JP4585085B2 - 核医学診断装置及び減弱補正方法 - Google Patents

核医学診断装置及び減弱補正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核医学診断装置及び減弱補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、放射性同位元素(以下、「RI」と略すことがある)により標識した薬剤を被検体内に投与し、当該RIから放射されるガンマ線を検知・計測した結果に基づいて、当該RIの被検体内における分布の様子を画像化する核医学診断装置が提供されている。特に、前記画像を、三次元分布画像(断層像)として撮影する装置ないし手段としては、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置が広く知られている。このような画像により、装置使用者ないし術者は、外科的手段によることなく被検体内部の様子を確認することができる。
【0003】
上記核医学診断装置においては、前記ガンマ線を検知・計測するため、いわゆる「放射線検出部」を搭載することが必須である。この放射線検出部は、ガンマ線の入射を受け、その入射位置及びエネルギを反映しつつ、これを電気信号に変換するという機能を基本的に備えるものである。
【0004】
このようなものとして従来、コリメータ、シンチレータ(例えばNaI結晶から構成される)及び光電増倍管を主とした構成からなるものが広く利用されていた。これによれば、コリメータを介して入射したガンマ線がシンチレータにより光信号に変換され、この光信号が光電増倍管により電気信号に変換される。シンチレータでは、ガンマ線の入射位置及びそのエネルギが判明するから、前記電気信号はこれらの情報を反映したものとなっている。したがって、この電気信号を投影データとして収集し、これを再構成すれば被検体の断層像を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記放射線検出部におけるガンマ線検知及び電気信号への変換に関しては、次のような問題点があった。すなわち、被検体から発せられるガンマ線は、一般に、当該被検体内におけるコンプトン散乱及び光電効果等に起因する「減弱」の影響を受けており、このため取得される電気信号ないしは投影データは、必ずしも被検体におけるRI分布を正確に反映したものとはなっていなかった。
【0006】
このような不具合を解消するため、従来では、被検体の外部からRI線源やX線源を照射することにより、当該被検体内における減弱係数分布を求め、これに基づき減弱を補正する手法が提案されていた。
【0007】
しかし、このような手法では、通常の核医学診断装置の機能とは別に、(1)RI線源やX線源を別途用意する必要があり、(2)被検体に対する被曝量が増大する等の問題がある。また、後者に関しては、被検体だけでなく、場合により装置を使用する技師や医師に対する放射線被曝量を増大させる可能性もある。さらに、(3)減弱係数分布を求めるためのデータ収集を、画像を作成するための通常のデータ収集とは別に実施すると、全体としてデータ収集時間が長くなるという問題点もあった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、本発明は、RI線源やX線源による被検体外部からの照射を行わず、また、通常検査と同じデータ収集時間で減弱補正を行い得る核医学診断装置及び減弱補正方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために以下の手段をとった。
すなわち、本発明の一形態にかかる核医学診断装置は、被検体における減弱の影響を受けた放射線を検知する放射線検出手段と、前記放射線の検知に対応して前記放射線検出手段から出力される放射線データに基づき画像を作成する画像作成手段とを少なくとも備えた核医学診断装置において、高低二種の異なるエネルギを有する放射線を発する放射性同位元素を使用するとともに、前記放射線データを前記エネルギの別に応じて収集し、高いエネルギを有する放射線データに散乱線補正処理を行わず、低いエネルギを有する放射線データに散乱線補正処理を行う選択的処理を実施するデータ収集手段と、前記エネルギの別に応じ前記減弱の影響の程度が異なることに基づき、前記データ収集手段のデータ収集結果から、高いエネルギを有する放射線データについては前記減弱を補正するための係数を経験的に得られている減弱係数値とし、低いエネルギを有する放射線データについては前記減弱を補正するための係数を水に対する減弱係数として減弱補正係数を演算することを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2記載の核医学診断装置は、請求項1記載の同装置において、前記放射線データが前記被検体周囲を回転する前記放射線検出器の当該回転に応じて取得されることを特徴とする。
【0011】
そして、請求項3記載の核医学診断装置は、請求項1又は2記載の同装置において、前記被検体を挟んで、ある方向に関し対向する関係にある放射線データに関しては、これらの幾何学平均値をもって当該方向に関する放射線データとすることを特徴とする。
