JP4593190B2 - 液晶材料を配向させるための配向膜、その製造方法、配向液晶膜、光学フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

液晶材料を配向させるための配向膜、その製造方法、配向液晶膜、光学フィルムおよび画像表示装置 Download PDF

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本発明は、液晶材料を配向させるための配向膜およびその製造方法に関する。当該配向膜は液晶材料を配向させて配向液晶膜を得ることができる。当該配向液晶膜は単独でまたは他のフィルムと組み合わせて、位相差板、視角補償フィルム、光学補償フィルム、楕円偏光フィルム等の光学フィルムとして使用できる。また前記配向膜は液晶セル中の配向膜として用いることができる。さらに本発明は、上記配向膜、配向液晶膜または光学フィルムを用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、PDPなどの画像表示装置に関する。
液晶ディスプレイが大型化するに従い、広視野角への要求が大きくなっており、液晶セルの形式に種々の手法が提案されている。また、広視野角に用いる光学補償フィルムにおいても各種の配向方式が検討されている。その1つとして配向膜を用いて液晶材料を配向させた配向液晶膜を用いる方法がある。
液晶材料を配向させる手段としては、液晶セルの製造も含めてラビングした配向膜が多く用いられている。しかし、ラビングした配向膜はゴミが発生したり、静電気が発生したりするなどの問題があり、非接触の工程が望まれている(非特許文献1)。
これに対し、光照射により非接触で得られる光配向膜が提案されている(非特許文献2、非特許文献3)。光配向膜の形成はその形成材料の光異性化、光二量化、光分解、光架橋などに分類されている。しかし、これら光配向膜にも懸念事項がある(非特許文献1)。例えば、光異性化型の配向膜に用いる代表的化合物であるアゾ化合物は経日安定性に劣る。光二量化型の配向膜に用いる代表的化合物であるポリビニルシンナメートは二量化と異性化が同時に進行し、配向性の安定性に問題がある。また、ポリイミド系材料が主に用いられる光分解型の配向膜はイミド化反応に高温、長時間を要するなどの問題点がある。
液晶.第3巻第4号(1999)第262頁乃至第271頁 液晶.第3巻第4号(1999)第3頁乃至第6頁 化学経済2000年9月号第94頁乃至第100頁
本発明は、液晶材料に対して配向性の高い配向膜およびその製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、前記配向膜を用いて得られた配向液晶膜を提供すること、当該配向液晶膜を少なくとも1枚用いた光学フィルムを提供すること、さらには配向膜、配向液晶膜または光学フィルムを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記配向膜により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の通りである。
1.液晶ポリマーにより形成されており、異方性を有することを特徴とする液晶材料を配向させるための配向膜。
2.液晶ポリマーに偏光UVを照射することにより異方性が生じたものであることを特徴とする上記1記載の液晶材料を配向させるための配向膜。
3.液晶ポリマーが、ネマチック液晶ポリマーであることを特徴とする上記1または2記載の液晶材料を配向させるための配向膜。
4.ネマチック液晶ポリマーが、ネマチック液晶モノマーをモノマー単位として含有するアクリル系液晶ポリマーであることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の液晶材料を配向させるための配向膜。
5.上記1〜4のいずれかに記載の液晶材料を配向させるための配向膜を製造する方法であって、
液晶ポリマーを含有する塗工液を、基材上に塗布して塗膜を形成した後、当該塗膜に偏光UVを照射することを特徴とする液晶材料を配向させるための配向膜の製造方法。
6.上記1〜4のいずれかに記載の配向膜に液晶材料を塗布し、液晶材料を配向させて得られる配向液晶膜。
7.上記6記載の配向液晶膜を少なくとも1枚用いた光学フィルム。
8.上記1〜4のいずれかに記載の配向膜、上記6記載の配向液晶膜、または上記7記載の光学フィルムを用いた画像表示装置。
上記本発明の配向膜は異方性を有する液晶ポリマーにより形成されているため、液晶材料に対する配向性が高い。また配向膜を形成する液晶ポリマーは成膜化が容易である。液晶ポリマーの異方性は、例えば、偏光UVを照射することにより得られる。液晶ポリマーに偏光UVが照射されることで、偏光と同一方向の分子のみがUV光を吸収し、分解される。一方、偏光に直交方向の分子はUV光を吸収しないため、そのままの状態で残る。その結果として配向膜面に異方性が生じる。この配向膜上に、液晶材料を塗布し、配向させることにより、前記配向膜の異方性に従って液晶材料が配向した配向液晶膜が得られる。
本発明の配向膜は液晶ポリマーにより形成されている。かかる配向膜は、液晶モノマーの塗布、硬化により成膜することができ、また液晶ポリマーの塗布、固化により成膜することができる。また、これら成膜法を組み合わせることができる。これら成膜法のなかでも、液晶ポリマーは液晶モノマーに比べて結晶性が低く、また柔軟性を有しており成膜化が容易であるため、本発明の配向膜の成膜は液晶ポリマーの塗布、固化により行なうのが好ましい。以下、本発明の配向膜の成膜は液晶ポリマーの塗布、固化により行なう方法について説明する。なお、下記の液晶ポリマーに例示される液晶モノマーは前記成膜に用いる液晶モノマーとして用いることができる。
