JP4579347B1 - 積層体の製造方及び積層体 - Google Patents

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Abstract

キャリアAをボビンから巻き出しながら、その対向する両端部に接着剤を塗工し、接着剤を塗工した側に、金属箔Bをボビンから巻き出しつつ重ねて両者を接着し、次にこれを裁断し、裁断された積層体を整堆し、整堆した積層体からなる裁断物の中央の盛り上がりが大きくなったときに、裁断物の上部からローラー掛けして、裁断物間及び積層体内に存在する空気を抜き、しかる後に接着剤を硬化させて相互に接着することを特徴とする積層体の製造方法に関する。特に、積層板の製造時に使用するキャリア付き銅箔に係り、その目的とするのはプリント基板製造工程のハンドリング性向上及び歩留りアップによるコスト削減を実現することを課題とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、プリント配線板に使用される片面若しくは2層以上の多層積層板の製造において用いられるキャリア付銅箔からなる積層体の製造方法及び積層体に関する。
多層積層体の代表的な例は、プリント回路板である。一般に、プリント回路板は、合成樹脂板、ガラス板、ガラス不織布、紙などの基材に合成樹脂を含浸させて得た「プリプレグ(Prepreg)」と称する誘電材を、基本的な構成としている。
プリプレグ表面(表裏面)には電気伝導性を持った銅又は銅合金箔等のシートが接合されている。このように組み立てられた積層物を、一般にCCL(Copper Clad Laminate)材と呼んでいる。そしてCCL材料に、さらに銅箔をプリプレグを介して多層化したものを多層基板と呼んでいる。
前記銅又は銅合金箔の替りに、アルミニウム、ニッケル、亜鉛などの箔を使用する場合もある。これらの厚さは5〜200μm程度である。
以上の工程において、銅箔の表面に異物が付着することを防ぐ目的及びハンドリング性を向上させる目的でキャリア付銅箔が用いられる。
例えば、従来知られているキャリア付銅箔(特許文献2、3、4参照)を使用した4層基板の製造工程においては、厚さが0.2〜2mmのプレス面が平滑なステンレス製のプレス板(通称、「鏡面板」と言う。)の上に、キャリアに剥離可能に接着された極薄銅箔をM面(粗面)が上になるように載置し、次に所定枚数のプリプレグ、次に内層コアと称するCCL材料に回路を形成したプリント回路基板、次にプリプレグ、次にキャリアに剥離可能に接着された極薄銅箔をM面(粗面)が下になるように載置し、これらを鏡面板の順に重ねることにより、1組の4層基板材料からなる組み立てユニットが完成する。
以降は、これらのユニット(通称「ページ」)を2〜10回程度繰り返して重ね、プレス組立体(通称「ブック」)を構成する。次に、上記ブックをホットプレス機内の熱板上にセットし、所定の温度及び圧力で加圧成型することにより、積層板を製造する。4層以上の基板については、内層コアの層数を上げることで、同様の工程で生産することが可能である。
この際、使用されるキャリア付銅箔は、極薄銅箔とキャリアとが全面で接着しているため、積層後に作業者がこのキャリアを剥離するのに、かなりの力を必要とし手間がかかるという問題がある(特許文献9参照)。また前記の通り、作業者はレイアップ(積層組み作業)の際に、銅箔のM面を上にして配置する、又はM面を下にして配置する作業を、交互に繰り返す必要があるため、作業効率が低下するという問題がある。さらに、銅箔及びキャリアが同寸法であるため、レイアップ時に銅箔1枚1枚を取り分けることが難しく、この点においても作業性が低下するという問題がある。
また、特許文献1に記載されるような、アルミ板表裏に銅箔が接着された構造のCACを用いた回路基板の製造に際して、CAC材料の一部にアルミ板(JIS#5182)が使用されているが、このアルミ板の線膨張係数は、23.8×10−6/°Cと、基板の構成材料である銅箔(16.5×10−6/°C)及び重合後のプリプレグ(Cステージ:12〜18×10−6/°C)に比べて大きいことから、プレス前後の基板サイズが設計時のそれとは異なる現象(スケーリング変化)が起きる。これは面内方向の回路の位置ずれを招くことから、歩留り低下の一因となる問題がある。
プリント配線板に使用される各種材料の線膨張係数(常温)は、下記の通りである。アルミニウム板の線膨張係数が、他に突出して大きいことが分かる。
・銅箔:16.5(×10-6/°C)
・SUS304:17.3×10-6/°C
・SUS301:15.2×10-6/°C
・SUS630:11.6×10-6/°C
・プリプレグ(Cステージ):12〜18×10-6/°C
・ アルミニウム板(JIS#5182):23.8×10−6/°C
本願発明には直接関係しないが、キャリア付極薄銅箔に関する例として次の文献がある(特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
一方、2辺を超音波溶接等で接合固定したキャリア箔と銅箔接合体の提案がある(特許文献5参照)。この2辺を超音波溶接等で接合固定されたキャリア箔と銅箔の接合体を生産する際にも、上記同様にエアー抜き作業が必要になるが、皺を発生しないようにエアー抜きを行うことは困難である。なぜなら、回転ローラーを押し付け、エアーを搾り出す際にシート間にズレを伴い、この結果ズレが生じない固定された接合部では歪がたまり、皺が入るか、又は亀裂が入る等の不具合が発生するからである。
