JP4595302B2 - バイポーラ電池 - Google Patents

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Description

本発明は、正極と負極の組み合わせの直列構成が少なくとも1以上存在するバイポーラ構造の電池および該電池を用いた組電池とこれを搭載した車両に関する。
近年、環境保護運動の高まりを背景として電気自動車(EV)、ハイブリット自動車(HEV)、燃料電池車(FCV)の導入を促進すべく、これらのモータ駆動用電池の開発が行われている。この用途には、繰り返し充電可能な二次電池が使用される。EV、HEV、FCVのモータ駆動電源のような高出力及び高エネルギー密度が要求される用途では、単一の大型電池は事実上作れず、複数個の電池を接続して構成した組電池を使用することが一般的であった。また、このような組電池を構成する一個の電池として、リチウムイオン二次電池が提案されている。
一方、携帯用の電話やパソコンなどの電子機器用(民生用途)の電池でも放電容量の大きいリチウムイオン二次電池が利用されているが、さらに、スペースファクター並びに軽量の点からシート型とし、さらにシート型電池の電圧や容量を大きくするためにバイポーラ電極ユニットを採用してなるシート型のバイポーラ電池が提案されている(例えば、特許文献1、2参照のこと。)。
かかるバイポーラ電池構造としては、例えば、一方の面が正極用集電体層であり他方の面が負極用集電体層である複合集電体の正極用集電体層の上に正極活物質層を有し、負極用集電体層の上に負極活物質層を有するバイポーラ電極ユニットを有し、且つ電解質として固体電解質を使用することを特徴とするシート型のバイポーラ電池や、バイポーラ電極ユニットの一または直列接続された二以上を有する第1組と第1組と同数のバイポーラ電極ユニットを有する第2組とが端子電極に接続される電極板を中央として互いに鏡像関係となるように並列接続されており、且つ第1組に含まれる少なくとも一のバイポーラ電極ユニットとそれと鏡像関係にある第2組中のバイポーラ電極ユニットの各複合集電体同士がリード線により直接電気的に接続されてなることを特徴とするシート型のバイポーラ電池がある(例えば、特許文献1、2参照。)。
こうしたシート型のバイポーラ電池では、シート状の発電要素を収納する外装容器として、従来の金属製の外装容器に代えて防水性シートからなる袋体を用いられている。かかる防水性シートとしては、ポリエチレンテレフタレート層とアルミニウム箔とエチレン−アクリル酸共重合体(エチレンモノマー成分1モルあたりアクリル酸モノマー成分の量:0.08モル、MI:5)との層とからなる三層構造の防水シートが用いられている。
このようなシート型のバイポーラ電池は、個々に金属製の外装容器を持たないため薄型、軽量で放熱性が良好であり、過充電等に容器内の圧力が高圧にとなり破裂に至った場合でも、金属容器に比べて衝撃が少なく安全性に優れるため、一般の民生用途に幅広く利用できるものである。
特開2000−100471号公報(第4頁左欄25〜28行、第6頁左欄2〜8行) 特開2000−195495号公報(第4頁右欄20〜24行)
しかしながら、上記特許文献1、2に記載のシート型のバイポーラ電池では、防水性シ
ートからなる袋体を用いることで十分なシール性及び防水性を確保することができるため、上記したような一般民生用途では使用可能であるものの、EV、HEV、FCVのモータ駆動電源等や補助電源として搭載して利用しようとする場合には、車両特有の高電圧を付加するための高い絶縁性を確保することが出来ていなかった。すなわち、車両用のバイポーラ電池では、高電圧化が強く求められており、こうした要請に応じて電池内に収納される発電要素を構成する単セルを数十〜百数十セル程度まで積層して400Vを超えるような電圧にして用いることが検討されている。しかしながら、シート型のバイポーラ電池では、防水性シートからなる袋体を用いて、その周辺部の一部または全部を熱融着にて接合することにより、上記発電要素を収納し密封した構成を有し、該発電要素の両端電極とと導通される金属製のタブ(電極端子リード)が、上記熱融着部(シール部)に挟まれて上記袋体の外部に露出される構造を有する。そのため、タブのうち、袋体熱融着部(シール部)に挟まれている部分では、該タブと防水性フィルム内の金属層(アルミニウム箔)との間に、僅かに防水性フィルムの内層にあたる熱融着性樹脂フィルムが介在するだけなので、車両用の400Vを超えるような電圧に耐える絶縁を保証することが極めて困難であった。
そこで、本発明が目的とするところは、高電圧付加時でも絶縁を確保することのできるバイポーラ電池、および該電池を用いた組電池とこれらを搭載した車両を提供するものである。より詳しくは、高電圧付加時でも、電極タブと外装フィルム内金属層間の絶縁を確保することのできるバイポーラ電池、および該電池を用いた組電池とこれらを搭載した車両を提供するものである。
本発明は、正極と負極の組み合わせの構成が複数存在し、外装材として高分子金属複合フィルムを有するバイポーラ構造を有し、400V以上の電圧を出力可能な高電圧電池において、タブ金属表面に少なくともタブ金属の金属抵抗よりも高い高抵抗層を有し、前記高抵抗層が膜厚0.5μm〜5μmの金属酸化被膜であること特徴とするバイポーラ電池により達成できる。
本発明によれば、バイポーラ構造を有し、400V以上の電圧を出力可能な高電圧電池において、タブ金属表面に少なくともタブ金属の金属抵抗よりも高い高抵抗層を設けて、前記高抵抗層を膜厚0.5μm〜5μmの金属酸化被膜とすることで、バイポーラ電池のタブ部を高電圧付加時でもバイポーラ端子間の絶縁を確保することができる。そのため、電池の起電力が高くなり、高絶縁が必要になる車両用のモータ駆動電源用途に好適に利用できるものである。なお、一般の民生用途で使用する電池(例えば、携帯電話や携帯パソコン向けの電池では、携帯時に漏電等により感電しても問題とならないように数V〜20V程度である)では本発明仕様はオーバースペックとなる。更に高抵抗層に高抵抗皮膜を用いる場合には、該皮膜の微小な凹凸形状により、電池のシール性が最も要求されるタブ部において、高い接着強度をそのアンカー効果によって発現させることができ、電池のシール信頼性が大幅に向上する。
本発明に係るバイポーラ電池は、正極と負極の組み合わせの構成が複数存在し、外装材として高分子金属複合フィルムを有するバイポーラ構造の電池において、タブ金属表面に少なくともタブ金属の金属抵抗よりも高い抵抗層を有すること特徴とするものである。以下、本発明の実施の形態につき、説明する。
本発明の対象となるバイポーラ電池としては、特に制限されるべきものではなく、例えば、バイポーラ電池の構造・形態で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池など特に制限されるべきものではなく、従来公知のいずれの構造にも適用し得るものである。同様にバイポーラ電池の電解質の種類で区別した場合にも、特に制限さ
れるべきものではなく、電解液をセパレータ(不織布セパレータを含む)に含浸させた液体電解質型電池、ポリマー電池とも称される高分子ゲル電解質型電池および固体高分子電解質(全固体電解質)型電池のいずれにも適用し得るものである。これらの電解質のうち高分子ゲル電解質および固体高分子電解質(全固体電解質)に関しては、これらを単独で使用することもできるし、これら高分子ゲル電解質や固体高分子電解質(全固体電解質)をセパレータ(不織布セパレータを含む)に含浸させて使用することもできるなど、特に制限されるべきものではない。また、一次電池および二次電池のいずれにも適用し得るものであるが、本発明の使用目的が車両特有の高電圧を付加するための高い絶縁性を確保する点にあることから、二次電池に適用するのが望ましい。さらに、バイポーラ電池の電極材料ないし電極間を移動する金属イオンで見た場合には、バイポーラリチウムイオン二次電池、バイポーラナトリウムイオン二次電池、バイポーラカリウムイオン二次電池、バイポーラニッケル水素二次電池、バイポーラニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素電池など特に制限されるべきものではなく、従来公知のいずれの電極材料等にも適用し得るものである。好ましくは、バイポーラリチウムイオン二次電池である。これは、バイポーラリチウムイオン二次電池では、セル(単電池層)の電圧が大きく、高エネルギー密度、高出力密度が達成でき、車両の駆動電源用や補助電源用として優れているためである。したがって、以下の説明では、バイポーラリチウムイオン二次電池を例にとり説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるべきものではない。
以下、本発明のバイポーラ電池の具体的な実施形態につき、図面を用いて説明する。
図1(a)は、本発明に係るバイポーラ電池の一実施形態を模式的に表わした平面図である。図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図であり、バイポーラ電池の積層構造の一実施形態を模式的に表わした断面概略図である。図1(c)は、図1(a)のB−B線断面図であり、バイポーラ電池の金属製のタブが、外装材の高分子金属複合フィルムの熱融着部(シール部)に挟まれている部分の積層構造の一実施形態を模式的に表わした断面概略図である。
図1(b)に示すように、本発明のバイポーラ電池1では、正極と負極の組み合わせの直列構成が複数存在する、いわゆるバイポーラ構造を有するものである。ここでいうバイポーラ構造とは、1枚または2枚以上で構成される集電体の片面に正極層(正極活物質層ともいう)を設け、もう一方の面に負極層(負極活物質層ともいう)を設けたバイポーラ電極3、電解質層5を挟み隣合うバイポーラ電極3の正極と負極とが対向するようになっている構造をいうものとする。すなわち、バイポーラ電池1では、集電体の片方の面上に正極層を有し、他方の面上に負極層を有するバイポーラ電極3を、電解質層5を介して複数枚積層した構造の電極積層体(発電要素、電池素子ないしバイポーラ電池本体とも称する)9を有するものである。
また、本発明では、上記バイポーラ電極3を複数枚積層した電極積層体9の最外部である最上層の電極3aと最下層の電極3bは、バイポーラ電極でなくてもよく、例えば、最上層の集電体兼正極板と最下層の集電体兼負極板の必要な片面のみに正極層ないし負極層を設けた構造(非バイポーラ電極構造)としてもよい。また、集電体同士が接触したり、電解液が漏れ出したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こるのを防止する目的で、各電極の周囲には絶縁層7が形成されている。
また、本発明のバイポーラ電池では、最外部の集電体とは別にそれぞれ正極端子板および負極端子板(図示せず)を接合してもよい。さらに図1(b)に示すように、電池外部に取り出される正極及び負極タブ11、13と最外部の電極3a、3bの集電体(または電極端子板)との間を電気的に接続するために正極及び負極リード15、17で電気的に接続してもよいが、最外部の電極の集電体(または電極端子板)に電池外部に取り出され
る正極及び負極タブを直接接続しても良いし、最外部の電極の集電体(または電極端子板)の一部を延長して正極及び負極リードとしてもよいなど、特に制限されるべきものではない。該正極及び負極タブ11、13には、図示されていない車両の負荷(モータ、電装品など)が接続され、これら電極タブ11、13には、非常に大きな充放電電流が流れる。そのため、正極タブと負極タブ11、13の幅および厚み(換言すれば断面積)は、主にそれに流れるであろう充放電時の電流値により決定される。また、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、電極積層体9を電池外装材19に減圧封入し、正極及び負極タブ11、13を電池外装材19の外部に取り出した構造である。電池外装材19には、軽量化の観点から、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)の薄膜乃至箔(金属層19b)をポリプロピレンフィルム等の絶縁性の樹脂フィルム(表皮樹脂層19aと金属層−タブ間樹脂層19c)で被覆した高分子金属複合ラミネートフィルムが用いられている。そして、電池外装材19の周辺部の一部または全部を熱融着等にて接合することにより、電極積層体9を収納し減圧封入(密封)し、正極及び負極タブ11、13を電池外装材19の外部に取り出した構成としている。
上記バイポーラ電極(最外部の非バイポーラ電極を含む)の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。例えば、車両用では、単電池の端子間電圧を4.2Vにしているので、数十〜百数十セル分の単電池層が直列接続されてなる構成の電池要素9の端子間電圧(電池電圧)は400Vを超えるような高電圧になる。このようにバイポーラ電池は、1つの単電池層の端子間電圧がバイポーラ電極を用いない、例えば、リチウムイオン二次電池などのような一般的な二次電池の端子間電圧に比較して高いので、容易に高電圧の電池を構成することができる。そのため、車両特有の高電圧を付加するための高い絶縁性を確保することができる以下の構成要件を具備していることが必要不可欠となる。
即ち、本発明のバイポーラ電池1では、正極タブと負極タブ11、13の金属表面に少なくともタブ金属の金属抵抗よりも高い抵抗層21を有している必要がある。これは、外装材である高分子金属複合フィルムの金属層とタブの間で絶縁破壊が起きる可能性が高い。そのためタブ表面に、例えば、高抵抗の皮膜等の上記高抵抗層を有するようにしておくことで全体としての絶縁を確保することができるものである。更にタブの金属表面上の高抵抗層(皮膜)は、微細凹凸形状を有し、タブのシール部分の接着において、アンカー効果を付与することが可能となり、電池のシール強度を大幅に向上させることができる。