前記液晶ポリマーは、液晶性を示す各種のポリマーを用いることができる。例えば、液晶ポリマーとしては、ネマチック液晶ポリマーが好適である。ネマチック液晶ポリマーとしては、ネマチック液晶モノマーをモノマー単位として含有するアクリル系液晶ポリマーがあげられる。ネマチック液晶モノマーは、1種または2種以上を用いることができる。
ネマチック液晶モノマーは、アクリロイル基、メタクリロイル基等の重合性官能基を1つまたは2以上を有し、これに芳香環等の環状単位等が2個以上連結した剛直な構造のメソゲン基を有するものがあげられる。メソゲン基となる前記環状単位としては、例えば、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、フェニルシクロヘキサン系、アゾキシベンゼン系、アゾメチン系、アゾベンゼン系、フェニルピリミジン系、ジフェニルアセチレン系、ジフェニルベンゾエート系、ビシクロへキサン系、シクロヘキシルベンゼン系、ターフェニル系等があげられる。メソゲン基はUV照射によって開裂して分解する。メソゲン基としては、ビフェニル基等が好適である。なお、これら環状単位の末端は、例えば、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等の置換基を有していてもよい。前記メソゲン基は屈曲性を付与するスペーサ部を介して結合していてもよい。スペーサ部としては、ポリメチレン鎖、ポリオキシメチレン鎖等があげられる。スペーサ部を形成する構造単位の繰り返し数は、メソゲン部の化学構造により適宜に決定されるがポリメチレン鎖の繰り返し単位は0〜20、好ましくは2〜12、ポリオキシメチレン鎖の繰り返し単位は0〜10、好ましくは1〜3である。
ネマチック液晶モノマーとしては、例えば、下記一般式(1):
Figure 0004593190
(式中、R1は水素原子またはメチル基を、mは1〜6の整数を、X1は−CO2−基、−OCO−基、−CO−、−CH=CH−または−C≡C−を、R2は炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基、フルオロ基または炭素数1〜6のアルキル基を、pおよびqは1または2を示す。)で表される化合物があげられる。
前記一般式(1)で表されるアクリル酸エステル誘導体において、p=1が好ましく、q=2が好ましく、R1としては水素原子が好ましく、R2としてはシアノ基が好ましく、X1としては−COO−基が好ましい。一般式(1)で表されるアクリル酸エステル誘導体の具体例としては、例えば、4−(4−シアノビフェニルオキシカルボニル)フェノキシエチルアクリレート、4−(4−シアノビフェニルオキシカルボニル)フェノキシプロピルアクリレート、4−(4−シアノビフェニルオキシカルボニル)フェノキシブチルアクリレート、4−(4−シアノビフェニルオキシカルボニル)フェノキシペンチルアクリレート、4−(4−シアノビフェニルオキシカルボニル)フェノキシヘキシルアクリレート等があげられる。これらは単独でまたは混合して用いることができる。
またネマチック液晶モノマーとしては、例えば、下記一般式(2):
Figure 0004593190
(式中、R1〜R12は同一でも異なっていてもよく、−F、−H、−CH3、−C25または−OCH3を示し、R13は−Hまたは−CH3を示し、X1は一般式(3):
−(CH2CH2O)a−(CH2b−(O)c−、を示し、X2は−CNまたは−Fを示す。但し、一般式(3)中のaは0〜3の整数、bは0〜12の整数、cは0または1であり、かつa=1〜3のときはb=0、c=0であり、a=0のときはb=1〜12、c=0〜1である。)で表される化合物があげられる。
またネマチック液晶モノマーとしては、下記一般式(4):
Figure 0004593190
(式中、Rは水素原子またはメチル基を、AおよびDはそれぞれ独立して1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基を、Xはそれぞれ独立して−COO−基、−OCO−基または−O−基を、Bは1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、4,4’−ビフェニレン基または4,4’−ビシクロヘキシレン基を、mおよびnはそれぞれ独立して2〜6の整数を示す。)で表される架橋型ネマチック性液晶モノマー等を例示できる。その他、多官能の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、前記一般式(4)における末端の「H2C=CR−CO2−」を、ビニルエーテル基またはエポキシ基に置換した化合物や、「−(CH2m−」および/または「−(CH2n−」を「−(CH23−C*H(CH3)−(CH22−」または「−(CH22−C*H(CH3)−(CH23−」に置換した化合物を例示できる。
アクリル系液晶ポリマーは、ネマチック液晶モノマーをモノマー単位として含有する他に、ネマチック液晶モノマーと共重合可能なラジカル重合可能な非液晶モノマーを含有することができる。非液晶モノマーは、アクリロイル基、メタクリロイル基等の重合性官能基を有する、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等のアクリル系モノマーがあげられる。共重合モノマーの割合は、ネマチック液晶モノマー100重量部に対して50重量部以下で使用することが好ましい。
