JP4581617B2 - ミキサ装置、および、混練物の生成方法 - Google Patents

ミキサ装置、および、混練物の生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、セメント等の粉体原料と水等の液体原料とを混練するためのミキサ装置、および、混練物の生成方法に関する。
建築物などに利用されているセメント系硬化体を構成するセメントスラリー(セメント混練物)は、セメント系材料(粉体原料)に水(液体原料)が混練されて形成される。このようなセメントスラリーを混練する装置としては、下記特許文献1に開示されたものなどが知られている。この装置では、ミキサー部2においてミキサースクリュー8を回転させることで粉末原料と液体原料との混練を行っている。
特開平10−100133号公報
アルミナセメント、ポルトランドセメントおよび石膏などの水硬性成分、および必要に応じて配合される各種混和剤で構成される自己流動性水硬性組成物と、水と、を連続混練させるスラリーを製造する場合に、混練の程度によっては各種の原料の混ざり具合が不均一になる場合が生じる。このような場合、スラリー中にダマ(凝集塊)が形成されたり、スラリーの硬化表面に気泡や凹凸が形成されたりするなど、セメントスラリーの性状低下が引き起こされる。その結果、混練後のスラリーによって成るセメント系硬化体の品質が大きく影響されることとなる。特に、アルミナセメントを含む水硬性成分と、必要に応じて配合される各種混和剤とで構成される自己流動性水硬性組成物のスラリーから得られる床下地などの硬化体においては、表面性状や物性などの品質に大きな影響を受ける。
そこで、本発明の課題は、自己流動性水硬性組成物などから成る粉体原料と水などの液体原料とを、均一で良好なスラリー性状となるように混練可能なミキサ装置、および、混練物の生成方法を提供することである。
発明者は、上記した課題を解決するために鋭意検討した結果、従来の常識にとらわれず、混練スクリューの戻し羽根の割合を十分に高めることで、均一で良好なスラリー性状となるように混練することができることを見出し、本発明を考案するに至った。
本発明の混練スクリューは、軸部材と、この軸部材の外周面に形成された複数の羽根とを備え、この軸部材が所定方向に回転することにより、粉体原料と液体原料とを混練しながら、混練物を軸部材の基端側から終端側に向けて移送する混練スクリューであって、上記複数の羽根は、上記軸部材の上記終端側に向けて上記混練物を送る送り羽根と、この軸部材の上記基端側に向けて上記混練物を戻す戻し羽根と、を含み、上記複数の羽根に占める上記戻し羽根の割合が少なくとも50%である、ことを特徴とする。そして、上記複数の羽根に占める前記戻し羽根の割合は、少なくとも72%であるのが特に好ましい。
この混練スクリューでは、軸部材の基端側に向けて混練物(スラリー)を戻す戻し羽根が、軸部材の終端側に向けて混練物を送る送り羽根と同数か、或いは、それよりも多く形成されている。このため、粉体原料と液体原料とを十分に混練することができ、不十分な混練状態で吐出される混練物が減少する。これにより、混練物にダマが形成されたり、硬化表面に気泡や凹凸が形成されるなどの現象が発生しにくくなって、混練物の性状向上が図られる。
上記軸部材には、軸方向の長さ1m当たりで、少なくとも10枚の羽根が形成されているのが好ましい。このように、軸部材の外周面にて羽根が高い密度で形成されるため、粉体原料と液体原料とをより十分に混練することが可能となる。
また、上記粉体原料は、アルミナセメントと、ポルトランドセメントおよび石膏のうち少なくとも一成分と、を含む水硬性成分に対し、さらに、細骨材、減水剤、増粘剤、凝結調整剤および消泡剤が加えられて成る自己流動性水硬性組成物となっているのが好ましい。本発明の混練スクリューは、上述の組成内容を有する自己流動性水硬性組成物を混練する場合において、特に有効である。
本発明の混練装置は、上記の混練スクリューと、この混練スクリューを回転可能に収容する略筒状の混練室と、を備えることを特徴とする。この混練装置では、混練室内で上記混練スクリューにより粉体原料と液体原料とを混練して、均一で良好な性状の混練物(スラリー)を生成することができる。
本発明のミキサ装置は、上記の混練装置と、この混練装置に上記粉体原料を供給するためのホッパーと、この混練装置から吐出された混練物を収容するためのリザーバと、このリザーバ内に収容された混練物を外部に排出するための排出ポンプと、を備えることを特徴とする。
このミキサ装置では、ホッパーに投入された粉体原料が混練装置に移送される。そして、この混練装置では、混練スクリューの回転により、ホッパーから移送された粉体原料が水などの液体原料と混練されて、均一で良好な性状の混練物(スラリー)が生成されてリザーバ内に収容される。そして、このリザーバに収容された混練物は排出ポンプによって外部に排出される。
本発明の混練物の生成方法は、上記の混練装置を用いて上記粉体原料と上記液体原料とを混練して混練物を生成する方法であって、少なくとも300rpmの回転数で、上記混練スクリューを回転させることを特徴とする。
このように、混練スクリューを高速回転させることにより、混練物にダマが形成されたり、硬化表面に泡や凹凸が形成されたりするなどの現象がより一層発生しにくくなる。このため、混練物(スラリー)の性状向上がさらに図られる。なお、混練スクリューを高速回転させると、従来のスクリューでは混練物の吐出量も増加することとなって不十分な混練状態のまま混練物が吐出されるような場合が生じるが、本発明では、高い割合で戻し羽根を有するため、混練スクリューを高速回転させても、混練物の吐出量を十分抑制することが可能となる。このため、混練スクリューを高速回転させつつも、十分に時間をかけた混練が可能となる。
本発明によれば、自己流動性水硬性組成物などから成る粉体原料と水などの液体原料とを、均一で良好なスラリー性状となるように混練可能となる。
