JP4586425B2 - 振動式トランスデューサ - Google Patents
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Description
図26は、従来より一般に使用されている振動式トランスデューサの一例を示す側面断面図。図27は、そのA−A断面図である。図において、1は半導体単結晶基板、2は半導体基板1の一部を薄く加工して形成され、測定圧Pmを受圧する測定ダイアフラムである。3は測定ダイアフラム2内に埋め込まれるように設けられた歪検出センサであり、ここでは、振動梁(振動子)が使用されている。4は振動子3を測定ダイアフラム2(半導体基板1)内に真空封止するためのシェルである。5はシェル4により形成される真空室である。
また、振動子3は、永久磁石(図示せず)による磁場と、この振動子3に接続された閉ループ自励振回路(図示せず)とにより励振され、その固有振動数(共振周波数)で振動するように構成されている。
したがって、測定ダイアフラム2に測定圧Pmが加わると、振動子3の軸力が変化して、共振周波数が変化するので、この共振周波数(発振周波数)の変化を検出することにより、測定圧Pmの大きさを測定することができる。
しかしながら、永久磁石を必要とすることや、磁石と振動子との位置合わせを精度良く行わなければならないこと等の問題点を有しており、製造コストを上昇させる要因となっている。
また、本発明は、振動子を単結晶シリコンにより構成して、振動子の残留歪の制御を容易にすることができるとともに、振動子の駆動および共振周波数変化の検出機構を簡素化することのできる振動式トランスデューサを実現することを目的としたものである。
さらに、本発明は、寄生容量に流れる電流等のノイズ成分を除去して、S/N比の改善された検出出力を得ることのできる振動式トランスデューサを実現することを目的としたものである。
(3)半導体基板内に振動子を形成するとともに、この振動子をシェルにより形成される真空室内に配置し、振動子に加わる歪の大きさをこの振動子の共振周波数の変化として検出するようにした振動式トランスデューサにおいて、前記シェルの内部に形成された第1の振動子を有する第1の振動子ユニットと、前記第1の振動子とは異なる共振周波数を持つ第2の振動子を有すること以外は前記第1の振動子ユニットと同一構成になった第2の振動子ユニットとを具備し、歪による共振周波数の変化を前記振動子とシェルとの間の静電容量の変化として検出するとともに、前記第1および第2の振動子ユニットを前記第1の振動子における共振周波数で励振し、前記第1および第2の振動子ユニットにおいて各静電容量に流れる電流の差を検出し、
前記第2の振動子ユニットは前記第1の振動子ユニットと、第2の振動子を形成するためのエッチング液導入穴の配置を、前記第1の振動子を形成するためのエッチング液導入穴の配置から、振動子の中央部に相当する位置を省略したものとするようにパターニングするプロセス以外は同一のプロセスにより形成されることを特徴とする。
(4)前記半導体基板はシリコン単結晶の基板であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の振動式トランスデューサ。
(6)前記第2の振動子ユニットにおいて、第2の振動子をエッチング処理により形成する際に、前記第2の振動子の下面に接する犠牲層を残すことを特徴とする(1)に記載の振動式トランスデューサ。
(7)前記第2の振動子ユニットにおいて、第2の振動子をエッチング処理により形成する際に、前記第2の振動子に上下面に接する犠牲層を残すことを特徴とする(1)に記載の振動式トランスデューサ。
(9)前記第1の振動子ユニットと前記第2の振動子ユニットとを同一基板上に形成したことを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載の振動式トランスデューサ。
(10)前記第1および第2の振動子ユニットにおいて、振動子とシェルとの間をエッチング処理するに際して、エッチングされる犠牲層として、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜を用いたことを特徴とする(1)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)のいずれかに記載の振動式トランスデューサ。
