JP4583993B2 - ボトル缶 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばホットパック時やレトルト殺菌時などのように温度が高められるボトル缶に関する。
一般に、飲料用の缶として広く使用されているボトル缶は、アルミニウムやアルミニウム合金製の金属板に対して絞り加工(Drawing)と、次いで行われるしごき加工(Ironing)と、ネックイン加工とを施すことによって、上部に口金部を設けて製造される。さらに、この口金部には、成形ローラなどを用いたネジ成形加工を施すことによって、外側にキャップに設けられる雌ネジ部に螺合する雄ネジ部と、キャップの内面に配設されたライナーと当接するカール部とが設けられる。これによって、飲料が充填された後に、ボトル缶の口金部にキャップを螺着して閉栓される。なお、ボトル缶を開栓させる際には、ボトル缶からキャップを離間させる方向に回転させる。
ところで、このようなボトル缶の内面には、その内容物に対してボトル缶の地肌である金属面を保護して、ボトル缶の腐食を防止するために、例えばエポキシ/アクリル系樹脂のような硬化樹脂を含有する塗料組成物からなる塗装膜が形成されている。この塗装膜は、絞り加工及びしごき加工を施すことで形成された有底筒状体の内面に塗料を噴霧しながら塗布し、これを乾燥、硬化させることで形成されたものである。
この塗装膜には、ネックイン加工及びネジ成形加工における加工時に金属面を傷付けることを防止して加工性を向上させることや、ボトル缶を開栓する際のキャップの開栓性を向上させるために、ワックスが添加されている。ここで、このワックスとしては、例えばカルナバワックスやラノリンワックスが用いられている。なお、口金部に形成されたカール部において、ボトル缶の内面に形成された塗装膜は、閉栓時にキャップの内面に配設されたライナーと接触している。
特開2003−226337号公報
しかしながら、上記従来のボトル缶には、以下の課題がある。すなわち、上記従来のボトル缶は、例えばお茶やミネラルウォーターのように高温加熱することで殺菌した飲料を充填するホットパック時のように、ボトル缶自体が加熱されると、ボトル缶の内面に形成された塗装膜に添加されているワックスが溶融することがある。そして、溶融したワックスを吸着することによってライナーが軟化し、キャップを開栓する際の開栓トルクが増大するという問題がある。また、使用するワックスによっては、ワックスが溶融することによって充填された飲料のフレーバー性が損なわれるという問題がある。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、例えばホットパック時のように温度が高められる場合であっても、開栓時のキャップの開栓性が低下することを抑制すると共に内容物のフレーバー性が維持されるボトル缶を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明にかかるボトル缶は、缶胴部及び閉栓時にキャップに設けられたライナーに当接するカール部を有する缶基体と、該缶基体の内面に形成された硬化樹脂を含有する塗装膜とを有し、内容物の充填時または充填後に加温されるボトル缶において、少なくとも前記カール部のうちの前記ライナーと接触するライナー接触予定部の塗装膜が、前記缶胴部の塗装膜と比較して、前記加温温度で前記ライナーとの摺動摩擦が小さい塗料によって形成され、前記缶胴部の塗装膜が、前記カール部の塗装膜と比較して、フレーバー性の高い塗料によって形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、例えば80℃に加熱した飲料を充填するホットパックや120℃で加熱殺菌処理するレトルト殺菌などの加温温度において、ライナーとの摺動摩擦が小さい塗装膜をライナー接触予定部に形成することで、加温状態としてもキャップの開栓性を維持することができる。また、缶胴部にフレーバー性の高い塗装膜を形成することでフレーバー性が維持される。
また、本発明にかかるボトル缶は、前記ライナー接触予定部の塗装膜が、前記缶胴部の塗装膜と比較して、前記加温温度でより高い開栓性を維持するワックスを含有していることが好ましい。
この発明によれば、加温温度で高い開栓性を維持するワックスをライナー当接予定部の塗装膜に添加することで、加温状態としてもキャップの開栓性を維持する。
