JP4596632B2

JP4596632B2 - 逆止弁付きボンベバルブ

Info

Publication number: JP4596632B2
Application number: JP2000346411A
Authority: JP
Inventors: 彗良尾井; 眞理塩月; 光正籠本
Original assignee: Neriki Valve Co Ltd
Current assignee: Neriki Valve Co Ltd
Priority date: 2000-11-14
Filing date: 2000-11-14
Publication date: 2010-12-08
Anticipated expiration: 2020-11-14
Also published as: US6626204B2; US20020056476A1; JP2002147697A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮ガスや液化ガス等を貯蔵するボンベに取り付けられるボンベバルブのうちでも、逆止弁を内装することにより、逆流ガスや異種ガス、不純成分を含むガス等がボンベ内へ流入することを防止し、更には空気や雨水等の異物がボンベ内に侵入して純度を低下させることを防止できるようにした逆止弁付きボンベバルブに関する。
【０００２】
【発明の背景】
この種の逆止弁付きボンベバルブは、弁箱内で入口穴を出口穴に、入口路・止め弁弁室・逆止弁座・逆止弁室を順に介して連通し、逆止弁室に挿入した逆止弁体を逆止バネで逆止弁座に閉弁弾圧させてある。
ボンベ内が設定圧力以上であると、上記止め弁弁室内の止め弁を開弁することにより、逆止弁体の弁面に作用する流体圧が逆止バネの閉弁力に抗して逆止弁体を開弁させ、ボンベ内から流体が取り出される。これに対し、ボンベ内の残圧が設定圧にまで低下すると、逆止バネの閉弁力が弁面に作用する流体圧に打ち勝って逆止弁体を閉弁させる。これにより、ボンベ内に所定の残圧が維持され、外部からの異物等の侵入が防止される。また、各種機器に残存する不純成分を含んだガスや異種ガス等の流体が出口穴から逆流してきた場合には、その逆流圧が逆止バネと連動して逆止弁体を閉弁させる。
【０００３】
一方、上記の逆止弁を内装した構造であるため、上記出口穴からボンベ内へ流体を再充填する場合には、その充填圧で上記逆止弁体が閉弁しないように、強制的に逆止弁体を開弁させる必要がある。この場合、所定の充填設備を有する場所以外でも容易に逆止弁体を開弁できると、不純成分を含むガスや異種ガス等を容易に充填してボンベ内を汚損する惧れがあるので、特殊な設備や治具を用いて逆止弁体を開弁できるように構成するのが望ましい。
【０００４】
【従来の技術】
従来、上記充填時に逆止弁を強制的に開弁できる逆止弁付きボンベバルブとしては、例えば本出願人が先に提案した特開平３−２０１９９号公報に記載されたものがある。
即ち、この逆止弁付きボンベバルブは、上記逆止弁室の入口を介し逆止弁体が臨む位置に開弁具収容部を形成して、この開弁具収容部に逆止弁体開弁具を進退移動可能に装着し、この逆止弁体開弁具は、逆止弁室側へ前進して逆止弁体を押圧し開弁する開弁位置と、逆止弁室側から後退して逆止弁体から離間する開弁解除位置とに切換移動可能に構成してある。そして、上記逆止弁体開弁具の入力部を流体圧作動式ピストンで構成し、このピストン式入力部と開弁具収容部の後端壁との間に開弁作動室を形成し、上記後端壁に圧力流体の流路からなる入力孔を形成し、上記開弁作動室を、入力孔を介して後端壁の外面に連通してある。なお、上記逆止弁体開弁具は、充填時以外は誤って逆止弁体を開弁しないように、開弁解除バネで開弁解除位置に保持され、また、この逆止弁体開弁具が他物に押圧されないように、上記流路からなる入力孔は逆止弁体開弁具の入力部の軸心に対して傾けてある。
