本発明の実施例1に係る情報配信システム1について説明する。図1は、本発明の実施例1に係る情報配信システム1の全体構成を示す図である。図1に示すように、情報配信システム1は、放送局2、IP通信網3、および受信機4から構成されている。この情報配信システム1では、放送局2が、受信機4における放送波の受信強度に基づいて当該受信機4が放送受信可能エリアの範囲内にあるものかを判定し、そのエリア内にある場合、当該受信機4に対してIP通信網3を介して放送局2が放送するコンテンツと同一のコンテンツ、または関連するコンテンツの配信がおこなわれる。なお、図1には、1個の放送局2と受信機4が図示されているが、実際には、それぞれ複数個存在している。
放送局2は、放送送信装置11と、配信サーバ12とを有している。放送送信装置11は、放送番組、データ放送、EPG(Electric Program Guide)情報などの放送コンテンツを放送波に乗せて送出する。配信サーバ12は、当該放送送信装置11の放送波が受信可能なエリア内にある受信機4に対して、放送送信装置11が送出する放送コンテンツ若しくは当該放送コンテンツに関するコンテンツ、または当該放送コンテンツとは関係なく独自に制作したコンテンツを、IP通信網3を介して配信する。
IP通信網3は、放送局2と受信機4間における、放送波による放送とは異なる他の通信媒体である。なお、このIP通信網3は、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを利用したインターネット、CATV、専用線、VPN(仮想LAN)、WANなどのいずれか、もしくはそれらの組み合わせたネットワークで構成されている。また、他の通信媒体としては、IP通信網3以外の他の通信プロトコルを利用したネットワークでもよい。
受信機4は、実施例1の場合、家庭で利用される端末であり、家庭用電源5に接続されて用いられる。受信機4は、放送局2からの放送波をアンテナで受信し、受信した放送波に重畳される放送コンテンツの出力を行う。また、受信機4は、IP通信網3を経由して配信サーバ12より配信されるコンテンツを出力する。受信機4は、アンテナ部21と本体部22を有して構成される。実施例1のアンテナ部21は、本体部22に対して専用ケーブルにより接続されており、当該専用ケーブルで本体部22と相互接続している状態における放送局2からの放送波の受信状況、および本体部22に接続していない状態における放送局2からの放送波の受信状況をそれぞれ計測することができる。
なお、実施例1のアンテナ部21と本体部22の接続関係は、有線により接続する構成を採用していたが、無線で相互通信できるように構成されてもよい。ここで、無線通信における「アンテナ部21が本体部22に接続されている状態」とは、たとえばBlueTooth(登録商標)、WiFiなどの通信接続方法で相互通信可能な範囲内にアンテナ部21と本体部22の両方が存在する位置関係にある状態で、相互通信可能に設定されている場合をいい、「アンテナ部21が本体部22に接続されていない状態」とは、相互通信が不可能な位置関係にある状態か、もしくは相互通信が可能な位置関係にあるものの、相互通信可能に設定されていない場合を含む。なお、受信機4は、たとえばTV放送やラジオ放送の受信装置であり、録画機能、録音機能を有していてもよい。また、受信機4は、家庭で利用される端末に限らず、携帯可能な端末、車に搭載される端末であってもよい。
この情報配信システム1では、受信機4が、自装置における放送波の受信強度に基づいて放送受信可能エリアの範囲内にあるものかを判定し、そのエリア内にある場合、配信サーバ12からのコンテンツ受信を許可する。ここで、たとえば受信機4の本体部22が置かれている家屋内において放送波の受信環境がよくないときは、ユーザは受信機4を介して放送を視聴することができないとともに、IP通信網3を介して配信されるコンテンツも視聴することができない。
そこで、この情報配信システム1では、受信機4のアンテナ部21が本体部22から取り外し可能となっており、取り外されて他の場所へ持ち出されたアンテナ部21(本体部22に接続されていない状態のアンテナ部21)により受信感度を計測した情報(当該情報を外部受信状況情報とする)から受信環境が良好であれば、所定時間内にアンテナ部21を本体部22に再び取り付けることにより、本体部22でコンテンツの配信を受けることができる。たとえば、受信機4の本体部22が置かれている家屋内では放送の受信環境がよくない場合、本体部22から取り外されたアンテナ部21を屋外に持ち出し、アンテナ部21による放送の受信状況が良好であれば、その後、所定の時間内に、アンテナ部21を本体部22に再び取り付けることにより、本体部22でコンテンツの配信を受けることができる。
図2は、図1に示す放送局2が有する放送送信装置11と配信サーバ12の構成例を示すブロック図である。
(放送送信装置11の構成)
まず、放送送信装置11について説明する。放送送信装置11は、この例においては、地上デジタル放送を想定し、その放送スケジュールに沿って放送番組用のコンテンツをストリームデータとして送出する。また、放送送信装置11は、放送波にデータ放送、EPG(Electronic Program Guide)情報を放送波に重畳して送出することができる。なお、放送送信装置11は、請求項の放送局の一例に相当する。
図2に示すように、放送送信装置11は、制御部31、記憶部32、サーバ通信部33から構成される。ここで、制御部31は、不図示のハードウェア資源であるCPU(Central Processing Unit)、RAM(Randam Acess Memory)、ROM(Read Only Memory)などから構成され、当該CPUがROMに格納されている各種プログラムをRAMに読み出して協働して実行することによりコンテンツストリーム作成部41、EPG情報作成部42、データ放送作成部43、放送素材取得部44、MUX部45の各機能を実現している。また、記憶部32には、放送用コンテンツデータベース(Data Base)51、放送スケジュールDB52、データ放送用コンテンツDB53が記憶されており、当該記憶部32は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。サーバ通信部33は、配信サーバ12との通信を行う通信インタフェースである。
コンテンツストリーム作成部41は、放送用コンテンツDB51を参照して放送用コンテンツを作成する。なお、本実施例において、放送用コンテンツは、MPEG2−TS(Motion Photographic Codeing Experts Groupe−2 Transport Stream)規格に準拠して符号化及び多重化されているトランスポートストリーム(TS)として説明する。MPEG2−TS規格では、伝送されるコンテンツの映像及び音声などは、符号化されたES(Elementary Stream)として生成され、ESを意味のある単位毎にパケット化されたPES(Packetized Elementary Stream)が生成される。更に、PESを分割したTS(Transport Stream)パケットが、放送送信装置11から伝送される。
