JP4601383B2 - 管路の分岐管路部のライニング施工方法 - Google Patents
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Description
本発明の関連する技術分野は、本発明の技術的手段が適用される技術分野であれば、その用途に限定されない。すなわち、本発明は直接的には下水道管路を対象とするが、その他、水道管、ガス管、更には空気導管等がその対象に含まれる。
本発明はまた、当該管路が地中のもの、地上のもの、更には建物内でのもの、等その設置の態様にも限定されない。
すなわち、先行発明1の当該枝管の補修方法によれば、枝管を有する本管の内面に更生管を挿入して本管内面を更生する工程と、前記枝管と前記更生管を削孔処理にて接続する工程と、前記枝管内に挿入可能な筒体とこの筒体の一端に設けられ電線を埋設した合成樹脂製のフランジからなる止水部材を準備する工程と、前記止水部材の筒体を前記更生管内から前記枝管内へ挿入させ前記フランジを前記更生管内面に当接させる工程と、前記電線に通電して前記フランジを加熱しかつ前記更生管内面からの空気圧により前記フランジを前記更生管の内面に溶融圧着させる工程とを含む構成を採る。
この先行発明1によれば、一連の作業により、本管から枝管にわたって補修並びに止水処理が行え、補修が効率良くでき、止水処理も簡単かつ確実にできるという利便性がある。
しかしながら、当該先行発明1においては、その止水部材における筒体の素材として熱硬化性樹脂を使用するものであるので、曲がりを有する取付け管に対して該筒体は十分な追従性を有さず、当該曲がり部内において褶曲変形が生じ、硬化に伴いその変形はそのまま残留するという問題がある。
すなわち、該先行発明2の管路の分岐部の補修方法によれば、本管に穿孔部を介して取付け管が連通状に取り付けられ、少なくとも該本管の穿孔部回りの内面は熱可塑性合成樹脂素材が露出してなる分岐部において、当該分岐部並びに取付け管部分の止水を行う補修方法であって、
前記取付け管内に密着状に挿入可能な熱可塑性合成樹脂よりなる筒体と;この筒体の一端に設けられ前記穿孔径よりも大径にして前記本管の熱可塑性合成樹脂素材と同一材料よりなるフランジ部と;からなる補修管を、該補修管の筒体の全体を包む気密状の保温袋に収納し、
前記補修管を収納した保温袋を、該保温袋内に加熱媒体を送り込みつつ前記補修管の筒体の径を縮径状態となすとともに保温袋とともに該筒体を前記本管より前記穿孔部を介して前記取付け管内に引き入れるとともに、前記穿孔部において、前記補修管のフランジ部を前記本管の内面に当接させ、
前記補修管の筒体内より加熱及び加圧して前記筒体を拡径膨張させるとともに、前記補修管のフランジ部を前記本管の内面に当接させた状態で、該フランジ部を融着一体化させる、ことを特徴とする。
これによれば補修管の取付け管への引き込みは保温袋を介してなされ、補修管に無理な力が作用せず、伸び変形が生じない。また、補修管を軟質化するので、取付け管の曲がりに良好に追従する。
しかして、この先行発明2によれば、上記先行発明1の問題点を除去できるうえ、本管のみならず取付け管との分岐部及び取付け管の全体をその内面から一連かつ一体的に補修・止水でき、水の浸入を一切阻止できる。また、その補修筒にポリエチレン製素材を使用するので、耐食性、耐久性に優れ、従来の問題点であった臭いや曲がり部での褶曲変形の問題がない。
しかしながら当該先行発明2によれば、保温袋の使用(袋の引張作業)並びにその処理(撤去)に手間を要し、手間を要するものとなり、施工効率の向上が期待されるところとなっている。
なお又、当該先行発明1においては、分岐部の開口部に当接するフランジ部が管渠の曲率に予め適合する複雑な形状を採り、その成形のみならず分岐部での設置操作に手間を採る等の問題点も指摘される。この点は先行発明2も同様である。
