JP4596356B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置に関し、特に、電子ペーパー等に適用が可能であって、表示状態を固定的に保持することができるとともに、薄型軽量で可撓性にも優れた表示装置に関する。
近年、新聞や書籍等の紙媒体に代わる情報伝達媒体として、電子ペーパーと呼ばれる表示デバイスの研究開発が盛んに行われている。このような表示デバイスにおいては、軽量薄型で、一旦表示された画像情報を電源やバックライトを必要とすることなく保持して表示することができ、かつ、柔軟性に優れ、表示パネルを屈曲させることができる等の、CRTや液晶表示装置等の既存の表示デバイスでは実現不可能な種々の特徴が注目されている。
ここで、電子ペーパーへの適用が検討されている表示デバイスとしては、例えば、溶媒中に表示媒体としての帯電粒子を含有し、表示データに応じて電界を印加することにより溶媒中の帯電粒子を移動させる電気泳動方式のものと、溶媒を用いず基板間に形成された空間(単位セル)に表示媒体としてのトナー(帯電粒子)を封入し、表示データに応じて電界を印加することによりトナーを移動させるトナー方式のものが知られている。
以下、従来技術に係る表示デバイスについて、簡単に説明する。
図11は、従来技術における電気泳動方式を適用した表示デバイスの一例を示す概略構成図であり、図12は、従来技術におけるトナー方式を適用した表示デバイスの一例を示す概略構成図である。
図11に示すように、電気泳動方式を適用した表示デバイス100は、概略、対向して配置された視野側の透明基板101及び背面側の基板102と、該視野側の透明基板101及び背面側の基板102の各対向面側に設けられた電極103、104間に、白色及び黒色の帯電粒子106、107を混入した溶媒105を封入したマイクロカプセル110を配列した表示層と、視野側の透明基板101と電極103間(透明基板101の視野側であってもよい)に設けられたカラーフィルタ120と、を備えた構成を有している。ここで、白色及び黒色の帯電粒子106、107は、各々異なる極性に帯電している。
このような表示デバイス100においては、上記一対の基板101、102間に、電圧の印加方向を切り換え可能な電源130から直流電圧を印加して電界を形成することにより、各マイクロカプセル110中の白色及び黒色の帯電粒子106、107が、各々逆極性の電圧が印加された電極103、104方向に移動し集中する。これにより、視野側の透明基板101(電極103)に移動した白色又は黒色の帯電粒子106、107に、視野側から入射した光が反射して、当該マイクロカプセル110に対応して配置されたカラーフィルタ120を透過することにより、色表示(白色の帯電粒子106が電極103側に集中したマイクロカプセル110の場合)、又は、黒表示(黒色の帯電粒子107が電極103側に集中したマイクロカプセル110の場合)として視認され、カラー表示が行われる。
なお、このような電気泳動方式を適用した表示デバイスについては、例えば、特許文献1等に詳しく記載されている。
一方、図12に示すように、トナー方式を適用した表示デバイス200は、概略、対向して配置された視野側の透明基板201及び背面側の基板202と、該視野側の透明基板201及び背面側の基板202、これらの基板間に設けられた格子状の隔壁(スペーサ)203とにより形成される空間に白色及び黒色の帯電粒子206、207を封入した画素セル(単位セル)210と、画素セル210ごとに視野側の透明基板201及び背面側の基板202の各対向面側に設けられた電極204、205と、を備えた構成を有している。ここで、白色及び黒色の帯電粒子206、207は、各々異なる極性に帯電している。
このような表示デバイス200においても、上記一対の基板201、202間に電源220から直流電圧を印加して電界を形成することにより、各画素セル210内の白色及び黒色の帯電粒子206、207が、各々逆極性の電圧が印加された電極204、205方向に移動して付着し、視野側の電極204に付着した白色又は黒色の帯電粒子206、207に、視野側から入射した光が反射することにより、白表示(白色の帯電粒子206が電極204側に付着した画素セル210の場合)、又は、黒表示(黒色の帯電粒子207が電極204側に付着した画素セル210の場合)として視認され、モノクロ表示が行われる。
なお、このようなトナー方式を適用した表示デバイスについては、例えば、特許文献2等に詳しく記載されている。
特開2003−161822号公報 (第3頁〜第4頁、図1) 特開2002−196739号公報 (第6頁〜第7頁、図2、図4)
上述したような表示装置においては、以下に示すような課題を有していた。
すなわち、上述したような電気泳動方式を適用した表示デバイスにおいては、溶媒中に表示媒体である帯電粒子が封入された構成を有しているので、電極間に電界を形成していずれかの電極側に帯電粒子を移動させた場合、その表示状態を比較的良好に保持することができるものの、帯電粒子の各電極方向への移動速度(応答時間)が比較的遅いため、迅速に画像情報の書き換えを行うことができないという問題を有していた。
これに対して、トナー方式の表示デバイスにおいては、溶媒を用いていないので、比較的速い応答時間を実現することができるという利点を有している。