また、コンテンツストリーム作成部41が各TSパケットのヘッダにPIDと呼ばれる13ビットのパケット識別子を付与することにより、各TSパケットが、放送用コンテンツの映像データ、音声データ、制御データなどのいずれかに分類することができる。また、ここでいう制御データとは、SI/PSI(Service Information/Program Specific Information)と呼ばれるデータを指している。SI/PSIのSIは、EPG情報を作成するために必要な情報などを含み、PSIは、基本的な制御をするための情報を含む制御データのことである。なお、TSパケットには、放送送信装置11の意図に反する視聴を防止するための暗号化処理(以下、「スクランブル処理」という)が施されていてもよい。ここで、スクランブル処理の方式としてたとえば、Multi2を使用することができる。このMulti2は、デジタルデータを暗号化する方式の一つであり、BSデジタル放送や地上デジタル放送などでも広く採用されている。
EPG情報作成部42は、放送スケジュールDB52を参照してEPG情報を作成する。
データ放送作成部43は、データ放送用コンテンツDB53から例えば天気予報や番組に関連した情報などのデータ放送に関連する情報を作成し、これらの情報をあわせてMUX部45に供給する。
放送素材取得部44は、放送用コンテンツDB51に格納されている放送コンテンツ以外の放送コンテンツを作成する。たとえば、放送素材取得部44は、図示しないカメラやマイクから直接生成される信号(たとえば、生放送番組や生中継番組などの映像データ、音声データ)が入力されると、これらの放送コンテンツ用のデータ形式に変換してコンテンツデータとして作成し、MUX部45に供給する。
MUX部45は、コンテンツストリーム作成部41が放送用コンテンツDB51を参照して作成したコンテンツデータ、または放送素材取得部44により作成されたコンテンツデータと、EPG情報作成部42が放送スケジュールDB52を参照して作成したEPG情報と、データ放送作成部43がデータ放送用コンテンツDB53を参照して作成したデータ放送番組データとを多重化して放送データを生成する。そして、当該放送データは、放送送信装置11の不図示のアンテナから放送波として送出される。なお、これら放送データは、サーバ通信部33を介して、専用回線などで配信サーバ12にも送信される。
放送用コンテンツDB51には、放送用コンテンツの元になる放送番組情報が記憶されている。放送スケジュールDB52には、放送送信装置11が放送する放送番組の放送スケジュール情報が記憶されている。なお、放送スケジュールDB52には、他の放送局2の放送スケジュール情報が記憶されていてもよい。データ放送用コンテンツDB53には、天気予報や放送番組に関連した情報などのデータ放送に関連する情報が記憶されている。なお、データ放送用コンテンツDB53には、上記の情報以外にも、放送番組に関係する配信サーバ12が提供するURL(Uniform Resource Locator)情報やP2P(Peer to Peer)方式で利用できる検索クエリ情報が記憶されていてもよい。なお、データ放送に関連する情報も、上述した放送用コンテンツと同様にMPEG2−TS規格に準拠して符号化及び多重化されている。
このように放送送信装置11は、放送用コンテンツDB51から放送スケジュールに沿ってコンテンツのストリームデータを放送番組として送出する。また、予め記憶されたコンテンツが放送されるような番組ではない生放送番組や生中継番組については、図示しないカメラやマイクの信号が放送素材取得部44に入力され、放送スケジュールDB52からEPG情報と共に放送データに多重化することができる。
(配信サーバ12の構成)
続いて、配信サーバ12の構成について説明する。図2に示すように、配信サーバ12は、制御部96、放送装置通信部62、記憶部63、IP通信制御部64とから構成される。ここで、制御部96は、不図示のハードウェア資源であるCPU、RAM、ROMなどから構成され、当該CPUがROMに格納されている各種プログラムをRAMに読み出して協働して実行することによりコンテンツ配信制御部71、コンテンツ作成部72の各機能を実現している。放送装置通信部62は、放送送信装置11のサーバ通信部33からのコンテンツを受信する通信インタフェースである。記憶部63には、配信可否判定情報DB81、配信コンテンツDB82、周波数DB83が記憶されており、当該記憶部63は、たとえばHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。IP通信制御部64は、IP通信網3経由で受信機4との通信を行う通信インタフェースである。
コンテンツ配信制御部71は、IP通信制御部64を介して受信機4から送信された当該受信機4の機器ID情報などにより機器認証等を行った上で、コンテンツの配信可否を判定する。具体的には、コンテンツ配信制御部71は、受信機4が当該放送局2の放送範囲内である(受信可能エリアである)と判定できれば、配信サーバ12からのコンテンツの配信を可能と判定する。なお、コンテンツ配信制御部71は、受信機4から要求されるコンテンツが、エリア限定のものではない場合は、受信機4が当該放送局2の受信可能エリアであるか否かにかかわらず、コンテンツを配信可能と判定する。
コンテンツ作成部72は、コンテンツ配信制御部71により配信可能と判定された受信機4に対して配信すべきコンテンツを生成する。たとえばコンテンツ作成部72は、配信するコンテンツを配信コンテンツDB82から読み出す。なお、受信機4に対して配信するコンテンツは、受信機4が要求するコンテンツでもよいし、当該番組に連動するコンテンツを生成するようにしてもよい。コンテンツ作成部72は、特定のコンテンツを受信機4が要求した場合はその要求されたコンテンツを生成するようにし、それ以外では番組連動型のコンテンツを自動で生成し、送信するようにしてもよい。なお、配信サーバ12の配信可否判定により、特定のコンテンツの配信可否を判定するようにしていたが、当該配信可否判定によって、当該放送局2の運営する特定のサイトへのアクセスの制限をするようにしてもよい。
配信可否判定情報DB81は、受信機4にコンテンツ配信可能か否かについて判定した過去の情報を有するDBである。したがって、配信サーバ12(コンテンツ配信制御部71)は、受信機4から送信されてきた情報に基づいて配信可否を判定する他に、送信されてきた情報を当該配信可否判定情報DB81に蓄積し、受信機4から送信されてきた情報と照合することにより、当該受信機4の配信可否を判定することもできる。