(12)前記第1および第2の振動子ユニットにおいて、振動子下部の犠牲層を前記シリコン単結晶の基板への不純物拡散により形成するとともに、振動子を基板上へのエピタキシャル成長をパターニングして形成したことを特徴とする(1)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)のいずれかに記載の振動式トランスデューサ。
(13)前記第1および第2の振動子ユニットにおいて、振動子および振動子下部の犠牲層を前記シリコン単結晶の基板へのエピタキシャル成長をパターニングして形成したことを特徴とする(1)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)のいずれかに記載の振動式トランスデューサ。
また、同様のプロセスにより、共振周波数の異なる第1および第2の振動子ユニットを形成し、第1および第2の振動子ユニットにおいて各静電容量に流れる電流の差を検出するようにしているので、寄生容量に流れる電流などのノイズ成分を除去して、S/N比の改善された検出出力を得ることができる。
本発明の振動式トランスデューサでは、第1および第2の振動子31,32とシェル4との間の静電容量を利用して、第1および第2の振動子31,32の駆動および共振周波数変化の検出を行うとともに、第1および第2の振動子ユニットU1,U2において各静電容量に流れる電流の差を検出するように構成しているので、寄生容量に流れる電流などのノイズ成分を除去して、S/N比の改善された検出出力を得ることができる。
酸化膜を除去した部分をアンダーカットして凹部を形成し、ボロンの濃度1018cm−3のP型シリコンにより選択エピタキシャル成長を行って、P+単結晶シリコン11を成長させる。次に、ボロンの濃度3×1019cm−3のP型シリコンにより、P+単結晶シリコン11の表面に、凹部を塞ぎ更に上方にP++単結晶シリコン12aを成長させる。後に、P+単結晶シリコン層が振動子下のギャップ、P++単結晶シリコン層が振動子となる。
図10において、シリコン基板1を裏面から薄肉化して、測定ダイアフラム2を形成する。
このようにして、第1の振動子31およびこの振動子を有する第1の振動子ユニットU1が形成される。
図11〜図15は、第2の振動子ユニットU2における製造プロセスの概略を示す工程図である。なお、第2の振動子ユニットU2における製造プロセスは、基本的に前記した第1の振動子ユニットU1における製造プロセスと同様であるので、ここでは、その相違する部分のみについて説明する。
図15は、この様子を前記図7に対応させて示したものである。振動子上の犠牲層16の一部が残っている。
また、図17は、そのB−B断面図である。
しかしながら、このような回路では、C1が変化しなくてもC1に流れる電流、C2を流れる電流、C3、C4を経由して流れる電流を同時に検出しており、これがノイズ電流となっている。
図20は、この状態を示す平面図である。図に示すように、第1および第2の振動子31、32は共通のシェル4(真空室)の中に形成されている。
このため、エッチング時間を制御することにより、第2の振動子32側の犠牲層16の一部のみを残すことができる。
2 測定ダイアフラム
3 振動子
4 シェル
5 真空室
10 シリコン酸化膜
11 P+単結晶シリコン
12 P++単結晶シリコン
13 シリコン窒化膜
14 P++ポリシリコン
15 封止部材
16 犠牲層
20 配線
21 ボンディングパッド
Claims (13)
- 半導体基板内に振動子を形成するとともに、この振動子をシェルにより形成される真空室内に配置し、振動子に加わる歪の大きさをこの振動子の共振周波数の変化として検出するようにした振動式トランスデューサにおいて、前記シェルの内部に形成された第1の振動子を有する第1の振動子ユニットと、第2の振動子を有し、この第2の振動子をエッチング処理により形成する際に前記第2の振動子に接する犠牲層の一部が残されることで前記第2の振動子が前記第1の振動子とは異なる共振周波数を持つこと以外は、前記第1の振動子ユニットと同一構成になった第2の振動子ユニットとを具備し、歪による共振周波数の変化を前記振動子とシェルとの間の静電容量の変化として検出するとともに、前記第1および第2の振動子ユニットを前記第1の振動子における共振周波数で励振し、前記第1および第2の振動子ユニットにおいて各静電容量に流れる電流の差を検出することを特徴とする振動式トランスデューサ。
