JP4590594B2 - エアロゾルデポジッション成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エアロゾル化した微粒子材料を用いて成膜するエアロゾルデポジッション成膜装置に関する。
ユビキタス社会を目指して、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、その他モバイル機器等の分野で、ポータブル・ウエアラブル・モバイル電子機器の開発が望まれている。このような電子機器の小型化・高性能化・多機能化を実現するためには種々の機能をもった材料を同じ空間内に集積化して形成することが重要である。これまで、回路基板や半導体素子、受動電子部品の開発の中で、樹脂材料と金属材料、セラミック材料と金属材料との組み合わせによる構造体を形成することにより、要求に見合ったデバイスの開発を可能にしてきた。
しかしながら、樹脂材料とセラミック材料との組み合わせによる構造体は、それぞれのプロセス温度が大きく異なるために、その複合化に制限があり、双方の特性を充分に発現した手法が存在しなかった。手法の一つとして、樹脂中にセラミック粉末等を混ぜ合わせて複合化する方法が試みられているが、要求特性を充分に満たしていないのが現状である。例えば、高誘電率化を達成するための高誘電率セラミックスと樹脂との組み合わせにおいても、樹脂中のセラミックスの充填率が制限され、比誘電率が数十程度の材料しか得られない。このために、低いプロセス温度で形成可能なセラミックスあるいは、耐熱温度の高い樹脂材料の開発が望まれている。
そこで、無機材料微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを搬送し基板上に衝突させることにより、基板上に無機材料の膜を形成させる、いわゆるエアロゾルデポジション法は、常温付近でセラミック膜が形成できるために、材料本来の特性を損なうことなく、樹脂材料との複合・集積化が可能となるとみられており、この分野の研究・開発が活発化し始めているところである。
エアロゾルデポジション成膜装置は、セラミック粒子にガスを吹き込んで得られたエアロゾルをノズルから基板上に噴射し、基板上にセラミック膜を形成する。これは、噴射された個々のセラミック粒子が基板や粒子同士が衝突することにより、粒子表面が塑性変形したり、粒子が破砕したりして、基板や他の粒子と密着することによりエアロデポジション膜が形成される。
特開2003−277948号公報 特開2001−348658号公報 特表2001−513697号公報
ところで、セラミック粒子は数十nm〜数百nm程度の微粒子であるため凝集し易い。凝集した粒子は、複数の一次粒子が静電力等により互いに吸着しているので分離しにくく、このままの状態で成膜すると、粒子同士の密着強度が低下し、空孔が形成され脆弱なエアロデポジション膜が形成されてしまう。また衝突の衝撃で一次粒子化しても、一次粒子化に使用できる衝突のエネルギーが減少する。その結果、粒子同士を密着させるための粒子表面の歪み量が不足し、密着強度および緻密性を十分に確保できないという問題がある。また、粒子表面全体が活性化されないため、この点においても密着強度および緻密性に問題を生ずる。
エアロゾルを形成する際に、振動や超音波を印加して一次粒子化処理を行っているが、必ずしも十分ではなく、微粒子材料によっても凝集しやすい材料があるため上記問題を内包する。
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、緻密で膜密着性の高い膜を形成可能なエアロゾルデポジッション成膜装置を提供することである。
本発明の一観点によれば、無機材料からなる微粒子とキャリアガスからなるエアロゾルを形成するエアロゾル形成手段と、前記エアロゾルを噴射ノズルにより噴射して基体上に無機材料膜を成膜する成膜手段と、前記エアロゾル形成手段と成膜手段との間に、エアロゾルに含まれる微粒子を分散させる一次粒子化手段とを備え、前記一次粒子化手段は、エアロゾルの流路に配置された障壁部からなり、該エアロゾルに含まれる微粒子を該障壁部に衝突させて分散させるものであって、前記一次粒子化手段は、エアロゾルの流路に配置された第1の障壁部材と、その下流側に配置された第2の障壁部材からなり、前記第1の障壁部材および第2の障壁部材の一部に、エアロゾルを通過させる開口部が各々設けられてなることを特徴とするエアロゾルデポジッション成膜装置が提供される。
本発明によれば、エアロゾルを噴射ノズルから噴射する前に、エアロゾルを形成する微粒子を分散させる一次粒子化手段を設け、微粒子の一次粒子が凝集した微粒子凝集体を一次粒子化する。このように一次粒子化された微粒子からなるエアロゾルを噴射ノズルにより噴射することで、基板に衝突する際の衝撃により個々の微粒子の表面に十分な歪みを形成でき、微粒子同士の密着性や、微粒子と基板との密着性が向上し、緻密で膜密着性の高いエアロゾルデポジッション膜が形成できる。また、エアロゾルの状態で微粒子を一次粒子化するので、微粒子の再凝集を回避できる。なお、本明細書および特許請求の範囲において、「一次粒子化」とは、理想的には、一次粒子の微粒子が凝集した微粒子凝集体を個々の一次粒子に完全に分離させることをいうが、個々の一次粒子が完全に分離されず、一部に凝集体が残る場合も含む。
上記一次粒子化手段は、エアロゾルの流路に配置された障壁部からなり、該エアロゾルに含まれる微粒子を該障壁部に衝突させて分散させてもよい。エアロゾルを噴射ノズルから噴射する前に、エアロゾルの流路の一部を塞ぐ障壁部を設けエアロゾルの流れによる微粒子の運動エネルギーを利用して、微粒子を障壁部に衝突させその衝撃により一次粒子化する。このように簡易な構造の一次粒子化手段により微粒子を一次粒子化できる。
上記一次粒子化手段は、エアロゾルの流路内に設けられた一対の電極と、該一対の電極間に交流電圧を印加する交流電源とからなり、前記エアロゾルに含まれる微粒子を帯電させ、前記電極に電気的引力により衝突させて微粒子を分散させてもよい。エアロゾルを噴射ノズルから噴射する前に、一次粒子化手段によりエアロゾルを形成する微粒子の一次粒子が凝集した微粒子凝集体を一対の電極間に印加された交流電圧により帯電させる。そして、交流電圧により形成された電界方向が交番する電界により微粒子凝集体を各々の電極に電気的引力により引きつけて衝突させることにより、衝突の際に受ける衝撃により機械的に分離させ、微粒子を一次粒子化する。印加する交流電圧の大きさを制御することで、エアロゾルの流速とは独立に微粒子が電極に衝突する際の速度を制御できるので、確実に微粒子を一次粒子化できる。
