JP4582029B2 - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は可変圧縮比内燃機関に関する。
内燃機関の機関圧縮比を運転状態に応じて変更可能な機構として、例えば、特許文献1に示すような複リンク式ピストンストローク機構が知られている。この複リンク式ピストンストローク機構は、クランクピンにロアリンクを回転自在に連結し、このロアリンクの一端にはアッパピンによってアッパリンクを、他端にはコントロールピンによってコントロールリンクを回転自在に連結し、このロアリンクの動作をコントロールリンクによって規制している。そして、運転状態に応じてコントロールリンクを制御してロアリンクの傾斜を変えることで、アッパリンクの他端に連結するピストンの上死点位置をコントロールし、圧縮比可変機構を実現しようとするものである。
特開2002−129995号公報
前述した従来の可変圧縮比内燃機関は、低負荷運転時などのノッキングが発生しにくい状況では、高圧縮比に制御して出力の向上を図る。また、高負荷運転時などのノッキングが発生しやすい状況では、低圧縮比に制御してノッキングの発生を防止する。したがって、高圧縮比時には、シリンダ内の断熱化を図り、冷却損失を低減してできるだけ熱効率を上げることが求められる。しかし、低圧縮比時にシリンダ内の断熱化を図ると、ノッキングが発生しやすくなるとともに、充填効率も低下するなど、低圧縮比化した効果が得られなくなる。
このように、前述した従来の可変圧縮比内燃機関では、高圧縮比時における冷却損失低減に重点を置くか、低圧縮比時のノッキング防止に重点を置くかは択一的なもので、両効果を両立できないという問題があった。
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたものであり、高圧縮比時における冷却損失を低減するとともに、低圧縮比時におけるノッキングを防止することを目的とする。
本発明は、シリンダ内を往復動するピストンと、機関運転状態に基づいて前記ピストンの上死点位置を変更して機関圧縮比を可変とする圧縮比制御手段とを備え、機関圧縮比を高圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記ピストンに嵌挿したトップリングと対峙する部分のシリンダの熱伝導率を、機関圧縮比を低圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記トップリングと対峙する部分のシリンダの熱伝導率よりも小さくしたことを特徴とする。
あるいは、機関圧縮比を高圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記ピストンのトップランドと対峙する部分のシリンダの熱伝導率を、機関圧縮比を低圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記トップランドと対峙する部分のシリンダの熱伝導率よりも小さくしたことを特徴とする。
あるいは、機関圧縮比を低圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記ピストンに嵌挿したトップリングと対峙する部分及びその対峙する部分より上方のシリンダの熱伝導率を、その対峙する部分より下方のシリンダの熱伝導率よりも小さくしたことを特徴とする。
本発明による可変圧縮比内燃機関では、シリンダを高圧縮比と低圧縮比とのピストンストローク位置に対応して熱伝導率の異なる部材で構成する。これにより、高圧縮比状態では冷却損失低減効果を十分に発揮でき、低圧縮比状態ではノッキング防止効果を十分に発揮できる。
以下、図面等を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
本発明による内燃機関は、例えば直列4気筒の火花点火式ガソリン機関であり、圧縮比を可変制御する複リンク式ピストンストローク機構を利用した可変圧縮比内燃機関である。図1は、この可変圧縮比内燃機関1を示す図である。最初に、これについて図1を参照して説明する。
図1の可変圧縮比内燃機関1は、圧縮比を可変的に制御可能とするために、ピストン22とクランクシャフト21がアッパリンク(第1リンク)11、ロアリンク(第2リンク)12の2つのリンクを介して連結され、さらにこのロアリンク12には、その挙動を制約するコントロールリンク(第3リンク)13が連結され、コントロールリンク13は偏心軸部15を有するコントロールシャフト14によって、その回転(揺動)中心を変えることで、圧縮比を変化させられるようになっている。
この圧縮比制御手段について、さらに詳細に構造を説明すると、クランクシャフト21は、複数のジャーナル21aとクランクピン21bとを有する。ジャーナル21aは、シリンダブロック20の主軸受に回転自在に支持される。シリンダブロック20には、冷却水が循環するウォータジャケット29が設けられる。クランクピン21bは、ジャーナル21aから所定量偏心しており、ここにロアリンク12が回転自在に連結される。ロアリンク12は、二部材に分割可能に構成されるとともに、その略中央の連結孔にクランクピン21bが嵌合する。
アッパリンク11は、下端側が連結ピン25によってロアリンク12の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン24によりピストン22に回動可能に連結される。
