対応づけて前記横方向加速度に対応する上限速度を含む走行条件を、前記車両に対して走行指令として与える指令手段とを具え、
前記車両は、
前記指令手段から走行指令が与えられた場合に、前記一部の区間では、前記上限速度を超えない速度で前記走行路を走行すること
を特徴とする。
上記第3発明を図4に対応させて説明する。
すなわち第3発明によれば、走行路の一部の区間47における横方向加速度の上限値が設定される。そして一部の区間47に対応づけて横方向加速度に対応する上限速度を含む走行条件が、車両に対して走行指令として与えられる。車両は、走行指令が与えられた場合に、一部の区間47では、上限速度を超えない速度で走行路を走行する。
このように第3発明によれば走行路全区間の走行条件を新たに作成し直すことなく、一部の区間47に対応づけられた走行条件を新たに作成して走行指令として与えるだけでよいので、データの送信負荷は最小となる。このため走行条件の設定があった場合に、全車両停止による生産効率の低下という問題を招来することなく、しかもデータ変更の遅れによる安全上の問題を招来することなく、迅速にデータを送信できるようになる。
また本発明の第4発明は、上記第2の解決課題を達成するために、
車両が走行する走行路の走行条件を監視局で設定し前記監視局から前記車両に対して前記走行条件に応じた走行指令を与える車両の走行管制装置において、
前記車両が走行を停止すべき停止地点を、前記走行路上の一地点に設定する停止地点設定手段と、
前記停止地点を含む走行条件を、前記車両に対して走行指令として与える指令手段を具え、
前記車両は、前記指令手段から走行指令が与えられた場合に、前記停止地点では、走行を停止すること
を特徴とする。
上記第4発明を図4に対応させて説明する。
すなわち第4発明によれば、車両が走行を停止すべき停止地点が、走行路上の一地点49に設定される。そして停止地点49を含む走行条件が、車両に対して走行指令として与えられる。車両は、走行指令が与えられた場合に、停止地点49では、走行を停止する。
このように第4発明によれば走行路全区間の走行条件を新たに作成し直すことなく、一地点49に対応づけられた走行条件を新たに作成して走行指令として与えるだけでよいので、データの送信負荷は最小となる。このため車両を一時停止させる必要が生じた場合に、全車両停止による生産効率の低下という問題を招来することなく、しかもデータ変更の遅れによる安全上の問題を招来することなく、迅速にデータを送信できるようになる。
また本発明の第5発明は、上記第1発明から第4発明において、
前記車両は、
前記指令手段から走行指令が与えられた場合に、前記一部の区間において指令された走行速度になるように、または前記停止地点で走行停止されるように、走行速度を徐々に減速すること
を特徴とする。
すなわち第5発明によれば、車両は走行指令が与えられた場合に、一部の区間47において指令された走行速度になるまで走行速度を徐々に減速する。また停止地点49で走行停止されるまで走行速度を徐々に減速する。このため車両が急減速により不安定な走行状態になり横転等することが防止される。
以下図面を参照して、この発明に係る車両の走行管制装置の実施の形態について説明する。
実施形態の車両走行管制システムは、監視局30が無人車両10および有人車両20を管制するように構成されている。なお本実施形態ではダンプトラックで代表される無人車両10、有人車両20が広域の作業現場(鉱山現場など)に複数台存在し鉱石等の積み荷を搬送する作業を行う場合を想定している。広域作業現場には、無人車両10、有人車両20が走行する往復2車線の走行路が設けられている。
図1は実施形態の無人車両10の構成を示す機能ブロック図である。また図2は実施形態の有人車両20の構成を示す機能ブロック図である。また図3は実施形態の監視局30の構成を示す機能ブロック図である。
図1に示すように無人車両10は、通信装置11と、位置計測装置12と、障害物検知センサ13と、上位コントローラ14と、下位コントローラ15とから構成されている。また図2に示すように、有人車両20は、通信装置11と、位置計測装置12と、車両制御装置21と、表示装置22とからなる。各車両10、20は、位置計測装置12で計測された自車両の位置、速度およびその他の走行状態を定期的に、また走行路上の予め定められた位置を通過するごとに監視局30に通信装置11を介して報告する。
