JP4589572B2 - 内視鏡用細胞診ブラシ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに通されて用いられ、体内の細胞を粘膜面等から擦り取って採取する内視鏡用細胞診ブラシに関する。
【０００２】
【従来の技術】
内視鏡用細胞診ブラシは、一般に、撚り合わせられた二本の硬質ワイヤの間に多数のブラシ毛が挟み込まれた植毛部が、可撓軸の先端に設けられた構成になっている。
【０００３】
しかし、単純にそのような構成にしたのでは、粘膜面等から擦り取られた細胞の大半がブラシ毛の周縁部に付着するので、細胞診ブラシが内視鏡の処置具挿通チャンネル内に引き込まれる際に、ブラシに付着している細胞の多くが処置具挿通チャンネル側にしごき取られてしまい、僅かな量の細胞しか採取することができない。
【０００４】
また、そのようにして採取された細胞はブラシ毛の隙間に入り込んだ状態になっているので、それをブラシから完全に取り出すには非常に面倒な作業が必要であり、雑な作業をすると細胞が周囲に飛散する等して感染源になるおそれがあった。
【０００５】
そこで、従来は例えば実開昭５８−８６１０８号等に示されるように、ブラシ毛の長さを部分的に変化させて植毛部の外周面に凹凸を形成し、細胞が凹部内に収容されるようにしていた。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、植毛部の外周面に凹凸を形成して細胞が凹部内に収容されるようにしたものでも、ブラシによって擦り取られた細胞が凹部のブラシ毛の隙間に入り込むことには変わりがないので、細胞をブラシから完全に取り出すには面倒な作業が必要であり、雑な作業をすると細胞が周囲に飛散する等して感染源になる可能性があった。
【０００７】
そこで本発明は、より多くの細胞を容易に採取することができ、しかも細胞を容易かつ完全にブラシから取り出すことができる内視鏡用細胞診ブラシを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用細胞診ブラシは、撚り合わせられた二本の硬質ワイヤの間に多数のブラシ毛が挟み込まれた植毛部が可撓軸の先端に設けられた内視鏡用細胞診ブラシにおいて、植毛部を間をあけて複数箇所に形成し、隣り合う植毛部間の間隔Ｌがブラシ径Ｄに対して、Ｄ≦Ｌ≦２Ｄの範囲にあるようにしたものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図１は、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される内視鏡用細胞診ブラシの先端部分を示している。
【００１０】
例えばステンレス鋼線材からなる二本の硬質ワイヤ１ａが寄り合わされ、その撚り合わせ部分の間に例えばポリアミド樹脂線材等からなる多数のブラシ毛２が挟み込まれて植毛部Ａが形成されている。
【００１１】
そのような先端部分以外の部分（図１の右方）では、二本の硬質ワイヤ１ａが何も挟まずに寄り合わされて、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネルを通過する長さ（例えば１．５ｍ程度）の可撓軸１を形成している。ただし、硬質ワイヤ１ａとは別の部材で可撓軸１を形成して、その先端に硬質ワイヤ１ａを連結してもよい。
【００１２】
植毛部Ａは、硬質ワイヤ１ａの最先端部とそこから間をあけた位置の二箇所に形成されており、二つの植毛部Ａの間の部分は、二本の硬質ワイヤ１ａが何も挟まずに寄り合わされた無毛部Ｂになっている。
【００１３】
このように構成された内視鏡用細胞診ブラシを内視鏡の処置具挿通チャンネルに通して植毛部Ａで体内粘膜面を擦ると、粘膜面から細胞が擦り取られ、その細胞は二つの植毛部Ａの間の無毛部Ｂに保持される。
【００１４】
そして、図２に示されるように、その状態で内視鏡用細胞診ブラシを処置具挿通チャンネル１０内に引き込むと、無毛部Ｂに保持された細胞１００が処置具挿通チャンネル１０に触れることなく採取される。
【００１５】
そして、無毛部Ｂに保持された細胞１００はブラシ毛２の隙間に入り込んでいないので、その全量をピンの先等で無毛部Ｂから容易に取り出して検査処理に回すことができる。
【００１６】
このような内視鏡用細胞診ブラシの無毛部Ｂの軸線方向の長さＬは、短すぎると細胞１００の採取量が不十分になり、長すぎるとそこに保持された細胞１００が処置具挿通チャンネル１０に触れ易くなって脱落し易くなる。
【００１７】
そこで、二つの植毛部Ａ間の間隔（即ち、無毛部Ｂの軸線方向の長さ）をＬとし、植毛部Ａの直径（即ち、ブラシ毛２の長さ）をＤとしたとき、Ｌが、Ｄ≦Ｌ≦２Ｄの範囲にあると、十分な量の細胞を脱落なく採取して容易に取り外すことができる。
【００１８】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば植毛部Ａは間隔をあけて３ヵ所以上に設けてもよい。
【００１９】
【発明の効果】
本発明によれば、隣り合う植毛部間の間隔Ｌがブラシ径Ｄに対して、Ｄ≦Ｌ≦２Ｄの範囲にあるようにしたことにより、より多くの細胞を容易に採取することができ、しかも採取した細胞を容易かつ完全にブラシから取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例の内視鏡用細胞診ブラシの先端部分の側面断面図である。