ピストン22は、シリンダブロック20に嵌着したシリンダライナ27に摺動自在に嵌合する。ピストン22は、燃焼圧力を受け、シリンダ23内を往復動する。ピストン22には、ピストンリング(トップリング)28が挿嵌される。ピストンリング28は、ピストン22が受けた熱をシリンダライナ27へ伝熱する。
コントロールリンク13は、上端側が連結ピン26によってロアリンク12の他端に回動可能に連結され、下端側がコントロールシャフト14の偏心軸部15を中心として回動可能になっている。
コントロールシャフト14はアクチュエータ31の先端に取り付けられたピニオン32によって回転させられる。コントロールシャフト14が回転すると偏心軸部15が上下動し、それにともないコントロールリンク13が上下動する。
ここで、図2、図3を参照して可変圧縮比内燃機関1のピストン上死点位置の調整方法を説明する。図2はピストン上死点位置が高圧縮比の位置にある場合、図3はピストン上死点位置が低圧縮比の位置にある場合を示す。
圧縮比を高くするときには、図2に示すように、アクチュエータ31を駆動してコントロールシャフト14の偏心軸部15を下げる。するとロアリンク12は時計回りに移動し、連結ピン25が上げられるので、ピストン22の上死点の位置が上昇する。
圧縮比を低くするときには、図3に示すように、アクチュエータ31を駆動してコントロールシャフト14の偏心軸部15を上げる。するとロアリンク12は反時計回りに移動し、連結ピン25が下げられるので、ピストン22の上死点の位置が下降する。
なお、図2、図3は、高圧縮比状態と低圧縮比状態とを代表的に示しているが、これらの間で圧縮比を連続的に変化させることができる。
図4は、上記の可変圧縮比内燃機関1で得られるピストンストローク特性と、ピストンとクランクシャフトのクランクピンとを一本のリンク(コンロッド)により連結した従来の単リンク式ピストンストローク機構で得られるピストンストローク特性を示したものである。
従来の単リンク式ピストンストローク機構では、ピストンは上死点付近で早い動き(加速度大)になり、下死点付近では鈍い動き(加速度小)になっていた。これに対し、複リンク式ピストンストローク機構1の場合は、リンク構成を適切に設定することにより、単振動に近いピストンストローク特性を得ることができる。したがって、ピストン加速度が平準化され、上死点付近でのピストン速度が従来に比して遅くなる。上死点付近では、吸気弁から供給される高圧の新気によって掃気、充填、混合気形成が行われ、さらに点火も行われる。このように行程の集中する上死点付近のピストン速度を複リンク機構によって低下させることで、出力可能な回転速度を上げることができる。しかしながら、上死点付近でのピストン速度が遅くなれば、その分冷却損失は増大する。
ところで、内燃機関では、圧縮比を増加させると熱効率もそれにつれて増加する。圧縮比を上げることによって、膨張比も大きくなるからである。ここで熱効率が高いということは、同じ熱エネルギーが加えられた場合に、より多くの仕事をする、つまり出力が大きいことを意味する。また、熱効率が高くなれば、燃料消費率も減少するので燃費も向上する。
したがって、低負荷運転時などのノッキングが発生しにくい状況では、出力及び燃費の向上のため限界まで圧縮比を高くするのが望ましい。
しかし、圧縮比を高くしていくと、燃焼室の表面積(S)と容積(V)の比(以下「S/V比」という)が大きくなって冷却損失が増大する。燃焼室の表面積が大きいと発生した熱エネルギーが燃焼室壁面に吸収され、燃焼ガスの膨張に使える熱エネルギーが減少するからである。また、燃焼室が扁平となり、燃焼の状態も悪くなる。そのため、圧縮比が15を超えたあたりからは十分な熱効率向上効果が得られなくなり、逆に熱効率は低下する。
このような、高圧縮化に伴うS/V比の増大による冷却損失の増大及び上述した上死点付近でのピストン速度低下による冷却損失の増大を低減する効果的な方法として、シリンダライナ27を、例えばジルコニアなどの断熱材で構成し、断熱性を高めることが考えられる。ピストン22が受ける熱量の多くは、ピストンリング28を介してシリンダライナ27へ伝熱する。そして、最終的にウォータジャケット29を流れる冷却水へ放熱される。シリンダライナを断熱材で構成すれば、この熱量の冷却水への放熱を抑えることができ、燃焼ガスの膨張に使える熱エネルギーの減少を抑えられるためである。
このように、シリンダライナ27を断熱材で構成することで、ピストンリング28からシリンダライナ27への伝熱量を低減できる。結果として、燃焼ガスからピストンへの伝熱量を低減でき、燃焼ガスの膨張に使える熱エネルギーの減少を抑えることができる。そのため、冷却損失が低減して熱効率が向上するとともに、燃費も向上する。
つまり、低負荷運転時など、可変圧縮比内燃機関1を高圧縮比にした状態では、冷却損失低減のため、できるだけシリンダライナ27への伝熱量を小さくすることが求められる。したがって、シリンダライナ27を低熱伝導率部材で構成することが好ましい。
これに対し、高負荷運転時は、燃焼室壁面が高温となりノッキングが発生しやすい条件なので、低負荷運転時に比べて圧縮比を下げる必要がある。このときは、シリンダライナ27を高熱伝導率部材で構成したほうが、ノッキングの発生を防止しやすい。ピストン22が受ける熱量をシリンダライナ27へ伝熱して、ウォータジャケット29を流れる冷却水へ放熱できるためである。これにより、効率的にシリンダ内の温度を下げることができる。また、シリンダ内の温度を下げることで、吸入空気の膨張を抑えることができ、充填効率も向上する。
