JP4596433B2 - 汚染粒子処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマ技術を用いた汚染粒子処理装置に関する。
近年、超微小粒子やナノ粒子の人体への影響がクローズアップされている。有害物質を含んだ大気中の粒子は呼吸により人間の体内に入り、その粒径によって決まる沈着部位に沈着する。たとえば、粒径1〜10μmの粒子は気管および気管支に沈着し、粒径1μm以下の粒子は、肺の深部まで到達する。このような微小粒子は、質量や濃度における影響は小さく、ほとんど無視できるが、個数や表面積の影響は大きく汚染粒子の大部分に相当することが分かっている。従来、汚染気体を処理するためには汚染粒子を捕集するフィルタが用いられてきたが、微小粒子はフィルタの網目を抜けるため捕集困難であり、フィルタを用いる場合、捕集した後の捕集粒子の焼却の際にも微小粒子が発生する。
一方で、大気汚染防止法が改正され、工場や事業所の揮発性有機化学物(VOC)の規制が強化されている。また、工場や事業所から排出されるVOCガスだけでなく、自動車からの排気ガスも大気中で太陽の紫外線を受けてオゾンに代表される光化学オキシダントによる光化学スモッグを生じさせる。このような光化学オキシダントの環境基準達成率は、低いまま推移している。このような事情から、安価かつ効率的に微小粒子と同時にVOCガス等の汚染ガスを分解処理する手法が強く求められている。
このような状況において、半導体の処理工程で発生するパーフルオロカーボンを処理するため、プラズマジェットを用いた排ガス処理装置が開示されている(特許文献1参照)。特許文献1の排ガスのプラズマ分解処理装置は、非移行型電極間に放電電圧を印加してアークを発生させるとともに、アークに作動ガスを送給してアノード側から外部に向かってプラズマジェットを生成し、生成したプラズマジェットのアノード側の上流部近傍に向け、パーフルオロコンパウンド排ガスを外側から供給する。これにより、電熱ヒータでは分解することができなかったCFなどを分解可能にしている。
特開2005−205330号公報
上記の通り、プラズマジェットを生成して気体中の有害物質を処理する装置が開示されている。しかしながら、特許文献1記載の排ガス処理装置は、電極をガスの流路内に曝して排ガスを分解しており、電極がガスに接触することにより装置由来の不純物が生じ処理後の気体に混入する。このような二次汚染が生じると、スクラバを設ける等の二次汚染への対処も必要となる。また、上記の排ガス処理装置は、反応槽の上端にプラズマジェットトーチを設けており、装置が大掛かりなものとなっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、装置由来の不純物を生じさせることなく汚染粒子を処理できるコンパクトな汚染粒子処理装置を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明に係る汚染粒子処理装置は、外部の気体を遮断し、内部に気体を流通させる気体流通路と、前記気体流通路の外部に配置され、前記気体流通路内に高周波を印加してプラズマを発生させる高周波印加部と、汚染粒子を含む汚染気体を前記気体流通路に導入する汚染気体導入路と、を備え、前記発生したプラズマにより汚染粒子を分解して処理することを特徴としている。
このように本発明の汚染粒子処理装置は、高周波印加部を気体流通路の外部に配置するため、直接に電極と汚染物質が接触することがなく、不純物を生じさせない。また、プラズマジェットトーチ等を必要とせず、装置をコンパクトにし、かつ低コストなものにすることができる。なお、排ガス等に含まれる微小粒子、超微小粒子、ナノ粒子だけでなくVOC等汚染気体を構成する分子も汚染粒子として処理の対象となりうる。汚染気体は、このような汚染粒子を含む気体を指し、分解処理の対象とならない窒素分子やアルゴン分子等を含む場合もある。
(2)また、本発明に係る汚染粒子処理装置は、前記気体流通路の気体の流れに垂直な断面の面積が、0.1mm以上100mm以下であることを特徴としている。このように、気体流通路の気体の流れに垂直な断面の面積が、0.1mm以上であるため、圧力損失により効率が低下することがない。また、気体流通路の気体の流れに垂直な断面の面積が、100mm以下であるため、プラズマを発生させる範囲を絞り、エネルギーを小さくして温度を上がりやすくしている。なお、気体流通路を複数設けることも可能である。たとえば、複数の管により複数の気体流通路を形成することができる。そのような場合には、上記の断面は、1つの管(壁面によって閉じられた1つの気体流通路)の断面を意味する。