【図２】本発明の実施例の内視鏡用細胞診ブラシで細胞を採取している状態の側面断面図である。
【符号の説明】
１ 可撓軸
１ａ 硬質ワイヤ
２ ブラシ毛
１０ 処置具挿通チャンネル
１００ 細胞
Ａ 植毛部
Ｄ ブラシ径
Ｌ 植毛部間の間隔
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに通されて用いられ、体内の細胞を粘膜面等から擦り取って採取する内視鏡用細胞診ブラシに関する。
【０００２】
【従来の技術】
内視鏡用細胞診ブラシは、一般に、撚り合わせられた二本の硬質ワイヤの間に多数のブラシ毛が挟み込まれた植毛部が、可撓軸の先端に設けられた構成になっている。
【０００３】
しかし、単純にそのような構成にしたのでは、粘膜面等から擦り取られた細胞の大半がブラシ毛の周縁部に付着するので、細胞診ブラシが内視鏡の処置具挿通チャンネル内に引き込まれる際に、ブラシに付着している細胞の多くが処置具挿通チャンネル側にしごき取られてしまい、僅かな量の細胞しか採取することができない。
【０００４】
また、そのようにして採取された細胞はブラシ毛の隙間に入り込んだ状態になっているので、それをブラシから完全に取り出すには非常に面倒な作業が必要であり、雑な作業をすると細胞が周囲に飛散する等して感染源になるおそれがあった。
【０００５】
そこで、従来は例えば実開昭５８−８６１０８号等に示されるように、ブラシ毛の長さを部分的に変化させて植毛部の外周面に凹凸を形成し、細胞が凹部内に収容されるようにしていた。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、植毛部の外周面に凹凸を形成して細胞が凹部内に収容されるようにしたものでも、ブラシによって擦り取られた細胞が凹部のブラシ毛の隙間に入り込むことには変わりがないので、細胞をブラシから完全に取り出すには面倒な作業が必要であり、雑な作業をすると細胞が周囲に飛散する等して感染源になる可能性があった。
【０００７】
そこで本発明は、より多くの細胞を容易に採取することができ、しかも細胞を容易かつ完全にブラシから取り出すことができる内視鏡用細胞診ブラシを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用細胞診ブラシは、撚り合わせられた二本の硬質ワイヤの間に多数のブラシ毛が挟み込まれた植毛部が可撓軸の先端に設けられた内視鏡用細胞診ブラシにおいて、植毛部を間をあけて複数箇所に形成し、隣り合う植毛部間の間隔Ｌがブラシ径Ｄに対して、Ｄ≦Ｌ≦２Ｄの範囲にあるようにしたものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図１は、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される内視鏡用細胞診ブラシの先端部分を示している。
【００１０】
例えばステンレス鋼線材からなる二本の硬質ワイヤ１ａが寄り合わされ、その撚り合わせ部分の間に例えばポリアミド樹脂線材等からなる多数のブラシ毛２が挟み込まれて植毛部Ａが形成されている。
【００１１】
そのような先端部分以外の部分（図１の右方）では、二本の硬質ワイヤ１ａが何も挟まずに寄り合わされて、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネルを通過する長さ（例えば１．５ｍ程度）の可撓軸１を形成している。ただし、硬質ワイヤ１ａとは別の部材で可撓軸１を形成して、その先端に硬質ワイヤ１ａを連結してもよい。
【００１２】
植毛部Ａは、硬質ワイヤ１ａの最先端部とそこから間をあけた位置の二箇所に形成されており、二つの植毛部Ａの間の部分は、二本の硬質ワイヤ１ａが何も挟まずに寄り合わされた無毛部Ｂになっている。
【００１３】
このように構成された内視鏡用細胞診ブラシを内視鏡の処置具挿通チャンネルに通して植毛部Ａで体内粘膜面を擦ると、粘膜面から細胞が擦り取られ、その細胞は二つの植毛部Ａの間の無毛部Ｂに保持される。
【００１４】
そして、図２に示されるように、その状態で内視鏡用細胞診ブラシを処置具挿通チャンネル１０内に引き込むと、無毛部Ｂに保持された細胞１００が処置具挿通チャンネル１０に触れることなく採取される。
【００１５】
そして、無毛部Ｂに保持された細胞１００はブラシ毛２の隙間に入り込んでいないので、その全量をピンの先等で無毛部Ｂから容易に取り出して検査処理に回すことができる。
【００１６】
このような内視鏡用細胞診ブラシの無毛部Ｂの軸線方向の長さＬは、短すぎると細胞１００の採取量が不十分になり、長すぎるとそこに保持された細胞１００が処置具挿通チャンネル１０に触れ易くなって脱落し易くなる。
【００１７】
そこで、二つの植毛部Ａ間の間隔（即ち、無毛部Ｂの軸線方向の長さ）をＬとし、植毛部Ａの直径（即ち、ブラシ毛２の長さ）をＤとしたとき、Ｌが、Ｄ≦Ｌ≦２Ｄの範囲にあると、十分な量の細胞を脱落なく採取して容易に取り外すことができる。
【００１８】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば植毛部Ａは間隔をあけて３ヵ所以上に設けてもよい。