つまり、高負荷運転時など、可変圧縮比内燃機関1を低圧縮比にした状態では、ノッキング防止及び充填効率向上のため、できるだけシリンダライナ27への伝熱量を大きくすることが求められる。したがって、シリンダライナ27を高熱伝導率部材で構成することが好ましい。
このように、シリンダライナ27には、可変圧縮比内燃機関1を高圧縮比にした状態と低圧縮比にした状態とで相反する熱伝導性が求められる。そこで、本発明では、これらの要求を満たすために、シリンダライナ27をピストンストローク位置に対応して熱伝導率の異なる部材で構成する。すなわち、高圧縮比としたときのピストン最上昇位置に対応する部位には低熱伝導率部材27b、低圧縮比としたときのピストン最上昇位置に対応する部位には高熱伝導率部材27aを用いてシリンダライナ27を構成する。これにより、高圧縮比化した状態では冷却損失低減効果を十分に発揮でき、低圧縮比化した状態ではノッキング防止効果を十分に発揮できるようにする。以下具体的に説明する。
図5は、本発明の第1実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。なお、以下の図面において、実線で示したピストン22の位置が、圧縮比を最大にしたときのピストン22の圧縮上死点位置である。破線で示したピストン22の位置が、圧縮比を最低にしたときのピストン22の圧縮上死点位置である。
第1実施形態では、シリンダライナ27を高熱伝導率部材27a、低熱伝導率部材27b及びその他の部材27cの3部材で構成する。
なお、ここでいう「その他の部材」とは、熱伝導率が、高熱伝導率部材及び低熱伝導率部材とは異なる部材をいう。その他の部材の熱伝導率は、高熱伝導率部材と低熱伝導率部材との中間の熱伝導率であるか、又は低熱伝導率部材より低い熱伝導率であることが望ましい。図5に示すように、圧縮比を最大に設定した場合において、ピストン22が圧縮上死点に位置するとき(実線で示したピストン22の位置。以下、「最高圧縮比かつ圧縮上死点位置」という)に、トップリング28と面する部分のシリンダライナ27を低熱伝導率部材27bで構成する。
これにより、冷却損失が大きくなる圧縮上死点におけるトップリング28からシリンダライナ27への伝熱量を低減できる。結果として、燃焼ガスからピストン22への伝熱量を低減でき、燃焼室61の断熱化が図れる。そのため、低負荷運転時など高圧縮比のときの熱効率の向上が図れるとともに、燃費の向上が図れる。
また、圧縮比を最低に設定した場合において、ピストン22が圧縮上死点に位置するとき(破線で示したピストン22の位置。以下、「最低圧縮比かつ圧縮上死点位置」という)に、トップリング28と面する部分のシリンダライナ27を高熱伝導率部材27aで構成する。
これにより、ピストン22が受ける熱量を効率的にシリンダライナ27へ伝熱して、ウォータジャケット29を流れる冷却水へ放熱できる。そのため、高負荷運転時など低圧縮比としたときの燃焼室61内の温度を下げることができ、ノッキングの発生を防止できる。また、ノック余裕度が増大するため、点火時期を進角させて燃焼最大圧力を上げ、出力の向上を図れる。
上述した部分以外の部分は、その他の部材27cでシリンダライナ27を構成する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図6を参照して説明する。本発明の第2実施形態は、シリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を変更した点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点について説明する。なお、以下に示す各実施形態では前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を用いて重複する説明を適宜省略する。
図6は、本発明の第2実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。第2実施形態では、シリンダライナ27を高熱伝導率部材27aと低熱伝導率部材27bの2部材で構成する。
図6に示すように、燃焼室61側のシリンダライナ27の上部を低熱伝導率部材27bで構成する。クランクシャフト21側のシリンダライナ27の下部を高熱伝導率部材27aで構成する。そして、ピストン22が、最高圧縮比かつ圧縮上死点位置(実線位置)にあるときのトップリング28の位置と、ピストン22が、最低圧縮比かつ圧縮上死点位置(破線位置)にあるときのトップリング28の位置との間に、高熱伝導率部材27aと低熱伝導率部材27bとの境界が位置するように、シリンダライナ27を構成する。
これにより、高圧縮比時には、トップリング28からシリンダライナ27への伝熱量を低減できる。結果として、燃焼ガスからピストン22への伝熱量を低減でき、燃焼室の断熱化が図れる。そのため、熱効率の向上が図れるとともに、燃費の向上が図れる。
一方、低圧縮比時には、ピストン22が受ける熱量を効率的にシリンダライナ27へ伝熱して、ウォータジャケット29を流れる冷却水へ放熱できる。そのため、効率的にシリンダ内の温度を下げることができるとともに、ピストン22の温度上昇に伴うピストンリング28の焼き付きを防止できる。シリンダ内の温度を下げることで、吸入空気の膨張を抑えることができ、充填効率も向上する。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図7を参照して説明する。本発明の第3実施形態は、シリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を変更した点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点について説明する。