(3)また、本発明に係る汚染粒子処理装置は、前記気体流通路内のプラズマを発生させる領域より上流に設けられ、高電圧によりプラズマの点火を行う点火部を更に備えることを特徴としている。このように、点火部が体流通路内のプラズマを発生させる領域より上流に設けられているため、汚染物質が点火部と反応を起こさないようにしつつ、プラズマを点火することができる。その結果、二次的な装置由来の不純物が生じるのを防止することができる。
(4)また、本発明に係る汚染粒子処理装置は、前記高周波印加部が、導電性を有する一対の平行平板を有し、前記平行平板の間に高周波を印加することを特徴としている。このように、平行平板を用いて、電流を流すタイプの高周波印加部とすることで、高周波印加部に負荷がかかり過ぎることがなくなる。その結果、高周波印加部を損傷し難くすることができる。
(5)また、本発明に係る汚染粒子処理装置は、前記高周波印加部の平行平板が、0.1mm以上20mm以下の間隔を空けて設けられていることを特徴としている。このように、平行平板の間隔を狭くすることで空気や窒素のような気体であっても、気体を電離してプラズマを維持することができる。その結果、プラズマにより気体中の汚染粒子を分解除去することができる。また、0.1mm以上の間隔を空けてあるので、平行平板間でショートするのを防ぐことができる。
(6)また、本発明に係る汚染粒子処理装置は、前記汚染気体導入路が、前記気体流通路内のプラズマを発生させる領域またはその下流に前記気体流通路内へ突出する導入口が設けられていることを特徴としている。このように、プラズマを発生させる領域またはその下流に汚染気体を導入するため、プラズマの生成に汚染粒子の影響を与えず、発生させたプラズマを安定させることができる。
(7)また、本発明に係る汚染粒子処理装置は、前記気体流通路内のプラズマを発生させる領域より下流に設けられた耐熱吸着フィルタを更に備えることを特徴としている。これにより、導入させる汚染粒子が少ないときにはプラズマを使用せずに耐熱吸着フィルタを使用し、多いときにはプラズマを使用することができ、電力の無駄を無くすことができる。また、プラズマを使用する場合でもプラズマで分解しきれなかった粒子があった場合には耐熱吸着フィルタでこれを吸着することができる。
(8)また、本発明に係る汚染粒子処理装置は、前記気体流通路のプラズマを発生させる領域より上流の部分を加熱する熱源を更に備えることを特徴としている。このように、熱源により空気を乾燥させて、プラズマを生じさせ易くすることができる。たとえば、自動車に本発明の汚染粒子処理装置を積載するときには、エンジン等の余熱を熱源として利用することが可能である。
本発明に係る汚染粒子処理装置によれば、直接に電極と汚染物質が接触することがなく、装置由来の不純物を生じさせない。また、プラズマジェットトーチ等を必要とせず、装置をコンパクトにし、かつ低コストなものにすることができる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。また、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
(実施形態1)
図1は、汚染粒子処理装置100の構成を示す断面図である。汚染粒子処理装置100は、チェンバー101、プラズマ生成用気体導入路110、気体流通路111、汚染気体導入路118およびポンプ128を備えている。なお、チェンバー101の外部の気体の流通路は、図中では簡略化し線で表している。また、図1は汚染粒子処理装置100の構成を模式的に示す図であり、必ずしも間隔や大きさを正確に示すものではない。プラズマ生成用気体導入路110は、空気、アルゴン、ヘリウム等のプラズマ生成用気体を導入する気体の流通管であり、空気の吸入口またはアルゴンガス等のガス供給源に接続されている。プラズマ生成用気体導入路110は、気体の導入を制御するためのバルブV1を備えている。
