JP4574410B2 - ポリエステル繊維および工業用織物 - Google Patents

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Description

本発明は、長時間連続的に紡糸しても口金付着物の発生量が少なく製糸性が良好であると共に、線径の均一性および耐加水分解性に優れ、抄紙ワイヤー、抄紙ドライヤーカンバス、不織布の熱接着工程用ベルト織物、熱処理炉内搬送ベルト織物および各種フィルターなどの工業用織物の構成素材として有用なポリエステル繊維およびこのポリエステル繊維からなる工業用織物に関するものである。
ポリエステル繊維、特にポリエステルモノフィラメントは、その機能性の有用さから、各種資材用として多目的に用いられており、その中でも、汎用性、実用性の点でポリエチレンテレフタレート製モノフィラメントが最も優れていることから、好適に使用されている。
一般に、繊維を構成するポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールとから製造されるが、高分子量のポリマーを製造する商業的なプロセスでは、重縮合触媒としてアンチモン化合物が広く用いられている。しかしながら、アンチモン化合物を含有するポリマーは、以下に述べるような幾つかの好ましくない特性を有している。
例えば、アンチモン触媒を使用して得られたポリマーを溶融紡糸して、繊維、特にモノフィラメントとする時には、アンチモン触媒の残渣が口金孔周りに堆積することが知られている。
この堆積が進行すると、モノフィラメントに線径斑が増大する原因となるため、頻繁に堆積物を除去する必要が生じる。アンチモン触媒残渣の堆積が生じるのは、ポリマー中のアンチモン化合物が口金近傍で変成し、一部が気化、散逸した後、アンチモンを主体とする成分が口金周囲に付着するためであると考えられている。また、ポリマー中のアンチモン触媒残渣は比較的大きな粒子状となりやすく、異物となって溶融紡糸時のフィルターの濾圧上昇、紡糸の際の糸切れおよび線径斑増大の原因になるなどの好ましくない特性を有しており、製糸性、操業性およびモノフィラメント品位を大きく低下させる一因となっている。
上記のような背景から、アンチモン含有量が少ないか、あるいはアンチモンを含有しないポリエステルが求められている。そこで、重縮合触媒の役割をアンチモン系化合物以外の化合物に求める場合があり、その代替触媒としてはゲルマニウム化合物等が知られているが、ゲルマニウム化合物は非常に高価であることから、汎用的に用いることは困難であった。
この問題を解決する目的で、アルミニウムおよび/またはその化合物と、フェノール系化合物もしくはリン化合物を含有する触媒を用いて重合されたポリエステルからなるポリエステルモノフィラメント(例えば、特許文献1参照)が提案されている。この提案によれば、触媒に起因した異物をある程度は少なくすることができるものの、この方法で得たポリエステルを構成成分とするポリエステルモノフィラメントは、線径の均一性と耐加水分解性が十分なものではなく、この点でさらなる改善が求められていた。
また、特定の置換基で置換されたチタン化合物またはチタンおよびケイ素からなる複合酸化物とリン化合物とを含有する触媒を用いて重縮合され、ポリエステル中の残渣チタンおよびリン原子量を規定したポリエステルモノフィラメント(例えば、特許文献2参照)、および特定のチタン化合物と特定のリン化合物とをグリコール中で加熱することにより得られた析出物を触媒として用いて重縮合されたポリエステルポリマーからなるポリエステルモノフィラメント(例えば、特許文献3参照)が提案されている。これらの提案によれば、触媒に起因した異物をある程度は少なくすることができ、この方法で得たポリエステルを構成成分とするポリエステルモノフィラメントの線径の均一性にはやや向上が認められるものの、耐加水分解性の向上効果は十分なものではなく、この点でさらなる改善が求められていた。
特開2002−220734号公報(第1〜27頁) 特開2004−204396号公報(第1〜29頁) 特開2004−218126号公報(第1〜18頁)