上記高抵抗層(高抵抗皮膜)は、タブの金属表面上にあればよい(図1(c)参照のこと)、即ち、必ずしもタブの全長に高抵抗皮膜が設けられている必要はなく、タブの一部分だけに設けられていてもよい。タブは電池外部に連結する場合に表面に高抵抗層があると接触抵抗が高くなり好ましくない。従って、絶縁を確保したい部分以外は高抵抗皮膜が無い方が好ましい。
かかる観点から、上記高抵抗層は、タブ表面の少なくとも樹脂のシール部分に存在することが望ましい(図1(b)の断面の位置)。タブ金属表面の少なくとも樹脂のシール部分20に高抵抗層を設定することで、タブ部の絶縁とタブ部のシール強度の増加効果を両立させることができる。ここでいう樹脂とは、図1(c)に示すように、外装材である高分子金属複合フィルム19の金属層−タブ間樹脂層19cをいう。かかる樹脂層19は、1層で十分であるが、2層以上であってもよい。なお、外装材である高分子金属複合フィルム19は、図1(b)、(c)に示すように、表皮樹脂層19a、外装内金属層19b及び金属層−タブ間樹脂層19cの3層のラミネート構造が一般的であるが、これに制限されるものではなく、従来公知の電池外装材に用いられる高分子金属複合フィルムを用いることができる。
さらに、本発明では、電池外部に取り出されるタブのうち、上記シール部20に近い部
分にも高抵抗層を設けることがより好ましい。これは、図1(b)に示すように、電池外装材の端部では、外装材内の金属層が外部に露出しているため、タブが振動したり、取り付け時に折り曲げられたりすることで、タブと外部露出する金属層とが近接乃至接触するおそれがあり、こうした場合でも十分な絶縁を確保することができるためである。なお、電池外縁部で金属層が露出する対策としては、民生用途の電池の場合には、絶縁テープや絶縁塗料により電池外縁部を絶縁処理するだけでもよいが、本発明のように電池が高電圧となる場合には、これだけでは上記したシール部と同様に、絶縁が十分に確保できないため、本発明の高絶縁層により対応する必要があるといえる。
また、上記高抵抗層21は、少なくとも1層あればよく、2層以上あれば更に絶縁効果がでる。また、タブの金属表面上の高抵抗皮膜は、薄くても絶縁効果を有するので、タブ部の厚さを抑えたい場合等には特に有効である。
上記タブ金属表面上に設けられる高抵抗層21としては、金属の酸化皮膜、絶縁めっき皮膜、樹脂コーティングによる皮膜などがあるが、タブ金属の抵抗よりも高い抵抗を有する皮膜(以下、単に高抵抗皮膜、または皮膜とも称する)であれば発明の目的を達成するため、特に限定は行わない。
好ましくは、高抵抗層が金属の酸化皮膜である。これは、皮膜の抵抗値、皮膜表面の微細凹凸形状によるアンカー効果、タブ金属との接合強度、作業性、経済性等の点で優れるためである。かかる金属の酸化皮膜としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモンなどの陽極酸化皮膜が挙げられるが、これらに制限されるべきものではない。これらの金属の陽極酸化皮膜の実施形態としては、(1)これらの金属をタブとし、その表面に陽極酸化皮膜を形成すること、(2)アルミニウムやニッケルのタブの表面に前記陽極酸化皮膜形成用の金属をメッキ、蒸着等を行った後、陽極酸化皮膜を形成する形態がある。
タブ金属表面上への上記金属の酸化皮膜の形成方法は、硫酸等の酸性液体に目的の金属板(金属板表面に目的の金属をメッキ、蒸着したものを含む)を入れ陽極にし、他極に安定な金属板(Pt等)、もしくは陽極と同一の金属を陰極にして、20V程度の電圧を印荷し1時間程度、電気分解する。この手法により、微細凹凸形状の陽極酸化皮膜が形成できる。
なお、タブ金属表面上への絶縁めっき皮膜の形成方法に関しては、CVD法、PVD法、真空蒸着法、溶融めっき(どぶづけ)、金属浸透法、金属溶射法、電解メッキなど従来公知の金属表面処理技術を用いて形成することができる。該絶縁めっき皮膜形成に用いられる絶縁めっき材料としては、高抵抗皮膜となりえるものであれば、特に制限されるべきものではなく、例えば、磁性フェライト(絶縁性酸化物)めっきなどが挙げられる。
同様に、樹脂コーティングによる皮膜の形成方法に関しても、従来公知の樹脂コーティング技術を用いて形成することができる。例えば、語術する実施例10に示すように、コーティングする樹脂の粉体を静電粉体塗装によりタブ表面に均一に付着させた後、高温で焼き付ける方法のほか、浸漬法、静電粉体塗装法以外のスプレー法などを用いて樹脂をコーティングして皮膜を形成しても良いし、されたコーティングされた樹脂を焼成させて皮膜を形成しても良いなど、特に制限されるべきものではない。好ましくは、実施例でも用いた静電粉体塗装法が、樹脂と金属との接合強度、さらには樹脂皮膜表面の微細な凹凸形成によるアンカー効果などの点で優れている。該樹脂コーティング皮膜形成に用いられる樹脂としては、高抵抗皮膜となりえるものであれば、特に制限されるべきものではなく、例えば、テフロン(登録商標)(米国のデュポン社の製造する四フッ化エチレン樹脂の商品名)、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル(PETP)、3フッ化塩化エチレン(PCTFE
)、4フッ化エチレン・6フッ化プロプレン(FEP)、フッ化ビニリデン(PVdF)などが挙げられる。
前記高抵抗層(皮膜)の抵抗値は、高電圧のバイポーラ電池のタブ部の絶縁を確保するためには、106V/m以上、好ましくは2×107V/m以上であることが望ましい。高抵抗皮膜の抵抗値が106V/mより小さくなると車両で使用される高電圧の場合に絶縁低下の割合が大きくなる可能性がある。車両での使用電圧の上限は一般に500V程度である。従って、タブと外装フィルム内金属層の間に500Vかかった場合でも絶縁が確保される必要がある。かかる観点から、上記抵抗値が導き出されたものである。また、上記高抵抗皮膜の抵抗(値)は、上記したようにV/mの単位で表される、絶縁破壊強さである。この絶縁破壊強さは、ASTM D149、JIS K6911、JIS C2103に準拠する測定方法により求めることができ、単位長さ当たりの物質が耐えられる電圧を示す。この値が高いほど、材料の厚さ方向両端にかかった高電圧を絶縁できると言う理由で、薄厚材料でも絶縁を確保できるため有効である。
また、高抵抗層を有するタブと外装材内の金属層間の抵抗値が、500Vを印加したときに、100MΩ以上、好ましくは500MΩ以上であることが望ましい。該抵抗値は、実施例で説明する「絶縁性の検査」に記載の方法により求められる。タブと外装材内の金属層間の抵抗値が100MΩ以上あれば、タブと外装フィルム内金属層の間に500Vかかった場合でも絶縁が確保されているといえる。また、電池完成後に、かかる抵抗値を測定することで、タブと外装材内の金属層間の絶縁確認は勿論のこと、電池内部に短絡などの異常がないこともあわせて確認できる点で、有効な検査手段ともなり得る。
前記高抵抗層(皮膜)の膜厚は、タブ金属の抵抗よりも高い抵抗値を示すものであれば発明の目的を達成することができるため、特に制限されない。また、電池の電圧により求められる抵抗値の大きさや、金属層−タブ間樹脂層19cの厚さ及び絶縁性能、皮膜の材料の抵抗値の違いなどによって、高抵抗層(皮膜)の好適な膜厚の範囲も異なるため一義的に規定することはできないが、通常5μm以下、好ましくは0.1〜1μmのサブミクロンの厚さでも十分に絶縁を確保できる。
また、上記高抵抗層の比表面積の範囲は、1.1〜5であることが望ましい。ここで、高抵抗層の比表面積とは、図2に示すように、タブ11のうち高抵抗層の皮膜21が設けられている部分における、投影面積に対する実際の面積(高抵抗皮膜の表面積)といえる。すなわち、上記比表面積=皮膜の表面積/投影面積といえる。実際には、上記比表面積は、実施例で説明する「比表面積の測定」に記載の方法により求められる、皮膜形成前のタブのガス吸着量に対する皮膜形成後のタブのガス吸着量の比率として規定することができる。簡単に説明すれば、比表面積は、JIS Z8830に準拠するガス吸着方式で測定し、皮膜の無いタブの吸着量(m2/g)に対し、皮膜を形成後の吸着量(m2/g)を測定し、その比率を示したものである。上記比表面積は大きいほど接着面積が増え、アンカー効果も大きくなることから好ましいが、本発明のタブ部の比表面積はあまり数値が5を超えて大きくなると、図2に示すようにタブ11表面上の高抵抗皮膜21の凹凸形状が微細になりすぎ、実質のアンカーが減少する。また、比表面積が1.1未満では皮膜21の凹凸の量が少ないため、外装材との接着強度の向上が小さい。従って、1.1〜5の範囲にあることで優れた接着性効果をもたらす。なお、高抵抗皮膜21の凹凸形状や膜厚等は、皮膜の種類にもよるが、製造段階での陽極酸化皮膜条件や絶縁めっき皮膜条件や樹脂コーティング条件などを変える事で調整・制御可能であり、これにより所望の比表面積を容易にコントロールすることができる。尚、上記比表面積の要件は、高抵抗層が金属の酸化皮膜である場合に、これを満足することが望ましい。上記比表面積は高抵抗層の皮膜と外装材の樹脂フィルムとの接着強度を高める上で望ましい要件であるため、例えば、高抵抗層が実施例10に示すような樹脂コーティングによる皮膜の場合には、比表面積が1で
あっても(つまり、樹脂コーティングによる皮膜の表面に微細な凹凸形状がなくても)樹脂同士の接着であるため、十分な接着強度を確保することができる(表1のピール平均値参照のこと)場合もあるためである。よって、本発明では、高抵抗層が上記に規定する上記比表面積の範囲から外れるものであっても十分な接着強度を提供することができる場合もある。
かかる観点から、タブの高抵抗層と外装材との間のピール平均値(A)と、基材(高抵抗層を設けていないタブ)と外装材との間のピール平均値(B)との割合(A/B×100(%))が、100%を超えること、好ましくは200%以上、より好ましくは500%以上であるのが望ましい。上記ピール平均値は、実施例で説明する「ピール平均値の測定」に記載の方法により求められる。簡単に説明すれば、引っ張り試験は、JIS K6253に準拠し、タブとフィルムを180°引っ張り試験を行い、そのときのピール強さと長さを測定する。その結果を図2に示すようにグラフ化したとき、ピール強度のグラフの台形の鞍部の平均値をピール平均値と定義し、図2に示す従来構造のピール平均値、即ち、基材である高抵抗層を設けていないタブと外装材との間での引っ張り試験結果から求めたピール平均値からの強度比として求めることができる。
例えば、図2に示すタブ部の接着強度を測定する引っ張り試験の結果を例にとれば、実施例1に記載の方法によって得られたアルミニウムの酸化皮膜を有するタブ部の接着強度を測定する引っ張り試験の結果をグラフ化したものが、図2の「発明構造」のグラフである。皮膜の無い場合の引っ張り試験の結果をグラフ化したものが、図2の「従来構造」のグラフである。この結果より、発明構造はピール強度(引っ張り強度)の絶対値が大きく、強い引き裂き力に耐えうることが確認できる。さらに、これらのグラフから求まるピール平均値の強度比による規定では、高抵抗層の皮膜の種類によらず、接着強度を評価することができる点で有利である。
また、上記高抵抗層としては、アルミニウムの酸化皮膜であることが特に望ましいといえる。これは、実際に使用する場合のベストモードがアルミニウムの酸化皮膜であるためである。詳しくは、アルミの陽極酸化皮膜は、多孔質の穴を有する絶縁皮膜であり、一般に109V/mという高い抵抗値を示し、高いアンカー効果を示すためである。また、タブの材質がアルミニウムの場合にはそのまま酸化皮膜を形成すればよく、アルミニウム以外の金属の場合にはアルミニウムのメッキ、蒸着をした後、その上に皮膜を形成することができる点でも有利である。アルミニウムの陽極酸化皮膜の製造方法は、以下の通りである。1Mの硫酸水溶液に高純度のアルミニウム板を浸して陽極にし、負極としてサイズの大きいアルミニウム板を用い、直流電源を用い、出力電圧を20V以上に設定する。この状態で電気分解を30分以上行う。得られた陽極酸化皮膜を外装材との接着部(シール部)のみ残し、その他の部分は酸化皮膜を削って接触抵抗を低減することで得られる(かかる製造方法を実施例1に適用した)。
尚、本発明では、タブと外装材である高分子金属複合フィルム内の金属層間に少なくとも1層以上の、タブ金属の金属抵抗よりも高い抵抗層(高抵抗層)を有していればよいともいえる。すなわち、タブの金属表面上に高抵抗層を有するようにするのが、実用上優れているが、高分子金属複合フィルム側に高抵抗層を有する実施形態を排除するものではない。
以上、本発明にかかるバイポーラ電池の主要構成要件を中心に説明したが、本発明のバイポーラ電池の他の構成要素に関しては特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを適宜利用して構成することができるものである。以下、バイポーラリチウムイオン二次電池を例にとり、これら構成要件につき説明するが、本発明がこれらに何ら制限されるべきものでないことはいうまでもない。
[集電体]