気体流通路111は、プラズマ生成用気体および汚染気体を流通させる流通路であり、チェンバー外導入路113、内外コネクタ114、チェンバー内導入路115、コネクタ116、反応部117により構成されている。チェンバー外導入路113は、気体を導入する管である。プラズマ生成用気体導入路110は、気体の導入を制御するためのバルブV1を備えている。内外コネクタ114は、チェンバー101の内外の気体流通路を繋ぐコネクタである。チェンバー内導入路115は、チェンバー101の内部に設けられ反応部117に気体を導入するための導入路であり、たとえば管により形成されている。導入された気体は、チェンバー内導入路115を矢印Aの方向に進む。
汚染気体導入路118は、気体流通路111に汚染粒子を含む汚染気体を導入する導入管である。汚染気体導入路118は、たとえば排ガスを発生させるエンジンやVOCを発生させる工場の作業室に接続されている。汚染気体導入路118は、汚染気体の導入を制御するためのバルブV3を有している。本発明の汚染粒子処理装置100は、粒径2.5μm以下の微粒子の処理に優れており、特に粒径0.1μm以下の超微粒子や50nmナノ粒子に対して有効である。また、汚染ガスを構成するVOC等の分子を分解することも可能である。
コネクタ116は、チェンバー内導入路115と反応部117とを繋ぐコネクタである。図示しないが、コネクタ116には、適宜、管または器具を気密に繋ぐためのO−リング等が用いられ管や器具との間で気密が保たれている。コネクタ116には、点火部120が挿入されている。点火部120はいわゆるイグナイタであり、点火線シール部121、点火線122を備えている。
点火線シール部121は、コネクタに気密に接合されるとともに、可動式の点火線122が気密に挿通されている。点火線シール部121には、たとえばシール用のガラス管とO−ringの組み合わせが用いられる。点火線122は、導電性材料により形成されたプラズマ点火用のワイヤーであり、点火線シール部121を介して気密にコネクタ116の内部に挿入されている。点火線122は、図中の矢印Dに示すようにコネクタ116に対して挿入する方向または引き出す方向に動かすことが可能になっている。点火線122の先端は、気体流通路111内のプラズマを発生させる領域の上流に位置するように調整可能となっており、この部分に高電圧が印加されることでプラズマが点火される。点火線122がプラズマ発生領域より上流に設けられているため、汚染物質は点火線122と反応を起こさない。したがって、点火線122と汚染物質が反応することにより、不純物質が生じることがない。点火線122は、高電圧電源123に接続されており、高電圧の印加により際にはプラズマを点火させる。
反応部117は、絶縁材料により管形状に形成されており、管の内部の空間においてプラズマを発生させる。反応部117は、管の外部の気体を遮断し、内部に気体を流通させる。反応部117の気体の流路の気体の流れに垂直な断面の面積は、0.1mm以上100mm以下であることが好ましい。流通路の気体の流れに垂直な断面の面積を、0.1mm以上とすることにより、圧力損失により汚染粒子の処理効率が低下することがない。一方で気体流通路の気体の流れに垂直な断面の面積を、100mm以下とすることにより、高温のプラズマを発生させる範囲を絞り、エネルギーを集中させることができる。
さらに、流通路の気体の流れに垂直な断面の面積を1mm以下に限った場合にはプラズマ自体の温度は1eV以下と従来のプラズマと比較して低いにもかかわらず、プラズマ密度は非常に大きい。その結果として、局所的にガス温度を1500°C以上まで簡単に引き上げることが可能なため、熱容量の極めて小さいナノ粒子や局所的に高濃度になるVOCガスの分解除去用の熱源として用いることができる。なお、断面に対する上記の面積の条件は、プラズマが発生する領域の断面に対する条件である。
上記の例では気体流通路111は、一本の管であることを前提としているが、気体流通路111を複数設け、処理効率を上げることも可能である。たとえば、複数の管により複数の気体流通路111を形成することができる。そのような場合には、それぞれの管のプラズマ発生部分に高周波を印加できるような構成とする。そして、上記の条件は、1つの管(壁面によって閉じられた1つの気体流通路111)の断面についての条件となる。
反応部117の先にはポンプ128が設けられており、プラズマにより分解された汚染粒子は矢印Bの方向に排出される。ポンプ128は、気体流通路111から気体を吸引し外部に放出する機能を有している。なお、気体を吸引するポンプ128に代えて、気体流通路111の上流側に圧力をかけるポンプを設けてもよい。