すなわち通信装置11は、低速ではあるが広範囲で通信を行うことができる無線チャンネル1と、高速でかつ局所的範囲で通信を行うことができる無線チャンネル2という2つの無線チャンネルとからなる。したがって無線チャンネル1を用いることにより監視局30との間で通信を行うことができる。また無線チャンネル2を用いることにより車両相互間で通信を行うことができる。
位置計測装置12には、GPSによる位置計測装置が設けられている。GPSではGPS衛星から送信される電波を受信することにより車両10、20の現在位置が計測される。また車両10、20の前輪の回転数を計測する前輪回転数計測装置、車両10、20の後輪の回転数を計測する後輪回転数計測装置、車両10、20の方位を計測するジャイロ(例えば光ファイバジャイロ)が設けられている。上記前輪および後輪の回転数計測装置で計測された車輪回転数と、上記ジャイロで計測された車両方位とに基づいて自車両10、20の現在位置が計測される。また現在位置を逐次計測することにより車両10、20の現在速度vが計測される。
上位コントローラ14および下位コントローラ15は、走行路に沿って自車両10を走行させる制御を行うコントローラである。
上位コントローラ14は、自車両10が走行すべき走行路を点列データ(コースデータ)として記憶するコースデータ記憶装置14aを有している。すなわち走行路は当該走行路上の各点P1、P2、…Pnを示す点列で表現される。そして各点P1、P2、…Pnにそれぞれ、X−Y座標位置(X、Y)、車両10の方向角θ、車両10の走行速度vが対応づけられてコースデータP1(X1、Y1、θ1、v1)、P2(X2、Y2、θ2、v2)、…Pn(Xn、Yn、θn、vn)が構成されている。障害物検知センサ13は、無人車両10の走行路上の障害物を検出するセンサである。
また上位コントローラ14は、外部との無線通信を行う。また上位コントローラ14には過去に監視局30から指令された一定量のコースデータが保持されている。そして上位コントローラ14は監視局30から指令された目標位置および走行経路に従ってコースデータを選択する。
また上位コントローラ14が指令された走行経路に対応するコースデータを保持していない場合や、保持するコースデータのチェックサムが指示された内容と異なる場合には、上位コントローラ14は、コースデータの送信を監視局30に対して要求する。
上位コントローラ14は、車両10の現在位置およびコースデータに基づいて、指示された許可領域内で所定の距離(約200m)だけ走行して停止する走行データを作成する。この走行データは、現在位置の変化にしたがって定期的(1秒ごと)に作成され、車内LAN(ローカルエリアネットワーク)を経由して下位コントローラ15に伝達される。監視局30より許可領域が指示し直されない場合、この走行データは最終的には許可領域の終端まで移動して停車するデータとなる。
下位コントローラ15は、上記走行データに基づいてステアリング、アクセルおよびブレーキを制御して車両10の走行を制御する。無人車両10の車両制御装置21では下位コントローラ15によってステアリング角度、ブレーキ、トランスミッションおよびエンジン回転数などが駆動制御される。有人車両20の車両制御装置21ではオペレータの操作に応じてブレーキ、エンジン回転数などが駆動制御される。また下位コントローラ15は、この走行データと車両10の現在位置、現在方向および傾きのデータとに基づいて、障害物検知センサ13によって検出された障害物が走行路上にあるか否かを判定する。
有人車両20の表示装置22には、有人車両20の現在位置、現在速度が表示される。
一方、監視局30は、図3に示すように、通信装置11と、記憶装置12と、記憶装置31と、行き先・経路設定部32と、走行許可領域設定部33と、作業中領域設定部/追い越し設定部34と、走行条件設定部35と、グラフィックコンソール36とからなる。
