JP4604324B2 - 液晶モニター用反射板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶モニター用反射光拡散フィルムに関し、詳しくは据え置き型コンピュ−タ用の液晶モニターや液晶テレビ等のバックライト機構を有する液晶表示装置の部材として使用される反射光拡散フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、据え置き型コンピュ−タ用の表示装置として、陰極線管を用いた表示装置から薄型でしかも省電力化に適したバックライト機構を有する液晶表示装置に移り変わりつつある。このようなバックライトには、透光性の導光板の一端部に、蛍光管のような線状光源を併設するエッジライト方式がよく用いられる。このようなエッジライト方式の場合には、導光板の一方の広い面に光拡散物質を部分的に被覆し、その面の全面を反射材で覆うように配置されたものが多い。 特に、コンピューター用液晶表示装置では、アルミニウム製シートまたは基材上にアルミニウム薄膜を設けた反射板が多用されている。しかしながら、アルミニウムなどの金属の表面は反射指向性が強く、液晶表示装置に組み込んだ場合に輝度斑が発生しやすいという問題があった。
【0003】
一方、特公平8−16175号公報に記載されているような白色ポリステルフィルムも用いられているが、前記公報に記載の反射板用白色フィルムは微細な空洞を多数有しており、反射指向性が比較的小さいという特徴を有する。しかしながら、据え置き型コンピューター用液晶表示装置に用いた場合、空洞含有白色フィルム内部での光の吸収が大きく、十分な反射性能が得られないと言う問題があった。
【0004】
また、反射シートにおいては、前述の線状光源から発せられる光を均一に導光板へ反射することが要求されるが、線状光源近傍が局所的に明るくなる、一般に輝線と呼ばれる現象が発生する。近年、この輝線を解消するために、反射フィルム上の輝線が発生する位置に黒いインキで印刷層を設ける方法が採用されている。
【0005】
印刷層に用いられるインキとして、酸化重合型インキやUV硬化型インキが一般的に用いられる。しかしながら、一般にポリエステルフィルムは、概して酸化重合型インキやUV硬化型インキとの接着性が悪く、前述の空洞含有白色ポリステルフィルムにおいても、液晶表示装置使用中に輝線防止印刷層が剥がれ落ち、輝線が発生するという問題もあった。
【0006】
すなわち、本発明の第1の目的は、前記従来の問題点を解決し、背面に配せられたアルミニウム製シートの高い反射率を利用し、反射率に優れ、かつ反射指向性が小さい液晶モニター用反射光拡散フィルムを提供することにある。さらに、第2の目的は輝線の発生を防止する印刷層との密着性にすぐれた液晶モニター用反射光拡散フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、前記課題を解決することができた空洞含有ポリエステル系積層フィルムとは、以下の通りである。
【0008】
本発明の第1の発明は、微細な空洞を多数含有するポリエステル系樹脂フィルム背面にアルミニウム製シートを配した反射板であって、前記ポリエステル系樹脂フィルムの粒子含有量がフィルム全体で1重量%以下であり、前記ポリエステル系樹脂フィルムには少なくともポリエステル樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂(b1)と、ポリエステル樹脂および前記熱可塑性樹脂(b1)の両方に非相溶な熱可塑性樹脂(b2)を含有し、前記ポリエステル系樹脂フィルム中の前記熱可塑性樹脂(b1)および前記熱可塑性樹脂(b2)の樹脂物全量中に占める比率が3重量%以上40重量%未満であり、前記熱可塑性樹脂(b2)は前記熱可塑性樹脂(b1)100重量部に対して0.01〜20重量部であり、波長400〜700nmにおける、前記ポリエステル系樹脂フィルムの平均反射率と前記ポリエステル系樹脂フィルムの背面に中心面平均粗さRaが0.139nmのアルミニウム製シートを配した際の平均反射率との差が1%以上であることを特徴とする液晶モニター用反射である。
【0009】
第2の発明は、前記熱可塑性樹脂(b1)がポリスチレン系樹脂であり、前記熱可塑性樹脂(b2)がマレイミド変性ポリスチレン樹脂であることを特徴とする第1の発明に記載の請求項1記載の液晶モニター用反射である。
第3の発明は、前記フィルムの少なくとも片面に易接着層を設けることを特徴とする第1、2の発明に記載の液晶モニター用反射である。
【0010】
第4の発明は、前記易接着層が分岐したグリコールを構成成分とする共重合ポリエステル樹脂(A)及びブロック型イソシアネート基を含有する樹脂(B)を含有することを特徴とする第3の発明に記載の液晶モニター用反射である。
の発明は、前記反射板を導光板の背面に配したバックライト機構を有する液晶モニターである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液晶モニター用反射光拡散フィルムの実施形態について、詳細に説明する。
