JP4583482B2 - 床用吸込具 - Google Patents

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Description

本発明は、電気掃除機の床用吸込具に係わり、特に壁際などに溜まった塵埃を効率良く吸い込むことができる床用吸込具に関する。
壁際などの掃除が可能な床用吸込具として、本願出願人は特願2002−312384号において提案している。この床用吸込具は、吸込口が吸込具本体ケースの下面から前面の少なくとも一部まで開口され、吸込具本体ケースの前壁を構成するカバーが吸込具本体ケースに上下方向に回動自在に取り付けられ、カバーが下方回動位置で吸込口の前面部分を閉塞し、且つ壁面などに当接して回動する上方回動位置で吸込口の前面部分を開放するように構成されている。そして、通常の床面や壁際等を掃除する際には、カバーの回動状態に関係なく回転ブラシを専用の電動機によって回転させることにより通常の床面や壁際等の塵埃を掻き取り吸込口から塵埃を効果的に吸込むことにより効率よく掃除できるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特願2002−312384号
しかしながら、回転ブラシを回転させる専用の電動機は床用吸込具に内装されており、床用吸込具が重くなっているため、掃除する度に床用吸込具の取り扱いに煩わしさを感じる欠点があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、壁際などに溜まった塵埃を効率良く吸引することができると共に、軽量化を図り操作性を向上させることができる床用吸込具を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための第1の手段は、吸込口が下面から前面の少なくとも一部まで開口された吸込具本体ケースと、該吸込具本体ケース内に回転自在に支持された回転ブラシと、前記吸込具本体ケースの吸込口の前側部分を閉塞するカバーとを備え、前記カバーは、吸込口の前側部分を閉塞する下方回動位置と、吸込口の前側部分を開放する上方回動位置との間を回動自在に形成され、前記カバーの壁面等の平面部への当接により下方回動位置から上方回動位置に回動するように構成し、前記吸込具本体ケースには、カバー及びカバーの回動範囲を避けた位置に、吸気した空気により回転ブラシを回転させる通気孔を形成し、前記回転ブラシは、前記カバーの上方回動位置で、カバーの前端部より後方に位置させたことを特徴とする。
前記カバーの下部側先端に、カバーと壁面あるいは前記平面部との隙間を閉塞する軟質材料で形成された閉塞部材を装着し、前記カバーが前記平面部に当接して上方回動位置に回動した状態で、前記閉塞部材が前記平面部に密着する構成とすることが好ましい。
前記閉塞部材の少なくとも一部は、外側へ屈曲していることが好ましい。
前記カバーは、吸込具本体ケースの内側に収納される方向に回動するように構成されていることが好ましい。
前記カバーは、カバーが下方へ回動する方向へ付勢される付勢手段を備えていることが好ましい。
本発明の請求項1の構成によれば、床面や壁際などに溜まった塵埃を効率良く吸引することができると共に、床用吸込具の軽量化を図り操作性を向上させることができる。また、カバーの上方回動位置で回転ブラシが平面部に接触することがなく、平面部に接触することによる回転ブラシの回転トルク低下を防止して、回転ブラシの回転を安定化させることができる等の効果を奏する。
本発明の請求項2の構成によれば、床用吸込具を壁面等の平面部に押し当てた際にも、平面部とカバーとの間から空気が床用吸込具内に流入することを防止することができるため、回転ブラシの回転力の低下を防止することができる等の効果を奏する。
本発明の請求項3の構成によれば、床用吸込具を壁面等の平面部に押し当てた際にも、平面部とカバーとの間から空気が床用吸込具内に流入することを外側に屈曲した閉塞部材により確実に防止することができるため、回転ブラシの回転力の低下を防止することができる等の効果を奏する。
本発明の請求項4の構成によれば、ベットの下等の高さの低いところを掃除する場合でも、カバーが障害物に当接してカバーが開かないといった不具合の発生を防止することができる等の効果を奏する。
本発明の請求項5の構成によれば、カバーの回動部に多少の塵埃が付着しても確実に吸込口の前側部分を閉じることができる等の効果を奏する。
