JP4592552B2 - チョコレート被覆菓子の製造方法 - Google Patents
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Description
図2は、回転被覆装置の一例の斜視図及び断面図である。開口部6を有する回転釜7の
中に、可食性中核材8を投入する。回転軸9により、回転釜を回転させながら、開口部から溶融したチョコレートを可食性中核材に散布し、次いで、開口部から冷風を吹き込んで、可食性中核材の表面に付着したチョコレートを冷却固化する。このようにして、溶融チョコレートの散布と冷却固化を繰り返して、チョコレート被覆層の厚さを増していく。チョコレート被覆層の表面の凹凸が激しくなったときは、温風を吹き込んでチョコレート被覆層の表面を部分的に融解して肌直しを行う。
可食性中核材へのチョコレート掛けは、熟練を要し、時間のかかる作業であるが、従来は問題とされることもなく、このような手順によるチョコレート被覆菓子の製造が続けられていた。
すなわち、本発明は、
(1)可食性中核材がチョコレートにより被覆されてなるチョコレート被覆菓子の製造方法において、回転被覆装置の回転釜に可食性中核材を投入し、回転釜の底部を10〜20℃の水に浸漬して外部より冷却し、回転釜を15〜40rpmで回転させながら溶融したチョコレートを散布し、可食性中核材の表面をチョコレートで被覆することを特徴とするチョコレート被覆菓子の製造方法、
(2)可食性中核材の表面をチョコレートで被覆後、30〜45℃の温風で肌直しを行う第1項記載のチョコレート被覆菓子の製造方法、及び
(3)可食性中核材がアーモンドである第1項又は第2項記載のチョコレート被覆菓子の製造方法、
を提供するものである。
本発明方法において、可食性中核材としては、製造中の熱や回転により形状が損なわれない材料を特に制限なく用いることができ、例えば、アーモンド、ヘーゼルナッツ、カシューナッツ、マカデミアナッツ、ピーナッツなどのナッツ類、コーンパフ、小麦パフ、ライスパフなどのパフ類、クラッカー、クッキー、ビスケット、ラングドシャ、プレッツェルなどの焼菓子類、乾葡萄、乾杏子、乾苺、乾林檎などの乾燥果実類、キャンディ類、キャラメル類などを挙げることができる。
本発明方法に用いるチョコレートに特に制限はなく、例えば、チョコレート類の表示に関する公正競争規約(平成14年6月8日改正)に規定されたチョコレート、準チョコレートのいずれをも用いることができる。
本発明方法において、溶融したチョコレートを散布する方法に特に制限はなく、例えば、柄杓などを用いて溶融したチョコレートを掛けることができ、あるいは、噴霧器を用いて溶融したチョコレートをスプレーすることができる。
図1は、本発明のチョコレート被覆菓子の製造方法の実施の一態様の説明図である。回転被覆装置の回転釜1に、開口部2から可食性中核材3が投入されている。回転釜は、モーターと減速器により駆動される回転軸4により回転される。回転釜の底部は、水槽5の冷水に浸漬され、冷却される。回転釜の底部とは、回転釜の回転により水槽の冷水に浸漬される環状の部分であり、回転釜の回転とともに、この部分に可食性中核材が落下して、可食性中核材の表面に溶融したチョコレートが付着し、冷却され固化する。
本発明方法において、回転釜の回転速度に特に制限はないが、15〜40rpmであることが好ましく、20〜30rpmであることがより好ましい。回転速度が15rpm未満であると、散布された溶融チョコレートが、可食性中核材に付着せずに固化するおそれがある。回転速度が40rpmを超えると、可食性中核材が落下せずに回転釜に同伴して回転するおそれがある。
本発明方法においては、溶融チョコレートによる可食性中核材の被覆工程中又は溶融チョコレートによる可食性中核材の被覆を終わったのちに、温風を吹き付けて肌直しすることが好ましい。温風の温度は、25〜45℃であることが好ましく、30〜40℃であることがより好ましい。本発明方法によれば、温風を吹き付けている間にも、回転釜は外部より冷却されているので、チョコレート被覆の表面の溶融部分の冷却が速く、肌直しを短時間で行うことができる。
本発明方法に用いる装置は、冷風を吹き付けるための冷凍機、送風ダクトなどを必要としないので、設備費を低減することができる。また、回転釜の開口部の近辺に送風ダクトがないので、開口部が広くなり、回転釜の中がよく見え、作業性が向上する。さらに、冷風を吹き付けないので、チョコレートの粉塵が飛散することがなく、冷風の風量や風音の調節が不要で、作業が容易となる。