しかしながら、トナー方式を適用した表示デバイスにおいては、各表示画素を構成する画素セルに、溶媒を用いることなく帯電粒子を封入した構成を有しているため、帯電粒子同士の吸着(凝集)が生じて、見かけ上の帯電粒子の粒子径が大きくなり、電界中での移動特性(電界応答特性)や電極表面への吸着特性等が劣化して、画像情報の正常な表示が実行できなくなるという問題を有していた。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、帯電粒子同士の吸着(凝集)を防止することにより表示品位の高いトナー方式の表示装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、隔壁により区分けされた各画素セルのそれぞれに帯電粒子が封入されたトナー方式の表示装置であって、第1の粒子径に設定された複数の帯電粒子と前記第1の粒子径よりも小さい第2の粒子径に設定された複数の帯電粒子とが同一の色成分の帯電粒子として同一の画素セルに封入されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記第2の粒子径が前記第1の粒子径の10〜50%に設定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の表示装置において、第1の色成分に設定された複数の帯電粒子と前記第1の色成分とは異なる第2の色成分に設定された複数の帯電粒子とが同一の画素セルに封入されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の表示装置において、前記第1の粒子径に設定された複数の帯電粒子と前記第2の粒子径に設定された複数の帯電粒子とが同一の極性に帯電していることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の表示装置において、一対の電極が前記各画素セルに形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、帯電粒子同士の吸着(凝集)を防止することができ、表示品位の高い表示装置を提供することができる。
以下、本発明に係る表示装置について、実施の形態を示して詳しく説明する。
まず、本発明に係る表示装置に適用される表示パネルについて説明する。
本発明に係る表示装置は、上述した従来技術に示した表示パネルと同様に、トナー方式の表示パネル構造を有し、概略、対向して配置された視野側の透明基板(第1の基板)及び背面側の基板(第2の基板)と、該基板間に設けられた隔壁とにより形成される空間を有する画素セルが、該基板間に2次元配列され、各画素セル(上記空間)内に所定の色を有する帯電粒子(帯電性の微粒子)が封入された構成を有している。なお、本発明に係る表示装置に適用可能な表示パネル(画素セル)の具体的な構成については、後述する適用例において詳しく説明する。
次に、本発明に係る表示装置(表示パネル)に適用される帯電粒子の物理的特性について説明する。
図1は、トナー方式を採用した表示パネルに適用される帯電粒子の物理的特性を示す図である。
本発明に適用される帯電粒子をはじめ、特定の空間内に離間して存在する微粒子相互間には、一般に、静電気力、ファンデルワールス力、液架橋力等の付着力(吸着力)が働くことが知られている。
ここで、粒子径(粒子半径)と当該粒子間の付着力(静電気力、ファンデルワールス力、液架橋力)の関係について検証すると、図1に示すように、粒子径が増大すると、いずれの付着力も増加する傾向を示す。具体的には、微粒子間に働く付着力としては、液架橋力(図中、特性線Faとして表記)が最も大きく、次いで、ファンデルワールス力(図中、特性線Fbとして表記)が、該液架橋力の概ね1/10程度の大きさを有し、静電気力(図中、特性線Fcとして表記)は、ファンデルワールス力の概ね1/1000〜1/100程度(液架橋力の概ね1/10000〜1/1000程度)の微少な力であることが判明した。特に、粒子径が概ね10μm以下の範囲においては、静電気力がファンデルワールス力の概ね1/500以下となって、ほぼ無視できる程度に小さくなることが判明した。
このことから、上述したような帯電粒子間の凝集(吸着)に寄与する力(付着力)は、大半が液架橋力及びファンデルワールス力であると推定することができ、これに基づいて、本発明は、以下に示すように、液架橋力又はファンデルワールス力を低減した構成、もしくは、液架橋力及びファンデルワールス力の双方を低減した構成を適用することにより、帯電粒子間の凝集を抑制することを特徴とする。
<第1の実施形態>
本実施形態においては、上述したファンデルワールス力を低減するための帯電粒子の組成について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る表示装置の表示パネル(画素セル)に適用される帯電粒子の粒子径の特徴を示す概略図であり、図3は、本実施形態に適用される帯電粒子の粒子径とファンデルワールス力との関係を示す特性図である。ここでは、図1に示した帯電粒子の物理的特性を適宜参照しながら説明する。
図1に示したように、帯電粒子の吸着力は、静電気力(特性線Fc)に比較してファンデルワールス力(特性線Fb)の方が概ね100〜1000倍程度大きく寄与している。ここで、ファンデルワールス力よりも概ね10倍程度、吸着力に寄与している液架橋力は、表示パネル(画素セル)内に封入する際に当該帯電粒子を十分乾燥させて、含有水分を低減することにより、無視できる程度に低減することができるので、このような場合には、帯電粒子の凝集は、実質的に微粒子間に働くファンデルワールス力に起因するものと考えることができる。
そこで、本実施形態においては、均一の粒子径(粒子半径)を有する帯電粒子群中に、該帯電粒子よりも粒子径の小さい帯電粒子を混入して画素セルに封入した構成を有している。