【００１９】
【発明の効果】
本発明によれば、隣り合う植毛部間の間隔Ｌがブラシ径Ｄに対して、Ｄ≦Ｌ≦２Ｄの範囲にあるようにしたことにより、より多くの細胞を容易に採取することができ、しかも採取した細胞を容易かつ完全にブラシから取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例の内視鏡用細胞診ブラシの先端部分の側面断面図である。
【図２】本発明の実施例の内視鏡用細胞診ブラシで細胞を採取している状態の側面断面図である。
【符号の説明】
１ 可撓軸
１ａ 硬質ワイヤ
２ ブラシ毛
１０ 処置具挿通チャンネル
１００ 細胞
Ａ 植毛部
Ｄ ブラシ径
Ｌ 植毛部間の間隔
Claims (1)
- 撚り合わせられた二本の硬質ワイヤの間に多数のブラシ毛が挟み込まれた植毛部が可撓軸の先端に設けられた内視鏡用細胞診ブラシにおいて、
上記植毛部を間をあけて複数箇所に形成し、隣り合う上記植毛部間の間隔Ｌがブラシ径Ｄに対して、
Ｄ≦Ｌ≦２Ｄ
の範囲にあるようにしたことを特徴とする内視鏡用細胞診ブラシ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001194707A JP4589572B2 (ja) | 2001-06-27 | 2001-06-27 | 内視鏡用細胞診ブラシ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001194707A JP4589572B2 (ja) | 2001-06-27 | 2001-06-27 | 内視鏡用細胞診ブラシ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003010108A JP2003010108A (ja) | 2003-01-14 |
| JP4589572B2 true JP4589572B2 (ja) | 2010-12-01 |
Family
ID=19032797
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001194707A Expired - Fee Related JP4589572B2 (ja) | 2001-06-27 | 2001-06-27 | 内視鏡用細胞診ブラシ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4589572B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5981927B2 (ja) * | 2010-10-19 | 2016-08-31 | ユナイテッド ステイツ エンドスコピー グループ，インコーポレイテッド | 改良された細胞診ブラシ器具 |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5886108U (ja) * | 1981-12-08 | 1983-06-11 | 富士写真光機株式会社 | 擦過細胞診用ブラシ |
| JPH07178099A (ja) * | 1993-12-24 | 1995-07-18 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | 内視鏡用生検ブラシ |
| JPH08280693A (ja) * | 1995-04-17 | 1996-10-29 | Olympus Optical Co Ltd | 内視鏡用生検ブラシ具 |
| JPH09108227A (ja) * | 1995-09-13 | 1997-04-28 | Cook Inc | 医療装置 |
-
2001
- 2001-06-27 JP JP2001194707A patent/JP4589572B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5886108U (ja) * | 1981-12-08 | 1983-06-11 | 富士写真光機株式会社 | 擦過細胞診用ブラシ |
| JPH07178099A (ja) * | 1993-12-24 | 1995-07-18 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | 内視鏡用生検ブラシ |
| JPH08280693A (ja) * | 1995-04-17 | 1996-10-29 | Olympus Optical Co Ltd | 内視鏡用生検ブラシ具 |
| JPH09108227A (ja) * | 1995-09-13 | 1997-04-28 | Cook Inc | 医療装置 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2003010108A (ja) | 2003-01-14 |
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Legal Events
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