本発明によれば、緻密で膜密着性の高い膜を形成可能なエアロゾルデポジッション成膜装置を提供できる。
以下図面を参照しつつ実施の形態を具体的に説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置は、エアロゾルを噴射ノズルから噴射する前に、エアロゾルの流れによる微粒子の運動エネルギーを利用して微粒子を分散させる一次粒子化機構を備えたことに主な特徴がある。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置の概略構成図である。
図1を参照するに、エアロゾルデポジッション(以下「AD」と略称する。)成膜装置10は、大略、成膜材料の微粒子27をエアロゾル化するエアロゾル形成部20と、エアロゾル29中の微粒子27を分散させる一次粒子化機構30と、エアロゾル29を基板43に向けて噴射してAD膜46を形成する成膜部40と、成膜部40を減圧雰囲気に保持する排気系50などから構成される。
AD成膜装置10は、一次粒子化機構30によりエアロゾル29中の微粒子27を、理想的には、微粒子27の一次粒子が個々に分散した状態にする。一次粒子化機構30には、エアロゾルの流路障壁部(後ほど図2で詳述する第1障壁板31および第2障壁板32)が設けられており、微粒子27の凝集体を障壁部に衝突させ、機械的に分離させる。このように一次粒子化した微粒子27からなるエアロゾル29が噴射ノズル42から基板に噴射されると、微粒子27が基板43あるいは既に形成されたAD膜46の表面と衝突する際のエネルギーのほとんどが微粒子27の表面に歪みを誘起するエネルギーとして消費される。したがって、微粒子27の表面に密着性を確保するための十分な歪みが誘起される。その結果、微粒子27と基板43との密着性や微粒子同士の密着性が向上し、緻密で膜密着性の高いAD膜46が形成される。以下、AD成膜装置10の具体的構成を説明する。
エアロゾル形成部20は、エアロゾル発生器21と、エアロゾル発生器21に圧縮されたキャリアガスを供給するガスボンベ22と、コンプレッサー23と、マスフローコントローラ24と、配管25、28とから構成される。
エアロゾル発生器21は、容器26内に成膜材料の微粒子27が充填されている。エアロゾル発生器21は、微粒子27内にキャリアガスを導入する配管25と、キャリアガスにより容器26内に舞い上がった微粒子27とキャリアガスとが形成するエアロゾル29を一次粒子化機構30に送出する配管28とが接続されている。エアロゾル発生器21では、キャリアガスを容器26内に導入することで、容器26内の空間に微粒子27が舞い上がりエアロゾル29が形成される。
エアロゾル発生器21には、超音波振動や、電磁振動、機械的振動を微粒子27に印加するための加振器を設けてもよい。加振器により微粒子27の凝集を機械的に分離させることで、均質なAD膜が形成できる。また、エアロゾル発生器21には微粒子27を乾燥するためのヒータ等の加熱器を設けてもよい。
また、エアロゾル発生器21内を予め減圧雰囲気に設定するために、配管56およびバルブ56bを介して容器27が真空系50に接続されている。エアロゾル発生器21内の乾燥、特に微粒子27の乾燥を行う場合には、真空系50を動作させバルブ56bを開いて容器26内を排気する。その際、微粒子27に加振器で振動を印加してもよく、加熱器で加熱してもよい。
微粒子27は無機材料から構成され、その平均粒径は、例えば10nm〜500nmの範囲に設定されることが好ましい。微粒子27は、無機材料であれば材料に特に制限はないが、例えば、回路基板や半導体装置の層間絶縁層を形成する場合は、高周波における低誘電損失の観点から、MgO、TiO2、ZrO2、SiO2、Al23、BaTiO3、BaZrO3、ZrSnTiO4、BaTi49、Ba2Ti920、MgTiO3、MgZrO3、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3、Ba(Co1/3Ta2/3)O3、Ba(Co1/3Nb2/3)O3、Ba(Ni1/3Ta2/3)O3、SrTiO3、SrZrO3、Nd2Ti27、(BaSr)TiO3、Ba(TiZr)O3、PbZrTiO3、PbTiO3、PbZrO3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3、3Al23・2SiO2(ムライト)、MgO・Al23(スピネル)、2MgO・SiO2(フォルステライト)、2Al23・2MgO・5SiO2(コージエライト)、CaO・SiO2(ウォラストナイト)、CaO・Al23・2SiO2(アノーサイト)、CaO・MgO・2SiO2(ディオプサイド)、2CaO・Al23・SiO2(ゲーレナイト)等のセラミックス粉末及びこれらから選択される1種あるいは2種以上のセラミックス粉末の混合物が好適である。
また、回路基板や半導体装置の配線パターンを形成する場合は、微粒子27として、Cu、Ag、Au、Pt、Pd、W、Al又はこれらの元素からなる合金を含む金属材料が挙げられる。また、微粒子27として、これらの金属材料及びこれらから選択される1種あるいは2種以上の金属材料の混合物が好適である。なお、微粒子27は、十分に除湿後容器26に充填されることが好ましい。
ガスボンベ22にはキャリアガスが充填され、キャリアガスとしては、アルゴンガスの他、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン、窒素などの不活性ガスを用いることができる。なお、微粒子27にペロブスカイト構造を有する酸化物セラミックスを用いる場合は、キャリアガスは酸化性のガス、例えば酸素ガスや空気を用いてもよく、これらのガスを不活性ガスに添加してもよい。酸化物セラミックス微粒子材料の酸素欠損を抑制することができる。
コンプレッサー23は、キャリアガスの圧力を制御し、エアロゾル発生器21に充填された微粒子27の吹き上げ量、すなわちエアロゾル中の微粒子量を制御する。なお、コンプレッサー23のかわりにボンベ23内のガス圧力が十分高い場合は、ボンベ用ガスレギュレータを用いてもよい。また、コンプレッサー23を使用する場合は、キャリアガスの供給源をガスボンベ23のかわり液体窒素等のキャリアガスの液体を蒸発させてもよく、窒素ガスや酸素ガスの場合は空気中から回収・精製してもよい。