【0013】
本発明における微細な空洞を多数有するポリエステル系樹脂基材(以下、ポリエステル系樹脂基材と略す)は、ポリエステル系樹脂(a)と該ポリエステル系樹脂(a)に対して非相溶の熱可塑性樹脂(b)を含む微細空洞含有ポリエステル系樹脂フィルムである。
【0014】
ポリエステル系樹脂(a)としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸またはそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコールとを重縮合して得られるポリエステルであり、これらのポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる方法の他、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮合させたり、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させる方法等によって製造することもできる。
【0015】
かかるポリエステルの代表的なものとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等が例示される。これらのポリエステルは単独重合体であってもよく、あるいは第3成分を共重合せしめた共重合体であっても勿論構わないが、いずれにしても本発明においては、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレン−2,6−ナフタレート単位の占める比率が70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上のポリエステルが好ましい。
【0016】
次に、本発明で使用されるポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂としては、要はベースとなるポリエステルに対して非相溶であって、ポリエステル系樹脂中に分散状態で均一に混入し延伸時にベース樹脂との界面で剥離を起こして空洞形成源となるものであればどの様な樹脂であっても構わないが、好ましいものを例示すると、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられる。これらは単独で使用し得るほか、必要により2種以上を複合して使用することもでき、あるいはこれらを共重合させることによってポリエステルとの間に適度な親和性を付与することも可能である。これらの中でも、ポリスチレン系樹脂、あるいはポリメチルペンテンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が特に好ましい。
【0017】
上記ポリエステル系樹脂(a)に非相溶の熱可塑性樹脂の好ましい配合量は、最終的に得られるフィルムに求められる空洞形成量や延伸条件などによっても変わってくるが、通常は樹脂組成物全量中に占める比率で3重量%以上〜40重量%未満、より好ましくは5〜30重量%の範囲から選定される。3重量%未満では、延伸工程で生成する空洞量が不十分となり、熱線反射性能が不十分となりやすい。一方、40重量%を超えると、フィルムの延伸性が著しく低下し、さらに、耐熱性、強度あるいは腰の強さが損なわれることがある。
【0018】
熱可塑性樹脂(b)は、(1)ポリエステル系樹脂(a)に対して非相溶の熱可塑性樹脂(b1)と、(2)上記ポリエステル系樹脂(a)および上記熱可塑性樹脂(b1)の両方に対して非相溶であり、且つ上記熱可塑性樹脂(b1)よりも表面張力(表面エネルギー)の大きい熱可塑性樹脂であって、上記熱可塑性樹脂(b1)100重量部に対して熱可塑性樹脂(b2)を0.01〜20重量部含有することが好ましい。
【0019】
すなわち、上記(b2)の熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂(a)に対して非相溶の熱可塑性樹脂であるという点では上記(b1)と同様、空洞発現作用を有するものであるが、(b1)が主に空洞発現作用を発揮するのに対して、(b2)は(b1)に対しても非相溶の熱可塑性樹脂という性質を有し、且つ(b1)よりも表面張力が大きい(b2)を(b1)に対して特定比率で混合することにより、ポリエステルに対して非相溶の熱可塑性樹脂を原料樹脂中に微細分散させる「分散作用」を有効に発揮し、ひいては微細な空洞を均一に形成せしめる作用を有するものである。したがって、以下の記載では、(b1)と(b2)を作用面から特に区別するために、(b1)を空洞発現剤、(b2)を分散性樹脂と定義する。
【0020】