図7は、本発明の第3実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。第3実施形態では、シリンダライナ27をピストンストローク位置に対応して、高熱伝導率部材27a、低熱伝導率部材27b及びその他の部材27cの3部材で構成する。
図7に示すように、ピストン22が、最高圧縮比かつ圧縮上死点位置(実線位置)にあるときに、トップランド22aと面する部分のシリンダライナ27を低熱伝導率部材27bで構成する。すなわち、特に高温燃焼ガスが接する部分のシリンダライナ27の断熱化を図る。これにより、高温燃焼ガスからシリンダライナ27への伝熱量を低減できる。そのため、熱効率の向上が図れるとともに、燃費の向上が図れる。
一方、ピストン22が、最低圧縮比かつ圧縮上死点位置(破線位置)にあるときにトップランド22aと面する部分のシリンダライナ27を高熱伝導率部材27aで構成する。
これにより、ノッキングが起こりやすいトップランド22a周りの未燃ガスの熱量を効率的にシリンダライナ27へ伝熱できる。そのため、トップランド22a周りの未燃ガスの温度を低減でき、ノッキングの発生を防止できる。また、ノック余裕度が増大するため、点火時期を進角させて燃焼最大圧力を上げ、出力の向上を図れる。
上述した部分以外の部分は、その他の部材27cでシリンダライナ27を構成する。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を、図8を参照して説明する。本発明の第4実施形態は、シリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を変更した点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点について説明する。
図8は、本発明の第4実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。第4実施形態では、シリンダライナ27を高熱伝導率部材27aと低熱伝導率部材27bの2部材で構成する。
図8に示すように、ピストン22が、最低圧縮比かつ圧縮上死点位置(破線位置)にあるときに、トップランド22aと面する部分より上方のシリンダライナ27を低熱伝導率部材27bで構成する。これにより、低圧縮比状態にしたとき(高負荷運転時などのノッキングが発生しやすいとき)に、ノッキングの発生に影響の少ないトップランド22aと面する部分より上方のシリンダライナ27からの冷却損失を低減する。
一方、最低圧縮比かつ圧縮上死点位置(破線位置)にあるときに、トップランド22aと面する部分とその部分よりも下方のシリンダライナ27を高熱伝導率部材27aで構成する。これにより、ノッキングが起こりやすいトップランド22a周りの未燃ガスの熱量を効率的にシリンダライナ27へ伝熱できる。そのため、トップランド22a周りの未燃ガスの温度を低減できる。また、ピストン22が受ける熱量を効率的にシリンダライナ27へ伝熱して、ウォータジャケット29を流れる冷却水へ放熱できる。そのため、ピストン冠面の温度も下げることができ、ノッキングの発生を防止できる。また、ノック余裕度が増大するため、点火時期を進角させて燃焼最大圧力を上げ、出力の向上を図れる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を、図9を参照して説明する。第4実施形態では、ピストン22が最低圧縮比かつ圧縮上死点位置(破線位置)にあるときにトップランド22aと面する部分のシリンダライナ27を高熱伝導率部材27aで構成していた。これに対して、本発明の第5実施形態は、当該部分を低熱伝導率部材27bで構成した点で相違する。以下、その相違点について説明する。
図9は、本発明の第5実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。第5実施形態では、シリンダライナ27を高熱伝導率部材27aと低熱伝導率部材27bの2部材で構成する。
図9に示すように、ピストン22が、最低圧縮比かつ圧縮上死点位置(破線位置)にあるときに、トップリング28と面する部分より上方のシリンダライナ27を低熱伝導率部材27bで構成する。すなわち、第4実施形態と比較して、シリンダライナ27を構成する低熱伝導率部材27bの比率を高くする。
これにより、第4実施形態と比較して、シリンダライナ27の断熱効果が増大し、高圧縮比での運転時により冷却損失を低減できる。結果として、熱効率の向上が図れるとともに、燃費の向上が図れる。
一方、最低圧縮比かつ圧縮上死点位置(破線位置)にあるときに、トップリング28と面する部分とその部分よりも下方のシリンダライナ27を高熱伝導率部材27aで構成する。これにより、上死点において、ピストン22が受ける熱量を効率的にシリンダライナ27aへ伝熱して、ウォータジャケット29を流れる冷却水へ放熱できる。そのため、ピストン冠面の温度も下げることができ、低圧縮比での運転時におけるノッキングの発生を防止できる。また、ノック余裕度が増大するため、点火時期を進角させて燃焼最大圧力を上げ、出力の向上を図れる。本実施形態は、上死点位置におけるトップランド22a周りの未燃ガスの熱量を効率的にシリンダライナ27へ伝熱できないため、第4実施形態と比較して、ノッキングの起こりにくい内燃機関に有効である。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態を、図10を参照して説明する。第5実施形態では、ピストン22が最低圧縮比かつ圧縮上死点位置にあるときにトップリング28と面する部分のシリンダライナ27を高熱伝導率部材27aで構成していた。これに対して、本発明の第6実施形態は、当該部分を低熱伝導率部材27bで構成した点で相違する。以下、その相違点について説明する。
