JP4602028B2 - 化粧フィルム及び化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、耐引裂き性が改善され、三次元曲面施工性に優れた化粧フィルム及び化粧シートに関する。
本発明の化粧シートは、建築内装、トイレ、浴室等の水周り、建築準外装である玄関ドアや窓枠等の表面に好適に使用できる。
ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂を化粧シートの材料として用いた場合、火災の際又は廃棄の際、化粧シートが燃焼すると有害な塩素系ガスが発生することから、安全面及び環境問題の観点より、PVC樹脂を含まない化粧シートが近年開発されている。化粧シートにおけるPVC代替樹脂として、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂が使用されているが、これらの樹脂は結晶性樹脂であるため軟化温度が高く、化粧シートを加熱して三次元曲面に貼り付けていくと、局所的に不均一な伸びを示すため、施工性に問題があった。
そこで、PVC代替樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂をベース層に用い、2液硬化型のウレタン樹脂を表面保護層に用いた化粧シートが開示されている(特許文献1:特開平11-34269号公報、特許文献2:特許第3429265号公報)。しかし、非晶性ポリエステル樹脂を用いても、PVC樹脂に比べると非常に硬いから、施工後に化粧シートが被着体から浮きやすいという問題が残っている。また、非晶性ポリエステル樹脂をベース層に使用した場合、ポリエステルの加水分解による物性低下(特にフィルムの伸び率の低下)が生じ、高温多湿の環境下での施工・使用に問題がある。上記化粧シートでは、表面保護層として2液硬化型のウレタン樹脂を用いているため、耐溶剤性を上げ、エンボス加工時に加熱ロールへの粘着性がある非晶性ポリエステル樹脂フィルム表面を保護して生産性を上げることが可能となっているが、実用に際して耐溶剤性は十分なレベルとはいえず、シミや光沢変化などの不具合があった。
一方、耐溶剤性、耐薬品性に優れる表面保護層として、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等の四フッ化エチレン系樹脂を用いた化粧シートが知られている(特許文献3:特許第3127756号公報)。表面保護層に四フッ化エチレン系樹脂を用いると、保護層とベース層との密着性に劣り、保護層とベース層との間に接着層を設けても層間で剥離しやすく、さらに、化粧シートの端部どうしの重ね貼り工法で、シートの浮きが生じやすいという問題がある。
プラスチック成形用化粧フィルムとして、プラスチックフィルム層、着色層、アクリル系ポリマーフィルム層とフッ素ポリマーフィルム層を積層してなる共押し出し積層フィルム層とを含むフィルムが知られている(特許文献4:特開2004-102950号公報)。このフィルムは射出成形物品の表面に接合されて使用される。しかし、出来上がった射出成形物品の表面に貼り合わされるものではなく、射出成形用金型の内面に接するようにセットされ、射出成形樹脂をその金型に流し込むことにより、化粧フィルムのプラスチックフィルム層と射出成形物とが溶融して接合するものである。よって、化粧フィルムのプラスチックフィルム層は射出成形物との接合性の観点から成形物と同種の熱可塑性樹脂が好ましいとされているだけで、特許文献4は、成形物表面に貼り合わせる加工をする際に必要な性能については記載していない。
特開平11-34269号公報 特許第3429265号公報 特許第3127756号公報 特開2004-102950号公報
本発明の課題は、フィルム施工時の曲面追従性に優れ、施工後に被着体からフィルムが浮き難く、フィルム保護層表面の耐薬品性、耐候性、光沢保持性に優れ、フィルムを構成するベース層と保護層との層間の密着性も高い化粧フィルム及び化粧シートを提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために、
非晶性ポリエステル樹脂のみからなるポリエステル樹脂とアクリル樹脂とを含有するベース層と、
前記ベース層表面側に固定的に配置され、アクリル樹脂を主成分とするアクリル−フッ素樹脂を含有する透明接着層と、
前記透明接着層表面に積層され、フッ素樹脂を主成分とするアクリル−フッ素樹脂を含有する透明保護層とを有する化粧フィルムを提供し、さらに、
上記本発明の化粧フィルムと、前記ベース層裏面側に設けられた接着剤層とを有する化粧シートを提供する。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明におけるベース層には、施工性(柔軟性)に優れるアクリル樹脂と、非晶性ポリエステル樹脂とが使用される。