【0013】
なお、本発明の一形態にかかる核医学診断装置は、上述の同装置において、前記放射線データに対し、前記減弱補正係数たる「減弱係数の投影データ」に基づく補正を行う減弱補正手段を有してもよく、前記放射線データに基づき前記画像作成手段が再構成した画像データに対し、前記減弱補正係数たる「減弱数」に基づく補正を行う減弱補正手段を有してもよい
【0014】
一方、本発明の一形態にかかる減弱補正方法は、放射線を検知する放射線検出手段と、前記放射線の検知に対応して前記放射線検出手段から出力される放射線データに基づき画像を作成する画像作成手段とを備えた核医学診断装置における減弱補正方法であって、高低二種の異なるエネルギを有する放射線を発する放射性同位元素を使用して、前記被検体における減弱の影響を受けた前記放射線データを、前記エネルギの別に応じて収集し、高いエネルギを有する放射線データに散乱線補正処理を行わず、低いエネルギを有する放射線データに散乱線補正処理を行う選択的処理を実施するデータ収集工程と、前記エネルギの別に応じ前記減弱の影響の程度が異なることに基づき、前記放射線データに関し、高いエネルギを有する放射線データについては前記減弱を補正するための係数を経験的に得られている減弱係数値とし、低いエネルギを有する放射線データについては前記減弱を補正するための係数を水に対する減弱係数として減弱補正係数を演算する工程と、前記減弱補正係数を用いて前記放射線データを補正する工程と、からなることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の一形態にかかる減弱補正方法は、放射線を検知する放射線検出手段と、前記放射線の検知に対応して前記放射線検出手段から出力される放射線データに基づき画像を作成する画像作成手段とを備えた核医学診断装置における減弱補正方法であって、高低二種の異なるエネルギを有する放射線を発する放射性同位元素を使用して、前記被検体における減弱の影響を受けた前記放射線データを、前記エネルギの別に応じて収集し、高いエネルギを有する放射線データに散乱線補正処理を行わず、低いエネルギを有する放射線データに散乱線補正処理を行う選択的処理を実施するデータ収集工程と、前記画像作成手段により前記放射線データから画像データを再構成する工程と、前記エネルギの別に応じ前記減弱の影響の程度が異なることに基づき、前記画像データに関し、高いエネルギを有する放射線データについては前記減弱を補正するための係数を経験的に得られている減弱係数値とし、低いエネルギを有する放射線データについては前記減弱を補正するための係数を水に対する減弱係数として減弱補正係数を演算する工程と、前記減弱補正係数を用いて前記画像データを補正する工程と、からなることを特徴とするものである。
【0016】
加え、本発明の一形態にかかる減弱補正方法は、上述の同方法において、前記放射線データが前記被検体周囲を回転する前記放射線検出器の当該回転に応じて取得してもよい
【0017】
また、本発明の一形態にかかる減弱補正方法は、上述の同方法において、前記被検体を挟んである方向に関し対向する関係にある放射線データに関しては、前記データ収集工程の後に、これらの幾何学平均値をもって当該方向に関する放射線データとする工程を挿入してもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の第一の実施の形態について図を参照しつつ説明する。図1は、本第一実施形態に係る核医学診断装置の構成例を示す概要図である。図1において、核医学診断装置は、放射線検出部(放射線検出手段)1、データ収集部2、減弱補正係数演算部3、減弱補正部4、再構成部(画像作成手段)5及び画像表示部6から構成されている。
【0019】
放射線検出部1は、コリメータ11、シンチレータ12及び光電子増倍管13からなっており、該放射線検出部1全体は、図示しない回動アームに支持されて、被検体P周囲を、図中矢印Aに示すように、回転することが可能となっている。
【0020】
コリメータ11は、ガンマ線を遮蔽し得る材質(例えば、鉛等)により構成され、隔壁11aによって複数に区分けされた開口部11bを有する形態となっている。被検体P内に投与された放射性同位元素から発せられたガンマ線は、この開口部11bを介して後段のシンチレータ12に到達する。
【0021】
シンチレータ12は、例えばNaI結晶により構成され、前記コリメータ11を介して到達したガンマ線を受けこれを光信号に変換し、光電増倍管13は、シンチレータ12から発せられた光信号を受けこれを電気信号に変換するものである。ここで、この電気信号は、その由来となった前記ガンマ線が、放射線検出部1(ないしシンチレータ12)におけるどの位置において検知ないし計数されたものであるか、また、当該ガンマ線が如何なるエネルギを有するものか、の各々を表象する位置情報及びエネルギ情報を含むものである。
【0022】
なお、図1においては、放射線検出部1が1台のみ設けられる形態が示されているが、場合によっては、周知のようにこれを2台設けるような形態としてよい。本発明は、この点に関し、特に拘泥されるものではない。
【0023】