記憶装置31には、各積み込み機のサイクルタイム(積み込み機が1台の車両にかかる積み込み作業時間)、作動状況、積み込み中の鉱石の成分と、各ホッパ(鉱石処理施設)の時間当たりの処理能力、作動状況、処理中の鉱石の成分、ストックヤードの鉱石の成分、ストックヤードの許容容量、管理している各有人/無人ダンプトラック10、20の現在位置、作動状況、積み荷の有無、積み荷の内容などが記憶されている。
行き先・経路設定部32は、記憶装置31に記憶された各積み込み機のサイクルタイム(積み込み機が1台の車両にかかる積み込み作業時間)、作動状況、積み込み中の鉱石の成分と、各ホッパ(鉱石処理施設)の時間当たりの処理能力、作動状況、処理中の鉱石の成分、ストックヤードの鉱石の成分、ストックヤードの許容容量、管理している各有人/無人ダンプトラック10、20の現在位置、作動状況、積み荷の有無、積み荷の内容に応じて、各車両の行き先(目的位置)と、走行路の混み具合を考慮してその行き先まで最短時間で移動できる走行経路を作成し、対応する車両10、20に対して指令する。
走行許可領域設定部33では、各車両の干渉を回避するため、各車両に対して、他の車両と干渉せずに走行することができる領域を走行許可領域として指示される。この走行許可領域は、車両の移動にしたがって随時計算され各車両に対して指示される。
作業中領域設定部/追い越し設定部34では、走行路上で障害物、故障車両、低速車両などが障害物検知センサ13で検出された場合またはグラフィックコンソール36で設定された場合に、走行路上に作業中領域Eが設定される(図6(a)参照)。さらに設定された作業中領域Eを車両10、20が追い越すことができるように、追い越しコースが設定される(図6(a)参照)。
走行条件設定部35では、無人車両10および有人車両20の走行条件が設定される。ここで走行条件とは上限速度、速度オーバーライト比率、上限横加速度値、一時停止などである。
グラフィックコンソール36では、上記作業中領域Eおよび上記走行条件が設定される。グラフィックコンソール36で設定された内容は表示画面に表示される。
図4はグラフィックコンソール36の表示画面の表示例を示す図である。
図4において、黒塗りの正三角形40は荷が積み込まれた状態の無人車両10(無人ダンプ)を示し、白抜きの正三角形41は空荷の状態の無人ダンプ10を示し、白抜きの直角三角形42は有人車両20を示し、六角形43はエクスカベータを示し、五角形44はホイールローダを示し、上辺の長い台形45はホッパを示し、長方形46はストックヤード(仮置き場)を示している。
オペレータはグラフィックコンソール36上で任意の範囲を設定してその範囲の走行条件を変更することができる。
すなわちオペレータが対角線上の2点A、Bをマウスによって指示することにより、図中に破線で示した条件設定範囲47が設定される。さらに条件設定範囲47内における上限速度、速度オーバーライト比率、上限横加速度値が指示、設定される。
速度オーバライト比率とはコースデータP1(X1、Y1、θ1、v1)、P2(X2、Y2、θ2、v2)、…Pn(Xn、Yn、θn、vn)の速度v(無人車両10の場合)または現在の走行速度v(有人車両20の場合)を変更する比率のことである。現在の速度vに対する比率が設定され、現在の速度vに、この設定比率を乗算することにより現在の速度vが変更される。横加速度値とは車両10、20がスリップしないように指示、設定される車両10、20の進行方向に対する横(左右)方向の加速度のことである。横加速度は数値で指示することが可能である。また予め設定した3つの天候状態(好天、雨、どしゃ降り)にそれぞれ横方向加速度を対応づけておき、天候状態を選択することにより横方向加速度を設定してもよい。
また走行路上の2点48、49が順次指示されることにより車両10、20の一時停止位置および一時停止の方向が設定される。すなわち両点48、49を結ぶ方向50に進行し最初に指示された点48の近傍を通過し、次に指示された2点目49で車両10、20が一時停止されるという走行条件が設定される。