マスフローコントローラ24はキャリアガスの流量を制御し、エアロゾル発生器21で形成されるエアロゾルの流量を制御する。
このように、エアロゾル発生器21では、成膜材料となる微粒子27にキャリアガスを微粒子27中に導入し、あるいはさらに加振器や加熱器を用いて微粒子27をキャリアガス中に舞い上がらせてエアロゾル29を形成し、配管28を通じて一次粒子化機構30にエアロゾル29を送出する。
図2は、第1の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置を構成する一次粒子化機構の構成図である。図2を参照するに、一次粒子化機構30は、配管28内にエアロゾルの流路をほぼ塞ぐように配置された第1障壁板31と、その下流に第1障壁板31と対向して配置された第2障壁板32から構成される。第1障壁板31および第2障壁板32にはそれぞれ開口部31a、32aが形成されている。
このように一次粒子化機構30を構成することで、エアロゾル29は、図1に示すエアロゾル形成部20から配管28内を流れ、まず、第1障壁板31の上流側表面31bに衝突し、あるいは、第1障壁板31の開口部31aを通過して第2障壁板32の上流側表面32bに衝突する。その衝突の際に第1障壁板31あるいは第2障壁板32から受ける力によりエアロゾル29を形成する微粒子凝集体27aが機械的に分離され、一次粒子化が進む。さらに、エアロゾル29は、第1障壁板31の下流側表面31cと、これに対向する第2障壁板32の上流側表面32bとに衝突を繰り返し、微粒子凝集体27aの一次粒子化がさらに進む。一次粒子化した微粒子は、エアロゾルを形成するキャリアガスの流れに沿って第2障壁板32の開口部32aを通過して成膜部40に送出される。
第1障壁板31の開口部31aの断面積(エアロゾルの流れ方向に直交する面の面積。)は通過するエアロゾルの速度が大きくなる点で小さい程好ましいが、エアロゾルの速度を音速以下になるように開口部31aの断面積を設定すべきである。エアロゾルの速度が音速に達すると、一次粒子化機構30よりも上流側の圧力や、一次粒子化機構30よりも下流側の圧力を制御してもエアロゾルの速度の制御ができなくなる。さらに、開口部31aを通過するエアロゾルの速度が過度に大きい場合、開口部31aを通過した微粒子が第2障壁板32の上流側表面32bに堆積してしまうので、堆積しないように程度にエアロゾルの速度が小さくなるように第1障壁板31の開口部31aの断面積を大きく設定すべきである。
第1障壁板31の下流側表面31cと第2障壁板32の上流側表面32bとの距離は、配管28中のエアロゾルの速さに応じて適宜選択されるが、例えば30mm程度に設定する。その距離が過度に大きいと、微粒子が第1障壁板31の下流側表面31cと第2障壁板32の上流側表面32bとの衝突を繰り返し難くなり、一次粒子化の程度が十分に進まなくなる。
図1に戻り、成膜部40は、成膜室41と、成膜室41内に配管28に接続されエアロゾル29を噴射する噴射ノズル42と、噴射ノズル42と対向して配置され、基板43を保持する基板保持台44と、基板43および基板保持台44の位置を制御するXYZステージ45等から構成される。成膜部40では、噴射ノズル42から噴射されたエアロゾル29の微粒子27が基板43の表面や、既に基板43に堆積したAD膜46に衝突し微粒子27が強固に付着する。
エアロゾル29の噴射速度は、キャリアガスの圧力や、成膜室41の圧力(減圧雰囲気)、噴射ノズル42の開口面積により制御される。噴射速度は、AD膜の緻密性が良好になる点で大きいほど好ましいが、例えば、50m/s〜1000m/sに噴射速度を設定する。噴射ノズル42の開口面積は、配管内のエアロゾル29が流れる流路の断面積よりも小さく設定し、すなわちエアロゾル29が流れる流路を狭窄するように先細りの形状にしてもよい。エアロゾル29の流速を増すことができる。
XYZステージ45は、基板保持台43をエアロゾル29の入射方向に対して垂直方向の2方向(X方向およびY方向)と、エアロゾルの入射方向(Z方向)に沿って移動させる。さらに、XYZステージ45は、定速・繰り返し駆動動作をX方向およびY方向に行うものであってもよい。基板保持台43を定速・繰り返し駆動動作させることで、面積が広いあるいは膜厚が一定なAD膜46を形成することができる。
排気系50は、成膜室41に接続され、成膜室41内の圧力を減圧雰囲気とするためのメカニカルブースタ51と、真空ポンプ52と、これらを接続する配管53、54等から構成される。排気系50は、成膜室41を減圧雰囲気としてエアロゾル29の噴射速度を高める。真空ポンプ52は、例えば、ロータリーポンプやダイアフラム型真空ポンプ等を用いることができる。なお、成膜室41とメカニカルブースタ51とを接続する配管53やメカニカルブースタ51と真空ポンプ52を接続する配管54に集塵機を設けてもよい。
次に、AD成膜装置10を用いたAD膜46の成膜方法を、図1及び図2を参照しつつ説明する。最初に、メカニカルブースタ51および真空ポンプ52を用いて成膜室41、エアロゾル発生器21の容器26の内部、配管25、28、56等の内部を排気して減圧雰囲気にする。
次いで、ガスボンベ22のバルブ22bを開きキャリアガスを送出する。コンプレッサー23およびマスフローコントローラ24によりキャリアガスの圧力および流量を制御してエアロゾル発生器21の容器26の微粒子27にキャリガスを導入し、微粒子27をエアロゾル化してエアロゾル29を形成する。エアロゾル29の濃度はキャリアガスの圧力および流量により制御する。
そして、エアロゾル29は、配管28を通じて一次粒子化機構30に送出され、図2に示すように、一次粒子化機構30では、エアロゾル29を形成する微粒子が、第1障壁板31の下流側表面31cと、これに対向する第2障壁板32の上流側表面32bとに衝突を繰り返し、微粒子凝集体27aの一次粒子化が進む。一次粒子化した微粒子27bはエアロゾルの状態で、噴射ノズル42から噴射され基板43上に堆積する。微粒子は衝突の際にうける力により表面に十分な歪みが誘起され、微粒子と基板、あるいは微粒子同士が密着し、このようにして緻密で膜密着性の高いAD膜46が成膜される。
