JP4596982B2 - 建設機械のキャブ - Google Patents
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Description
この際、上記したように、オペレータが運転室に搭乗して運転操作を行うことになるので、運転室においては作業機による作業部位に対するオペレータの視野を確保する必要がある。また、運転室としては、建設機械が転倒等した際には、その衝撃によって変形しないようにする必要があった。
そこで、従来では、運転室の視野を狭めることなく、しかも転倒荷重等の大きな荷重が作用しても、運転室が変形するのを防止することができるようにした建設機械の運転室がある(例えば、特許文献1参照)。
そして、一方の側面部51にはドア57が付設され、また、ルーフ部55には天窓58が設けられている。さらに、前面部53は、窓枠60と、この窓枠60に嵌合するガラス板61とからなり、略全体を前窓59としている。
そして、横桟62は、その上方鍔部63がシール部材65を介してルーフ部55の天窓58に接合され、その下方鍔部64がシール部材66を介して前面部53の前窓59の窓枠60に接合される。
このため、この運転室内のオペレータは、横桟62及びその接合部のために、図10に示す範囲(視界遮蔽領域)Hにおいて、その視野(斜め上方の視野)が遮られ、オペレータの視野内に、作業機による作業部位を収まるようにするのが困難となる場合があった。
そこで、上記図11に示す運転室では、運転室の剛性を向上させるために、横桟62の前方に補強部材67を配置している。この際、上記視界遮蔽領域H内において補強部材67を配置することによって、運転室の視野を狭めることなく、運転室の剛性を向上させている。
また、上記図11に示す運転室では、横桟62及び補強部材67を必要として、部品点数が多くコスト高となると共に、組み立て工程数が多く生産性に劣る。しかも、この図11に示すように、補強部材67が運転室の外部に露出するものでは、車両の全高が高くなり、輸送時に車体からキャブを取り外す必要がある。
あった。
一対の側面パネルと、上部位置に窓取付部が形成された前面パネルと、前記前面パネルの窓取付部に隣接して天井パネル接続部が形成された天井パネルとを備えた建設機械のキャブであって、
前記前面パネル及び前記天井部分の接続部分に沿ってキャブ内部に配置され、前記一対の側面パネル間を連結する筒状連結体を備え、
前記筒状連結体は、本体部と前記本体部の両端に外嵌される短筒とからなるとともに、該筒状連結体の端面で前記側面パネルと接合され、
前記筒状連結体の前記本体部で形成される中央部の断面の大きさは、前記短筒が外嵌された両端部の断面の大きさよりも小さく設定されており、
前記短筒は前記前面パネルの側辺部の幅寸法と略同様の長さ寸法を有し、
前記前面パネルは、前記筒状連結体の端部近傍で該筒状連結体に接合されていることを特徴とする。
前記キャブ室内で操縦姿勢となったオペレータが前記筒状連結体を見たときに、
前記窓取付部は、この筒状連結体に隠蔽される位置に設けられていることを特徴とする。
第3発明に係る建設機械のキャブは、第1発明又は第2発明において、
前記天井パネル接続部は、前記天井パネルを前記前面パネル面よりも前方側に突出させた庇部を備え、
前記キャブ室内で操縦姿勢となったオペレータが前記筒状連結体を見たときに、
前記庇部は、この筒状連結体に隠蔽される位置に設けられていることを特徴とする。
前記前面パネルの前方及び前記天井パネルの上方を覆うガードを備え、
前記ガードは、前記前面パネル及び前記天井パネルの外周に沿って設けられる枠体と、前記天井パネル接続部に沿って枠体内に架設される横桟とを備え、
前記キャブ室内で操縦姿勢となったオペレータが前記筒状連結体を見たときに、
前記横桟は、この筒状連結体に隠蔽される位置に設けられていることを特徴とする。
第5発明に係る建設機械のキャブは、第1乃至第4発明において、
前記天井パネルは、前方側に貫孔が形成されたパネル本体と、このパネル本体にシール部材を介して前記貫孔を塞ぐように装着される透明パネルとを備えていることを特徴とする。
第3発明によれば、第2発明と同様に、庇部によって視界遮蔽領域が拡がることがなく、キャブの前方及び上方におけるオペレータの視野を狭めることがない。