監視局30は、走行条件のタイプ(上限速度、速度オーバーライト比率、上限横加速度、一時停止)と条件設定範囲47と設定値とが指示されると、条件設定範囲47と設定値とを、上限速度指令、速度オーバーライト指令、上限横加速度指令、一時停止指令として、無人車両10および有人車両20に対して通信装置11を介して送信する。
以下具体的に監視局30から無人車両10に対して、上限速度指令、速度オーバーライト指令、上限横加速度指令、一時停止指令の各指令が送信された場合の処理について説明する。
無人車両10の通信装置11で上記各指令が受信されると、上位コントローラ14では、これら各指令に基づいて走行データが作成される。
すなわち条件設定範囲47内の速度データが、指令内容に応じて変更される。また条件設定範囲47の入口で指令された走行速度になるまで走行速度が徐々に減速されるように、条件設定範囲47の手前の速度データが変更される。一時停止指令の場合には停止地点49で走行停止されるように速度データが変更される。また停止地点49で走行停止されるまで走行速度が徐々に減速されるように、一時停止地点49の手前の速度データが変更される。
これら変更された速度データvnewがコースデータP1(X1、Y1、θ1、v1)、P2(X2、Y2、θ2、v2)、…Pn(Xn、Yn、θn、vn)とは別にコースデータ記憶装置14aに記憶される。最終的に、変更された速度データvnewによってコースデータP1(X1、Y1、θ1、v1)、P2(X2、Y2、θ2、v2)、…Pn(Xn、Yn、θn、vn)の速度データvが更新される。
上位コントローラ14では、コースデータ記憶装置14aに記憶されたコースデータと変更した速度データvnewとが読み出され、走行データが作成される。そして上位コントローラ14から下位コントローラ15に走行データが伝達され、車両10の走行が制御される。
以下上限速度指令、速度オーバーライト指令、上限横加速度指令、一時停止指令の各指令が送信された場合の処理について個別に説明する。
・上限速度指令上限速度指令が与えられると、上位コントローラ14は、条件設定範囲47内のコースデータP(X、Y、v)の速度vと上限速度値vuとを比較し、コースデータP(X、Y、v)の速度vが上限速度vuよりも高ければ、上限速度vuを新たな速度vnewとする。一方上位コントローラ14はコースデータP(X、Y、v)の速度vが上限速度vu以下であればコースデータP(X、Y、v)の速度vを新たな速度vnewとする。このよう変更された速度データvnewに従い走行データが作成される。
・速度オーバーライト指令上記速度オーバーライト指令が与えられると、上位コントローラ14は下記(1)式の演算を行い、条件設定範囲47内のコースデータP(X、Y、v)の速度vにオーバーライト比率αを乗じた速度を新たな速度vnewとする。
vnew=v・α …(1)
このよう変更された速度データvnewに従い走行データが作成される。
・上限横加速度指令上限横加速度指令が与えられると、上位コントローラ14は上限横加速度値に対応する上限速度を演算する。この上限速度が新たな速度vnewとされる。
上限速度vnewの演算処理内容について図5を参照して説明する。
図5において走行路上の点をSpとし、走行路上のつぎの点をMpとする。
まず走行路上の点Spとその方位角とに基づいて、点Spで車両10の向きに直角で、かつつぎの点Mpの側を向く基準ベクトルsvが求められる。
次に基準ベクトルsvと、走行路上の点Spと、次の点Mpとに基づいて、下記(2)式を用いて車両10の旋回半径rが求められる。
r=|Mp−Sp|2/2(Mp−Sp、sv)…(2)
従って車両10の横加速度gdataは、速度vと旋回半径rとを用いて下記(3)式から求められる。
gdata=v2/2r…(3)
上記(3)式で得られた横加速度gdataが上限横加速度値gmaxよりも大きい場合には、上限横加速度値gmax に対応する新たな速度vnewが下記(4)式から求められる。
vnew=√(2rgmax)…(4)
また(3)式で得られた横加速度gdataが上限横加速度gmax以下の場合には、条件設定範囲47内のコースデータP(X、Y、v)の速度vが新たな速度vnewとされる。
このよう変更された速度データvnewを上限速度として走行データが作成される。
