JP4583684B2 - 使い捨て吸収心材を製造する方法及び装置 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、異形使い捨て吸収心材をその材料を無駄にしないで製造する方法及びこの方法の実施に用いられる装置に関する。特に、本発明の方法により、着用者の脚の周りに良好にフィットすることができるよう砂時計の形をした吸収心材を有するおむつ又はトレーニングパンツを製造することができるが、この方法は、女性用衛生用品、大人用失禁用品及び他の使い捨て吸収用品にも適用できる。
【０００２】
使い捨て吸収用品は、今日市場において非常な人気を博するようになっている。これら物品の多くは、種々の特徴、例えば、向上した封込め特性及び良好で一層快適な装着具合を含む種々の機能を発揮する吸収心材を有している。
【０００３】
使い捨て吸収用品の製造において優先して考慮すべき事項は、材料費を含む物品の製造費である。本発明は、無駄になる材料を殆ど又は全く出さずに吸収用品の吸収心材を製造する方法を提供する。かくして、本発明の方法によって製造された吸収心材を、材料が無駄になる方法を用いて現在製造されている吸収心材の多くよりも比較的コストを下げた状態で提供することができる。材料の無駄を軽減し又は無くす方法が、以下の技術文献に開示されている。
【０００４】
１９８８年８月２日に発行された米国特許第４，７６０，７６４号は、ゆで卵用時計（砂時計の形をしている）の形をした使い捨ておむつの製造方法に関する。吸収心材を有効利用することにより、特に、吸収心材の一部を切り取ってこれを捨てることにより無駄を無くすことによって製造費を減少させることが提案されている。これは、「組合せパネル（nested panels ）」をシングルサイドパネルウェブの状態で準備し、次に、例えばこの米国特許の図４に示すようにパネルを再構成して吸収パッドを形成することによって達成される。１９９６年７月１８日に公開されたＰＣＴ出願公開明細書ＷＯ９６／２１４１１は、多数の小片又は層から作られた特別な形状又は輪郭を持つ吸収心材を製造する方法を開示している。この場合、多数の小片又は層は、「ゼロスクラップ」方式で同一の連続ウェブから裁断される。
【０００５】
本発明の目的は、無駄を無くして利点をもたらし、これと関連して材料費の減少を達成する別の方法を提供することにある。
【０００６】
本発明の目的は、同一の複数の第１及び第２の心材要素を同一の連続ウェブから裁断して連続ウェブから使い捨て吸収心材を製造する方法及び装置を提供する。
【０００７】
〔発明の概要〕
本発明の目的は、第１及び第２の心材要素をそれぞれ、心材要素の平面に垂直な軸線の回りに回転させ、次に第１の心材要素と第２の心材要素を近接した関係で結合して吸収心材を形成することによって吸収心材を形成することによって達成される。好ましくは、第１及び第２の心材要素をそれぞれ、互いに逆の回転方向に９０°回転させる。
【０００８】
〔実施形態の詳細な説明〕
失禁処理用品、例えば布製でない使い捨ておむつは伝統的に繊維の絡み合った塊、即ち、不織繊維状ウェブを有する吸収構造を利用している。これらウェブは、流体が繊維材料それ自体によって吸収される吸収メカニズムと、特に流体が繊維相互間の毛管状隙間によって吸い上げられ、この中に分散され、そして貯えられる吸上げメカニズムの両方により、***された体液を含む水性流体を吸収する。これらウェブは、吸収性繊維、例えばカーディング法が施された綿、エアレイ法が施されたセルロース繊維、破砕木材パルプ繊維等から成る詰まり具合がルーズで低密度の層から成る場合が多い。かかる吸収用品に用いられる繊維状ウェブは、多量の排出体液を貯える或る特定の吸収性ゲル化材料（通常これは、「ハイドロゲル（hydrogel）」、「超吸収性（super absorbent ）」又は「ハイドロコロイド（hydrocolloid）」材料）を更に有する場合が多い。かかる心材を製造する公知の技術では、繊維をスクリーン付きのドラムに設けられた異形キャビティ内へ飛散させて心材の形状を作ると共に心材１個当たりに用いられる材料の量を制御する。異形キャビティの過剰充填又は積層分は削ぎ落としロールによって除去され、流入している空気流に戻される。吸収ゲル化材料（ＡＧＭ）が、繊維材料と一緒に空気流に添加される。この方法を用いるとスクリーン、堆積ドラムの形状を変えることにより多くの別の形状を作ることができる。したがって、材料の形状は、繊維を異形キャビティ内へ「成形」することにより達成される。この方法は、トリミングを行わないで付形することができ、その結果、スクラップの量が最小限に抑えられる。かかる心材の例は、１９８７年６月１２日に米国特許第４，６７３，４０２号及び１９９０年６月１９日に発行された米国特許第４，９３５，０２２号に開示されている。