具体的に説明すると、図2(a)に示すように、粒子径が均一で、粒子間距離hが粒子径rに比較して十分小さい場合の帯電粒子間のファンデルワールス力Vvdraは、次の(1)式で表すことができ、図2(b)に示すように、粒子径rが異なる場合(r1≠r2;r1、r2は、各微粒子PL1、PL2の粒子径)のファンデルワールス力Vvdrbは、次の(2)式で表すことができる。
Vvdra=−Ar/12h ・・・(1)
Vvdrb=−A×r1×r2/6h(r1+r2) ・・・(2)
そして、上記(1)、(2)式において、図2(b)に示したように、粒子径r1を有する微粒子PL1群に、粒子径r1よりも十分小さい粒子径r2(r1>r2)を有する微粒子PL2を混入(添加)して、粒子径r1を有する微粒子PL1間に、粒子径r2を有する微粒子PL2を挟むような粒子配列を考えた場合、当該状態におけるファンデルワールス力(上記(2)式におけるVvdrb)が、粒子径rを均一に設定した場合(図2(a)参照)のファンデルワールス力(上記(1)式におけるVvdra)よりも小さくなる状態(すなわち、(1)式及び(2)式からなる連立方程式において、Vvdra>Vvdrbとなる条件)が存在する。
本実施形態は、このときの帯電粒子の組成(特に、粒子径)を特定の条件範囲に設定することにより、微粒子間に働くファンデルワールス力を低減して帯電粒子の凝集を抑制するものである。以下、均一な粒子径を有する場合と、異なる粒子径を有する場合において、帯電粒子(微粒子)の組成について具体的な計算例を示して検証する。
まず、図2(a)に示すように、粒子径が均一な微粒子PL1からなる組成において、Hamaker定数Aを1、粒子径rを5μm、粒子間距離hを0.01μmに設定した場合、上記(2)式に基づいて、ファンデルワールス力Vvdraは、−41.6[N]が得られる。
一方、図2(b)に示すように、粒子径が異なる微粒子PL1、PL2からなる組成において、Hamaker定数Aを1、粒子径r1を5μm、粒子径r2を0.5μm、粒子間距離hを0.01μmに設定した場合、上記(2)式に基づいて、ファンデルワールス力Vvdrbは、−7.5[N]となる。
これにより、上記粒子径r1、r2及び粒子間距離hの条件においては、粒子径が均一な微粒子からなる組成(図2(a))よりも、粒子径が異なる微粒子からなる組成(図2(b))の方が、ファンデルワールス力が大幅に低下し(−41.6[N]→−7.5[N])、帯電粒子相互の凝集エネルギーが低減することが判明した。
上記と同様の手法により、粒子径が異なる微粒子からなる組成において、Hamaker定数Aを1、粒子径r1を5μm、粒子間距離hを0.005μmに設定した場合における、粒子径r2とファンデルワールス力Vvdrbとの関係を計算すると、図3に示すように、粒子径r2の増加に伴って、ファンデルワールス力Vvdrbが急激に増加する傾向を示すことが判明した。なお、図3に示したような特性は、微粒子の粒子径r1、r2に対して粒子間距離hが十分小さく(r1、r2)h)、かつ、粒子径r1に対して粒子径r2が十分小さい(r1>r2)場合に成立する。
このことから、微粒子の粒子径r2を粒子間距離hの100倍に設定した場合(r2=100×h;r2=0.5μm)を、上記(2)式で示されたファンデルワールス力の計算式が成立する数値範囲の最小値と規定し、また、微粒子の粒子径r2を粒子径r1の1/2以下に設定した場合(r2≦(1/2)×r1;r2=2.5μm)を、上記(3)式で示されたファンデルワールス力の計算式が成立する数値範囲の最大値と規定することができる。
ここで、上述した、上記(2)式で示されたファンデルワールス力の計算式が成立する数値範囲の最小値となる微粒子の粒子径r2(=0.5μm)は、微粒子の粒子径r1(=5μm)に対して、10%(=0.5/5)の大きさに対応し、この場合のファンデルワールス力Vvdrb(=−7.5[N])は、粒子径が均一な微粒子相互におけるファンデルワールス力Vvdra(=−41.6[N];上記(1)式参照)に比較して、概ね18%に相当する。
また、上記数値範囲の最大値となる微粒子の粒子径r2(=2.5μm)は、微粒子の粒子径r1に対して、50%(=2.5/5)の大きさに対応し、この場合のファンデルワールス力Vvdrb(=−27.8[N])は、粒子径が均一な微粒子相互におけるファンデルワールス力Vvdra(=−41.6[N])に比較して、概ね67%に相当する。
したがって、図3に示したように、本来の微粒子(帯電粒子)の粒子径r1に対して、概ね10%〜50%の数値範囲の粒子径r2を有する微粒子を添加した組成(粒子径が異なる微粒子からなる組成)の方が、粒子径が均一な微粒子からなる組成よりも、ファンデルワールス力を小さく(18%〜67%に低減)することができ、帯電粒子相互の凝集エネルギーを低減することができるという結論に達した。
以上のように、画素セルに封入する帯電粒子として、粒子径が異なる微粒子からなる組成を適用することにより、帯電粒子相互の凝集を低減することができ、画素セル内に形成された電界中での移動特性(電界応答特性)や電極表面への吸着特性を改善して、画像情報を迅速かつ正常に表示することができる表示パネルを備えた表示装置を実現することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態においては、上述した液架橋力を低減するための帯電粒子の組成について説明する。ここでは、図1に示した帯電粒子の物理的特性を適宜参照しながら説明する。
図1に示したように、帯電粒子の吸着力は、静電気力(特性線Fc)に比較してファンデルワールス力(特性線Fb)の方が概ね100〜1000倍程度大きく寄与し、さらに、ファンデルワールス力に比較して液架橋力(特性線Fa)の方が概ね10倍程度大きく寄与している。