図3は、図2に示す配信可否判定情報DB81に格納されているデータの一例である。図3に示すように、配信可否判定情報DB81には、たとえば「機器ID」、「機器種別」、「IPアドレス」、「放送種別」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」、「本体受信信号レベル」、「電源経過情報」、「電源経過日時」などの欄が設けられている。
「機器ID」の欄(以下、単に「機器ID」と称する。他の欄においても同様である)には、機器IDとして、受信機4を一意に識別できる識別番号情報が格納されている。この識別番号情報は、たとえば配信サーバ12へコンテンツ配信要求をする際の機器認証処理などに用いられる。「機器種別」には、機器種別として、受信機4の種別毎に付与された番号情報が格納されている。実施例1では、番号「1」は、家庭用据置タイプであることを、番号「2」は、車載タイプであることを、番号「3」は、モバイルタイプであることをそれぞれ示している。「IPアドレス」には、IPアドレスとして、当該受信機4に付与されているIPアドレス情報が格納されている。「放送種別」には、FM、AM、地デジ、BS、CSなどの放送種別が格納される。「外部受信信号レベル」には、外部における受信信号レベルとして、当該受信機4のアンテナ部21が本体部22に接続されていない状態で、当該アンテナ部21で計測したときの放送局2毎の受信信号レベルを示す数値(単位は、dB)が格納されている。「外部受信信号レベル計測日時」には、当該「外部受信信号レベル」を計測された日時情報が格納されている。「本体受信信号レベル」には、本体受信信号レベルとして、当該受信機4のアンテナ部21が本体部22に接続されている状態で計測されたときの放送局2毎の受信信号レベルを示す数値(単位は、db)が格納されている。「電源経過情報」には、電源経過情報として、受信機4が家庭用電源5から外されてから所定時間経過したか否かを判定するフラグが格納されている。実施例1の場合には、受信機4が家庭用電源5から外されてから所定時間経過している場合には「1」が格納され、経過していない場合には「0」が格納される。「電源経過日時」には、電源経過日時として、受信機4が家庭用電源5から外されてから所定時間が経過した日時が記憶されている。ここで、受信機4が家庭用電源5から外されてから所定時間とは、家の中で当該受信機4の移動などを想定しており、当該受信機4を持って他の場所で取り付けられることがないように、たとえば、15分〜30分程度の間で設定されることが好ましく、電源が外されてからこの時間が経過した日時が記憶される。
すなわち配信可否判定情報DB81を参照することにより、機器ID毎に、機器種別、放送種別、放送周波数、IPアドレス、外部受信信号レベル、外部受信信号レベル計測日時、本体受信信号レベル、電源経過情報、電源経過日時を特定することができる。なお、配信可否判定情報DB81には、上述の「放送種別」に加えて「放送局名」が記憶されていてもよい。その場合、「放送局名」には、放送局名として、各放送局2の名称を示す情報が格納される。
図2に戻り配信コンテンツDB82には、放送送信装置11のMUX部45から専用回線を経て送信されてきた放送データが記憶されている。また、配信コンテンツDB82に記憶されているコンテンツは、当該放送データに関連する番組連動型のコンテンツや放送終了後にも配信できるコンテンツ(リアルタイムに拘らないで配信可能なコンテンツ)、また前述したエリア限定のものではないコンテンツなども記憶されている。
周波数DB83には、郵便番号などで特定される地域ごとに受信可能な放送局2の放送周波数情報、各放送周波数において受信可能とされる電界受信強度の所定値(所定レベルの値)、当該放送局2の放送局名などの情報が記憶されている。なお、周波数DB83は、受信機4からの取得要求により、指定された地域が放送範囲と推定される放送局リストとなる周波数テーブルを提供するようにしてもよい。
このように、配信サーバ12は、コンテンツ配信要求をしてきた受信機4に対してコンテンツ配信可否判定を行うと共に、コンテンツ配信が可能と判定した場合には、放送送信装置11で提供する放送コンテンツ、当該放送コンテンツに関するコンテンツ、その他のコンテンツをIP通信網3経由で配信する。
(受信機4の構成)
続いて、受信機4の構成について説明する。図4は、図1に示す受信機4の構成図である。受信機4は、アンテナ部21、本体部22を主要な構成要素としている。アンテナ部21は、本体部22に対して専用ケーブルにより接続されており、このアンテナ部21をたとえばユーザが屋外に持ち出すことにより、受信状況が屋内より良好な状況で放送局2の放送波を受信することができる。
図4に示すように、アンテナ部21は、チューナー91、受信情報記憶部92、バッテリ93、操作入力部94、受信状況検出部95、制御部96、タイマー97、放送局テーブル98、本体接続部99を主要な構成要素としている。ここで、制御部96は、CPUなどの中央処理演算装置などで構成され、アンテナ部21全体を制御する。また、上述した受信情報記憶部92、放送局テーブル98は、不図示の記憶部に記憶されており、当該記憶部は、たとえば、ROM、フラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。
チューナー91は、アンテナ21Aを介して放送送信装置11からの放送波を受信し、受信信号を本体部22に供給する。また、チューナー91は、放送送信装置11からの放送波の受信状況(例えば受信電界強度)を制御部96へ供給する。
受信情報記憶部92は、アンテナ部21で受信された各放送局2の受信状況が記憶される記憶部位である。
図5は、図4に示すアンテナ部21の受信情報記憶部92に記憶されているデータの一例である。図5に示すように、受信情報記憶部92には、「放送種別」、「放送周波数」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」などの欄が設けられている。なお、図5に示す「放送種別」、「放送周波数」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」の各データは、図3に示した配信可否判定情報DB81に格納されている「放送種別」、「放送周波数」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」の各データとそれぞれ同様であるため、これらの説明は省略する。なお、受信情報記憶部92にも配信可否判定情報DB81と同様に、上述の「放送種別」に加えて「放送局名」が記憶されていてもよい。その場合、「放送局名」には、放送局名として、各放送局2の名称を示す情報が格納される。