本発明で用いることのできる集電体としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを利用することができる。例えば、アルミニウム箔、ステンレス(SUS)箔、チタン箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、SUSとアルミニウムのクラッド材あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく使える。また、金属表面に、アルミニウムを被覆させた集電体であってもよい。また、場合によっては、2つ以上の金属箔を張り合わせた集電体を用いてもよい。複合集電体を用いる場合、正極集電体の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、SUS、チタンなどの導電性金属を用いることができるが、アルミニウムが特に好ましい。一方、負極集電体の材料としては、例えば、銅、ニッケル、銀、SUSなどの導電性金属を用いることができるが、SUS及びニッケル等が特に好ましい。また、複合集電体においては、正極集電体と負極集電体とは、互いに直接あるいは第三の材料からなる導電性を有する中間層を介して電気的に接続していれば良い。
複合集電体における正極集電体および負極集電体の各厚みは、通常通りでよく両集電体とも、例えば、1〜100μm程度である。好ましくは集電体(複合集電体を含む)の厚さが1〜100μm程度であればよいが、本発明のように高電圧の電池とするには、単電池層が数十〜百数十層積層する必要上、集電体も薄膜軽量化するのが望ましいことから、該集電体の厚さとして好ましくは、5〜20μmの範囲である。
[正極層(正極活物質層)]
ここで、正極層の構成材料としては、正極活物質を含むものであれば良く、さらに必要に応じて、電子伝導性を高めるための導電助剤、バインダ、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)、高分子電解質、添加剤などが含まれ得るが、電解質層に高分子ゲル電解質や液体電解質を用いる場合には、正極活物質微粒子同士を結びつける従来公知のバインダ、電子伝導性を高めるための導電助剤などが含まれていればよく、高分子電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくても良い。電解質層に液体電解質を用いる場合にも、正極層には高分子電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくても良い。
正極活物質としては、遷移金属とリチウムとの複合酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)を好適に使用できる。具体的には、LiMnO2、LiMn24などのLi−Mn系複合酸化物、LiCoO2などのLi−Co系複合酸化物、Li2Cr27、Li2CrO4などのLi−Cr系複合酸化物など、LiNiO2などのLi−Ni系複合酸化物、LixFeOy、LiFeO2などのLi−Fe系複合酸化物、LixyzなどのLi−V系複合酸化物およびこれらの遷移金属の一部を他の元素により置換したもの(例えば、LiNixCo1-x2(0<x<1)等)などが使用できるなど、Li金属酸化物から選択し使用するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。これらリチウム−遷移金属複合酸化物は、反応性、サイクル耐久性に優れ、低コストな材料である。そのためこれらの材料を電極に用いることにより、出力特性に優れた電池を形成することができる点で有利である。この他、LiFePO4などの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V25、MnO2、TiS2、MoS2、MoO3などの遷移金属酸化物や硫化物;PbO2、AgO、NiOOHなどが挙げられる。
上記正極活物質の中では、Li−Mn系複合酸化物が望ましい。これは、Li−Mn系複合酸化物を用いることにより、プロファイルを傾けることが可能となり、異常時信頼性が向上するためである。詳しくは、正極活物質をLi−Mn系複合酸化物にすることで、電圧−SOCプロファイルを傾けることが出来るようになる。これより、電圧を計測することで電池の充電状態(SOC)が判明するため、電池が特に不安定な過充電、過放電状
態を検知し、対処することが出来るようになるため、電池の信頼性を向上させることが可能となる。また、Li−Mn系複合酸化物は過充電、過放電で電池が故障するときにも反応が穏やかであり、異常時の信頼性が高いといえる。その結果、各単電池層及びバイポーラ全体の電圧の検知が容易になる。
正極活物質の粒径は、バイポーラ電池の電極抵抗を低減するために、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池で一般に用いられる粒径よりも小さいものを使用するとよい。具体的には、正極活物質微粒子の平均粒径が0.1〜5μmであるとよい。0.1〜50μm、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは0.5〜5μmの範囲とするのが望ましい。
上記導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、種々炭素繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられる。ただし、これらに限られるわけではない。
上記バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、SBR、ポリイミドなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
上記電解質のうち高分子ゲル電解質は、イオン導伝性を有する固体高分子電解質に、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池で用いられる電解液を含んだものであるが、さらに、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれるものである。よって、上記電解質のうち高分子固体電解質は、イオン導伝性を有する高分子固体電解質となる。
ここで、高分子ゲル電解質に含まれる電解液(電解質塩および可塑剤)としては、特に制限されるべきものではなく、従来既知の各種電解液を適宜使用することができるものである。例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiAlCl4、Li210Cl10、LiBOB(リチウムビスオキサイドボレート)等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22N(リチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド);LiBETIともいう)等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の可塑剤(有機溶媒)を用いたものなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
イオン導伝性を有する固体高分子電解質としては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体のような公知の固体高分子電解質が挙げられる。
高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。なお、PAN、PMMAなどは、どちらかと言うとイオン伝導性がほとんどない部類に入るものであるため、上記イオン伝導性を有する高分子とすることもできるが、ここでは高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性
を持たない高分子として例示したものである。
上記イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiAlCl4、Li210Cl10等の無機酸陰イオン塩、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22N等の有機酸陰イオン塩、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
高分子ゲル電解質中のホストポリマーと電解液との比率(質量比)は、使用目的などに応じて決定すればよいが、2:98〜90:10の範囲である。すなわち、電池電極中の電解質材料からの電解液の染み出しについては、図1(b)に示すように、絶縁層7を形成することで効果的にシールすることができる。そのため、上記高分子ゲル電解質中のホストポリマーと電解液との比率(質量比)に関しても、比較的電池特性を優先したものとすることができる。
上記添加剤としては、例えば、電池の性能や寿命を高めるためのトリフルオロプロピレンカーボネート、補強材として各種フィラーなどが挙げられる。
正極層の厚さ(正極活物質膜厚)は、特に限定するものではなく、配合量について述べたように、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきであるが、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。よって、正極層の厚さ(正極活物質膜厚)は、1〜500μm程度である。本発明のように高電圧の電池とするには、単電池層が数十〜百数十層積層する必要上、電極は薄膜軽量化するのが望ましいことから、正極層の厚さ(正極活物質膜厚)として好ましくは、5〜30μmの範囲である。
正極層における、正極活物質、導電助剤、バインダ、高分子電解質(ホストポリマー、電解液など)、リチウム塩等の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。
[負極層(負極活物質層)]
負極層は、負極活物質活物質を含む。この他にも、電子伝導性を高めるための導電助剤、バインダ、高分子電解質(ホストポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩、添加剤などが含まれ得るが、高分子電解質層に高分子ゲル電解質を用いる場合には、負極活物質微粒子同士を結びつける従来公知のバインダ、電子伝導性を高めるための導電助剤などが含まれていればよく、高分子電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくても良い。電解質層に溶液電解質を用いる場合にも、負極層には高分子電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくてもよい。負極活物質の種類以外は、基本的に「正極層」の項で記載した内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
負極活物質としては、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される負極活物質を用いることができる。具体的には、カーボン、金属化合物、金属酸化物、Li金属化合物、Li金属酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物を含む)、ホウ素添加炭素、グラファイトなどを用いることができる。これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用して用いても良い。上記カーボンとしては、例えば、グラファイトカーボン、ハードカーボン、ソフトカーボンなど、従来公知のカーボン材料が挙げられる。上記金属化合物としては、LiAl、LiZn、Li3Bi、Li3Cd、Li3Sd、Li4Si、Li4.4Pb、Li4.4Sn、Li0.17C(LiC6)等が挙げられる。上記金属酸化物としては、SnO、SnO2、GeO、GeO2、In2O、In23、PbO、PbO2、Pb23、Pb34
、Ag2O、AgO、Ag23、Sb23、Sb24、Sb25、SiO、ZnO、CoO、NiO、FeO等が挙げられる。Li金属化合物としては、Li3FeN2、Li2.6Co0.4N、Li2.6Cu0.4N等が挙げられる。Li金属酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)としては、Li4Ti512などLixTiyzで表されるリチウム−チタン複合酸化物等が挙げられる。上記ホウ素添加炭素としては、ホウ素添加カーボン、ホウ素添加グラファイト等が挙げられる。ただし、本発明では、これらに制限されるべきものではなく従来公知のものを適宜利用することができる。上記ホウ素添加炭素中のホウ素の含有量は0.1〜10質量%の範囲が望ましいが、これに制限されるべきものではない。
上記負極活物質の中では、結晶性炭素材、非結晶性炭素材から選ばれるものが好ましい。これらを用いることで、プロファイルを傾けることが可能となる。詳しくは、負極活物質を結晶性炭素材、非結晶性炭素材から選ばれるものにすることで、電圧−SOCプロファイルを傾けることが出来るようになる。これより、電圧を計測することで電池の充電状態(SOC)が判明するため、電池が特に不安定な過充電、過放電状態を検知し、対処することが出来るようになるため、電池の信頼性を向上させることが可能となる。この効果は非晶質炭素において特に顕著であり、有効であるが特に限定は行わない。その結果、各単電池層及びバイポーラ全体の電圧の検知が容易になる。ここでいう結晶性炭素材とは、グラファイト系炭素材料をいい、上記グラファイトカーボンなどがこれに含まれる。非結晶性炭素材とは、ハードカーボン系炭素材料をいい、上記ハードカーボンなどがこれに含まれる。
負極層の厚さ(負極活物質膜厚)は、特に限定するものではなく、配合量について述べたように、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきであるが、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。よって、負極層の厚さ(負極活物質膜厚)は、1〜500μm程度である。本発明のように高電圧の電池とするには、単電池層が数十〜百数十層積層する必要上、電極は薄膜軽量化するのが望ましいことから、負極層の厚さ(負極活物質膜厚)として好ましくは、5〜30μmの範囲である。