データ収集部2は、前記放射線検出部1から出力される電気信号を受け取り、これを投影データ(放射線データ)として収集する。本第一実施形態においては、以下にも述べるように、ガンマ線のエネルギに応じて、投影データの収集を別個に行う。ここに「エネルギに応じて」とは、前記電気信号に含まれるエネルギ情報を参照することに基づき行われることは言うまでもない。図1では、本データ収集部2が、「低エネルギ」に関する投影データ及び「高エネルギ」に関する投影データの二種についての収集を行う、として示した。
【0024】
減弱補正係数演算部3は、前記データ収集部2における投影データの収集結果に基づいて、ガンマ線に関する減弱補正係数を演算する。ここに、「減弱」とは、ガンマ線が被検体P内を通過するに際して、コンプトン散乱したり、光電効果を生じること等によって、そのデータとしての定量性に劣化をきたす現象をいう。また、この減弱の「度合い」ないし「程度」は、一般に、ガンマ線エネルギの高低に応じ、小さく又は大きくなることが知られている。つまり、ガンマ線エネルギが高ければ減弱の度合いは小さく、その逆であれば減弱の度合いは大きい。そして、この減弱の程度を定量的に表すのが「減弱係数」である。減弱補正係数演算部3は、いま述べた「減弱」の性質及び上記した二種のエネルギのガンマ線に関するデータ収集結果に基づき、減弱の影響を受けた投影データを、正確な投影データの値に補正するための減弱補正係数を求める(その作用については、後に詳述する)。
【0025】
減弱補正部4は、上記減弱補正係数演算部3の演算結果としての減弱補正係数に基づいて、実際に測定された投影データを補正する。換言すれば、減弱がなければ本来得れれたであろう投影データを得ることを目的として、実際に測定されたデータが受けている減弱(の度合い・程度)を無視し得るように補正するということである。このとき、補正される投影データは、データ収集部2において収集された高低いずれか一方のデータに関するものであればよい。
【0026】
最後に、再構成部5は、前記減弱補正部4により補正された投影データに基づいて、被検体P内に存在するRIの三次元分布に関する断層像を再構成し、画像表示部6は、この再構成された断層像を表示する。
【0027】
なお、減弱補正係数演算部3、減弱補正部4及び再構成部5等は、図1に示すように、互いにデータの交換等を行うことを可能とするデータバスBにより接続されている。本第一実施形態においては、上の説明からもわかるように、データ収集部2からの投影データが、減弱補正係数演算部3に出力されるとともに、減弱補正部4にも出力される。また、減弱補正係数(本第一実施形態では、後述するように「減弱係数の投影データ」)は、減弱補正係数演算部3から減弱補正部4へ、減弱補正部4において補正された投影データは、再構成部5へ、と各々送出されることになる。
【0028】
以下では、上記構成例となる核医学診断装置の作用効果について、図2フローチャートに沿った説明を行う。
【0029】
まず、その前提として、本第一実施形態においては、被検体Pに投与する放射性同位体が、複数の異なるエネルギのガンマ線(X線を含む、以下同じ)を放出する性質を備えている必要がある。例えば、Tl−201がそれに該当し、この場合においては、図3に示すように、71keV付近に複数のHg-201の特性X線からなるピークと、135keV、167keVに光電ピークを有するものとなっている。大きく捕らえれば、図3中、符号P1及びP2を付して示したように、エネルギレベル71keVと167keVの二種のガンマ線を放出するものと見ることができる。
【0030】
また、これら二種のエネルギを有するガンマ線の放出割合は既知であり、いかなる外部要因にも左右されないことも知られている。つまり、71keVのガンマ線放出と167keVのそれとは、ある一定の比例係数を導入すれば規定することのできる、単純な比例関係にある。
【0031】
さて、このような前提に基づき、以下の説明では、被検体Pに投与する放射性同位体を上記Tl−201とする場合の一例について説明する。
【0032】
まず、図2ステップS1に示すように、Tl−201から発せられるガンマ線を、図1に示した放射線検出部1により受け取り、これをシンチレータ12によって光信号に変換し、かつ、該光信号を光電子増倍管13によって電気信号に変換する。この電気信号は、上述したように、位置情報とエネルギ情報を含む信号である。
【0033】
次に、データ収集部2において、図2ステップS2に示すように、放射線検出部1より出力された電気信号が、そのエネルギ情報に基づいて、高低いずれのエネルギに該当するものであるかを選別するとともに、この別に応じて当該電気信号を投影データとして収集する。いまの場合においては、図3に示したように、Tl−201が71keV近傍のエネルギを有するガンマ線と、167keVのエネルギを有するガンマ線とを放出するから、前者が「低エネルギ」に関する投影データとして、後者が「高エネルギ」に関する投影データとして収集されることになる(図1参照)。
【0034】
なお、上記した一連の作業は、本第一実施形態において、被検体Pの全周囲に関し行われる。つまり、放射線検出部1は、図1に示す矢印Aの方向への順次移動を繰り返し、かつ、その軌道上の各点で適宜静止しつつ、上記投影データ収集関連の作業が行われることになる。ここで、上述したように、放射線検出部1を2台設けるような構成とする場合には、各々分担してデータ収集を行うようにしてよいことは勿論である。