前記アクリル系液晶ポリマーを作成する方法は特に制限されず、通常のラジカル重合の他、リビング重合を採用することができる。ラジカル重合に用いる重合開始剤としては、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)に代表されるアゾ系開始剤、BPO(ベンゾイルパーオキサイド)に代表される過酸化物系開始剤などの通常のラジカル重合開始剤が用いられる。重合開始剤の使用量は、モノマー合計100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部程度である。重合温度は重合開始剤の種類によって異なるが、通常は40〜10℃程度である。重合後は、通常の再沈などの精製を施すことができる。
前記リビングラジカル重合の際には、モノマー中の溶存酸素を取り除く必要がある。溶存酸素濃度を下げる方法としては、窒素やアルゴンなどの不活性ガスを吹き込みながら撹拌を行う方法、不活性ガスをモノマー中にバブリングする方法、減圧脱気する方法、加熱して脱気する方法などがある。これらの方法は併用してもよい。
リビングラジカル重合の重合開始剤としては、臭素もしくは塩素をα位に有するエステルまたはスチレンの誘導体が好適である。好ましくは2−ブロモ(もしくはクロロ)プロピオン酸誘導体もしくは塩化(もしくは臭化)1−フェニル誘導体があげられる。その中でも特に好ましくは2−ブロモ(もしくはクロロ)プロピオン酸メチル、2−ブロモ(もしくはクロロ)プロピオン酸エチル、2−ブロモ(もしくはクロロ)−2−プロピオン酸メチル、2−ブロモ(もしくはクロロ)−2−プロピオン酸エチル、塩化(もしくは臭化)1−フェニルエチル、2−ブロモイソ酪酸エチルから選ばれるハロゲン系化合物を用いることができる。水酸基を有する開始剤として、例えば、2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸−2−ヒドロキシエチルなどを用いることもできる。2官能の開始剤も用いることができる。具体的にはエチレンビス(2−ブロモ−2−メチルプロピオネート)などがあげられる。
かかる重合法においては、開始剤のほかの触媒として遷移金属および配位子を用いる。遷移金属としては、Cu,Ru,Fe,Rh,V,Niの金属種及びこれらの金属塩や金属錯体を用いることができる。また、配位子としては、とくに限定されるものではないが、例えば、ビピリジル誘導体、アミン誘導体、メルカプタン誘導体、トリフルオレート誘導体などを用いることができる。これらの中でも、Cu(I)と2,2′−ビピリジル錯体を用いることが、重合の安定性・速度から特に好ましい。
前記重合開始剤は、モノマー全体に対し、通常0.05〜30モル%、好ましくは0.1〜10モル%、さらに好ましくは0 .1〜5モル%の割合で用いられる。また、遷移金属の使用量は、ハロゲン化物などの形態として、上記重合開始剤1モル部に対して、通常0.01〜3モル部、好ましくは0.1〜1モル部の割合で用いられる。さらに、その配位子は、上記遷移金属(ハロゲン化物などの形態)1モル部に対して、通常0.5〜5モル部、好ましくは1〜3モル部の割合で用いられる。重合開始剤と活性化剤とをこのような使用割合にすると、リビングラジカル重合の反応性、生成ポリマーの分子量などに好結果が得られる。
前記重合法では、モノマー成分が重合温度下で液状であるものは溶剤を用いても、また無溶剤でも製造することが可能である。液晶モノマーは通常液状ではないため、溶剤に溶解して重合する。溶剤は液晶モノマーを溶解するものであればよい。溶剤としては、テトラヒドロフラン、アニソール、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどを用いることができる。通常、モノマー濃度が10〜60重量%程度で重合を行なう。
重合温度は、重合速度、触媒の失活温度とモノマーの溶剤に対する溶解性から、60〜120℃程度が好ましい。重合時間は、最終的な数平均分子量や重合温度にも依存するが、約3〜100時間程度で重合を完了するのが好ましい。
アクリル系液晶ポリマーの数平均分子量(Mn)は、500〜20000程度、さらには1000〜10000程度であるのが好ましい。重量数平均分子量(Mw)は、500〜60000程度、さらには1100〜20000程度であるのが好ましい。また分散度(Mw/Mn)は1〜3程度、さらには1.1〜2程度であるのが好ましい。前記値が高すぎると重合時間が長くかかるほか、溶剤に溶け難くなって取扱い難くなる。前記平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の数値である。
前記液晶ポリマーは、塗工液として、基材上に塗布して塗膜を形成する。塗工液には、特性に影響を及ぼさない範囲で増感剤、反応促進剤、その他の各種添加剤を配合することができる。また液晶ポリマーを1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。得られた塗膜には、偏光UVを照射することにより配向膜が得られる。
基材上への塗工液の塗布は溶融法、溶液法のいずれを採用してもよいが、塗工液は、液晶ポリマーを溶剤に溶解した溶液を用いるのが好適である。基材上への塗布方法は特に限定されず、バーコーター、スピンコーター、ロールコーター、グラビアコーターなどの適宜な塗工機にて行なうことができる。