汚染粒子処理装置100は、さらに高周波印加部130を備えている。高周波印加部130は、電極131、132、スペーサー135、マッチングボックス140、高周波電源145を備えている。高周波印加部130は、気体流通路111の外部に配置され、反応部117内に高周波を印加してプラズマを発生させる。電極131、132は、導電性部材により平板形状に形成され、主面を対向させて平行平板型に配置されている。電極131、132は、マッチングボックス140および高周波電源145に接続されており、電極間に高周波が印加される。電極131、132は、必ずしも平行平板型でなくてもよいが、平行平板型とすることで、単位体積あたりの投入エネルギーを低く抑え、定常的な放電を得ることができる。高周波印加部130に過大な負荷をかけることがない。その結果、高周波印加部130の損傷を回避することができる。
電極131、132の間には絶縁体により形成されたスペーサー135が設置されており、電極131、132の間を適度な間隔に維持している。たとえば電極131、132の間隔は、0.1mm以上20mm以下とする。電極131、132の間隔を、20mm以下とすることで、高周波によりプラズマを生じさせることができる。特に空気や窒素を流通させてプラズマを発生させる場合には、電極131、132の間隔を1mm以下とすることが好ましい。電極間を狭くすることでエネルギーを集中させて気体を電離しプラズマを維持するためである。一方、電極間を0.1mm以上の間隔を空けてあるので、電極間でショートするのを防ぐことができる。なお、電極間の距離が小さい場合には、誘電体のスペーサー135を挟んであることが好ましい。スペーサー135を挟むことにより、ショートが生じ難くなる。
マッチングボックス140は、高周波電源145のエネルギーを有効に利用するために、高周波印加部130のインピーダンスを補正する。高周波電源145は、プラズマ発生のための高周波を発生させる。高周波は、13.56MHz以上2.45GHz以下の周波数のものを用いる。導波管を不要にすることができるため約1GHz以下であることが好ましい。上記のような構成の汚染粒子処理装置100を作製する場合、簡単な装置構成を実現できるため、装置重量を2kg以下とすることも可能である。
このような構成を有する汚染粒子処理装置100の動作を説明する。まず、バルブV1、V2を開けて空気を気体流通路111に流通させる。次いで、高周波電源145をオンにし、高周波を反応部117の内部に印加する。そして、点火線122の先端の位置を調整しつつ、点火線122に高電圧を印加してプラズマを点火する。プラズマが発生したら、マッチングボックス140により効率よくプラズマを維持するように設定を調整する。このようにして高周波が印加された反応部117の内部には、プラズマジェットが形成される。
このようにして、プラズマ密度が1015cc以上、プラズマ温度が1eV以下、熱流束が50MV/m以上のプラズマを生成することができる。生成されるプラズマは、超高温流束マイクロプラズマと呼ばれる。高周波用の投入電力を100W以下としても十分に上記のプラズマを生成することができる。
プラズマジェットの形成後、バルブV3を開けて汚染気体を気体流通路111に流通させる。気体流通路111に導入された汚染気体はプラズマジェットに到達し、プラズマジェットの高いエネルギーにより分解処理される。このようにして、汚染粒子処理装置100はプラズマジェットを用いて汚染気体を処理することができる。なお、上記の例では、空気を気体流通路111に流通させて、プラズマを点火した後にバルブV3を開けて汚染気体を気体流通路111に流通させるが、設置状況や汚染粒子の濃度により、汚染気体導入路118から空気を含んだ汚染気体を導入してプラズマを点火することも可能である。
上記のような汚染粒子処理装置100を用いて実験を行った。図2は、実験用に構成された汚染粒子処理システム200を示す概略図である。図2に示すように、アルゴンガス供給源210、ガスフロー調整器220、炭素系ナノ粒子発生装置230、汚染粒子処理装置100および粒径分布測定装置250により構成された汚染粒子処理システム200を用いた。管で接続されたアルゴンガス供給源210、ガスフロー調整器220および炭素系ナノ粒子発生装置230により、汚染粒子処理装置100に炭素系ナノ粒子を含むアルゴンガスを供給した。そして、汚染粒子処理装置100によりプラズマジェットを用いて炭素系ナノ粒子(汚染粒子)を処理した。炭素系ナノ粒子発生装置230には、GFG−1000を用いた。また、粒径分布測定装置250には走査型粒径分布測定装置(SMPS)を用いた。