【0035】
このようにして、被検体P全周囲に関する投影データの収集が、各エネルギ別に完了したら、減弱補正係数演算部3は、これら収集した投影データに基づき減弱補正係数を算出する。本第一実施形態においては、この減弱補正係数の算出に際して、まず、図2ステップS3に示すように、180°対向する投影データに関する幾何学平均の算出を行う。すなわち、図1に示すように、角度θの方向に放射線検出部1が位置した際に得られた投影データをP(θ)、これと正反対の方向に放射線検出部1が位置した際に得られた投影データをP(θ+180°)とすれば、
Pa=√(P(θ)・P(θ+180°)) … (1)
なる、両者の幾何学的平均値Paを求める。
【0036】
これには、以下のような背景が存する。すなわち、図4に概念的に示すように、被検体P内のある対象点Hに関する投影データは、当該点Hに存在するTl−201から発したガンマ線をθ方向位置で観察するか、θ+180°方向位置で観察するか(あるいは一般的に、φ≠θなる方向位置で観察するか)に応じて各々異なったものとなる。これは端的に、図4に示す経路L(θ)及びL(θ+180°)の長さの相違に起因して、両者間で減弱の影響が異なるからである。したがって、同じ対象点Hに関するものといえども、投影データP(θ)のみに基づいて、後に説明する減弱補正係数演算ないし画像再構成を行う場合と、投影データP(θ+180°)のみに基づいてそれを行う場合とでは、一般に、異なる結果が得られることとなり、いずれにしても、RI分布の様子を正確に反映したものとはいえないものとなる。
【0037】
そこで、上記(1)式のように、投影データP(θ)と投影データP(θ+180°)の幾何学平均をとれば、上記減弱の影響の相違を軽減することが可能となる。というのも、図4によれば、(1)式の計算は、経路L(θ)及び経路L(θ+180°)の両経路を合わせた「全経路L」を考慮した投影データPaを求めることになるからである。なお、この点に関しては、ポジトロン放射核種によるペアガンマ線の性質を利用し同時計数測定を行うPET(Positron Emission Tomography)と同様な性質であるといえる。
【0038】
このような処理により、被検体P内のRI分布がどのようなものであっても、その分布如何によって影響を受ける投影データの相違をほぼ完全に無視することができる。換言すれば、「RI分布の位置(深さ)による減弱の変化」を軽減することが可能となる。
【0039】
なお、本第一実施形態では、投影データがエネルギの高低に応じて収集されていたから、上記(1)式の計算はそれらの別に応じて実施されることになるのは言うまでもない。つまり、本第一実施形態では、(1)式に基づき、エネルギが71keV及び167keVであるガンマ線に関する投影データPa71及びPa167のぞれぞれが求められることになり、
Pa71=√(P71(θ)・P71(θ+180°)) … (2)
Pa167=√(P167(θ)・P167(θ+180°)) … (3)
である。
【0040】
さて、ところで、このように求められたPa71及びPa167については、一般的に、以下の関係式が成立する。
Pa71=Pt√(exp(−Ta71)) … (4)
Pa167=Pt√(exp(−Ta167)) … (5)
ここで、Ptは、本発明が目的とするところの求めるべき投影データ(以下、単に「真の投影データ」という)を表し、Taは、「減弱係数の投影データ」(減弱補正係数)を表す。
【0041】
ここに、「真の投影データ」とは、言い換えれば、減弱の影響がないとした場合に、本来得られるべき投影データのことである。また、「減弱係数の投影データ」とは、被検体P内の任意の点で措定される減弱係数μ*について、これらが積算され「投影データ」として得られたものであることを意味している。すなわち例えば、図4を参照しつつ言うと、ここにいう「減弱係数の投影データTa」とは、「経路Lに沿った減弱係数μ*の積分値」と観念される。なお、Taにおける添え字「71」及び「167」は、それぞれエネルギが71keV及び167keVのガンマ線に関するものであることを示している。
【0042】
上記(4)及び(5)式から、測定される投影データPa71及びPa167は、真の投影データPtが指数関数的な減弱を受けた結果得られるものであることわかる。逆に言えば、減弱係数の投影データTa71又はTa167が判明すれば、それに基づき、(4)又は(5)式からPtが求まることがわかる。
【0043】
なお、Pa71及びPa167は、上述したように単純な比例関係にあるから、一般に、
Pa71=Kτ・Pa167 … (6)
が成立する。ただし、以下では、説明の便宜上、Kτ=1とした説明を行うこととする。
【0044】
一方、減弱係数μについては、一般に以下の式が成立する。
m=μ167/μ71 … (7)
ここでも添え字「71」及び「167」の意味は、上記と同様である。
【0045】