【０００５】
流体をボンベ内に充填する場合は、充填具をボンベバルブの流体出口穴に連結するとともに、圧縮空気などの圧力流体源を上記開弁具収容部の後端壁に設けた入力孔に連結し、開弁作動室に圧力流体を導入して逆止弁体開弁具を開弁位置へ移動させ、逆止弁体を開弁したのち、止め弁を開弁して流体出口穴からボンベ内へ所定の流体が充填される。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の逆止弁付きボンベバルブでは、圧力流体で逆止弁体開弁具を移動させるため、充填装置に圧縮空気などの圧力流体源を設ける必要があるうえ、この圧力流体源と上記入力孔とを連通連結するための流路を形成するなど、部品点数が多くなり、安価に実施できない問題がある。
【０００７】
また、逆止弁体開弁具を圧力流体で移動させる上記構成に代えて、機械的に逆止弁体開弁具を移動させる構成も考えられるが、充填時以外は逆止弁体開弁具が誤って他物に押圧されないように、保護手段を設ける必要があり、一方、開弁操作具は上記保護手段を解除しながら逆止弁体開弁具を移動できるように、カム機構など複雑な構造を採用しなければならず、部品点数が多くなり、安価に実施できない問題がある。
【０００８】
本発明は上記問題点を解消し、既存の充填装置をそのまま使用してガスを充填でき、しかも簡単な構造で安価に実施できる、逆止弁付きボンベバルブを提供することを技術的課題とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、例えば、本発明の実施の形態を示す図１から図５に基づいて説明すると、逆止弁付きボンベバルブを次のように構成したものである。
即ち、ボンベバルブ(３)の弁箱(４)内で、入口穴(７)を出口穴(11)に、入口路(８)・止め弁弁室(９)・出口路(10)を順に介して連通して、止め弁弁室(９)から出口路(10)を経て出口穴(11)に至るまでの間に逆止弁室(41)を形成し、逆止弁室(41)の入口(41ａ)側に逆止弁座(44)を形成し、逆止弁室(41)に挿入した逆止弁体(42)を逆止バネ(43)で逆止弁座(44)に向けて弾圧し、上記逆止弁室(41)の入口(41ａ)を介し逆止弁体(42)が臨む位置に開弁具収容部(53)を形成して、この開弁具収容部(53)に逆止弁体開弁具(51)を進退移動可能に装着し、上記逆止弁体開弁具(51)は、逆止弁室(41)側へ前進して逆止弁体(42)を押圧し開弁する開弁位置(Ｙ)と、逆止弁室(41)側から後退して逆止弁体(42)から離間する開弁解除位置(Ｘ)とに切換移動可能に構成した、逆止弁付きボンベバルブにおいて、
上記開弁具収容部(53)と逆止弁体開弁具(51)との間に磁性体で形成したロック具(55)を装着し、上記ロック具(55)は、上記開弁解除位置(Ｘ)に位置する逆止弁体開弁具(51)の進退移動を制限するロック姿勢(Ｌ)と、この進退移動を許容するロック解除姿勢(Ｍ)とに切換可能に構成し、上記逆止弁体開弁具(51)を、磁性体で形成したロック解除具(61)を備える開弁操作具(60)で押圧可能に構成し、上記ロック具(55)とロック解除具(61)との少なくとも一方を磁石で構成し、上記開弁操作具(60)で逆止弁体開弁具(51)を押圧する際に、上記ロック具(55)とロック解除具(61)との間に生じる磁力により、ロック具(55)をロック姿勢(Ｌ)からロック解除姿勢(Ｍ)へ切換えるように構成したことを特徴とする。
【００１０】
【作用】