また、本発明にかかるボトル缶は、前記ライナー接触予定部の塗装膜が、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックスまたはフッ素系ワックスのうちの少なくとも1種を含有し、前記缶胴部の塗装膜が、ラノリンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンまたはポリエチレン系ワックスのうちの少なくとも1種を含有することが好ましい。
この発明によれば、融点が85℃以上であるポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックスまたはフッ素系ワックスのうちの少なくとも1種を添加した塗装膜をカール部のライナー接触予定部に形成することで、ボトル缶にホットパック充填してその後キャップをネジ成形して密封した後、ライナー接触予定部においてライナーと接触している塗装膜が溶融し、塗装膜に添加されているワックスがライナーに吸着されることを防止する。したがって、ワックスの吸着によるライナーの軟化を抑制し、キャップ開栓時の開栓トルクの増大に起因するキャップの開栓性が低下することを回避することができる。
また、ラノリンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンまたはポリエチレン系ワックスのうちの少なくとも1種を添加した塗装膜を缶胴部に形成することで、飲料のフレーバー性を維持することができる。
また、本発明にかかるボトル缶は、前記ライナー接触予定部の塗装膜が、マイクロクリスタリンを含有し、前記缶胴部の塗装膜が、ラノリンワックス、カルナバワックス、またはポリエチレン系ワックスのうちの少なくとも1種を含有することが好ましい。
この発明によれば、上述と同様に、ホットパック時における開栓性の低下を回避すると共に、飲料のフレーバー性が維持される。
また、本発明にかかるボトル缶は、前記ライナー接触予定部の塗装膜が、ポリプロピレン系ワックスまたはフッ素系ワックスのうちの少なくとも1種を含有し、前記缶胴部の塗装膜が、ラノリンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンまたはポリエチレン系ワックスのうちの少なくとも1種を含有することが好ましい。
この発明によれば、融点が120℃以上であるポリプロピレン系ワックスまたはフッ素系ワックスを添加した塗装膜をカール部に形成することで、カール部における塗装膜に添加されているワックスが溶融しない。したがって、レトルト殺菌時においても、上述と同様に、開栓性の低下を回避することができる。
また、本発明にかかるボトル缶は、前記ライナー接触予定部の塗装膜が、前記缶胴部の塗装膜と比較して、ワックスの含有量が多いことが好ましい。
この発明によれば、ライナー接触予定部における塗装膜のワックスの含有量を缶胴部における塗装膜のワックスの含有量よりも多くすることで、ライナー接触予定部の塗装膜と缶胴部の塗装膜とに同じワックスを用いても、ライナー接触予定部における塗装膜とライナーとの摺動摩擦が小さくなり、ライナー接触予定部の開栓性を維持する。また、逆に缶胴部におけるワックスの含有量がカール部におけるワックスの含有量よりも少ないことで、同様にライナー接触予定部の塗装膜と缶胴部の塗装膜とに同じワックスを用いても、飲料のフレーバー性を維持する。
また、本発明にかかるボトル缶は、前記ライナー接触予定部の塗装膜に添加されるワックスの含有量が、該カール部の塗装膜が含有する硬化樹脂に対して0.2重量%以上5重量%以下であると共に、前記缶胴部の塗装膜に添加されるワックスの含有量が、該缶胴部の塗装膜が含有する硬化樹脂に対して1重量%以下であることが好ましい。
この発明によれば、ライナー接触予定部における塗装膜のワックスの含有量を硬化樹脂に対して0.2重量%以上とすることで、表面のすべりを維持してカール部の加工時に缶基体が傷付くことを防止し、5重量%以下とすることで、加工時において塗装膜にクラックが発生することを防止する。また、缶胴部における塗装膜のワックスの含有量を硬化樹脂に対して1重量%以下とすることで、フレーバー性に悪影響を与えない。
また、本発明にかかるボトル缶は、前記缶胴部の塗装膜が、ワックスを含有していないことが好ましい。
この発明によれば、缶胴部の塗装膜にワックスを添加しないことで、飲料のフレーバー性を維持する。