本発明の目的は、上記従来の問題を解消し、ポリエステル繊維、特にポリエステルモノフィラメントの製造時において、製糸性が良好であり、かつ従来品に比べて線径の均一性および耐加水分解性に優れ、抄紙ワイヤー、抄紙ドライヤーカンバス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ベルト織物、熱処理炉内搬送用ベルト織物および各種フィルターなどの工業用織物の構成素材として有用なポリエステル繊維、特にポリエステルモノフィラメントおよびそれを用いた工業用織物を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明によれば、テトライソプロピルチタネートの含水エチレングリコールによる部分加水分解物であるチタン化合物を主たる重縮合反応触媒とし、かつ二酸化チタン粒子を含有してなるポリエステルポリマーからなる繊維であって、前記チタン化合物由来のチタン残渣をチタン原子換算で1.0〜100ppm、リン残渣をリン原子換算で0.1〜200ppmそれぞれ含有し、これらチタン原子(Ti)とリン原子(P)のモル比率Ti/Pが0.1〜20であると共に、さらにチタンおよびリン以外の金属原子を金属原子換算で0.1〜300ppm含有し、この金属原子(M)と前記リン原子(P)のモル比率M/Pが0.05〜2.0であることを特徴とするポリエステル繊維が提供される。
なお、本発明のポリエステル繊維においては、
記チタン化合物由来のチタン残渣をチタン原子換算で2.0〜50ppm、前記リンをリン原子換算で0.5〜100ppmそれぞれ含有し、これらチタン原子(Ti)とリン原子(P)のモル比率Ti/Pが0.3〜15であること、
繊維の極限粘度が0.65以上、かつカルボキシル末端基濃度が30当量/ポリエステル繊維10g以下であること、
モノフィラメントであること、
次に示す方法で測定したモノフィラメントの平均直径が0.05〜0.50mmであり、この平均直径に対する線径斑率が5%以下の円形断面モノフィラメントであること、
<モノフィラメントの直径の測定方法>
(1)レーザー外形測定器(アンリツ(株)製SLB DIA MEASURING SYSTEM KL151Aまたは他社同等品)を使用してモノフィラメント30カ所の直径(mm)を小数点以下3桁まで測定する。
(2)測定値30点の平均直径を算出する(小数点以下4桁目を四捨五入し小数点以下3桁まで求める)。
(3)線径斑率は、各測定値の最大直径値(A)と最小直径値(B)の差を線径斑とし、測定値30点の平均直径(X)から下式によって求める。
[(A)―(B)]/(X)×100=線径斑率(%)
さらにカルボジイミド基を含有する化合物を0.01〜3.0重量部含有し、かつ未反応状態のカルボジイミド化合物を0.001〜2.0重量部含有しているモノフィラメントであること、
前記カルボジイミド基を含有する化合物が、アルキル置換芳香族モノカルボジイミド化合物およびポリ(アルキル置換芳香族カルボジイミド)化合物から選ばれた少なくとも1種であること、および
さらにポリオレフィン系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーを0.01〜10重量部含有すること
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件の少なくとも一つの条件を満たすことによって一層優れた効果の取得を期待することができる。
また、本発明の工業用織物は、上記のポリエステル繊維を用いてなることを特徴とし、抄紙ワイヤー、抄紙ドライヤーカンバス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ベルト織物、熱処理炉内搬送用ベルト織物および各種フィルターから得らばれた少なくとも1種の構成素材として好ましく使用される。
本発明によれば、以下に説明するとおり、製糸性が良好であり、かつ従来品に比べて線径の均一性および耐加水分解性に優れ、抄紙ワイヤー、抄紙ドライヤーカンバス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ベルト織物、熱処理炉内搬送用ベルト織物および各種フィルターなどの工業用織物の構成素材として有用なポリエステル繊維、特にポリエステルモノフィラメントおよびそれを用いた工業用織物を得ることができる。
本発明のポリエステル繊維を構成するポリエステルは、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体およびジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成されるポリエステルポリマーである。
このようなポリエステルとしては、具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト、およびポリエチレン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート等が挙げられる。なかでもPETまたは主としてPETからなるポリエステル共重合体が好適である。
また、これらのポリエステルには、共重合成分として、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオキシ化合物、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(β−オキシエトキシ)安息香酸等のオキシカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体等が共重合されていてもよい。