流体の取出し時や保管時などは、上記逆止弁体開弁具は開弁解除位置に位置しており、ロック具がロック姿勢となっているので、逆止弁体開弁具に他物が当たるなど誤って逆止弁体開弁具が押圧されても開弁位置へ移動することがなく、逆止弁体が不用意に開弁される虞がない。
充填時には、ロック解除具を備えた開弁操作具を所定位置に装着すると、ロック解除具とロック具との間の磁力によりロック具がロック解除姿勢に切換わる。
次いでその姿勢のまま開弁操作具で押圧すると、逆止弁体開弁具が開弁位置へ移動して逆止弁体が押圧され、強制的に開弁される。これにより、充填装置から所定の流体が流体出口穴、逆止弁室、止め弁弁室、入口路、流体入口穴を順に経てボンベ内へ充填される。
【００１１】
なお、上記ロック具とロック解除具とは、いずれを磁石で形成することも可能であるが、通常、弁箱などが磁性体で形成されるため、ロック具は磁石とせず、ロック解除具を磁石で形成するのが好ましい。また、ロック解除具と開弁操作具とは、必ずしも一体に設ける必要はないが、両者を一体に設けた場合には、ロック解除具によるロック具のロック解除姿勢への切換えと、開弁操作具による逆止弁体開弁具の開弁位置への移動とを一連の動作で行えるので、より好ましい。
【００１２】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【００１３】
(第１実施例)
図１〜図４は本発明の第１実施形態を示し、図１はボンベバルブの縦断面図、図２は図１のII−II線矢視断面図、図３は逆止弁体の開弁操作手順を示す説明図であり、図３(ａ)は開弁操作具を装着した状態の逆止弁の断面図、図３(ｂ)は逆止弁体開弁具を開弁位置へ移動させた状態の逆止弁の断面図、図４は図２のIV−IV線矢視端面図である。
【００１４】
図１と図２に示すように、ガスボンベ(１)の首部(２)にボンベバルブ(３)の弁箱(４)がネジ止め固定されている。弁箱(４)は縦長に造られており、その脚ネジ部(５)の下面にガス入口穴(７)が形成される。このガス入口穴(７)が縦向きのガス入口路(８)・止め弁弁室(９)・ガス出口路(10)を順に介してガス出口穴(11)に連通される。ガス入口路(８)と止め弁弁室(９)とは同軸上に形成されている。ガス出口穴(11)は、弁箱(４)の途中高さ部に前向き(第２図上で左向き)に開口されており、その周肉壁の出口ノズル(13)にガス取出し用金具(14)が接続可能とされる。
【００１５】
上記の止め弁弁室(９)は、弁箱(４)の上寄り部内に上向き開口状に形成されている。止め弁弁室(９)に上から挿入した止め弁弁体(16)が、手動式の止め弁用開閉操作装置(17)で止め弁弁座(18)に開閉操作される。即ち、弁蓋(20)に対して上下方向へ進退調節自在に螺合した弁棒(21)をハンドル車(22)で下向きに進出操作することにより、金属製ダイヤフラム(23)を介して止め弁弁体(16)が止め弁弁座(18)に封止接当される。これとは逆に、弁棒(21)をハンドル車(22)で上向きに後退操作することにより、開弁バネ(24)の弾圧力で止め弁弁体(16)が止め弁弁座(18)から離間される。
【００１６】
上記の弁箱(４)の下寄り部に安全弁(26)が設けられるとともに、弁箱(４)の上寄り部の横側膨出部分(28)に逆止弁(27)が内装される。このように逆止弁(27)の装着部分を選定することにより、ボンベバルブ(３)は、全体がコンパクトに造られ、ガスボンベ(１)の首部(２)にネジ止め固定される保護キャップ(図示せず)内に容易に収容されるので、既存のガスボンベ及び保護キャップをそのまま利用できる。
【００１７】
上記の安全弁(26)は次のように構成される。