本発明のボトル缶によれば、加温温度での摺動摩擦が小さい塗装膜をカール部のライナー接触予定部に形成することで、例えばホットパック時、レトルト殺菌処理のように加温状態としてもキャップの開栓性を維持することができる。また、缶胴部にフレーバー性の高い塗装膜を形成することで充填された飲料のフレーバー性が維持される。
以下、本発明によるボトル缶の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態におけるボトル缶1は、図1に示すように、キャップ2をネジ成形して密封することで、キャップ付ボトル缶3として用いられるものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる缶基体11の内面に内面塗装膜(塗装膜)12を形成し、外面に外面塗装膜13を形成したものである。
缶基体11は、大径の缶胴部14と、この缶胴部14の上端から上方に向かうにしたがって漸次縮径して形成されたテーパ部15と、このテーパ部15の上端から上方に延在して形成された小径の口金部16とを備えている。
口金部16は、その下端部に径方向に膨出して形成されたかぶら部17と、このかぶら部17の上方かつ口金部16の軸方向ほぼ中央部に形成された雄ネジ部18と、口金部16の上端縁を径方向外方へ折り曲げて形成されたカール部19とを備えている。なお、このカール部19は、スロット加工されることで潰され、これにより閉栓時にキャップ2の後述するライナー23と接触するライナー接触予定部19aが形成される。
内面塗装膜12は、缶基体11を保護して缶基体11とボトル缶1の内容物とが接触することで、この影響によって缶基体11が腐食することなどを防止するために形成された塗装膜である。
この内面塗装膜12は、カール部19の内面に形成されたカール部内面塗装膜12aと、缶胴部14を含む缶基体11のカール部19を除いた内面に形成された缶胴部内面塗装膜12bとによって構成されている。
カール部内面塗装膜12aは、エポキシ/アクリル系樹脂を溶媒で溶かし、これにワックスを添加することによって構成される。ここで添加されるワックスには、融点が125℃であるポリエチレン系ワックスが用いられており、その含有量がエポキシ/アクリル系樹脂に対して0.2重量%以上5重量%以下となっている。なお、ワックスとして、例えばアミド系ワックスを添加してもよい。ここで適用可能なアミド系ワックスとして、エルカ酸アミドや、ステリン酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。
缶胴部内面塗装膜12bは、カール部内面塗装膜12aと同様に、エポキシ/アクリル系樹脂を溶媒で溶かし、これにワックスを添加することによって構成される。ここで添加されるワックスには、融点が80℃であるカルナバワックスが用いられており、その含有量がエポキシ/アクリル系樹脂に対して0.01重量%以上0.1重量%以下となっている。
外面塗装膜13は、缶基体11の上面に形成されたサイズコート膜(図示略)と、サイズコート膜の上面に形成された印刷膜(図示略)と、印刷膜の上面に形成されたオーバーバーニッシュ膜(図示略)とによって構成されている。
サイズコート膜は、缶基体11と印刷膜との密着性を向上させるために形成された塗装膜である。そして、サイズコート膜の原料は、例えばエポキシ/フェノール系樹脂またはポリエステル/アミノ系樹脂を溶剤で溶かすことによって構成される。なお、サイズコート膜の原料には、適宜の顔料が添加されてもよい。
インク膜は、缶基体11の外表面を装飾するために形成された塗装膜である。そして、インク膜の原料は、色彩を有するインキによって構成される。
オーバーバーニッシュ膜は、インク膜の保護や、表面のすべりを良好にして加工性を向上させるために形成された塗装膜である。そして、オーバーバーニッシュ膜の原料は、例えばエポキシ/フェノール系樹脂またはポリエステル/アミノ系樹脂を溶剤で溶かし、これにワックスを添加することによって構成される。
キャップ2は、ボトル缶1と同様にアルミニウムまたはアルミニウム合金などからなり、天面部21とこの天面部21の周縁からほぼ垂下した側面部22とによって構成されている。そして、天面部21の内面には、ライナー23が配設されている。このライナー23は、ほぼ円板形状を有しており、ポリプロピレンによって構成されている。
次に、以上のように構成されたボトル缶1の製造方法について、図2を用いて説明する。
まず、アルミニウム板材を所定の大きさの円形状板に打ち抜いて形成されたアルミニウム円板31に、まずDI加工工程を施すことによってDI缶(有底筒状体)32を形成する。