以下、図面を参照して、本発明を適用した好適な実施形態について説明する。なお、以下の図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複説明を省略する。
図1は本実施形態に係るミキサポンプ(ミキサ装置)の構成を説明するための断面図である。図2は本実施形態に係るミキサスクリュー(混練スクリュー)の全体構成を示す図である。図3〜図5は本実施形態に係るミキサスクリューの羽根を説明するための図であり、図3は羽根が軸部材に形成された状態を説明するための平面図であり、図4は羽根が軸部材に形成された状態を説明するための断面図であり、図5は板状の掻出部材を有する羽根の構成を説明するための斜視図である。
図1に示すように、ミキサポンプ1は、ホッパー2と、混練装置3と、排出口4と、リザーバ5と、スネークポンプ(排出ポンプ)6と、を主要な構成要素として備える。
ホッパー2は、広口の投入口7がホッパー2の本体上部に形成されているとともに、隣接する混練装置3と連通する開口部をこの本体下部側壁に有する。そして、ホッパー2の本体下部にはホッパースクリュー8が略水平に設けられ、ホッパー2の外部に設置されたモータ9によって回転駆動される。この場合、モータ9による回転駆動力は動力伝達ベルト9aを介してホッパースクリュー8側に伝達される。ここで、モータ9は油圧式または電動式のものが用いられる。
また、ホッパースクリュー8は、上記開口部を介して混練装置3に至る長さを有するとともに、螺旋状の羽根が外周面に巻き付くように形成されている。ここで、投入口7に投入されるセメント系の粉体原料は、ホッパースクリュー8の回転運動によって混練装置3に移送される。なお、本実施形態に係る粉体原料としては、セメント系の粉体原料を想定する。
混練装置3は、混練室3aとミキサスクリュー10とを有する。混練室3aは、筒状(中空の円柱状)を成し、長手方向が略水平となるように設置されている。混練室3aの内部には長手方向に沿ってミキサスクリュー10が設置されている。そして、混練装置3は、ミキサスクリュー10の回転によってホッパー2から移送された粉体原料を、水などの液体原料とともに混練室3a内で混練する。ここで、混練室3aの側壁でホッパー2側に位置する所定箇所には給水口3bが形成されており、この給水口3bを介して混練室3a内に水などの液体原料が供給される。
混練室3aは、長手方向における二つの端部のうち、一方の端部にはホッパー2の下部に連通する開口部が設けられ、他の端部近傍には排出口4に連通する開口部が設けられている。ミキサスクリュー10は、ホッパー2のホッパースクリュー8と一体形成されており(或いは、連結固定されている)、ホッパースクリュー8とともに、モータ9によって回転駆動される。
ミキサスクリュー10は、図2に示すように、軸部材10aと、この軸部材10aの外周面に形成された複数(図2においては32枚)の羽根を有する。軸部材10aの基端から終端までの長さは500mm〜2000mm程度であり、この間に羽根が形成されている。この羽根は、混練室3a内の混練物(以下、セメントスラリー)を軸部材10aの基端側(ホッパー2の設置側)に逆流させるための複数の戻し羽根10b(図2においては26枚)と、このセメントスラリーを軸部材10aの終端側(排出口4の設置側)に送るための複数の送り羽根10c(図2においては6枚)とを含む。
戻し羽根10bと送り羽根10cとは、図3に示すように、軸部材10aの外周面と羽根との接合部(線状をなす接合部)に沿った方向B1,B2が、それぞれ、軸部材10aの軸に対して互いに45度反対向きに傾いて軸部材10aに交差するように立設されている。これにより、軸部材10aが図中符号Rの向きに回転すると、セメントスラリーは、戻し羽根10bによって軸部材10aの基端側に移送され、送り羽根10cによって軸部材10aの終端側に送られることとなる。ここで、軸と方向B1とがなす角度θ1と、軸と方向B2とがなす角度θ2とは、上述の45度に限らず、20度〜70度の範囲内にあればよい。
また、図2に示すように、ミキサスクリュー10には複数(図2においては6枚)の掻き出し用板部材10dが設けられている。この掻き出し用板部材10dは、軸部材10aの回転によってセメントスラリーを混練室3aの内壁から掻き出すためのものであり、互いに並列に軸部材10aの外周面に立設された複数の羽根(戻し羽根10bまたは送り羽根10c)に支えられるようにして各羽根に接合されている。そして、この掻き出し用板部材10dは、図4に示すように、軸部材10aの軸方向から見て、軸部材10aの外周方向に互いに略120度離隔して設けられている。
なお、全羽根に占める戻し羽根10bの割合は50%を下限とするが、この下限は、60%がより好ましく、72%が特に好ましい。そして、この戻し羽根10bの占める割合の上限は95%が好ましいが、100%であってもよい。さらに、ミキサスクリュー10は、軸部材10aの軸方向の長さ1m当たりの羽根の枚数は10枚以上が好ましく、20枚以上がより好ましく、さらに、30枚以上が特に好ましい。このように、戻し羽根10bの全羽根に占める割合が50%以上と高く、さらに、軸部材10aの軸方向の長さ1m当たりの羽根の枚数が10枚以上と高いため、粉体原料と液体原料とを十分に混練することができるので、不十分な混練状態のまま混練装置3から吐出されるようなセメントスラリーが減少することとなる。
また、ミキサスクリュー10の回転数は、300rpm以上とするが、400rpmが好ましく、500rpm以上がより好ましく、さらに、600rpm以上が特に好ましい。このように、ミキサスクリュー10の回転数が300rpm以上と高いため、セメントスラリーの混練がより十分に行われる。なお、従来のミキサスクリューを高速回転させた場合にはセメントスラリーの吐出量も増加することとなり、不十分な混練状態のままセメントスラリーが吐出されるような場合が生じるが、ミキサスクリュー10は、戻し羽根10bの全羽根に占める割合が50%以上と高いため、高速回転させてもセメントスラリーの吐出量を十分に抑制することが可能となる。このため、ミキサスクリュー10を高速回転させつつも、十分に時間をかけた混練が可能となる。このミキサスクリュー10の回転数は、操作者が図示しない操作盤を操作することにより、所望の値に設定することが可能である。