図4に戻りバッテリ93は、アンテナ部21に電力を供給するための電源供給手段である。
操作入力部94は、ユーザからの操作を受け付ける入力手段である。たとえば、ユーザが現在位置情報を入力する際に用いられ、郵便番号などを入力することができる。また、操作入力部94は、ユーザがアンテナ部21を屋外に持ち出して外部の受信状況を登録したい場合に外部受信状況登録要求を入力する際に用いられる。
受信状況検出部95は、制御部96からの受信状況検出指示により、放送局2の放送送信装置11から送出される放送波の受信状況を検出する。たとえば、受信状況検出部95は、電界受信強度信号を生成できる電界受信強度信号生成回路(不図示)などから構成され、当該生成回路から得られる値が主制御部110に出力されるようにする。当該生成回路としては、たとえば公知のRSSI(Receive Signal Strength Indication)回路を備えさせ、当該RSSI回路から電界受信強度信号を得られるようにすることができる。なお、電界受信強度が検出できればどのような回路であってもよい。上述した電界受信強度信号生成回路から得られる電界受信強度信号を用いることで放送波の受信状況を検出することができる。
タイマー97は、放送局2の受信状況の判別開始、または当該判定が終了してから、本体部22に接続されるまでの時間を計時する際に用いられる。制御部96は、タイマー97により、受信状況を検出してから所定時間を越えてからアンテナ部21が本体部22に接続されたか否かを判定することができる。当該判定により、ユーザの不正により配信サーバ12からのコンテンツを取得できないようにすることができる。
放送局テーブル98は、放送局2の周波数情報から構成される。制御部96は、操作入力部94から入力された郵便番号情報に基づいて、放送局テーブル98を参照し、当該地域に対応する放送局2の周波数情報を特定することができる。制御部96は、放送局テーブル98を参照して特定された放送局2の周波数情報を用いることで、チューナー91によるチューニング処理をよりはやく処理させることができる。具体的には、制御部96は、チューナー91を用いて放送局テーブル98を参照して特定された放送周波数のそれぞれと同調を行う。なお、放送局テーブル98に含まれる周波数情報は、配信サーバ12の周波数DB83に問い合せることにより取得するようにしても良い。
本体接続部99は、後述する本体部22に接続するインタフェースである。これにより当該アンテナ部21で取得した放送波状況などの受信情報記憶部92に記憶されている情報を本体部22へ送信できるようになる。
続いて、本体部22について説明する。本体部22は、アンテナ接続部101、復調部102、ROM103、RAM104、通信制御部105、受信情報記憶部106、電源検出部107、タイマー108、操作入力部109、主制御部110、映像出力部111、および音声出力部112、を主要な構成要素としている。ここで、主制御部110は、CPUなどの中央処理演算装置などで構成され、本体部22および上述したアンテナ部21を含めた受信機4全体を制御する。また、上述した受信情報記憶部106に格納されている情報は、不図示の記憶部に記憶されており、当該記憶部は、たとえば、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。
アンテナ接続部101は、アンテナ部21と接続するインタフェースである。これによりアンテナ部21で取得した放送波状況などの受信情報記憶部92に記憶されている情報を本体部22へ受信できるようになる。
復調部102は、チューナー91からの受信情報をもとに受信信号を復調し、それぞれの信号をデコードする。ROM103には、プログラムや固定データが記憶され、主制御部110から適宜読み出される。RAM104は、主制御部110が演算処理中にデータを一時的に記憶するのに用いられる。通信制御部105は、IP通信網3を介して放送局2の配信サーバ12と通信を行う通信インタフェースである。
受信情報記憶部106には、アンテナ部21の受信情報記憶部92に記憶されているデータが送信されてきた場合には、当該データ(図5)の他に、アンテナ部21が本体部22に接続されている状態で放送局2の受信状況を計測した時の本体受信信号レベル、受信機4に割り振られているIPアドレス、機器ID、電源経過情報などの機器情報が記憶される。
図6は、本体部22の受信情報記憶部106に記憶されているデータの一例である。図6に示すように、受信情報記憶部106には「機器ID」、「放送種別」、「放送周波数」、「本体受信信号レベル」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」、「電源経過情報」、「電源経過日時」、「IPアドレス」の欄が設けられている。なお、図6に示す「機器ID」、「放送種別」、「放送周波数」、「本体受信信号レベル」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」、「電源経過情報」、「電源経過日時」、「IPアドレス」の各データは、図3に示した配信可否判定情報DB81に格納されている「機器ID」、「放送種別」、「放送周波数」、「本体受信信号レベル」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」、「電源経過情報」、「電源経過日時」、「IPアドレス」の各データとそれぞれ同様であるため、これらの説明は省略する。なお、受信情報記憶部106にも配信可否判定情報DB81と同様に、上述の「放送種別」に加えて「放送局名」が記憶されていてもよい。その場合、「放送局名」には、放送局名として、各放送局2の名称を示す情報が格納される。
なお、主制御部110は、アンテナ部21の受信情報記憶部92に記憶されている「外部受信信号レベル」については、受信情報記憶部106に記憶せず、アンテナ部21の受信情報記憶部92のデータを配信サーバ12に直接送信するようにしてもよい。また、受信情報記憶部106には、配信サーバ12のURLやP2Pの検索クエリ情報などが予め記憶されていてもよい。また、配信サーバ12のURLなどはROM103に記憶されていても良いし、放送送信装置11の放送波に多重化されて送信されても良いし、特定のサイトにアクセスすることにより入手するようにしてもよい。
電源検出部107は、家庭用電源5に接続されているか否かを検出する。タイマー108は、受信機4が家庭用電源5から外されてから経過した時間を計時する際に用いられる。主制御部110は、電源検出部107からの検出信号に基づいてタイマー108で計時を行い、家庭用電源5から切断されてから所定時間経過したか否かを判別する。主制御部110は、所定時間経過したと判定された場合、その情報(判定フラグの「1」)を受信情報記憶部106に記憶する。