このDI加工工程は、アルミニウム円板31からカップ33を形成する絞り工程と、カップ33を所定高さの筒状缶体34に形成する再絞り加工及びしごき加工と、筒状缶体34の上端34aを切りそろえてDI缶32とするトリミング加工とを備えている。アルミニウム円板31の板厚とほぼ同じ厚みにカップ33は、再絞り加工及びしごき加工によって所定厚み及び高さの筒状缶体34に加工されるが、その際に、筒状缶体34の上端34aの高さが一様に変形されずに、山谷状に変形される。この山谷状の部分は、通常「耳」と呼ばれ、トリミング加工によって切断される。これにより、DI缶32の上端32aは、一様の高さに形成される。このDI加工工程の後、ウォッシャで洗浄され、耐腐食性向上のためにクロムやジルコニウムなどで化成処理が行われる。
次に、DI加工工程によって形成されたDI缶32に、内面塗装処理及び外面塗装処理を施すことでDI缶32の内面及び外面にそれぞれ上述した内面及び外面塗装膜12、13を有する原型缶基体35を形成する。
内面塗装処理は、図3に示す内面塗装装置40を用いた塗料の噴き付けによって行わる。この内面塗装装置40は、DI缶32の内面に向けて塗料を噴霧する複数の塗料噴霧手段41と、これら塗料噴霧手段41に塗料を供給する塗料供給手段(図示略)と、DI缶32の底部32aを保持してDI缶32を缶軸回りに回転させる保持手段(図示略)とを備えている。複数の塗料噴霧手段41は、DI缶32の内面のうち、底部32aに塗料を噴霧する第1噴霧手段42aと、缶胴32bのうちカール部形成予定部32cを除いた部分に塗料を噴霧する第2噴霧手段42bと、カール部形成予定部32cに塗料を噴霧する第3噴霧手段42cとによって構成されている。ここで、第1及び第2噴霧手段42a、42bから缶胴部内面塗装膜12bの原料によって構成された塗料が噴霧され、第3噴霧手段42cからカール部内面塗装膜12aの原料によって構成された塗料が噴霧される構成となっている。
このように構成された内面塗装装置40を用いて内面塗装膜12を形成する際は、まずDI缶32を、その底部32aが前記保持手段に接し、かつ缶軸と前記保持手段の回転軸とをほぼ一致させた状態で、保持手段により保持する。次に、前記保持手段を回転駆動させてDI缶32を回転駆動させてDI缶32を缶軸回りに回転させると共に、第1から第3噴霧手段42a〜42cから同時に、DI缶32の内面に向けて塗料を噴霧する。そして、これを焼付け乾燥させることで、カール部内面塗装膜12a及び缶胴部内面塗装膜12bを有する内面塗装膜12が形成される。
また、外面塗装処理は、内面塗装処理と同様に、塗料の噴き付けによって行われ、DI缶32の全周を周回するように塗装される。ここで、DI缶32の全周に良好に塗装されるように、塗装の周回開始部分と塗装の周回終了部分とが重複するように塗装されている。そして、これを焼付け乾燥させることで、外面塗装膜13が形成される。
以上のようにして、DI缶32の内面及び外面にそれぞれ内面及び外面塗装膜12、13を形成した原型缶基体35が形成される。
次に、内面及び外面塗装処理によって内面及び外面塗装膜12、13が形成された原型缶基体35に、ネックイン加工を施すことによって、テーパ部15及び口金部16が形成された原型ボトル缶36を形成する。そして、この原型ボトル缶36に、成形ローラなどを用いたネジ成形加工を施すことによって口金部16に雄ネジ部18を形成すると共に、開口端を径方向外方へ向けて折り返してカール部19を形成することで、ボトル缶1となる。この後、ボトル缶1に飲料が充填された後は、図示しないキャッププリフォームを口金部16に被せ、成形ローラなどによって雄ネジ部18に合わせた雌ネジ部24が形成され、キャップ2となる。このとき、カール部19のライナー接触予定部19aとライナー23とが接触し、キャップ付ボトル缶3の密封性が保たれている。
ここで、ボトル缶1の内部に充填される飲料として、ミルク入りコーヒーやスープなどのようにレトルト殺菌が必要な飲料や、お茶やミネラルウォーターなどのようにホットパックで充填される飲料が挙げられる。
このように構成されたボトル缶1によれば、カール部内面塗装膜12aにポリエチレン系ワックスを添加することで、ホットパック時やレトルト殺菌時においてボトル缶1を加熱しても、カール部内面塗装膜12aのワックスが溶融してキャップ2に配設されたライナー23に吸着されることを抑制する。これにより、ライナー23の軟化が抑制されてキャップ2の開栓トルクが良好に維持される。そして、缶胴部内面塗装膜12bにカルナバワックスを添加することで、ボトル缶1の内部に充填される飲料のフレーバー性を維持される。