[電解質層]
本発明では、その使用目的に応じて、(a)高分子ゲル電解質、(b)高分子固体電解質または(c)これらポリマー電解質ないし電解液を含浸させたセパレータ(不織布セパレータを含む)、のいずれにも適用し得るものである。
(a)高分子ゲル電解質
高分子ゲル電解質としては、特に制限されるべきものではなく、従来のゲル電解質層に用いられているものを適宜利用することができる。ここで、ゲル電解質とは、ポリマーマトリックス中に電解液を保持させたものをいう。なお、本発明において、全固体高分子電解質(単に、高分子固体電解質ともいう)と、ゲル電解質との違いは、以下のとおりである。
・ポリエチレンオキシド(PEO)などの全固体高分子電解質に、通常のリチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものがゲル電解質である。
・ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など、リチウムイオン伝導性をもたない高分子の骨格中に、電解液を保持させたものもゲル電解質にあたる。
・ゲル電解質を構成するのポリマー(ホストポリマーないしポリマーマトリックスとも称する。)と電解液の比率は幅広く、ポリマー100質量%を全固体高分子電解質、電解液100質量%を液体電解質とすると、その中間体はすべてゲル電解質にあたる。
上記ゲル電解質の、ホストポリマーとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができるが、好ましくは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)およびそれらの共重合体が望ましく、溶媒には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびそれらの混合物が望ましい。
上記ゲル電解質の、電解液(電解質塩および可塑剤)としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができる。具体的には、通常リチウムイオン電池で用いられるものであればよく、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiAlCl4、Li210Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22N等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の有機溶媒(可塑剤)を用いたものなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
本発明におけるゲル電解質中の電解液の割合としては、特に制限されるべきものではないが、イオン伝導度などの観点から、数質量%〜98質量%程度とするのが望ましい。本発明では、電解液の割合が70質量%以上の、電解液が多いゲル電解質について、特に効果がある。
また、本発明では、ゲル電解質に含まれる電解液の量は、ゲル電解質内部で略均一になるようにしてもよいし、中心部から外周部に向けて傾斜的に少なくしていってもよい。前者は、より広範囲で反応性を得ることができるため好ましく、後者は、外周部の全固体高分子電解質部の電解液に対するシール性を高めることができる点で好ましい。中心部から外周部に向けて傾斜的に少なくしていく場合には、上記ホストポリマーには、リチウムイオン伝導性のあるポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)およびそれらの共重合体を用いることが望ましい。
(b)高分子固体電解質
全固体高分子電解質としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができる。具体的には、イオン伝導性を有する高分子から構成される層であり、イオン伝導性を示すのであれば材料は限定されない。全固体高分子電解質としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体のような公知の固体高分子電解質が挙げられる。固体高分子電解質中には、イオン伝導性を確保するためにリチウム塩が含まれる。リチウム塩としては、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。PEO、PPOのようなポリアルキレンオキシド系高分子は、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252などのリチウム塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度が発現する。
(c)上記ポリマー電解質ないし電解液(電解質塩および可塑剤)を含浸させたセパレータ(不織布セパレータを含む)
セパレータに含浸させることのできる電解質としては、既に説明した(a)および(b)または上記(a)で説明した電解(電解質塩および可塑剤)液と同様のものを用いることができるため、ここでの説明は省略する。
上記セパレータとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを用いることができるものであり、例えば、上記電解質を吸収保持するポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレータなど)などを用いることができる。有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を持つ上記ポリオレフィン系微多孔質セパレータは、電解質(電解液)との反応性を低く抑えることができるという優れた効果を有するものである。
該ポリマーの材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリイミドなどが挙げられる。
上記セパレータの厚みとして、使用用途により異なることから一義的に規定することはできないが、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などのモータ駆動用二次電池などの用途においては、単層あるいは多層で4〜60μmであることが望ましい。セパレータの厚さが、かかる範囲にあることでセパレータに微粒が食い込むことによって発生する短絡の防止と、高出力のために電極間を狭くすることが望ましいという理由から、厚さ方向の機械的強度と高出力性の確保という効果がある。また電池を複数接続する場合には、電極面積が増大することから、電池の信頼性を高めるために上記範囲のなかでも厚形のセパレータを用いることが望ましい。
上記セパレータの微細孔の径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが望ましい。セパレータの微細孔の平均径が、上記範囲にあることで熱によってセパレータが溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起きるという理由から、異常時信頼性が上がり、その結果として耐熱性が向上するという効果がある。すなわち、過充電で電池温度が上昇していったとき(異常時)に、セパレータが溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起きることで、電池(電極)の正極(+)から負極(−)側にLiイオンが通れなくなり、それ以上は充電できなくなる。そのため過充電できなくなり、過充電が解消する。その結果、電池の耐熱性(安全性)が向上するほか、ガスがでて電池外装材の熱融着部(シール部)が開くのを防止できる。ここでセパレータの微細孔の平均径は、セパレータを走査電子顕微鏡等で観察し、その写真をイメージアナライザ等で統計的に処理した平均径として算出される。
上記セパレータの空孔率は20〜50%であることが望ましい。セパレータの空孔率が、上記範囲にあることで電解質(電解液)の抵抗による出力低下の防止と、微粒がセパレータの空孔(微細孔)を貫くことによる短絡の防止という理由から出力と信頼性の両方を確保するという効果がある。ここでセパレータの空孔率とは、原材料レジンの密度と最終製品のセパレータの密度から体積比として求められる値である。
上記セパレータへの電解質の含浸量は、セパレータの保持能力範囲まで含浸させればよいが、当該保持能力範囲を超えて含浸させてもよい。これは、電解質にシール部を設け、電解質層からの電解液の染み出しを防止できるため、該電解質層に保持できる範囲であれば含浸可能である。
電解質を保持させる為に用いる不織布セパレータとしては、特に制限されるべきもので
はなく、繊維を絡めてシート化することにより製造することができる。また、加熱によって繊維同士を融着することにより得られるスパンボンド等も用いることができる。すなわち、繊維を適当な方法でウェブ(薄綿)状またはマット状に配列させ、適当な接着剤あるいは繊維自身の融着力により接合して作ったシート状のものであればよい。上記接着剤としては、製造及び使用時の温度下で十分な耐熱性を有し、ゲル電解質に対しても反応性や溶解性等がなく安定したものであれば、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用できる。また、使用繊維としては、特に制限されるものではなく、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリイミド、アラミドなど従来公知のものを用いることができ、使用目的(電解質層に要求される機械強度など)に応じて、単独または混合して用いる。また、不織布のかさ密度は、含浸させた高分子ゲル電解質により十分な電池特性を得られるものであればよく、特に制限されるべきものではない。すなわち、あまり不織布のかさ密度が大きすぎると、電解質層中の非電解質材料が占める割合が大きくなりすぎ、電解質層におけるイオン伝導度などを損なうおそれがあるためである。
不織布セパレータの空孔率は50〜90%であることが好ましい。空孔率が50%未満では、電解質の保持性が悪化し、90%超では強度が不足する。さらに、不織布セパレータの厚さは、電解質層と同じであればよく、好ましくは5〜200μmであり、特に好ましくは10〜100μmである。厚さが5μm未満では電解質の保持性が悪化し、200μmを超える場合には抵抗が増大することになる。
なお、上記(1)〜(3)の電解質層は、1つの電池の中で併用してもよい。
また、高分子電解質は、電解質層、正極活物質層、負極活物質層に含まれ得るが、同一の高分子電解質を使用してもよく、層によって異なる高分子電解質を用いてもよい。
ところで、現在好ましく使用される高分子電解質用のホストポリマーは、PEO、PPOのようなポリエーテル系高分子である。このため、高温条件下における正極側での耐酸化性が弱い。従って、溶液系のリチウムイオン電池で一般に使用される、酸化還元電位の高い正極剤を使用する場合には、負極の容量が、高分子電解質層を介して対向する正極の容量より少ないことが好ましい。負極の容量が対向する正極の容量より少ないと、充電末期に正極電位が上がり過ぎることを防止できる。なお、正極および負極の容量は、正極および負極を製造する際の理論容量として、製造条件から求めることができる。完成品の容量を測定装置で直接測定してもよい。
ただし、負極の容量を対向する正極の容量と比べて少ないと、負極電位が下がりすぎて電池の耐久性が損なわれる恐れがあるので充放電電圧に注意する必要がある。例えば、一のセル(単電池層)の平均充電電圧を使用する正極活物質の酸化還元電位に対して適切な値に設定して、耐久性が低下しないように注意する。
電池を構成する電解質層の厚さは、特に限定するものではない。しかしながら、コンパクトなバイポーラポリマー電池を得るためには、電解質としての機能が確保できる範囲で極力薄くすることが好ましい。一般的な電解質層の厚さは5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度である。
[絶縁層]
絶縁層は、電解液による液絡、電池内で隣り合う集電体同士が接触したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こるのを防止する目的で、各電極の周囲に形成されてなるものである。本発明では、必要に応じて、電極の周囲に絶縁層を設けてもよい。これは、車両駆動用ないし補助用電源として利用するような場合には、たとえ固体電解
質を用いて電解液による短絡(液落)を完全に防止したとしても、電池への振動や衝撃が長期にわたり負荷される。そのため、電池寿命の長期化の観点からは、絶縁層を設置することがより長期間の信頼性、安全性を確保する上で望ましく、高品質の大容量電源を提供できる点で望ましいためである。
該絶縁層としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよく、例えば、エポキシ樹脂、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドなどが使用できるが、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
[正極および負極端子板]
正極および負極端子板は、必要に応じて使用すればよい。すなわち、バイポーラ電池の積層(ないし巻回)構造によっては、最外部の集電体から正極及び負極タブ(電極端子)を直接または電極リードを介して取り出しても良く、この場合には正極および負極端子板は用いなくとも良い(図1(b)参照のこと)。