図10は、本発明の第6実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。第6実施形態では、シリンダライナ27を高熱伝導率部材27aと低熱伝導率部材27bの2部材で構成する。
図10に示すように、ピストン22が、最低圧縮比かつ圧縮上死点位置(破線位置)にあるときに、トップリング28と面する部分とその部分よりも上方のシリンダライナ27を低熱伝導率部材27bで構成する。すなわち、第4及び第5実施形態と比較して、シリンダライナ27を構成する低熱伝導率部材27bの比率を高くする。
これにより、最低圧縮比かつ圧縮上死点位置(破線位置)でのピストンリング28からシリンダライナ27への伝熱量を低減できる。したがって、第4及び第5実施形態と比較して、シリンダライナ27の断熱効果が増大し、より冷却損失を低減できる。結果として、熱効率の向上が図れるとともに、燃費の向上が図れる。
一方、トップリング28と面する部分よりも下方のシリンダライナ27を高熱伝導率部材27aで構成する。
これにより、ピストン22が膨張行程中に下降して、燃焼温度が最大に達するときには、ピストン22が受ける熱量を効率的にシリンダライナ27へ伝熱して、ウォータジャケット29を流れる冷却水へ放熱できる。そのため、ピストン冠面の温度も下げることができ、ノッキングの発生を防止できる。また、ノック余裕度が増大するため、点火時期を進角させて燃焼最大圧力を上げ、出力の向上を図れる。本実施形態は、上死点位置におけるトップランド22a周りの未燃ガスの熱量を効率的にシリンダライナ27へ伝熱できないなど、第4及び第5実施形態と比較して、ノッキングの起こりにくい内燃機関に有効である。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態を、図11を参照して説明する。本発明の第7実施形態は、シリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を変更した点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点について説明する。
図11は、本発明の第7実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。第7実施形態では、シリンダライナ27を高熱伝導率部材27aと低熱伝導率部材27bの2部材で構成する。
図11に示すように、ピストン22が、最高圧縮比かつ圧縮上死点位置(実線位置)にあるときに、トップランド22aと面する部分のシリンダライナ27を低熱伝導率部材27bで構成する。すなわち、特に高温燃焼ガスが接する部分のシリンダライナ27の断熱化を図る。これにより、高温燃焼ガスからシリンダライナ27への伝熱量を低減できる。そのため、熱効率の向上が図れるとともに、燃費の向上が図れる。
一方、トップリング28と面する部分と、それより下方のシリンダライナ27を高熱伝導率部材27aで構成する。
膨張行程では、ピストン22の下降にしたがって燃焼ガスは膨張し、圧力と温度は下がる。そのため、トップリング28より下方のシリンダライナ27を高熱伝導率部材で構成しても、冷却損失悪化の影響は比較的少ない。また、ピストン22が受ける熱量を効率的にシリンダライナ27へ伝熱して、ウォータジャケット29を流れる冷却水へ放熱できる。そのため、効率的にシリンダ内の温度を下げることができるとともに、ピストン22の温度上昇に伴うピストンリング28の焼き付きを防止できる。シリンダ内の温度を下げることで、吸入空気の膨張を抑えることができ、充填効率も向上する。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態を、図12を参照して説明する。第実施形態では、ピストン22が最高圧縮比かつ圧縮上死点位置(実線位置)にあるときにトップリング28と面する部分のシリンダライナ27を高熱伝導率部材27aで構成していた。これに対して、本発明の第実施形態は、当該部分を低熱伝導率部材27bで構成した点で相違する。以下、その相違点について説明する。
図12は、本発明の第8実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。第8実施形態では、シリンダライナ27を高熱伝導率部材27aと低熱伝導率部材27bの2部材で構成する。
図12に示すように、ピストン22が、最高圧縮比かつ圧縮上死点位置(実線位置)にあるときに、トップリング28と面する部分と、その部分より上方のシリンダライナ27を低熱伝導率部材27bで構成する。すなわち、第7実施形態と比較して、シリンダライナ27を構成する低熱伝導率部材27bの比率を高くする。
このように構成することで、特に高温燃焼ガスと接する部分のシリンダライナ27の断熱化を図る。さらに、ピストン22が、最高圧縮比かつ圧縮上死点位置(実線位置)にあるときのピストンリング28からシリンダライナ27への伝熱量を低減させる。