本発明はこのため、隘路である保温袋を使用しないこと、分岐部分での手間のかかる処理を解消することを条件とし、平板状のフランジ部を有し、加熱により軟化する分岐ライニング管を用いて、この問題の解消を図ったものである。
本発明はこれにより、熱可塑性樹脂による当該管路の分岐部における迅速施工技術を確立するものである。
すなわち、円管状をなすとともに小口径の本管から円形の開口部を介して分岐する円管状の分岐管路において、当該分岐部並びに分岐管路部分にライニングを施工する方法であって、
前記分岐管路の径より小径の円筒体と;この円筒体の一端のテーパー部を介して設けられ前記開口部の径と実質的に同径の開口を有し、該開口部の径よりも大径の外径を有する円環状をなす平板状のフランジ部と;からなるとともに熱可塑性合成樹脂よりなる分岐ライニング管において、前記円筒体の端部のテーパー部内には側面がテーパーに形成された栓体が嵌合され、該円筒体の他端にはキャップが嵌合され、前記栓体と前記キャップとの間に牽引力を伝達する牽引ワイヤーが介装され、該分岐ライニング管を加熱して軟化させ、
前記軟化状態の分岐ライニング管を前記本管側から前記開口部を介して前記分岐管路部内に引き入れるとともに、前記開口部において、前記分岐ライニング管のフランジ部を前記本管の内面に当接させ、前記筒体の両端部において密封状となすとともに、前記フランジ部を前記本管側から押圧支持し、
前記分岐ライニング管の筒体の軟質状態において該筒体内に充填する加圧媒体により加圧して前記筒体を拡径膨張させ、前記分岐管路の内面に密着させる、
ことを特徴とする。
上記構成において、
1)分岐ライニング管の合成樹脂材は形状記憶性が付与されてなること、
2)加圧において、加熱状態を付加すること、
3)分岐ライニング管のフランジ部の押圧支持はエアーパッカーによりなされること、
は適宜実施される選択的事項である。
(作用)
分岐ライニング管の分岐管部(取付け管)への引込みは軟質状態をもってなされ、分岐管の根元部を含む曲がり部に容易に追従する。そして、加圧更にそれに付加される加熱により、分岐ライニング管の筒体の取付け管内に密着し、ライニングをなす。平板状のフランジ部は分岐口部の曲率になじみ、無方向性を発揮する。
分岐ライニング管は筒体とフランジ部とが一体となっており、該分岐ライニング管の装着のみで作業が完結する。
このようにして、穿孔部回りから取付け管内への一体かつ一連の止水作業を実施できる。
特記されるべきは、直角状にして平板状のフランジ部の部位においても、筒部とともに軟質化されているので、分岐部の形状に追従することができ、無方向性を発揮し、施工の自由度が増し、施工の効率化に寄与する。
更に、分岐管路部に挿入された分岐ライニング管は加圧・加熱によって全体的に分岐管路部の内面に密着させることができ、断面損失もなく、かつ迅速な施工が達成することができる。
図1〜図9に本発明の管路の分岐管路部のライニング施工方法の一実施形態を示す。すなわち、図1・図2はその施工方法を実施する過程における全体的構成を示し、図3〜図9はその部分構成を示す。
これらの図において、P,Rは本発明の対象となる地中に埋設された管路すなわち管渠並びに分岐管路すなわち取付け管、Lは管渠P内に施されるライニングであって、管渠P・ライニングLと取付け管Rとは穿孔部(開口部)Qを介して連通する。
しかして、この管渠P並びに取付け管R内に分岐ライニング管Sが配される。該分岐ライニング管Sは管渠Pから取付け管Rへ導き入れられる。
以下の説明において、該分岐ライニング管Sの進行方向に合わせて、「前方」及び「後方」と定義する。
図1・図2において、管路Pは地盤Eに埋設された既設の下水道管渠であって、本実施形態ではコンクリート製の小口径管をなし、その上下流側にはマンホール部(図示せず)が設置されている。すなわち、該マンホール部を介して地上部と管渠Pとは連通する。