- 半導体基板内に振動子を形成するとともに、この振動子をシェルにより形成される真空室内に配置し、振動子に加わる歪の大きさをこの振動子の共振周波数の変化として検出するようにした振動式トランスデューサにおいて、前記シェルの内部に形成された第1の振動子を有する第1の振動子ユニットと、前記第1の振動子とは異なる長さに形成され前記第1の振動子とは異なる共振周波数を持つ第2の振動子を有すること以外は前記第1の振動子ユニットと同一構成になった第2の振動子ユニットとを具備し、歪による共振周波数の変化を前記振動子とシェルとの間の静電容量の変化として検出するとともに、前記第1および第2の振動子ユニットを前記第1の振動子における共振周波数で励振し、前記第1および第2の振動子ユニットにおいて各静電容量に流れる電流の差を検出することを特徴とする振動式トランスデューサ。
- 半導体基板内に振動子を形成するとともに、この振動子をシェルにより形成される真空室内に配置し、振動子に加わる歪の大きさをこの振動子の共振周波数の変化として検出するようにした振動式トランスデューサにおいて、前記シェルの内部に形成された第1の振動子を有する第1の振動子ユニットと、前記第1の振動子とは異なる共振周波数を持つ第2の振動子を有すること以外は前記第1の振動子ユニットと同一構成になった第2の振動子ユニットとを具備し、歪による共振周波数の変化を前記振動子とシェルとの間の静電容量の変化として検出するとともに、前記第1および第2の振動子ユニットを前記第1の振動子における共振周波数で励振し、前記第1および第2の振動子ユニットにおいて各静電容量に流れる電流の差を検出し、
前記第2の振動子ユニットは前記第1の振動子ユニットと、第2の振動子を形成するためのエッチング液導入穴の配置を、前記第1の振動子を形成するためのエッチング液導入穴の配置から、振動子の中央部に相当する位置を省略したものとするようにパターニングするプロセス以外は同一のプロセスにより形成されることを特徴とする振動式トランスデューサ。 - 前記半導体基板はシリコン単結晶の基板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の振動式トランスデューサ。
- 前記第2の振動子ユニットにおいて、第2の振動子をエッチング処理により形成する際に、前記第2の振動子の上面に接する犠牲層を残すことを特徴とする請求項1に記載の振動式トランスデューサ。
- 前記第2の振動子ユニットにおいて、第2の振動子をエッチング処理により形成する際に、前記第2の振動子の下面に接する犠牲層を残すことを特徴とする請求項1に記載の振動式トランスデューサ。
- 前記第2の振動子ユニットにおいて、第2の振動子をエッチング処理により形成する際に、前記第2の振動子に上下面に接する犠牲層を残すことを特徴とする請求項1に記載の振動式トランスデューサ。
- 前記第1の振動子ユニットと前記第2の振動子ユニットとを同一の真空室内に形成したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の振動式トランスデューサ。
- 前記第1の振動子ユニットと前記第2の振動子ユニットとを同一基板上に形成したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の振動式トランスデューサ。
- 前記第1および第2の振動子ユニットにおいて、振動子とシェルとの間をエッチング処理するに際して、エッチングされる犠牲層として、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜を用いたことを特徴とする請求項1、4、5、6、7、8、9のいずれかに記載の振動式トランスデューサ。
- 前記第1および第2の振動子ユニットにおいて、振動子および振動子下部の犠牲層を前記シリコン単結晶の基板への不純物拡散により形成したことを特徴とする請求項1、4、5、6、7、8、9、10のいずれかに記載の振動式トランスデューサ。
- 前記第1および第2の振動子ユニットにおいて、振動子下部の犠牲層を前記シリコン単結晶の基板への不純物拡散により形成するとともに、振動子を基板上へのエピタキシャル成長をパターニングして形成したことを特徴とする請求項1、4、5、6、7、8、9、10のいずれかに記載の振動式トランスデューサ。
- 前記第1および第2の振動子ユニットにおいて、振動子および振動子下部の犠牲層を前記シリコン単結晶の基板へのエピタキシャル成長をパターニングして形成したことを特徴とする1、4、5、6、7、8、9、10のいずれかに記載の振動式トランスデューサ。
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