ここに、減弱係数μとは、水に対するガンマ線の減弱の程度ないし度合いを表しており、したがって、これらは既知の数値であって所与のものである。また、このことから明らかに、mも既知の値として考えることができる。さらに、この(7)式から、上記した減弱係数の投影データTa71及びTa167についても、
m=Ta167/Ta71 … (8)
が成立する。
【0046】
ちなみに、上記(7)式におけるμ71及びμ167の値は、μ71=0.187、μ167=0.146であるが、本第一実施形態においては、この減弱係数μに代えて、「経験的に」得られている減弱係数値(以下、「経験値」という)μ+をあて、これを使用するようにしてよい。この経験値μ+とは、装置使用者等が実際に核医学診断装置を使用する上で経験的に取得した減弱係数の値であって、被検体Pについて適用するに際し、より確からしい減弱係数の値のことをいうものである。その背景としては、被検体Pに関する減弱係数μ*が、当該被検体P固有の影響(例えば、後述するように「散乱」)を受けているため、厳密には、「水に対する減弱係数μ」がそのまま該当することがない(μ*≠μ)ことによる。具体的には例えば、μ167の経験値μ+167は、“0.10”等として使用されている。なお、本第一実施形態においては、いま述べた事情から明らかなように、減弱係数μを使用するよりも、経験値μ+を使用するほうが好ましいといえよう。
【0047】
さて、本第一実施形態において、このような一般的な関係を有する各数Pa71及びPa167、Ta71及びTa167、m等に基づいて、減弱係数の投影データTa71について、以下のような関係式を導ける。まず、
α=Pa167/Pa71 … (9)
なるαを仮定すると、(4)及び(5)式と、(8)式の代入により、
α=Pt√(exp(−Ta71・m))/Pt√(exp(−Ta71))
よって、
α=√(exp(−Ta71・m)/exp(−Ta71)) … (10)
この(10)式の両辺について対数をとると、
logα=1/2((−Ta71・m)−(−Ta71))=(Ta71/2)・(1−m)
これをTaについて解けば、
Ta71=2logα/(1−m) … (11)
が得られる。
【0048】
したがって、α及びmを、この(11)式に代入することにより、減弱係数の投影データTa71を求めることができる。ここで、α=Pa167/Pa71だから、このαは、上記した(2)及び(3)式から容易に求まり、また、mは上記したように既知であるから、減弱係数の投影データTa71は簡単に求まることになる。
【0049】
図2ステップS4においては、減弱補正係数演算部3が、上記した(7)式及び(9)式、並びに(11)式によって、減弱係数の投影データTa71を求めることを示している。そして、この投影データTa71が求まったら、減弱補正部4は、図2ステップS5に示すように、上記(4)式に基づいて、真の投影データPtを求める。この処理はすなわち、Pa71なるいわば「生の」投影データに対し、減弱係数の投影データTa71に基づく補正処理をなして、真の投影データPtを求めるということに実質的に同義である。
【0050】
後は、図2ステップS6及びS7にあるように、再構成部5が、補正後の投影データであるPtを用いて断層像を再構成し、これを画像表示部6において表示するようにすればよい。
【0051】
このように、本第一実施形態によれば、減弱の影響を排除した投影データに基づき、断層像を再構成することができるから、被検体Pに関する、より正確な情報を取得することができる。特に、上記第一実施形態によれば、従来のように、RI線源やX線源による被検体外部からの別途の照射を必要としないから、被検体等に対する被曝量を増大させるといった不具合がなく、また、通常検査と同じデータ収集時間で減弱補正を実施することができる。
【0052】
以下では、本発明の第二の実施形態について説明する。本第二実施形態では、上記第一実施形態においては、投影データに関し減弱補正を行っていたのに代えて、未補正の投影データに基づき断層像再構成処理を行うことで画像データを取得し、当該画像データについて減弱補正を行う点で相違している。したがって以下では、この点について詳細な説明を行う。なお、その他装置構成やデータ収集処理等については、上記と同様であるので、その説明を省略する。
【0053】
本第二実施形態では、図5フローチャートに示すように、放射線検出部1によるガンマ線の検知、電気信号への変換、投影データのエネルギ別による収集及び180°対向する投影データの幾何学平均値算出に関する処理は、図4にて説明したのと全く同様に行われる(図5ステップS1、S2及びS3)。
【0054】
そして次に、図5ステップT1に示すように、これら収集された二種の投影データに基づいて、各々、断層像再構成処理を行う。つまり、再構成部5は、第一実施形態とは異なり、未補正の投影データに基づいて再構成処理を行う。この処理により、71keV及び167keVの各々に関し、画像データM71(x,y)及びM167(x,y)が得られる。ここに、x及びyは、断層像上における座標値を表す。
【0055】