操作入力部109は、ユーザから入力を受け付け、主制御部110にユーザの指示を伝える。操作入力部109は、たとえば、リモコンやタッチパネルであるが、音声入力などであってもよい。
映像出力部111は、主制御部110から送られてきた表示情報を表示信号に変換し、表示装置6に表示する。表示装置6は、たとえば、ディスプレイ、テレビである。なお、受信機4が表示装置6を備えていてもよい。
音声出力部112は、主制御部110からの音声データを音声信号に変換し、音声再生装置7で再生する。音声再生装置7は、たとえば、スピーカである。受信機4が音声再生装置7を備えていてもよい。
(受信機4のアンテナ部21の外部受信状況検出処理)
続いて、図7を参照し、受信機4のアンテナ部21の外部受信状況検出処理について説明する。図7は、この外部受信状況検出処理を示すフローチャートである。なお、以下のフローチャートでは、アンテナ部21は受信機4の本体部22から取り外されている状態(アンテナ部21と本体部22は接続されていない状態)となっている。
START:アンテナ部21の制御部96は、外部受信状況の登録要求を操作入力部94から受けると以下の処理を開始する。なお、外部受信状況の登録要求は、たとえば、ユーザがアンテナ部21の操作入力部94から外部受信状況を検出したい旨をボタン操作などで入力することで発生する。
S1:制御部96は、操作入力部94から指定地域の入力(例えば郵便番号の入力)があるか否かを判別する。制御部96は、指定地域の入力がある場合(ステップS1でYES)には、ステップS2の処理へ移行し、入力がない場合(ステップS1でNO)にはステップ3の処理へ移行する。
S2:制御部96は、指定された地域で受信できる各周波数を放送局テーブル98から読み出すとともに、読み出された周波数情報に基づくチューニング処理を受信状況検出部95に実行させる。実行依頼を受けた受信状況検出部95はチューナー91により当該放送局2へのチューニング処理を実行する。制御部96は、ステップS2の処理が完了すると、ステップS4の処理へ移行する。
S3:制御部96は、オートシーク処理を受信状況検出部95に実行させる。実行依頼を受けた受信状況検出部95は、チューナー91により所定の周波数間隔で電界受信強度をそれぞれチェックしていき、受信感度がよいものを記憶していく実行する。制御部96は、ステップS3の処理が完了すると、ステップS4の処理へ移行する。
S4:制御部96は、ステップS2でのチューニング処理、またはステップS3でのオートシーク処理によって得られた各周波数と当該周波数における外部受信状況(この例の場合、受信電界強度を示す情報)を対応付けて受信情報記憶部92に記憶する。具体的には、制御部96は、所定レベル以上の周波数であると判定された外部受信信号レベルの値を、受信情報記憶部92(図3)に放送種別および放送周波数とともに、それぞれ対応付けて記憶する。すなわち放送局2毎に、放送種別、放送周波数、および外部受信信号レベル(以下、これらの情報を「外部受信状況情報」とする)が受信情報記憶部92に記憶される。なお、所定レベル以上の周波数とは、放送局2の放送が良好に視聴できるレベルとして定められている値があれば、当該値に従って設定されることが好ましい。制御部96は、ステップS4の処理が完了すると、ステップS5の処理へ移行する。
S5:制御部96は、タイマー97の計時を開始する。制御部96は、ステップS5の処理が完了すると、ステップS6の処理へ移行する。
S6:制御部96は、タイマー97の計時を開始してから所定時間経過したか否かを判別する。ここで、所定時間とはたとえば10分、15分などの値が設定されるが、ユーザが受信機4からアンテナ部21を屋外に持ち出して当該処理を開始してから本体部22と再接続するまでの時間を考慮して適宜設定されることが好ましい。なお、タイマー97の計時開始時点は、本体部22から取り外されてから(アンテナ部21が本体部22に接続されていない状態となってから)としてもよい。制御部96は、計測して所定時間を経過した場合(ステップS6でYES)には、ステップS7の処理へ移行し、経過していない場合(ステップS6でNO)にはステップS9の処理へ移行する。
S7:制御部96は、受信情報記憶部92に記憶されている外部受信状況情報を削除する。具体的には、制御部96は、受信情報記憶部92に「放送種別」および「放送周波数」により特定される放送局2毎に記憶されている「外部受信信号レベル」の情報を削除する。なお、受信情報記憶部92に「放送種別」および「放送周波数」により特定される放送局2毎に記憶されている「外部受信信号レベル」の情報が複数記憶されている場合には、すべて削除することが好ましい。制御部96は、ステップS7の処理が完了すると、ステップS8の処理へ移行する。
S8:制御部96は、「外部受信信号レベル」の情報が削除された旨を不図示の表示部に表示し、処理を終了する(END)。なお、「外部受信信号レベル」の情報が削除された旨は、アンテナ部21が本体部22に再接続された後に、当該受信機4が接続されている表示装置6に表示されるようにしてもよい。
S9:制御部96は、アンテナ部21が本体部22に接続されたか否かを検出する。制御部96は、アンテナ部21が本体部22に接続されたと検出された場合(ステップS9でYES)には、ステップS10の処理へ移行し、接続されていないと検出された場合(ステップS9でNO)には、ステップS6の処理へ移行する。
S10:制御部96は、本体部22に外部受信状況情報を送信する。すなわちアンテナ部21が本体部22に接続されている状態から接続されていない状態となった時点から所定の時間内に本体部22に再度接続された場合、本体部22に外部受信状況情報が送信される。その後、制御部96は、当該処理を終了する(END)。
(受信機4での外部受信状況情報登録処理)
続いて、図8を参照しながら、図7に示す処理で作成された外部受信状況情報を受信機4の本体部22の受信情報記憶部106に登録する処理について説明する。図8は、この外部受信状況情報登録処理を示すフローチャートである。
START:本体部22の主制御部110は、アンテナ部21が接続されると、以下の処理を開始する。
S21:主制御部110は、アンテナ部21から送信されてきた外部受信状況情報(図7のステップS10)の受信有無を判定する。主制御部110は、外部受信状況情報を受信した場合(ステップS21でYES)には、ステップS22の処理へ移行し、外部受信状況情報を受信しない場合(ステップS21でNO)は外部受信状況情報登録処理を終了する(END)。
S22:主制御部110は、アンテナ部21から送信されてきた外部受信状況情報を、受信情報記憶部106(図7)に記憶して外部受信状況情報登録処理を終了する(END)。
(配信サーバへのコンテンツ配信要求処理)