ガス入口路(８)の途中高さ部から順にガス導出路(29)・安全弁座(30)・安全弁室(31)が形成される。安全弁室(31)に挿入した安全弁体(32)が安全作動圧力設定バネ(33)で安全弁座(30)に封止接当される。そのバネ(33)の弾圧力調節ネジ(34)には図示していないガス噴出孔が形成される。符号(35)は防塵キャップを示す。なお、この安全弁(26)は、バネ式のものに代えて、破裂板式等の他の形式のものであってもよい。
【００１８】
また、上記逆止弁(27)は次のように構成される。
横側膨出部分(28)内で止め弁弁室(９)の横外側部に、前後方向(図２上で左右方向)へ延びる逆止弁装着孔(37)が、後ろ向き(同図上で右向き)開口状に形成される。逆止弁装着孔(37)に筒状カセット(38)が着脱自在に保密状に挿入され、筒状カセット(38)が押圧リング(40)と押え蓋(50)を介して筒押え(39)で押圧固定される。筒押え(39)は、その周壁に形成したネジ回し用カッター溝(39ａ)で横側膨出部分(28)に対して進退自在になっている。
【００１９】
筒状カセット(38)内に形成した逆止弁室(41)に逆止弁体(42)が挿入される。この逆止弁室(41)の入口(41ａ)側に逆止弁座(44)が形成してあり、上記逆止弁体(42)は、逆止弁室(41)内の逆止バネ(43)で上記逆止弁座(44)に向けて弾圧される。この逆止弁体(42)の周肉壁には少なくとも１つの流路溝(42ｂ)が前後方向に形成され、その後部には弁面用パッキン(45)が嵌着されている。止め弁弁室(９)と逆止弁室(41)とは、中間連通孔(47)・押圧リング(40)の外周側空間・押圧リング(40)周壁の複数の切欠き溝(46)・押圧リング(40)の内側空間を順に介して連通される。逆止弁(27)は、カセット式に構成することにより、筒状カセット(38)を横側膨出部分(28)に対して着脱するだけで取付け・取外しができるので、メンテナンスが容易である。
【００２０】
上記逆止弁体(42)を逆止弁座(44)から強制的に離間操作させる逆止弁体開弁具(51)が横側膨出部分(28)に付設される。
即ち、上記筒押え(39)の内部には、上記逆止弁室(41)の入口(41ａ)を介して逆止弁体(42)が臨む位置に開弁具収容部(53)が設けられ、この開弁具収容部(53)内に逆止弁体開弁具(51)が保密状に且つ進退移動可能に収容される。上記開弁具収容部(53)の前側を蓋する押え蓋(50)には、開弁具挿入孔(52)が、逆止弁体(42)とほぼ同軸上でその開弁用***作部(42ａ)に臨ませて貫通形成される。この開弁具挿入孔(52)に逆止弁体開弁具(51)が前後方向へ進退調節自在に挿入される。
【００２１】
上記の逆止弁体開弁具(51)は、その後端に装着凹部(51ａ)を凹設してあり、後述する開弁操作具の先端部をこの装着凹部(51ａ)に装着して押圧することにより、開弁解除バネ(56)の弾圧力に抗して前側へ押圧される。なお、上記逆止弁体開弁具(51)は、開弁解除バネ(56)の弾圧力による後退移動距離が所定量以上とならないように、開弁具収容部(53)の後端に形成した環状係止部(57)で受け止めてある。
【００２２】
また、上記逆止弁体開弁具(51)の外周面には、環状のロック具収容溝(54)を形成してこのロック具収容溝(54)に鋼球からなるロック具(55)を収容してある。一方、上記開弁具収容部(53)には、上記逆止弁体開弁具(51)が開弁解除位置(Ｘ)に位置するときに上記ロック具収容溝(54)と対面する位置に係合溝(59)を形成してある。従って、逆止弁体開弁具(51)が開弁解除位置(Ｘ)に位置すると、ロック具(55)は重力の作用によりその一部が上記係合溝(59)に侵入し、逆止弁体開弁具(51)の前記進退移動を制限するロック姿勢(Ｌ)となる。これにより、逆止弁体開弁具(51)の後端側に他物が衝突したり何らかのミスで押棒などにより前向きに押圧された場合であっても、逆止弁体開弁具(51)が前進移動するのを防止でき、その結果、逆止弁体(42)が誤って開弁してしまうことが防止される。