アクリル樹脂としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチメタクリレート等のメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリレートの1種または2種以上を重合又は共重合して得られたアクリルポリマーが挙げられる。これらのアルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。また、上記モノマーには、本発明の効果を損なわないかぎり、アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な他のモノマーが含まれてもよい。
非晶性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分との共重合ポリエステル樹脂を主成分とし、加熱処理を行っても結晶化による物性の変化を生ずることのない、結晶性を有しない樹脂である。このような樹脂としては、例えばグリコール変性ポリエチレンテレフタレートが用いられる。
非晶性ポリエステル樹脂とアクリル樹脂との配合比(重量)は、好ましくは60:40〜95:5、さらに好ましくは70:30〜90:10である。アクリル樹脂の配合比がこの上限を超えると、アクリル樹脂に起因するフィルムの耐引裂き性能の低下、フィルム硬度(鉛筆硬度)の低下が顕著となり、ポリエステル樹脂の配合比が上記上限を超えると、フィルムの柔軟性の低下、吸湿によるフィルム伸び率の低下が顕著となり、施工性に劣ってしまう。
ベース層の厚さは、通常30〜200μm、好ましくは50〜120μmである。30μmより薄いと、ベース層としての強度が不十分で、着色材が受容される際(印刷工程時)に収縮等の不具合が生じ、また、隠蔽性も不十分で、下地の柄、模様等が認識されてしまい、200μmより厚いと防火性能に劣ってしまう。一方、ベース層には必要に応じて、白色顔料や黒色顔料等の着色剤、可塑剤、フィラー等、公知の添加剤を加えることもできる。
ベース層表面には装飾等の目的で着色材を受容させてもよい。受容される着色材は、通常トナーまたはインクである。たとえば、トナーをベース層に転写して画像を形成する場合は、通常の印刷法、たとえばグラビア印刷法、静電印刷法、シルク印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等を用いることができる。
静電印刷法では、画像をベース層表面に直接印刷するダイレクトプリント法と、一時的に仮担持体上へ画像を印刷しそれに続いてベース層への画像の転写を行う転写法とがある。後者の転写法では、トランスファーメディアと呼ばれる仮担持体上に画像を形成し、その画像をベース層表面に加熱、加圧により転写し、画像記録済みベース層を完成させる。
画像を形成するトナーは、バインダ樹脂と、そのバインダ樹脂中に分散された顔料とを含んでなる。バインダ樹脂は、たとえば、塩酢ビ系共重合体、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂から形成される。
ベース層表面側には、透明保護層とベース層との密着性を上げる目的で、透明接着層が配置される。透明接着層は、アクリル樹脂を主成分とするアクリル−フッ素樹脂から構成される。本明細書において、アクリル−フッ素樹脂とは、一般にアクリル樹脂とフッ素樹脂とを混合した樹脂組成物であるが、アクリルモノマーとフッ素モノマーとのコポリマーであってもよい。ベース層との密着性の観点から、アクリル樹脂(アクリルモノマー)は、アクリル樹脂(アクリルモノマー)とフッ素樹脂(フッ素モノマー)との合計重量を基準として、50重量%を超える量で含有されており、さらに60重量%を超える量で含有されていることが好ましい。
透明接着層に用いられるアクリル樹脂としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリレートの1種または2種以上を重合又は共重合して得られたアクリルポリマーが挙げられる。上記モノマーには、本発明の効果を損なわないかぎり、他のモノマーも含まれてよい。例えば、アクリル酸、アクリルアミド、アクリルニトリル、ヒドロキシエチルアクリレートなどの極性モノマーも含まれていてよい。このような極性モノマーは、使用される場合、アクリルモノマーの全重量を基準として10重量%以下の量で含まれる。