本実施の形態によれば、エアロゾルを噴射ノズル42から噴射する前に、一次粒子化機構30において、エアロゾルの流路を塞ぐ第1障壁板31および第2障壁板32を設け、エアロゾルを形成する微粒子を第1障壁板31および第2障壁板32に衝突させる。微粒子凝集体は衝突の際に受ける力により機械的に分離され、微粒子が一次粒子化される。したがって、一次粒子化された微粒子からなるエアロゾルを噴射ノズルにより基板に噴射することで、微粒子同士の密着性や、微粒子27と基板43との密着性が向上し、緻密で膜密着性の高いAD膜46が形成できる。
次に、第1の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置を構成する一次粒子化機構の3つの変形例を説明する。
図3は、第1の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置を構成する一次粒子化機構の第1変形例の構成図である。
図3を参照するに、一次粒子化機構30Aは、配管28内に設けられたエアロゾルの流れを妨げる障壁部材34−1〜34−4から構成される。
障壁部材34−1は、その一方の側端34−1aが配管の第1内壁28aに固着され、他方の側端34−1bが、第1内壁28aと対向する第2内壁28bから離間して配置されている。そして、障壁部材34−1の下流側に配置された障壁部材34−2は、一方の側端34−2aが第2内壁28bに固着され、他方の側端34−2bが第1内壁28aから離間して配置されている。すなわち、障壁部材34−2には、障壁部材34−1の側端34−1bと第2内壁28bとの間の開口を通過した微粒子凝集体27aが衝突するように配置されている。さらに、障壁部材34−2の下流に配置された障壁部材34−3、障壁部材34−4は、各々、障壁部材34−1、障壁部材34−2と同様に配置されている。
このように障壁部材34−1〜34−4を配置することで、一次粒子化機構30Aに流入したエアロゾルの微粒子は障壁部材34−1〜34−4に衝突し、その際に障壁部材34−1〜34−4から受ける力により微粒子凝集体27aは機械的に分離される。そして、微粒子凝集体27aは、障壁部材34−1〜34−4と第1内壁28aあるいは第2内壁28bとの開口部を通じて下流に流れるにしたがって、障壁部材34−1〜34−4に繰り返し衝突することで一次粒子化された微粒子27bのエアロゾルが形成される。
また、障壁部材34−1〜34−4は、第1内壁28aまたは第2内壁28bに流れ方向に向かって交互に配置されているので、簡単な構造で効率良く微粒子凝集体27aの一次粒子化を図ることができ、一次粒子化機構30Aの小型化も容易である。
また、障壁部材34−1〜34−4は、エアロゾルの流れ方向に沿って斜めに配置されている。例えば、障壁部材34−1は、第1内壁28aに固着された側端34−1aから、下流に向かって斜めに配置され、他の障壁部材34−2〜34−4も同様に配置されている。このように斜めに障壁部材34−1〜34−4を配置することで、微粒子27a、27bを残留し難くして、清浄化の保守サイクルを長時間化することができる。なお、図示は省略するが、衝突の際の微粒子に与える力を増加させる場合は、障壁部材34−1〜34−4を流れ方向に対してほぼ垂直に配置してもよく、あるいは、流れ方向に対して逆方向に傾けてもよい。
なお、障壁部材34−1〜34−4は、4つに限定されず、1つ〜3つ、または5つ以上でもよく、一次粒子化機構30Aを通過したエアロゾルの微粒子の一次粒子化の程度により適宜決定すればよい。
第1変形例の一次粒子化機構30Aは、エアロゾルの流れを妨げるように障壁部材34−1〜34−4を設け、エアロゾルを形成する微粒子凝集体27aが下流に流れるにしたがって障壁部材34−1〜34−4と衝突を繰り返すようになっているので、微粒子凝集体27aは、障壁部材34−1〜34−4から衝突の際に力を受け、機械的に分離し、一次粒子化される。したがって、エアロゾルを形成する微粒子が一次粒子化され、その表面の活性化の程度が大きいので、緻密で膜密着性の高いAD膜を形成できる。
図4は第1の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置を構成する一次粒子化機構の第2変形例の構成図である。
図4を参照するに、一次粒子化機構30Bは、配管28内に設けられたノズル部36と、その下流に配置された障壁板38から構成される。
ノズル部36には、流れ方向に沿ってエアロゾルの流路を次第に狭窄する先細り流路36aと、先細り流路36aに接続された断面積(エアロゾルの流れ方向に直交する面の面積。)が一定の流路36bが設けられている。また、障壁板38は流路をほぼ塞ぐように設けられている。障壁板38には、エアロゾルを下流に流出させる開口部38aが設けられている。開口部38aは、ノズル部36の流路36bの開口部に対向する位置から外れた領域に配置されている。
このようにノズル部36および障壁板38を設けることで、一次粒子化機構30Bに流入したエアロゾルは先細り流路36aにより加速され、流路36bから障壁板38に向かって流出する。エアロゾルを形成する微粒子凝集体27aは障壁板38の上流側表面38bに衝突し、その際に受ける力により機械的に分離される。そして、ノズル部36の下流側表面36cや、障壁板38の上流側表面38bに衝突を繰り返し一次粒子化が進む。一次粒子化された微粒子29bは、障壁板38の開口部38aを通過して成膜部40に送出される。
ノズル部36と障壁板38の材料は特に限定されないが、障壁板38は、微粒子の衝突による摩耗を抑制するために、微粒子よりも硬度が大きい材料からなること好ましい。
ノズル部36の流路36bの開口部の断面積は、通過するエアロゾルの速度が大きくなる点で小さい程好ましいが、過度に小さくなると、流路36bを通過した微粒子が障壁板38の上流側表面に密着して堆積してしまう。したがって、流路36bの開口部の断面積は、微粒子が堆積する速度よりも小さくなるように設定するべきである。それよりもエアロゾルの速度が小さくなる断面積に設定すべきである。
ノズル部36の下流側表面36cと障壁板38の上流側表面38bとの距離は、配管28中のエアロゾルの速さに応じて適宜選択されるが、例えば30mm程度に設定する。距離が過度に大きいと、微粒子がノズル部36の下流側表面36bと障壁板38の上流側表面38bとの衝突を繰り返し難くなる。