つぎに条件設定範囲47の入口で、上記変更された速度vnewになるように徐々に減速する制御の内容について説明する。
図8に示すように条件設定範囲47の手前の点Piにおける速度をvnewとし、条件設定範囲47の入口の点P0における速度をv0とする。点Piと点P0との間の距離をS、減速度をaとすると、条件設定範囲47の手前の点Piにおける速度vnewは下記(5)式から求められる。
vnew=√(Sa+v02)…(5)
なお条件設定範囲47の手前のコースデータPi(Xi、Yi、vi)の速度viが、上記(5)式で求められた速度vnewよりも小さい場合には、コースデータPi(Xi、Yi、vi)の速度viがvnewとされる。
こうして条件設定範囲47の手前の各点Piにおける速度データvnewが求められる。
条件設定範囲47の手前の各点Piの速度データvnewを求める場合について説明したが、一時停止地点49で一時停止する場合にも同様にして一時停止点49の手前の各点Piの速度データvnewが求められる。
以上のようにした新たに求められた速度データvnewによって、コースデータP1(X1、Y1、θ1、v1)、P2(X2、Y2、θ2、v2)、…Pn(Xn、Yn、θn、vn)の速度データvが書き換えられる。
そして上記新たに書き換えられたコースデータに従って車両10は走行制御される。具体的には走行路の一部の区間(条件設定範囲)47の入口で、変更された走行速度v0になるまで走行速度が減速度aをもって徐々に減速される。そして車両10が走行路の一部の区間47の入口に入るとこの一部の区間47を上記変更された走行速度v0で走行する。
あるいは車両10は一時停止地点49で走行停止されるまで走行速度が減速度aをもって徐々に減速される。そして車両10は一時停止地点49で走行を停止する。
このように車両10は徐々に減速されるので、急減速により後輪がスリップする等するなど不安定な走行状態になることが回避され、横転等されることが防止される。
また本実施形態によれば、走行路全区間の走行条件を新たに作成し直すことなく、一部の区間47に対応づけられた走行条件を新たに作成して走行指令として与えるだけでよいので、データの送信負荷は最小となる。このため走行条件の設定、変更があった場合に、全車両停止による生産効率の低下という問題を招来することなく、しかもデータ変更の遅れによる安全上の問題を招来することなく、迅速にデータを送信できるようになる。
なお上記実施形態では、上限速度指令、速度オーバーライト指令、上限横加速度指令、一時停止指令といった各指令が重複しない場合を想定したが、指令が重複した場合にはそれぞれの場合について上記演算処理を行い、その中で最も小さくなる速度を新たな速度vnewとすればよい。
つぎに車両10を対向車線上で走行させて前方の障害物を回避させる場合に正面衝突を生じるおそれなく安全に走行できる実施形態について説明する。
監視局30は、下記5つの追い越し必要条件のいずれかが満たされた場合に車両10に対して追い越し動作をするように指令を与える。すなわち、
(イ)車両10の進行方向の走行路上に自車両10の障害物センサ13にて障害物が発見され、いまだ除去されていない場合
(ロ)車両10の進行方向の走行路上に他車両の障害物センサ13にてまたは有人車両20のオペレータによる目視にて障害物が発見され、いまだ除去されていない場合
(ハ)車両10の進行方向の走行路上に、故障車両がある場合
(ニ)車両10の進行方向の走行路上に作業エリアが設定されている場合
(ホ)車両10の進行方向の走行路上にグレーダなど自車両10よりも遅い低速車両が存在する場合
ここで走行路上で障害物、故障車両が障害物検知センサ13で検出され、それら障害物、故障車両の検出位置が記憶装置31に記憶されると、それら障害物、故障車両の存在している領域が、監視局30の作業中領域設定部34に作業中領域として設定される。これにより上記条件(イ)、(ロ)、(ハ)が満たされる。なお設定された作業中領域は監視局30のオペレータがグラフィックコンソール36上で指示することにより変更することもできる。
また監視局30のオペレータがグラフィックコンソール36上で、グレーダが路面を整備すべき作業エリアを指示することにより、監視局30の作業中領域設定部34に作業中領域が設定される。これにより上記条件(ニ)が満たされる。
