JP4580549B2 - 身蓋カートン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,多面形状の被せ蓋を有する身蓋カートンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、身蓋カートンは、キャンディ−、チョコレート等の小物贈答品に使用されるパッケージとして、種々の外観形状を有するものが実用、あるいは提案されている。
例えば、特開平7−76335号公報には、側壁部の水平断面が8角形であって、17面から構成された被せ蓋を有する身蓋カートンが提案されている。そして、この身蓋カートンにおいては、身と被せ蓋それぞれが一枚のカートンブランクを折り込んで側壁部がそれぞれ二重になるように形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、身蓋カートンの外観は主として被せ蓋の形状によって決定される。これまでの身蓋カートンの外観は多角柱体をベースとして、これに若干の変化を持たせた外観形状を有するものが多く、意匠性、高級感において十分に満足されるものは少なく、従って店頭における訴求効果も不足しているという問題があった。さらに、意匠性、高級感の点でかなり高いレベルにあっても、特開平7−76335号公報にみられるように、複雑な組み立て構造を余儀なくされ、組み立て時間、材料コストがかかり過ぎるという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、本発明は、板紙による紙容器でありながら、意匠性に優れ、高級感があり、店頭での訴求効果に優れ、身、被せ蓋とも一枚の最小限のカートンブランクからカートナー等によって効率良く組み立てることができる身蓋カートンの提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明による身蓋カートンは、水平断面が8角形の身と該身に対して嵌合する被せ蓋とからなる身蓋カートンであって、前記被せ蓋は、4角形状の天板と、該天板の直角に対向する4辺に連接する4枚の矩形状の斜行板と、該斜行板のそれぞれの底辺に延設された4枚の長方形で垂直な第1の側板と、該第1の側板のうち一方で対向する第1の側板の両側に連接される端部にそれぞれ糊代を延設し該糊代がそれぞれ当接する他方で対向する第1の側板に固着する長方形で垂直な4枚の第2の側板と、前記一方で対向する第1の側板にそれぞれ隣接する前記斜行板の両側に連接され2辺に糊代を延設し該糊代がそれぞれ当接する前記斜行板及び前記第2の側板に固着され互いに隣接する前記斜行板の両側辺と前記第2の側板の上辺とによって形成される間隙を遮蔽する4枚の角形状の遮蔽板とからなる17面体と、前記身は、8角形状の底板の直角に対向する4辺から立設される垂直な4枚の第1の側板と前記直角に対向する4辺それぞれの間の4辺から立設され両端に有したそれぞれの糊代を当接する前記4枚の第1の側板に固着する垂直な4枚の第2の側板とからなり、前記身の前記底板の1面を加えた外面が18面体の立体形状であることを特徴とするものである。また、前記身と前記被せ蓋それぞれが、一枚のカートンブランクから組み立てられてもよい。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明を図面を用いて、更に詳しく説明する。
図1は、本発明による身蓋カートンのカートンブランクの展開図である。図1(a)は、本発明による身蓋カートンの被せ蓋のカートンブランクの展開図を、図1(b)は、本発明による身蓋カートンの身のカートンブランクの展開図を示している。
本発明による身蓋カートン30の被せ蓋のカートンブランク10’は、図1(a)に示すように、4角形状の天板1と、該天板1の4辺に折線を介して4枚の矩形状の斜行板2を連接し、この斜行板2の外側に折線を介して4枚の長方形の第1の側板4を延設し、この内の対向する2枚の第1の側板4(図1(a)では左右)の長手方向に折線を介して4枚の第2の側板5を、さらにその端部に折線を介して糊代8を延設し、4枚の斜行板2の内の対向する斜行板2(図1(a)では左右)の残る2辺に三角形状の遮蔽板3を折線を介して連接し、この遮蔽板3の2辺に折線を介して糊代6、7を延設してなるものである。
【0006】
身のカートンブランク20’は、図1()に示すように、8角形状のトレイに組み立てられるものであって、8角形の底板11を中心にしてその8辺の内の対向している4辺に折線を介して4枚の第1の側板12を連接し、さらに残る4辺にも折線を介して第2の側板13を連接し、この第2の側板13の両端に折線を介して3角形状の糊代14を延設してなるものである。
【0007】
図2は、本発明による身蓋カートンの斜視図である。図(a)は身蓋カートン30の嵌合状態、図(b)は身蓋カートン30の開いた状態をそれぞれ示している。本発明による身蓋カートン30は、図1(a)に示すカートンブランク10’と図1(b)に示すカートンブランク20’からそれぞれ組み立てられた被せ蓋10と身20からなるものであって、その外形は略被せ蓋10の外形によって決定される。すなわち、本発明による身蓋カートン30の被せ蓋10の外形は、図2(a)、(b)に示すように、4角形状の天板1と、それに連接する4枚の矩形状の斜行板2と、この斜行板2の底辺に延設された4枚の長方形で垂直な第1の側板4と、互いに隣接する第1の側板4の短辺同を連結する4枚の矩形状の第2の側板5と、互いに隣接する斜行板2の左右両辺と第2の側板の上辺とによって形成される間隙を遮蔽する4枚の角形状の遮蔽板5とからなる17面体を呈している。従って、本発明による身蓋カートン30は、身20の底板11を加えて18面体の立体構造となる。
【0008】