溶液塗工において、液晶ポリマーを溶解する溶剤としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノールなどのフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキベンゼンなどの芳香族炭化水素類、その他、アセトン、酢酸エチル、tert−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレンブリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、トリエチルアミン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ブチロニトリル、二硫化炭素、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等が好ましい。溶液の濃度は、特に制限されないが、通常、1〜50重量%程度である。
基材としては、金属箔、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ノルボルネン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンやポリエーテルスルホン等のプラスチックからなるシートまたはフィルム、ガラス板、石英シートが用いられる。基板の厚さは、特に制限されず、通常、10〜1000μm程度である。
前記溶液(塗工液)を基材上へ塗布した後は、溶剤を乾燥して除去する。乾燥は、加熱または風乾により行なうことができる。加熱条件は、用いる溶剤の種類に応じて適宜に決定される。通常は、80〜120℃程度で、0.5〜5分間程度行なう。
液晶ポリマー(配向膜)の乾燥膜厚は、通常、0.01~10μm程度、好ましくは0.05~5μmである。液晶ポリマーの膜厚が薄くなりすぎる場合には、基材上でハジキやすくなり塗工液を塗布しにくい場合や、塗布できない部分ができるなどの不具合がある。膜厚が厚くなりすぎると塗工液の濃度が高くなるので平滑な膜面が得られ難くなったり、コスト面で不利になったりする場合がある。
偏光UVの照射は、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等を用いて行なうことができる。偏光を作製する方法としては、グランテーラープリズムなどのプリズムを用いる方法、偏光膜を用いる方法、石英ガラスなどのブリュスター角を利用する方法等があげられる。偏光を作製する方法であれば特に制限はない。また、液晶ポリマー塗膜に斜めから光照射することで偏光照射する効果を得ることも可能である。
また偏光UVの照射は、液晶成分(メソゲン基)を分解するために、液晶分子の光吸収域の光を照射するのが効果的であり、ランプの種類、フィルターなどによって照射光を調整することも可能である。液晶分子は、通常、波長300nm以下に吸収を有するものが多く、この場合には波長300nm以下のUV光を照射するのが好ましい。
UV照射量は、通常、5〜50J/cm2程度であり、好ましくは10〜40J/cm2である。UV照射量が少ないと、液晶成分(メソゲン基)を分解する反応が不十分で配向性が小さくなり、またUV照射量が多いと配向膜表面の変質等が置きやすく好ましくない。UV照射量とは、紫外線光量測定機(EIT社製,UV Power Puck)で測定したUVC(250−260nm)、UVB(280−320nm)、UVA(320−390nm)およびUVV(395−445nm)の合計照射光量をいう。
こうして得られる本発明の配向膜は異方性を有する。異方性(%)は実施例に記載の方法により測定される。配向膜の異方性は多い方が、配向膜上に塗布する液晶材料の配向性も高くなるので、異方性はある程度大きい方が好ましい。一方、一定以上の異方性では液晶材料の配向性には大差がなくなるため、必要以上に異方性を高くすることはコスト面、配向膜の安定性の観点から好ましくない。またUV照射によって異方性を発現させるが、異方性を高くするためにはUV量の増加が必要であり、UV照射量の増加は、コスト面、配向膜の表面変質等の点でも好ましくない。本発明の配向膜の異方性は15~200%程度、好ましくは30~100%である。この異方性は配向膜の厚みを0.1μmで測定した数値である。
このようにして得られた配向膜は液晶材料等を配向させる機能を有しており、各種の液晶材料を、塗布し、配向させることにより、液晶材料の配向により複屈折を有する各種の配向液晶膜を得ることができる。液晶材料としては、従来より、配向液晶膜の形成に用いられている液晶モノマー、液晶ポリマーのいずれも特に制限なく使用することができる。液晶モノマー、液晶ポリマーは、前記例示の液晶モノマー、液晶ポリマーを用いることができる他、前記以外のものを用いることができる。液晶材料の配向膜上への塗布は、溶融法、溶液法のいずれを採用してもよい。溶液法による場合には、液晶材料を溶剤に溶解した溶液を配向膜に塗布した後、溶剤の乾燥を行なう。
液晶材料の配向は、通常、加熱により行なうが、その他の各種手段を用いることができる。例えば、液晶材料の転移温度まで加熱し、冷却することで液晶状態を固定した配向液晶膜を得ることができる。液晶材料の配向後の固定は、液晶材料が液晶モノマーの場合には、紫外線等の放射線照射による硬化により固定化する。液晶材料が液晶ポリマーの場合には、ガラス転移点以下に冷却することにより固定化する。
配向液晶膜の厚みは、必要とされる位相差等の光学特性、機械特性等から決定され、特に制限されないが、通常は、0.1〜20μm程度とするのが好ましい。好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1〜5μmである。こうして得られる配向液晶膜は、配向膜から剥離することなく用いられる他、配向膜から剥離して用いてもよい。