剛性がある強固なキャリアに銅箔を接合することは比較的容易である(特許文献6、7、8参照)。強固なキャリアへ貼り合わせ整堆した場合、直後は整堆されたキャリアおよび銅箔間またはキャリア付き銅箔間にはエアー層が存在するが、キャリアに剛性があることからシート銅箔のように凸形状には至らず、積み重ねることによって次第にエアー抜きが成されるからである。
しかし、このリジッドキャリアにも問題がある。それは高い剛性のため易剥離接着を施した場合、ハンドリング等でたわんだ際に銅箔とキャリアが瞬間的に分離し、隙間にエアーが吸引されることで、結果として生じた空隙に塵や異物を巻き込む。即ちベローズ効果が生じるという問題があるからである。
また、下記特許文献9には、全面が接着された構成のキャリア付き銅箔が提案されているが、この場合は引き剥がし強度が上昇し、剥離作業が難しくなるという問題があり、またハンドリングの際にたわみが発生し、このたわみの影響で弱接着となっている部分から、エアー及び異物が混入するという問題を生ずる。これらの特許文献の問題点については、本願発明との対比において、詳細を後述する。
特許第3100983号公報 特開2005−161840号公報 特開2007−186797号公報 特開2001−140090号広報 特開平10−291080号公報 特開2002−134877号公報 国際公開WO2007−012871号公報 特表平6−510399号公報 特開2001−68804号公報
本発明は、これらの事象に鑑みてなされたものであり、プリント配線板に使用される片面若しくは2層以上の多層積層板又は極薄のコアレス基板の製造の際に用いられるキャリア付銅箔からなる積層体の製造方法及び積層体に関し、特に、積層板の製造時に使用するキャリア付き銅箔の製造に係り、その目的とするのはプリント基板製造工程のハンドリング性向上及び歩留りアップによるコスト削減を実現することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、積層体の製造工程、特に接着剤の選択と塗工方法により大きく改善できるという知見を得た。
この知見に基づき、本発明は、
1)キャリアAをボビンから巻き出しながら、その対向する両端部に接着剤を塗工し、接着剤を塗工した側に、金属箔Bをボビンから巻き出しつつ重ねて両者を接着し、次にこれを裁断し、裁断された積層体を整堆し、整堆した積層体からなる裁断物の中央の盛り上がりが大きくなったときに、裁断物の上部からローラー掛けして、裁断物間及び積層体内に存在する空気を抜き、しかる後に接着剤を硬化させて相互に接着することを特徴とする積層体の製造方法
2)整堆した積層体からなる裁断物の中央の盛り上がりが四辺の厚みよりも10%以上大きくなったときに、裁断物の上部からローラー掛けすることを特徴とする1)記載の積層体の製造方法
3)耐力又は降伏応力が20〜500N/mmであるキャリアAを用い、該キャリアAと金属箔Bとを、接着強度が5g/cm〜500g/cmである接着剤により対向する2辺の端部で接着し、キャリアAと金属箔Bが交互に重なり合う矩形の積層体を製造することを特徴とする1)又は2)記載の積層体の製造方法
4)上記1)記載の、裁断物の上部からローラー掛けして、裁断物間及び積層体内に存在する空気を抜く工程における接着剤の粘度が300万mPa・s(25°C)以下である接着剤を用いて塗工し、接合することを特徴とする1)〜3)のいずれか一項に記載の積層体の製造方法
5)上記1)記載の、裁断物の上部からローラー掛けして、裁断物間及び積層体内に存在する空気を抜く工程における接着剤の粘度が100万mPa・s(25°C)以下である接着剤を用いて塗工し、接合することを特徴とする1)〜3)のいずれか一項に記載の積層体の製造方法
6)金属箔Bのプリント回路基板として使用する領域外の部分で塗工し、キャリアAと金属箔Bとを接着することを特徴とする1)〜5)のいずれか一項に記載の積層体の製造方法
7)接着剤を点又は線状に塗工することを特徴とする1)〜6)のいずれか一項に記載の積層体の製造方法
8)接着剤の塗工位置を、その後に接合するプリプレグ及び/又はコア材の積層基板材料よりも外側に配置することを特徴とする1)〜7)のいずれか一項に記載の積層体の製造方法、を提供する。
また、本願発明は、
8)キャリアAと金属箔Bが交互に重なり合う矩形の積層体であって、キャリアAの耐力又は降伏応力が20〜500N/mmであり、当該キャリアAと金属箔Bとが接着強度5g/cm〜500g/cmである接着剤により、対向する2辺の端部で接着されていることを特徴とする積層体
9)キャリアAと金属箔Bが交互に重なり合う矩形の積層体であって、キャリアAの耐力又は降伏応力が20〜500N/mmであり、当該キャリアAと金属箔Bとが接着強度5g/cm〜500g/cmである接着剤により、対向する2辺の端部で接着されていることを特徴とする積層体
10)塗布後3分経過後の粘度が300万mPa・s(25°C)以下である接着剤を用いることを特徴とする9)記載の積層体
11)塗布後3分経過後の粘度が100万mPa・s(25°C)以下である接着剤を用いることを特徴とする9)記載の積層体