これにより、第7実施形態と比較して、シリンダライナ27の断熱効果が増大し、より冷却損失を低減できる。結果として、熱効率の向上が図れるとともに、燃費の向上が図れる。
一方、トップリング28と面する部分より下方のシリンダライナ27を高熱伝導率部材27aで構成する。
膨張行程では、ピストン22の下降にしたがって燃焼ガスは膨張し、圧力と温度は下がる。そのため、トップリング28より下方のシリンダライナ27を高熱伝導率部材27aで構成しても、冷却損失悪化の影響は比較的少ない。
また、ピストン22が受ける熱量を効率的にシリンダライナ27へ伝熱して、ウォータジャケット29を流れる冷却水へ放熱できる。そのため、効率的にシリンダ内の温度を下げることができるとともに、ピストン22の温度上昇に伴うピストンリング28の焼き付きを防止できる。シリンダ内の温度を下げることで、吸入空気の膨張を抑えることができ、充填効率も向上する。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態を、図13、図14、図15及び図16を参照して説明する。
図13は、本発明の第9実施形態による2つの冷却系等を有する可変圧縮比内燃機関101である。図14は、可変圧縮比内燃機関101の冷却装置の概略構成図である。
図13及び図14において、シリンダヘッド60の内部には、燃焼室61を取り囲むウォータジャケット46が形成される。シリンダブロック20の内部には、ピストンストローク方向において、燃焼室61側にウォータジャケット291が、クランクシャフト21側にウォータジャケット292がそれぞれ独立して形成される(図13参照)。ウォータジャケット291,292は、それぞれシリンダ23を取り囲むように形成される。
冷却装置は、図14に示すように、上述したウォータジャケット46,291,292、冷却水をウォータジャケット46,291,292へ圧送し循環させるウォータポンプ42,43及び温度の高い冷却水の熱を外気に放熱して冷却するラジエータ41などからなる。冷却装置は、ウォータポンプ42,43によって冷却水を各ウォータジャケット46,291,292へ送り、この冷却水をラジエータ41に導いて放熱し、再びポンプにより循環させる。
この冷却水の循環経路について説明する。
シリンダブロック20のエンジンフロント側には、ウォータポンプ42が取り付けられる。ウォータポンプ42の吐出口は、冷却水通路50aを介してウォータジャケット292の冷却水入口に接続される。ウォータジャケット292は、シリンダブロック20のエンジンリア側に取り付けられるウォータアウトレット55の導入口に接続される。ウォータアウトレット55の排出口は、冷却水通路50bを介してラジエータ41の上部入口に接続される。ラジエータ41の下部出口は冷却水通路50cを介してウォータポンプ42の吸込口に接続される。
図15は冷却水の循環経路を模式的に表した系統図である。図15に示すように、これらの冷却水通路50、ラジエータ(RAD)41及びウォータポンプ(W/P)42等により、シリンダブロック20のウォータジャケット(C/B)292を流れる冷却水の循環経路A(第2冷却水循環系路)が形成される。
一方、図14において、冷却水通路50aの途中には、分岐通路51が形成される。分岐通路51は、シリンダブロック20の燃焼室側のウォータジャケット291の入口に接続される。その入口には、シリンダヘッド60のウォータジャケット46への分岐部54が形成されている。そのため、分岐通路51を流れる冷却水は、分岐部54で分岐してウォータジャケット291及びウォータジャケット46へ送られる。
シリンダヘッド60のエンジンリア側には、ウォータジャケット291及びウォータジャケット46を流れた冷却水の合流部57とその出口が形成される。ウォータジャケット46の出口は、シリンダヘッド60のエンジンリア側に取り付けられるウォータアウトレット56の導入口に接続される。ウォータアウトレット56の排出口に接続される通路52は途中で分岐する。分岐した一方の通路52aは、冷却水通路50bに接続され、ラジエータ41の上部入口に接続される。他方の通路52bは、電動ウォータポンプ43の吸込口に接続される。
分岐通路51には、分岐通路51を流れる冷却水の流量を調節するバルブ44が設けられる。同様に、分岐通路52aにはバルブ45が設けられる。
図15に示すように、これらの分岐通路52b及び電動ウォータポンプ(W/P)43等により、シリンダブロック20のウォータジャケット(C/B)291及びシリンダヘッド60のウォータジャケット(C/H)46を流れる冷却水の循環経路B(第1冷却水循環系路)が形成される。
本実施形態では、バルブ44及び45の開度調節により、ウォータジャケット291を流れる冷却水とウォータジャケット46を流れる冷却水の温度調節を行う。例えば、バルブ44及び45が閉じられている状態では、循環経路B内にはラジエータが存在しない。そのため、循環経路B内の冷却水温度を、循環経路A内の冷却水温度よりも相対的に高くできる。
また、バルブ44及び45の絞り量を調整することで、循環経路B内の冷却水の流量を循環経路A内の冷却水の流量よりも相対的に多くできる。結果として、循環経路B内の冷却水温度を、循環経路A内の冷却水温度よりも相対的に高くできる。
図16は、本発明の第9実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。
このように、低熱伝導率部材27bで構成した燃焼室61側のシリンダライナ27の周囲を流れる冷却水の温度を相対的に高くすることで、さらには冷却水の循環量を少なくすることで、シリンダライナ27の断熱効果をより一層向上させることができる。そのため、熱効率の向上が図れるとともに、燃費の向上が図れる。