第5発明によれば、天井パネルに貫孔が形成されている場合に、本願発明を採用することにより、オペレータから見た作業機の先端位置をこの貫孔を通して視認する際にも、前述した筒状連結体が視界を遮蔽することがなく、本発明を好適に適用することができる。
■1.第1実施形態
(1)キャブの全体構成
図3は建設機械のキャブの簡略分解図を示している。
このキャブ(運転室)は、一対の側面パネル(側面部)1、2と、前面パネル3と、後面パネル4と、天井パネル5と、フロアフレーム6とを備える。
一方の側面パネル1には、ドア7と、側方窓8とが形成され、他方の側面パネル2には側方窓9が形成されている。
前面パネル3はほぼ全体が前窓10とされる。すなわち、前面パネル3は、全体略矩形状の窓枠10aと、この窓枠10aに嵌合される透明パネル10bとから構成される。この透明パネル10bは、合わせガラスからなる。
後面パネル4には後方窓11が形成され、天井パネル5には天窓12が形成されている。
なお、本実施形態では、図2に示すように、この建設機械の運転室内の運転席(図示省略)にオペレータOが着座、すなわち操縦姿勢となった状態で、オペレータO(図2参照)の前方側(正面側)をこの建設機械の前方側とし、これと反対側、つまりこのオペレータOの後方側をこの建設機械の後方側とする。
このガード40は、前ガード部材15と、天井ガード部材16とを備える。前ガード部材15は、前面パネル3の外周縁に沿った格子構造体から構成され、天井ガード部材16も、天井パネル5の外周縁に沿った格子構造体から構成され、各ガード部材15、16はオペレータOの視野を確保することができるようになっている。
また、前ガード部材15と天井ガード部材16との連結部(接合部)には、棒状体又はパイプ体等からなる横桟48が配置されている。
上記したように、天井パネル5には天窓12が形成されているが、図4に示すように、この天井パネル5は、パネル本体17を備え、天窓12は、パネル本体17の前方側に形成される略矩形状の貫孔18(図1参照)を透明パネル19で覆うことによって構成されている。
図1に示すように、パネル本体17の上面において、貫孔18の外周縁にはシール部材Sが配置され、このシール部材Sを介して透明パネル19が載置固定されている。なお、この透明パネル19も、合わせガラスからなる。
また、透明パネル19の周縁部には、ガラス端面を保護する断面コの字状の端縁部材(カバー部材)20が嵌着されている。
さらに、天井パネル5のパネル本体17の前端縁部にも、パネル端面を保護する断面コの字状の端縁部材(カバー部材)21が嵌着されている。なお、この天窓12及び前窓10には、図示省略のワイパー(窓拭き器)が付設されている。
前面パネル3の窓枠10aは、全体として矩形状であるが、上端部(天井パネル5の先端縁対応部)においては、図1に示すように、第1部材22と第2部材23とを備えた形状とされる。すなわち、第1部材22はパネル本体17の先端縁部の下面に沿う鍔部24と、この鍔部24の後端縁から屈曲してなる前壁部25とからなり、鍔部24が前面パネル3の前方側に突出して庇部を構成している。
また、第2部材23は、第1部材22の鍔部24よりも後方側においてパネル本体17の下面に沿う鍔部26と、この鍔部26の先端縁から屈曲して上記前壁部25に対向する前壁部27とからなる。
第1部材22と第2部材23とは、それぞれ、鍔部24、26がパネル本体17に溶接等にて接合され、前壁部25、27とが重ね合わされて、溶接等にて一体化される。
この場合、前面パネル3の窓枠10aの上端部においては、第1嵌合スリット29に、前壁部25、27にて構成される上辺部31が嵌合すると共に、第2嵌合スリット30に透明パネル10bの上端縁が嵌合する。
また、窓枠10aの両側端部においては、第1嵌合スリット29に側辺部32、32が嵌合すると共に、第2嵌合スリット30に透明パネル10bの側縁部が嵌合し、窓枠10aの下端部においては、第1嵌合スリット29に下辺部が嵌合すると共に、第2嵌合スリット30に透明パネル10bの下端縁が嵌合する。
このように、前面パネル3の上部位置には、シール部材28の上辺部28aにて構成される窓取付部13と、第1部材22と第2部材23とにおける前面パネル対応部、つまり図1における第1部材22と第2部材23での会合部位にて構成される天井パネル接続部14とが形成される。この際、窓取付部13と天井パネル接続部14とは隣接している。パネル本体17の前端縁部17a及びこの前端縁部17aに対応するシール部材Sの前端縁部Saが、上記窓取付部13の近傍に配置される。