12)接着剤が、エポキシ系、アクリル系、メタクリレート系、シリコンゴム系、セラミック系、ゴム系のいずれかであることを特徴とする9)〜11)のいずれか一項に記載の積層体
13)金属箔Bが、銅箔、銅合金箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、亜鉛箔、鉄箔、ステンレス箔であって、厚さが1〜100μmであることを特徴とする9)〜12)のいずれか一項に記載の積層体
14)キャリアAとして、金属箔Bと同一の箔を使用することを特徴とする9)〜13)のいずれか一項に記載の積層体
15)接着剤が、金属箔Bのプリント回路基板として使用する領域外の部分で塗工されており、キャリアAと金属箔Bとが接着されていることを特徴とする9)〜14)のいずれか一項に記載の積層体
16)接着剤が、点又は線状に塗工されていることを特徴とする9)〜15)のいずれか一項に記載の積層体
17)接着剤の塗工位置が、プリプレグ及び/又はコア材の積層基板材料よりも外側に配置されていることを特徴とする9)〜16)のいずれか一項に記載の積層体、を提供する。
本発明のキャリア付金属箔は、キャリアAと金属箔Bが交互に重なり合う矩形の積層体であって、キャリアAの耐力又は降伏応力が20〜500N/mmであり、当該キャリアAと金属箔Bとが接着強度5g/cm〜500g/cmである接着剤により、対向する2辺の端部で接着されている積層体の構造を備えているので、作業者のハンドリング性が向上する。また、剥離も容易となる。また、エアー抜き工程において皺、亀裂、剥離が生じない製造方法を提供することができる。さらに、回路の位置ずれを招くことがないので、不良品発生が少なくなり、歩留りを向上させることができるという優れた効果を有する。
銅箔コイル(ボビン)をセットした後に、銅箔はテーブル上を滑らせながら所定の長さを巻き出す従来のシート銅箔の製法の説明図である。 整堆されたシート銅箔間にはエアー層が存在し、次第に凸状の外観を呈するようになる様子を示す説明図である。 所定量をシートカットする毎に、エアー抜き作業を行う説明図である。 本発明における生産工程の概略図であり、銅箔およびキャリアーコイルをセットした後に夫々巻き出し、搬送方向両端に接着剤を塗工した後に貼り合わせる様子を示す説明図である。 銅箔、プリプレグ、コア材、銅箔を順に重ね、さらにキャリアA及び金属箔Bを相互に接合したキャリア付銅箔を使用して、ホットプレスすることにより、最外層の銅箔層を形成する様子を示す説明図である。 所定量をシートカットする毎に平らなテーブル上でエアー抜き作業を行う様子を示す説明図である。 本発明における生産工程、すなわち銅箔コイル及びキャリアのコイル(ボビン)をセットした後に夫々同時に巻き出し、キャリア上に接着剤を搬送方向両端に塗工した後に、貼り合わせる工程を示す概略図である。
一般に、プリント回路板は、合成樹脂板、ガラス板、ガラス不織布、紙などの基材に合成樹脂を含浸させて得た「プリプレグ(Prepreg)」と称する誘電材を用い、このプリプレグを間に挟んで、電気伝導性を持った銅又は銅合金箔等のシートが接合されている。このように組み立てられた積層物を、一般にCCL(Copper Clad Laminate)材と呼んでいる。この一般的に用いられるCCL(Copper Clad Laminate)材の前記銅又は銅合金箔の替りに、アルミニウム、ニッケル、亜鉛などの箔を使用する場合もあるが、そのケースは少ない。一般に、これらの厚さは5〜200μm程度である。
一般に、銅箔積層の前工程に当たるレイアップ工程においてはプリプレグと銅箔を交互にハンドリングする作業を行うが、この際、プリプレグの微細な粉が周囲に飛散しこれが銅箔とプリプレグ、そしてコア材料を交互に重ねる作業であるレイアップ作業の際に各材料に降り積もる。特に、銅箔上に付着する場合は後工程への影響が大きい。
この場合、銅箔のS面に付着したプリプレグ粉は積層時の温度と圧力により溶解し、その面積は数百倍に広がる。例えば、例えば数十ミクロン径のプリプレグ粉は積層後には1mmφ以上に拡大し、後工程の回路形成においてオープンショートの原因となることが分かっている。
また、一般に400x500mmの銅箔上にはレイアップ中に数十個程度のプリプレグの微小粉が付着することが確認されている。それ故、キャリア付き銅箔に求められる特性としては、レイアップ作業中にS面がレイアップ室の大気に曝露しないことが肝要である。理想的には強い接着力でキャリアと銅箔の全面を接合する構成を採ることが必要である。
一方、積層後にSUS中間板と積層基板とを分離する作業である解体作業においては、これとは逆に作業をスピーディーに行うためにキャリアと銅箔の接着は極力弱く、剥離しやすいことが求められる。この観点から接着面積は最小で、接着強度は低いことが好ましい。
本発明はこのような逆行する要求に対して解を求めるべく鋭意研究されたものであり、その目的とするのは、非常に弱い力で接着されたキャリア付き銅箔の構成およびその製造方法を提供することにある。
従来のシート銅箔の製法においては、図1のように銅箔コイルをセットした後に、銅箔はテーブル上を滑らせながら所定の長さを巻き出す。
この滑りながら移動する際には銅箔の下側に薄いエアー層を形成しながらテーブル上を滑る。そして一時停止と共に断裁機により裁断され整堆される。
その後新たな銅箔及びキャリア材が巻き出され、この工程を繰り返すことでキャリア付き銅箔は随時積み重ねられる。この際、整堆されたシート銅箔間にはエアー層が存在し、次第に図2のような凸状の外観を呈するようになり、銅箔は滑ることが困難になり、整堆を継続することが不可能になる。