前記分散性樹脂(b2)としては、空洞発現剤(b1)よりも表面張力の大きい熱可塑性樹脂が好ましく、その含有量は空洞発現剤(b1)100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましい。より好ましくは0.02〜15重量部であり、特に好ましくは0.1〜10重量部である。分散性樹脂(b2)の含有量が0.01重量部未満では、空洞発現剤の微細分散化作用を有効に発揮させることができにくくなる。一方、20重量部を超えると、分散性樹脂(b2)は空洞発現剤(b1)の大部分を覆ってしまうことになり、その結果厚さの割には長さの短い空洞が形成されるなど、不適切な大きさのものが形成されることになる。空洞発現剤(b1)に対する分散性樹脂(b2)の含有量を上記の範囲内とすれば、表面張力の高い分散性樹脂(b2)はそれよりも表面張力の低い空洞発現剤(b1)を覆ったとしても、部分的に覆ったり、薄く均一に覆う程度(覆われる形状はこれらに限定されず、用いられる樹脂の種類によっては、これ以外に、例えば網目状の様に覆っている部分と覆っていない部分が周期的に存在する場合、あるいはこれらの各場合の組合わせ等、様々なケースが考えられる)であるから、ポリエステルに対する接着性には実質的に影響しない程度となる。
【0021】
したがって、分散性樹脂(b2)の微細分散効果を有効に発揮することができる様になり、空洞発現剤(b1)はポリエステル系樹脂中に微細分散化でき、従来に比べて、厚さに対して長い空洞を多数得ることができるのである。
【0022】
この様に、本発明で用いられる空洞含有フィルム中の分散性樹脂について、その特性および含有量を上記に示した範囲内にすることにより、分散剤としての作用を如何なく発揮させることができるのである。上記空洞発現剤(b1)と分散性樹脂(b2)の組合わせ例としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0023】
空洞発現剤(b1)として、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状オレフィンポリマー等のポリオレフィン系樹脂やシリコーン系樹脂等を用いた場合には、分散性樹脂(b2)として、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、マレイミドやカルボン酸等で変性したポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂等を用いることが好ましい。
【0024】
また、空洞発現剤(b1)としてポリスチレン系樹脂を用いた場合は、分散性樹脂(b2)として、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、マレインイミドやカルボン酸等で変性したポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。これら分散性樹脂(b2)は単独で使用し得る他、必要により2種以上を混合して使用することも可能である。
【0025】
これら非相溶樹脂(b1)と分散性樹脂(b2)の、ポリエステル系樹脂中への好ましい配合量は、最終的に得られるフィルムに求められる空洞形成量や延伸条件などによっても変わってくるが、通常は樹脂組成物全量中に占める比率で3〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%の範囲である。3重量%未満では、延伸工程で生成する空洞量が不十分となって満足のいく可視光領域での反射率と光散乱性が得られ難くなる。一方、30重量%を超えると、フィルムの延伸性が著しく低下し、さらに強度あるいは腰の強さが損なわれることがある。
【0026】
本発明では、ポリエステル樹脂基材に含まれる無機粒子の含有量は1重量%以下にする必要がある。1重量%以上では、ポリエステル系樹脂基材層中での光の散乱が強くなりすぎ、光のエネルギーの吸収が大きくなってしまうためである。
【0027】
また、微細な空洞を多数有するポリエステル系樹脂基材は単層でも良いが、少なくとも片面に非相溶の熱可塑性樹脂に起因する空洞を含有しないポリエステル層を積層している場合、高分子易接着層との密着性がさらに優れ好ましい。この場合、長尺フィルムをロール状に巻き取る際の巻取り性を向上させるために、必要に応じて、非相溶の熱可塑性樹脂に起因する空洞を含有しないポリエステル層に無機粒子を含有させても良いが 空洞を含有するポリエステル層、空洞を含有しないポリエステル層含め積層フィルム全体で1重量%を越えないことが重要である。
【0028】
ただし、本発明では必要に応じて、蛍光増白剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などの他の成分を適量含有させてもよい。
【0029】
本発明の液晶モニター用反射フィルムの厚さは特に限定されないが、25〜250μmが好ましい。25μm未満では反射指向性が大きくなり、250μmを超えるとアルミニウム製シートの反射性を十分生かすことができない。
【0030】