一方、高熱伝導率部材27aで構成したクランクシャフト21側のシリンダライナ27の周囲を流れる冷却水の温度を相対的に低くすることで、さらには冷却水の循環量を多くすることで、吸入行程時における吸入空気の熱膨張を抑えることができ、充填効率を向上できる。
なお、この冷却装置が適用されるシリンダライナ27の熱伝導率について、図16に示したシリンダライナ27の低熱伝導率部材27bと高熱伝導率部材27aとの比率は、図9の実施形態と同じ関係にあるが、これに限らず、他の実施形態に示した、すなわち、図5、図6、図7、図8、図10、図11、図12等のものについても、同じように適用することができる。
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態を、図17を参照して説明する。図17は、本発明の第10実施形態によるシリンダライナ27を示す図である。
上述してきたように、本発明による可変圧縮比内燃機関1では、熱伝導率の異なる複数の部材でシリンダライナ27を構成する。シリンダライナ27はピストン22の摺動運動によって、ピストンリング28との接触部分が磨耗する。
このとき、シリンダライナ27を熱伝導率の異なる複数の部材で構成すると、その材質の違いによって、磨耗量がそれぞれ異なってくる。そのため、異なる部材の境界で段差が生じる。
このような段差が発生すると、燃焼室の気密性が保てなくなりブローバイガスが増大する。フリクションも増大し、シリンダライナ27にかき傷をつけたり、焼付けをおこしたりする。また、ピストンリング28が段差を乗り越えるときにノイズが発生することが懸念される。さらに、オイルの掻き残しなどにより、余分なオイルが燃焼室に進入しオイル消費が増大し、焼付けを起こすことが懸念される。
そこで、本実施形態では、シリンダライナ27のピストン22が摺動する表面を単一の材料で被覆したコーティング層65を形成する。これにより、シリンダライナ27を熱伝導率の異なる複数の部材で構成することによる部材の境界での段差の発生を防止できる。なお、コーティング層65の熱伝導率は低熱伝導率部材と同等であることが望ましいが、多少の大小があっても問題はない。
(第11実施形態)
次に、本発明の第11実施形態を、図18を参照して説明する。図18は、本発明の第11実施形態によるピストン22を示す図である。
本実施形態のピストン22は、その冠面に層状の低熱伝導部材70が貼られた断熱ピストンとして構成される。
これにより、燃焼ガスからピストン冠面への伝熱量を抑えることができる。また、燃焼室の一部となるピストン冠面を低熱伝導部材70で構成することによって、燃焼室の断熱化を図れる。そのため、冷却損失が低減して熱効率が向上するとともに、燃費も向上する。
また、ピストン冠面に貼られた低熱伝導部材70の断熱効果により、ピストン22自体の温度を低減することができる。そのため、シリンダライナ27とピストンリング28間の焼き付きを防止できる。また、ピストン強度を高めることなく燃焼温度を高めることができ、出力の向上を図れる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。例えば、上記実施形態では、シリンダ23の内壁が、シリンダブロック20と別の材料で作られたシリンダライナ27を嵌め込んで構成されている。しかし、熱伝導率を上記実施形態のように構成すれば、内壁がシリンダブロック20と一体となったものであってもよい。
可変圧縮比内燃機関を示す図である。 可変圧縮比内燃機関を高圧縮比とした状態を示す説明図である。 同じく低圧縮比とした状態を示す説明図である。 可変圧縮比内燃機関と単リンク式ピストンストローク機構とで得られるピストンストローク特性を示したものである。 本発明の第1実施形態によるシリンダライナ内部の熱伝導率の関係を示す図である。 本発明の第2実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。 本発明の第3実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。 本発明の第4実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。 本発明の第5実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。 本発明の第6実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。 本発明の第7実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。 本発明の第8実施形態によるシリンダライナ27内部の熱伝導率の関係を示す図である。 本発明の第9実施形態による2つの冷却系等を有する可変圧縮比内燃機関を示す図である。 本発明の第9実施形態による可変圧縮比内燃機関の冷却装置の概略構成図である。 冷却水の循環経路を模式的に表した系統図である。 本発明の第9実施形態によるシリンダライナ内部の熱伝導率の関係を示す図である。 本発明の第10実施形態によるシリンダライナを示す図である。 本発明の第11実施形態によるピストンを示す図である。
符号の説明
1 可変圧縮比内燃機関(圧縮比制御手段)
22 ピストン
22a トップランド
27 シリンダライナ
27a 高熱伝導率部材
27b 低熱伝導率部材