このためこの対策としてある所定量をシートカットする毎にエアー抜き作業を行う。この内容を図3に示す。
整堆されたシート上にローラーを押し付け回転させながら移動することでシート間のエアーを搾り出すようにして排出する。これにより、整堆後の凸形状は平坦化され、シートカット工程を継続できるようになる。この作業は紙の断裁作業においても一般的に行われている作業である。
図4は、本発明における生産工程の概略図である。銅箔およびキャリアーコイルをセットした後に夫々巻き出され、図示のごとく搬送方向両端に接着剤を塗工した後に貼り合わせられる。この際用いられる接着剤としては無機系、有機系、合成系等、様々なものを適用可能である。
図5は、銅箔、プリプレグ、コア材、銅箔を順に重ね、さらにキャリアA及び金属箔Bを相互に接合したキャリア付銅箔を使用して、ホットプレスすることにより、最外層の銅箔層を形成する様子を示す説明図であるが、接着剤の塗工位置は、図5の如くプリプレグのサイズよりも約5ミリ程度外側の位置になるようにするのが好ましい。これは積層時の加圧エリアに接着剤を介在させないように配慮するためである。
つまり、接着剤をこのエリアに配置するとその厚さによっては圧力がこの点に集中してしまい、他の部分に圧力がかからないという不具合が発生するからである。この後、銅箔およびキャリアはテーブル上を滑らせながら所望の長さを巻き出す。この滑りながら移動する際にはキャリアの下側に薄いエアー層を形成しながらテーブル上を滑る。
そして、一時停止と共に断裁機により裁断される。その後新たな銅箔およびキャリア材が巻き出され、この工程を繰り返すことでキャリア付き銅箔は随時積み重ねられる。
整堆されたキャリアと銅箔間にはエアー層が存在し、次第に図6のような凸状の外観を呈するようになる。この結果キャリア付き銅箔は滑ることが困難になり整堆を継続することが不可能になる。
この状態で接着剤が固化した場合にはキャリア付き銅箔は凸形状に固定され積層工程において皺等の不具合が発生することは明白である。
しかるに、キャリア付き銅箔は接着剤が硬化する前に平坦に整堆する必要がある。このためこの対策としてある所定量をシートカットする毎に平らなテーブル上でエアー抜き作業を行う。この内容を図6に示す。図6に示すように、整堆されたシート上に回転ローラーを押し付け回転させながら移動することでシート間のエアーを搾り出すようにして排出する。
これにより、凸形状の整堆は平坦化され、シートカット工程を継続できるようになる。しかしながら、2辺をカシメ、リベット、超音波溶接、両面テープ等で固定接合されたキャリア付き銅箔を生産する際には上記のエアー抜き作業において、皺を発生しないようにエアー抜きを行うことは困難である。
なぜなら、回転ローラーを押し付け、エアーを搾り出す際に、キャリア及び銅箔間にズレを伴い、この結果ズレが生じ得ない固定された接合部では歪がたまり皺が入る、または亀裂が入る等の不具合が発生するからである。
例えば、前記特許文献5に示されるような2辺を超音波溶接等で接合固定されたキャリア箔と銅箔の接合体を生産する際にも上記同様にエアー抜き作業が必要になるが、皺を発生しないようにエアー抜きを行うことは困難である。
なぜなら、回転ローラーを押し付け、エアーを搾り出す際にシート間にズレを伴い、この結果ズレが生じ得ない固定された接合部では歪がたまり、皺が入るまたは亀裂が入る等の不具合が発生するからである。
また、本発明においては、レイアップ作業者が解体する際の負荷を低減するために接着強度500g/cm以下の易剥離性接着剤を使用するが、エアー抜きを行うまでにこの接着剤が硬化した場合には、エアー抜きの際にシート間にズレを伴うことから上記同様に接合が剥離するか、剥離しない場合には皺または亀裂が入る等の不具合が発生する。
他方、前記特許文献6、特許文献7、特許文献8に示されるような剛性がある強固なキャリアに銅箔を接合することは比較的容易である。なぜなら、強固なキャリアへ貼り合わせ整堆した場合、直後は整堆されたキャリア及び銅箔間またはキャリア付き銅箔間にはエアー層が存在するが、キャリアに剛性があることからシート銅箔のように凸形状には至らず、積み重ねることによって次第にエアー抜きが成されるからである。
本発明は、接着強度500g/cm以下の接着剤を厚さ1−100μmのキャリアの2辺に接着することで製造する工程に関するものであり、強固なキャリアに銅箔を接合する場合に比べてエアー抜き工程での困難さは著しい。
つまり、接着強度の点からは接着剤硬化後にエアー抜きを行うとその易剥離性ゆえに銅箔とキャリアの剥離が発生する。
本発明はこの点に鑑みて成されたものであり、その目的とするのはエアー抜き工程において皺、亀裂、剥離が生じない製造方法を提供することにある。
図7は、本発明における生産工程の概略図である。銅箔コイル及びキャリアのコイル(ボビン)をセットした後に夫々同時に巻き出され、図示の如くキャリア上に接着剤を、搬送方向両端に塗工した後に貼り合わせる。
接着剤の塗工位置は、プリプレグのサイズよりも5ミリ程度外側の位置になるようにするのが好ましい。これは接合部の厚さの影響を回避するためである。例えばコア材やプリプレグエリアへ接合部を設けた場合には接合部が積層基板表面に転写することになる。また、プレス時にはここに圧力が集中しこれ以外のエリアへ圧力が伝わらないことになる。