こうして得られた配向液晶膜は、光学フィルムとして用いられる。前記配向液晶膜は基板(配向膜)から容易に剥離して用いることができる。例えば、配向液晶膜は光学補償フィルム、位相差板等として用いることができる。かかる光学補償フィルム、位相差板は、これをSTN型液晶表示装置に適用することにより、液晶表示装置の表示特性、特に視野角特性(広視野角)を著しく向上させることができる。前記配向液晶膜を用いた光学フィルムは他の光学フィルムと組み合わせて用いることができる。
液晶表示装置等の画像表示装置に適用される光学フィルムには偏光板が用いられる。偏光板は、通常、偏光子の片側または両側に保護フィルムを有するものである。偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等があげられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムを延伸して二色性材料(沃素、染料)を吸着・配向したものが好適に用いられる。偏光子の厚さも特に制限されないが、5〜80μm程度が一般的である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
前記偏光子の片側または両側に設けられている保護フィルムには、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものが好ましい。前記保護フィルムの材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、あるいは前記ポリマーのブレンド物などが保護フィルムを形成するポリマーの例としてあげられる。その他、アクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型ないし紫外線硬化型樹脂などをフィルム化したものなどがあげられる。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、例えば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。
偏光特性や耐久性などの点より、特に好ましく用いることができる透明基板は、表面をアルカリなどでケン化処理したトリアセチルセルロースフィルムである。保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より10〜500μm程度である。特に20〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましい。
また、保護フィルムは、できるだけ色付きがないことが好ましい。したがって、Rth=[(nx+ny)/2−nz]・d(ただし、nx、nyはフィルム平面内の主屈折率、nzはフィルム厚方向の屈折率、dはフィルム厚みである)で表されるフィルム厚み方向の位相差値が−90nm〜+75nmである保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚み方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)をほぼ解消することができる。厚み方向位相差値(Rth)は、さらに好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
前記保護フィルムは、表裏で同じポリマー材料からなる透明保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。
保護フィルムとしては、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマーが好ましい。特にトリアセチルセルロースフィルムが好適である。なお、偏光子の両側に保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。前記偏光子と保護フィルムとは通常、水系粘着剤等を介して密着している。水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。
前記保護フィルムとしては、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものを用いることができる。
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護層とは別体のものとして設けることもできる。
前記偏光板は、位相差板を積層された楕円偏光板または円偏光板として用いることができる。前記楕円偏光板または円偏光板について説明する。これらは位相差板により直線偏光を楕円偏光または円偏光に変えたり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向を変える。特に、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える位相差板としては、いわゆる1/4波長板(λ/4板とも言う)が用いられる。1/2波長板(λ/2板とも言う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
楕円偏光板はスーパーツイストネマチック(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じた着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色のない白黒表示する場合などに有効に用いられる。更に、三次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)することができて好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有する。