【００２３】
上記の逆止弁付きボンベバルブ(３)は次のように作動する。
ガス取出し時には、止め弁用開閉操作装置(17)で止め弁弁体(16)を開き操作する。この開弁状態でガスボンベ(１)の残圧が設定圧を越えているときには、中間連通孔(47)から押圧リング(40)内に流入してきたガスの圧力で、逆止弁体(42)が逆止バネ(43)の閉弁力に抗して逆止弁座(44)から離間される。これにより、ガスボンベ(１)内のガスが逆止弁室入口(41ａ)から逆止弁体(42)の流路溝(42ｂ)を通ってガス出口穴(11)へ流出される。これに対して、ガスの取出しにつれて、ガスボンベ(１)の残圧が設定圧にまで低下してきたときには、逆止弁体(42)が逆止バネ(43)の閉弁力で逆止弁座(44)に封止接当される。これにより、ガスボンベ(１)の残圧が設定圧に保持される。
【００２４】
また、逆流ガスがガス出口穴(11)から逆止弁室(41)内に流入してきたときには、逆止バネ(43)の閉弁力に加えて、その逆流ガス圧が逆止弁体(42)に閉弁力として作用して、逆止弁体(42)を逆止弁座(44)に封止接当させる。これにより、逆流ガスが逆止弁座(44)から止め弁弁室(９)を経てガス入口穴(７)へ逆流することが阻止される。
【００２５】
空になったガスボンベ(１)のガス充填時には、次の手順で操作される。なお、真空引きをする場合の操作手順も同様である。
即ち、図３(ａ)に示すように、ガス充填金具(66)の口金部がボンベバルブ(３)の出口ノズル(13)に保密状に外嵌固定され、次いで、上記逆止弁体開弁具(51)の後端に凹設した装着凹部(51ａ)に、開弁操作具(60)の先端部が装着される。この開弁操作具(60)の先端には磁石からなるロック解除具(61)が付設してあり、前記鋼球からなるロック具(55)はこのロック解除具(61)との間に作用する磁力で重力の作用に抗して引き付けられ、係合溝(59)から外れてロック具収容溝(54)内に全体が収容されたロック解除姿勢(Ｍ)に切り換わる。この姿勢の状態で上記開弁操作具(60)を押圧すると、図３(ｂ)に示すように、逆止弁体開弁具(51)が前進して、逆止弁体(42)を押圧し開弁する開弁位置(Ｙ)へ切換移動する。
【００２６】
なお、開弁操作具(60)は、先端側外周面に凸部(62)を突設してあり、一方、開弁具収容部(53)の後端に形成した前記環状係止部(57)には、図４に示すように切欠部(58)が形成してある。そして、開弁操作具(60)を押し込む際には、上記凸部(62)を切欠部(58)に挿通したのち、この開弁操作具(60)を９０度回転させ、上記凸部(62)を環状係止部(57)に係止する。これにより、逆止弁体開弁具(51)が開弁位置(Ｙ)に保持される。
【００２７】
上記のように逆止弁体(42)を強制的に開弁したのち、前述のごとく止め弁用開閉操作装置(17)で止め弁弁体(16)を開き操作する。これにより、充填金具(66)からの充填ガスがガス出口穴(11)から逆止弁室(41)・その入口(41ａ)・押圧リング(40)を経て中間連通孔(47)に流入し、ここから止め弁弁室(９)・ガス入口路(８)を経てガス入口穴(７)からガスボンベ(１)内へ充填される。
【００２８】
ガス充填の終了後は、止め弁弁体(16)を閉弁し、出口ノズル(13)からガス充填金具(66)を外すとともに、開弁操作具(60)を引き戻す。これにより逆止弁体開弁具(51)が開弁解除バネ(56)で右側へ押圧されて逆止弁体(42)から離間した開弁解除位置(Ｘ)へ切換わり、逆止弁体(42)の逆止作用が許容される。