また、地表面部には雨水・汚水枡Mが設置され、この枡Mと管渠Pとは取付け管Rを介して連通する。すなわち、地表の雨水・汚水等はこの枡Mを介し、取付け管Rを通して管渠Pに流れ込む。該取付け管Rは通常は陶管あるいは合成樹脂管(塩化ビニル管)よりなり、当然ながら管渠Pより小口径である。
しかして、既設の管渠Pが老朽化し、脆弱化すると、その更生のために内面にライニングLが施され、その取付け管Rとの分岐部において開口部Qが穿孔され、取付け管Rと再度連通する。
そしてまた、取付け管Rも漏水などによる老朽化あるいは外力による破損等により、その更生が図られることになる。
分岐ライニング管S
分岐ライニング管Sは、取付け管R内に挿入される円筒状のライニング円筒管1と、該円筒管1の一端に設けられるフランジ部2とからなる。
(ライニング円筒管1)
ライニング円筒管1は、熱可塑性の合成樹脂、特には形状記憶性の樹脂、好ましくは塩化ビニル樹脂(PVC)をもって形成され定常状態で中空円筒状をなし、長さは取付け管Rよりも長尺とされ、その外径は取付け管Rの内面の径より小径とされる。
この円筒管1は他の熱可塑性合成樹脂素材、例えばポリエチレン樹脂より成形されることを除外するものではない。
塩化ビニル樹脂(PVC)あるいはポリエチレン樹脂等に形状記憶性を導入する手段は公知である。例えば、PVCにおいては、形状記憶温度は170℃前後で処理され、また管体形状を記憶した後、管軸(長さ)方向に張力を加えられて小径体になされる。
しかして、この形状記憶性のPVCにおいて、ガラス転移温度(35〜80℃)と形状回復温度(55℃以上)との間のいわゆる軟化温度帯(本実施形態では80℃)で、以下の加熱軟化処理及び加圧膨張処理がなされる。
加熱軟化性、更には加圧膨張性を発現するものであれば、通常のPVC、又はポリエチレン、更には他の合成樹脂材でもあってもよいことは勿論である。
(フランジ部2)(図6〜図8参照)
フランジ部2は中央に円孔を有する扁平状の円環体をなし、所要の肉厚をもってライニング円筒管1と同素材をもって形成され、従って、加熱軟化性を有し、該ライニング円筒管1に連設するとともに、その外径は該ライニング円筒管1の径より大径のものとして形成される。すなわち、該フランジ部2は塩化ビニル樹脂をもって形成され、管渠Pの内面に当接し、後記するように軟化されて変形され管渠Pの曲率に沿う形状とされても開口内に落ち込むことのない外径Dを保持する。なお、該Dは管渠P及びそのライニングLの層厚の内径よりも大きくはされない。
該フランジ部2の上面(換言すれば前方側表面)にはシール材4が所定幅をもって円環状に貼設される。シール材4には、ブチルゴム、あるいは他の膨潤性ゴムの使用が推奨される。シール材4は塗布剤によることもできる。
(テーパー部1A)
本実施形態において更に特徴的はことは、円筒管1の基部1A、すなわちフランジ部2との連接部分は、円筒管1よりフランジ部2に至るにつれ径を拡大し、テーパー部となる。換言すれば、該テーパー部1Aはフランジ部2より円筒管1に至るにつれ径を縮小する。
(製管)
このように本分岐ライニング管Sは、直管状の円筒管1の端部に平面状のフランジ部2が形成され、極めて単純な形状となっている。特に、そのフランジ部2が扁平をなすことを本発明の特徴とし、その成形性が簡単化されるのに加え、設置時の無方向性を与える大きな効果がある。
当該分岐ライニング管Sは、工場において加工製作されるも、また現場において加工製作されるも自由である。
現場の状況に対応して、現場にて加工される態様を採ることが多い。すなわち、このとき、フランジ部2とテーパー部1Aとからなる既製の短管(ティーともいう)が用意され、該短管と円筒管1とが溶着部1aをもって接合される。
しかして、この既設管渠Pが老朽化している場合、該管渠Pに対し、ライニングLが適宜施される。