本発明の液晶モニター用反射フィルムには、少なくとも片面に易接着層を設けることが好ましい。なぜなら、前記でも述べたように、輝線(線状光源近傍が局所的に明るくなる現象)を解消するために反射フィルムの輝線の発生する位置に黒いインキで印刷層を設ける際、印刷層とフィルムの密着性が不十分だと、液晶表示装置を使用中に輝線を防止する印刷層が剥がれ落ち輝線が発生しやすくなるためである。
【0031】
前記印刷層のインキには酸化重合型インキやUV硬化型インキなどが用いられるため、これら両方のインキに対して良好な易接着性を有するものであれば、易接着層を構成する樹脂の種類は特に限定されない。例えば、ポリエステル系、ポリウレタン系、及びその混合物系が優れた接着性を有するため好ましい。
【0032】
なかでも、前記易接着層に使用する樹脂組成物として、分岐したグリコールを構成成分とする共重合ポリエステル樹脂(A)及びブロック型イソシアネート基を含有する樹脂(B)を含有する樹脂組成物が特に好ましい。
【0033】
前記の分岐したグリコールを構成成分とする共重合ポリエステル樹脂(A)は、水溶性あるいは水分散性の樹脂が好ましい。
【0034】
上記共重合ポリエステル樹脂(A)の構成成分である、分岐したグリコール成分としては、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、および2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
【0035】
上記の分岐したグリコール成分は、全グリコール成分の中に好ましくは10モル%以上の割合で、更に好ましくは20モル%以上の割合で含有される。上記共重合ポリエステル樹脂(A)の構成成分として含有される上記の分岐したグリコール成分以外のグリコール成分としては、エチレングリコールが最も好ましい。また、少量であればジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを用いても良い。
【0036】
上記共重合ポリエステル樹脂(A)に構成成分として含有される、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸が最も好ましい。また、少量であれば、他のジカルボン酸成分、例えば、アジピン酸、セバシン酸、およびアゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸;ジフェニルジカルボン酸、および2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を加えて共重合させてもよい。
【0037】
また、前記ブロック型イソシアネートを含有する樹脂(B)は、末端イソシアネート基を親水性基で封鎖(以下、ブロックと略す)した熱反応型水溶性ウレタン樹脂が好ましい。
【0038】
上記イソシアネート基のブロック剤としては、重亜硫酸塩類、およびスルホン基を含有したフェーノル類、アルコール類、ラクタム類、オキシム類および活性メチレン化合物類等が挙げられる。なかでも、重亜硫酸塩類は、熱処理温度及び熱処理時間の点から工業的に広く用いられるものとして好ましい。
【0039】
前記共重合ポリエステル樹脂(A)とブロック型イソシアネートを含有する樹脂(B)の重量比は、(A):(B)=10:90〜90:10が好ましく、さらに好ましくは(A):(B)=30:70〜70:30の範囲である。固形分重量に対する共重合ポリエステル樹脂(A)の割合が10重量%未満では、基材フィルムへの塗布性や塗布層とフィルム間の密着性が不十分となりやすく、酸化重合(あるいは溶剤)タイプのインキとの密着性が悪くなる傾向もある。一方、90重量%を超えると、酸化重合(あるいは溶剤)タイプのインキとの密着性は良いが、紫外線(UV)硬化型インキとの密着性が不十分となりやすい。
【0040】
フィルム表面に塗工する塗布液の厚さは、0.01〜5μmが好ましく、更に好ましくは0.05〜2μmの範囲である。乾燥後、最終フィルム表面の塗布層の厚さは約0.01〜0.6μmとなる。塗布液の厚さが0.01μm以下では、塗布層と基材フィルムとの密着性が不十分となりやすい。塗布液の厚さが5μmを超えると、塗布液の物性およびレオロジー、加えて設備などの問題により、均一に塗工しにくくなる。
【0041】
塗布法により易接着層を設ける方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法、およびカーテンコート法などが挙げられ、これらの方法を単独であるいは組み合わせて行うことができる。
【0042】
この易接着コート層はポリエステル系樹脂基材の製造における任意の段階でポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布・乾燥する。
上記塗布液をフィルムの少なくとも片面に塗布・乾燥する方法は、二軸延伸・熱固定した基材フィルムに塗布・乾燥する方法(オフラインコート法)でもよいし、該フィルムの製造工程中、すなわち未延伸フィルムあるいは一軸延伸後に塗布・乾燥し、次いで少なくとも一軸方向に延伸・熱固定する方法(インラインコート法)でも良い。製造コスト面からはインラインコート法が有利である。