実施例1
アーモンド粒を可食性中核材として、チョコレート生地とアーモンド粒の掛け割り比率が50:50(重量比)になるまで、チョコレート掛けを行った。チョコレート[明治製菓(株)、ミルクチョコ]450gとカカオバター50gを配合して、チョコレート生地を調製した。
直径300mmの回転釜を、温度10.1℃の冷水に浸漬し、アーモンド粒200gを投入し、回転釜を24rpmで回転しながら、46.3℃に加温して溶融したチョコレート生地を1回あたり8.0gずつスプーンを用いて、アーモンド粒に散布した。チョコレート生地の固化状態を観察しながら、溶融チョコレート生地の散布を継続した。5回目に散布した溶融チョコレートが固化したときの時間は10分であり、冷水温度は11.8℃になっていた。10回目に散布した溶融チョコレートが固化したときの時間は21分であり、冷水温度は13.3℃であり、製品温度は20.0℃であった。15回目に散布した溶融チョコレートが固化したときの時間は47分であり、冷水温度は14.5℃であった。17回目に散布した溶融チョコレートが固化したときの時間は57分であり、冷水温度が18℃になっていたので、氷を追加して冷水温度を11.3℃まで下げた。また、35℃の温風を吹き付けて、肌直しを行った。溶融チョコレートの散布を再開し、20回目に散布した溶融チョコレートが固化したときの時間は80分であり、冷水温度は14.2℃であり、製品温度は20.4℃であった。25回目に散布した溶融チョコレートが固化したときの時間は107分であった。ここで、35℃の温風を吹き付けて2回目の肌直しを行い、チョコレート被覆層の表面を完全に冷却固化してチョコレート被覆菓子の製造を終了した。全所要時間は、130分であった。得られたチョコレート被覆菓子の外観は、きれいに仕上がっていた。
従来の冷風吹き付け法により、アーモンド粒を可食性中核材として、チョコレート生地とアーモンド粒の掛け割り比率が50:50(重量比)になるまで、チョコレート掛けを行った。操作中の室温は、23〜24℃であった。
実施例1と同じ直径300mmの回転釜に、アーモンド粒200gを投入し、回転釜を24rpmで回転しながら、実施例1で調製したチョコレート生地を42.0℃に加温して溶融し、1回あたり8.0gずつスプーンを用いて、アーモンド粒に散布し、引き続いて11℃の冷風を吹き付けた。チョコレート生地の固化状態を観察しながら、溶融チョコレート生地の散布と冷風の吹き付けを継続した。5回目に散布した溶融チョコレートが固化したときの時間は、15分であった。10回目に散布した溶融チョコレートが固化したときの時間は37分であり、製品温度は14.0℃であった。15回目に散布した溶融チョコレートが固化したときの時間は、67分であった。17回目に散布した溶融チョコレートが固化したときの時間は、75分であった。このとき、35℃の温風を吹き付けて、肌直しを行った。溶融チョコレートの散布を再開し、20回目に散布した溶融チョコレートが固化したときの時間は102分であった。25回目に散布した溶融チョコレートが固化したときの時間は122分であった。ここで、35℃の温風を吹き付けて2回目の肌直しを行い、チョコレート被覆層の表面を完全に冷却固化してチョコレート被覆菓子の製造を終了した。全所要時間は、162分であった。得られたチョコレート被覆菓子の外観は、凹凸が多く、実施例1のチョコレート被覆菓子より劣っていた。
実施例1及び比較例1の結果を、第1表に示す。
2 開口部
3 可食性中核材
4 回転軸
5 水槽
6 開口部
7 回転釜
8 可食性中核材
9 回転軸
Claims (3)
- 可食性中核材がチョコレートにより被覆されてなるチョコレート被覆菓子の製造方法において、回転被覆装置の回転釜に可食性中核材を投入し、回転釜の底部を10〜20℃の水に浸漬して外部より冷却し、回転釜を15〜40rpmで回転させながら溶融したチョコレートを散布し、可食性中核材の表面をチョコレートで被覆することを特徴とするチョコレート被覆菓子の製造方法。
- 可食性中核材の表面をチョコレートで被覆後、30〜45℃の温風で肌直しを行う請求項1記載のチョコレート被覆菓子の製造方法。
- 可食性中核材がアーモンドである請求項1又は2記載のチョコレート被覆菓子の製造方法。
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