透明接着層を構成するフッ素樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデン、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン等のフッ化エチレンモノマーを含むモノマーを重合して得られたポリマーが挙げられる。層間の密着性を上げるという点から、フッ化ビニリデン樹脂を使用するのが好ましい。フッ化ビニリデン樹脂とは、フッ化ビニリデンを主成分として含むモノマーを重合してなるポリマーである。かかるモノマーはフッ化ビニリデンを好適には50質量%以上、特に好適には60質量%以上の割合で含む。上記フッ化ビニリデン系ポリマーの重合原料としてのモノマーは、フッ化ビニリデンの他に、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン等のフッ素系モノマー等の1種または2種以上を含むことができる。また、フッ化ビニリデン樹脂はフッ化ビニリデンを重合してなる幹重合体に、上記共重合可能なモノマーを重合してなる枝重合体をグラフトさせたグラフトコポリマーであっても良い。
透明接着層は、全体として光透過性を有する。光透過率は、通常60%以上、好適には70%以上、特に好適には80%以上である。
本明細書における「光透過率」は、分光光度計または、光度計の機能も備えるカラーメーターを使用し、550nmの光を用いて測定された全光線透過率を意味する。
透明接着層の厚さは、通常5〜50μm、特に好適には10〜40μmである。5μmより薄いと粘着性能が不十分となるおそれがある。透明接着層は、50μmより厚くてもよいが、あまり厚くすると、コストが上昇する。
透明接着層表面には透明保護層が積層される。透明保護層は、フッ素樹脂を主成分とするアクリル−フッ素樹脂で構成される。このアクリル−フッ素樹脂も、透明接着層に用いられるアクリル−フッ素樹脂と同様に、アクリル樹脂とフッ素樹脂とを混合した樹脂組成物であるが、アクリルモノマーとフッ素モノマーとのコポリマーであってもよい。耐薬品性、耐候性、光沢保持性の点から、フッ素樹脂(フッ素モノマー)は、アクリル樹脂(アクリルモノマー)とフッ素樹脂(フッ素モノマー)との合計重量を基準として、50重量%を超える量で含有されており、さらに70重量%を超える量で含有されていることが好ましい。
透明保護層に用いられるアクリル樹脂として、上記透明接着層に用いられたアクリル樹脂と同様の樹脂を選択することができる。透明保護層を構成するフッ素樹脂にも上記透明接着層に用いられたフッ素樹脂と同様の樹脂を選択することができるが、フッ化ビニリデン樹脂を使用するのが特に好ましい。通常、被着体表面に2枚以上の化粧フィルムを並べて貼り合せる際、隙間ができないようにそれらのフィルム端部どうしを重ね合わせて貼る工法(重ね貼り工法)が採られるが、4フッ化エチレン樹脂を表面保護層に用いた場合は重ね貼り部分で浮きが生じやすく、これを防ぐためにフッ化ビニリデン樹脂が好適に使用される。
透明保護層も全体として光透過性を有する。光透過率は通常60%以上で、好適には70%以上、特に好適には80%以上である。
透明保護層の厚さは、通常5〜50μm、特に好適には10〜40μmである。5μmより薄いと耐薬品性、耐候性、光沢保持性が実用に際して十分ではない。透明保護層は、50μmより厚くてもよいが、あまり厚いとコストが上昇する。
透明接着層及び/又は透明保護層には、各層の透明性や発明の効果を損なわない限り、様々な添加剤、例えば、紫外線吸収剤、スリップ剤、防カビ剤、抗菌剤、着色剤等を含ませることができる。
本発明の化粧フィルムは、たとえば、次の様にして製造できる。
まず、ベース層の表面に、透明接着層を固定的に配置する。ベース層の裏面に透明接着層を固定的に配置する方法としては、溶剤に溶解した透明接着層を形成する樹脂をベース層表面に塗布し、溶剤を蒸発除去して透明接着層を作製する方法、透明接着層を形成する樹脂を加熱して溶融させ、これをベース層の表面に塗布し、冷却することにより樹脂を固化させて透明接着層を作製する方法、又は予めフィルム状に製作された透明接着層とベース層とを熱ラミネートにより圧着する方法等が挙げられる。さらに、透明保護層に透明接着層を積層してなる共押出し積層フィルムを作製後、この積層フィルムの透明接着層とベース層とを熱ラミネートにより圧着し、ベース層表面に透明接着層を固定的に配置する方法を採用することもできる。
透明保護層をベース層表面に設ける場合も、上記と同様に様々な方法を用いることができる。
さらに、透明保護層の表面にエンボス加工を行い、意匠性の高い化粧フィルムを作製することもできる。エンボス加工は、エンボスロールおよび化粧フィルムを加熱することにより、エンボスロール上に設けられた任意の凹凸模様を化粧フィルム上に押圧して行なう。