本発明に係る床用吸込具の最良の形態を図1乃至図6に基づいて説明する。本発明に係る床用吸込具1は、上ケース2aと下ケース2bからなって下面から前面にかけて広範囲に開口された吸込口3が形成された横長の吸込具本体ケース2と、吸込具本体ケース2内の長手方向両端に図示しない軸受部を介して回転自在に支持された回転ブラシ4と、吸込具本体ケース2の後面側に上下左右方向に回動自在に取付けられ、吸込口3に連通するベンド5と、吸込具本体ケース2の前壁を構成すると共に、吸込口3の前側部分3bを開閉するカバー6とから構成されている(図1、図2参照)。そして、ベンド5が図示しない延長管やホースを介して掃除機本体に接続されるようになっている。
カバー6は、断面形状が略くの字状をしており、その上部側が円弧状に形成されている。カバー6は、両端に形成された図示しないアーム部が水平方向に支持されることにより、上下方向に回動自在に支持されている。カバー6の略くの字状の前側突出部には、両端が軸受部7によって回動自在且つ水平方向に支持されたローラ8が取り付けられている。ローラ8は、ローラ芯体9外周面が、柔らかくて滑りやすい当接部材として、繊維質部材である起毛布10によって覆われて形成されている。
カバー6の最前部にあるローラ8が壁面W等に押し当てられた時には、ローラ8が反時計方向に回転しながらカバー6が上方に回動する。このようにして、ローラ8が壁面W等に当接可能となるように構成することにより、カバー6に設けられたローラ8が吸込具本体ケース2の前側のバンパーとして機能している。
カバー6は、ローラ8が壁面W等に当接してカバー6が上に回動する時、吸込具本体ケース2内に形成されたカバー収納部11にカバー6が収納される方向に回動するように構成されている(図5参照)。また、カバー6には、カバー6を下方へ回動する方向へ付勢する図示しない捻りバネ等の付勢手段が装着されている。
カバー6の下部側先端には、カバー6と床面との間の隙間を閉塞する軟質材料(本発明では塩化ビニル樹脂)で形成された閉塞部材12が装着されている。閉塞部材12の先端は突条13に形成されると共に、外方に屈曲している(図1、図2、図6参照)。
吸込具本体ケース2の吸込口3に回転自在に支持された回転ブラシ4は、回転ブラシ芯体14の外周面にブラシ体15が等分間隔で長手方向に複数本装着されている(図1、図2参照)。また、回転ブラシ4はカバー6の回動位置には関係なく常にカバー6の前端部よりも後方に位置するようになっている。
上ケース2aのカバー6及びカバー6の回動範囲を避けた位置には、吸込具本体ケース2内外を連通させる通気孔16が形成されている。吸込具本体ケース2内には、通気孔16から吸込具本体ケース2内に取り入れた空気を回転ブラシ4のブラシ体15まで案内する通気流路17が形成されている。通気孔16から通気流路17を介して回転ブラシ4に空気が供給されることにより回転ブラシ4は回転し、この回転ブラシ4が回転することで床面の塵埃が掻き取られ、吸込口3から効果的に吸込まれることにより効率よく掃除できるようになっている。また、吸込口3の下側部分3aよりも後方の下ケース2b下面には床面の塵埃を掃くブラシ18が配設されている。
このように構成された床用吸込具1は、通常の床面(フローリング床や畳や絨毯等)の掃除の場合には、カバー6は付勢手段により下方回動位置に位置しているので、吸込口3の前側部分3bはカバー6により閉じられ、吸込口3の下側部分3aだけが開口している。また、吸込口3の下側部分3aよりも後方の下ケース2b下面に配設されたブラシ18が床面に当接すると共に、カバー6下部側先端と床面との隙間は閉塞部材12によって閉塞されているため、吸込口3の下側部分3aから床面の塵埃を吸込むことにより吸込具本体ケース2内は負圧になる。
この結果、通気孔16から吸込具本体ケース2内に空気が流入し、この空気が通気流路17を介して回転ブラシ4に吹き付けられることにより回転ブラシ4は回転する。吸込具本体ケース2内は閉塞部材12によって閉塞されており、通気孔16以外の所から吸込具本体ケース2内に空気が流入することはない。このため、回転ブラシ4を安定して回転させるために必要な空気量を通気流路17に流すことができ、回転ブラシ4を安定化させて回転させることにより床面の掃除を効率良く行うことができる(図1参照)。
一方、壁際を掃除する場合には、壁面Wに吸込具本体ケース2の前面を押し当てる。それにより、まず、カバー6に取り付けられたローラ8が壁面Wに当接して反時計方向に回転しながらカバー6が上方に持ち上げられ、吸込具本体ケース2のカバー収納部11に収納される方向に回動し、吸込口3の前側部分3が開放される(図5参照)。また、この状態では、吸込口3を壁際に非常に近接させることができ、壁際の塵埃に対して充分な清掃能力を得ることができる。そして、壁面Wにはカバー6自身ではなく外周面が起毛布10で覆われたローラ8が当接するため、壁面Wや家具等の傷付きを確実に防止することができる。
