JP4577611B2 - ライフルチューブ引抜加工用工具及びこれを用いたライフルチューブの製造方法 - Google Patents

ライフルチューブ引抜加工用工具及びこれを用いたライフルチューブの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、素管を引抜加工してライフルチューブを製造する際に使用する工具及びこれを用いたライフルチューブの製造方法に関し、特に引抜加工時の焼き付きの発生を防止し得ると共に、容易且つ安価に製造可能なライフルチューブ引抜加工用工具及びこれを用いたライフルチューブの製造方法に関する。
従来より、各種の熱交換器においては、流体の流れを乱して伝熱効率を高めるべく、内周面に複数条の螺旋状リブが形成された所謂ライフルチューブが好適に用いられている。斯かるライフルチューブは、外周面に複数条の螺旋溝が形成されたライフルチューブ引抜加工用工具(プラグ)を素管の内面に挿入した状態で、ダイスによって素管を絞りながら引抜加工することによって製造される。
ここで、引抜加工される素管は過酷な塑性変形を伴うため、引き抜き加工用工具との間で焼き付きが生じ易い。このため、従来より、素管と引抜加工用工具との間の焼き付きの発生を防止するための種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、プラグの螺旋溝を形作る相対する両側壁と底面とが交わる部分の曲率半径を、プラグの先端部側から後端部側に至るまで一定に保つ(曲率半径を0.3mmで一定に保つ例が開示されている)と共に、プラグの先端部側から後端部側に向けて一定の勾配で縮径させたことを特徴とするライフルチューブ抽伸用プラグが提案されている。
特開2001−179327号公報
特許文献1に記載のプラグは、螺旋溝の底部エッジ(螺旋溝を形作る相対する両側壁と底面とが交わる部分)の曲率半径が一定とされているため、各種の曲率半径に応じた複数の砥石を用意する必要が無く、比較的容易に且つ安価に製造可能であるという利点を有する。
しかしながら、特許文献1に記載されたプラグでは、十分な焼き付き防止効果が得られないという問題がある。より具体的に説明すれば、少なくとも引抜加工の初期段階においては、特許文献1のプラグに形成された螺旋溝の底部全体に素管の材料が十分に充足されないため、底部エッジを曲線状に形成しても、当該底部エッジが焼き付き防止に寄与せず、十分な焼き付き防止効果が得られないという問題がある。
本発明は、斯かる従来技術の問題を解決するためになされたものであり、引抜加工時の焼き付きの発生を防止し得ると共に、容易且つ安価に製造可能なライフルチューブ引抜加工用工具及びこれを用いたライフルチューブの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するべく、本発明の発明者らは鋭意検討した結果、引抜加工用工具の螺旋溝の溝山の頂部は、螺旋溝の底部と異なり引抜加工の初期段階においても素管に押し込まれるため、必ず素管表面に接触し、工具と素管との間における焼き付き発生の主要因となっていることを見出した。そして、螺旋溝の溝山のエッジを曲線状あるいは直線状に面取りして、溝山の頂部と素管との接触面積を低減し、これにより溝山の頂部と素管との間に生じる摩擦抵抗を低減すれば、焼き付きの発生を効果的に防止できることに想到した。さらに、螺旋溝の溝山のエッジを曲線状に面取りする場合、工具の後端部側(素管をダイスに挿入する側)から先端部側(素管をダイスから引き抜く側)に向けて螺旋溝の深さを段階的に深く(溝山の高さを高く)しさえすれば、引抜加工時における素管の塑性変形を緩慢にすることができ、面取り部の曲率半径を工具の先端部側から後端部側にかけて段階的に大きくしなくても(一定の曲率半径としても)焼き付きの発生を効果的に防止できることを見出した。