一方、減弱の影響がないとした場合に、本来得られるべき真の画像データを、T71(x,y)及びT167(x,y)とし、かつ、これらM71(x,y)及びM167(x,y) 又はT71(x,y)及びT167(x,y)なる様式に合わせ、後者から前者への減弱の影響を示す数(減弱補正係数、以下「減弱数」という)を、A71(x,y)及びA167(x,y)とすれば、
M71(x,y)=T71(x,y)・A71(x,y) … (12)
M167(x,y)=T167(x,y)・A167(x,y) … (13)
なる関係が成立する。
【0056】
また、真の画像データT71(x、y)及びT167(x、y)の関係は、
T71(x,y)=Kt・T167(x,y) … (14)
とできる。なぜなら、上述したように、エネルギ71keVを有するガンマ線放出と、エネルギ167keVを有するそれとは、単純な比例関係にあるからである。
【0057】
さらに、減弱数A71(x,y)及びA167(x,y)については、以下の関係がある。すなわちまず、水に対する減弱係数μについては、上記した(7)式の関係があることから、
Ka=√(μ71/μ167) … (15)
なるKaを導入できる(つまり、m=(1/Ka)2)。このとき、この(15)式におけるμ71及びμ167として、上述した経験値μ+71及びμ+167を用いる方が好ましいことは、上記第一実施形態と同様である。
【0058】
ここで、断層像再構成が、上記したように180°対向する投影データの幾何学平均値に基づいて行われていることにより、「RI分布の位置(深さ)による減弱の変化」がないものと仮定することができることから、上記減弱数A71(x、y)及びA167(x、y)は、一般的に、(15)式のKaを用いて、
A71(x,y)=A167(x,y)Ka … (16)
と表すことができる。
【0059】
以上導入した各式により、減弱数A71(x,y)は次のように求まる。まず、(12)式及び(13)式の辺々を互いに除し、かつ、(14)式を代入すれば、
M71(x,y) /M167(x,y)=Kt・(A71(x,y) /A167(x,y)) … (17)
となる。次に、この式をA167(x,y)について解き、これに(16)式を代入すれば、
A71(x,y)=((M167(x,y)・Kt・A71(x,y))/M71(x,y))Ka
すなわち、
A71(x,y)1-Ka=((M167(x,y)・Kt)/M71(x,y))Ka
よって、
A71(x,y)=((M167(x,y)・Kt)/M71(x,y))(Ka/1-Ka) … (18)
となる。
【0060】
したがって、A71(x,y)は、いずれも既知であるKa及びKt、並びに、M71(x,y)及びM167(x,y)を代入すれば、求めることができる。なお、この(18)式は、明らかなように、上記第一実施形態における(11)式に相当するものとなる。
【0061】
図5ステップT2では、上記(18)式に基づく演算が、減弱補正係数演算部3において実行される。そして減弱数A71(x,y)が求まったら、減弱補正部4は、図5ステップT3に示すように、上記(12)式に基づいて、真の画像データT71(x,y)を求める。後は、この真の画像データT71(x,y)を用いて、画像表示部6において表示するようにすればよい。
【0062】
このように、本第二実施形態においては、投影データを減弱補正の対象とするのではなく、画像データ自体を減弱補正の対象とするが、その効果は、上記第一実施形態に関し述べたのと同様な効果を享受し得ることが明らかである。
【0063】
ちなみに、減弱補正の対象が画像データとなることから、上記説明からも明らかなように、図1に示す減弱補正係数演算部3、減弱補正部4及び再構成部5における作用が、上記第一実施形態とは異なることとなる。具体的には、図1に示すデータバスBを介して、データ収集部2からの投影データが再構成部5へ出力され、再構成部5からの画像データが、減弱補正係数演算部3に出力されるとともに、減弱補正部4にも出力される。また、減弱補正係数(本第二実施形態では、「減弱数」)は、減弱補正係数演算部3から減弱補正部4へ、減弱補正部4において補正された画像データは、画像表示部6へと送出されることになる。
【0064】
以下では、本発明の第三の実施形態について説明する。本第三実施形態では、上記第一実施形態で説明した処理に加え、得られた投影データに関する散乱線補正処理を加える点で異なる。
【0065】
散乱線補正処理とは、被検体P内から発せられたガンマ線が散乱することによって、ガンマ線の計数が余計にカウントされることによる弊害を除去するため、この余計なガンマ線散乱成分を収集したデータから除去する処理を言う。このような散乱線補正処理を行えば、より正確な投影データが取得されることになるから、本発明に係る減弱補正を行う上でも有効となることは明白である。
【0066】
また特に、このような散乱線補正処理を行えば、上記(7)及び(15)式を用いることの信頼性が高まるという効果を得ることができる。すなわち、これらの式においては、上述したように、減弱係数μとして経験値μ+を使用するのが好ましいとしていたが、上記散乱線補正処理を行うことにより、得られる投影データは真の分布に近づくから、水に対する減弱係数μをそのまま使用しても特に問題が生じないこととなるからである。無論このような場合においては、経験値μ+を用いるよりも、本発明に係る減弱補正の精度が高まることが期待できるのは言うまでもない。