第2変形例の一次粒子化機構30Bは、ノズル部36によりエアロゾルを加速させ、エアロゾルを形成する微粒子凝集体27aを障壁板38に高速度で衝突させる。微粒子凝集体27aは、衝突により障壁板38から力を受けて機械的に分離し一次粒子化される。さらに、微粒子凝集体27aは、高速度で衝突しているので、衝突の際に微粒子の表面が活性化される程度が大きくなる。したがって、エアロゾルを形成する微粒子が一次粒子化され、その表面の活性化の程度が大きいので、緻密で膜密着性の高いAD膜を形成できる。なお、ノズル部36に流路36bを設けなくともよく、すなわちノズル部36に先細り流路36aのみを設けてもよい。
図5は、第1の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置を構成する一次粒子化機構の第3変形例の構成図である。
図5を参照するに、一次粒子化機構30Cは、配管28内に設けられた遮蔽部39から構成され、遮蔽部39には、上流側に第1流路39aおよび第2流路39bが並行して設けられ、それらの下流側には、第1流路39aと第2流路39bとが合流する合流部39cと、その下流側に合流部39cに連通する第3流路39dが設けられている。
エアロゾル29が流入する流路が、例えば、中心軸が流れ方向となる円筒状の場合は、第1流路39aおよび第2流路39bは、その中心軸にほぼ対称な位置に設けられることが好ましい。このような位置に設定することで、第1流路39aと第2流路39bの各々にほぼ同量のエアロゾルが流入する。合流部39cでは、第1流路39aを流れるエアロゾルと第2流路39bを流れるエアロゾルの微粒子同士が衝突する。微粒子凝集体27aは衝突の際に受ける力により互いに機械的に分離され一次粒子化が進み、一次粒子化された微粒子29bは、第3流路39dを通過して成膜部40に送出される。
第1流路39aと第2流路39bは、ほぼ同様の形状、すなわち、各々の断面積(エアロゾルの流れ方向に直交する面の面積。)や長さがほぼ同等であることが好ましい。このように設定することで合流部39cから第3流路39dへの流れが円滑となる。
また、合流部39cでは、第1流路39aと第2流路39bが交叉するが、交叉する角度が大きいほど、微粒子凝集体の衝突の際に互いに受ける力が大きくなる点で、好ましい。ただし、交叉する角度が180度を超えると、合流部39cから第3流路39dに流れにくくなるので、交叉する角度は180度以下であることが好ましい。
第3変形例の一次粒子化機構30Cは、合流部39cにおいて微粒子同士が衝突するので、障壁部39の材料等の混入を抑制しつつ、微粒子の一次粒子化を進めることができる。その結果、緻密で膜密着性が高いAD膜46を形成でき、微粒子材料以外の材料の混入の少ないAD膜46を形成できる。
なお、図2〜図5では、一次粒子化機構30、30A〜30Cは、これに接続する配管28と同程度の断面積の流路内に設けた場合を例に説明したが、配管28よりも大きな断面積の流路内に一次粒子化機構30、30A〜30Cを設けてもよい。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置は、エアロゾルを噴射ノズルから噴射する前に、微粒子を電気的に分極し、電気的な引力により微粒子を衝突させて微粒子を分散させる一次粒子化機構を備えたことに主な特徴がある。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係るAD成膜装置を構成する一次粒子化機構の構成図である。なお一次粒子化機構以外のAD成膜装置の構成は、図1に示す第1の実施の形態に係るAD成膜装置と同様であるので図1を参照すると共に、その図示および説明を省略する。
図6を参照するに、本実施の形態のAD成膜装置を構成する一次粒子化機構60は、配管28内にエアロゾルの流れ方向に沿って互いに平行に設けられた平板の第1電極61および第2電極62と、第1電極61に電気的に接続された交流電源63等から構成され、第2電極62および交流電源63はそれぞれ電気的に接地されている。
交流電源63は、第1電極61と第2電極62との間に高電圧の交流電圧(例えば周波数100Hz。)を印加する。交流電圧を印加することにより第1電極61と第2電極62との間に電界Eを生じさせる。その電界Eの最大電界強度は、例えば10MV/mに設定される。このような極めて高い電界に流入したエアロゾルの微粒子凝集体27aは、第1電極61または第2電極62との接触により、例えば微粒子凝集体27aの電子が抜き出され正極性に帯電するようになる。正極性に帯電した微粒子凝集体27aは、第1電極61が負極となると、帯電量と電界強度との積に比例する電気的引力により加速的に引きつけられ、第1電極61に衝突する。微粒子凝集体27aは第1電極61から衝突の際に力を受け機械的に分離する。そして、交流電圧の極性が反転し、第2電極62が負極になると、微粒子凝集体27aは第2電極62に引きつけられ第2電極62に衝突し、その際の力によりさらに機械的に分離する。微粒子27bは、次第に下流に移動しながら交流電圧の反転に応じてこれらの衝突を繰り返し一次粒子化される。交流電源63により印加する電圧は、高いほど微粒子凝集体がより加速されるので好ましい。
本実施の形態によれば、エアロゾルを噴射ノズル42から噴射する前に、一次粒子化機構60において、エアロゾルを形成する微粒子凝集体27aを帯電させ、第1電極61と第2電極62との間に高電界強度を印加して、微粒子凝集体27aを第1電極61および第2電極62に交互に電気的引力により引きつけて衝突させることにより、衝突の際に受ける力により機械的に分離させ、微粒子を一次粒子化する。このように一次粒子化することで、微粒子27と基板43との密着性や微粒子同士の密着性が向上し、緻密で膜密着性の高いAD膜46が形成できる。
本実施の形態によれば、印加する交流電圧の大きさを制御することで、エアロゾルの流速とは独立に微粒子が第1電極61および第2電極62に衝突する際の速度を制御して確実に一次粒子化できる。
また、本実施の形態によれば、微粒子凝集体27aや一次粒子化した微粒子27bは、第1電極61および第2電極62に交互に衝突を繰り返しながら下流に流れるので、微粒子の残留を抑制でき、清浄化の保守サイクルを長時間化することができる。