ここで、液架橋力は、表示パネル(画素セル)内に封入する際に当該帯電粒子を十分乾燥させることにより、含有水分量を低減することができるが、この乾燥状態を長時間にわたり保持するためには、表示パネル(各画素セル)をより密閉度の高い構造を適用する必要がある。すなわち、上述した、対向して配置された一対の基板と、該基板間に設けられた隔壁との接合構造をより強固にする必要が生じ、この場合には、表示パネルの柔軟性(可撓性)が損なわれてしまい、電子ペーパーへの適用の障害となる。
そのため、表示パネル(画素セル)に柔軟性を持たせた構成を適用すると、必然的に、各画素セルの密閉度が低下することになり、各画素セル内への水分の侵入により、封入された帯電粒子に液架橋力が生じて、帯電粒子の凝集が発生する可能性がある。
そこで、本実施形態においては、帯電粒子群中に、水分吸着性を有する微粒子を混入して画素セルに封入した構成を有している。ここで、水分吸着性を有する微粒子として、多孔質の水分吸着粒子を適用することができ、具体的には、シリカ、アルミナ、ゼオライト、塩化カルシウム等を良好に適用することができる。
次いで、本実施形態に係る帯電粒子の組成と表示パネルの反射率との関係について、図面を参照して説明する。
図4は、第2の実施形態に係る表示装置に適用される帯電粒子の組成と表示パネルの反射率との関係の一例を示す特性図である。
図4に示すように、まず、表示パネル(画素セル)に帯電粒子のみを封入した構成では、各画素セルごとに設けられた一対の電極間に所定の直流電圧を印加して、電界を形成すると、図中、特性線SPbのように、直流電圧の電圧値(印加電圧)が低い範囲では表示パネルの反射率が比較的緩やかに上昇し、電圧値の上昇とともに、反射率が徐々に上昇する傾向を示すことがわかった。
一方、表示パネル(画素セル)に帯電粒子に加えて、水分吸着性を有する微粒子を混入して封入した構成では、画素セル内に電界を形成すると、図中、特性線SPaのように、直流電圧の電圧値(印加電圧)が比較的低い範囲から表示パネルの反射率が急激に上昇する傾向を示すことがわかった。
これは、画素セル内に帯電粒子に加えて、水分吸着性の微粒子を混入することにより、画素セル内の水分量が抑制されて、帯電粒子相互の液架橋力が低減し、凝集が抑制されて帯電粒子が良好に分散した状態で電界中を移動し、電極表面に吸着したことにより、比較的低い電圧領域から反射率が上昇したものと推測される。
したがって、画素セルに帯電粒子とともに、多孔質の水分吸着粒子を混入して封入することにより、帯電粒子相互の凝集を低減することができ、画素セル内に形成された電界中での移動特性(電界応答特性)や電極表面への吸着特性を改善して、画像情報を迅速かつ正常に表示することができる表示パネルを備えた表示装置を実現することができる。これは、換言すると、画素セルに帯電粒子とともに、多孔質の水分吸着粒子を混入して封入することにより、画素セル内の水分量が低い状態が長期にわたり維持されることを意味し、これにより、良好な表示特性を有する表示装置の長寿命化を実現することができる。
なお、本実施形態においては、本来の帯電粒子に多孔質の水分吸着粒子を混入した組成を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、帯電粒子自体を多孔質化して水分吸着性を持たせるようにしてもよい。
なお、上述した第1の実施形態においては、画素セル内に粒子径が異なる微粒子からなる帯電粒子を封入する構成を示し、また、第2の実施形態においては、画素セル内に帯電粒子とともに、多孔質の水分吸着粒子を混入して封入する構成を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの構成を併せ持つものであってもよい。すなわち、画素セル内に粒子径が異なる微粒子からなる帯電粒子とともに、多孔質の水分吸着粒子を混入して封入した構成、もしくは、粒子径が異なる多孔質化された微粒子からなる帯電粒子を封入した構成を有するものであってもよく、これによれば、上述した液架橋力及びファンデルワールス力の双方を効果的に低減して、帯電粒子相互の凝集をより一層抑制することができる。
次に、本発明に係る表示装置に適用可能な表示パネル(画素セル)について、具体的に説明する。
<第1の適用例>
上述したような帯電粒子の組成を適用可能な表示パネル(画素セル)としては、例えば、従来技術に示したような周知のトナー方式の表示デバイスの構成(図12参照)に良好に適用することができる。
すなわち、対向して配置された視野側の透明基板及び背面側の基板と、これらの基板間に設けられた格子状の隔壁と、により形成される空間に白色及び黒色の帯電粒子群を封入した画素セルと、該画素セルごとに視野側の透明基板(第1の基板)及び背面側の基板(第2の基板)の各対向面側(画素セル側)に設けられ、同等の面積を有する一対の電極と、を備えた表示パネルの構成に適用することができる。
ここで、各画素セルに封入される白色及び黒色の帯電粒子は、上述した第1の実施形態に示したように、粒子径が異なる微粒子からなる組成を有するものであってもよいし、第2の実施形態に示したように、本来の帯電粒子とともに、多孔質の水分吸着粒子を混入した組成を有するものであってもよいし、また、第1及び第2の実施形態の双方の組成を併せ持つものであってもよい。なお、上記組成を有する白色及び黒色の各帯電粒子群は、各々異なる極性に帯電している。
このような表示パネルによれば、上記一対の電極間に直流電圧を印加して電界を形成することにより、各画素セル内の白色及び黒色の帯電粒子が、その帯電極性に応じて各電極方向に移動して付着し、視野側の電極に付着した白色又は黒色の帯電粒子に反射した光を視認することにより、白表示又は黒表示のいずれか(モノクロ表示)を実現することができる。