位相差板には、例えば各種波長板や液晶層の複屈折による着色や視角等の補償を目的としたものなどを使用することができ、また使用目的に応じた適宜な位相差を有する2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御することができる。位相差板としては、ポリカーボネート、ノルボルネン系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレフィン、ポリアリレート、ポリアミドの如き適宜なポリマーからなるフィルムを延伸処理してなる複屈折性フィルムや液晶ポリマーなどの液晶材料からなる配向フィルム、液晶材料の配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。前記配向液晶膜はかかる位相差板として用いることができる。
また前記配向膜を用いて得られた配向液晶膜は、前述の通り、視角補償フィルムとして偏光板に積層して広視野角偏光板として用いられる。視角補償フィルムは、液晶表示装置の画面を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるためのフィルムである。
このような視角補償位相差板としては、他に二軸延伸処理や直交する二方向に延伸処理等された複屈折を有するフィルム、傾斜配向フィルムのような二方向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムとしては、例えばポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリマーを斜め配向させたものなどが挙げられる。視角補償フィルムは、液晶セルによる位相差に基づく視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大などを目的として適宜に組み合わせることができる。
また、良視認の広い視野角を達成する点などより、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をトリアセチルセルロースフィルムにて支持した光学補償位相差板が好ましく用いうる。
前記のほか実用に際して積層される光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板などの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、楕円偏光板または円偏光板に、更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板があげられる。
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行なうことができる。
反射型偏光板の具体例としては、必要に応じマット処理した保護フィルムの片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成したものなどがあげられる。また前記保護フィルムに微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有する。また微粒子含有の保護フィルムは、入射光及びその反射光がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制しうる利点なども有している。保護フィルムの表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を透明保護層の表面に直接付設する方法などにより行うことができる。
反射板は前記の偏光板の保護フィルムに直接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなどとして用いることもできる。なお反射層は、通常、金属からなるので、その反射面が保護フィルムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別途付設の回避の点などより好ましい。
なお、半透過型偏光板は、上記において反射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得ることができる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用である。
偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。すなわち、輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示当に利用しうる光量が減少し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
輝度向上フィルムと上記反射層等の間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、すなわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にもどす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の明るい表示画面を提供することができたものと考えられる。
前記の輝度向上フィルムとしては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの如き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用いうる。