28 ピストンリング(トップリング)
44 バルブ(流量調節手段)
45 バルブ(流量調節手段)

Claims (12)

  1. シリンダ内を往復動するピストンと、
    機関運転状態に基づいて前記ピストンの上死点位置を変更して機関圧縮比を可変とする圧縮比制御手段と、
    を備え、
    機関圧縮比を高圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記ピストンに嵌挿したトップリングと対峙する部分のシリンダの熱伝導率を、機関圧縮比を低圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記トップリングと対峙する部分のシリンダの熱伝導率よりも小さくした
    ことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記シリンダの熱伝導率が大きい部分と小さい部分との境界が、機関圧縮比を高圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記ピストンのトップリングに対峙する部分と、機関圧縮比を低圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記ピストンのトップリングに対峙する部分との間にある
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 機関圧縮比を低圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記ピストンのトップリングと対峙する部分より上方のシリンダの熱伝導率を、その対峙する部分より下方のシリンダの熱伝導率よりも小さくした
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  4. 機関圧縮比を高圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記ピストンのトップリングと対峙する部分及びその対峙する部分より上方のシリンダの熱伝導率を、その対峙する部分より下方のシリンダの熱伝導率よりも小さくした
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  5. シリンダ内を往復動するピストンと、
    機関運転状態に基づいて前記ピストンの上死点位置を変更して機関圧縮比を可変とする圧縮比制御手段と、
    を備え、
    機関圧縮比を高圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記ピストンのトップランドと対峙する部分のシリンダの熱伝導率を、機関圧縮比を低圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記トップランドと対峙する部分のシリンダの熱伝導率よりも小さくした
    ことを特徴とする内燃機関。
  6. 機関圧縮比を高圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記ピストンのトップランドと対峙する部分より下方のシリンダの熱伝導率を、その対峙する部分のシリンダの熱伝導率よりも小さくした
    ことを特徴とする請求項に内燃機関。
  7. シリンダ内を往復動するピストンと、
    機関運転状態に基づいて前記ピストンの上死点位置を変更して機関圧縮比を可変とする圧縮比制御手段と、
    を備え、
    機関圧縮比を低圧縮比にしたときに、ピストン上死点位置において前記ピストンに嵌挿したトップリングと対峙する部分及びその対峙する部分より上方のシリンダの熱伝導率を、その対峙する部分より下方のシリンダの熱伝導率よりも小さくした
    ことを特徴とする内燃機関。
  8. 前記シリンダの熱伝導率が低い部分の周囲に冷却水を導く第1冷却水循環系路と、
    前記シリンダの熱伝導率が高い部分の周囲に冷却水を導く第2冷却水循環経路と、
    前記第1冷却水循環経路を流れる冷却水の流量と前記第2冷却水循環経路を流れる冷却水の流量とを調節する流量調節手段と、
    を備え、
    前記流量調節手段によって、前記第1冷却水循環系路及び第2冷却水循環系路を流れる流量を調節することで、前記第1冷却水循環経路を流れる冷却水温度を、前記第2冷却水循環経路を流れる冷却水温度よりも高くする
    ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載の内燃機関。
  9. 前記第1冷却水循環経路を流れる冷却水の流量を、前記第2冷却水循環経路を流れる冷却水の流量よりも少なくする
    ことを特徴とする請求項8に記載の内燃機関。
  10. 前記シリンダの前記ピストンが摺動する表面に単一の材料からなるコーティング層を形成する
    ことを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載の内燃機関。
  11. 前記ピストンの冠部表面を、そのピストンの内部よりも熱伝導率の低い材料で構成する
    ことを特徴とする請求項1から10までのいずれか一つに記載の内燃機関。
  12. 前記シリンダは、シリンダライナで構成される
    ことを特徴とする請求項1から11までのいずれか一つに記載の内燃機関。
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