【0067】
なお、上記第一及び第二実施形態における減弱補正処理の流れの中において、この散乱線補正処理を行う時点は、図2及び図5に記号Aにて示したポイントとなる。
【0068】
散乱線補正処理として具体的には、例えば特公平7‐69428号公報で開示されているTEW(Triple Energy Window)法を用いることができる。このTEW法とは、図6に示すように、1つの光電ピークに関して3つのウインドウW1,W2及びW3を設定し、これら各々のウインドウW1,W2及びW3内に存在するデータを収集して、ガンマ線散乱成分を有効に除去する方法である。
【0069】
このTEW法を、図6又は図7に示す一般的な例に沿って簡単に説明すると、これらの図におけるガンマ線のスペクトルをC=G(E)なる関数Gで表せば、メインウインドウW1内の面積PW1、ガンマ線散乱成分を除去した光電ピークのみの面積N、ガンマ線散乱成分B間には、
【0070】
【数1】
Figure 0004585085
が成立する。ここで、WU及びWLはメインウインドウW1の上限値及び下限値であり、各々、WU=K+Ws/2及びWL=K−Ws/2である。ただし、Wsは、メインウインドウW1の幅、KはメインウインドウW1の幅の中心値である。
また、残る二つのウインドウW2及びW3については、これら両ウインドウW2及びW3の幅を等しくWeとすると、
【0071】
【数2】
Figure 0004585085
が成立する。
一方、図6又は図7よりわかるように、ガンマ線散乱成分Bは、台形状にあるものと近似することができるから、上記(19)、(21)及び(22)式により、
【0072】
【数3】
Figure 0004585085
と求められる。
【0073】
よって、この(23)式を(20)式に代入すれば、ガンマ線散乱成分を除去したデータを取得することができる。
【0074】
なお、本発明においては、上記した特公平7‐69428号公報において開示されている他の手法を用いてガンマ線散乱成分を求めてもよいことは勿論、その他の如何なる手法も何ら制限なく用いることが可能である。
【0075】
また、上記散乱線補正に関しては特に、以下に説明する「選択的処理」を実施すると、なお有効である。すなわち例えば、Tl−201における71keV付近のデータは散乱線補正処理を行うが、167keVのデータは散乱線補正処理を行わない(=選択的処理)、とすることである。
【0076】
このような処理を実施すると、まず第一点として、そもそも小さなピークとして得られる167keVに関する投影データにおいて(図3参照)、ここから更に散乱線成分を除去することで、当該ピーク自体を滅失させるような事態を避けることができる。
【0077】
また第二点として、上記選択的処理により、71keV付近では減弱が大きく、167keVでは見かけ上減弱が小さくなる。換言すれば、71keVにおけるデータが受ける減弱の程度と167keVにおけるそれとの相対差を大きくとることができる。このようにすると、両者のデータ差がより顕著になり、エネルギの高低に応じた減弱の影響を、より強く反映した減弱補正係数を求めることができる。これにより軟部組織と肺野の領域の区分が容易になる。
【0078】
具体的に説明すると、例えば、(7)式に関し上述したように、散乱線補正処理を行う場合には水に対する減弱係数μを、そうでない場合には経験値μ+を、それぞれ使用することが好ましいと述べた。ここで、上記したような選択的な散乱線補正処理を実施すると、71keVに関してはμ71=0.187、167keVに関してはμ+167=0.10(<μ167=0.146)であるから、後者においては、見かけ上小さな減弱係数となることがわかる。つまり、71keVと167keVのデータ差が大きくなることを端的に表している。
【0079】
なお、上記各実施形態における核医学診断装置においては、画像として「断層像」を取り扱う形態を念頭においていたが、本発明は、このような形態に限定されることなく、画像が「プラナー像」であったとしても、容易に適用することが可能である。また、上記放射線検出部1では、シンチレータ12及び光電増倍管13を構成要素とするものについて説明したが、半導体検出素子を用い、ガンマ線を直接に電気信号に変換する放射線検出部を採用してよいことは勿論である。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の核医学診断装置及び減弱補正方法によれば、減弱を受けたデータを正確に補正することができるから、当該減弱の影響をあたかも受けていないような正確な画像を取得することができる。特に、本発明によれば、従来のように、RI線源やX線源による被検体外部からの別途の照射を必要としないから、被検体等に対する被曝量を増大させるといった不具合がなく、また、通常検査と同じデータ収集時間で減弱補正を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る核医学診断装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】第一実施形態における減弱補正処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】放射性同位体Tl−201が放出するガンマ線に関するエネルギ・スペクトラム特性曲線を示すグラフである。