続いて、図9を参照し、受信機4のコンテンツ配信要求処理について説明する。図9は、このコンテンツ配信要求処理を示すフローチャートである。
START:本体部22の主制御部110は、配信サーバ12に対してコンテンツ配信要求があると以下の処理を開始する。たとえば、放送波で受信している番組をIP通信網3経由で視聴したい場合などにユーザが操作入力部94を操作すると、当該コンテンツ配信要求が発生する。
S31:主制御部110は、コンテンツ配信要求のあった配信サーバ12に対応する放送局2(の放送送信装置11)からの放送波を受信中か否かを検出する。主制御部110は、受信中である場合(ステップS31でYES)には、ステップS33の処理へ移行し、受信中で無い場合(ステップS31でNO)には、ステップS32の処理へ移行する。
S32:主制御部110は、アンテナ部21のチューナー91を介してコンテンツ配信要求のあった放送局2の放送周波数へチューニングし、放送波を受信する。主制御部110は、ステップS32の処理が完了すると、ステップS33の処理へ移行する。
S33:主制御部110は、配信要求があったコンテンツに対応する放送局2の受信状況を検出する。具体的には、主制御部110は、当該周波数における電界受信強度を計測すると共に、計測された値および放送種別をそれぞれ対応付けて受信情報記憶部106に記憶する。主制御部110は、ステップS33の処理が完了すると、ステップS34の処理へ移行する。
S34:主制御部110は、当該放送局2の配信サーバ12に機器ID、ステップS33で受信情報記憶部106に記憶された外部受信状況情報、およびアンテナ部21が本体部22に接続された状態での受信状況情報(以下、この情報を本体受信状況情報と称する)をアップロードする。主制御部110は、ステップS34の処理が完了すると、ステップS35の処理へ移行する。
S35:主制御部110は、図10を参照して後述する処理で当該放送局2(放送送信装置11)から本体受信状況情報および/または外部受信状況情報に応じた内容のコンテンツが送信されるため、そのコンテンツを受信する。具体的には、本体受信状況情報および外部受信状況情報が悪いためコンテンツができないことを示すコンテンツ(たとえば、放送範囲外なので配信することができませんというメッセージ情報)や、本体受信状況情報が良好あるいは外部受信状況情報が良好であり、配信してよいと判定されたために放送局2から配信される地域限定のコンテンツなどが配信され、そのコンテンツを受信する。主制御部110は、ステップS35の処理が完了すると、ステップS36の処理へ移行する。
S36:主制御部110は、復調部102、並びに映像出力部111および/または音声出力部112を制御して、受信したコンテンツを映像や音声の出力データとして出力させる。映像出力部111は、出力されたコンテンツを表示装置6に表示し、音声出力部112は、出力されたコンテンツを音声再生装置7で再生し、処理を終了する(END)。
(配信サーバ12の動作)
続いて、図10を参照し、配信サーバ12の動作を説明する。図10は、図1に示す配信サーバ12が実行するコンテンツ配信可否判定処理のフローチャートである。
START:配信サーバ12のコンテンツ配信制御部71は、受信機4からアップロードされた本体受信状況情報、外部受信状況情報、機器情報(機器IDなど)(図9のステップS34)を受信すると、以下の処理を開始する。
S41:コンテンツ配信制御部71は、受信機4の機器ID情報などにより機器認証等を行った上で、受信機4から送信されてきた本体受信状況情報からコンテンツ配信可否の判定処理を行う。具体的には、周波数DB83を参照し、受信機4から送信された本体受信状況情報が、放送局2の放送波が受信可能なレベルにあるか否かを判定する。たとえば、この例の場合、本体受信状況情報の本体受信信号レベルが受信電界強度を示しているので、この本体受信状況情報の本体受信信号レベルが示している受信電界強度が所定のレベルを超えているか否かにより判定される。制御部96は、配信可能であると判定した場合(ステップS41でYES)には、ステップS44の処理へ移行し、配信不可能であると判定した場合(ステップS41でNO)には、ステップS42の処理へ移行する。なお、放送局2の放送波が受信可能なレベルにあるか否かを判定するために、BER(ビットエラーレート)の値を用い、それを本体受信状況情報とすることもできる。その場合には、受信機4側において、BERを検出できる回路を備える必要がある。
S42:コンテンツ配信制御部71は、外部受信状況からコンテンツ配信可否の判定処理(外部受信状況判定処理)を行う。なお、外部受信状況判定処理の詳細は後述する。制御部96は、ステップS42の処理が完了すると、ステップS43の処理へ移行する。
S43:コンテンツ配信制御部71は、ステップS42における判定結果が、配信可能である場合(ステップS43でYES)には、S44の処理へ移行し、配信不可能であると判定した場合(ステップS43でNO)には、ステップS47の処理へ移行する。
S44:コンテンツ配信制御部71は、配信可能なコンテンツがあるか否かを、配信コンテンツDB82を参照して判定する。たとえば、配信コンテンツDB82に格納されているコンテンツの中に、現在時刻に放送すべきコンテンツの有無を検索し、配信可能なコンテンツを特定する。コンテンツ配信制御部71は、コンテンツがあると判定した場合(ステップS44でYES)には、コンテンツ作成部72に配信コンテンツDB82を参照して特定されたデータを配信データとして送信できる形式に作成するように依頼し、コンテンツを作成すると共に、ステップS45の処理へ移行し、コンテンツがないと判定した場合(ステップS44でNO)にはステップS46の処理へ移行する。
S45:コンテンツ配信制御部71は、受信機4に対してコンテンツ作成部72が作成したコンテンツを送信し、処理を終了する(END)。
S46:コンテンツ配信制御部71は、配信可能なコンテンツがない場合には、その旨を通知するコンテンツをコンテンツ作成部72に作成させて受信機4に送信し、処理を終了する(END)。たとえば、放送局2が当該時間帯においてIP通信網3経由でのコンテンツ配信を行っていない場合、またはメンテナンス期間などに該当し、配信可能なコンテンツがない旨のメッセージを通知する。
S47:コンテンツ配信制御部71は、受信状況により送信できない旨のコンテンツをコンテンツ作成部72に作成させて受信機4に送信し、処理を終了する(END)。たとえば、受信機4から送信されてきた外部受信状況から放送局2からの放送波を受信可能なエリア外であると判定された場合など、「放送範囲外でコンテンツ配信ができません」といったメッセージのコンテンツが受信機4に対して送信される。
(外部受信状況判定処理)