この時、壁面Wとカバー6との隙間から吸込具本体ケース2内に空気が流入すると回転ブラシ4の回転力が低下する虞があるが、カバー6下部側先端に装着されている閉塞部材12の先端は外側に屈曲しているため、図6に示すように閉塞部材12と壁面Wとが密着する。この結果、通気孔16以外の所から吸込具本体ケース2内に空気が流入することがないため、回転ブラシ4の回転を安定化させることができる。また、回転ブラシ4はカバー6前端部より後方に位置しており壁面Wに接触する虞はないため、壁面W接触による回転ブラシ4の回転トルク低下を防止し、さらに、回転ブラシ4の回転を安定化させることができる。
床用吸込具1を前傾させた際に床面が傷付くことを防止するため、吸込具本体ケース2の前面下部と床面との間には隙間を形成する必要がある。これに対して、本発明では、吸込具本体ケース2内に供給される空気により回転ブラシ4を回転させるために吸込具本体ケース2内の気密性を向上させる必要があるため、カバー6下部側先端と床面との隙間は閉塞部材12により閉塞している。しかしながら、この閉塞部材12は軟質材料で形成されているため、床用吸込具1を前傾させた際に閉塞部材12が床面に当接しても床面を傷付ける虞はない。また、閉塞部材12の先端は外方に屈曲しているため、床用吸込具1の吸引力により内側に撓んで回転ブラシ4に接触することもなく、回転ブラシ4の回転に悪影響を及ぼす虞もない。
カバー6は吸込具本体ケース2の内側に形成されたカバー収納部11内に収納される方向に回動するため、吸込具本体ケース2の外側に回動する場合に比べて、吸込具本体ケース2の高さを低くでき、ベッドの下等の高さの低いところを掃除する場合でも、カバー6が障害物に当接してカバー6が開かないといった不具合も生ずることはなく、また、外力に対しても強い構造となる。また、通気孔16は吸込具本体ケース2のカバー6及びカバー6回動範囲を避けた位置に形成されているため、カバー6の回動状態に関係なく安定して回転ブラシ4を回転させることができる。
上述したように壁際の掃除をして通常の床面の掃除に戻る時には、吸込具本体ケース2を壁面Wから離すだけで、カバー6は付勢手段の付勢力により下方に回動して吸込口3の前側部分3bを閉じるので、特別な操作をすることなく通常の床面の掃除を行うことができる。カバー6は、自重だけでも下方に回動して吸込口3の前側部分3bを閉じることはできるが、付勢手段を設けることによりカバー6の回動部分に多少の塵埃が付着しても確実に吸込口3の前側部分3bを閉じることができる。
本発明を実施するための最良の形態の床用吸込具の側断面図である。 同他の方向から見た床用吸込具の側断面図である。 同床用吸込具の上面図である。 同床用吸込具の前面図である。 同床用吸込具の側断面図で、壁際を掃除する状態を示す。 図5における閉塞部材の状態を示す拡大図である。
符号の説明
1 床用吸込具
2 吸込具本体ケース
2a 上ケース
2b 下ケース
3 吸込口
3a 下側部分
3b 前側部分
6 カバー
12 閉塞部材
13 突条
16 通気孔
17 通気流路

Claims (5)

  1. 吸込口が下面から前面の少なくとも一部まで開口された吸込具本体ケースと、該吸込具本体ケース内に回転自在に支持された回転ブラシと、前記吸込具本体ケースの吸込口の前側部分を閉塞するカバーとを備え、
    前記カバーは、吸込口の前側部分を閉塞する下方回動位置と、吸込口の前側部分を開放する上方回動位置との間を回動自在に形成され、前記カバーの壁面等の平面部への当接により下方回動位置から上方回動位置に回動するように構成し、
    前記吸込具本体ケースには、カバー及びカバーの回動範囲を避けた位置に、吸気した空気により回転ブラシを回転させる通気孔を形成し、
    前記回転ブラシは、前記カバーの上方回動位置で、カバーの前端部より後方に位置させたことを特徴とする床用吸込具。
  2. 前記カバーの下部側先端に、カバーと壁面あるいは前記平面部との隙間を閉塞する軟質材料で形成された閉塞部材を装着し、前記カバーが前記平面部に当接して上方回動位置に回動した状態で、前記閉塞部材が前記平面部に密着する構成としたことを特徴とする請求項1記載の床用吸込具。
  3. 前記閉塞部材の少なくとも一部は、外側へ屈曲していることを特徴とする請求項2記載の床用吸込具。
  4. 前記カバーは、吸込具本体ケースの内側に収納される方向に回動するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の床用吸込具。
  5. 前記カバーは、カバーが下方へ回動する方向へ付勢される付勢手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の床用吸込具。
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