【図4】放射線検出部の位置の相違に応じて減弱の影響が変化する様子を説明する概要図である。
【図5】第二実施形態における減弱補正処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第三実施形態における散乱線補正処理に関する一般的な処理例を説明する説明図である。
【図7】図6に同旨の図である。
【符号の説明】
P 被検体
1 放射線検出部
2 データ収集部
3 減弱補正係数演算部
4 減弱補正部

Claims (7)

  1. 被検体における減弱の影響を受けた放射線を検知する放射線検出手段と、前記放射線の検知に対応して前記放射線検出手段から出力される放射線データに基づき画像を作成する画像作成手段とを少なくとも備えた核医学診断装置において、
    高低二種の異なるエネルギを有する放射線を発する放射性同位元素を使用するとともに、
    前記放射線データを前記エネルギの別に応じて収集し、高いエネルギを有する放射線データに散乱線補正処理を行わず、低いエネルギを有する放射線データに散乱線補正処理を行う選択的処理を実施するデータ収集手段と、
    前記エネルギの別に応じ前記減弱の影響の程度が異なることに基づき、前記データ収集手段のデータ収集結果から、高いエネルギを有する放射線データについては前記減弱を補正するための係数を経験的に得られている減弱係数値とし、低いエネルギを有する放射線データについては前記減弱を補正するための係数を水に対する減弱係数として減弱補正係数を演算する減弱補正係数演算手段とを有することを特徴とする核医学診断装置。
  2. 前記放射線データは、前記被検体周囲を回転する前記放射線検出器の当該回転に応じて取得されることを特徴とする請求項1記載の核医学診断装置。
  3. 前記被検体を挟んで、ある方向に関し対向する関係にある放射線データに関しては、これらの幾何学平均値をもって当該方向に関する放射線データとすることを特徴とする請求項1又は2記載の核医学診断装置。
  4. 放射線を検知する放射線検出手段と、前記放射線の検知に対応して前記放射線検出手段から出力される放射線データに基づき画像を作成する画像作成手段とを備えた核医学診断装置における減弱補正方法であって、
    高低二種の異なるエネルギを有する放射線を発する放射性同位元素を使用して、前記被検体における減弱の影響を受けた前記放射線データを、前記エネルギの別に応じて収集し、高いエネルギを有する放射線データに散乱線補正処理を行わず、低いエネルギを有する放射線データに散乱線補正処理を行う選択的処理を実施するデータ収集工程と、
    前記エネルギの別に応じ前記減弱の影響の程度が異なることに基づき、前記放射線データに関し、高いエネルギを有する放射線データについては前記減弱を補正するための係数を経験的に得られている減弱係数値とし、低いエネルギを有する放射線データについては前記減弱を補正するための係数を水に対する減弱係数として減弱補正係数を演算する工程と、
    前記減弱補正係数を用いて前記放射線データを補正する工程と、からなることを特徴とする減弱補正方法。
  5. 放射線を検知する放射線検出手段と、前記放射線の検知に対応して前記放射線検出手段から出力される放射線データに基づき画像を作成する画像作成手段とを備えた核医学診断装置における減弱補正方法であって、
    高低二種の異なるエネルギを有する放射線を発する放射性同位元素を使用して、前記被検体における減弱の影響を受けた前記放射線データを、前記エネルギの別に応じて収集し、高いエネルギを有する放射線データに散乱線補正処理を行わず、低いエネルギを有する放射線データに散乱線補正処理を行う選択的処理を実施するデータ収集工程と、
    前記画像作成手段により前記放射線データから画像データを再構成する工程と、
    前記エネルギの別に応じ前記減弱の影響の程度が異なることに基づき、前記画像データに関し、高いエネルギを有する放射線データについては前記減弱を補正するための係数を経験的に得られている減弱係数値とし、低いエネルギを有する放射線データについては前記減弱を補正するための係数を水に対する減弱係数として減弱補正係数を演算する工程と、
    前記減弱補正係数を用いて前記画像データを補正する工程と、
    からなることを特徴とする減弱補正方法。
  6. 前記放射線データが前記被検体周囲を回転する前記放射線検出器の当該回転に応じて取得されることを特徴とする請求項4又は5に記載の減弱補正方法。
  7. 前記被検体を挟んである方向に関し対向する関係にある放射線データに関しては、
    前記データ収集工程の後に、これらの幾何学平均値をもって当該方向に関する放射線データとする工程を挿入することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の減弱補正方法。
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