また、各画素セルに封入された帯電粒子の組成として、上述した各実施形態に示したように、粒子径が異なる微粒子からなる帯電粒子、又は、帯電粒子とともに、多孔質の水分吸着粒子を混入したもの、あるいは、これらを併せ持つものを適用することにより、帯電粒子相互の液架橋力やファンデルワールス力を低減して帯電粒子の凝集を抑制し、電界中での移動特性(電界応答特性)や電極表面への吸着特性を改善して、画像情報を迅速かつ正常に表示することができる表示パネルを実現することができる。
<第2の適用例>
図5は、本発明に係る表示装置に適用可能な表示パネル(画素セル)の第2の適用例を示す概略構成図である。
図5(a)、(b)に示すように、本適用例に係る表示パネル10Aは、従来技術に示したトナー方式の表示デバイスと同様に、対向して配置された視野側の上部基板(第1の基板)11と背面側の下部基板(第2の基板)12の間に、隔壁(図では格子状の隔壁を示す)13により、相互に隔離された空間SC(セル構造)を有する複数の画素セルPECを有し、各画素セルPECは、下部基板12上に、各画素セルPECの平面的な広がりに対応する領域(例えば、画素セルPECの平面形状と同等の広がりを有する領域)に形成された下部電極(一方の電極)15aと、該下部電極15aを被覆するように下部基板12表面に形成された白色を有する薄膜層(白色薄膜)17と、上部基板11上(反視野側;図面下方)に上記下部電極15aとの平面的な重なりを極力避けた領域(例えば、図5(a)に示すように、画素セルPECの隔壁13近傍に延在する領域であって、下部電極15aよりも小さな面積を有する領域、あるいは、図5(c)に示すように、2つの隔壁13により形成される角部近傍の領域)に形成された上部電極(他方の電極)14aと、該上部電極14aを被覆するように上部基板11表面に形成された保護膜16と、該上部基板11、下部基板12及び隔壁13により形成された各画素セルPECの空間SC内に封入された、特定の色成分を有する帯電粒子(群)PLc、PLy、PLm(帯電性の微粒子;以下、これらを総称して、「帯電粒子PLx」とも記す)と、を備えた構成を有している。
ここで、上部基板11は、透明な基板材料を用いて構成され、保護膜16も透明な薄膜材料を用いて構成されている。また、下部電極15a上に形成される白色薄膜17は、例えば、酸化チタン等の反射率が高く、白色を有する金属酸化膜が適用される。すなわち、視野側(図面上方)から上部基板11及び保護膜16を透過して画素セルPEC内部(特に下部基板12側の白色薄膜17)が良好に視認できるように構成されている。
また、各画素セルPECに封入される帯電粒子PLc、PLy、PLmは、各々シアン(藍系;青系色)、イエロー(黄系;黄系色)、マゼンタ(紅系;赤系色)の3原色を有する微粒子であって、該3色の帯電粒子PLc、PLy、PLmが封入された各画素セルPECは、例えば、異なる色同士が隣り合うように画素セルPECの配列が設定されている。すなわち、シアン、イエロー、マゼンタの各色の帯電粒子PLc、PLy、PLmが封入された3つの画素セルPECを1組として、カラー表示を行うための一表示画素が構成される。
さらに、上記各帯電粒子PLc、PLy、PLmは、各々、上述した各実施形態に示したように、粒子径が異なる帯電粒子からなる組成、又は、帯電粒子とともに、多孔質の水分吸着粒子を混入した組成、あるいは、これらを併せ持つ組成を有している。
次いで、上述した構成を有する表示装置の表示駆動動作(画素セルの駆動方法)について、図面を参照して説明する。
図6は、本適用例に係る表示パネルに適用される画素セルの駆動状態を示す概念図であり、図7は、本適用例に係る表示パネル(表示画素)における表示色を説明するための減法混色を示す図である。ここでは、説明の都合上、便宜的に各画素セルに封入された帯電粒子が、正(+)極性に帯電している場合を示すが、負(−)極性に帯電している場合は、以下の説明と逆の表示状態を示す。
上述したような構成を有する表示パネル10Aにおいて、図6(a)に示すように、図示を省略したドライバ回路から上部電極14aに対して負(−)の電圧を印加し、下部電極15aに対して正(+)の電圧を印加すると、画素セルPEC内に生じた電界により、正極性に帯電した帯電粒子PLx(PLc、PLy、PLm)は、上部電極14a方向に移動して該電極14表面(保護膜16表面)に付着する。これにより、帯電粒子PLxは該画素セルPECの平面的な広がりに比較して十分小さな面積を有する上部電極14a表面(図面下方)に付着して、視野側からは死角となり視認されないので、視野側からは上部基板11及び保護膜16を介して、画素セルPECの下部基板12上に形成された白色薄膜17が視認されることになり、当該画素セルPECは白表示状態を示す(白表示動作)。
一方、図6(b)に示すように、ドライバ回路から上部電極14aに対して正(+)の電圧を印加し、下部電極15aに対して負(−)の電圧を印加すると、画素セルPEC内に生じた電界により、帯電粒子PLxは、下部電極15a方向に移動して該電極15表面(白色薄膜17表面)に付着する。これにより、帯電粒子PLxは該画素セルPECの平面的な広がりに対応して十分大きな面積を有する下部電極15a上(図面上方)に付着するので、視野側から上部基板11及び保護膜16を介して、画素セルPECの白色薄膜17上に付着した帯電粒子PLxが視認されることになり、当該画素セルPECは帯電粒子PLxが有する色(シアン、イエロー、マゼンタ)を表示する状態(色表示状態)を示す(色表示動作)。