その一実施態様として、マンホール等を介して地上より該管渠Pの内面に密着する熱可塑性でかつ形状記憶性の合成樹脂、前記した塩化ビニル(PVC)製のライニング管L’を牽引挿入する。熱可塑性で形状記憶性の合成樹脂材として他にポリエチレン(PE)製のものもあり、この使用を除外できるものではない。このとき、該ライニング管L’はその横断面をC型に変形させて断面を縮径させることにより容易に既設管P内に挿入される。
しかる後、当該ライニング管L’に対し、その内部に加熱蒸気を送り込んで加熱するとともに圧縮空気をもって加圧し、該ライニング管L’を所定の径に復形させて該既設管渠Pの内面に密着させ、ライニング管Lが定置される。
ここで、取付け管Rの分岐部においてはライニングLで塞がれた状態となっているので、既設管渠Pの内部から公知の穿孔装置(図示せず)を用いて穿孔し、開口Qを形成し、取付け管Rとの連通をなす。
取付け管Rは管渠Pよりも小径であり、例えば口径φ150mmを採る。なお、場合によっては取付け管Rから削孔をなすことも可能である。
このようになされた管渠Pの分岐部及び取付け管Rに対して分岐ライニング管Sの取付け工事がなされる。
図 1、図2はその施工過程を示す。すなわち、図1は本施工方法の途中の前工程を示し、図2は本施工方法の途中の後工程を示す。
(1) 地上部もしくはマンホール部内において分岐ライニング管Sが準備され、該分岐ライニング管Sの取付け管R内への装着準備作業、すなわち、該分岐ライニング管Sの加熱、軟化作業が実施される。
このため、加熱装置Hが使用される。加熱装置H(図示せず、符号のみ)は、保温袋、ボイラーよりなる。
保温袋は、公知のものが使用され、気密性素材よりなるとともに、一端が開放された筒状に形成され、その内部に分岐ライニング管Sの全体が収容され得る。該保温袋は可撓性を有し、高温に耐える。保湿袋は本発明において非本質的事項であって、要は加熱することが重要であり、他の手段(例えばカバー)を除外するものではない。
ボイラーは後記する加熱・加圧装置Jのボイラー30が共用される。ボイラーからの加熱蒸気は、適宜調節弁を介して蒸気の排出をこの部分でなし、蒸気の送り込みを調整する。
加熱に先立って、分岐ライニング管Sの円筒管1の上端にはキャップ10が嵌合され、分岐ライニング管Sのフランジ部2においては栓体11が嵌合され、他に牽引ワイヤーが装着される。しかる後、この分岐ライニング管Sを保温袋に収納し、該保温袋にボイラーからの加熱蒸気(常圧で100℃)を送り込み、分岐ライニング管Sを加熱軟化する。
栓体11は切頭円錐体をなし、木製あるいは合成樹脂材よりなり、更にはゴム製も採りうる。
栓体11は、フランジ部2のテーパー部1A内への確実な嵌合、すなわち容易に外れないことが要件とされ、側面11aはテーパーに形成される。該栓体11はテーパー部1A内に必ずしも密嵌状となるものではなく、側面部には適宜浅溝11bが凹部され、後記する加熱蒸気の通過を許容する。
栓体11にはフック12が固定され、該フック12に内部牽引ワイヤー13Aの一端が係合される。内部牽引ワイヤー13Aは分岐ライニング管Sを最短長さで張られ、他端をキャップ10に係合し、もしくは該キャップ10を貫通して分岐ライニング管S外に引き出される(図1参照)。
該分岐ライニング管Sの軟質化が終了すれば、保温袋が取り外される。
引込み装置Iはウインチ15を主体とし、分岐ライニング管Sのキャップ10より突出した内部牽引ワイヤー13Aに係合する外部牽引ワイヤー13Bよりなる。なお、外部牽引ワイヤー13Bの途中にスイベルジョイント(図示せず)を介装させ、巻取りに伴う該牽引ワイヤーのねじれを防止することが推奨される。
先ず、外部牽引ワイヤー13Bを地上部の枡Mから取付け管R内を挿通して既設管渠P内に挿入し、作業空間が確保される場所、例えば下流側マンホールまで到達させる。そして、該マンホール部で保温袋より取り出された分岐ライニング管Sの内部牽引ワイヤー13Aに連結する。