図1に戻ってミキサポンプ1の説明を続ける。排出口4は、混練室3aとリザーバ5とを連通し、混練室3a内で混練されたセメントスラリーをリザーバ5に吐出するためのものである。
リザーバ5は、排出口4を介して混練装置3から吐出されたセメントスラリーを一旦収容するためのものである。このようにセメントスラリーがリザーバ5にて一旦収容されるので、スネークポンプ6を介して、リザーバ5から所望とする割合(排出量)でセメントスラリーを外部に排出可能となる。
このリザーバ5は、本体上部に広口の拡開部13が形成され、さらに、本体下部にはスターラースクリュー14と移送スクリュー16とが略水平に設けられている。スターラースクリュー14と移送スクリュー16とは何れも、リザーバ5の下部において、互いに対向する二つの側壁のほぼ一方から他方に至る長さを有する。そして、スターラースクリュー14はモータ15によって回転駆動され、移送スクリュー16はモータ17によって回転駆動される。モータ17による回転駆動力は、動力伝達ベルト17aを介して移送スクリュー16側に伝達される。ここで、モータ15,17は、いずれも油圧式または電動式のものが用いられる。
リザーバ5の下部側壁には隣接するスネークポンプ6に連通する開口部が形成されている。この開口部を介して、リザーバ5内の移送スクリュー16と、スネークポンプ6内の図示しないスクリューとが一体的に連結(形成)されている。このため、スネークポンプ6内のスクリューは、移送スクリュー16の回転に伴って回転される。このスネークポンプ6内のスクリューが回転することにより、リザーバ5内のセメントスラリーが外部に排出される。
上記のような構成のミキサポンプ1では、ホッパー2に投入された粉体原料が、ホッパースクリュー8の回転により混練装置3に移送される。そして、混練装置3では、ミキサスクリュー10の回転により、ホッパー2から移送された粉体原料が水などの液体原料と混練され、所望のスラリー性状を有するセメントスラリーが生成される。混練装置3によって生成されたセメントスラリーは、排出口4を介してリザーバ5に吐出され、ここで、スターラースクリュー14の回転により攪拌されながら一旦収容される。攪拌されたセメントスラリーは、移送スクリュー16の回転によってスネークポンプ6に移送され、その後、スネークポンプ6から外部に排出される。
なお、上記した本実施形態に係るミキサスクリュー10は、粉体原料としてセメント系セルフレベリング材を用いた場合に対し特に有効となっている。すなわち、ミキサスクリュー10により、セメント系セルフレベリング材を用いてセメントスラリーを生成した場合には、均一で、ダマがほとんど生じず、さらに、硬化後表面には気泡や凹凸などがほとんど生じない、など、スラリー性状が良好となる。
そこで、以下、本実施形態に好適な粉体原料と液体原料との詳細内容について説明する。本実施形態においては、上記したように、均一で良好なスラリー性状を得る上でセメント系のセルフレベリング材が好適である。このようなセメント系セルフレベリング材は、水硬性成分、細骨材、減水剤および増粘剤などを含む自己流動性水硬性組成物によって成る。特に、水硬性成分については、アルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏および高炉スラグを含み得るが、アルミナセメント、ポルトランドセメントおよび石膏から選択される成分の100質量%(すなわち、アルミナセメント、ポルトランドセメントおよび石膏の総和が100質量%)のうち、アルミナセメントが30質量%以上含まれているものが好ましい。
そこで、上記自己流動性水硬性組成物は、以下の1)〜5)の性質を有するのが好ましい。
1)水硬性成分は、アルミナセメントと、必要に応じてポルトランドセメント、石膏および高炉スラグの少なくとも一成分とを含み、特にアルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏および高炉スラグを共に含む。
2)水硬性成分は、アルミナセメントが100質量部、ポルトランドセメントが120質量部以下、石膏が40〜100質量部および高炉スラグが50〜350質量部の組成となっている。
3)凝結調整剤を含む。
4)水硬性成分100質量部に対して、細骨材を60〜200質量部、減水剤を0.01〜0.20質量部、増粘剤を0.05〜0.5質量部、凝結調整剤を0.05〜5質量部および消泡剤を2質量部以下を含む。
5)セルフレべリング性のSL値(後述するL30に対応)が300〜600mmとなっている。
以下、個々の自己流動性水硬性組成物毎に説明する。アルミナセメントは、潜在的に急硬性を有しており、硬化後は耐化学薬品性、耐火性に優れた硬化体となる。また、潜在的水硬性を有する高炉スラグの存在によって硬化体強度の経時的な低下も抑制される。アルミナセメントは、鉱物組成が異なるものが数種知られており、何れも主成分はモノカルシウムアルミネート(CA)であるが、強度および着色性の点からは、このCA成分が多く、かつ、CAF成分が少ないものが好ましい。
ポルトランドセメントは、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントなどが用いられる。水硬性成分としてポルトランドセメントを用いるのは、コスト低減に効果が認められるため好ましい。また、ポルトランドセメントは、添加量が多すぎると流動性が低下し、このことが白華発生の原因となる。このため、ポルトランドセメントは、アルミナセメント100質量部に対して120質量部より少なく添加されるのが好ましい。