【０００９】
潜在的に毛管作用による流体の輸送を行うことができる別の吸収材料は、連続気泡ポリマーフォームである。適正に作られると、連続気泡ポリマーフォームは、吸収用品、例えばおむつ用の高性能吸収心材に用いられるのに必要な毛管作用による流体吸上げ、輸送及び貯蔵の機能を発揮することができる。かかるフォームを有する吸収用品は、望ましい湿分保全性を備え、物品の着用期間全体にわたって適当なフィット感をもたらし、使用中における形状の変化を無くすことができる。加うるに、かかるフォーム構造を有する吸収用品は、商業規模で製造が容易である。例えば、おむつの吸収心材は単に連続フォームシートから打ち抜くことができ、そして粒子状吸収ゲル化材料を有するエアレイ法が施された繊維状吸収心材よりも一体性及び均一性がかなり高いものであるように設計できる。
【００１０】
連続気泡フォーム材料から作られた特別な形状又は輪郭を持つ吸収心材が、１９９２年９月１５日に発行された米国特許第５，１４７，３４５号に開示されている。この米国特許は、繊維又はフォームを主成分とする流体吸上げ／分配部分並びに親水性で可撓性の気泡ポリマーフォームから成る流体貯蔵／再分配部分を有する吸収心材を開示している。この米国特許の図９は、連続気泡吸収フォームから成る砂時計の形をした流体再分配／貯蔵層を備えたかかる１つの特別の形又は輪郭を持つ心材を示している。特別な形状又は輪郭を持つ吸収心材又は層をフォーム材料から形成することには問題が無いわけではない。砂時計の形をしたフォーム層は代表的には、単一の矩形フォーム片から作られる。この矩形フォーム片は、砂時計の形をした小片に切れ目を入れ又はこれを裁断することによって形成できる。これら作業の実施にあたり相当多量の使用できないフォームスクラップが生じる場合がある。確かに、砂時計の形をしたフォーム片の形成にあたり、使用したフォーム材料全体の１５％〜２５％という多量の材料が最終的に使用できないスクラップとなる場合があることが判明している。
【００１１】
本発明は、「ゼロスクラップ」方式で吸収心材を製造し、かくして、過剰の材料を処分し又は回収する工程を無くした方法及び装置に関する。
【００１２】
図１は本発明の装置３８の斜視図である。この装置は、回転ドラム６０を有している。ドラム６０は、互いに別々の第１及び第２の心材要素４０ａ，４０ｂを受取りウェブ１に付着させる。図１において、入来するウェブ４０が装置３８に供給され、組合せパターン（図５参照）の状態に裁断され、そして入来ウェブの互いに別々の第１及び第２の心材要素４０ａ，４０ｂは、真空シェル８０ａ，８０ｂ上に保持され、これら真空シェルは、回転ドラム６０の周囲にぐるりと配置されている。図１には、分かりやすくするため、受取りウェブ１、入来ウェブ４０及び裁断ロール３９は図示されていない。
【００１３】
ドラム６０は、装置の主軸線の回りに回転する。図１、図２、図３ａ及び図３ｂに示す実施形態では、主軸線は、水平に差し向けられているが、この主軸線は、必ずしも全ての場合において水平である必要はない。
【００１４】
真空シェル８０ａ，８０ｂは、回転自在なシャフト８１に取り付けられており、ドラム６０に関して半径方向に延びる軸線ａの周りに回転できる。１つ置きの真空シェル８０ａ，８０ｂは、互いに逆の回転方向に、好ましくは開始位置から±９０°回転できる。回転自在なシャフト８１の各々を回転させる手段は、ラックとピニオンから成る装置及びシェル回転カムの周囲を動くカムフォロアによって構成するのが適している。シェル回転カムは、ラックとピニオンが、受取りウェブ１への入来ウェブの第２の心材要素４０ｂの移着に先だって、サイクルの第１の部分の間に１つ置きの真空シェル８０ｂを９０°回転させ、次に移着後、サイクルの第２の部分の間、真空シェル８０ｂを−９０°回転させて戻すことにより真空シェル８０ｂをこれらの元の向きに戻すように形づくられている。
【００１５】