そして開弁操作具(60)を逆止弁体開弁具(51)後端の装着凹部(51ａ)から離脱させると、ロック具(55)が重力の作用で落下し、その一部が係合溝(59)に侵入してロック姿勢(Ｌ)に切換わる(図２参照)。
【００２９】
なお、上記逆止弁室(41)の配設位置や方向は、上記実施形態のものに限定されない。例えば逆止弁体の移動方向を垂直方向に配置した場合には、逆止弁体開弁具も同じ方向に配置され、ロック具収容溝が水平面内に形成される。そこで、上記ロック具収容溝は、外方へいくほど幅を広く形成し、その側壁を傾斜させてある。この結果、逆止弁体や逆止弁体開弁具がいずれの方向に配置されても、ロック具を重力の作用でロック姿勢に切換えできるようにしてある。
【００３０】
図５は、第２実施形態を示し、ロック具周辺の開弁操作具の断面図である。
この第２実施形態では、逆止弁体開弁具(51)の外周面の三箇所にそれぞれロック具係合孔(63)が凹設してあり、これと対面する位置で開弁具収容部(53)の内面にロック具収容孔(64)が形成してある。そしてこのロック具収容孔(64)に鋼球からなるロック具(55)が収容され、ロック具(55)の一部はロック具係合孔(63)に侵入したロック姿勢(Ｌ)となる。
【００３１】
上記開弁具収容部(53)には、ロック具収容孔(64)の外側にそれぞれロック解除具装着部(65)が形成してあり、ここに磁石からなるロック解除具を装着すると、各ロック具(55)は吸着されて、全てロック具収容孔(64)内に収容されたロック解除姿勢(Ｍ)となる。従って、この状態で逆止弁体開弁具(51)を開弁操作具で押し込むことにより、開弁位置へ切換え移動させることができる。
【００３２】
上記各実施形態では球状のロック具を用いたが、本発明のロック具は円筒状など他の形状であってもよい。また、上記実施形態ではロック具を重力の作用によりロック姿勢へ切り換えるように構成したが、バネなど他の付勢手段を用いてロック姿勢へ切り換えるように構成してもよい。
【００３３】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されることから、次の効果を奏する。
【００３４】
(イ) 開弁操作具を所定位置に装着するだけでロック具がロック解除姿勢に切り換わり、その姿勢の状態で開弁操作具により逆止弁体開弁具を押圧することで逆止弁体を開弁できるので、簡単な構成で容易に開弁操作を行うことができる。しかもロック具を磁性体で形成し、開弁操作具に磁性体で形成したロック解除具を設けるだけでよいので、部品点数が少なく済み、構造が簡単であるうえ、充填装置には追加の設備を設ける必要がなく、安価に実施することができる。
【００３５】
(ロ) 上記ロック解除具を磁石で形成した場合には、弁箱が鋳鉄等の磁性体で形成される一般的なボンベバルブにも適用できるので、より好ましい。
また、ロック解除具を開弁操作具の先端部に付設した場合には、この開弁操作具の先端を逆止弁体開弁具の後端部に接当させてロック具をロック解除姿勢に切り換え、そのまま押圧することで逆止弁体開弁具を開弁位置へ移動させることができ、極めて簡単に操作できるのでより好ましい。
【００３６】
(ハ) 上記逆止弁体開弁具の外周面に環状のロック具収容溝を形成し、上記ロック具を球状に形成して上記ロック具収容溝へ収容可能に構成し、上記開弁具収容部には、開弁解除位置に位置する逆止弁体開弁具の上記ロック具収容溝が対面する位置に係合溝を形成し、上記ロック具の一部がこの係合溝へ侵入することでロック具がロック姿勢となるように構成した場合には、少なくとも１個の鋼球等でロック具を構成することができ、しかも重力の作用でロック姿勢に切換えできるので、部品点数が少なく済み、構成が簡単で安価に実施できるので、より好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施形態を示す、ボンベバルブの縦断面図である。