なお、一次粒子化機構60の下流側に、微粒子の帯電を中和する装置、例えば、熱電子を発生するニュートライザを設けてもよい。微粒子が配管の内壁等に電気的に付着することを抑制できる。
また、第1電極61および第2電極62は平行平板電極に限定されず、配管28の流路の中心軸に沿った円筒型でもよい。この場合は、例えば第1電極61を円筒型電極とし、第2電極62を円筒型電極の中心軸と同軸の円柱状の電極とする。
また、図6において図示を省略したが、第1電極61および第2電極62と、配管28との間は交流電圧の大きさに応じた適切な絶縁材で電気的に絶縁される。
図7は、第2の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置を構成する一次粒子化機構の変形例の構成図である。
図7を参照するに、一次粒子化機構60Aは、配管28に接続された流路内に、エアロゾルの流れ方向に沿って設けられた平板の3つの第1電極61−1〜61−3と、3つの第2電極62−1〜62−3と、第1電極61−1〜61−3に電気的に接続された交流電源63等から構成され、第2電極62−1〜62−3および交流電源63はそれぞれ電気的に接地されている。3つの第1電極61−1〜61−3および3つの第2電極62−1〜62−3は、エアロゾルの流れ方向に対して直交する方向に交互に対となって配置されている。一次粒子化機構60Aの作用は、図6に示す一次粒子化機構60と同様であり、エアロゾルの微粒子凝集体27aを高電界強度の交流電界を第1電極61−1〜61−3と第2電極62−1〜62−3との間に形成して、帯電した微粒子凝集体27aを第1電極61−1〜61−3および第2電極62−1〜62−3に交互に電気的引力により引きつけて衝突させ、微粒子凝集体27aを一次粒子化させる。
一次粒子化機構60Aは、配管28から流入したエアロゾルが、5つの流路65−1〜65−5に分けられ、各々の流路の下流側に配置された第1電極61−1〜61−3と第2電極62−1〜62−3とにより一次粒子化される。
本変形例の一次粒子化機構60Aは、5つの流路65−1〜65−5の断面積(エアロゾルの流れ方向に直交する面の面積。)の和(総断面積)は、配管28の流路の断面積より大きいので、エアロゾルの流速が低下する。したがって、微粒子凝集体27aが一次粒子化機構60Aを通過する時間が長くなり、第1電極61−1〜61−3および第2電極62−1〜62−3に衝突する回数を増加できる。したがって、微粒子凝集体27aの一次粒子化を促進できる。その結果、いっそう緻密で膜密着性の高いAD膜が形成できる。
次に上記の第1実施の形態に係る実施例1、第2の実施の形態に係る実施例2、および本発明によらない比較例について説明する。
[実施例1]
実施例1は、図1および図2に示す第1の実施の形態に係るAD成膜装置を用いて成膜を行ったものである。
最初に、前処理として、平均粒径0.5μmのBaTiO3粉末をエアロゾル発生器の容器に入れ、粉末を150℃に加熱し、容器全体に超音波を印加しながら30分間、排気系により容器内を排気し、BaTiO3粉末を乾燥した。また、成膜室は予め排気し、真空度を10Pa以下になるように設定した。
次いで、このようにして得られたBaTiO3粉末を酸素ガス(純度:99.9%、ガス圧:2kg/cm2、ガス流量:4l/min)を容器に導入しエアロゾルを形成した。
このようにして得られたエアロゾルを、図2に示す一次粒子化機構30を用いてエアロゾルに含まれる微粒子を一次粒子化させた。なお、第1障壁板31および第2障壁板32の直径を10mm、各々の開口部31a、31bの直径を2mm、第1障壁板31と第2障壁板32との距離を20mmに設定した。
このようにして得られたエアロゾルを噴射ノズルからガラス基板に向けて20分間噴射し、膜厚20μmのBaTiO3膜を形成した。
成膜中のエアロゾル濃度は8体積%、エアロゾル濃度のばらつきは2%であった。また、成膜中の成膜室内の圧力は200Paであり、成膜速度は1μm/分±0.2μm/分であった。なお、エアロゾル濃度およびエアロゾル濃度のばらつきはレーザ式パーティクルカウンタを用いて測定した。
[実施例2]
実施例2は、図1および図6に示す第2の実施の形態に係るAD成膜装置を用いて成膜を行ったものである。
前処理は実施例1と同様に行い、酸素ガス(純度:99.9%、ガス圧:2kg/cm2、ガス流量:4l/min)を用いて、平均粒径0.5μmのBaTiO3粉末のエアロゾルを形成した。
このようにして得られたエアロゾルを、図6に示す一次粒子化機構60を用いて、第1電極61と第2電極62との間に10MV/mの最大電界強度の交流電界を形成し、微粒子を一次粒子化させた。なお、第1電極61および第2電極62の流れ方向の長さを50mm、幅を10mmに設定し、第1電極61と第2電極62との間を通過するエアロゾルの速度を100m/sとした。
このようにして得られたエアロゾルを噴射ノズルからガラス基板に向けて20分間噴射し、膜厚20μmのBaTiO3膜を形成した。
成膜中のエアロゾル濃度は5体積%、エアロゾル濃度のばらつきは1%であった。また、成膜中の成膜室内の圧力は200Paであり、成膜速度は1μm/分±0.5μm/分であった。
[比較例]
本発明によらない比較例では、実施例1において、一次粒子化機構を設けず、それ以外は同様の構成のAD成膜装置を用いて実施例1と同様にして成膜を行った。
成膜中のエアロゾル濃度は10体積%、エアロゾル濃度のばらつきは4%であった。また、成膜中の成膜室内の圧力は200Paであり、成膜速度は1μm/分±0.5μm/分であった。
図8は、実施例及び比較例のBaTiO3膜の特性図である。図8を参照するに、膜の緻密性を示す吸水率は、比較例に対して実施例1および実施例2のBaTiO3膜は良好となった。より微視的な緻密性を示す比誘電率では、比較例の200よりも、実施例1および実施例2はいずれも高くなった。これらのことから、比較例に対して実施例1および実施例2のBaTiO3膜はより緻密に形成されていることが分かる。
また、誘電損失tanδは、比較例に対して実施例2のBaTiO3膜は低減されていることが分かる。したがって、BaTiO3膜の緻密化が不十分であると、粒子表面に付着する水分等により導電性を帯び、その結果、誘電損失が増大する。しかし、実施例2のBaTiO3膜は誘電損失が低減されているので、BaTiO3膜が緻密化されていることが分かる。