加うるに、サイクルの第１の部分の間、シェル持上げカムは、真空シェル８０ｂをドラム６０から半径方向外方に「持ち上げる」ように作用する。この作用は、移着工程において入来ウェブ４０の第２の心材要素８０ｂを受取りウェブ１に付着させるのに役立つ。サイクルの第２の部分の間、入来ウェブの裁断心材要素８０ｂを受取りウェブ１に移着した後、真空シェル８０ｂをドラム６０に対して半径方向内方に「引っ込める」。サイクルの第２の部分の間又はサイクルの第２の部分の後に、真空シェル８０ａ（即ち、サイクルの第１の部分の間に回転しなかった真空シェル）を、−９０°回転させ、そしてドラム６０から半径方向外方に「持ち上げる」。この作用は、移着工程において入来ウェブ４０の第１の心材要素４０ａを受取りウェブ１に付着させるのに役立つ。最後に、真空シェル８０ａをドラム６０に対して半径方向内方に「引っ込める」と、サイクルをいつでも繰り返すことができるようになっている。
【００１６】
図１及び図２に示す本発明の実施形態では、第１及び第２の心材要素４０ａ，４０ｂをそれぞれ＋９０°、−９０°回転させる。その目的は、吸収用品、例えば、おむつに用いられるのに適した砂時計の形の心材を形成することにある。
【００１７】
代表的には、吸収用品は、液体浸透性トップシートと液体不浸透性バックシートとの間に納められた吸収パッド要素又は心材から組み立てられる。好ましい実施形態では、心材は、使用中、心材に一体性を与えるようセルロース繊維包囲体内に設けられたエアフェルト又はフォームで構成される。バックシートの内面は、バックシートを心材に取り付けるための接着剤のビード又は螺旋体で覆われている。弾性体の連続バンドが、グルーノズル越しに計量ロールから供給される。弾性体のバンドを供給するロールをＳ字巻き配列形態にすることにより、弾性体バンドの変形が最小限に抑えられると共に弾性体の速度の正確な制御が可能になる。弾性体バンドは心材、バックシート及びトップシートよりも低い速度で搬送方向に送り込まれ、したがって、弾性体バンドが引っ張られるようになる。
【００１８】
本発明の特に好ましい実施形態では、受取りウェブ（これは例えば、バックシート又はトップシートの何れであってもよい）が一定の搬送速度で、ウェブの速度を周期的に変える組立体２（図４に示す）の送込み側部４に至る。組立体２内で受取りウェブ１を減速させ又は停止させることができ、これを本発明の装置３８に接触させる。装置３８は、心材要素を提供する手段を有している。ウェブ１は、一定のウェブ速度で組立体２の送出し側部６から出る。上流側軌道３及び下流側軌道５に沿って組立体２から上流側及び下流側に位置した受取りウェブ部分の速度は、組立体２を通過している受取りウェブ１の部分の速度の変化によっては影響を受けない。
【００１９】
図４は、比較的低い引裂強さの可撓性受取りウェブ１の速度を変化させる組立体２を示している。可撓性とは、受取りウェブ１が曲線から成る軌道に沿って搬送可能であり、その形状が軌道の形状に一致するようになることを意味している。受取りウェブ１は、可撓性材料、例えば、紙、エアフェルト、プラスチック等で作られ、この受取りウェブは、トップシート、バックシート又はこれらの任意の組合せで構成したものであるのがよい。
【００２０】
受取りウェブ１は、縦方向Ｆに一定の搬送速度Ｖ_０ で上流側軌道３に沿って搬送される。上流側軌道３は、図４の第１の案内ローラ９の右側まで延びていて、組立体の送込み側部４に向かって移動する受取りウェブ１の長さによって形成される。受取りウェブ１は、組立体の通過後、送出し側部６のところで出て、下流側軌道５に沿って一定速度Ｖ_０ で搬送され、この下流側軌道は、案内ローラ１１の左側まで延びている。上流側及び下流側軌道は縦方向に一致する必要はなく、これら軌道を直線又は曲線経路で形成することができる。
【００２１】
案内ローラ９，１１は、フレーム３５に回転自在に連結されている。案内ローラ９，１１は固定位置を有している。受取りウェブ１は、上流側搬送ローラ１３と下流側搬送ローラ１５の周りにループ状に掛けられ、これら搬送ローラはそり状部材４１に取り付けられている。そり状部材４１は、駆動モータ３６により縦方向Ｆに全体として平行にフレーム３５に沿って周期的に並進する。
【００２２】
受取りウェブ１の中間軌道７（７ａ，７ｂ，７ｃ）は、上流側案内ローラ９と下流側案内ローラ１１との間に配置され、この中間軌道は、上流側案内ローラ９と上流側搬送ローラ１３との間に位置した可変長さの第１の部分７ａ及び下流側搬送ローラ１５と下流側案内ローラ１１との間に位置した可変長さの第３の部分７ｃを有している。中間軌道７の第２の部分７ｃは、搬送ローラ１３と搬送ローラ１５との間に位置し、これは一定長さのものである。