正極および負極端子板を用いる場合には、端子としての機能を有するほか、薄型化の観点からは極力薄い方がよいが、積層されてなる電極、電解質および集電体はいずれも機械的強度が弱いため、これらを両側から挟示し支持するだけの強度を持たせることが望ましい。さらに、電極端子板から電極タブまでの内部抵抗を抑える観点から、正極および負極端子板の厚さは、通常0.1〜2mm程度が望ましいといえる。
正極および負極端子板の材質は、通常のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池で用いられる材質を用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。
正極端子板と負極端子板との材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極端子板は、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。これら正極および負極端子板でも、電池外装材と近接ないし密着することもあることから、必要があれば、電極タブと同様の高抵抗層を電極端子板の外表面上の必要とされる部分に適宜に設けても良いことはいうまでもない。
[正極および負極リード]
正極および負極リードは、必要に応じて使用すればよい。正極および負極リードは、既存のバイポーラ型ではない通常のリチウムイオン二次電池で用いられる公知の電極リードを用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。正極リードと負極リードとの材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極リードは、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。また、これら正極および負極リードでも、電池外装材と近接ないし密着することもあることから、必要があれば、本発明の電極タブと同様の高抵抗層を電極リード表面上の必要とされる部分に適宜に設けても良いことはいうまでもない。
[正極および負極タブ(タブないし電極タブ)]
図1(b)に示すように、本発明に用いられる正極および負極タブ11、13は、最外層の電極の集電体(ないしこれに接続された電極端子板)に接続された正・負極リード15、17との間で接続されていてもよし、最外層の電極の集電体に接続された正・負極端子板ないし正・負極リードに接続してよいし(図示せず)、最外層の電極の集電体の一部を延長して形成しても良い(図示せず)など、特に制限されるべきものではない。なお、
電池外装材19から電池外部に取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆しておいてもよい。
また、本発明に用いられるタブは、既存のバイポーラ型ではない通常のリチウムイオン二次電池で用いられる公知の電極タブを用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。正極タブと負極タブとの材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極タブは、材質の異なる金属(合金を含む)を多層に積層したものであってもよい。
また、本発明の高抵抗層(皮膜)の基準となるタブ金属の金属抵抗は、タブ金属の種類にもよるが、通常1〜50Ω・m程度であり、比較のために便宜的にV/mで示すと10-7〜10-6V/m程度である。
タブの厚さは、外装材シール部に挟まれている部分の気密性や防水性を高める観点からは薄い方が望ましく、一方、電気抵抗低減の観点からは厚い方が望ましいことから、電池の使用目的に応じて適宜決定すればよいが、通常50〜1000μm、好ましくは100〜300μmの範囲である。
また、タブの電池外部への取り出し方としては、図1(a)に示すように、正極タブと負極タブとを対向する辺から別々に取り出しても良いし、正極タブと負極タブとを同じ辺から取り出しても良いし、正極タブと負極タブとを隣接する辺から別々に取り出しても良いなど特に制限されるものではないが、これらの電池を複数接続して組電池を形成するには、図3や図4に示すような構成とするのが配線などの関係から都合が良いため、好ましくは図1(a)に示すように、正極タブと負極タブとを対向する辺から別々に取り出すのが望ましいといえる。
[正極および負極タブ表面上に形成される高抵抗層)]
タブ表面に設けられる高抵抗層に関しては、上述したとおりであるので、ここでの説明は省略する。
[電圧検知タブ]
本発明では、電池内のセル(単電池層)ごとの電圧を検知し、過充電や過放電状態になったセルをバイパスして充放電が行えるような電圧検知タブを各セルに設けておくのが望ましい。この電圧検知タブの一端はセルの集電体に接続し、もう一方の端を電池外部にまで取り出し、これらタブを電圧検知・バイパス制御回路等に接続するのが望ましい。これにより数十〜百数十セル(単電池層)ある電池内部の各単電池層の容量バラツキによる電池性能の低下を抑制することができ、電池寿命を高めることができる。特に、バイポーラ電池を車両の動力源として使用する場合には、信頼性と安定性が要求されるため、それぞれのバイポーラ電池及び該電池内の各単電池層(セル)が正常に機能しているか否かを常に監視する必要がある。このため、すべてのバイポーラ電池(通常、複数のバイポーラ電池を接続した組電池を、更に複数接続した複合組電池として車両に搭載されている)及び電池内のセルの電圧を常時監視し、劣化したバイポーラ電池及び電池内のセルが検知できるようにするのが望ましいためである。
また、電極タブである正極タブ及び負極タブと、電圧検知タブとは、電池の異なる辺から取り出すのが配線などの都合上便利であるほか、シール部の気密性確保の観点からも望ましいといえる。
更に、電圧検知タブには、各セルごとの電圧(4.2V程度)しか加わらないため、本発明の電極タブのように高抵抗層を形成する必要はない。
該電圧検知タブには、上記電極タブと同様の材料を用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。各電圧検知タブの材質は、同一の材質を用いるのが望ましいが、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、電圧検知タブは、材質の異なる金属(合金を含む)を多層に積層したものであってもよい。
[電池外装材]
本発明では、従来と同様に電池の防水性、シール性を確保し、更に電池の軽量化を図り、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止する観点から、電池本体である電池積層体(ないし電池巻回体)全体を収納するための電池外装材として、高分子金属複合フィルムを用いてなるものである。かかる高分子金属複合フィルムとしては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを適宜適用することができるものであり、例えば、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)の層19bの両面をポリプロピレンフィルム等の絶縁体(好ましく耐熱性の絶縁体)の樹脂層(表皮樹脂層19a、金属層−タブ間樹脂層19c)で被覆した高分子金属複合フィルムなどを用いることができる。上記絶縁体(好ましく耐熱性の絶縁体)の樹脂層としては、例えば、ポリエチレンテトラフタレートフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ナイロンフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ポリエチレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)、ポリプロピレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)等が挙げられ、これらを目的に応じて、表皮樹脂層19a側と金属層−タブ間樹脂層19c側とに適用すればよい。
上記金属層19bとしては、高電圧に対する絶縁性よりも耐熱性や外部からの酸素や水蒸気や光(紫外線など)に対する高バリア性、更に折り曲げなどに対する強度に優れる軟質材が求められることから、アルミニウムが望ましい。該金属層の膜厚としては、上記特性を十分に発現させることが出来ればよく、10〜100μm、好ましくは20〜50μmの範囲である。
上記表皮樹脂層19aでは、熱融着性は必要ではなく、外部絶縁性、耐候性、耐擦過傷、外部からの酸素や水蒸気に対するバリア性、耐熱性などが求められることから、ポリエチレンテトラフタレートフィルム(ポリエステル)(耐熱絶縁性フィルム)、ナイロンフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ナイロンとポリエステルの積層フィルムなど所望の材料を選定すればよい。また、表皮樹脂層19aの膜厚も、上記特性を十分に発現させることが出来ればよく、5〜50μm、好ましくは10〜30μmの範囲である。
上記金属層−タブ間樹脂層19cでは、内部絶縁性、熱融着性、耐薬品性(電解液等に対する耐性)、酸素や水蒸気、更には充放電で発生するガス等に対するバリア性、耐熱性などが求められることから、ポリエチレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)、ポリプロピレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)等など所望の材料を選定すればよい。また、金属層−タブ間樹脂層19cの膜厚も、上記特性を十分に発現させることが出来ればよく、10〜100μm、好ましくは20〜50μmの範囲である。
高分子金属複合フィルム全体の膜厚は、電池外装材に求められる上記機能を発揮することができるものであれば特に制限されるものではないが、通常50〜150μm、好ましくは80〜120μmの範囲である。
また、これら金属層、表皮樹脂層及び金属層−タブ間樹脂層は、それぞれ材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。また、図1(b)に示すように、上下2枚の
高分子金属複合フィルムを熱融着させて用いる場合、これら2枚の高分子金属複合フィルム内の各層の材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。
本発明では、高分子金属複合フィルムを用いて、その周辺部の一部または全部を熱融着にて接合することによりシール部20(図1(a)、(b)参照のこと)を形成し、電池積層体9を収納し密封した構成とする。この場合、上記正極および負極タブ11、13の高抵抗層21を形成した部分が、上記シール部20(熱融着部)に挟まれ、絶縁を確保した状態で、正極および負極タブ11、13の先端の取り出し部分が上記電池外装材19の外部に露出される構造とすればよい。また熱伝導性に優れた高分子金属複合フィルムなどを用いることが、自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を電池動作温度まですばやく加熱することができる点で好ましい。
次に、本発明のバイポーラ電池の用途としては、例えば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)や燃料電池自動車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、高エネルギー密度、高出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。この場合には、本発明のバイポーラ電池を複数個接続して構成した組電池とすることが望ましい。すなわち、本発明のバイポーラ電池、特にバイポーラ型ポリマーリチウムイオン二次電池を少なくとも2個以上を用いて、並列接続、直列接続、並列−直列接続および直列−並列接続の少なくとも一つの接続方式を用いて構成した組電池、さらには複合組電池とすることにより、高容量、高出力の電源を形成することが出来る。そのため、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、比較的安価に対応することが可能になる。これらに関しては、後述する。
次に、本発明のバイポーラ電池の製造方法としては、上述したタブ表面への高抵抗層である高抵抗皮膜を陽極酸化法や静電粉体塗装法などを用いて製造する方法を除いては、特に制限されるべきものではなく、従来公知の各種の方法を適宜利用することができる。以下に、簡単に説明する。
(1)正極用組成物の塗布
まず、適当な集電体を準備する。正極用組成物は通常はスラリー(正極用スラリー)として得られ、集電体の一方の面に塗布される。
正極用スラリーは、正極活物質を含む溶液である。他成分として、導電助剤、バインダ、重合開始剤、電解質の原料(固体電解質用高分子ないしホストポリマー、電解液など)、支持塩(リチウム塩)、その他添加剤およびスラリー粘度調整溶媒などが任意で含まれる。すなわち、正極用スラリーは、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池と同様に、正極活物質のほか、導電助材、電解質の原料、支持塩(リチウム塩)、スラリー粘度調整溶媒、重合開始剤等を任意で含む材料を所定の比率で混合して作製することができる。
電解質層に高分子ゲル電解質を用いる場合には、正極活物質微粒子同士を結びつける従来公知のバインダ、電子伝導性を高めるための導電助材、溶媒などが含まれていればよく、高分子ゲル電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくても良い。電解質層として電解液を含浸させたセパレータを用いる場合も同様である。