この過程で、取付け管Rの途中の曲がり部において、分岐ライニング管Sの円筒管1は加熱により柔らかくなっているので、曲がり部でも抵抗を受けず、容易に該曲がり部を通過する。
また、分岐ライニング管Sの円筒管1をキャップ10、栓体11、内部牽引ワイヤー13Aを介して牽引するので、円筒管1には過大な力が作用せず、形が崩れず、円形を保持する。
該牽引は分岐ライニング管Sの円筒管1の前端部が地上部に出るまで行う。
更にこのとき、円筒管1の基部、すなわちフランジ部2とのテーパー部1Aにおいて、当該部位はフランジ部2と直角状をなすが、円筒管1は軟質化しており、分岐部の形状に対応して、その角度に追従して折り曲げられ、形状を変化させる。
フランジ部2において、開口部Qの管軸部位においては栓体11の後端面より広がるが、管軸直角部位においては一旦直管状を保ち、後端部より管渠Pの曲率に沿って広がる(図5参照)。
該エアーパッカー17には牽引ロープ18、空気ホース19が連結され、牽引ロープ18を介して他のマンホールからの引き込みにより該エアーパッカー17を移動させる。空気ホース19は外部のコンプレッサーに接続される。
空気ホース19からエアーパッカー17へ空気圧を導入し、エアーパッカー17を膨張させ、フランジ部2を開口部Qの周辺に強く押し当てる。
なお、該エアーパッカー17に替え、機械力あるいは油圧をもってフランジ部2を押圧する装置によることもできる。
加熱・加圧装置Jは、ボイラー30、コンプレッサー31を主体とし、ボイラー30、コンプレッサー31からの配管32,33は弁34を介して共通の主配管35に接続される。該主配管35は調整弁36を介して蒸気導入管24に接続される。
円筒管1内に送り込まれた蒸気は、蒸気排出管25を介して外部へ排出される。このため、円筒管1内には常時新しい高温蒸気が送り込まれる。該蒸気排出管25の排出量は、圧力を大きく減少させない程度になされ、加圧に悪影響を与えない。
フランジ部2は管渠Pの内方からのパッカー17による加圧を受け、管渠Pの内面に張り着く。
(7B)この状態を継続し、約20分程度で円筒管1が取付け管R内に張り着く。
(7C)上記の張付けに係る所定時間の経過後、ボイラー30を止め、コンプレッサー31のみの作動とし、分岐ライニング管S内に更に圧力(1.5〜2.0kgf/cm2 )を高めて常温の圧縮空気を送る。初期において分岐ライニング管S内の蒸気及び水分は蒸気排出管25を介して外部に排出される。これにより、分岐ライニング管Sは冷却(円筒管1の表面温度40℃を目安とする。)と加圧がなされ、円筒管1の拡径が維持されるとともに取付け管Rの内壁面に密着して強固に貼り着き、ライニングされる。
上記工程において以下の改変は適宜なされる設計的事項であり、本発明の実質的効果に変化を与えるものではない。
1)ボイラー30からの配管とコンプレッサー31からの配管とを独立させ、各々閉塞蓋22を介して円筒管1内へ導入してもよい。
2)工程(7) において、加圧は1〜2kgf/cm2 であってもよい。
このように、本実施形態の管路の分岐管路部のライニング施工方法は、叙上の予め一体形成された分岐ライニング管Sを所定の補助装置H,I, Jを使用して叙上の手順をもってなされ、以下の作用を発揮する。
分岐ライニング管Sの取付け管R(分岐管部)への引込みは軟質状態をもってなされ、取付け管Rの分岐口部Qを含む曲がり部に容易に追従する。平坦状のフランジ部2も分岐口部の曲率になじみ、無方向性を発揮する。
また、キャップ10、内部ワイヤー13Aにより分岐ライニング管Sは常時円形を保つ。
加熱・加圧により、分岐ライニング管Sの円筒管1は膨径し、取付け管Rの内面に密着する。また、フランジ部2の近傍のテーパー部1Aにおいては、栓体11の作用と相俟って取付け管Rの取付け角度に追従し、くびれ部を生じることなく、一定径の管に拡径し、フランジ部2とともに既設管の内面に密着する。