汚染粒子処理装置100で、反応部117に内径1.5mmの石英ガラス管を使用した。電極131、132には、銅製の平行平板を用いた。このとき気体の流量を5リットル/minとした。プラズマの点火の際には、タングステンワイヤーの点火線122に1.5kVの高電圧を瞬間的に印加した。プラズマを発生させるための高周波の周波数は144MHzとし、高周波の印加の無い場合、50W、100Wの高周波をそれぞれ印加した場合について測定を行った。
プラズマにより処理され、汚染粒子処理装置100から排出された処理後の気体を粒径分布測定装置250に導入し、汚染粒子の粒径分布を測定した。図3は、粒径分布の測定結果を示すグラフである。図3に示すように、30nm以上100nm以下の粒径の炭素系ナノ粒子を処理することで、95%以上の高い除去率を得ることができた。この結果、汚染粒子処理装置100により汚染粒子を処理できることが実証された。
(実施形態2)
上記の実施形態では、プラズマ発生領域の上流のチェンバー外導入路113に汚染気体を導入するが、反応部117のプラズマ発生領域またはその下流に汚染気体を導入してもよい。図4は、プラズマ発生領域またはその下流に汚染気体を導入する汚染粒子処理装置300の構成を示す断面図である。汚染粒子処理装置300は、汚染気体導入路118に接続される汚染気体導入部310を有している。汚染気体導入部310は、汚染気体導入コネクタ316、汚染気体導入管313および汚染気体導入ノズル314を有している。
汚染気体導入コネクタ316は、汚染気体導入路118と汚染気体導入管313を接続している。汚染気体導入管313は汚染気体を反応部117まで流通させる。汚染気体導入ノズル314(汚染気体導入口)は、反応部117内のプラズマを発生させる領域またはその下流に汚染気体導入ノズル314の先を突出させるように配置されている。
汚染気体を汚染気体導入ノズル314の先からプラズマ発生領域またはその下流に導入することで、プラズマの生成に汚染粒子の影響を与えず、発生させたプラズマを安定させて汚染粒子を処理することができる。このとき、汚染気体導入ノズル314の先端は反応部117の中空の中央付近まで突出している方が好ましい。中央付近に汚染気体が噴出されることで汚染気体が層流になることを防止し、汚染気体を確実にプラズマで処理することができる。
(実施形態3)
また、上記の実施形態では、反応部117を形成する管の内部は中空であるが、反応部117内部のプラズマ発生領域の下流に耐熱吸着フィルタを設けても良い。図5は、耐熱吸着フィルタ401を設けた汚染粒子処理装置400の構成を示す断面図である。
汚染粒子処理装置400は、反応部117内部のプラズマ発生領域の下流に耐熱吸着フィルタ401を備えている。耐熱吸着フィルタ401には、たとえばSiC(炭化ケイ素)やコージェライト等のセラミックフィルタを用いることができる。これにより、導入させる汚染粒子が少ないときにはプラズマを使用せずに耐熱吸着フィルタ401を使用し、汚染粒子が多いときにはプラズマを使用することができ、電力の無駄を無くすことができる。また、プラズマを使用する場合でもプラズマで分解しきれなかった粒子がある場合には耐熱吸着フィルタ401によりこれを吸着することができる。
(実施形態4)
また、上記の実施形態では、高周波印加部130に平行平板の電極131、132を用いているが、平行平板の電極に代えて、反応部117の周りに誘導結合型コイルを設置してもよい。図6は、反応部117の周りに誘導結合型コイル510を巻いた汚染粒子処理装置500の断面を示す斜視図である。図5に示すように、汚染粒子処理装置500では、高周波印加部505が誘導結合型コイル510を有している。誘導結合型コイル510は反応部117の内部に高周波を印加し、プラズマを発生させる。これにより、汚染粒子は発生したプラズマにより分解される。