一対の側面パネル1、2は、キャブ内部に配置される連結体33によって接続(連結)されている。
この連結体33は、図5に示すように、パイプ材からなる本体部34と、この本体部34の端部に外嵌される短筒35、35とを有する金属製パイプからなる。このため、上記連結体33の断面は、両側部よりも中央部が小さく設定されている。この場合、この連結体33は、前面パネル3とは別に設けられ、本体部34及び短筒35の端面がそれぞれ対応する側面パネル1、2の内面部に溶接等にて接合され、その両端部側が支持構造41にて支持されている。
短筒35は、本体部34が挿通される挿通孔35bが形成された筒状体として構成され、その長さは、図6及び図7に示されるように、前面パネル3の側辺部32の幅寸法と略同様の長さ寸法を有し、この短筒35の挿通孔35bの反対側は、筒状体の一部が側面視でL字状に切りかかれた切欠部35aとされている。
受け部材36は、窓枠10aの側辺部32に固定される基部36aと、この基部36aから短筒35に向かって延びる支持部36bとを備え、下方から上方に向かって側辺部32から次第に遠ざかる板状に構成され、支持部36bの先端部が短筒35を受けている。
当接部材37は、上記第2部材23の鍔部26から垂下される垂下片からなり、連結体33の端部の短筒35に上方から当接している。
縦板38は、短筒35が嵌合する切欠部39が形成された平板体から構成され、受け部材36と当接部材37との間の隙間を塞ぐものである。
また、受け部材の支持部36bの上面の幅方向端部に縦板38は、前面パネル3の側辺部32に溶接接合され、縦板38の側辺部32溶接部分とは反対側の端面には、受け部材36が溶接接合される。さらに、連結体33の上部の当接部材37も、縦板38の端面に溶接接合される。
次に、この連結体33に、予め側辺部32に縦板38が接合された前面パネル3を装着し、連結体33の短筒35と、縦板38の切欠部39とを嵌合させて、両者を溶接接合する。
最後に、受け部材36によって短筒35の下部を覆い、受け部材36を側辺部32、短筒35、及び縦板38に溶接するとともに、短筒35の上部を当接部材37で覆い、同様に短筒35及び縦板38により溶接して接合する。
前述した連結体33は、図1及び図2に示すように、キャブ室内の前方斜め上方部に位置するように配置される。
具体的には、連結体33の位置としては、運転席に着座して操縦姿勢にあるオペレータOが斜め上方を見る際の視野を遮る範囲(視界遮蔽領域)H(窓取付部13と天井パネル接続部14等にて決定される範囲)にほぼ入る範囲内とする。
この実施の形態においては、視界遮蔽領域Hは、連結体33の外周縁を通過するオペレータOの上方の目線L1と、連結体33の外周縁を通過するオペレータOの下方の目線L2との間の範囲であり、この視界遮蔽領域Hの成す角度(遮視角)θとしては、約3度程度とすることができる。このため、視界遮蔽領域Hを可能な限り小さくすることができる。
すなわち、天井パネル接続部14を構成する庇部及び窓取付部13に設けられるシール部材Sは、オペレータOから見たときに、連結体33の裏側に配置され、これらの部材は連結体33によって隠蔽されてしまう。従って、オペレータOが操縦姿勢の状態でキャブ室内から連結体33を見ても、天井パネル接続部14及び窓取付部13が連結体33から飛び出して見えることがなく、必要以上に視界遮蔽領域Hが増えることがない。
これに対して、上記図10に示すような横桟(連結部材)を設ければ、横桟と、天井パネルと横桟との接合部と、前面パネルと横桟との接合部とのために、視野を遮る範囲(視界遮蔽領域)Hが大きくなる。この図10に示す視界遮蔽領域Hでは、その遮視角θとして10度程度となる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。尚、以下の説明では既に説明したと同一の部分等については、同一符号を付してその説明を省略又は簡略する。
図8には、第2実施形態に係るキャブの要部拡大図が示され、この場合、窓取付部13のシール部材28を有さない場合である。すなわち、図8では、前面パネル3の上部においては、支持片部44がパネル本体17に取付けられ、この支持片部44にシール部材43を介して窓枠10aが接続されている。