しかして、分岐ライニング管Sは円筒管1とフランジ部2との一体成形により、該分岐ライニング管Sの装着のみで作業が完結する。また、断面損失もない。
このようにして、作業者の出入りできない小口径の既設埋設管渠Pを、直接的に、または熱塑性合成樹脂管でライニングして更生した後に、当該分岐口部Q及び取付け管R内の補修・止水処理が一連的かつ一体的に実施される。
この実施形態の管路の分岐管路部のライニング施工方法によれば、既設管渠P内に直接的に、または熱可塑性合成樹脂材をもってなされた既設管渠PのライニングLに連設して、取付け管Rとの分岐口部Q及び取付け管R内を一体形成された分岐ライニング管Sをもって全体的に止水・補修作業がなされ、止水性に優れた熱可塑性合成樹脂材による一連の作業が効率的に実施しえる。これにより、従来技術よりも格段に施工効率が向上し、実用的価値が確立される。
また、本実施方法によれば、分岐ライニング管Sの取付け管Rへの引込みは軟質状態をもってなされ、取付け管Rの分岐口部Qを含む曲がり部に容易に追従することができる。
加えて、平坦状のフランジ部2も分岐口部の曲率になじみ、無方向性を発揮する。また、フランジ部2の近傍のテーパー部1Aにおいて、栓体11の作用と相俟って取付け管Rの取付け角度に追従し、くびれ部を生じることなく、一定径の管に拡径する。
これにより、簡単な形状構成をなす本分岐ライニング管Sにより確実な止水性が実施される。
1…ライニング円筒管、1A…テーパー部、2…フランジ部、10…キャップ、11…栓体、13…牽引ワイヤー、15…ウインチ、17…エアーパッカー、30…ボイラー、31…コンプレッサー
Claims (4)
- 円管状をなすとともに小口径の本管から円形の開口部を介して分岐する円管状の分岐管路において、当該分岐部並びに分岐管路部分にライニングを施工する方法であって、
前記分岐管路の径より小径の円筒体と;この円筒体の一端のテーパー部を介して設けられ前記開口部の径と実質的に同径の開口を有し、該開口部の径よりも大径の外径を有する円環状をなす平板状のフランジ部と;からなるとともに熱可塑性合成樹脂よりなる分岐ライニング管において、前記円筒体の端部のテーパー部内には側面がテーパーに形成された栓体が嵌合され、該円筒体の他端にはキャップが嵌合され、前記栓体と前記キャップとの間に牽引力を伝達する牽引ワイヤーが介装され、該分岐ライニング管を加熱して軟化させ、
前記軟化状態の分岐ライニング管を前記本管側から前記開口部を介して前記分岐管路部内に引き入れるとともに、前記開口部において、前記分岐ライニング管のフランジ部を前記本管の内面に当接させ、前記筒体の両端部において密封状となすとともに、前記フランジ部を前記本管側から押圧支持し、
前記分岐ライニング管の筒体の軟質状態において該筒体内に充填する加圧媒体により加圧して前記筒体を拡径膨張させ、前記分岐管路の内面に密着させる、
ことを特徴とする管路の分岐管路部のライニング施工方法。 - 分岐ライニング管の合成樹脂材は形状記憶性が付与されてなる請求項1に記載の管路の分岐管路部のライニング施工方法。
- 加圧において、加熱状態を付加する請求項1又は2のいずれかの項に記載の管路の分岐管路部のライニング施工方法。
- 分岐ライニング管のフランジ部の押圧支持はエアーパッカーによりなされる請求項1ないし3のいずれかの項に記載の管路の分岐管路部のライニング施工方法。
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JP2003011223A (ja) * | 2001-03-29 | 2003-01-15 | Sekisui Chem Co Ltd | 埋設取付管に対する更生管のライニング方法 |
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