【図２】図１のII−II線矢視断面図である。
【図３】逆止弁体の開弁操作手順を示す説明図であり、図３(ａ)は開弁操作具を装着した状態の逆止弁の断面図、図３(ｂ)は逆止弁体開弁具を開弁位置へ移動させた状態の逆止弁の断面図である。
【図４】図２のIV−IV線矢視端面図である。
【図５】第２実施形態を示す、ロック具周辺の開弁操作具の断面図である。
【符号の説明】
１…ガスボンベ、３…ボンベバルブ、４…弁箱、７…ガス入口穴、８…ガス入口路、９…止め弁弁室、 10…ガス出口路、 11…ガス出口穴、 41…逆止弁室、 41ａ…逆止弁室(41)の入口、 42…逆止弁体、 43…逆止バネ、 44…逆止弁座、 51…逆止弁体開弁具、 53…開弁具収容部、 54…ロック具収容溝、 55…ロック具、 59…係合溝、 60…開弁操作具、 61…ロック解除具、Ｌ…ロック姿勢、Ｍ…ロック解除姿勢、Ｘ…開弁解除位置、Ｙ…開弁位置。

Claims

ボンベバルブ(３)の弁箱(４)内で、入口穴(７)を出口穴(11)に、入口路(８)・止め弁弁室(９)・出口路(10)を順に介して連通して、止め弁弁室(９)から出口路(10)を経て出口穴(11)に至るまでの間に逆止弁室(41)を形成し、
逆止弁室(41)の入口(41ａ)側に逆止弁座(44)を形成し、逆止弁室(41)に挿入した逆止弁体(42)を逆止バネ(43)で逆止弁座(44)に向けて弾圧し、
上記逆止弁室(41)の入口(41ａ)を介し逆止弁体(42)が臨む位置に開弁具収容部(53)を形成して、この開弁具収容部(53)に逆止弁体開弁具(51)を進退移動可能に装着し、
上記逆止弁体開弁具(51)は、逆止弁室(41)側へ前進して逆止弁体(42)を押圧し開弁する開弁位置(Ｙ)と、逆止弁室(41)側から後退して逆止弁体(42)から離間する開弁解除位置(Ｘ)とに切換移動可能に構成した、逆止弁付きボンベバルブにおいて、
上記開弁具収容部(53)と逆止弁体開弁具(51)との間に磁性体で形成したロック具(55)を装着し、
上記ロック具(55)は、上記開弁解除位置(Ｘ)に位置する逆止弁体開弁具(51)の進退移動を制限するロック姿勢(Ｌ)と、この進退移動を許容するロック解除姿勢(Ｍ)とに切換可能に構成し、
上記逆止弁体開弁具(51)を、磁性体で形成したロック解除具(61)を備える開弁操作具(60)で押圧可能に構成し、
上記ロック具(55)とロック解除具(61)との少なくとも一方を磁石で構成し、
上記開弁操作具(60)で逆止弁体開弁具(51)を押圧する際に、上記ロック具(55)とロック解除具(61)との間に生じる磁力により、ロック具(55)をロック姿勢(Ｌ)からロック解除姿勢(Ｍ)へ切換えるように構成したことを特徴とする、逆止弁付きボンベバルブ。
上記ロック解除具(61)を磁石で形成するとともに、このロック解除具(61)を開弁操作具(60)の先端部に付設した、請求項１に記載の逆止弁付きボンベバルブ。
上記逆止弁体開弁具(51)の外周面に環状のロック具収容溝(54)を形成し、
上記ロック具(55)を球状に形成して上記ロック具収容溝(54)へ収容可能に構成し、
上記開弁具収容部(53)には、開弁解除位置(Ｘ)に位置する逆止弁体開弁具(51)の上記ロック具収容溝(54)が対面する位置に係合溝(59)を形成し、
上記ロック具(55)が、その一部をこの係合溝(59)へ侵入することで、ロック姿勢(Ｌ)となるように構成した、請求項２に記載の逆止弁付きボンベバルブ。