本発明のポリエステルを製造するにあたり、主たる重縮合反応触媒として用いるチタン化合物触媒とは、テトライソプロピルチタネートの含水エチレングリコールである
本発明におけるポリエステルの重縮合反応触媒であるテトライソプロピルチタネートの含水エチレングリコールによる部分加水分解物の製造方法については特に限定されないが、例えば、テトライソプロピルチタネート/含水エチレングリコールを重量比1:2で混合するに際し、攪拌機のある反応槽に含水エチレングリコールを仕込み、攪拌しながらテトライソプロピルチタネートを徐々に滴下し、高温下(50℃で1時間)で反応せしめた後、反応生成物を濾過し取り出し、その濾上物の約4倍量のメタノールで洗浄した後、乾燥(温度90〜95℃、圧力20〜33kPaで3時間)し、粉砕することにより得ることができる。
なお、本発明における触媒とは、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体およびジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成されるポリマーにおいて、以下の(1)〜(3)の反応の全てまたは一部の素反応の反応促進に実質的に寄与する化合物を指す。
(1)ジカルボン酸成分とジオール成分との反応であるエステル化反応、
(2)ジカルボン酸のエステル形成性誘導体成分とジオール成分との反応であるエステル
交換反応、
(3)実質的にエステル反応またはエステル交換反応が終了し、得られたPET低重合体を脱ジオール反応にて高重合度化せしめる重縮合反応。
本発明における有機チタン化合物の加水分解物であるチタン化合物(二酸化チタン粒子を除く)は、主たる重縮合反応触媒として得られるポリエステルポリマーに対して、チタン化合物由来のチタン残渣をチタン原子換算で1.0〜100ppm含有していることが、重縮合活性の点で必要である。含有量は、ポリエステルの重縮合反応性、得られたポリエステルの熱安定性のためには、好ましくは2.0〜50ppm、さらに好ましくは3.0〜30ppmである。
本発明のポリエステル繊維に含有される二酸化チタン粒子は、通常言われているように、ポリエステル繊維の摩擦係数を下げ、製糸性や高次工程通過性を向上させるために必要である。また二酸化チタン粒子の添加量は、ポリエステルポリマーに対して0.005〜10.0重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜5.0重量部であり、さらに好ましく0.05〜3.0重量部である。
本発明のポリエステル繊維においては、ポリエステルポリマーに対してリン残渣をリン原子換算で0.1〜200ppm含有していることが、ポリエステルの熱安定性および耐加水分解性の点で必要である。好ましくは0.5〜100ppmであり、より好ましくは1〜50ppmである。
また、ポリエステルポリマー中のチタン化合物(二酸化チタン粒子を除く)由来のチタン残渣であるチタン原子(Ti)量に対して、リン残渣であるリン原子(P)量のモル比率Ti/Pは、0.1〜20であることが、ポリエステルの重縮合反応性および熱安定性の点で必要であり、Ti/Pが0.1未満では、重縮合反応性や耐加水分解性が劣り、一方、20を越えると、熱安定性や耐加水分解性に劣ることになるため好ましくない。Ti/Pは、好ましくは0.3〜15であり、より好ましくは0.5〜10である。
本発明のポリエステル繊維においては、ポリエステルポリマーに対し、チタン化合物(二酸化チタン粒子を除く)由来のチタン残渣であるチタン原子およびリン残渣であるリン原子以外の金属原子を、金属換算で0.1〜300ppm含有していることが、ポリエステルの重縮合反応性の点で必要である。好ましくは0.5〜100ppmであり、より好ましくは1〜50ppmである。
また、ポリエステルポリマー中のチタン化合物(二酸化チタン粒子を除く)由来のチタン残渣であるチタン原子およびリン残渣をリン原子以外の金属原子(M)量とリン残渣であるリン原子(P)量のモル比率M/Pは、0.05〜2.0であることが、ポリエステルの重縮合反応性、熱安定性および耐加水分解性の点で必要であり、M/Pが0.05未満では、重縮合反応性や耐加水分解性が劣り、一方、2.0を越えると、熱安定性や耐加水分解性に劣ることになるため好ましくない。M/Pは、好ましくは0.1〜1.8であり、より好ましくは0.2〜1.6である。