このとき、カール部内面塗装膜12aのワックスの含有量がエポキシ/アクリル系樹脂に対して0.2重量%以上5重量%以下であり、缶胴部内面塗装膜12bにおけるワックスの含有量がエポキシ/アクリル系樹脂に対して0.01重量%以上1重量%以下であるので、加工時において缶基体11が傷付くことを防止すると共に、カール部内面塗装膜12a及び缶胴部内面塗装膜12bにクラックが発生することを防止する。
次に、本発明にかかるボトル缶を、実施例により具体的に説明する。
まず、実施例1から実施例10及び比較例1、2として、それぞれ表1に示すようなカール部内面塗装膜のワックス及び缶胴部内面塗装膜のワックスを用いたボトル缶を製造した。そして、これらボトル缶にキャッププリフォームを被着、ネジ成形してキャップ付ボトル缶を製造した。
これら製造されたキャップ付ボトル缶の開栓トルク、フレーバー性、加工時における塗装膜のクラックの有無を評価した。この結果を、表1に示す。ここで、ボトル缶には水が85℃でホットパックされており、キャップ付ボトル缶を製造した後で表1に示す熱処理条件で熱処理を施している。また、熱処理条件が70℃×20分であるキャップ付ボトル缶にはポリエチレン系のライナー材を使用したキャップが被着されており、125℃×30分であるキャップ付ボトル缶にはポリプロピレン系のライナー材を使用したキャップが被着されている。なお、表1において、開栓性は、170N・cm未満であれば問題なく、170N・cm以上200N・cm以下であればやや硬く感じられるものの実用上問題ないが、200N・cmを超えると実用上問題が発生する。また、フレーバー性は、△以上であれば実用可能となっている。また、塗膜クラックも同様に、△以上であれば実用可能となっている。また、実施例5において「1.0+3.0」とは1.0重量%のポリエチレンワックスと3.0重量%のフッ素系ワックスとを混合していることを示しており、実施例7において「1.0+1.0」とは1.0重量%のポリエチレンワックスと1.0重量%のフッ素系ワックスとを混合していることを示している。
Figure 0004583993
表1より、カール部内面塗装膜にホットパック時の温度で高い開栓性を維持するワックスを添加することで、加温状態としてもキャップの開栓性が維持されることを確認した。このとき、ワックスの含有量を0.2重量%以上5重量%以下とすることで塗装膜にクラックが発生することを抑制することを確認した。また、缶胴部内面塗装膜に添加されるワックスの含有量を缶胴部内面塗装膜が含有する硬化樹脂に対して0.01重量%以上1重量%以下とすることで塗装膜にクラックが発生することを抑制すると共に、フレーバー性が維持されることを確認した。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、缶基体としてアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いたが、これらに限らず、スチールなど他の金属を用いてもよい。また、アルミニウム板材から一体的に形成されているが、缶底が別部材によって形成されたツーピース缶であってもよい。
また、缶基体のカール部の内面にカール部内面塗装膜を、缶基体の他の内面に缶胴部内面塗装膜を、それぞれ形成したが、カール部のライナー接触予定部の内面にカール部内面塗装膜が形成されていればよい。例えば、缶基体の口金部内面にカール部内面塗装膜を形成すると共に口金部を除いた内面に缶胴部内面塗装膜を形成してもよく、缶基体の口金部及びテーパ部の内面にカール部内面塗装膜を形成すると共に口金部及びテーパ部を除いた内面に缶胴部内面塗装膜を形成してもよい。
また、カール部内面塗装膜に添加されるワックスとして、ポリエチレン系ワックスを用いたが、これに限らず、マイクロクリスタリン、ポリプロピレン系ワックスまたはフッ素系ワックスを用いてもよい。ここで、ポリプロピレン系ワックスとフッ素系ワックスとは、共に融点が120℃以上であるため、ホットパックを行うボトル缶のみならずレトルト殺菌を行うボトル缶に適用することができる。さらに、これらのワックスを2種以上混合して用いてもよい。