従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
なお、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
また偏光板は、上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
上記楕円偏光板や反射型楕円偏光板は、偏光板又は反射型偏光板と位相差板を適宜な組み合わせで積層したものである。かかる楕円偏光板等は、(反射型)偏光板と位相差板の組み合わせとなるようにそれらを液晶表示装置の製造過程で順次別個に積層することよって形成することができるが、予め積層して楕円偏光板等の光学フィルムとしたのものは、品質の安定性や積層作業性等に優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させうる利点がある。
本発明の光学フィルムには、粘着層を設けることもできる。粘着剤層は、液晶セルへの貼着に用いることができる他、光学層の積層に用いられる。前記光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
また上記に加えて、吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層が好ましい。
粘着層は、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤などの粘着層に添加されることの添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などであってもよい。
光学フィルムの片面又は両面への粘着層の付設は、適宜な方式で行いうる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で偏光板上または光学フィルム上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着層を形成してそれを偏光板上または光学フィルム上に移着する方式などがあげられる。
粘着層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さ等の粘着層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鏡アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
なお本発明において、上記した偏光板を形成する偏光子や透明保護フィルムや光学フィルム等、また粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
本発明の光学フィルムは液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行ないうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セルの片側又は両側に前記光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。また、本発明の配向膜は、液晶セル中の配向膜として用いることができる。
次いで有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光板との間に位相差板を設けることができる。
位相差板および偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板を1/4波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光となるが、とくに位相差板が1/4波長板でしかも偏光板と位相差板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
以下に、この発明の実施例を記載して、より具体的に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、各例中の部および%は重量部である。
(数平均分子量及び重量平均分子量の測定)
ポリマーをTHFに0.1%で溶解させて、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いてポリスチレン換算により数平均分子量及び重量平均分子量を測定した。詳しい測定条件は以下の通りである。
GPC装置:東ソー製、HLC−8120GPC
カラム:東ソー製、(GMHHR−H)+(GMHHR−H)+(G2000HHR)
流量:0.8ml/min
濃度:0.1%
注入量:100μl
カラム温度:40℃
溶離液:THF
(液晶ポリマー(1)の作製)
メカニカルスターラー、窒素導入管、冷却管およびラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、下記化4:
Figure 0004593190
で示される構造の液晶モノマー(50g)、ジメチルアセトアミド(117g)、2,2−ビピリジン(2.93g)を加え、系内に2時間窒素を流し置換した。これに窒素気流下、臭化鋼(0.9g)、2−ブロモイソ酪酸エステル(1.22g)を加え、窒素気流下で、80℃で40時間重合した。重合後の溶液をメタノールに加えて再沈、精製を行なって液晶ポリマーを得た。得られた液晶ポリマーは、数平均分子量7800、重量平均分子量10100であった。分散度は1.29であった。
(液晶ポリマー(2)の作製)