電解質の高分子原料(高分子ゲル電解質の原料のホストポリマーないし高分子固体電解質の高分子原料)は、PEO、PPO、これらの共重合体などが挙げられ、分子内に架橋性の官能基(炭素−炭素二重結合など)を有することが好ましい。この架橋性の官能基を用いて高分子電解質を架橋することによって、機械的強度が向上する。
正極活物質、導電助剤、バインダ、リチウム塩に関しては、前述した化合物を用いるこ
とができる。
重合開始剤は、重合させる化合物に応じて選択する必要がある。例えば、光重合開始剤としては、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられ、熱重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、t−ヘキシルパーオキシピパレートなどが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
NMPなどのスラリー粘度調整溶媒は、正極用スラリーの種類に応じて選択する。
正極活物質、リチウム塩、導電助剤の添加量は、バイポーラ電池の目的等に応じて調節すればよく、通常用いられる量を添加すればよい。重合開始剤の添加量は、高分子原料に含まれる架橋性官能基の数に応じて決定される。通常は高分子原料に対して0.01〜1質量%程度である。
(2)正極層の形成
正極用スラリーが塗布された集電体を乾燥して、含まれる溶媒を除去する。それと同時に、正極用スラリーによっては、架橋反応を進行させて、高分子固体電解質の機械的強度を高めてもよい。乾燥は真空乾燥機などを用いることができる。乾燥の条件は塗布された正極用スラリーに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は40〜150℃で5分〜20時間である。
(3)負極用組成物の塗布
正極層が塗布された面と反対側の面に、負極活物質を含む負極用組成物(負極用スラリー)を塗布する。
負極用スラリーは、負極活物質を含む溶液である。他成分として、導電助材、バインダ、重合開始剤、(固体電解質用高分子ないしホストポリマー、電解液など)、支持塩(リチウム塩)およびスラリー粘度調整溶媒などが任意で含まれる。使用される原料や添加量については、「(1)正極用組成物の塗布」の項での説明と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(4)負極層の形成
負極用スラリーが塗布された集電体を乾燥して、含まれる溶媒を除去する。それと同時に、負極用スラリーによっては、架橋反応を進行させて、高分子ゲル電解質の機械的強度を高めてもよい。この作業により、バイポーラ電極が完成する。乾燥は真空乾燥機などを用いることができる。乾燥の条件は塗布された負極用スラリーに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は40〜150℃で5分〜20時間である。かかる乾燥処理により、集電体上に負極層を形成する。
(5)電解質層の形成
高分子固体電解質層を用いる場合には、例えば、高分子固体電解質の原料高分子、リチウム塩等をNMPのような溶媒に溶解させて調製した溶液を硬化させることによって製造される。また、高分子ゲル電解質層を用いる場合には、例えば、高分子ゲル電解質の原料として、ホストポリマーと電解液、リチウム塩、重合開始剤等からなるプレゲル溶液を不活性雰囲気下で加熱乾燥と同時に重合(架橋反応を促進)させることによって製造される。また、不織布セパレータに高分子ゲル電解質を保持させてなる高分子ゲル電解質層を用いる場合には、セパレータに、例えば、高分子ゲル電解質の原料として、ホストポリマーと電解液、リチウム塩、重合開始剤等からなるプレゲル溶液を含浸させて、不活性雰囲気下で加熱乾燥と同時に重合(架橋反応を促進)させることによって製造される。不織布セパレータに固体高分子電解質を保持させてなる高分子固体電解質層を用いる場合には、セ
パレータに、例えば、高分子固体電解質の原料として、ホストポリマーと電解液、リチウム塩、重合開始剤等を粘度調整剤に溶解してなる溶液を含浸させて、不活性雰囲気下で加熱乾燥と同時に重合(架橋反応を促進)させることによって製造される。また、セパレータに電解液を保持させてなる液体電解質層を用いる場合には、セパレータに電解液を含浸させればよく、例えば、電解液含浸前のセパレータとバイポーラ電極を積層した後に、電解液を各セパレータに含浸させてもよい。
例えば、上記電極の正極層および/または負極層上に、調製された上記溶液またはプレゲル溶液を塗布し、所定の厚さの電解質層またはその一部(電解質層厚さの半分程度の電解質膜)を形成する。その後、電解質層(膜)が積層された電極を不活性雰囲気下で硬化または加熱乾燥と同時に重合(架橋反応を促進)させることによって、電解質の機械的強度を高め、電解質層(膜)を製膜形成する(完成させる)。
あるいは、別途、電極間に積層される電解質層またはその一部(電解質層厚さの半分程度の電解質膜)を準備する。電解質層(膜)ないしセパレータに高分子ゲル電解質を保持させてなる高分子ゲル電解質層(膜)は、上記溶液またはプレゲル溶液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなど適当なフィルム上に塗布し、不活性雰囲気下で硬化または加熱乾燥と同時に重合(架橋反応を促進)させることによって製造されるか、あるいは、上記溶液またはプレゲル溶液を、ポリプロピレン(PP)製など適当な不織布セパレータに含浸し、不活性雰囲気下で硬化または加熱乾燥と同時に重合(架橋反応を促進)させることによって製造される。
硬化または加熱乾燥は真空乾燥機(真空オーブン)などを用いることができる。加熱乾燥の条件は溶液またはプレゲル溶液に応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は30〜110℃で0.5〜12時間である。
電解質層(膜)の厚さは、スペーサなどを用いて制御できる。光重合開始剤を用いる場合には、光透過性のギャップに流し込み、乾燥及び光重合ができるような紫外線照射装置を用いて紫外線を照射して、電解質層内のポリマーを光重合させ架橋反応を進行させて製膜するとよい。ただし、この方法に限定されないことは勿論である。重合開始剤の種類に応じて、放射線重合、電子線重合、熱重合などを使いわける。
また、上記で用いるフィルムは、製造過程で80℃程度に加熱されることもありえるため、当該温度程度での十分な耐熱性を有し、さらに溶液またはプレゲル溶液との反応性がなく、製造過程で剥離し除去する必要上、離型性に優れたものを用いるのが望ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンフィルムなどを使用することができるが、これらに制限されるべきものではない。
なお電解質層の幅は、バイポーラ電極の集電体サイズよりも若干小さくすることが多い。
上記溶液またはプレゲル溶液の組成成分やその配合量などについては、使用目的に応じて適宜決定されるべきものである。
なお、電解液を染み込ませたセパレータは、バイポーラ型でない従来の溶液系のバイポーラ電池に用いられる電解質層と同様の構成であり、従来公知の各種製造方法、例えば、電解液を染み込ませたセパレータをバイポーラ電極に挟み込んで積層する方法や真空注液法などにより製造できるため、以下、詳しい説明は省略する。
(6)バイポーラ電極と電解質層との積層
(i)電解質層(膜)が一面または両面に形成されたバイポーラ電極の場合には、高真空下で十分加熱乾燥してから、電解質層(膜)が形成された電極を適当なサイズに複数個切りだし、切り出された電極を直接貼り合わせて、バイポーラ電池本体(電極積層体)を作製する。
(ii)別々にバイポーラ電極と電解質層(膜)を作製した場合には、高真空下で十分加熱乾燥してから、バイポーラ電極と電解質層(膜)をそれぞれを適当なサイズに複数個切りだす。切りだされたバイポーラ電極と電解質層(膜)とを所定数張り合わせて、バイポーラ電池本体(電極積層体)を作製する。
上記電極積層体の積層数は、バイポーラ電池に求める電池特性を考慮して決定される。また、正極側の最外層には、集電体上に正極層のみを形成した電極を配置する。負極側の最外層には、集電体上に負極層のみを形成した電極を配置する。バイポーラ電極と電解質層(膜)とを積層、あるいは電解質層(膜)が形成された電極を積層させてバイポーラ電池を得る段階は、電池内部に水分等が混入するのを防止する観点から、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。例えば、アルゴン雰囲気下や窒素雰囲気下でバイポーラ電池を作製するとよい。
(7)絶縁層の形成
本発明では、例えば、電極積層体の電極形成部の周囲を、所定の幅でエポキシ樹脂(前駆体溶液)等に浸漬または樹脂を注入ないし含浸する。いずれの場合にも、事前に電圧検知タブや電極端子板や電極リードや電極タブ、あるいはこれらを接続する必要のある集電体部分等を離型性マスキング材等を用いてマスキング処理しておく。その後エポキシ樹脂を硬化させて、絶縁部を形成し、その後、マスキング材を剥がせばよい。
(8)端子板、電極リード及びタブ(端子)の接続
バイポーラ電池本体(電池積層体)の両最外層の集電体上にそれぞれ、正極端子板、負極端子板を設置して接続し、該正極端子板、負極端子板に正極リード、負極リードに接合(電気的に接続)し、さらに正極リード、負極リードに正極タブ、負極タブを接合(電気的に接続)する(図1(b)参照のこと。)。これら端子板、リードおよびタブの接合方法としては、接合温度の低い超音波溶接等が好適に利用し得るものであるが、これに限定されるべきものではなく、従来公知の接合方法を適宜利用することができる。また、本発明では、単電池層の電圧を検知し、過充電や過放電状態になれば、バイパスすることができるような電圧検知タブを各集電体に接続し、これらを電池外部にまで取り出し、これらタブを電圧検知・バイパス制御回路に接続するのが望ましい。これにより数十〜百数十セル(単電池層)ある電池内部の各単電池層の容量バラツキによる電池性能の低下を抑制することができ、電池寿命を高めることができる。
(9)パッキング(電池の完成)
最後に、電池積層体全体を、外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、電池外装材で封止し、バイポーラ電池を完成させる。封止の際には、正極タブ、負極タブ、更には電圧検知タブの一端を電池外部に取り出す。
次に、本発明では、上記のバイポーラ電池を、少なくとも2以上バイポーラ電池を直列、並列、直列と並列の混合に接続して組電池とすることができる。これにより、種々の車両用ごとの容量・電圧の要望を基本のバイポーラ電池の組み合わせで対応が可能になる。その結果、必要エネルギー、出力の設計選択性を容易にすることが可能になる。そのため種々の車両用ごとに異なるバイポーラ電池を設計、生産する必要がなく、基本となるバイポーラ電池の大量生産が可能となり、量産化によるコスト削減が可能となる。以下に、当該組電池の代表的な実施形態につき、図面を用いて簡単に説明する。
図3に本発明のバイポーラ電池(24V、50mAh)を2直20並に接続した組電池(42V1Ah)の模式図を示す。並列部分のタブは銅のバスバー56、58で接続し、直列部分はタブ11、13同士を振動溶着して接続した。直列部分の端部を端子42、44に接続して、正負の端子を構成している。電池の両側には、バイポーラ電池1の各層の電圧を検知する検知タブ12を取り出し、それらの検知線53を組電池50の前部に取り出している。詳しくは、図3に示す組電池50を形成するには、バイポーラ電池1を5枚並列にバスバー56で接続し、5枚並列にしたバイポーラ電池1をさらに電極タブ同士を接続して2枚直列にし、これらを4層積層して並列にバスバー58で接続して金属製の組電池ケース55に収納する。このように、バイポーラ電池1を任意の個数直並列に接続することによって、所望の電流、電圧、容量に対応できる組電池50を提供することができる。該組電池50には、正極端子42、負極端子44が金属製の組電池ケース55の側面前部に形成されており、電池を直並列に接続後、例えば、各バスバー56と各正極端子42、負極端子44とが端子リード59で接続されている。また、該組電池50には、電池電圧(各単電池層、更にはバイポーラ電池の端子間電圧)を監視するために検知タブ端子54が金属製の組電池ケース55の正極端子42及び負極端子44が設けられている側面前部に設置されている。そして、各バイポーラ電池1の電圧検知タブ12が全て検知線53を介して検知タブ端子54に接続されている。また、組電池ケース55の底部には、外部弾性体52が取り付けられており、組電池50を複数積層して複合組電池を形成するような場合に、組電池50間距離を保ち、防振性、耐衝撃性、絶縁性、放熱性などを向上することができる。
また、この組電池50には、使用用途に応じて、上記検知タブ端子54以外にも各種計測機器や制御機器類を設けてもよい。さらにバイポーラ電池1の電極タブ(11、13)同士や検知タブ12と検知線53とを連結するためには、超音波溶接、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接により、または、リベットのようなバスバー56、58を用いて、またはカシメの手法を用いて、連結するようにしてもよい。さらにバスバー56、58と端子リード59等とを連結するためにも、超音波溶接、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。
上記外部弾性体52にも、本発明の電池で用いた樹脂群と同様の材料を用いることができるが、これらに制限されるものではない。