【0043】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術的範囲に含まれる。なお、実施例で使用した特性の評価方法を以下に示す。
【0044】
(1)反射率測定方法
反射率は分光光度計(日立製、spectrophotmeter U-3500)に積分球を取り付け波長400〜700nmについて波長1nm毎の反射率を測定した。反射率測定の際、基準値としてアルミナ白板(日立計測器サービス社製、210−0740)を100%とした。
【0045】
試料は実施例1〜4と比較例1について、波長400〜700nmにおけるフィルム単体の平均反射率と前記フィルムの背面にアルミニウム製シート(中心面平均粗さRa:0.139μm)を重ね合わせた場合の平均反射率との差を求めた。また、アルミニウム製シートのRaはマイクロマップ550(マイクロマップ社製)を用い測定した。
【0046】
(2)印刷層との接着性
実施例及び比較例で得た試料フィルム表面(易接着層が設けられている場合は、易接着層面)に、インキ(東洋インキ社製、FDSS)をシルクスクリーンを用いて塗布し、高圧水銀灯で500mJ/cm2の条件で硬化させインキ層を形成した。
【0047】
得られた試料フィルムをJIS−K5400の8.5.1記載に準じた試験方法で接着性を求めた。具体的には易接着層を貫通して、基材フィルムに達する100個の升目状の切り傷を隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて付け、セロハン粘着テープ(ニチバン社製405番24mm幅)を升目状の切り傷面に張り付け消しゴムでこすって完全に付着させた後、垂直に引き剥がした。剥離後のインキ面を目視により観察し、100個のマス目におけるインキ残留率(マス目の一部分でも剥がれたものも剥がれた個数として扱う)を接着性の尺度とし下記式により求めた。
接着性(%)=(1−(剥がれたマス目/100マス))×100
【0048】
(3)輝度斑
液晶ムラ測定装置(株式会社トプコン社製、BM−S1)を用い、下記条件で測定を行なった。
【0049】
1)ランプタイプ:Φ2.4(ハリソン社製)
2)管電流:7mA/本
3)測定位置
試料を250mm×350mmにカットし、中心面平均粗さ0.139μmのアルミニウム製シートを下に置き、各コーナーより40mm×40mmのポイント及び中央部の、計5点の輝度を測定し下記式より輝度斑を求めた。
輝度斑min(%)=(最小値/平均値−1)×100
輝度斑max(%)=(最大値/平均値−1)×100
【0050】
(4)ポリエステル樹脂の固有粘度
フェノール60重量%と1,1,2,2−テトラクロロエタン40重量%の混合溶媒にポリエステル原料を溶解し、固形分をガラスフィルターで濾過した後、30℃にて測定した。
【0051】
参考例1
まず、下記樹脂混合物からなる原料Aを準備した。
(原料A)
1)ポリエチレンテレフタレート樹脂(東洋紡績社製、固有粘度:0.62dl/g):74重量%
2)一般用ポリスチレン樹脂(PS)[三井東圧化学(株)製、T575−57U]:25重量%
3)マレイミド変性ポリスチレン樹脂(M−PS)[三井東圧化学(株)製、NH1200]:1重量%
【0052】
上記原料Aを180℃で3時間真空乾燥した後、2軸スクリュー押し出し機に投入し、T−ダイスより290℃で溶融押し出しした後、静電気的に冷却回転ロールに密着固化することにより未延伸シートを得た。次に、該未延伸シートをロール延伸機にかけ、80℃で3.1倍に縦延伸を行った後、テンターにて125℃で2.6倍に横延伸すると共に、更にテンターにて220℃で1.4倍延伸した。その後、235℃で4%の緩和熱処理を施すことにより、フィルム内部に多数の空洞を有する厚さ188μmのポリエステル系フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0053】
実施例2
まず、下記樹脂混合物からなる原料Bを準備した。
(原料B)
1)ポリエチレンテレフタレート樹脂(東洋紡績社製、固有粘度:0.62dl/g):99.5重量%
2)シリカ粒子(富士シリシア社製、サイリシア310番 ):0.5重量%
【0054】
前記原料A、原料Bを別々の真空乾燥機で180℃で3時間真空乾燥した後、とし、これら2種の原料を2台の2軸スクリュー押し出し機に別々に投入し、T−ダイス内で積層した後、T−ダイスより290℃で溶融押し出し、静電気的に冷却回転ロールに密着固化することにより未延伸シートを得た。次に、該未延伸シートをロール延伸機により80℃で3.1倍に縦延伸を行った後、テンターにて125℃で2.6倍に横延伸するとともに、さらにテンターにて220℃で1.4倍延伸した。
【0055】
その後、235℃で4%の緩和熱処理を施すことにより、原料Aからなる層(a層)と原料Bからなる層(b層)の2層から構成された積層フィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表1に示す。なお、各層の厚み構成はa層/b層=180/8μmであった。