本発明の化粧フィルム裏面に接着剤層を密着させて、化粧シートとすることもできる。密着させる方法としては、フィルムの裏面に接着剤を含有する塗布液を塗布し固化させた後、ライナーの剥離面を接着剤層の裏面に対向するようにラミネートする方法、ライナーの剥離面に接着剤を含有する塗布液を塗布、乾燥してライナー付き接着層を形成した後、このライナー付き接着層をフィルムに積層する方法等がある。
接着剤には、取り扱いの容易性から感圧接着剤を用いることが好ましく、一般に使用されているアクリル系、合成ゴム系、天然ゴム系等の感圧接着剤を使用できる。耐候性の点からアクリル系感圧接着剤が好ましく用いられる。
本発明の効果を損なわない限り、化粧フィルムと接着剤層との間に別の層、たとえばフィルムと接着剤層の密着性を上げるプライマー層等を配置しても良い。
化粧シート全体の厚さは、通常50〜300μm、好適には80〜200μmである。化粧シート全体の厚さが薄すぎると、取り扱いが困難となる上に破断強度が低下するおそれがある。反対に厚すぎると、シートのコシの影響で施工性が悪くなる上に、防火性能が低下するおそれがある。
以下、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
次の様にして本例の化粧フィルムを作製した。
まず、非晶性ポリエステル樹脂(SKケミカル社製 SKYGREEN PETG K2012)80重量%と、アクリル樹脂(株式会社クラレ製 パラペットSA-C)20重量%と、全樹脂成分100重量部に対して15重量部の白色顔料(石原産業株式会社製 タイペークS-305)とを押出し機に投入し、80μm厚さのベース層を得た。
次に、アクリル樹脂80重量%とポリフッ化ビニリデン樹脂20重量%とからなる厚さが30μmの透明接着層、及びポリフッ化ビニリデン樹脂80重量%とアクリル樹脂20重量%とからなる厚さが10μmの透明保護層を共押し出しにより積層して、積層フィルムを作製した。
上記ベース層表面に、共押し出し積層フィルムの透明接着層が対向するように配置し、熱ラミネートにより圧着した後、保護層表面にエンボス加工により砂目柄の紋を付与した化粧フィルムを得た。
最後に、剥離紙にアクリル系粘着剤を乾燥後の厚さが40μmとなるようにコーティングし、上記化粧フィルムのベース層裏面とラミネートして本例の化粧シートを得た。
グラビア印刷機で塩酢ビ系インク(大日精化工業(株)製 商品名USインク)をベース層表面に木目の絵柄模様を形成するように転写し、その後、透明接着層をベース層に対向するように配置して熱ラミネートを行なった以外は実施例1と同様にして、本例の化粧シートを得た。
ベース層の非晶性ポリエステル樹脂とアクリル樹脂との配合比(重量)を50:50とした以外は実施例1と同様にして、本例の化粧シートを得た。
比較例1
ベース層の非晶性ポリエステル樹脂とアクリル樹脂との配合比(重量)を100:0とし、グラビア印刷機で塩酢ビ系インク(大日精化工業(株)製 商品名USインク)をベース層表面に木目の絵柄模様を形成するように転写し、その後透明接着層をベース層に対向するように配置して熱ラミネートを行なった以外は実施例1と同様にして、本例の化粧シートを得た。
比較例2
透明接着層のポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂との配合比(重量)を80:20とし、透明接着層の厚さを50μmとした以外は実施例1と同様にして、本例の化粧シートを得た。
比較例3
グラビア印刷機で塩酢ビ系インク(大日精化工業(株)製 商品名USインク)を、ベース層表面に木目の絵柄模様を形成するように転写し、その後透明接着層をベース層に対向するように配置して熱ラミネートを行なった以外は比較例2と同様にして、本例の化粧シートを得た。
比較例4
透明保護層のポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂との配合比(重量)を40:60とし、透明接着層の厚さを50μmとした以外は実施例1と同様にして、本例の化粧シートを得た。
上記実施例及び比較例で作製した化粧シートについて、透明保護層とベース層との密着性、低温衝撃性、耐薬品性、透明保護層表面の硬度、引裂き強さ、耐水後の伸度、三次元曲面施工性の試験を行った。その結果を表1に示す。
透明保護層とベース層との密着性:
透明保護層、透明接着層、及びベース層を熱ラミネートにより圧着する際に、片面のみシリコーン剥離処理を行なったPETフィルム(100mm幅×200mm長さ)を、透明接着層とベース層との間にはさみ込んだ。このとき、PETフィルムのシリコーン処理面をベース層表面と対向するように配置して熱ラミネートを行なった。その後、このPETフィルムを手で剥がし、PETフィルムの端部(PETフィルムの存在する場所としない場所との境界)で透明接着層が剥離できた場合をOKとし、PETフィルムの幅以上に透明接着層が剥離された場合をNGとした。