また走行路上の各車両の位置が監視局30に報告され、それら各車両の位置が記憶装置31に記憶されると、グレーダなどの低速車両が存在している領域が、監視局30の作業中領域設定部34に作業中領域として設定される。これにより上記条件(ホ)が満たされる。
上記条件(イ)〜(ニ)のいずれかが満たされた場合には、監視局30の追い越し設定部34で、作業中領域(障害物、故障車両、作業エリア)が車両10にとっての進入禁止領域Eとして設定され、この進入禁止領域Eを回避するように追い越しコースKが作成される。
すなわち図6(a)に示すように、車両10の前方の進入禁止領域Eの長さをaとし、対向車線から元の車線に戻るのに必要な長さをbとし、現在の車線上で現在位置から前方の進入禁止領域Eまでの距離をcとすると、下記(6)式より追い越し動作に必要な走行距離Lが求められる。
L=a+b+c…(6)
この走行距離L分の長さの追い越しコースKが監視局30の追い越し設定部34で作成される。
また条件(ホ)が満たされた場合にも、同様に監視局30の追い越し設定部34で、作業中領域(低速車両)が車両10にとっての進入禁止領域Eとして設定され、この進入禁止領域Eの低速車両を追い越すように追い越しコースKが設定される。
すなわち図6(b)に示すように、自車両(無人車両10)Jmの速度をvmyとし、自車両Jmが車線変更に要する距離+追い越される低速車両Jsとの距離+余裕をLcとし(但し、「自車両Jmが車線変更に要する距離>追い越される低速車両Jsとの距離」とする)、追い越される低速車両Jsの速度をvslowとし、対向車両Jtが安全に停止できる距離をLsafeとし、追い越しに必要な時間をtとすると、下記(7)式の関係が成立する。
vslow×t+Lc=vmy×t…(6)
従って追い越しに必要な時間tは、下記(8)式より、
t=Lc/(vmy−vslow)…(8)
と求められる。よって追い越し動作に必要な距離Lは、下記(9)式より、
L=Lc×vmy/(vmy−vslow)…(9)
と求められる。なお追い越し動作に必要な距離Lには、通信による遅れ時間を余裕として加えることが望ましい。この走行距離L分の長さの追い越しコースKが監視局30の追い越し設定部34で作成される。
監視局30は、つぎの3つの追い越し動作可能条件が同時に満たされるときに自車両Jmに対して追い越し動作を行うように指令を与える。すなわち、
(a)自車両Jmが車線変更に要する距離<追い越される低速車両Jsとの距離の場合
(b)追い越しの対象物Jsと一定距離内にある場合
(c)追い越される低速車両Jsの現在位置から、L+Lsafeの対向車線内に対向車両Jtおよび交差点が存在しない場合
上記(a)〜(c)の条件が同時に満たされたときに、監視局30は、まず追い越される低速車両Jsに対して、現在速度vslowを上限速度として走行せよとの指令を送信する。そして上記Lの区間(自車両10が走行する対向車線の一部の区間)を取り除いた新たな走行許可領域を走行許可領域設定部33で作成して、この新たな走行許可領域を走行せよとの指令を、対向車線を走行している対向車両Jtに対して送信する。
対向車両Jtと追い越される低速車両Jsは、監視局30からの指令を受信すると、指令内容の実行可能性を判定する。そして判定結果を受信応答として監視局30に対して返信する。監視局30の追い越し設定部34では、監視局30に返信された対向車両Jt、低速車両Jsからの受信応答に基づいて、自車両Jmの追い越しコースKを作成する。監視局30は、この追い越しコースKに沿って走行せよとの追い越し指令を自車両Jmに対して送信する。この結果自車両Jmは追い越しコースKに沿って走行し、前方の低速車両Jsを追い越して対向車線を一時的に走行し再度元の車線に戻る。
追い越しを行った自車両Jmは、追い越しコースKを走行後、追い越し完了信号を監視局30に送信し、走行を継続する。この追い越し完了信号を受信した監視局30は、走行許可領域設定部33で、先に取り除いた上記Lの区間(自車両10が走行する対向車線の一部の区間)を付け加えた新たな走行許可領域を作成し、この新たな走行許可領域を走行せよとの指令を、対向車線を走行している対向車両Jtに対して送信する。