このような各画素セルにおける白表示及び色表示状態を適宜設定することにより、3色(画素セル)一組で構成される各表示画素における表示色を任意に設定することができる。ここで、上述したように、本適用例に係る表示パネルにおいては、表示画素を構成する各画素セルPEC内の白色薄膜17、もしくは、該白色薄膜17上面に付着した帯電粒子PLxの色を直接視認する構成(具体的には、外部から画素セルPEC内に入射した光の反射光を視認することにより色が認識される反射型の表示構成)を有しているので、周知の減法混色に基づく各画素セルの色の重ね合わせ(3色の混合)及びその混合比率により、図7に示すように、あらゆる表示色が実現される。なお、図7において、Cはシアン、Yはイエロー、Mはマゼンタであり、CYはシアンとイエローの混合色である濃緑系色、YMはイエローとマゼンタの混合色であるオレンジ系色、CMはシアンとマゼンタの混合色である濃紫系色、BKはシアン、イエロー、マゼンタの混合色である黒である。
したがって、本適用例に係る表示パネルによれば、表示画素を構成する各画素セルの上部電極及び下部電極に印加する電圧に応じて、特定の色を有する帯電粒子をいずれかの電極側に吸着させることにより、設定される表示色(白色薄膜の白色、もしくは、帯電粒子のCYMの単色又は混合色)を透明な上部基板を通して直接視認することができるので、モノクロ表示の表示パネル(例えば、従来技術に示したトナー方式の表示デバイス)の視野側にカラーフィルタを配置した構成に比較して、各表示色(特に白色)を明るく認識することができ、比較的反射率の高い、明るい反射型のカラー表示を実現することができる。なお、本願発明者が行った検証によれば、本適用例に係る表示パネルでは、白表示状態において50%以上となる非常に高い反射率が期待できることが判明した。
ここで、特に、本適用例に係る表示パネルにおいては、上述した適用例と同様に、画素セル内に封入される帯電粒子として、上述した各実施形態に示したように、粒子径が異なる帯電粒子からなる組成、又は、帯電粒子とともに、多孔質の水分吸着粒子を混入した組成、あるいは、これらを併せ持つ組成を適用しているので、帯電粒子同士の凝集を抑制して、電界中での移動特性(電界応答特性)や電極表面への吸着特性を改善して、画像情報を迅速かつ正常に表示することができる表示パネルを実現することができる。
また、カラーフィルタを用いることなく、カラー表示を実現することができるので、表示装置(表示パネル)を一層薄型化することができる。
<第3の適用例>
図8は、本発明に係る表示装置に適用可能な表示パネル(画素セル)の第3の適用例を示す概略構成図である。ここで、上述した第2の適用例と同等の構成については、同等又は同一の符号を付してその説明を簡略化又は省略する。
図8(a)、(b)に示すように、本適用例に係る表示パネル10Bは、対向して配置された上部基板11及び下部基板12と隔壁13により隔離された空間SCを有する画素セルPECが、下部基板12上に各画素セルPECの平面的な広がりの大半を占める領域(例えば、画素セルPECの平面形状と同等の広がりを有する領域)に形成された主電極15bと、下部基板12上に該主電極15bとは電気的に離間し、各画素セルPECの平面的な広がりのごく一部を占める領域(例えば、図8(a)に示すように、画素セルPECの隔壁13近傍に延在する領域であって、主電極15bよりも小さな面積を有する領域、あるいは、図8(c)に示すように、2つの隔壁13により形成される角部近傍の領域)に形成された副電極14bと、主電極15b及び副電極14bを被覆するように下部基板12上に形成された白色薄膜17と、各画素セルPECの空間SC内に封入された、特定の色成分を有する帯電粒子PLx(PLc、PLy、PLm)と、を備えた構成を有している。
このような構成を有する表示パネル(画素セル)において、副電極14bに対して負(−)の電圧を印加し、主電極15bに対して正(+)の電圧を印加した場合、画素セルPEC内に生じた電界により、正極性に帯電した帯電粒子PLxは、副電極14b表面(白色薄膜17表面)に付着する。これにより、帯電粒子PLxは該画素セルPECの平面的な広がりに比較して十分小さな面積を有する副電極14bに付着するので、視野側からは上部基板11及び保護膜18を介して、画素セルPECの主電極15b上に形成された白色薄膜17が視認されることになり、当該画素セルPECは白表示状態を示す。
一方、副電極14bに対して正(+)の電圧を印加し、主電極15bに対して負(−)の電圧を印加した場合、画素セルPEC内に生じた電界により、帯電粒子PLxは、主電極15b表面(白色薄膜17表面)に付着する。これにより、帯電粒子PLxは該画素セルPECの平面的な広がりに対応して十分大きな面積を有する主電極15bに付着するので、視野側から上部基板11及び保護膜18を介して、画素セルPECの主電極15b(白色薄膜17)上に付着した帯電粒子PLxが視認されることになり、当該画素セルPECは帯電粒子PLxの色に応じた色表示状態を示す。
そして、このような各画素セルPECにおける白表示及び色表示状態を適宜設定することにより、3色(画素セル)一組で構成される各表示画素における表示色を、図7に示した減法混色に基づいて、任意に設定することができる。
したがって、本適用例に係る表示パネルによれば、上述した第2の適用例と同様に、画素セル内に形成される電界に応じて、帯電粒子を移動させることにより、表示色を透明な上部基板を通して直接視認することができるので、各表示色を明るく認識することができ、表示特性に優れたカラー表示装置を実現することができるとともに、各画素セル内に封入される帯電粒子として、粒子径が異なる帯電粒子からなる組成、又は、帯電粒子とともに、多孔質の水分吸着粒子を混入した組成、あるいは、これらを併せ持つ組成を適用することができるので、帯電粒子同士の凝集を抑制して、長期にわたり上記カラー表示装置の表示特性を維持することができる。