この際使用される接着剤は、エアー抜き作業の後に硬化するものを用いることを特徴とする。この後、先にテーブル上またはシートカットされた銅箔上のエアー層を滑りながら所望の長さを巻き出し、一時停止と共に断裁機により裁断される。その後新たな銅箔およびキャリア材が巻き出され、この工程を繰り返すことでキャリア付き銅箔は随時積み重ねられる。
この際、整堆された銅箔およびキャリア間にはエアー層が存在し、次第に図6のような凸状の外観を呈するようになる。本発明のキャリア付き銅箔はその2辺が閉じられていることからエアーが抜け難く、整堆時の凸形状はシート銅箔の場合の2倍以上になる。
この後、平らなテーブル上において、整堆されたシート上に回転ローラーを押し付けシート間のエアーを搾り出すようにして排出する(「エアー抜き」と呼ぶ)。この際、キャリア付き銅箔の接着剤は硬化していないため、エアーを搾り出す際にキャリアと銅箔との間が滑ってズレることにより互いに歪を緩和するか、又は歪により一旦キャリア及び銅箔とが剥離して歪をキャンセルした後に回転ローラーで再び貼り合わされるか、のいずれかにより、皺が入るまたは亀裂が入る等の不具合が発生しない。
この際に、接着剤の粘度が高すぎると、その歪を緩和するためにキャリアと銅箔間が滑ってズレたり、又は歪によりキャリア及び銅箔とが一旦剥離したりしてから回転ローラーにより再び貼り合わされることが困難になり、皺や亀裂が発生する。
このとき、キャリアと銅箔間の接着剤にはズレによりせん断応力が生じ、そのズレの速度とから得られる粘度=(せん断応力/ズレの速度)が、皺や亀裂発生の適切な指標となると考えた。
本発明者は、これらの実験を繰り返した結果、エアー抜きの時点での接着剤の粘度が300万mPa・s (25°C)以下であれば、皺や亀裂の発生が少なくすることが出来るとの知見を得た。特に、柔らかい材質の通常の金属箔やキャリアの場合は100万mPa・s(25°C)以下であることが好ましい。
実際のところ、接着力があり、硬化後の接着強度が所望程度あれば、エアー抜き時の粘度は低いほど好ましい。通常は1万Pa・s (25°C)以下であればさらに好ましく、例えば水の粘度1mPa・s (25°C)程度あるいはそれ以下でもよい。
逆に、粘度が高い場合でも硬い材質や10μmを超える厚さの銅箔とキャリアの組み合わせの場合は、300万mPa・s(25°C)以下であればよく、軟らかい材質や10μm以下の厚さの銅箔とキャリアの組み合わせの場合はつきたてのもち程度の粘度100万mPa・s(25°C)以下であればよい。
接着剤を塗布後、エアー抜きするまでの時間は装置により様々であるが、通常は1秒〜数分の間に行われる。接着剤は塗布後徐々に硬化するものから急速に硬化するものがあり、硬化に伴い粘度が高くなるので、選択する目安として、3分後に300万mPa・s(25°C)以下、好ましくは100万mPa・s(25°C)以下である接着剤とする。このようにしてエアーを搾り出す工程を経てから接着剤を硬化させる。
上記によって、容易に整堆シートの凸形状は平坦化され、シートカット工程を継続できるようになる。一方、エアー排出の観点から、接着剤のデザインは実線よりも点線のほうが好ましい。
本発明は相対する2辺に易剥離性接着剤を塗工することで生産されるキャリア付き銅箔に関するものである。この特徴としては、基板として使用されるエリア(コア材、またはプリプレグ−エリア)部分のキャリアと銅箔の間には接着剤が施されていない2層構造であることから拡散による接着強度上昇が生じないことが挙げられる。
全面が接着された構成のキャリア付き銅箔は、既に知られている(特許文献9)。この特許文献の明細書中には、全面に接着層があるために下記の弊害が生じることを示している。積層温度の上昇によって、確実にキャリアと銅箔との拡散が進行している。その証に、この特許文献の実施例では、保持時間の経過に応じて引き剥がし強度が上昇している。よって、実際にはプレス温度の上昇に伴い作業者の負荷は確実に増加することが容易に想定される。
前記全面が接着された構成のキャリア付き銅箔(特許文献9)の構成は3層であるが、本発明の積層時に圧力が加わるエリア(コア材、またはプリプレグ−エリア)は2層構成である点も異なる。基本的な構成が異なり接合も両端の2辺に限定されているため、積層時に圧力がかからない。しかも、積層時に圧力が加わるエリア(コア材、またはプリプレグ−エリア)部分のキャリアと銅箔の間には接着剤が施されていない2層構造であることから拡散による接着強度上昇の懸念がない。この点が本発明の特徴である。
また、銅箔に施されている防錆を維持する効果がある。一般的に銅箔にはその表面に数百Åの防錆層(クロメート処理等)が施されている。本発明においては、キャリア材を剥離後にも、この防錆効果が保持されるので、錆発生を気にせずに積層工程後も通常工程でのハンドリングが可能である。
一方、前記全面が接着された構成のキャリア付き銅箔(特許文献9)においては剥離時に銅の表面が空気に暴露されるため、錆が発生しやすい。または錆の発生を防止するために新たな防錆工程が必要になり工程負荷が増えるという欠点もある。
さらに、本発明においては、銅箔は通常工程で生産される製品を使用できることから、ピンホールの有無を確認した後の信頼性の高い銅箔を使用可能である。前記全面が接着された構成のキャリア付き銅箔(特許文献9)は、その構造からピンホールを検知できない。