また、BaTiO3膜とガラス基板との密着強度(膜−基板間密着強度)は、比較例の3kg/mm2以上に対して、実施例1および実施例2のBaTiO3膜は、5kg/mm2であり、膜−基板間密着硬度が向上していることが分かる。
また、表面粗さはBaTiO3膜の緻密性や、表面あるいは膜中の空孔等の発生を反映するものであり、小さい程好ましいものである。図8に示すように、表面粗さは、比較例に対して、実施例1および実施例2は低減されている。また、BaTiO3膜の表面の最大空孔径は、比較例に対して、実施例1および実施例2が低減され、特に実施例2が良好となっている。これらのことから、実施例1および実施例2のBaTiO3膜は、膜の緻密性が向上し、空孔発生が抑制されていることが分かる。
以上により、実施例1、実施例2、および比較例によれば、比較例よりも実施例1および実施例2の方が、緻密で空孔の少ないBaTiO3膜が形成できたことが分かる。特に、実施例1よりも実施例2の方が良質なBaTiO3膜が形成できたことが分かる。
なお、吸水率は、BaTiO3膜が形成された基板を水に1時間浸漬し、その前後の質量の差を膜の質量で割って求めた。
比誘電率およびtanδ(誘電損失)は、ガラス基板上に下部電極を設け、その上に、BaTiO3膜および上部電極を形成し、下部電極および上部電極を介してBaTiO3膜に周波数100MHzの高周波電圧を印加して測定した。tanδは摂動法を用いて、ネットワークアナライザを使用して測定した。
また、BaTiO3膜のガラス基板に対する膜−基板間密着強度は、セバスチャン法を用いて測定した。セバスチャン法は、BaTiO3膜が形成されたガラス基板を固定し、BaTiO3膜の表面に密着試験子を接着剤で固定する。そして、密着試験子を引き上げてBaTiO3膜がガラス基板から剥がれたときの密着試験子単位面積当りの引き上げ力(kg/mm2)の大きさを密着性の指標とするものであり、引き上げ力が大きいほど密着性が大きいことが示す。
また、BaTiO3膜の表面粗さは触針法により測定し、表面の最大空孔径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による表面観察により測定したものである。
以上本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 無機材料からなる微粒子とキャリアガスからなるエアロゾルを形成するエアロゾル形成手段と、
前記エアロゾルを噴射ノズルにより噴射して基体上に無機材料膜を成膜する成膜手段と、
前記エアロゾル形成手段と成膜手段との間に、エアロゾルに含まれる微粒子を分散させる一次粒子化手段とを備えるエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記2) 前記一次粒子化手段は、エアロゾルの流路に配置された障壁部からなり、
該エアロゾルに含まれる微粒子を該障壁部に衝突させて分散させることを特徴とする付記1記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記3) 前記一次粒子化手段は、エアロゾルの流路に配置された第1の障壁部材と、その下流側に配置された第2の障壁部材からなり、
前記第1の障壁部材および第2の障壁部材の一部に、エアロゾルを通過させる開口部が各々設けられてなることを特徴とする付記2記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記4) 前記第1の障壁部材および第2の障壁部材は互いに対向して設けられ、
前記第1の障壁板の開口部と、第2の障壁板の開口部とは互いに対向しない位置に設けられてなることを特徴とする付記3記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記5) 前記一次粒子化手段は、エアロゾルの流路に配置された第1の障壁部材と、その下流側に配置された第2の障壁部材からなり、
前記第1の障壁部材は、流路を画成する内壁の一側に固着されると共に他側を開口し、第2の障壁部材は前記他側に固着されると共に前記一側を開口してなることを特徴とする付記2記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記6) 前記第1の障壁部材および第2の障壁部材は、各々の上流側の表面が上流から下流に向かって傾斜して形成されてなることを特徴とする付記5記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記7) 前記一次粒子化手段は、ノズル部と、その下流側に配置された第3の障壁部材からなり、
前記ノズル部は、下流に向かって開口面積が減少する先細り形状のノズル流路を有し、
前記第3の障壁部材は、前記ノズル流路の下流側の開口部に近接して配置され、該開口部と対向しない位置に他の開口部を有し、該ノズル流路から流出したエアロゾルに含まれる微粒子を第3の障壁部材に衝突させることを特徴とする付記2記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記8) 前記一次粒子化手段は、エアロゾルの流れを分岐させてなる第1の小流路および第2の小流路と、それらの下流側で第1の小流路および第2の小流路を互いに交叉させる合流部とからなり、該合流部で第1の小流路を流通するエアロゾルに含まれる微粒子と第2の小流路を流通するエアロゾルに含まれる微粒子とを互いに衝突させて分散させることを特徴とする付記1記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記9) 前記一次粒子化手段は、エアロゾルの流路内に設けられた一対の電極と、該一対の電極間に交流電圧を印加する交流電源とからなり、