本発明による身蓋カートン30は、以上のような中央の天板1が盛り上がった18面体構造であり、板紙による各面に対して自由度の高いプレプリント方式が採用可能なため、被せ蓋のフォルムと印刷によるグラフィックデザインの相乗効果が発揮されて、れまでに見られない高意匠性と高級感が生み出される。従って、キャンディ−、チョコレート等の小物贈答品のパッケージとして効果を発揮する。
キャンディ−、チョコレート等は一次包装されて本発明による身蓋カートン30に箱詰めされるが、その外側をさらに熱収縮性フィルム、ストレッチフィルム等でオーバーラッピングすることがバリアー性、防塵性の付与、さらに悪戯防止の点から好ましい。
【0009】
本発明による身蓋カートン30には、アイボリー、カード、マニラ、コートボール等広範囲の板紙の使用が可能であり、坪両も290〜480g/m2 の範囲で使用が可能である。また裏面に再生紙を使用した所謂「裏ネズ」のコートボールの使用も可能である。
また、板紙の片面もしくは両面にポリオレフィン系樹脂層を有する板紙を使用してもよい。
さらに、外面に金属光沢のあるアルミ箔や、光沢のある樹脂層等を設けることにより、一点から目視した時に、各面ごとに異なる光沢を示す多面体が得られ意匠性はさらに高まる。
【0010】
本発明による身蓋カートンの蓋のカートンブランク10’は、枚葉もしくは巻き取り状態の板紙に印刷してから打ち抜かれるものであって、プラスチック成形品等に対する印刷と異なりプレプリントであって、印刷の自由度は高く、オフセット、グラビア、フレキソ、シルクスクリーン等の公知のいかなる印刷手段の使用も可能である。
さらに、箔押し、エンボス、ラベリング等の印刷後の表面加工も自由に行うことができる。
また、本発明による身蓋カートン30のカートンブランクからの成形は、従来のカートニングマシンを若干改造するだけで十分可能であり、新規に設計製造する必要はない。またシュリンクフィルム等によるオーバーラッピングも従来の装置がそのまま利用ができる。
【0011】
以上説明した本発明による身蓋カートン30の被せ蓋10と身20をコートボール(裏白)310g/m2 (大昭和製紙(株)製)を用い、図1(a)、(b)に示した各部寸法を有するカートンブランク10’、20’からそれぞれ手作業で組み立て、これらを嵌合して、本発明による身蓋カートン30の実施例サンプルを作成した。
なお、印刷にはオフセット印刷を用いた。
実施例サンプルの18面体からなる造形は、ユニークな、アトラクティブなものとなり、従来の店頭に並ぶものに較べて意匠性に優れ、高級感のあるものとなった。
【0012】
本発明による身蓋カートン30は、以上の実施の態様と図面の記載に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、天板1、底板11は必ずしも正方形でなくともよい。また天板1の一部に窓貼り等の加工が施され中身を見せるようにしてもよい。
【0013】
【発明の効果】
本発明による身蓋カートン30によれば、板紙という安く、環境負荷の少ない素材を最小限に使用して、造形と意匠性に優れ、高級感のあるギフト用パッケージを提供することができる。
従って、店頭での訴求化、差別化の効果のみならず、チョコレート、キャンディー等は無論、その他一般の小物ギフト用パッケージとして利用でき、ギフトの送り手、受け手双方の満足感を高めることができる。
また、組み立てには新規なカートナーの設置の必要はなく、必要最小限度の面積のカートン1ランクから組み立てることができる。
さらに、使用後はフラットなブランク状態に戻して減容化しながら廃棄することができ、しかも焼却し易いという環境負荷の少ないパッケージを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による身蓋カートンのカートンブランクの展開図
【図2】本発明による身蓋カートンの斜視図
【符号の説明】
1 天板
2 斜行板
3 遮蔽板
4 第1の側板
5 第2の側板
6、7 糊代
8 糊代
10 本発明による身蓋カートンの被せ蓋
10’ 本発明による身蓋カートンの被せ蓋のカートンブランク
11 底板
12 第1の側板
13 第2の側板
14 糊代
20 本発明による身蓋カートンの身
20’ 本発明による身蓋カートンの身のカートンブランク
30 本発明による身蓋カートン

Claims (2)

  1. 水平断面が8角形の身と該身に対して嵌合する被せ蓋とからなる身蓋カートンであって、前記被せ蓋は、4角形状の天板と、該天板の直角に対向する4辺に連接する4枚の矩形状の斜行板と、該斜行板のそれぞれの底辺に延設された4枚の長方形で垂直な第1の側板と、該第1の側板のうち一方で対向する第1の側板の両側に連接される端部にそれぞれ糊代を延設し該糊代がそれぞれ当接する他方で対向する第1の側板に固着する長方形で垂直な4枚の第2の側板と、前記一方で対向する第1の側板にそれぞれ隣接する前記斜行板の両側に連接され2辺に糊代を延設し該糊代がそれぞれ当接する前記斜行板及び前記第2の側板に固着され互いに隣接する前記斜行板の両側辺と前記第2の側板の上辺とによって形成される間隙を遮蔽する4枚の角形状の遮蔽板とからなる17面体と、前記身は、8角形状の底板の直角に対向する4辺から立設される垂直な4枚の第1の側板と前記直角に対向する4辺それぞれの間の4辺から立設され両端に有したそれぞれの糊代を当接する前記4枚の第1の側板に固着する垂直な4枚の第2の側板とからなり、前記身の前記底板の1面を加えた外面が18面体の立体形状であることを特徴とする身蓋カートン。
  2. 前記身と前記被せ蓋それぞれが、一枚のカートンブランクから組み立てられることを特徴とする請求項1記載の身蓋カートン。
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