一般に、銅箔のピンホールはサブミクロン程度のものから数百ミクロン程度のものまで様々存在するが、本発明で使用する銅箔は一般的量産品の信頼性の高い銅箔を採用することから、従来通り光学的に透過光をAOIで検知する方法や浸透探傷検査等を適用してピンホール発見することができ、しかるべき品質をパスした製品を使用することが可能である。
この全面が接着された構成のキャリア付き銅箔(特許文献9)においては、その構造から透過光法、または浸透法が適用できない。ピンホールが発見されるのは積層後にキャリア材を剥がした後になるので、この分リスクを負うことになる。
本発明に使用されるキャリアの利点は、薄箔およびそれに伴う柔軟性であり、これはキャリアと銅箔の間に異物が侵入するのを防ぐと共に、積層後の打痕を減少させる。本発明のキャリア箔は銅箔と共に柔軟に変形することが望ましい。
本発明で使用する柔軟なキャリア材は、1〜100μmの薄箔のための良好な支持を提供し、厚さ100μm以上のリジッドタイプのキャリアと比較しベローズ効果を排除することができる。
この理由として、リジッドキャリアは高い剛性のため易剥離接着を施した場合、ハンドリング等でたわんだ際に銅箔とキャリアが瞬間的に分離し、隙間にエアーが吸引されることで、結果として生じた空隙に塵や異物を巻き込むからである。即ちベローズ効果が生じる。
塵やプリプレグ粉等の異物が銅箔とキャリアの間に入る結果として、積層後の多層基板の表面には打痕やプリプレグの付着が発生する。一方、本発明の柔軟な薄箔を使用したキャリアは銅箔がたわんだ際に発生する負圧により密着し、しなやかに追従することが可能になる。
このため剥離することなくハンドリングすることが可能であり、銅箔とキャリアの間に塵やプリプレグ粉等の異物が進入することがない。よって、本発明では銅箔とキャリアの接合は相対する2辺のみで十分であり、完全な密閉を必要としないのが特徴である。
例えば、全面を弱接着したキャリア付き銅箔について述べる。キャリア付き銅箔をハンドリングする際には相対する辺を両手で掴み持ち上げることになるが、この際U字型に全体がたわむ。このたわみの曲率は接合体の中心付近で最大となり、たわみ部の銅箔/キャリア材間には外側および内側の周差による応力、つまり内側がキャリア、外側が銅箔とした場合、キャリアには圧縮応力が、銅箔には引っ張り応力が発生する。
この際、銅箔、キャリア間の接合は弱接着となっていることから応力が接着強度を上回った場合、接合部には剥離が発生しエアーおよび異物が瞬時に進入することになる。この中央部での異物進入により、積層後の基板中央にはプリプレグ粉による打痕が多く発生することになる。
一方、4辺を線で囲んだ接合においても同様である。ハンドリングする2辺に対して90度の辺においても上記同様に中央付近がU字にたわみ、この結果、内外周差による応力により接合の剥離が発生し、瞬時に異物が進入する。
本発明者は、これらの実験繰り返した結果相対する2辺の接合が有効であることを見出した。つまり、2辺接合の接合体はその接合辺を掴んでハンドリングする場合にU字形に変形するが、それ以外の部分においては接合されていないことから、たわみの外側および内側の周差による応力は、銅箔およびキャリアが横滑りによりキャンセルする。これによって周差による応力を吸収しているからである。
これにより本発明で使用する柔軟なキャリア材は薄箔のための良好な支持を提供し、リジッドタイプのキャリアと比較しベローズ効果による異物進入を排除することができる。
さらに、この接着辺を確認しやすいように、接着辺のキャリア材をはみ出す事により作業者の取り扱いの利便性を付加した。これは作業者が接合された2辺以外の辺を掴まないようにサポートすると共に、積層後の解体作業においても剥離のきっかけが得られることから解体作業が捗る効果がある。
通常、キャリアA及び金属箔Bは、矩形(長方形又は正方形)とする。この形状は製造上での取り扱いの便宜な形状とするので良く、任意であるが、一般には正方形又は長方形を用いる。
また、重ね合わせる取り扱い上、キャリアA及び金属箔Bの一辺が互いに整列していること、あるいはキャリアA及び金属箔Bの隣接する二辺又は対向する二辺が互いに整列していることが望ましい。これらの選択も又任意である。
本発明のキャリア付金属箔は、金属箔Bが銅箔又は銅合金箔であること、またキャリアAが、銅箔、銅合金箔、またはアルミ箔であることが好ましい形態である。
本発明のキャリア付金属箔は、キャリアA及び金属箔Bがそれぞれ光沢面(S面)を有し、それぞれ光沢面が互いに向き合うように積層することが多くの利点があり、さらに望ましい形態である。
金属箔Bとしては、銅箔、銅合金箔、またはアルミ箔が代表的なものであり、最も好ましいが、ニッケル、亜鉛、鉄、ステンレスなどの箔を使用することもできる。同様に、キャリアAは金属箔Bと同一の材質の箔を使用することができる。銅箔、銅合金箔、またはアルミニウム箔の場合、5〜120μmの厚みを有する電解箔又は圧延箔を使用することができる。
さらに、金属箔Bの熱膨張率が、キャリアAの熱膨張率の+10%、−35%以内であることが望ましい。これによって、熱膨張差に起因する回路の位置ずれを効果的に防止することができ、不良品発生を減少させ、歩留りを向上させることができる。