以下監視局30で行われる処理の手順について図7に示すフローチャートを参照して説明する。
同図7に示すように、追い越し必要条件(イ)〜(ホ)のいずれかを満たすか否かが判断される(ステップ701)。
上記追い越し必要条件(イ)〜(ホ)のいずれかを満たす場合には(ステップ701の判断yes)、自車両Jmの前方に低速車両Jsが存在している場合なので、つぎに追い越し動作に必要な距離Lが求められる(ステップ702)。
一方上記追い越し必要条件(イ)〜(ホ)のいずれも満たしていない場合には(ステップ701の判断no)、現在自車両Jmの前方に低速車両Jsが存在していない場合なので、再び上記追い越し必要条件(イ)〜(ホ)を満たすか否かが判断される。
さらに上記追い越し動作可能条件(a)〜(c)を同時に満たすか否かが判断される(ステップ703)。
この結果上記追い越し動作可能条件(a)〜(c)を満たさない場合には(ステップ703の判断no)、手順は最初のステップ701に移行される。
一方上記追い越し動作可能条件(a)〜(c)を同時に満たす場合には(ステップ703の判断yes)、追い越されるべき低速車両Jsに対して、現在速度vslowを上限とした上限速度指令が送信される。これにより低速車両Jsは速度を上げることなく低速でそのまま走行を続けることができる(ステップ704)。
つぎに走行許可領域設定部33では、対向車両Jtの走行許可領域から、距離Lの区間を取り除いた新たな走行許可領域が作成され、この新たな走行許可領域を走行する旨の指令が監視局30から対向車両Jtに対して送信される。このため対向車両Jtは、自車両Jmが走行する対向車線の一部の区間Lに入ることなく走行することができる(ステップ705)。
つぎに低速車両Jsおよび対向車両Jtにそれぞれ指令を与えてから一定時間内に、監視局30で低速車両Jsと対向車両Jtからの受信応答が受信されたか否かが判断される(ステップ706)。
この結果監視局30で受信応答を受信していないと判断された場合には(ステップ706の判断no)、下記ステップ709に移行される。
一方監視局30で受信応答を受信したと判断された場合には(ステップ706の判断yes)、追い越しコースKを追い越し設定部34で作成して、自車両Jmに対してこの追い越しコースKを走行して追い越し動作を行う旨の追い越し指令が送信される。これにより自車両Jmは追い越しコースKに沿って走行し、前方の低速車両Jsを追い越して対向車線を一時的に走行し再度元の車線に戻る。この際対向車両Jtは、自車両Jmが走行する対向車線の一部の区間Lに入ることなく走行することができる。このため自車両Jmが対向車線を走行するときに対向車両Jtと正面衝突してしまうという危険が回避される(ステップ707)。
つぎに自車両Jmからの追い越し完了信号が監視局30で受信されたか否かが判断される(ステップ708)。
自車両Jmからの追い越し完了信号が監視局30で受信された場合(ステップ708の判断yes)には、走行許可領域設定部33で、対向車両Jtの走行許可領域に対して先に取り除かれた距離Lで示される区間が付け加えられ、新たな走行許可領域が作成される。この新たな走行許可領域が対向車両Jt に対して送信される。この結果対向車両Jtは、自車両Jmとすれ違って継続して走行することができる(ステップ709)。
一方自車両Jmからの追い越し完了信号が監視局30で受信されなかった場合(ステップ708の判断no)には、手順はステップ708に戻り、再び追い越し完了信号が受信されたか否かが判断される。
以上のように本実施形態によれば、往復2車線のうち一方の車線を走行する一方の車両Jmの前方に進入禁止領域E(障害物、故障車両、低速車両Js)を設定し、一方の車両Jmに対して、進入禁止領域Eを回避して一方の車線に対向する対向車線の一部の区間Lを走行させるようにするとともに、対向車線を走行する対向車両Jtに対しては、一部の区間Lへの進入を禁止して走行させるようにしたので、一方の車両Jmが前方の進入禁止領域Eを回避して対向車線を走行する場合であっても、一方の車両Jmとこれに対向する車両Jtとが正面衝突するおそれなく安全に走行することができる。