本発明は、上記の発明者らの知見に基づき完成されたものである。すなわち、本発明は、ダイスによって絞られながら引抜加工される素管の内面に挿入され、その外周面に複数条の螺旋溝が形成されたライフルチューブ引抜加工用工具であって、側面視において前記工具の軸線と交差する一の溝山の前記工具の先端部を除いた頂部を通る第1の直線が前記工具の先端部側から後端部側に向けて内方に傾斜し、且つ、側面視において前記工具の軸線と交差する一の螺旋溝の前記工具の先端部を除いた底部を通る第2の直線が平面視において前記工具の軸線方向に対して成す角度よりも、前記第1の直線が平面視において前記工具の軸線方向に対して成す角度の方が大きく設定されると共に、前記一の溝山のエッジが外方に凸の曲線状に面取りされ、その曲率半径が前記工具の先端部から後端部に向けて一定の値に設定されていることを特徴とするライフルチューブ引抜加工用工具を提供するものである。
斯かる発明によれば、側面視において工具の軸線と交差する一の溝山の工具の先端部を除いた頂部を通る第1の直線が工具の先端部側から後端部側に向けて内方に傾斜し、且つ、側面視において工具の軸線と交差する一の螺旋溝の工具の先端部を除いた底部を通る第2の直線が平面視において工具の軸線方向に対して成す角度よりも、第1の直線が平面視において工具の軸線方向に対して成す角度の方が大きく設定される。換言すれば、工具の後端部側から先端部側に向けて螺旋溝の深さが段階的に深く(溝山の高さが高く)なるように設定されているため、引抜加工時における素管の塑性変形を緩慢にすることが可能である。また、溝山のエッジが外方に凸の曲線状に面取りされているため、溝山の頂部と素管との接触面積が低減し、これにより溝山の頂部と素管との間に生じる摩擦抵抗が低減することになる。以上の構成により、工具と素管との間の焼き付きの発生を効果的に防止することができる。さらに、面取り部の曲率半径が工具の先端部から後端部に向けて一定の値に設定されているため、工具の作製に際して、各種曲率半径に応じた複数の砥石を用意する必要が無く、容易且つ安価に製造可能であるという利点を有する。
なお、本発明における工具の「先端部」とは素管をダイスから引き抜く側の端部を、「後端部」とは素管をダイスに挿入する側の端部を意味する。また、「溝山の頂部」とは、工具の軸線と直交する断面において最も軸線から離間した溝山の部位を意味し、「溝山の頂部を通る第1の直線」とは、工具の軸線と直交する複数の断面を考えた場合の各断面における溝山の各頂部を通る直線を意味し、各断面における溝山の各頂部を結んだ直線のみならず、各頂部の座標データに基づき最小自乗近似等によって近似される直線をも含む概念である。また、「螺旋溝の底部」とは、工具の軸線と直交する断面において最も軸線に近接した螺旋溝の部位を意味し、「螺旋溝の底部を通る第2の直線」とは、工具の軸線と直交する複数の断面を考えた場合の各断面における螺旋溝の各底部を通る直線を意味し、各断面における螺旋溝の各底部を結んだ直線のみならず、各底部の座標データに基づき最小自乗近似等によって近似される直線をも含む概念である。さらに、「平面視において工具の軸線方向に対して成す角度」とは、第1の直線(又は第2の直線)を側面視と直交する方向から見た場合に軸線方向に対して成す角度を意味する。
また、前記課題を解決するべく、本発明は、ダイスによって絞られながら引抜加工される素管の内面に挿入され、その外周面に複数条の螺旋溝が形成されたライフルチューブ引抜加工用工具であって、側面視において前記工具の軸線と交差する一の溝山の前記工具の先端部を除いた頂部を通る第1の直線が前記工具の先端部側から後端部側に向けて内方に傾斜し、且つ、側面視において前記工具の軸線と交差する一の螺旋溝の前記工具の先端部を除いた底部を通る第2の直線が平面視において前記工具の軸線方向に対して成す角度よりも、前記第1の直線が平面視において前記工具の軸線方向に対して成す角度の方が大きく設定されると共に、前記一の溝山のエッジが直線状に面取りされていることを特徴とするライフルチューブ引抜加工用工具としても提供される。