石膏は、無水石膏、半水石膏などの各種石膏が、その種を問わず1,2種類以上含むように用いられる。石膏は急硬性を有し、硬化後の寸法安定性を保持する作用を有する。石膏の添加量は、アルミナセメントの100質量部に対して40〜100質量部が好ましい。石膏の添加量は少なすぎると寸法安定性が低下する場合があるが、逆に、多すぎると耐水性が低下し、水による異常膨張が起こる場合があって好ましくない。
高炉スラグは、乾燥収縮による硬化体の耐クラック性を高めるだけでなく、アルミナセメントの硬化体強度を向上させる効果をも有している。高炉スラグの添加量は、アルミナセメントの100質量部に対して50〜250質量部とするのが好ましく、少なすぎると収縮が大きくなり、多すぎると強度低下を招くことがある。ここで、高炉スラグは、JIS・A−6206に規定されている比表面積が3000cm/g以上のものが用いられる。
細骨材としては、粒径が2mm程度以下の骨材が主成分として用いられるが、粒径が0.1〜2mm程度の骨材を用いるのが好ましく、さらに、粒径が0.2〜2mm程度の骨材を用いるのがより好ましく、粒径が0.3〜2mm程度の骨材を用いるのが特に好ましい。このような細骨材としては、珪砂砂、川砂、海砂、アルミナクリンカー、シリカ粉、粘土鉱物、廃FCC触媒、石灰石、珪蛋石粉、寒水石、フライアッシュなどの無機質材や、ウレタン砕、EVAフォーム、発砲樹脂などの樹脂粉砕物を含むものが良い。細骨材の粒径は、JIS・Z−8801で規定されている試験用ふるいのうち、複数種類のふるいを用いて測定される。
増粘剤としては、セルロース系、蛋白質系、ラテックス系および水溶性ポリマー系などが用いられるが、特に、セルロース系などが好ましい。増粘剤の添加量は、水硬性成分の100質量部に対して0.05〜0.5質量部とするのが好ましいが、0.05〜0.3質量部であるのがより好ましく、0.05〜0.2質量部であるのが特に好ましい。増粘剤の添加量が多くなると、流動性の低下を招く恐れがあるため好ましくない。ここで、増粘剤を消泡剤と併用して用いれば、骨材分離の抑制、気泡発生の抑制および硬化体表面の改善に対して好ましい効果を与えることとなり、セルフレベリング材としての特性向上が図られる。
消泡剤は、シリコン系、アルコール系、ポリエーテルなどの合成物質や、植物由来の天然物質など、公知のものを用いることができる。消泡剤の添加量は、水硬性成分の100質量部に対して、2質量部以下とするのが好ましいが、1質量部以下がより好ましく、0.2質量部以下が特に好ましい。消泡剤の添加量が2質量部よりも多く添加される場合には消泡効果の向上が認められない場合がある。
凝結調整剤としては、凝結促進を行う成分である凝結促進剤や、凝結遅延を行う成分である凝結遅延剤などが用いられる。
凝結促進剤としては、公知の凝結促進剤が利用可能である。凝結促進剤の一例として、炭酸リチウム、塩化リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、水酸化リチウム、酢酸リチウム、酒石酸リチウム、リンゴ酸リチウムおよびクエン酸リチウムなどの有機酸によるリチウム塩(無機リチウム塩や有機リチウム塩を含む)が用いられる。
凝結遅延剤としては、公知の凝結遅延剤が利用可能である。凝結遅延剤の一例として、硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムおよびグルコン酸ナトリウムなどの有機酸によるリチウム塩(無機リチウム塩や有機リチウム塩を含む)が用いられる。
凝結調整剤は、使用する自己流動性水硬性成分や水硬性成分組成の内容(種類や量)に応じて、スラリーの本来の(所望とする)特性を損なわない範囲で適宜添加することができる。そして、凝結促進剤および凝結遅延剤を、添加量および混合比率を所望のものに設定して自己流動性水硬性成分に添加しても良い。この場合、自己流動性水硬性組成物の可使時間の調整が可能となるため、セルフレベリング材の利用が極めて容易となって好ましい。
上記のような自己流動性水硬性組成物が水と混練される場合には、施工の容易さと、平滑性の高い均一な硬化体表面が得られ易いという理由によって、この混練により生成されるセメントスラリーのフロー値が、好ましくは190mm以上、より好ましくは200mm以上、特に好ましくは210mm以上となるように混練の程度が調整される。ここで、上記フロー値は、JASS15M−103セルフレべリング材の品質基準に準拠するものである(以下、同様)。
特に、混練後のセメントスラリーを床下地調整用に用いる場合には、自己流動水硬性組成物と水との組成内容を所望とする流動性が得られる範囲で設定可能であるが、自己流動性水硬性組成物の100質量部に対し、水が14〜30質量部であるのが好ましく、19〜29質量部がより好ましく、24〜28質量部が特に好ましい。そして、混練後のセメントスラリーの表面水分乾燥時間は、60分〜120分が好ましく、65分〜110分がより好ましく、70〜100分が特に好ましい。そして、このセメントスラリーの表面の水分乾燥時間内で自己流動性水硬性組成物を用いるのが良い。
次に、図6〜図8と表1〜表3とを参照して、本実施形態に係る実施例1〜7を説明する。なお、本発明は、下記実施例1〜7の内容に限定されるものではない。ここで、図6は、実施例1に係るミキサスクリューの全体構成を示す図であり、図7は、実施例2に係るミキサスクリューの全体構成を示す図であり、図8は、実施例3〜7に係るミキサスクリューの全体構成を示す図である。
Figure 0004581617
Figure 0004581617
Figure 0004581617
(実施例1)
まず、本実施例1に係るミキサスクリュー10の詳細構成について説明する。図6に示すように、本実施例1に係るミキサスクリュー10は、基端から終端までの長さが本実施例1に係る混練室3aの長さ程度の軸部材10aと、この軸部材10aの外周面に形成された複数枚の羽根とを有する。そしてこの複数枚の羽根は、26枚の戻し羽根10bと、6枚の送り羽根10cと、を含む。戻し羽根10bと送り羽根10cとの合計枚数は32枚であり、羽根全体に占める戻し羽根10bの割合は81%程度である(表1参照)。