【0056】
実施例3
実施例2で得た188μmの積層フィルムのb層面に、下記に示す塗布液を乾燥後の厚さ0.2μmになるようにリバースロールコート法で塗布・乾燥した。
得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0057】
1)ポリエステル系樹脂(東洋紡績社製、バイロナールMD16) :4重量部
2)ポリウレタン系樹脂(第一工業製薬社製、エラストロンH−3):6重量部
3)触媒(第一工業製薬社製、エラストロンcat64) :0.2重量部
4)NaHCO3(5重量%水溶液) :0.15重量部
5)シリカ粒子(日産化学工業社製、スノーテックスOL) :0.2重量部
6)イオン交換水 45重量部
7)イソプロピルアルコール 35重量部
8)アニオン性界面活性剤(1〜7の塗布液重量に対し) 1重量%
【0058】
実施例4
実施例2と同様の方法で、a層/b層=50/8μmの積層フィルムを製造し、さらに実施例3と同様の方法でb層面にコート層を積層した。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0059】
比較例1
原料Aの代わりに、下記に示す減量Cを用いた以外は参考例1と同様の方法で188μmの積層フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0060】
(原料C)
1)ポリエチレンテレフタレート樹脂(東洋紡績社製、固有粘度:0.62dl/g):64重量%
2)一般用ポリスチレン樹脂(PS)〔三井東圧化学(株)製、T575−57U〕:25重量%
3)マレイミド変性ポリスチレン樹脂(M−PS)〔三井東圧化学(株)製、NH1200〕:1重量%
4)炭酸カルシウム粒子(白石カルシウム社製、ソフトン3200):10重量%
【0061】
比較例2
中心面平均粗さRaが0.139μmのアルミニウム製シートを反射板とした。評価結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
Figure 0004604324
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の液晶モニター用反射光拡散フィルムは、微細な空洞を多数含有するポリエステル系樹脂フィルムからなる反射光拡散フィルムであって、波長400〜700nmにおける、前記フィルムの平均反射率と前記フィルムの背面にアルミニウム製シートを配した際の平均反射率との差が1%以上であるため、反射率に優れ、かつ反射指向性が小さいという利点がある。さらに、易接着層を設け印刷層との密着性を向上させることにより、線状光源が局所的に明るくなるという輝線と呼ばれる現象を防止することができる。そのため、据え置き型コンピュ−タ用の液晶モニターや液晶テレビ等のバックライト機構を有する液晶表示装置の部材として使用される反射光拡散フィルムに特に好適である。

Claims (5)

  1. 微細な空洞を多数含有するポリエステル系樹脂フィルムからなる反射光拡散フィルムの背面にアルミニウム製シートを配した反射板であって、
    前記ポリエステル系樹脂フィルムの粒子含有量がフィルム全体で1重量%以下であり、
    前記ポリエステル系樹脂フィルムには少なくともポリエステル樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂(b1)と、ポリエステル樹脂および前記熱可塑性樹脂(b1)の両方に非相溶な熱可塑性樹脂(b2)を含有し、
    前記ポリエステル系樹脂フィルム中の前記熱可塑性樹脂(b1)および前記熱可塑性樹脂(b2)の樹脂物全量中に占める比率が3重量%以上40重量%未満であり、
    前記熱可塑性樹脂(b2)は前記熱可塑性樹脂(b1)100重量部に対して0.01〜20重量部であり、
    波長400〜700nmにおける、前記ポリエステル系樹脂フィルムの平均反射率と前記ポリエステル系樹脂フィルムの背面に中心面平均粗さRaが0.139nmのアルミニウム製シートを配した際の平均反射率との差が1%以上であることを特徴とする液晶モニター用反射
  2. 前記熱可塑性樹脂(b1)がポリスチレン系樹脂であり、前記熱可塑性樹脂(b2)がマレイミド変性ポリスチレン樹脂であることを特徴とする請求項1記載の液晶モニター用反射
  3. 前記フィルムの少なくとも片面に易接着層を設けることを特徴とする請求項1、2記載の液晶モニター用反射
  4. 前記易接着層が分岐したグリコールを構成成分とする共重合ポリエステル樹脂(A)及びブロック型イソシアネート基を含有する樹脂(B)を含有することを特徴とする請求項記載の液晶モニター用反射
  5. 請求項1〜4記載の反射板を導光板の背面に配したバックライト機構を有する液晶モニター。
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