続いて、図11を参照し、図10に示すステップS42の外部受信状況判定処理の詳細について説明する。図11は、この外部受信状況判定処理の詳細を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、図10に示すステップS41で、受信機4から送信された本体受信状況情報から、放送局2の放送波が受信可能なレベルにないと判定されたとき、開始される。
S71:コンテンツ配信制御部71は、受信機4から送信された外部受信状況情報から受信状況の判定処理を行う。具体的には、周波数DB83を参照し、受信機4から送信された外部受信状況情報が、放送局2の放送波が受信可能なレベルにあるか否かを判定する。たとえば、この例の場合、外部受信状況は受信電界強度を示しているので、外部受信状況情報が示す受信電界強度値が所定のレベルを超えているか否かにより判定する。制御部96は、受信可能であると判定した場合(ステップS71でYES)には、S72の処理へ移行し、受信不可能であると判定した場合(ステップS71でNO)にはS73の処理へ移行する。なお、放送局2の放送波が受信可能なレベルにあるか否かを判定するために、BER(ビットエラーレート)の値を用いるようにしてもよい。その場合には、受信機4側において、BERを検出できる回路を備える必要がある。
S72:コンテンツ配信制御部71は、当該受信機4へのコンテンツ配信が可能と判定し、処理を終了する(END)。
S73:コンテンツ配信制御部71は、当該受信機4へのコンテンツ配信が不可能と判定し、処理を終了する(END)。
以上に説明したことから、情報配信システム1においてコンテンツ配信が制御される。すなわち、少なくとも本体受信状況情報から配信可能と判定された場合(図10のステップS41でYES)、放送波が受信可能な範囲にある受信機4に対してコンテンツを配信することができる(図10のステップS44でYES、S45)。
また、本体受信状況情報および外部受信状況情報のいずれにおいても配信可能と判定されない場合(図10のステップS41でNO、S42、S43でNO)、当該受信機4へのコンテンツの配信が行われないので(図10のステップS47)、放送範囲外になる受信機4に対するコンテンツ配信を制限することができる。
また、以上のように、本体部22から取り外されたアンテナ部21において計測された外部受信状況情報が本体部22の受信情報記憶部106に記憶された場合には(図8のステップS22)、コンテンツ配信要求時に配信サーバ12に送信され(図9のステップS34)、外部受信状況情報に基づいて受信可能と判定された場合(図10のステップS43)、コンテンツが配信される(図10のステップS45)。すなわち、たとえば受信機4の本体部22が置かれている家屋内では放送の受信環境がよくない場合、本体部22から取り外したアンテナ部21(本体部22に接続されていない状態のアンテナ部21)を屋外に持ち出し、アンテナ部21による放送の受信状況が良好であれば、その後、アンテナ部21を本体部22に再び取り付けることにより、本体部22でコンテンツの配信を受けることができる。また、たとえば家のレイアウト変更等におり、受信機4が放送を受信しにくい環境におかれる場合でも、アンテナ部21を受信状況が良好な場所に持ち出せば、同様に、本体部22でコンテンツの配信を受けることができる。
このように、この情報配信システム1では、放送の受信状況によりコンテンツ配信の地域が制限される一方で、放送が受信しにくい環境の場合でも、適切にコンテンツを配信することができる。すなわち、アンテナ部21に記憶された外部受信状況情報を本体部22に記憶することで、たとえば、受信機4の設置場所によっては受信状況が好ましくなく、本来は放送対処地域であるのに、受信状況が悪くて、IP通信網3経由でコンテンツが配信されないような不具合を防止することができる。
また、以上のように、アンテナ部21で外部受信信号レベルが計測されてから本体部22に所定時間内に接続されなかった場合には(図7のステップS6でYES)、外部受信状況情報が削除され(図7のステップS7)、結果的にコンテンツの配信が行われないので、不正配信を防止することができる。たとえば、ユーザは、本体部22の設置されている場所とは異なり地域であり、かつ本体部22との再接続に上記の所定時間以上かかるようなる地域にアンテナ部21を持っていき、そこで受信状況を検出しても、本体部22でコンテンツの配信を受けることができない。
続いて、本発明の実施例2について説明する。本発明の実施例2では、図7の処理において、アンテナ部21の本体部22への再接続が所定時間内に行われなかった場合に外部受信状況情報を削除するための処理(図7のステップS5〜ステップS8に相当する処理)がない点と、図8の処理において、受信機4の本体部22が、アンテナ部21から送信されてくる外部受信状況の計測日時と本体部22にアンテナ部が接続された日時を考慮して記憶する点と、図10および図11の処理において、配信サーバ12が本体部22からコンテンツ配信要求を送信してきた日時と現在時刻を考慮してコンテンツ配信可否判定をする点が実施例1と異なる。したがって、それ以外の各装置の機能、構成および動作は実施例1と同一であるため、図示および説明を省略する(なお、以下では、実施例2の情報配信システム全体を指すときには便宜上、情報配信システム1Aとする)。
実施例2におけるアンテナ部21の外部受信状況検出処理について図12を参照して説明する。図12は、この外部受信状況検出処理を示すフローチャートである。なお、図7に示した実施例1のアンテナ部21と同じ処理については、同じステップ番号を付して、その説明を省略する。
S2A:制御部96は、指定地域の入力がある場合は、その地域で受信できる各周波数を読み出し、それぞれの受信状況、及び現在日時を検出する。具体的には、制御部96は、指定された地域で受信できる各周波数を放送局テーブル98から読み出し、読み出された周波数情報に基づいて、チューナー91および受信状況検出部95によってチューニング処理を実行すると共に、当該チューニング処理を行った現在日時を取得する。なお、現在日時は、受信機4が内蔵している不図示の時計機構、またはIP通信網3経由でNTPサーバなどから取得することができる。制御部96は、ステップS2Aの処理が完了すると、ステップS4Aの処理へ移行する。
S3A:制御部96は、オートシーク処理を行うとともに現在時刻を検出する。具体的には、制御部96は、オートシーク処理をチューナー91および受信状況検出部95によって実行すると共に、当該処理を行った現在日時を取得する。制御部96は、ステップS3Aの処理が完了すると、ステップS4Aの処理へ移行する。