【００２３】
中間軌道７ａ，７ｂ，７ｃが対称に配置されているので、縦方向Ｆと反対側かつ平衡位置３９から遠ざかるそり状部材４１の変位の際、第１の部分７ａの長さの増大分は、第３の部分７ｃの長さのこれと等しい減少分によって補償され、又、その逆も成り立つ。第２の部分７ｂの長さが一定なので、中間軌道７ａ，７ｂ，７ｃ全体は、フレーム３５に対するそり状部材４１の位置とは無関係である。
【００２４】
中間軌道７の第２の部分７ｂに沿って位置した受取りウェブの部分がフレーム３５に対して静止している時（又は、少なくとも、ウェブ速度Ｖ_０ よりも遅い場合）、ウェブ１はアプリケータ又は付着手段３８と接触し、このアプリケータ手段３８は、フレーム３５に対して位置関係において静止している（又は、少なくともこれよりも遅い）。装置３８が受取りウェブ１と相互作用した後、ウェブは中間軌道の第２の部分７ｂに沿って組立体２の送出し側部６に向かって加速され、ウェブ速度Ｖ_０ で下流側軌道５に供給される。
【００２５】
案内ローラ９，１１及び搬送ローラ１３，１５は、閉鎖ループ５０及びプーリ５２，５３，５４の形態をした駆動部材によって駆動される。ループ５０は一部が中間軌道７ａ，７ｂ，７ｃに平行である。ループ５０は、単一の駆動モータ５１によってウェブ１の搬送速度Ｖ_０ に等しい一定速度で駆動される。案内ローラ９，１１及び搬送ローラ１３，１５を駆動することにより、ウェブ１に加わる歪みは最小限に抑えられ、この歪みをウェブの速度を変えるよう働く加速力に限定することができる。適当な組立体のそれ以上の細かい点については、１９９５年５月１０日に公開された欧州特許出願公開明細書第６５２，１７５号に開示されている。
【００２６】
図５は、別々の心材要素４０ａ，４０ｂに裁断されたウェブ４０を示している。その後、第２の心材要素４０ｂをこれらの軸線Ａの回りに回転させる。
【００２７】
第１の心材要素４０ａと第２の心材要素４０ｂを交互に受取りウェブ１にくっつけ、或いは両方を受取りウェブ１にくっつける。これを行うのに、例えば、溶融接着剤のような接着剤を用い又は粘着性成分を用いた糊付け法により、或いは、超音波溶接法、ヒートシール法等の任意の従来方法を用いるのがよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の方法の実施に用いられる装置の斜視図。
【図２】 図１の装置の側面図。
【図３】 図３ａは図１の装置の背面図、図３ｂは図１の装置の正面図。
【図４】 本発明の装置を有する生産ライン組立体の概略側面図。
【図５】 図５ａは本発明の方法の一実施形態による裁断後の心材要素の平面図、図５ｂは図５ａの第１の心材要素と第２の心材要素を組み合わせることにより製造された吸収心材の平面図。

Claims (3)

1. 連続ウェブ（40）から使い捨て吸収心材を製造する方法であって、
   同一の連続ウェブ（40）を裁断して複数の第１及び第２の心材要素（40ａ，40ｂ）を形成し、
   前記第１及び第２の心材要素（40ａ，40ｂ）をそれぞれ、心材要素（40ａ，40ｂ）の平面に垂直な軸線（Ａ）の回りに互いに逆の回転方向に９０°回転させ、
   第１の心材要素（40ａ）と第２の心材要素（40ｂ）を結合することによって吸収心材を形成することを特徴とする方法。
2. 請求項１に記載の方法を実施する装置（38）であって、前記装置は同一の連続ウェブ（40）から複数の第１及び第２の心材要素（40ａ，40ｂ）を切断する手段を有し、さらに前記装置は別々の第１及び第２の心材要素（40ａ，40ｂ）を受取りウェブ（1 ）に付着させる回転ドラム（60）と、前記回転ドラム（60）の周囲にぐるりと配置された真空シェル（80ａ，80ｂ）をと有し、前記真空シェル（80ａ，80ｂ）はそれぞれ前記心材要素（40ａ，40ｂ）の平面に垂直な軸線（Ａ）に関して回転可能であり、さらに前記装置は移着工程で前記心材要素（40ａ，40ｂ）を受取りウェブ（1 ）に付着させるように前記真空シェル（80ａ，80ｂ）を前記回転ドラム（60）からその半径方向外方に持ち上げるシェル持上げカムを有していることを特徴とする装置（38）。
3. 真空シェル（80ｂ）は各々、好ましくはラックとピニオンによって心材要素（40ａ，40ｂ）の平面に垂直な軸線（Ａ）の回りに回転可能であることを特徴とする請求項２記載の装置（38）。

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