また、本適用例によれば、上部基板側にカラーフィルタや電極層を形成する必要がなく、下部基板側に一対の電極層を形成した簡易なパネル構造でカラー表示を実現することができるので、表示装置(表示パネル)をより一層薄型化することができる。そのため、基板を、柔軟性を有する薄膜材料により構成することにより、可撓性に優れた表示パネルを実現することができ、電子ペーパーとしての利便性や取り扱いの自由度を高めることができる。
なお、上述した第2及び第3の適用例においては、表示パネル(表示画素)10A、10Bを構成する各画素セルPECに封入される帯電粒子PLxとして、CYMの3色を有する微粒子を適用し、これらによる減法混色で、様々な色を実現する構成を示したが、上記3色に加え、黒色を有する帯電粒子が封入された画素セルを備えた構成を適用するものであってもよい。これによれば、図7に示した減法混色により実現される各色に加え、黒色(真正の黒色)を容易に実現することができ、鮮やかな発色とコントラストを有するカラー表示を実現することができる。
<第4の適用例>
図9は、本適用例に係る表示装置に適用可能な表示パネルの第4の適用例を示す概略構成図である。ここで、上述した第2乃至第3の適用例と同等の構成については、同等又は同一の符号を付してその説明を簡略化又は省略する。
図9(a)に示すように、本適用例に係る表示パネル10Cは、対向して配置された上部基板11及び下部基板12と隔壁13により隔離された空間SCを有する各画素セルPECが、白色薄膜を有さず、上述したシアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)の3色のいずれかを有する帯電粒子PLc、PLy、PLmとともに、白色を有する帯電粒子PLwが封入された構成を有している。また、各画素セルPECの下部基板12表面には、少なくとも主電極15bを被覆する保護膜19が設けられている。
ここで、各画素セルPECは、図9(b)に示す表示パネル10Dのように、第3の適用例と同様に、下部基板12側にのみ面積の異なる副電極14b及び主電極15bが設けられた構成を有しているものであってもよい。
次いで、上述した構成を有する表示装置の表示駆動動作(画素セルの駆動方法)について、図面を参照して説明する。
図10は、本適用例に係る表示パネルに適用される画素セルの駆動状態を示す概念図である。ここでは、便宜的に各画素セルに封入された、CYMのいずれかを有する帯電粒子が、正(+)極性に帯電し、白色を有する帯電粒子が、負(−)極性に帯電している場合について説明する。
上述したような構成を有する表示パネル10Cにおいて、図10(a)に示すように、上部電極14aに対して負(−)の電圧を印加し、下部電極15aに対して正(+)の電圧を印加すると、画素セルPEC内に生じた電界により、正極性に帯電した帯電粒子PLx、PLy、PLmが、上部電極14a方向に移動して該電極14表面(保護膜16表面)に付着するとともに、負極性に帯電した帯電粒子PLwが、下部電極15a方向に移動して該電極15表面(保護膜19表面)に付着する。
これにより、CYMのいずれかの色を有する帯電粒子PLc、PLy、PLmは、該画素セルPECの平面的な広がりに比較して十分小さな面積を有する上部電極14a表面(図面下方)に付着して、視野側からは死角となり、一方、白色を有する帯電粒子PLwは該画素セルPECの平面的な広がりに対応して十分大きな面積を有する下部電極15a上(図面上方)に付着するので、視野側からは上部基板11を介して、画素セルPECの下部基板12上に付着した白色を有する帯電粒子PLwが視認されることになり、当該画素セルPECは白表示状態を示す。
一方、図10(b)に示すように、上部電極14aに対して正(+)の電圧を印加し、下部電極15aに対して負(−)の電圧を印加すると、画素セルPEC内に生じた電界により、正極性に帯電した帯電粒子PLc、PLy、PLmが、下部電極15a方向に移動して該電極15表面(保護膜19表面)に付着するとともに、負極性に帯電した帯電粒子PLwが、上部電極14a方向に移動して該電極14表面(保護膜16表面)に吸着される。
これにより、CYMのいずれかの色を有する帯電粒子PLc、PLy、PLmは該画素セルPECの平面的な広がりに対応して十分大きな面積を有する下部電極15a上(図面上方)に付着し、一方、白色を有する帯電粒子PLwは該画素セルPECの平面的な広がりに比較して十分小さな面積を有する上部電極14a表面(図面下方)に付着して、視野側からは死角となるので、視野側からは上部基板11を介して、画素セルPECの下部基板12上に付着したCYMのいずれかの色を有する帯電粒子PLc、PLy、PLmが視認されることになり、当該画素セルPECは帯電粒子PLc、PLy、PLmが有する色(シアン、イエロー、マゼンタ)を表示する状態(色表示状態)を示す。
そして、このような各画素セルにおける白表示及び色表示状態を適宜設定することにより、3色(画素セル)一組で構成される各表示画素における表示色を、減法混色に基づいて、任意に設定することができる。
したがって、本適用例に係る表示パネルによれば、画素セル内に形成される電界に応じて、CYM及び白色を有する帯電粒子を、それぞれいずれかの電極側に移動、吸着することにより、特定の色(白色、もしくは、CYMの単色又は混合色)を任意に設定することができ、これを透明な上部基板を通して直接視認することができるので、各表示色を明るく認識することができ、表示特性に優れたカラー表示装置を実現することができるとともに、各画素セル内に封入される帯電粒子として、粒子径が異なる帯電粒子からなる組成、又は、帯電粒子とともに、多孔質の水分吸着粒子を混入した組成、あるいは、これらを併せ持つ組成を適用することができるので、帯電粒子同士の凝集を抑制して、長期にわたり上記カラー表示装置の表示特性を維持することができる。