前記エアロゾルに含まれる微粒子を帯電させ、前記電極に電気的引力により衝突させて微粒子を分散させることを特徴とする付記1記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記10) 前記電極はエアロゾルの流れ方向に沿って配置され、該流れ方向に直交する方向に電圧が印加されることを特徴とする付記9記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記11) 前記一対の電極は各々平板形状を有し、互いに平行に配置されてなることを特徴とする付記10記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記12) 前記一次粒子化手段は、前記流れ方向に略直交する方向に複数の対からなる電極が配置されてなることを特徴とする付記11記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記13) 前記一次粒子化手段は、エアロゾル形成手段からの流路よりも断面積が広い流路内に設けられてなることを特徴とする付記12記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
本発明の第1の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置の概略構成図である。 第1の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置を構成する一次粒子化機構の構成図である。 第1の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置を構成する一次粒子化機構の第1変形例の構成図である。 第1の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置を構成する一次粒子化機構の第2変形例の構成図である。 第1の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置を構成する一次粒子化機構の第3変形例の構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置を構成する一次粒子化機構の構成図である。 第2の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置を構成する一次粒子化機構の変形例の構成図である。 実施例及び比較例のBaTiO3膜の特性図である。
符号の説明
10 エアロゾルデポジッション成膜装置(AD成膜装置)
20 エアロゾル形成部
21 エアロゾル発生器
27 微粒子
27a 微粒子凝集体
27b 一次粒子化された微粒子
29 エアロゾル
30、30A、30B、30C、60、60A 一次粒子化機構
31 第1障壁板
31a、32a、38a 開口部
31b、32b 上流側表面
31c 下流側表面
32 第2障壁板
34−1〜34−4 障壁部材
36 ノズル部
36a 先細り流路
36b 流路
36c 下流側表面
38、39 障壁板
38b 上流側表面
39a 第1流路
39b 第2流路
39c 合流部
39d 第3流路
40 成膜部
41 成膜室
42 噴射ノズル
43 基板
44 基板保持台
45 XYZステージ
46 エアロデポジション膜(AD膜)
61、61−1〜61−3 第1電極
62、62−1〜62−3 第2電極
63 交流電源
64 接地
65−1〜65−5 流路

Claims (5)

  1. 無機材料からなる微粒子とキャリアガスからなるエアロゾルを形成するエアロゾル形成手段と、
    前記エアロゾルを噴射ノズルにより噴射して基体上に無機材料膜を成膜する成膜手段と、
    前記エアロゾル形成手段と成膜手段との間に、エアロゾルに含まれる微粒子を分散させる一次粒子化手段とを備え
    前記一次粒子化手段は、エアロゾルの流路に配置された障壁部からなり、該エアロゾルに含まれる微粒子を該障壁部に衝突させて分散させるものであって、
    前記一次粒子化手段は、エアロゾルの流路に配置された第1の障壁部材と、その下流側に配置された第2の障壁部材からなり、
    前記第1の障壁部材および第2の障壁部材の一部に、エアロゾルを通過させる開口部が各々設けられてなることを特徴とするエアロゾルデポジッション成膜装置。
  2. 前記一次粒子化手段は、ノズル部と、その下流側に配置された第3の障壁部材からなり、
    前記ノズル部は、下流に向かって開口面積が減少する先細り形状のノズル流路を有し、
    前記第3の障壁部材は、前記ノズル流路の下流側の開口部に近接して配置され、該開口部と対向しない位置に他の開口部を有し、該ノズル流路から流出したエアロゾルに含まれる微粒子を第3の障壁部材に衝突させることを特徴とする請求項記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
  3. 前記第1の障壁部材および第2の障壁部材は互いに対向して設けられ、
    前記第1の障壁板の開口部と、第2の障壁板の開口部とは互いに対向しない位置に設けられてなることを特徴とする請求項1記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
  4. 前記第1の障壁部材は、流路を画成する内壁の一側に固着されると共に他側を開口し、第2の障壁部材は前記他側に固着されると共に前記一側を開口してなるものであって、
    前記第1の障壁部材および第2の障壁部材は、各々の上流側の表面が上流から下流に向かって傾斜して形成されてなることを特徴とする請求項1記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
  5. 無機材料からなる微粒子とキャリアガスからなるエアロゾルを形成するエアロゾル形成手段と、
    前記エアロゾルを噴射ノズルにより噴射して基体上に無機材料膜を成膜する成膜手段と、
    前記エアロゾル形成手段と成膜手段との間に、エアロゾルに含まれる微粒子を分散させる一次粒子化手段とを備え、
    前記一次粒子化手段は、エアロゾルの流路内に設けられた一対の電極と、該一対の電極間に交流電圧を印加する交流電源とからなり、
    前記エアロゾルに含まれる微粒子を帯電させ、前記電極に電気的引力により衝突させて微粒子を分散させることを特徴とするエアロゾルデポジッション成膜装置。
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JP3348154B2 (ja) * 1999-10-12 2002-11-20 独立行政法人産業技術総合研究所 複合構造物及びその作製方法並びに作製装置

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