斯かる発明によっても、工具の後端部側から先端部側に向けて螺旋溝の深さが段階的に深くなるように設定されているため、引抜加工時における素管の塑性変形を緩慢にすることが可能である。また、溝山のエッジが直線状に面取りされているため、溝山の頂部と素管との接触面積が低減し、これにより溝山の頂部と素管との間に生じる摩擦抵抗が低減することになる。以上の構成により、工具と素管との間の焼き付きの発生を効果的に防止することができる。さらに、面取り部を直線状に面取りすれば良いため、工具の作製に際して、複数の砥石を用意する必要が無く、容易且つ安価に製造可能であるという利点を有する。
さらに、前記課題を解決するべく、本発明は、ダイスによって絞られながら引抜加工される素管の内面に挿入され、その外周面に複数条の螺旋溝が形成されたライフルチューブ引抜加工用工具であって、側面視において前記工具の軸線と交差する一の溝山のエッジが直線状に面取りされていることを特徴とするライフルチューブ引抜加工用工具としても提供される。
斯かる発明によっても、溝山のエッジが直線状に面取りされているため、溝山の頂部と素管との接触面積が低減し、これにより溝山の頂部と素管との間に生じる摩擦抵抗が低減し、ひいては工具と素管との間の焼き付きの発生を効果的に防止することができる。また、面取り部を直線状に面取りすれば良いため、工具の作製に際して、複数の砥石を用意する必要が無く、容易且つ安価に製造可能であるという利点を有する。
なお、本発明は、前記何れかのライフルチューブ引抜加工用工具を素管の内面に挿入した状態で、ダイスによって素管を絞りながら引抜加工する工程を含むことを特徴とするライフルチューブの製造方法としても提供される。
本発明に係るライフルチューブ引抜加工用工具は、引抜加工時の焼き付きの発生を防止し得ると共に、容易且つ安価に製造可能であるという利点を有する。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るライフルチューブ引抜加工用工具(以下、適宜「工具」と略称する)を用いて素管に引抜加工を施している状態を概略的に示す側面図である。図2は、図1に示す工具の軸線と交差する一の溝山及び一の螺旋溝について、工具の軸線と直交する断面形状を部分的に拡大して示す模式図であり、(a)は図1のAA矢視断面図を、(b)は図1のBB矢視断面図を、(c)は図1のCC矢視断面図を示す。図3は、図2に示す各断面における溝山の各頂部を通る第1の直線と、螺旋溝の各底部を通る第2の直線とを平面視した図(図1の紙面上方から見た図)を示す。図1に示すように、本実施形態に係る工具1を用いて素管3に引抜加工を施す際には、従来と同様に、ダイス2及び素管3に対して同心状に工具1を素管3の内面に挿入し、工具1を回転可能にした状態で素管3を図1の矢符の方向に引き抜く。この際、素管3がダイス2によって絞られる(縮径される)と共に、工具1によって素管3の内面が拘束されるため、素管3の内面が工具1の外周面に形成された螺旋溝1aに噛み込むことになる。これにより、引き抜き後の素管3の内周面には、螺旋状のリブ3aが形成されることになる。
ここで、図3に示すように、本実施形態に係る工具1は、側面視において工具1の軸線と交差する一の溝山1bの工具1の先端部を除いた(素管3の内径を規定する範囲(例えば、先端から10〜15mm程度の範囲)を除いた)頂部1ba、1bb、1bc(図2も参照)を通る第1の直線L1が工具1の先端部側から後端部側に向けて内方に(軸線に近づく方向に)傾斜し、且つ、側面視において工具1の軸線と交差する一の螺旋溝1aの工具1の先端部を除いた底部1aa、1ab、1ac(図2も参照)を通る第2の直線L2が工具1の軸線方向に対して成す角度θ2(図3に示す例ではθ2=0°)よりも、第1の直線L1が工具1の軸線方向に対して成す角度θ1の方が大きく設定されていることを特徴としている。また、図2に示すように、溝山1bのエッジが外方に凸の曲線状に面取りされ、その曲率半径rが工具1の先端部から後端部に向けて一定の値に設定されていることを特徴としている。なお、角度θ1及びθ2としては、0〜5°の範囲内の値に設定することが好ましい。