S4A:制御部96は、ステップS2AまたはS3Aの処理によって得られた各周波数、当該周波数における受信状況、現在日時を対応付けて受信情報記憶部92に記憶する。具体的には、制御部96は、受信情報記憶部92に「放送種別」および「放送周波数」により特定される放送局2毎に「外部受信信号レベル」の情報および「外部受信信号レベル計測日時」の情報を記憶する。制御部96は、ステップS4Aの処理が完了すると、ステップS5Aの処理へ移行する。
S5A:制御部96は、アンテナ部21が本体部22に接続されたか否かを検出する。制御部96は、アンテナ部21が本体部22に接続されたと検出された場合(ステップS5AでYES)には、ステップS6Aの処理へ移行し、接続されていない場合(ステップS5AでNO)には、接続を検出するまでステップS5Aの判定処理を続ける。
S6A:制御部96は、本体部22に外部受信状況情報を送信する。すなわちアンテナ部21から本体部22に外部受信状況情報が送信される。その後、制御部96は、当該処理を終了する(END)。
続いて、図13を参照し、図12のアンテナ部21の処理で作成された受信状況情報を受信機4の本体部22に登録する処理について説明する。図13は、この外部受信状況情報登録処理を示すフローチャートである。なお、図8に示した実施例1のアンテナ部21と同じ処理については、同じステップ番号を付して、その説明を省略する。
S21A:主制御部110は、外部受信状況を計測したときの時刻データとアンテナ部21が本体部22に接続された日時を比較し、所定時間経過しているか否かを判定する。ここで、所定時間とはたとえば10分、15分などの値が設定されるが、ユーザがアンテナ部21を屋外に持ち出して当該処理を開始してから本体部22と再接続するまでの時間を考慮して適宜設定されることが好ましい。主制御部110は、外部受信状況を計測したときの時刻データとアンテナ部21が本体部22に接続された日時とを比較し、経過していない場合(ステップS21AでYES)には、ステップS22B(S715)の処理へ移行し、経過している場合(ステップS21AでNO)には、ステップS22A(S714)の処理へ移行する。
S22A:主制御部110は、アンテナ部21の外部受信状況を受信情報記憶部106に記憶しないで、処理を終了する(END)。
S22B:主制御部110は、アンテナ部21の外部受信状況を受信情報記憶部106に記憶して、処理を終了する(END)。
続いて、図14を参照し、実施例2の配信サーバ12が実行する外部受信状況判定処理の詳細について説明する。図14は、この外部受信状況判定処理の詳細を示すフローチャートである。この図14に示す判定処理では、アンテナ部21が本体部22と接続した日時と、外部受信信号レベルの計測日時とを比較し、所定時間内経過していないものだけ受信情報記憶部106に記憶する点が図11に示した実施例1の判定処理と異なる。なお、図14では、実施例1の図11に示す外部受信状況判定処理の詳細と異なる点のみを説明し、コンテンツ配信可否判定処理全体については実施例1の図10に示すコンテンツ配信可否判定処理と同一であるため、図示および説明を省略する。
S71A:コンテンツ配信制御部71は、ステップS71の処理でコンテンツを配信可能と判定された場合(ステップS71でYES)には、配信可否判定情報DB81を参照して、受信機4に関連付けられている外部受信状況情報の記憶日時とコンテンツ配信要求を送信してきた日時とを比較して、配信可能であるか否かを判定する。コンテンツ配信制御部71は、配信可能な場合(ステップS71AでYES)には、ステップS83へ移行し、不可能な場合(ステップS71AでNO)には、ステップS73の処理へ移行する。ここで、配信不可能な場合とは、具体的には、外部受信状況情報の計測日時がコンテンツ配信要求を送信してきた日時の1週間前あるいは1ヶ月前などの所定期間より前の計測日時となっている場合には配信不可能として、受け付けないようにする。
以上に説明したことから、実施例2の情報配信システム1Aにおいてコンテンツ配信が制御される。すなわち、実施例1と同様に、少なくとも本体受信状況情報から配信可能と判定された場合(図10のステップS41でYES)、放送波が受信可能な範囲にある受信機4に対してコンテンツを配信することができる(図10のステップS44でYES、S45)。
また、実施例1と同様に、本体受信状況情報および外部受信状況情報のいずれにおいても配信可能と判定されない場合(図10のステップS41でNO、図14のステップS71でNO、S71AでNO)、当該受信機4へのコンテンツの配信が行われないので(図14のステップS73)、放送範囲外になる受信機4に対するコンテンツ配信を制限することができる。
また、本体部22から取り外された状態におけるアンテナ部21で計測された外部受信状況情報が、当該計測時点から本体部22に接続されるまでの間が所定時間経過していない場合に(図13のステップS21AでNO)、当該外部受信状況情報が本体部22の受信情報記憶部106に記憶され、コンテンツ配信要求時に配信サーバ12に送信され(図9のステップS34)、外部受信状況情報に基づいて受信可能と判定された場合(図10のステップS43)、コンテンツが配信される(図10のステップS45)。すなわち、たとえば受信機4の本体部22が置かれている家屋内では放送の受信環境がよくない場合、本体部22から取り外したアンテナ部21(本体部22に接続されていない状態のアンテナ部21)を屋外に持ち出し、アンテナ部21による放送の受信状況が良好であれば、その後、アンテナ部21を本体部22に再び取り付けることにより、本体部22でコンテンツの配信を受けることができる。また、たとえば家のレイアウト変更等におり、受信機4が放送を受信しにくい環境におかれる場合でも、アンテナ部21を受信状況が良好な場所に持ち出せば、同様に、本体部22でコンテンツの配信を受けることができる。
このように、実施例2の情報配信システム1Aでは、放送の受信状況によりコンテンツ配信の地域が制限される一方で、放送が受信しにくい環境の場合でも、適切にコンテンツを配信することができる。すなわち、アンテナ部21に記憶された外部受信状況情報を本体部22に記憶することで、たとえば、受信機4の設置場所によっては受信状況が好ましくなく、本来は放送対処地域であるのに、受信状況が悪くて、IP通信網3経由でコンテンツが配信されないような不具合を防止することができる。
また、以上のように、アンテナ部21が本体部22から取り外された状態での外部受信信号レベルの計測日時から本体部22へ再び接続されるまでが、所定時間を経過していた場合には(図13のステップS21AでYES)、本体部22へ記憶されないので(図13のステップS22A)、結果的にコンテンツの配信が行われず、不正配信を防止することができる。たとえば、ユーザは、本体部22の設置されている場所とは異なり地域であり、かつ本体部22との再接続に上記の所定時間以上かかるようなる地域にアンテナ部21を持っていき、そこで受信状況を検出しても、本体部22でコンテンツの配信を受けることができない。