なお、本適用例においては、CYMのいずれかの色を有する帯電粒子とともに、白色を有する帯電粒子を封入した画素セルからなる3色一組の表示画素について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、黒色を有する帯電粒子と白色を有する帯電粒子を封入した画素セルをさらに加えて、4色一組で表示画素を構成するようにしてもよい。
次いで、本発明に係る表示装置(表示パネル)に適用可能な帯電粒子について、簡単に説明すると、帯電粒子は、例えば、カラーファックス通信機やカラー複写機、カラーレーザープリンタ等で用いられている、周知のカラートナーと同等の微粒子及びその製造方法を適用することができるが、特に、以下に示すような特性を有していることを必要とする。
すなわち、一般に適用されるカラートナーにおいては、紙等の被着体にトナー粒子が固定的に付着(結着)する必要があるため、その粒子構造として結着樹脂に有機顔料等の着色剤を含有させた微粒子が用いられるが、本発明においては、上述したように画素セル内に形成される電界に応じて、当該微粒子(帯電粒子)が一対の電極間を迅速かつ的確に移動するとともに、各電極に対して良好に付着及び離脱する必要があるため、各電極に対して印加電圧により形成される電界強度に基づく静電気力のみ、もしくは、該静電気力に加え、電極からの離脱が可能な程度の比較的弱い結着力で、電極表面に付着する特性を有する微粒子を適用することが望ましい。
そこで、本発明に適用可能な帯電粒子としては、上述したような着色された微粒子からなるカラートナーのほか、微粒子自体が特定の色を有しているものをそのまま適用することができる。例えば、上述した各適用例に示したような黒色を有する微粒子としては、例えば、炭素や黒鉛系の粒状粒子を良好に適用することができ、また、白色を有する微粒子としては、上記白色薄膜にも適用した酸化チタン系の粒状粒子を良好に適用することができる。また、シアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)を有する微粒子としては、元来これらに類する色を有する微粒子を適用することができることは勿論、例えば、酸化チタン等の白色を有する微粒子に有機顔料等を用いて着色した微粒子を適用することもできる。
トナー方式を採用した表示パネルに適用される帯電粒子の物理的特性を示す図である。 第1の実施形態に係る表示装置の表示パネル(画素セル)に適用される帯電粒子の粒子径の特徴を示す概略図である。 本実施形態に適用される帯電粒子の粒子径とファンデルワールス力との関係を示す特性図である。 第2の実施形態に係る表示装置に適用される帯電粒子の組成と表示パネルの反射率との関係の一例を示す特性図である。 本発明に係る表示装置に適用可能な表示パネル(画素セル)の第2の適用例を示す概略構成図である。 本適用例に係る表示パネルに適用される画素セルの駆動状態を示す概念図である。 本適用例に係る表示パネル(表示画素)における表示色を説明するための減法混色を示す図である。 本発明に係る表示装置に適用可能な表示パネル(画素セル)の第3の適用例を示す概略構成図である。 本適用例に係る表示装置に適用可能な表示パネルの第4の適用例を示す概略構成図である。 本適用例に係る表示パネルに適用される画素セルの駆動状態を示す概念図である。 従来技術における電気泳動方式を適用した表示デバイスの一例を示す概略構成図である。 従来技術におけるトナー方式を適用した表示デバイスの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
PL1、PL2 帯電粒子
PEC 画素セル
10A〜10D 表示パネル
11 上部基板
12 下部基板
14a 上部電極
15a 下部電極
14b 副電極
15b 主電極
17 白色薄膜
PLc、PLy、PLm、PLw 帯電粒子

Claims (5)

  1. 隔壁により区分けされた各画素セルのそれぞれに帯電粒子が封入されたトナー方式の表示装置であって、
    第1の粒子径に設定された複数の帯電粒子と前記第1の粒子径よりも小さい第2の粒子径に設定された複数の帯電粒子とが同一の色成分の帯電粒子として同一の画素セルに封入されていることを特徴とする表示装置。
  2. 前記第2の粒子径が前記第1の粒子径の10〜50%に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 第1の色成分に設定された複数の帯電粒子と前記第1の色成分とは異なる第2の色成分に設定された複数の帯電粒子とが同一の画素セルに封入されていることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
  4. 前記第1の粒子径に設定された複数の帯電粒子と前記第2の粒子径に設定された複数の帯電粒子とが同一の極性に帯電していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の表示装置。
  5. 一対の電極が前記各画素セルに形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表示装置。
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