なお本実施形態では、追い越されるべき低速車両Jsがほぼ現在速度を維持して走行する場合を想定している。しかし安全のために低速車両Jsを一時停止させたり減速させるようにしてもよい。
また本実施形態では、車両の相互間隔が1kmを超える程度の通常の鉱山のオペレーションを前提としている。このため通常の作業環境では、片側車線に待機車両が生じることはない。しかし車両の密度によって待機車両が生じることもあり得る。この場合には、その待ち行列の台数、作業の優先順位に応じて待機車両に優先順位を付与することができる。
さらに2車線のうちで一方の車線の車両のみに追い越し動作を行わせると、対向車線の車両が走行できなくなってしまうおそれがある。そこで、車線毎に車両が追い越し動作を行うべき時間を定めておき、各車線を走行する車両に対して、交互に追い越し動作を行わせるようにしてもよい。いずれの場合でも監視局30では、対向車線を走行する車両Jtの走行経路と、追い越し中の自車両Jmの走行経路とが干渉しないように管制制御される。
また実施形態では、図3に示すように、監視局30を車両10、20とは別体に設けている。しかし監視局30の機能を無人車両10内に設けるようにしてもよい。この場合無人車両10と外部の監視局30との間で無線通信を行う通信装置は不要となる。車両相互間で無線通信を行うことができる通信装置を設けるだけでよい。
図1は、実施形態の無人車両の構成を示す機能ブロック図である。 図2は、実施形態の有人車両の構成を示す機能ブロック図である。 図3は、実施形態の監視局の構成を示す機能ブロック図である。 図4は、グラフィックコンソールの表示画面における表示例を示す図である。 図5は、横加速度指令を説明するための説明図である。 図6(a)、(b)は、実施形態の追い越し動作を説明するための説明図である。 図7は、実施形態の追い越し動作の手順を示すフローチャートである。 図8は、減速制御の内容を説明する図である。
符号の説明
10…無人車両
11…有人車両
30…監視局
34…作業中領域設定部/追い越し設定部
35…走行条件設定部
36…グラフィックコンソール

Claims (3)

  1. 監視局から対面通行する各車両に対して走行指令を与えるようにした車両の管制装置において、
    監視局と各車両とは、通信装置によって送受信可能に接続されており、
    各車両のうち無人車両には、走行指令を受信すると走行指令にしたがい走行を制御する走行制御装置が設けられており、
    監視局には、
    前記無人車両と同一車線前方の追い越しを受ける車両が存在し得る領域を、当該無人車両の進入禁止領域として設定する進入禁止領域設定手段と、
    前記無人車両が対向車線を通って前記進入禁止領域を回避する追い越しコースを設定する追い越しコース設定手段と
    が設けられ、
    監視局から通信装置を介して、前記無人車両に対して追い越しコースを走行する旨の走行指令が送信されるとともに、前記無人車両と同一車線前方の追い越しを受ける車両に対して現在速度を維持して走行する旨あるいは一時停止する旨あるいは減速する旨の走行指令が送信されること
    を特徴とする車両の管制装置。
  2. 前記無人車両の対向車線内の領域であって当該無人車両が走行する対向車線の一部の区間を取り除いた領域を、前記無人車両の対向車線を走行する対向車両に対して走行を許可する走行許可領域として設定する走行許可領域設定手段が監視局に設けられ、
    監視局から通信装置を介して、前記対向車両に対して前記走行許可領域を走行する旨の走行指令が送信されること
    を特徴とする請求項1記載の車両の管制装置。
  3. 前記無人車両が追い越しコースの走行を完了すると、監視局から通信装置を介して、前記対向車両に対して、前記無人車両が走行した対向車線の前記一部の区間が付加された領域を、新たな走行許可領域とする走行指令が送信されること
    を特徴とする請求項2記載の車両の管制装置。
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