一般に、キャリアAと金属箔Bとは、めっき又はエッチング等の工程前に機械的に剥がすことになるので、両者の剥離強度は、1g/cm以上、1kg/cm以下であることが望ましい。さらに、剥離面はキャリアAと金属Bとの境界であることが望ましく、両者の間で、相手材料の残渣が残ることは、除去工程が必要となり、工程の複雑化になるので、避けなければならない。
その後、このブックをホットプレス機にセットし、所定の温度及び圧力で加圧成型することにより4層基板を製造することができた。なお、4層以上の基板についても、一般的には内層コアの層数を上げることで、同様の工程で生産することが可能である。
このようにして作製された、積層板はキャリアと銅箔の間で、剥離分離させ、その後めっき工程及び又はエッチング工程経て回路を形成し、完成品とする。
キャリアAで金属箔Bを全面に亘って支持しているので、前記積層中に、金属箔に皺の発生は全く認められない。
さらに、キャリアAに銅合金箔と金属箔Bに銅を使用する場合は、線膨張係数が基板の構成材料である銅箔及び重合後のプリプレグと、殆ど同じレベルにあることから、回路の位置ずれを起こすことがなかった。したがって、従来のCACを使用する場合に比べて、不良品発生が少なくなり、歩留りを向上させることができた。
本発明の構造の利点は、金属箔B及びキャリアAの材質や厚さに影響を受けるものでないことは容易に理解できる。
一方、キャリアに銅合金箔と同じ箔を使用した際には銅箔のM面を上にして配置する、又はM面を下にして配置する作業を、交互に繰り返す必要がなくなるので、作業者の作業を軽減する効果が発生する。
次に、実施例について説明する。なお、この実施例は、発明の理解を容易にするものであって、この実施例に発明が拘束されるものではない。発明は、特許請求の範囲に記載する要件とそれを裏付ける明細書に記載する技術思想の全体から把握されるべきものであり、本願発明は、これらを包含する。また、実施例の説明に当たって、比較となる例も示した。
(実施例における貼合わせの製作に当たって)
一般に、接着剤粘度が塗工後硬化して粘度が刻々と変化するため、塗工前後の粘度変化が少ない粘度計校正用標準液で予め検討した。このとき、試験後の校正用標準液は、せん断試験装置により計測し、粘度変化がないことを確認した。また、エアー抜き工程で、接着剤の粘度を直接測定することは困難なので、予め、接着剤の粘度と経時変化を測定しておき、塗布後の時間から接着剤の粘度を推定した。
以下の例で使用した接着剤はアクリル系であり、粘度は含まれる高分子材料の重合度の異なるものを使用することにより調整した。
接着剤の塗工は、シリンダ式ディスペンサーを用い、0.1mg/cmの厚みに塗工した。塗工5秒後にエアー抜きを開始した。その際、50mmφの塩ビパイプを10cm/秒の移動スピードで、かつ50gf/cmの圧力で回転しながら実施した。
(実施例1)
キャリアAには40μmのアルミニウム箔を使用し、それに張り合わせる箔として35μmの銅箔を使用した。粘度が200−300万mPa・sの接着剤を使用し、キャリアAをボビンから巻き出しながら対向する両端部に塗工幅3mmで塗工した。塗工は線状である。
接着剤を塗工した側に、金属箔Bをボビンから巻き出しつつ重ねて両者を接着し、次にこれを裁断し、裁断された積層体を整堆し、裁断物の上部からローラー掛けした(エアー抜き)。
この結果、粘度が200−300万mPa・sであれば、皺や亀裂の発生はない状態で、張り合わせが可能であった。
なお、粘度が500万mPa・sの場合には、皺が発生し、積層体に不具合が生じた。
(実施例2)
キャリアAには12μmのアルミニウム箔を使用し、それに張り合わせる箔として9μmの銅箔を使用した。粘度が80−90万mPa・sの接着剤を使用し、塗工幅は3mmとした。塗工は線状である。張り合わせからローラー掛けまでの手順は、実施例1と同様である。
キャリアや銅箔が薄いため、実施例1より粘度が小さい範囲、80−90万mPa・sであれば、多少の浪打が見られるが皺や亀裂の発生はない状態で、張り合わせが可能であった。
一方、粘度が200万mPa・sの場合には、皺が発生し、積層体に不具合が生じた。
このように、キャリアAに用いる材料と厚みによって、塗工する接着剤の粘度を調節することが必要であることが分かった。
(実施例3)
キャリアAには18μmの銅箔を使用し、それに張り合わせる箔として5μmの銅箔を使用した。接着剤を幅3mmで線状に塗工した。張り合わせからローラー掛けまでの手順は、実施例1と同様である。
この場合、銅箔が実施例2よりもさらに薄いため、粘度が8000−10000mPa・sであれば、多少の浪打が見られるが、皺や亀裂の発生はない状態で張り合わせが可能であった。
なお粘度が150万mPa・sの場合には、皺と亀裂が発生し、積層体に不具合が生じた。
この場合も、キャリアAに用いる材料と、厚みによって塗工する接着剤の粘度を調節することが必要であることが分かった。
(実施例4)
キャリアAには18μmの銅箔を使用し、これに張り合わせる箔として5μmの銅箔を使用した。接着剤を幅は3mmで点線(破線)状に塗工した。塗工した破線の長さを10mm、間隔を30mmとした。張り合わせからローラー掛けまでの手順は、実施例1と同様である。
この場合も銅箔が実施例2よりもさらに薄いため、粘度が1000−5000mPa・sであれば、多少の浪打が見られるが、皺や亀裂の発生はない状態で張り合わせが可能であった。
なお粘度が120万mPa・sの場合には、皺と亀裂が発生し、積層体に不具合が生じた。