また、本発明の組電池では、本発明のバイポーラ電池と、該バイポーラ電池と正負極電極材料を同一とし該バイポーラ電池の構成単位数を直列することにより電圧を同一にした電池(バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池等)と、を並列に接続したものであってもよい。すなわち、組電池を形成するバイポーラ電池は、本発明のバイポーラ電池と従来のバイポーラ型ではないリチウムイオン二次電池等とを混在させても良い。これにより、出力重視のバイポーラ電池と、エネルギー重視の一般リチウムイオン二次電池の組み合わせでお互いの弱点を補う組電池ができ、組電池の重量・サイズを小さくすることができる。それぞれのバイポーラ電池とバイポーラ型でない電池をどの程度の割合で混在させるかは、組電池として要求される安全性能、出力性能に応じて決める。
また、図4にバイポーラ電池A(42V、50mAh)と一般リチウムイオン二次電池B(4.2V、1Ah)10直(42V)を並列に連結した組電池を示す。一般電池Bとバイポーラ電池Aは電圧が等しくなり、その部分で並列接続を形成している。この組電池50'は、出力の分担をバイポーラ電池Aが有し、エネルギーの分担を一般電池Bが有する構造である。これは、出力とエネルギーを両立することが困難な組電池において、非常に有効な手段である。この組電池50'でも、並列部分及び図の横方向に隣り合う一般電池B間を直列接続する部分のタブは銅のバスバー56で接続し、図の縦方向に隣り合う一
般電池B間を直列接続する部分はタブ11、13同士を振動溶着して接続した。一般電池Bとバイポーラ電池Aを並列接続している部分の端部を端子42、44に接続して、正負の端子を構成している。バイポーラ電池Aの両側には、バイポーラ電池1の各層の電圧を検知する検知タブ12を取り出し、それらの検知線(図示せず)を組電池50の前部に取り出している以外は、図3の組電池50と同様であるので、同じ部材には同じ符号を付した。詳しくは、図4に示す組電池50'を形成するには、一般電池B10枚を端から順番にバスバー56および振動溶着して直列に接続した。さらに、バイポーラ電池Aと直列接続された両端の一般電池Bとをそれぞれバスバー56で並列に接続して金属製の組電池ケース55に収納する。このように、バイポーラ電池Aを任意の個数直並列に接続することによって、所望の電流、電圧、容量に対応できる組電池50'を提供することができる。該組電池50'にも、正極端子42、負極端子44が金属製の組電池ケース55の側面前部に形成されており、電池A、Bを直並列に接続後、例えば、各バスバー56と各正極端子42、負極端子44とが端子リード59で接続されている。また、該組電池50'には、電池電圧(バイポーラ電池Bの各単電池層、更にはバイポーラ電池B及び一般電池Aの端子間電圧)を監視するために検知タブ端子54が金属製の組電池ケース55の正極端子42及び負極端子44が設けられている側面前部に設置されている。そして、各バイポーラ電池A(更には一般電池B)の検知タブ12が全て検知線(図示せず)を介して検知タブ端子54に接続されている。また、組電池ケース55の低部には、外部弾性体52が取り付けられており、組電池50'を複数積層して複合組電池を形成するような場合に、組電池50'間距離を保ち、防振性、耐衝撃性、絶縁性、放熱性などを向上することができる。
また本発明の組電池では、更に上記のバイポーラ電池を直並列接続して第1組電池ユニットを形成するとともに、この第1組電池ユニットの端子間電圧と電圧を同一にするバイポーラ電池以外の二次電池が直並列接続されてなる第2組電池ユニットを形成し、この第1組電池ユニットと第2組電池ユニットを並列接続することによって組電池としても良いなど、特に制限されるものではない。
なお、組電池の他の構成要件に関しては、何ら制限されるべきものではなく、既存のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池を用いた組電池の構成要件と同様のものが適宜適用することができるものであり、従来公知の組電池用の構成部材および製造技術が利用できるため、ここでの説明は省略する。
次に、上記の組電池を、組電池を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列の複合接続した複合組電池とすることで、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、新たに組電池を作製することなく、比較的安価に対応することが可能になる。すなわち、本発明の複合組電池は、組電池(本発明のバイポーラ電池だけで構成したものの他、本発明のバイポーラ電池と他のバイポーラ型でない電池とで構成したものを含む)を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列の複合接続したことを特徴とするものであり、基準の組電池を製造し、それを組み合わせて複合組電池とすることで、組電池の仕様をチューニングできる。これにより、仕様の異なる沢山の組電池種を製造しなくてよいため、複合組電池コストを減少することができる。
複合組電池としては、例えば、図3に記載のバイポーラ電池を用いた組電池(42V、1Ah)6並に接続した複合組電池(42V、6Ah)の模式図が図5である。複合組電池を構成する各組電池は連結版と固定ねじにより一体化し、組電池の間に弾性体を設置して防振構造を形成している。また、組電池のタブは板状のバスバーで連結している。すなわち、図5に示したように、上記の組電池50を6組並列に接続して複合組電池60とするには、各組電池ケース55の蓋体に設けられた組電池50のタブ(正極端子42および負極端子44)を、板状のバスバーである外部正極端子部、外部負極端子部を有する組電
池正極端子連結板62、組電池負極端子連結板64を用いてそれぞれ電気的に接続する。また、各組電池ケース55の両側面に設けられた各ネジ孔部(図示せず)に、該固定ネジ孔部に対応する開口部を有する連結板66を固定ネジ67で固定し、各組電池50同士を連結する。また、各組電池50の極端子42および負極端子44は、それぞれ正極および負極絶縁カバーにより保護され、適当な色、例えば、赤色と青色に色分けすることで識別されている。また、組電池50の間、詳しくは組電池ケース55の底部に外部弾性体52を設置して防振構造を形成している。
このように、組電池を複数直並列接続されてなる複合組電池は、一部の電池、組電池が故障しても、その故障部分を交換するだけで修理が可能である。
また、本発明の車両は、上記組電池および/または上記複合組電池を搭載することを特徴とするものである。これにより、軽く小さい電池にすることでスペース要望の大きな車両要望に合致できる。電池のスペースを小さくすることで、車両の軽量化も達成できる。
図6に示したように、複合組電池60を、車両(例えば、電気自動車等)に搭載するには、電気自動車70の車体中央部の座席(シート)下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、電池を搭載する場所は、座席下に限らず、車両の床下、シートバック裏、後部トランクルームの下部でも良いし、車両前方のエンジンルームでも良い。
なお、本発明では、複合組電池60だけではなく、使用用途によっては、組電池50を車両に搭載するようにしてもよいし、これら複合組電池と組電池を組み合わせて搭載するようにしてもよい。また、本発明の複合組電池または組電池を駆動用電源や補助電源として搭載することのできる車両としては、上記の電気自動車、燃料電池自動車やこれらのハイブリッドカーが好ましいが、これらに制限されるものではない。また、本発明の組電池および/または複合組電池を、例えば、駆動用電源や補助電源等として搭載することのできる車両としては、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車、ハイブリッド燃料電池自動車等が好ましいが、これらに制限されるものではない。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
<電極の形成>
1.正極
正極活物質としてLi−Mn系複合酸化物である平均粒子径2μmのスピネルLiMn24[85質量%]、導電助剤としてアセチレンブラック[5質量%]、バインダとしてPVDF[10質量%]およびスラリー粘度調整溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)(NMPは、電極乾燥時にすべて揮発させて除去するので、電極の構成材料ではなく、適当なスラリー粘度になるように適量を加えた。)からなる材料を上記比率(スラリー粘度調整溶媒を除く成分で換算した比率を示す。)にて混合して正極スラリーを作製した。
集電体であるSUS箔(厚さ20μm)の片面に上記正極スラリーを塗布し、真空オーブンに入れ、120℃で10分間乾燥させて乾燥厚さ20μmの正極を形成した。
併せて、最外層の正極用として、正極タブであるSUS箔(厚さ40μm)の片面に上記正極スラリーを塗布し、真空オーブンに入れ、120℃で10分間乾燥させて乾燥厚さ
20μmの正極を形成した。
2.負極
負極活物質として非結晶性炭素材である平均粒子径4μmのハードカーボン[90質量%]、バインダとしてPVDF[10質量%]およびスラリー粘度調整溶媒としてNMP(適当なスラリー粘度になるように適量を加えた。)からなる材料を上記比率(スラリー粘度調整溶媒を除く成分で換算した比率を示す。)にて混合して負極スラリーを作製した。
正極を形成したSUS箔の反対面に、上記負極スラリーを塗布し、真空オーブンに入れ、120℃で10分間乾燥させて乾燥厚さ20μmの負極を形成した。
併せて、最外層の負極用として、負極タブであるSUS箔(厚さ40μm)の片面に上記負極スラリーを塗布し、真空オーブンに入れ、120℃で10分間乾燥させて乾燥厚さ20μmの負極を形成した。
集電体であるSUS箔の両面に正極と負極がそれぞれ形成されることにより、バイポーラ電極が形成された。また、正極タブおよび負極タブの片面に正極ないし負極が形成されることにより、最外部の電極が形成された。
<ゲル電解質層の形成>
厚さ約50μmのPP製不織布(空孔率;約50%)をセパレータとして用いた。
上記セパレータに、ホストポリマーとしてポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合体(共重合比が5:1、重量平均分子量が8000のものを用いた。)[5質量%]と、電解液EC+DMC(EC:DMC=1:3(体積比))に1.0Mでリチウム塩LiBF4を溶解させたもの[95質量%]、および重合開始剤としてAIBN[ホストポリマーに対して1質量%]からなるプレゲル溶液を浸漬させて、不活性雰囲気下で90℃で1時間熱重合させることにより、不織布セパレータにゲル電解質を保持させてなるゲル電解質層を形成した。得られたゲル電解質層の厚さは約60μmであった。
<電池積層体(電池要素)の形成>
上記バイポーラ電極及び最外部の電極と、ゲル電解質層を、正極と負極がゲル電解質層を挟むような構成で、図1に示すように正極と負極の組み合わせ10層(単電池層10セル分;42Vバイポーラ電池)の積層構造となるように積層して電極積層体(電池要素)を作製した。この電極積層体の電極形成部の周囲を、所定の幅でエポキシ樹脂(前駆体溶液)に浸漬し、その後エポキシ樹脂を硬化させて、絶縁部を形成した。
<電極タブ上への高抵抗皮膜の形成及び接続>
正負極タブとして厚さ200μmのアルミニウム板を用いた。この電極タブの金属表面に、陽極酸化皮膜形成法により厚さ約0.5μmのアルミニウム酸化皮膜(高抵抗皮膜)を形成した。詳しくは、1Mの硫酸水溶液に高純度のアルミニウム板を浸して陽極にし、負極としてサイズの大きいアルミニウム板を用い、直流電源を用い、出力電圧を20V以上に設定した。この状態で電気分解を30分以上行ってアルミニウム酸化皮膜を得た。得られた陽極酸化皮膜を接着部(シール部)のみ残し、その他の部分は酸化皮膜を削って接触抵抗を低減した。
絶縁部を形成後の電池積層体(電池要素)の両最外層の集電体上に超音波溶接により、それぞれ正極端子板、負極端子板を設置して接続し、該正極端子板、負極端子板に正極リード、負極リードに接合(電気的に接続)し、さらに正極リード、負極リードに、上記に
より得られた高抵抗皮膜を有する正極タブ及び負極タブを接合(電気的に接続)した(図1(b)参照のこと。)。
<バイポーラ電池の完成>
最後に、電池積層体全体を、外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、図1に示すように、厚さ120μmの高分子金属複合ラミネートフィルム(表皮樹脂層:ナイロンとポリエステルの積層フィルム、金属層:アルミニウム、金属層−タブ間樹脂層:ポリプロピレン(PP)の3層ラミネートフィルム)からなる袋体(電池外装材)内に収納し、電池外装材の外縁部分を熱融着により封止することで、図1に示すように正極および負極タブが電池外部に取り出されたバイポーラ電池を作製した。
実施例2
下記表1に示すように、電極タブ上への高抵抗皮膜として、アルミニウム酸化皮膜に変えて厚さ約0.5μmのタンタル酸化皮膜を形成した点を除いては、実施例1と同様にしてバイポーラ電池を作製した。
詳しくは、金属タブであるアルミニウム板表面にタンタルを蒸着した後、実施例1と同様にして該タンタル蒸着後のアルミニウム板を、1Mの硫酸水溶液に浸して陽極にし、負極としてサイズの大きいアルミニウム板を用い、直流電源を用い、出力電圧を20V以上に設定した。この状態で電気分解を30分以上行って、タンタル酸化皮膜を形成した。
実施例3
下記表1に示すように、電極タブ上への高抵抗皮膜として、アルミニウム酸化皮膜に変えて厚さ約0.5μmのニオブ酸化皮膜を形成した点を除いては、実施例1と同様にしてバイポーラ電池を作製した。