支持片部44は、パネル本体17に取付けられる固着部44aと、この固着部44aから垂下される垂下片部44bとからなり、この垂下片部44bと、窓枠10aの上端縁部との間にシール部材43を介在させて、垂下片部44bに窓枠10aを固着している。このため、窓取付部13(この場合、シール部材43にて構成される)と天井パネル接続部14(この場合、支持片部44の固着部44aから構成される)とは、平板部42(この場合、支持片部44の垂下片部44bから構成される)だけで連結されていることになる。
ここで、平板部42とは、剛性向上のための処理(種々の加工や折曲等)が行われていない部分である。
第3実施形態に係るキャブは、図9に示されるような支持片部44を有し、支持片部44は、パネル本体17に取付けられる固着部45と、この固着部45から垂下される垂下片部46とから構成されている。
垂下片部46は、第1部46aと、この第1部46aから前方側へ立ち上がる傾斜状の第2部46bと、この第2部46bから上方へ延びる第3部46cとを備える。そして、第3部46cの表面と、窓枠10aの表面とを略同一面上に配置するようにしている。
この場合、支持片部44は複数の折曲部を有することになるが、運転席から斜め上方を見た際のオペレータOの視野を遮る視界遮蔽領域Hを小さくすることができる。しかも、上記図1で示したシール部材28や第1部材22等を省略できる。
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記形態に限定
されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
例えば、連結体33としては、金属製パイプに限るものではなく、角筒体であっても、中実棒であってもよい。
なお、建設機械としては、オペレータOが搭乗して運転操作する運転室(キャブ)を備えた種々のものが対象となる。この際、ガード40を備えないものであってもよい。
Claims (5)
- 一対の側面パネルと、上部位置に窓取付部が形成された前面パネルと、前記前面パネルの窓取付部に隣接して天井パネル接続部が形成された天井パネルとを備えた建設機械のキャブであって、
前記天井パネル接続部に沿ってキャブ内部に配置され、前記一対の側面パネル間を連結する筒状連結体を備え、
前記筒状連結体は、本体部と前記本体部の両端に外嵌される短筒とからなるとともに、該筒状連結体の延出方向端面でそれぞれの側面パネルと接合され、
前記筒状連結体の前記本体部で形成される中央部の断面の大きさは、前記短筒が外嵌された両端部の断面の大きさよりも小さく設定されており、
前記短筒は前記前面パネルの側辺部の幅寸法と略同様の長さ寸法を有し、
前記前面パネルは、前記筒状連結体の延出方向端部近傍で該筒状連結体に接合されていることを特徴とする建設機械のキャブ。 - 請求項1に記載の建設機械のキャブにおいて、
前記キャブ室内で操縦姿勢となったオペレータが前記筒状連結体を見たときに、
前記窓取付部は、この筒状連結体に隠蔽される位置に設けられていることを特徴とする建設機械のキャブ。 - 請求項1又は請求項2に記載の建設機械のキャブにおいて、
前記天井パネル接続部は、前記天井パネルを前記前面パネル面よりも前方側に突出させた庇部を備え、
前記キャブ室内で操縦姿勢となったオペレータが前記筒状連結体を見たときに、
前記庇部は、この筒状連結体に隠蔽される位置に設けられていることを特徴とする建設機械のキャブ。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の建設機械のキャブにおいて、
前記前面パネルの前方及び前記天井パネルの上方を覆うガードを備え、
前記ガードは、前記前面パネル及び前記天井パネルの外周に沿って設けられる枠体と、前記天井パネル接続部に沿って枠体内に架設される横桟とを備え、
前記キャブ室内で操縦姿勢となったオペレータが前記筒状連結体を見たときに、
前記横桟は、この筒状連結体に隠蔽される位置に設けられていることを特徴とする建設機械のキャブ。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の建設機械のキャブにおいて、
前記天井パネルは、前方側に貫孔が形成されたパネル本体と、このパネル本体にシール部材を介して前記貫孔を塞ぐように装着される透明パネルとを備えていることを特徴とする建設機械のキャブ。
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