低温衝撃性:
5℃の環境下において、ガードナー衝撃試験を行い、化粧フィルムに割れの生じない最大値(単位:in.lb)を測定した。
耐薬品性:
イソプロピルアルコールを含んだウエスで、透明保護層表面を30往復拭いて、表面光沢の変化を目視で確認した。
OK:光沢変化なし
NG:光沢変化あり
透明保護層表面の硬度:
常温(23℃±3℃)にて、JIS K5400に準拠する鉛筆硬度試験を行なった。試験の後、押し当てた鉛筆の芯によるすり傷がフィルム表面に認められるか否かを、斜め前方から光を当て、目視および指での触感により確認し、5本引いた線のうち、2本以上にすり傷が認められた場合には、その鉛筆硬度は不合格と判定し、すり傷が全く見られないか、すり傷が1本においてのみ確認された場合には、その鉛筆硬度は合格と判定した。
引裂き強さ:
上記で得られた各シートを幅50mm、長さ150mmにカットし、幅の一端に、真中から長さ方向に25mmの切込みを入れたものを用いた。サンプルは、23℃×50%RHの恒温恒湿機にて24時間調湿した。引裂き強さ測定条件はJIS K7128に準拠してトラウザー法を行なった。挟み間隔を70mm、引張り速度を200mm/分、試験回数をn=5とし、それらの値を平均して求めた。
耐水後の伸度:
上記で得られた各シートを幅25.4mmにカットし、40℃×95%RHの恒温恒湿機にて1週間調湿し、その後すぐにテンシロン型引張試験で伸度を測定した。挟み間隔を100mm、引張り速度を300mm/分、試験回数をn=3とし、それらの値を平均して求めた。
三次元曲面施工性:
吹き出し口温度が100℃のドライヤーを用いて、丸天板に化粧シートを貼り付け、曲面部分に追従する場合はOK、曲面部分に追従しない、若しくは施工後に化粧シート端部が剥がれる場合はNGとした。
Figure 0004602028
上記試験の結果から、以下のことが分かる。
ベース層にアクリル樹脂を含まない比較例1の化粧シートは低温衝撃性が低く、三次元曲面施工性に劣り、耐水後の伸度も低かった。
透明接着層におけるポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂との配合比が80:20ある比較例2の化粧シートは、透明保護層とベース層との密着が十分でなく、層間での剥離が観察された。
比較例2と同様に透明接着層のポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂との配合比が80:20重量%である比較例3の化粧シートも、ベース層に絵柄模様を設けたが、透明保護層とベース層との密着が十分でなく、一部で層間での剥離が観察された。
透明保護層のポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂との配合比が40:60である比較例4の化粧シートは、耐薬品性が十分ではなく、表面光沢の変化が見られた。
これら比較例の結果に対して実施例1及び実施例2の化粧シートは、シート施工時の曲面追従性に優れ、施工後に被着体からシートが浮き難く、保護層表面の光沢保持性に優れ、シートを構成するベース層と保護層との層間の密着性も高かった。また、実施例3の化粧シートは、三次元曲面施工性に優れていた。しかし、アクリル樹脂に起因するフィルムの耐引裂き性能の若干の低下、フィルム硬度(鉛筆硬度)の若干の低下が認められたが、実用上は問題がなかった。

Claims (4)

  1. 非晶性ポリエステル樹脂のみからなるポリエステル樹脂とアクリル樹脂とを含有するベース層と、
    前記ベース層表面側に固定的に配置され、アクリル樹脂を主成分とするアクリル−フッ素樹脂を含有する透明接着層と、
    前記透明接着層表面に積層され、フッ素樹脂を主成分とするアクリル−フッ素樹脂を含有する透明保護層とを有する化粧フィルム。
  2. 前記ベース層における非晶性ポリエステル樹脂とアクリル樹脂との重量比が60:40〜95:5である請求項1に記載の化粧フィルム。
  3. 前記透明接着層及び/又は前記透明保護層に含まれるアクリル−フッ素樹脂が、アクリル樹脂とフッ素樹脂の混合物であり、フッ素樹脂が、フッ化ビニリデン樹脂である請求項1又は2に記載の化粧フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の化粧フィルムと、前記ベース層裏面側に設けられた接着剤層とを有する化粧シート。
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