メカニカルスターラー、窒素導入管、冷却管およびラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、下記化5:
Figure 0004593190
で示される構造の液晶モノマー(50g)、ジメチルアセトアミド(117g)を加え、系内に2時間窒素を流し置換した。これに窒素気流下、開始剤としてAIBN(0.5g)を加え、窒素気流下で、70℃で10時間、さらに80℃で6時間重合した。得られた液晶ポリマーは、数平均分子量6200、重量平均分子量7900であった。分散度は1.27であった。
(偏光UVの照射)
高圧水銀ランプを光源にしてクランテーラープリズムにて偏光とし25℃の条件下でコンベア式UV照射装置で偏光UVを照射した。紫外線光量測定機(EIT社製,UV Power Puck)で測定したところ、コンベアを1回通過したとき、UVC(250−260nm)、UVB(280−320nm)、UVA(320−390nm)およびUVV(395−445nm)の合計照射光量は、1.0J/cm2であった。
(異方性)
異方性は以下の方法で評価できる。分光光度計(日立製作所製,U−3410)を用い、出射出口にグランテーラープリズムを取り付けて作製した偏光を用いて、波長250−600nmの吸光度を測定した。測定は、サンプルに偏光UVを照射した際の偏光方向と分光光度計の偏光方向が平行な状態および直交する状態になるようにサンプルをセットして行なった。基板の吸収は除外した状態で平行および直交のそれぞれの吸光度を測定し、吸光度が最大になる波長において以下の式で異方性を算出した。
異方性(%)={(直交時の吸光度−平行時の吸光度)/(平行時の吸光度)}×100。
実施例1
液晶ポリマー(1)1部を、シクロペンタノン99部に溶解した濃度1%溶液を調製した。当該溶液を、スピンコーターにより、石英ガラス板上に塗布し、100℃で1分間乾燥し、厚み0.1μmの塗膜を得た。その後、この塗膜をコンベアを20回通過させて偏光UVを20J/cm2照射した。得られた膜について、異方性を評価した。結果を表1に示す。
実施例2
液晶ポリマー(2)2部を、シクロペンタノン98部に溶解した濃度2%溶液を調製した。当該溶液を、スピンコーターにより、石英ガラス板上に塗布し、100℃で1分間乾燥し、厚み0.2μmの塗膜を得た。その後、この塗膜をコンベアを20回通過させて偏光UVを20J/cm2照射した。得られた膜について、異方性を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、液晶ポリマー(1)の代わりに、ポリビニルシンアンメート(Aldrich製)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行なった。得られた膜について、異方性を評価した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、偏光UVを照射する代わりに、無偏光UVを照射したこと以外は実施例1と同様の操作を行なった。得られた膜について、異方性を評価した。結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において、液晶ポリマー(1)の代わりに、ポリメチルメタクリレートを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行なった。得られた膜について、異方性を評価した。結果を表1に示す。
実施例および比較例で得られた膜等について以下の方法により配向性の評価を行なった。結果を表1に示す。
(配向性)
得られた膜の上に、液晶モノマー(PaliocolorLC242:BASF社製)の酢酸エチル溶液(固形分10%)をスピンコーターで塗布した後、すぐに乾燥し、液晶モノマーの厚みが1μmの液晶層を形成した。これを100℃で2分間加熱配向させて液晶膜を得た。得られた液晶膜をクロスニコル偏光子の間挟み、目視観察し、配向性を下記基準で評価した。○:透明。△:わずかに白濁。×:白濁している。
Figure 0004593190
実施例で得られたは、異方性が高く、液晶材料に対する配向性もよく、液晶材料を配向させるための配向膜として有用であることが分かる。

Claims (5)

  1. 液晶材料を配向させるための配向膜であって、
    液晶ポリマーにより形成されており、かつ光学的異方性を有し、
    前記光学的異方性は、液晶ポリマーに偏光UVを照射することにより生じたものであり、
    前記液晶ポリマーが、下記[化1]で表されるネマチック液晶モノマー及び下記[化2]で表されるネマチック液晶モノマーから選択される1種以上をモノマー単位として含有するネマチック液晶ポリマーであることを特徴とする液晶材料を配向させるための配向膜。
    Figure 0004593190
    Figure 0004593190
  2. 請求項1記載の液晶材料を配向させるための配向膜を製造する方法であって、
    液晶ポリマーを含有する塗工液を、基材上に塗布して塗膜を形成した後、当該塗膜に偏光UVを照射することを特徴とする液晶材料を配向させるための配向膜の製造方法。
  3. 請求項1記載の配向膜に液晶材料を塗布し、液晶材料を配向させて得られる配向液晶膜。
  4. 請求項記載の配向液晶膜を少なくとも1枚用いた光学フィルム。
  5. 請求項1記載の配向膜、請求項記載の配向液晶膜、または請求項記載の光学フィルムを用いた画像表示装置。
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