また、缶胴部内面塗装膜に添加されるワックスとして、カルナバワックスを用いたが、これに限らず、ラノリンワックス、マイクロクリスタリンまたはポリエチレン系ワックスを用いてもよい。いずれのワックスを用いても、ボトル缶の内部に充填される飲料のフレーバー性が維持される。さらに、上述と同様に、これらのワックスを2種以上混合して用いてもよい。ここで、カール部内面塗装膜と缶胴部内面塗装膜とにそれぞれマイクロクリスタリンを添加した場合であっても、マイクロクリスタリンのカール部内面塗装膜に対する含有量を缶胴部内面塗装膜に対する含有量よりも多くすることで、上述と同様に、開栓性及びフレーバー性を維持することができる。
また、缶胴部内面塗装膜にワックスを添加しなくてもよい。このようにすることで、飲料のフレーバー性を維持する。
また、缶胴部内面塗装膜のワックス含有量が、0重量%より多く0.01重量%未満であってもよい。
本発明の一実施形態におけるキャップ付ボトル缶を示す部分断面図である。 図1のボトル缶の製造工程を示す斜視図である。 図1のボトル缶の内面塗装装置の概略構成図である。
符号の説明
1 ボトル缶
2 キャップ
11 缶基体
12 内面塗装膜(塗装膜)
12a カール部内面塗装膜
12b 缶胴部内面塗装膜
14 缶胴部
19 カール部
19a ライナー接触予定部
23 ライナー

Claims (8)

  1. 缶胴部及び閉栓時にキャップに設けられたライナーに当接するカール部を有する缶基体と、該缶基体の内面に形成された硬化樹脂を含有する塗装膜とを有し、内容物の充填時または充填後に加温されるボトル缶において、
    少なくとも前記カール部のうちの前記ライナーと接触するライナー接触予定部の塗装膜が、前記缶胴部の塗装膜と比較して、前記加温温度で前記ライナーとの摺動摩擦が小さい塗料によって形成され、
    前記缶胴部の塗装膜が、前記カール部の塗装膜と比較して、フレーバー性の高い塗料によって形成されていることを特徴とするボトル缶。
  2. 前記ライナー接触予定部の塗装膜が、前記缶胴部の塗装膜と比較して、前記加温温度でより高い開栓性を維持するワックスを含有していることを特徴とする請求項1に記載のボトル缶。
  3. 前記ライナー接触予定部の塗装膜が、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックスまたはフッ素系ワックスのうちの少なくとも1種を含有し、
    前記缶胴部の塗装膜が、ラノリンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンまたはポリエチレン系ワックスのうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のボトル缶。
  4. 前記ライナー接触予定部の塗装膜が、マイクロクリスタリンを含有し、
    前記缶胴部の塗装膜が、ラノリンワックス、カルナバワックス、またはポリエチレン系ワックスのうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のボトル缶。
  5. 前記ライナー接触予定部の塗装膜が、ポリプロピレン系ワックスまたはフッ素系ワックスのうちの少なくとも1種を含有し、
    前記缶胴部の塗装膜が、ラノリンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンまたはポリエチレン系ワックスのうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のボトル缶。
  6. 前記ライナー接触予定部の塗装膜が、前記缶胴部の塗装膜と比較して、ワックスの含有量が多いことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のボトル缶。
  7. 前記ライナー接触予定部の塗装膜に添加されるワックスの含有量が、該カール部の塗装膜が含有する硬化樹脂に対して0.2重量%以上5重量%以下であると共に、
    前記缶胴部の塗装膜に添加されるワックスの含有量が、該缶胴部の塗装膜が含有する硬化樹脂に対して1重量%以下であることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載のボトル缶。
  8. 前記缶胴部の塗装膜が、ワックスを含有していないことを特徴とする請求項1に記載のボトル缶。
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