本実施形態に係る工具1は、以上に説明した構成を有するため、工具1の後端部側から先端部側に向けて螺旋溝1aの深さが段階的に深く(溝山1bの高さが高く)なる。従って、引抜加工時における素管3の塑性変形を緩慢にすることが可能である。また、溝山1bのエッジが外方に凸の曲線状に面取りされているため、溝山1bの頂部と素管3との接触面積が低減し、これにより溝山1bの頂部と素管3との間に生じる摩擦抵抗が低減することになる。以上の構成により、工具1と素管3との間の焼き付きの発生を効果的に防止することができる。さらに、面取り部の曲率半径rが工具1の先端部から後端部に向けて一定の値に設定されているため、工具1の作製に際して、各種の曲率半径に応じた複数の砥石を用意する必要が無く、容易且つ安価に製造可能である。
なお、本発明に係る工具としては、図2に示す断面形状を有するものに限られず、図4に示すような断面形状を有する工具1Aを採用することも可能である。図4は、工具1Aの軸線と交差する一の溝山及び一の螺旋溝について、工具の軸線と直交する断面形状を部分的に拡大して示す模式図であり、(a)は工具1Aの先端側の断面図を、(b)は工具1Aの軸方向中間部の断面図を、(c)は工具1Aの後端側の断面図を示す。図5は、図4に示す各断面における溝山の各頂部を通る第1の直線と、螺旋溝の各底部を通る第2の直線とを平面視した図(図1の紙面上方から見た図)を示す。図4又は図5に示すように、本実施形態に係る工具1Aも、図2又は図3に示す工具1と同様に、側面視において工具1の軸線と交差する一の溝山1bの工具1の先端部を除いた頂部1ba、1bb、1bcを通る第1の直線L1が工具1Aの先端部側から後端部側に向けて内方に(軸線に近づく方向に)傾斜し、且つ、側面視において工具1Aの軸線と交差する一の螺旋溝1aの工具1の先端部を除いた底部1aa、1ab、1acを通る第2の直線L2が工具1Aの軸線方向に対して成す角度θ2(図5に示す例ではθ2=0°)よりも、第1の直線L1が工具1Aの軸線方向に対して成す角度θ1の方が大きく設定されていることを特徴としている。また、図2に示す工具1と異なり、溝山1bのエッジが直線状に面取りされていることを特徴としている。なお、角度θ1及びθ2としては、0〜5°の範囲内の値に設定することが好ましい。
本実施形態に係る工具1Aも、工具1Aの後端部側から先端部側に向けて螺旋溝1aの深さが段階的に深く(溝山1bの高さが高く)なるように設定されているため、引抜加工時における素管3の塑性変形を緩慢にすることが可能である。また、溝山1bのエッジが直線状に面取りされているため、溝山1bの頂部と素管3との接触面積が低減し、これにより溝山1bの頂部と素管3との間に生じる摩擦抵抗が低減することになる。以上の構成により、工具1Aと素管3との間の焼き付きの発生を効果的に防止することができる。さらに、面取り部を直線状に面取りすれば良いため、工具1Aの作製に際して、複数の砥石を用意する必要が無く、容易且つ安価に製造可能である。
さらに、本発明に係る工具としては、図6に示すような工具1Bを採用することも可能である。図6は、本実施形態に係る工具の概略構成を表す側面図である。また、図7は、図6に示す工具の軸線と交差する一の溝山及び一の螺旋溝について、工具の軸線と直交する断面形状を部分的に拡大して示す模式図であり、(a)は図6のDD矢視断面図を、(b)は図6のEE矢視断面図を、(c)は図6のFF矢視断面図を示す。図8は、図7に示す各断面における溝山の各頂部を通る第1の直線と、螺旋溝の各底部を通る第2の直線とを平面視した図(図6の紙面上方から見た図)を示す。図7に示すように、本実施形態に係る工具1Bも、図4に示す工具1Aと同様に、側面視において工具1の軸線と交差する一の溝山1bのエッジが直線状に面取りされていることを特徴としている。ただし、図4に示す工具1Aとは異なり、溝山1bの工具1の先端部を除いた頂部1ba、1bb、1bcを通る第1の直線L1が工具1Aの先端部側から後端部側に向けて内方に(軸線に近づく方向に)傾斜し、且つ、側面視において工具1Aの軸線と交差する一の螺旋溝1aの工具1の先端部を除いた底部1aa、1ab、1acを通る第2の直線L2が工具1Aの軸線方向に対して成す角度θ2よりも、第1の直線L1が工具1Aの軸線方向に対して成す角度θ1の方が大きく設定されているといった制約条件はない。本実施形態に係る工具1Bにおいては、θ1=θ2=0°に設定されている。