詳しくは、金属タブであるアルミニウム板表面にニオブを蒸着した後、実施例1と同様にして該ニオブ蒸着後のアルミニウム板を、1Mの硫酸水溶液に浸して陽極にし、負極としてサイズの大きいアルミニウム板を用い、直流電源を用い、出力電圧を20V以上に設定した。この状態で電気分解を30分以上行って、ニオブ酸化皮膜を形成した。
実施例4
下記表1に示すように、電極タブ上への高抵抗皮膜として、アルミニウム酸化皮膜に変えて厚さ約0.5μmのハフニウム酸化皮膜を形成した点を除いては、実施例1と同様にしてバイポーラ電池を作製した。
詳しくは、金属タブであるアルミニウム板表面にハフニウムを蒸着した後、実施例1と同様にして該ハフミウム蒸着後のアルミニウム板を、1Mの硫酸水溶液に浸して陽極にし、負極としてサイズの大きいアルミニウム板を用い、直流電源を用い、出力電圧を20V以上に設定した。この状態で電気分解を30分以上行って、ハフミウム酸化皮膜を形成した。
実施例5
下記表1に示すように、電極タブ上への高抵抗皮膜として、アルミニウム酸化皮膜に変えて厚さ約0.5μmのジルコニウム酸化皮膜を形成した点を除いては、実施例1と同様にしてバイポーラ電池を作製した。
詳しくは、金属タブであるアルミニウム板表面にジルコニウムを蒸着した後、実施例1と同様にして該ジルコニウム蒸着後のアルミニウム板を、1Mの硫酸水溶液に浸して陽極にし、負極としてサイズの大きいアルミニウム板を用い、直流電源を用い、出力電圧を2
0V以上に設定した。この状態で電気分解を30分以上行って、ジルコニウム酸化皮膜を形成した。
実施例6
下記表1に示すように、電極タブ上への高抵抗皮膜として、アルミニウム酸化皮膜に変えて厚さ約0.5μmの亜鉛酸化皮膜を形成した点を除いては、実施例1と同様にしてバイポーラ電池を作製した。
詳しくは、金属タブであるアルミニウム板表面に亜鉛を電解メッキした後、実施例1と同様にして該亜鉛メッキ後のアルミニウム板を、1Mの硫酸水溶液に浸して陽極にし、負極としてサイズの大きいアルミニウム板を用い、直流電源を用い、出力電圧を20V以上に設定した。この状態で電気分解を30分以上行って、亜鉛酸化皮膜を形成した。
実施例7
下記表1に示すように、電極タブ上への高抵抗皮膜として、アルミニウム酸化皮膜に変えて厚さ約0.5μmのタングステン酸化皮膜を形成した点を除いては、実施例1と同様にしてバイポーラ電池を作製した。
詳しくは、金属タブであるアルミニウム板表面にタングステンを蒸着した後、実施例1と同様にして該タングステン蒸着後のアルミニウム板を、1Mの硫酸水溶液に浸して陽極にし、負極としてサイズの大きいアルミニウム板を用い、直流電源を用い、出力電圧を20V以上に設定した。この状態で電気分解を30分以上行って、タングステン酸化皮膜を形成した。
実施例8
下記表1に示すように、電極タブ上への高抵抗皮膜として、アルミニウム酸化皮膜に変えて厚さ約0.5μmのビスマス酸化皮膜を形成した点を除いては、実施例1と同様にしてバイポーラ電池を作製した。
詳しくは、金属タブであるアルミニウム板表面にビスマスを蒸着した後、実施例1と同様にして該ビスマス蒸着後のアルミニウム板を、1Mの硫酸水溶液に浸して陽極にし、負極としてサイズの大きいアルミニウム板を用い、直流電源を用い、出力電圧を20V以上に設定した。この状態で電気分解を30分以上行って、ビスマス酸化皮膜を形成した。
実施例9
下記表1に示すように、電極タブ上への高抵抗皮膜として、アルミニウム酸化皮膜に変えて厚さ約0.5μmのアンチモン酸化皮膜を形成した点を除いては、実施例1と同様にしてバイポーラ電池を作製した。
詳しくは、金属タブであるアルミニウム板表面にアンチモンを蒸着した後、実施例1と同様にして該アンチモン蒸着後のアルミニウム板を、1Mの硫酸水溶液に浸して陽極にし、負極としてサイズの大きいアルミニウム板を用い、直流電源を用い、出力電圧を20V以上に設定した。この状態で電気分解を30分以上行って、アンチモン酸化皮膜を形成した。
実施例10
下記表1に示すように、負極活物質として、非結晶性炭素材である平均粒子径4μmのハードカーボンに変えて結晶性炭素材である平均粒子径1μmのグラファイトを用いた点、
電極タブ上への高抵抗皮膜として、アルミニウム酸化皮膜に変えて厚さ10μmのテフ
ロンコーティング皮膜を形成した点、および
正負構成(単電池)の積層数が10層の42Vバイポーラ電池に変えて正負構成(単電池)の積層数が100層の420Vバイポーラ電池とした点を除いては、実施例1と同様にしてバイポーラ電池を作製した。
このうち、テフロン(登録商標)(登録商標)コーティング皮膜を形成する方法としては、コーティングする樹脂の粉体を静電粉体塗装により、タブ表面に均一付着させた後、高温で焼き付けるという方法により製造した。
静電粉体塗装とは、静電発生機で得られる直流高電圧により粉体塗料を帯電させ、アースされた素材(被塗物)に、静電引力で付着させる方法である。特に、本実施例のテフロン(登録商標)樹脂コーティングは、粉体をタブに静電粉体塗装した後、約400℃で1時間焼き付けをして製造した。
比較例1
下記表1に示すように、電極タブ上への高抵抗皮膜を形成していない点を除いては、実施例1と同様にして、バイポーラ電池を作製した。
(バイポーラ電池の評価)
上記実施例1〜10及び比較例1で得られたバイポーラ電池を用いて、本発明にかかるバイポーラ電池が車両に搭載された場合に、車両から受ける振動等に対するバイポーラ電池性能を評価すべく、下記試験を行った。
1.ピール平均値の測定
各実施例および比較例1の製造方法によって得られた電池のタブ部のタブと電池外装材フィルムをJIS K6253に準拠する引っ張り試験で、タブとフィルムを180°の引っ張り試験を行い、そのときのピール強さと長さを測定した。実施例1と比較例1の結果を図2に示す。
このときピール強度の台形の鞍部の平均値をピール平均値と定義し、比較例1のピール平均値(基準)からの各実施例のピール平均値の強度比(%)を求めた。結果を表1に示す。
2.絶縁性の検査
絶縁抵抗計を用い、各実施例および比較例1の製造方法によって得られた電池のタブと電池外装材内の金属層の間の抵抗値を測定した。結果を表1に示す。表1では、500V印荷した時に100MΩ以上の絶縁抵抗を有したものを○とし、それに満たない場合を×とした。
3.比表面積の測定
比表面積は、JIS Z8830に準拠するガス吸着方式で、各実施例および比較例1の製造方法によって得られた高抵抗皮膜を有するタブおよび高抵抗皮膜の無いタブの吸着量(m2/g)を計測した。結果を表1に示す。表1では、高抵抗皮膜形成前の吸着量に対する形成後の吸着量の比率(比表面積比)を示した(図7参照のこと)。
4.皮膜抵抗値の測定
皮膜抵抗値は、各実施例の製造方法によって得られた高抵抗皮膜を有するタブの絶縁破壊強さをJIS K6911に準拠する測定方法で計測した。結果を表1に示す。
Figure 0004595302
本発明の実施例の中でも、タブ表面への高抵抗皮膜として金属の酸化皮膜を形成したものでは、基材(皮膜の無いタブ)に対する比表面積が1.1〜5の範囲内、詳しくは1.5〜5の範囲にあることが確認された。このことから、皮膜の微小な凹凸形状により、電池のシール性が最も要求されるタブ部において、高い接着強度をそのアンカー効果によって発現させることができる。
また、本発明の各実施例では、皮膜の無い場合(比較例1=基準100%)に比して145〜230%とピール強度(引っ張り強度)の絶対値が大きく、強い引き裂き力に耐えうることが確認できた。すなわち、皮膜の無い場合に比してピール強度(引っ張り強度)の絶対値が大きく、強い引き裂き力に耐えうることが確認できた。
このことから、樹脂(電池外装材フィルム)−金属(タブ表面の金属酸化皮膜)間では、高い比表面積によるアンカー効果により、電池のタブ部に入力する引き裂き力に対し、ピール強度(引っ張り強度)の絶対値が大きく、高い接着力を有し高いシール信頼性を有することができる。一方、樹脂(電池外装材フィルム)−樹脂(タブ表面の樹脂皮膜)間では、電池外装材の熱融着処理時に樹脂同士の溶融−相溶化により、ピール強度(引っ張り強度)の絶対値が大きく、高い接着力を有し高いシール信頼性を有することができる。
また、本発明の各実施例では、いずれも絶縁性に優れ、タブと電池外装材フィルム内の金属層の間に500Vかかった場合でも絶縁が確保されることが確認できた。したがって、車両での使用電圧の上限である500Vのバイポーラ電池を作製しても、電池のタブと電池外装材フィルム内の金属層の間で十分な絶縁性を確保できるため、車両用電源に好適に利用できることがわかった。
さらに、本発明の各実施例では、皮膜抵抗値がいずれも106V/m以上であり、具体的には20×106〜1000×106V/mと大きく、高電圧のバイポーラ電池のタブ部の絶縁を確保することができる。そのため車両での使用電圧の上限である500Vがかかった場合でも絶縁が確保できる。
本発明に係るバイポーラ電池の一実施形態を模式的に表わした平面図である。 図1(a)のA−A線断面図であり、バイポーラ電池の積層構造の一実施形態を模式的に表わした断面概略図である。 図1(a)のB−B線断面図であり、バイポーラ電池の金属製のタブが、外装材の高分子金属複合フィルムの熱融着部(シール部)に挟まれている部分の積層構造の一実施形態を模式的に表わした断面概略図である。 本発明の実施例で行ったピール平均値の測定によって得られた、実施例1と比較例1のバイポーラ電池の電池のタブ部のタブと電池外装材フィルムをJIS K6253に準拠する引っ張り試験で、タブとフィルムを180°の引っ張り試験を行い、そのときのピール強さと長さ(伸び)の関係を表わしたグラフである。 本発明のバイポーラ電池を2直20並に接続した組電池の一例を示す模式図である。図3(a)は組電池の平面図であり、図3(b)は組電池の正面図であり、図3(c)は組電池の右側面図であって、これら図3(a)〜(c)では、いずれもバイポーラ電池を直列と並列の混合に接続した様子がわかるように外部ケースを透過して組電池内部を表わしたものである。 本発明のバイポーラ電池Aと一般リチウムイオン二次電池B10直を並列に連結した組電池の一例を示す図である。図4(a)は組電池の平面図であり、図4(b)は組電池の正面図であり、図4(c)は組電池の右側面図であって、これら図4(a)〜(c)では、いずれもバイポーラ電池Aおよびリチウムイオン二次電池Bを直列と並列の混合に接続した様子がわかるように外部ケースを透過して組電池内部を表わしたものである。 本発明の複合組電池の一例を示す図である。図5(a)は複合組電池の平面図であり、図5(b)は複合組電池の正面図であり、図5(c)は複合組電池の右側面図である。 複合組電池を搭載した状態の電気自動車を示す模式図である。 本発明の実施例で行った比表面積の測定に用いた実施例のバイポーラ電池の電池のタブ表面に形成された高抵抗皮膜、特に凹凸形状を有する金属酸化皮膜の様子を模式的に表した断面図である。ここで、比表面積比=皮膜の表面積/投影面積=高抵抗皮膜を有するタブの吸着量(m2/g)/高抵抗皮膜の無いタブの吸着量(m2/g)とした。
符号の説明
1 バイポーラ電池、
3 バイポーラ電極、
3a 最上層の電極、
3b 最下層の電極、
5 電解質層、
7 絶縁層、
9 電極積層体、
11 正極タブ、
13 負極タブ、
12 検知タブ、
15 正極リード、
17 負極リード、
19 電池外装材、
19a 表皮樹脂層、
19b 金属層、
19c 金属層−タブ間樹脂層、
20 シール部、
21 高抵抗層(高抵抗皮膜)、
42 正極端子、
44 負極端子、
50、50' 組電池、
52 外部弾性体、
53 検知線、
54 検知タブ端子、
55 組電池ケース、
56、58 バスバー、
59 端子リード、
60 複合組電池、
62 複合組電池正極端子連結板、
64 複合組電池負極端子連結板、
66 連結板、
67 固定ネジ、
70 電気自動車、
A バイポーラ電池、
B 一般リチウムイオン二次電池。

Claims (7)

  1. 正極層と負極層の組み合わせの構成が複数存在し、電池外装材として高分子金属複合フィルムを有するバイポーラ構造を有し、400V以上の電圧を出力可能な高電圧電池において、
    タブ表面に少なくともタブ金属の金属抵抗よりも高い高抵抗層を有しており、
    前記高抵抗層が、膜厚0.5μm〜5μmの金属酸化皮膜であることを特徴とするバイポーラ電池。
  2. 正極層と負極層の組み合わせの構成が複数存在し、電池外装材として高分子金属複合フィルムを有するバイポーラ構造を有し、400V以上の電圧を出力可能な高電圧電池において、
    タブと前記高分子金属複合フィルム内の金属層間に少なくとも1層以上の、タブ金属の金属抵抗よりも高い高抵抗層を有しており、
    前記高抵抗層が、膜厚0.5μm〜5μmの金属酸化皮膜であることを特徴とするバイポーラ電池。
  3. 前記高抵抗層が、タブ表面の少なくとも樹脂のシール部分に存在することを特徴とする請求項1または2に記載のバイポーラ電池。
  4. 前記高抵抗層が、金属の酸化皮膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
  5. 前記高抵抗層の抵抗値が、10V/m以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
  6. 前記高抵抗層の比表面積の範囲が、1.1〜5であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
  7. 前記高抵抗層が、アルミニウムの酸化皮膜であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
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