次に、本実施例1に係るミキサスクリュー10が有する各羽根の形成位置について詳細に説明する。ここでは、羽根の形成位置を、軸部材10aの基端側から終端側に向かう方向(以下、軸方向という)に沿って、軸部材10aを領域A1〜A10に分けて順次説明していく。まず、最も基端側に位置する領域A1には、3枚の送り羽根10cが、軸上の同一地点にあって周方向に略120度間隔で相互に離隔して形成されている。
軸方向に向かって領域A1の隣に位置する領域A2には、2枚の戻し羽根10bが、軸上の同一地点にあって周方向に略180度間隔で相互に離隔して形成されている。軸方向に向かって領域A2の隣に位置する領域A3には、6枚の戻し羽根10bが軸部材10aの外周面にて、ほぼ螺旋状に相互に離隔して形成されている。
軸方向に向かって領域A3の隣に位置する領域A4には、3枚の戻し羽根10bが、軸上の同一地点にあって周方向に略120度間隔で相互に離隔して形成されている。軸方向に向かって領域A4の隣には、羽根が形成されていない領域A5が位置する。そして、軸方向に向かって領域A5の隣に位置する領域A6には、6枚の戻し羽根10bが2枚1組となって、軸部材10aの外周面にて、ほぼ螺旋状に相互に離隔して形成されている。そして、各組に含まれる2枚の戻し羽根10bには、1枚の掻き出し用板部材10dがそれぞれ接合されている。
軸方向に向かって領域A6の隣に位置する領域A7には、3枚の戻し羽根10bが上記した領域A4の場合と同様に形成されている。軸方向に向かって領域A7の隣に位置する領域A8には、6枚の戻し羽根10bと3枚の掻き出し用板部材10dとが上記した領域A6の場合と同様に形成されている。
軸方向に向かって領域A8の隣に位置する領域A9には、3枚の送り羽根10cが上記した領域A1の場合と同様に形成されている。そして、軸方向に向かって領域A9の隣には羽根が形成されていない領域A10が位置する。
ここで、領域A1〜A4までの長さは260mm程度であり、領域A5の長さは130mm程度である。また、領域A6の長さは175mm程度であり、領域A7の長さは55mm程度である。また、領域A8の長さは175mm程度であり、領域A9の長さは45mm程度であり、領域A10の長さは90mm程度である。そして、戻し羽根10bおよび送り羽根10cが形成された軸部材10aの基端から終端までの長さは、領域A1〜A10の合計であり、930mm程度となっている。
また、表2に示すように、本実施例1に係る混練室3aの詳細構成は、長手方向の長さが950mm程度であり、断面の直径が180mm程度であり、断面積が254cm程度であり、排出口4に連通する混練室3aの開口部の面積は28cm程度である。そして、表3に示すように、本実施例1に係る混練条件としてのミキサスクリュー10の回転数は700rpm程度である。
(実施例2)
次に、本実施例2に係るミキサスクリュー10の詳細構成について説明する。図7に示すように、本実施例2に係るミキサスクリュー10は、基端から終端までの長さが本実施例2に係る混練室3aの長さ程度の軸部材10aと、この軸部材10aの外周面に形成された複数枚の羽根とを有し、上記した実施例1の場合とほぼ同様の構成となっている。実施例1の場合との違いは、4枚の送り羽根10cが一対ずつ2組となって領域A5に形成されていること、そして、この一対の送り羽根10cの各々には掻き出し用板部材10dが一枚ずつ接合されていること、である。すなわち、本実施例2に係るミキサスクリュー10は、26枚の戻し羽根10bと、10枚の送り羽根10cとを有する。戻し羽根10bと送り羽根10cとの合計枚数は36枚であり、羽根全体に占める戻し羽根10bの割合は72%程度である。
そして、表2に示すように、本実施例2に係る混練室3aの詳細構成は、上記実施例1の場合と同様である。また、表3に示すように、本実施例2に係る混練条件は、ミキサスクリュー10の回転数が700rpm程度であり、セメントスラリーの温度が摂氏21.4度程度であり、フロー値が226mm程度である。
(実施例3)
次に、本実施例3に係るミキサスクリュー10の詳細構成について説明する。図8に示すように、本実施例3に係るミキサスクリュー10は、基端から終端までの長さが本実施例3に係る混練室3aの長手方向の長さ程度の軸部材10aと、この軸部材10aの外周面に形成された複数枚の羽根とを有する。本実施例3に係るミキサスクリュー10は、軸部材10aの外周面に、31枚の戻し羽根10bと2枚の送り羽根10cとが形成されている。この戻し羽根10bと送り羽根10cとの合計枚数は33枚であり、羽根全体に占める戻し羽根10bの割合は94%程度である(表1参照)。
本実施例3に係るミキサスクリュー10には、7枚の掻き出し用板部材10dが、軸部材10aの外周面にて、ほぼ螺旋状に相互に離隔して設けられている。そして各掻き出し用板部材10dは、何れも、互いに並列する3枚の戻し羽根10bに支えられるようにして接合されている。そして、ミキサスクリュー10が有する31枚の戻し羽根10bのうち、この掻き出し用板部材10dに接合されたもの以外の10枚の戻し羽根10bは、軸部材10aの外周面にて、ほぼ螺旋状に相互に離隔して形成されている。そして、2枚の送り羽根10cは、軸部材10aの基端側と終端側との各所定箇所にそれぞれ形成されている。
そして、表2に示すように、本実施例3に係る混練室3aの詳細構成は、長手方向の長さが770mm程度であり、断面の直径が210mm程度であり、断面積が346cm程度であり、排出口4に連通する混練室3aの開口部の面積は28cm程度である。そして、表3に示すように、本実施例3に係る混練条件は、ミキサスクリュー10の回転数が700rpm程度であり、セメントスラリーの温度が摂氏22.2度程度であり、フロー値が225mm程度である。
(実施例4)
本実施例4では、表1,2に示すように、上記実施例3に係るミキサスクリュー10と混練室3aとが用いられている。そして、表3に示すように、本実施例4に係る混練条件は、ミキサスクリュー10の回転数が700rpm程度であり、周囲温度が摂氏28.8度程度であり、粉体原料の粉体温度が摂氏30.7度程度であり、水温が摂氏27.5度程度であり、セメントスラリーの温度が摂氏31.0度程度であり、フロー値が212mm程度である。