本実施形態に係る工具1Bも、溝山1bのエッジが直線状に面取りされているため、溝山1bの頂部と素管3との接触面積が低減し、これにより溝山1bの頂部と素管3との間に生じる摩擦抵抗が低減し、ひいては工具1Bと素管3との間の焼き付きの発生を効果的に防止することができる。また、面取り部を直線状に面取りすれば良いため、工具1Bの作製に際して、複数の砥石を用意する必要が無く、容易且つ安価に製造可能である。
なお、以上に説明した工具1、1A及び1Bは、概略以下のような工程を順次経て製造される。すなわち、
(1)成形工程:工具の原料粉末を圧縮成形する工程
(2)焼結工程:上記圧縮成形によって得られた成形品を加熱焼成する工程
(3)研削工程:上記加熱焼成後の成形品を研磨代を残して粗形状に成形する工程
(4)エッジ研磨工程:砥石を用いて溝山のエッジを曲線状又は直線状に面取りする工程
(5)全体研磨工程:工具全体を指定粗度に研磨する工程
の各工程を順次経て製造される。
表1は、以上に説明した本発明に係る工具及び比較例に係る工具について、引抜加工に用いた場合の焼き付きの発生有無と製造コストとを評価した結果の一例を示す。なお、表1において、No.2〜5が本発明に係る工具に相当し、No.1及び6が比較例に係る工具である。
より具体的に説明すれば、No.2の工具は、θ1(3°)>θ2(0°)に設定されると共に、溝山のエッジが一定の曲率半径0.3mmで曲線状に面取りされており、図2を参照して説明した工具1に相当する。No.3の工具は、θ1(3°)>θ2(0°)に設定されると共に、溝山のエッジが直線状に面取りされており、図3を参照して説明した工具1Aに相当する。No.4の工具は、θ1(5°)>θ2(3°)に設定されると共に、溝山のエッジが直線状に面取りされており、図3を参照して説明した工具1Aにおいてθ2≠0°としたものに相当する。さらに、No.5の工具は、θ1(0°)=θ2(0°)に設定されると共に、溝山のエッジが直線状に面取りされており、図4を参照して説明した工具1Bに相当する。一方、No.1の工具は、θ1(0°)=θ2(0°)に設定されると共に、面取りされる溝山エッジの曲率半径が0.3〜10mmの範囲で段階的に変更されている(工具の先端部側から後端部側にかけて段階的に大きくされている)工具である。No.6の工具は、θ1(0°)=θ2(0°)に設定されると共に、溝山のエッジに面取りが施されていない工具である。
なお、表1に示す「製造コスト」の欄に記載の数値は、No.6の工具の製造コストを基準とし、これに対してどの程度の割合で各工具の製造コストが上昇するかを表している。例えば、No.1の工具は、No.6の工具に対して50%の割合で製造コストが上昇すること、すなわちNo.6の工具に対して1.5倍の製造コストが掛かることを意味する。表1に示す製造コストは、概略以下のような要因に基づいて算出した値である。すなわち、
(1)θ1が0°より大きくなるように加工:10%上昇
(2)θ1及びθ2の双方が0°より大きくなるように加工:15%上昇
(3)直線状に面取り加工:10%上昇
(4)曲線状(曲率半径一定)に面取り加工:20%上昇
(5)曲線状(曲率半径変更)に面取り加工:50%上昇
の各要因に基づいて算出した値である。例えば、No.2の工具は、上記(1)の要因によって製造コストが10%上昇すると共に、上記(4)の要因によって20%上昇するため、これらを合計して30%製造コストが上昇することになる。
Figure 0004577611
表1に示すように、比較例に係る工具については、焼き付きの発生を防止できる代わりに製造コストが高騰するといった問題(No.1の工具)か、或いは、製造コストを抑えることができる代わりに引抜加工時に焼き付きが発生するといった問題(No.6の工具)が生じてしまう。これに対して、本発明に係る工具(No.2〜5の工具)については、引抜加工時の焼き付きの発生を防止し得ると共に、製造コストを抑えることができ、ライフルチューブ引抜加工用工具として好適であることが分かった。