この場合も、キャリアAに用いる材料と、厚みによって塗工する接着剤の粘度を調節することが必要であることが分かった。
本発明のキャリア付金属箔は、キャリアAと金属箔Bが交互に重なり合う矩形の積層体であって、キャリアAの耐力又は降伏応力が20〜500N/mmであり、当該キャリアAと金属箔Bとが接着強度5g/cm〜500g/cmである接着剤により、対向する2辺の端部で接着されている積層体の構造を備えているので、作業者のハンドリング性が向上する。また、剥離も容易となる。
また、エアー抜き工程において皺、亀裂、剥離が生じない製造方法を提供することができる。
さらに、回路の位置ずれを招くことがないので、不良品発生が少なくなり、歩留りを向上させることができるという優れた効果を有する。
本願発明により得られるキャリア付金属箔である積層体のメリットは大きく、特にプリント回路板の製造に有用である。

Claims (16)

  1. キャリアAをボビンから巻き出しながら、その対向する両端部に接着剤を塗工し、接着剤を塗工した側に、金属箔Bをボビンから巻き出しつつ重ねて両者を接着し、次にこれを裁断し、裁断された積層体を整堆し、整堆した積層体からなる裁断物の中央の盛り上がりが大きくなったときに、裁断物の上部からローラー掛けして、裁断物間及び積層体内に存在する空気を抜き、しかる後に接着剤を硬化させて相互に接着することを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 整堆した積層体からなる裁断物の中央の盛り上がりが四辺の厚みよりも10%以上大きくなったときに、裁断物の上部からローラー掛けすることを特徴とする請求項1記載の積層体の製造方法。
  3. 耐力又は降伏応力が20〜500N/mmであるキャリアAを用い、該キャリアAと金属箔Bとを、接着強度が5g/cm〜500g/cmである接着剤により対向する2辺の端部で接着し、キャリアAと金属箔Bが交互に重なり合う矩形の積層体を製造することを特徴とする請求項1又は2記載の積層体の製造方法。
  4. 請求項1記載の、裁断物の上部からローラー掛けして、裁断物間及び積層体内に存在する空気を抜く工程における接着剤の粘度が300万mPa・s(25°C)以下である接着剤を用いて塗工し、接合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  5. 請求項1記載の、裁断物の上部からローラー掛けして、裁断物間及び積層体内に存在する空気を抜く工程における接着剤の粘度が100万mPa・s(25°C)以下である接着剤を用いて塗工し、接合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  6. 金属箔Bのプリント回路基板として使用する領域外の部分で塗工し、キャリアAと金属箔Bとを接着することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  7. 接着剤を点又は線状に塗工することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  8. 接着剤の塗工位置を、その後に接合するプリプレグ及び/又はコア材の積層基板材料よりも外側に配置することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  9. キャリアAと金属箔Bが交互に重なり合う矩形の積層体であって、キャリアAの耐力又は降伏応力が20〜500N/mmであり、接着剤が、金属箔Bのプリント回路基板として使用する領域外の部分で塗工されており、当該キャリアAと金属箔Bとが接着強度5g/cm〜500g/cmである前記接着剤により、対向する2辺の端部で接着されていることを特徴とする積層体。
  10. 塗布後3分経過後の粘度が300万mPa・s(25°C)以下である接着剤を用いることを特徴とする請求項9記載の積層体。
  11. 塗布後3分経過後の粘度が100万mPa・s(25°C)以下である接着剤を用いることを特徴とする請求項9記載の積層体。
  12. 接着剤が、エポキシ系、アクリル系、メタクリレート系、シリコンゴム系、セラミック系、ゴム系のいずれかであることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の積層体。
  13. 金属箔Bが、銅箔、銅合金箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、亜鉛箔、鉄箔、ステンレス箔であって、厚さが1〜100μmであることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の積層体。
  14. キャリアAとして、金属箔Bと同一の箔を使用することを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載の積層体。
  15. 接着剤が、点又は線状に塗工されていることを特徴とする請求項9〜14のいずれか一項に記載の積層体。
  16. 接着剤の塗工位置が、プリプレグ及び/又はコア材の積層基板材料よりも外側に配置されていることを特徴とする請求項9〜15のいずれか一項に記載の積層体。
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