(実施例5)
本実施例5では、表1に示すように、上記実施例3,4に係るミキサスクリュー10が用いられている。そして、表2に示すように、本実施例5に係る混練室3aの詳細構成は、排出口4に連通する混練室3aの開口部の面積が216cm程度である点を除いて、上記実施例3,4の場合と同様である。
また、表3に示すように、本実施例5に係る混練条件は、セメントスラリーの温度が摂氏32.5度程度である点と、フロー値が215mm程度である点を除いて、上記した実施例4の場合と同様である。
(実施例6)
本実施例6では、表1に示すように、上記実施例3〜5に係るミキサスクリュー10が用いられている。そして、表2に示すように、本実施例6に係る混練室3aの詳細構成は、上記実施例3,4の場合と同様である。また、表3に示すように、本実施例6に係る混練条件は、ミキサスクリュー10の回転数が700rpm程度であり、周囲温度が摂氏8.0度程度であり、粉体原料の粉体温度が摂氏4.8度程度であり、水温が摂氏7.6度程度であり、セメントスラリーの温度が摂氏6.9度程度であり、フロー値が225mm程度である。
(実施例7)
本実施例7に係るミキサスクリューは、表1に示すように、上記実施例3〜6に係るミキサスクリュー10が用いられている。そして、表2に示すように、本実施例7に係る混練室の詳細構成は、上記実施例3,4および6の場合と同様である。そして、表3に示すように、本実施例7に係る混練条件は、ミキサスクリューの回転数が350rpm程度であり、セメントスラリーの温度が摂氏24.8度程度であり、フロー値が226mm程度である。
以上、実施例1〜7について説明したが、この実施例1〜7は、何れも、下記A)〜C)の三つの条件全てが満たされたものとなっている。A)ミキサスクリュー10の送り羽根と戻し羽根との合計枚数のうち戻し羽根が占める割合が50%以上、B)ミキサスクリュー10の軸方向の長さ1m当たりの羽根の枚数が10枚以上、C)ミキサスクリュー10の回転数が300rpm以上。
次に、表1〜3に基づいて、上記実施例1〜7に対する比較例1〜7について説明する。この比較例1〜7は、上記実施例1〜6が満たす上記条件A)〜C)のうち、少なくとも一つの条件が満たされていないものとなっている。
(比較例1)
本比較例1に係るミキサスクリューは、表1に示すように、上記実施例1〜7に係るミキサスクリューとは異なる他のミキサスクリュー(図示略)が用いられている。本比較例1に係るミキサスクリューの羽根枚数は、送り羽根が17枚、戻し羽根が1枚、送り羽根と戻し羽根の合計枚数が18枚であり、そのうち戻し羽根の占める割合が6%程度である。そして、本比較例1に係るミキサスクリューの軸は、基端から終端までの長さが本比較例1に係る混練室の長さ程度となっている。本比較例1に係る混練室の詳細構成は、表2に示すように、上記した実施例5の場合と同様である。そして、本比較例1に係る混練条件は、表3に示すように、ミキサスクリューの回転数が280rpm程度であり、周囲温度が摂氏18.6度程度であり、粉体原料の粉体温度が摂氏19.9度程度であり、フロー値が212mm程度である。
(比較例2)
本比較例2に係るミキサスクリューは、表1に示すように、上記実施例1〜7および比較例1に係るミキサスクリューとは異なる他のミキサスクリュー(図示略)が用いられている。本比較例2に係るミキサスクリューの羽根枚数は、送り羽根が24枚、戻し羽根が10枚、送り羽根と戻し羽根の合計枚数が34枚であり、そのうち戻し羽根の占める割合が29%程度である。そして、本比較例2に係るミキサスクリューの軸は、基端から終端までの長さが本比較例2に係る混練室の長さ程度となっている。本比較例2に係る混練室の詳細構成は、表2に示すように、上記実施例5および上記比較例1の場合と同様である。そして、本比較例2に係る混練条件は、表3に示すように、ミキサスクリューの回転数が350rpm程度であり、周囲温度が摂氏28.1度程度であり、粉体原料の粉体温度が摂氏30.5度程度であり、セメントスラリーの温度が摂氏29.5度程度であり、フロー値が216mm程度である。
(比較例3)
本比較例3に係るミキサスクリューは、表1に示すように、上記実施例1〜7および比較例1,2に係るミキサスクリューとは異なる他の混練スクリュー(図示略)が用いられている。本比較例3に係るミキサスクリューの羽根枚数は、送り羽根が6枚、戻し羽根が3枚、送り羽根と戻し羽根の合計枚数が9枚であり、そのうち戻し羽根の占める割合が33%程度である。そして、本比較例3に係るミキサスクリューの軸は、基端から終端までの長さが本比較例3に係る混練室の長さ程度となっている。本比較例3に係る混練室の詳細構成は、表2に示すように、長さが600mm程度であり、断面の直径が215mm程度であり、断面積が363cm程度であり、混練後のセメントスラリーを吐出するための開口部の面積が120cm程度となっている。そして、本比較例3に係る混練条件は、表3に示すように、ミキサスクリューの回転数が250rpm程度であり、周囲温度が摂氏21.7度程度であり、粉体原料の粉体温度が摂氏22.8度程度であり、セメントスラリーの温度が摂氏21.6度程度であり、フロー値が215mm程度である。
(比較例4)
本比較例4に係るミキサスクリューは、表1に示すように、上記比較例3に係るミキサスクリューと同じものが用いられている。そして、本比較例4に係る混練室の詳細構成は、表2に示すように、上記比較例3の場合と同様である。そして、本比較例4に係る混練条件は、表3に示すように、ミキサスクリューの回転数が320rpm程度であり、周囲温度が摂氏26.2度程度であり、粉体原料の粉体温度が摂氏26.5度程度であり、フロー値が229mm程度である。
(比較例5)