図1は、本発明の一実施形態に係るライフルチューブ引抜加工用工具を用いて素管に引抜加工を施している状態を概略的に示す側面図である。 図2は、図1に示す工具の軸線と交差する一の溝山及び一の螺旋溝について、工具の軸線と直交する断面形状を部分的に拡大して示す模式図であり、(a)は図1のAA矢視断面図を、(b)は図1のBB矢視断面図を、(c)は図1のCC矢視断面図を示す。 図3は、図2に示す各断面における溝山の各頂部を通る第1の直線と、螺旋溝の各底部を通る第2の直線とを平面視した図を示す。 図4は、本発明の他の実施形態に係る工具の軸線と交差する一の溝山及び一の螺旋溝について、工具の軸線と直交する断面形状を部分的に拡大して示す模式図であり、(a)は工具の先端側の断面図を、(b)は工具の軸方向中間部の断面図を、(c)は工具の後端側の断面図を示す。 図5は、図4に示す各断面における溝山の各頂部を通る第1の直線と、螺旋溝の各底部を通る第2の直線とを平面視した図を示す。 図6は、本発明のさらに他の実施形態に係る工具の概略構成を表す側面図である。 図7は、図6に示す工具の軸線と交差する一の溝山及び一の螺旋溝について、工具の軸線と直交する断面形状を部分的に拡大して示す模式図であり、(a)は図6のDD矢視断面図を、(b)は図6のEE矢視断面図を、(c)は図6のFF矢視断面図を示す。 図8は、図7に示す各断面における溝山の各頂部を通る第1の直線と、螺旋溝の各底部を通る第2の直線とを平面視した図を示す。
符号の説明
1,1A,1B・・・工具
1a・・・螺旋溝
1b・・・溝山
2・・・ダイス
3・・・素管

Claims (4)

  1. ダイスによって絞られながら引抜加工される素管の内面に挿入され、その外周面に複数条の螺旋溝が形成されたライフルチューブ引抜加工用工具であって、
    側面視において前記工具の軸線と交差する一の溝山の前記工具の先端部を除いた頂部を通る第1の直線が前記工具の先端部側から後端部側に向けて内方に傾斜し、且つ、側面視において前記工具の軸線と交差する一の螺旋溝の前記工具の先端部を除いた底部を通る第2の直線が平面視において前記工具の軸線方向に対して成す角度よりも、前記第1の直線が平面視において前記工具の軸線方向に対して成す角度の方が大きく設定されると共に、前記一の溝山のエッジが外方に凸の曲線状に面取りされ、その曲率半径が前記工具の先端部から後端部に向けて一定の値に設定されていることを特徴とするライフルチューブ引抜加工用工具。
  2. ダイスによって絞られながら引抜加工される素管の内面に挿入され、その外周面に複数条の螺旋溝が形成されたライフルチューブ引抜加工用工具であって、
    側面視において前記工具の軸線と交差する一の溝山の前記工具の先端部を除いた頂部を通る第1の直線が前記工具の先端部側から後端部側に向けて内方に傾斜し、且つ、側面視において前記工具の軸線と交差する一の螺旋溝の前記工具の先端部を除いた底部を通る第2の直線が平面視において前記工具の軸線方向に対して成す角度よりも、前記第1の直線が平面視において前記工具の軸線方向に対して成す角度の方が大きく設定されると共に、前記一の溝山のエッジが直線状に面取りされていることを特徴とするライフルチューブ引抜加工用工具。
  3. ダイスによって絞られながら引抜加工される素管の内面に挿入され、その外周面に複数条の螺旋溝が形成されたライフルチューブ引抜加工用工具であって、
    側面視において前記工具の軸線と交差する一の溝山のエッジが直線状に面取りされていることを特徴とするライフルチューブ引抜加工用工具。
  4. 請求項1から3の何れかに記載のライフルチューブ引抜加工用工具を素管の内面に挿入した状態で、ダイスによって素管を絞りながら引抜加工する工程を含むことを特徴とするライフルチューブの製造方法。
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