なお、さらに気体流通路111のプラズマ発生領域の上流に熱源(図示せず)を設けても良い。これにより熱源で空気を乾燥させて、プラズマを生じさせ易くすることができる。たとえば、自動車に本発明の汚染粒子処理装置を積載するときには、エンジン等の余熱を熱源として利用することが可能である。
本発明の汚染粒子処理装置は、自動車排ガス処理装置として自動車に搭載することが可能である。また、その他にVOCやナノ粒子を排出する工場や事業所に排ガス処理装置として設置することも可能であり、タバコ煙が問題になるオフィス等に空気清浄機として設置することも可能である。また、ナノ粒子材料の合成業者の作業環境保全(発生粒子の除去)のために用いることもできる。
実施形態1に係る汚染粒子処理装置の構成を示す断面図である。 実験用に構成された汚染粒子処理システムを示す概略図である。 実験により得られた粒径分布の測定結果を示すグラフである。 実施形態2に係る汚染粒子処理装置の構成を示す断面図である。 実施形態3に係る汚染粒子処理装置構成を示す断面図である。 実施形態4に係る汚染粒子処理装置の断面を示す斜視図である。
符号の説明
100、300、400、500 汚染粒子処理装置
101 チェンバー
110 プラズマ生成用気体導入路
111 気体流通路
113 チェンバー外導入路
114 内外コネクタ
115 チェンバー内導入路
116 コネクタ
117 反応部
118 汚染気体導入路
120 点火部
121 点火線シール部
122 点火線
123 高電圧電源
128 ポンプ
130 高周波印加部
131、132 電極
135 スペーサー
140 マッチングボックス
145 高周波電源
200 汚染粒子処理システム
210 アルゴンガス供給源
220 ガスフロー調整器
230 炭素系ナノ粒子発生装置
250 粒径分布測定装置
310 汚染気体導入部
316 汚染気体導入コネクタ
313 汚染気体導入管
314 汚染気体導入ノズル
401 耐熱吸着フィルタ
505 高周波印加部
510 誘導結合型コイル
V1、V2、V3 バルブ

Claims (7)

  1. 外部の気体を遮断し、内部に気体を流通させる気体流通路と、
    前記気体流通路の外部に配置され、導電性を有し、主面が前記気体流通路の気体流通方向に垂直である一対の平行平板を有し、前記平行平板の間に高周波を印加し、前記気体流通路内にプラズマを発生させる高周波印加部と、
    汚染粒子を含む汚染気体を前記気体流通路に導入する汚染気体導入路と、を備え、
    前記発生したプラズマにより汚染粒子を分解して処理することを特徴とする汚染粒子処理装置。
  2. 前記高周波印加部の平行平板は、0.1mm以上20mm以下の間隔を空けて設けられていることを特徴とする請求項2記載の汚染粒子処理装置。
  3. 外部の気体を遮断し、内部に気体を流通させる気体流通路と、
    前記気体流通路の外部に配置され、前記気体流通路内に高周波を印加してプラズマを発生させる高周波印加部と、
    前記気体流通路内のプラズマを発生させる領域またはその下流に前記気体流通路内へ突出する導入口に接続されるように設けられ、汚染粒子を含む汚染気体を前記気体流通路に導入する汚染気体導入路と、を備え、
    前記発生したプラズマにより汚染粒子を分解して処理することを特徴とする汚染粒子処理装置。
  4. 前記気体流通路の気体の流れに垂直な断面の面積が、0.1mm 以上100mm 以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の汚染粒子処理装置。
  5. 前記気体流通路内のプラズマを発生させる領域より上流に設けられ、高電圧によりプラズマの点火を行う点火部を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の汚染粒子処理装置。
  6. 前記気体流通路内のプラズマを発生させる領域より下流に設けられた耐熱吸着フィルタを更に備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の汚染粒子処理装置。
  7. 前記気体流通路のプラズマを発生させる領域より上流の部分を加熱する熱源を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の汚染粒子処理装置。
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