本比較例5に係るミキサスクリューは、表1に示すように、上記実施例1〜7および比較例1〜4に係るミキサスクリューとは異なる他のミキサスクリュー(図示略)が用いられている。本比較例5に係るミキサスクリューの羽根枚数は、送り羽根が7枚、戻し羽根が6枚、送り羽根と戻し羽根の合計枚数が13枚であり、そのうち戻し羽根の占める割合が46%程度である。そして、本比較例5に係るミキサスクリューの軸は、基端から終端までの長さが本比較例5に係る混練室の長さ程度となっている。本比較例5に係る混練室の詳細構成は、表2に示すように、上記比較例3,4の場合と同様である。そして、本比較例5に係る混練条件は、表3に示すように、フロー値が222mm程度である点を除いて上記比較例4の場合と同様である。
(比較例6)
本比較例6に係るミキサスクリューは、表1に示すように、上記比較例5に係るミキサスクリューと同じものが用いられている。そして、本比較例6に係る混練室の詳細構成は、混練後のセメントスラリーを吐出するための開口部の面積が28cm程度となっている点を除いて上記した比較例3〜5の場合と同様である。そして、本比較例6に係る混練条件は、表3に示すように、フロー値が227mm程度である点を除いて上記した比較例4,5の場合と同様である。
(比較例7)
本比較例7に係るミキサスクリューは、表1に示すように、上記実施例1〜7および比較例1〜6に係るミキサスクリューとは異なる他のミキサスクリュー(図示略)が用いられている。本比較例7に係る混練スクリューの羽根枚数は、送り羽根が12枚、戻し羽根が8枚、送り羽根と戻し羽根の合計枚数が20枚であり、そのうち戻し羽根の占める割合が40%程度である。そして、本比較例7に係るミキサスクリューの軸は、基端から終端までの長さが本比較例7に係る混練室の長さ程度となっている。本比較例7に係る混練室の詳細構成は、表2に示すように、上記比較例3〜5の場合と同様である。そして、本比較例7に係る混練条件は、表3に示すように、ミキサスクリューの回転数が320rpm程度であり、周囲温度が摂氏13.6度程度であり、粉体原料の粉体温度が摂氏11.2度程度であり、フロー値が218mm程度である。
<粉体原料および液体原料>
次に、本実施例および比較例において、セメントスラリーを生成する際に用いるセルフレベリング材の内容を以下に列挙する。
・水硬性成分:アルミナセメント(比表面積が3600cm/g、モノカルシウムアルミネート含有量が45質量%のもの)、ポルトランドセメント(早強セメント、ブレーン比表面積4500cm/gのもの)、石膏(II型無水石膏、ブレーン比表面積が3300cm/gのもの)および高炉スラグ(比表面積が4400cm/gのもの)。
・細骨材:珪砂(市販の4号珪砂のもの)。
・凝結調製剤:リチウム塩(市販の炭酸リチウム)およびナトリウム塩(市販の重炭酸ナトリウムと酒石酸ナトリウム)。
・減水剤:市販のポリカルボン酸系減水剤。
・増粘剤:市販のメチルセルロース系増粘剤。
・消泡剤:市販のポリエーテル系消泡剤。
上記の比表面積の評価法は、JIS・R−5201に規定されているブレーン空気透過装置を用いて測定されたものである。
ここで、上記したセルフレベリング材に含まれる自己流動性水硬性組成物の調合を表4に示す。本実施例では、上記実施例1〜6および上記比較例1〜8毎に、上記したセルフレベリング材に含まれる各自己流動性水硬性組成物を下記表4に示す配合で調合し、この調合後のセルフレベリング材と所定量の水とを混練装置に供給して混練する。これにより、本実施例に係るセメントスラリーが、上記実施例1〜6および上記比較例1〜8毎に得られる。なお、表4に示す水硬性成分の内訳は、アルミナセメントが100質量部、ポルトランドセメントが77質量部、石膏が50質量部および高炉スラグが227質量部となっている。
Figure 0004581617
<評価試験>
次に、上記実施例1〜6および上記比較例1〜8に対して行った評価試験について説明する。本評価試験は、上記本実施例に係るセメントスラリーを用いて行ったものであり、「スラリー評価」と「硬化表面状態の評価」とによって成る。
I)スラリー評価:
自己流動性水硬性組成物と水との混練量を調整して、連続運転中リザーバ内のセメントスラリーのフロー値を予め200〜230mm程度に調製した上で、下記フロー値、セルフレベリング性およびダマに対する測定を行う。
・フロー値の測定:
厚さ5mmの磨き板ガラスの表面に内径50mmで、高さ51mmの塩化ビニル製パイプ(内容積100ml)を置いて評価対象とするセメントスラリーを充填した後にパイプを引き上げた。その後、セメントスラリーが板ガラス表面に広がっていき、この広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定し、その平均値をフロー値として測定する。
・セルフレベリング性の測定:
幅25mm×高さ27mm×長さ750mmのアルミ製のレールであって、その長手方向における閉じた一端部から長さ150mmのところにこのレールを二つの領域に分割するような堰板を設けたものを用いる。このように分割された二つの領域のうち、一方の領域(レール端部から150mmまでの領域)に対し、本評価試験の対象とする混練直後のセメントスラリーを所定量充填する。そして、充填直後に堰板を引き上げ、その後、セメントスラリーの流れの停止後に、標点(堰板の設置部)からセメントスラリー流れの最短部までの距離(以下L0と称する)を測定する。さらに、評価試験の対象とする混練直後のセメントスラリーを上記レールに充填し、この充填後30分後に堰板を引き上げ、セメントスラリーの流れの停止後に、標点(堰板の設置部)からスラリー流れの最短部までの距離(以下L30と称する)を測定する。ここで、セメントスラリーを充填後、堰板を引き上げて、このセメントスラリーが評点(堰板の設置部)より200mm流動する時間を流速(秒)とする。
・ダマの測定:
混練室出口から流下するセメントスラリーを1分間5mmふるいに通し、ふるいにダマが残存するか否かを目視観察する。
II)硬化表面状態の評価:
縦191mm×横131mm×深さ15mm程度の小型コンテナに評価対象のセメントスラリーを流し込み、屋内に放置して静置養生させ、24時間後の表面精度(平滑性、凹凸、クラック、気泡跡)を目視観察する。
<試験結果>
次に、下記表5に基づいて、本評価試験の試験結果について説明する。表5は、上記実施例1〜7と上記比較例1〜7の各々対する評価試験の試験結果を示す図である。ここで、本評価試験に対する評価項目は、「L0値/流速」、「L30値/流速」、「ダマの有無」および「硬化表面」の4項目である。そして、各評価基準は、「L0値/流速」についてはL0値>400mmが満たされていれば「○」とし、満たされていなければ「×」とする。「L30値/流速」についてはL30値>300mmかつ流速<30秒が満たされていれば「○」とし、満たされていなければ「×」とする。そして、「ダマの有無」については、ダマ無しとなっていれば「○」とし、ダマが極少量存在する場合には「△」とし、ダマが多数存在する場合には「×」とする。「硬化表面」については、気泡跡、凹凸および表面粉化が全く無い場合には「○」とし、気泡跡、凹凸および表面粉化の何れかが若干有るが特に問題ない場合には「△」とし、気泡跡、凹凸および表面粉化の何れかが多数有って問題が生じるような場合には「×」とする。
Figure 0004581617
表5に示す試験結果によれば、上記A)〜C)の三つの条件の全てが満たされた本実施形態に係る実施例1〜7は、何れも、上記評価項目の全てに対して「○」または「△」と判定された。これに対し、上記A)〜C)の三つの条件のうちの少なくとも一つの条件が満たされていない比較例1〜7については、上記四つの評価項目のうちの少なくとも一項目が「×」と判定された。
上記のように、本評価試験を行うことによって、上記A)〜C)の三つの条件の全てが満たされた本実施形態に係る実施例1〜7では、上記したセルフレベリング材を粉体原料として用いた場合に、ダマが形成されたり、スラリーの硬化表面に気泡や凹凸などが形成されたりするような現象が生じにくくなるなど、スラリー性状の向上が確認できた。
なお、本発明は、上記説明したミキサポンプ1の構成や混練条件に限らず、詳細構成や詳細動作、そして詳細混練条件については本発明の内容を逸脱しない範囲で変更可能である。また、本実施形態においては、粉体原料として、特にセメント系セルフレベリング材を用いた場合について説明したが、これに限らず、石膏系などの他の粉体原料に対しても適用可能である。
実施形態に係るミキサポンプの構成を説明するための断面図である。 本実施形態に係るミキサスクリューの全体構成を示す図である。 本実施形態に係るミキサスクリューの羽根を説明するための平面図である。 本実施形態に係るミキサスクリューの羽根を説明するための断面図である。 本実施形態に係るミキサスクリューの羽根を説明するための斜視図。 実施例1に係るミキサスクリューの全体構成を示す図である。 実施例2に係るミキサスクリューの全体構成を示す図である。 実施例3〜6に係るミキサスクリューの全体構成を示す図である。
符号の説明
1…ミキサポンプ、2…ホッパー、3…混練装置、3a…混練室、3b…給水口、4…排出口、5…リザーバ、6…スネークポンプ、7…投入口、8…ホッパースクリュー、9,15,17…モータ、9a,17a…動力伝達ベルト、10…ミキサスクリュー、10a…軸部材、10b…戻し羽根、10c…送り羽根、10d…掻き出し用板部材、13…拡開部、14…スターラースクリュー、16…移送スクリュー。

Claims (7)

  1. 混練スクリューと給水口を有しており前記混練スクリューを回転可能に収容する筒状の混練室とを含む混練装置と、
    前記混練装置に粉体原料を移送するためのホッパースクリューを有するホッパーと、
    を備え、
    前記混練スクリューは、軸部材と、該軸部材の外周面に形成された複数の羽根とを備え、該軸部材が所定方向に回転することにより、粉体原料と液体原料とを混練しながら、混練物を該軸部材の基端側から終端側に向けて移送
    前記複数の羽根は、前記軸部材の前記終端側に向けて前記混練物を送る複数の送り羽根と、前記軸部材の前記基端側に向けて前記混練物を戻す複数の戻し羽根と、を含み、
    前記複数の羽根に占める前記戻し羽根の割合が少なくとも50%である、ことを特徴とするミキサ装置
  2. 前記複数の羽根に占める前記戻し羽根の割合が少なくとも72%である、ことを特徴とする請求項1に記載のミキサ装置
  3. 前記軸部材には、軸方向の長さ1m当たりで、少なくとも10枚の羽根が形成されている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のミキサ装置
  4. 前記混練装置から吐出された混練物を収容するためのリザーバと、
    前記リザーバ内に収容された混練物を外部に排出するための排出ポンプと、
    を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のミキサ装置。
  5. 前記粉体原料が、アルミナセメントと、ポルトランドセメントおよび石膏のうち少なくとも一成分と、を含む水硬性成分に対し、さらに、細骨材、減水剤、増粘剤、凝結調整剤および消泡剤が加えられて成る自己流動性水硬性組成物である、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のミキサ装置
  6. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のミキサ装置を用いて前記粉体原料と前記液体原料とを混練して混練物を生成する方法であって、
    少なくとも300rpmの回転数で、前記混練スクリューを回転させることを特徴とする混練物の生成方法。
  7. 前記粉体原料は、自己流動性水硬性組成物である、ことを特徴とする請求項6に記載の混練物の生成方法。
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