なお、本発明のポリエステル繊維を構成するポリエステルポリマーに含有されるリン残渣は、二酸化チタン粒子等に含有されているリン以外に、ポリエステルの製造過程で添加したリン化合物由来のものが存在するが、ポリエステルの製造過程で添加しうるリン化合物としては、リン酸系、亜リン酸系、ホスホン酸系、ホスフィン酸系、ホスフィンオキサイド系、亜ホスホン酸系、亜ホスフィン酸系、ホスフィン系のいずれか1種または2種であることが好ましい。具体的には、例えば、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等のリン酸系、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル等の亜リン酸系、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸等のホスホン酸系化合物、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、メチルホスフィン酸、エチルホスフィン酸、プロピルホスフィン酸、イソプロピルホスフィン酸等のホスフィン酸系、トリメチルホスフィンオキサイド、トリエチルホスフィンオキサイド、トリプロピルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系、メチル亜ホスホン酸、エチル亜ホスホン酸、プロピル亜ホスホン酸、イソプロピル亜ホスホン酸等の亜ホスホン酸系、メチル亜ホスフィン酸、エチル亜ホスフィン酸、プロピル亜ホスフィン酸等の亜ホスフィン酸系、およびメチルホスフィン、ジメチルホスフィン、トリメチルホスフィン等のホスフィン系が挙げられ、これらのいずれか1種または2種であることが好ましい。特に熱安定性の観点からは、リン酸系および/またはホスホン酸系であることが好ましい。
また、本発明のポリエステル繊維を構成するポリエステルポリマーに含有されるチタン、リン以外の金属残渣は、二酸化チタン粒子等に含有されている金属以外に、ポリエステルの製造過程で添加した金属化合物の残渣である。このようなポリエステルの製造過程で添加する金属化合物としては、元素周期律表に記載されている公知のアルカリ金属化合物であるLi、Na、K化合物、アルカリ土類金属であるMg、Ca化合物、Zn、Al、Sn、MnおよびCo化合物等が挙げられ、特に限定はないが、具体的には、例えば、塩化物、臭化物、硝酸塩、炭酸塩、アセチルアセトネート化物、酢酸四水塩、および酢酸二水塩等が挙げられる。
本発明で用いる有機チタン化合物の加水分解物であるチタン化合物(二酸化チタン粒子を除く)および添加剤である二酸化チタン粒子、リン化合物、チタン化合物(二酸化チタン粒子を除く)およびリン化合物以外の金属化合物は、ポリエステルの反応系に直接添加してもよいが、予め添加する前に前記化合物をエチレングリコールやプロピレングリコール等のポリエステルを形成するジオール成分を含む溶媒と混合して、溶液またはスラリーとし、必要に応じて前記化合物の合成時に用いたアルコール等の低沸点成分を除去した後、反応系に添加することが、ポリマー中での異物生成がより抑制されるため好ましい。添加時期には、エステル化反応触媒やエステル交換反応触媒として、原料添加直後に触媒を添加する方法や、原料と同伴させて触媒を添加する方法がある。
また、チタン化合物(二酸化チタン粒子を除く)を主たる重縮合反応触媒として添加する場合は、実質的に重縮合反応開始前であればよく、エステル化反応やエステル交換反応の前、あるいはこれらの反応終了後、重縮合反応触媒が開始される前等に添加することができる。この場合、チタン化合物と二酸化チタン粒子およびリン化合物が接触することによって、チタン化合物の重縮合触媒能力が失活する可能性があるため、これを抑制する方法としては、異なる反応槽に添加する方法や、同一の反応槽において本発明のポリエステル重縮合用触媒であるチタン化合物と二酸化チタン粒子およびリン化合物の添加位置を離す方法や、添加間隔を1〜15分とする方法があり、特に、リン化合物を添加した後に二酸化チタン粒子を添加し、さらにチタン化合物を添加するといった添加順位を採用することにより、より本来の重合活性を好ましく生かすことができる。この場合各添加物の添加間隔を5〜15分離すことが好ましい。
また、他の金属化合物を添加する場合には、チタン化合物添加前の時期、例えば二酸化チタン粒子と同時に添加することができる。
本発明のポリエステル繊維を構成するポリエステルにおいては、助触媒としてゲルマニウム化合物またはアンチモン化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物を、ポリエステルに対するゲルマニウムおよび/またはアンチモン金属原子換算で30ppm以下の少量で含有させてもよい。30ppm以下であれば、溶融紡糸時の口金汚れの発生等が十分少ないものとなる。好ましくは、20ppm以下であり、実質的にアンチモン化合物を含有しないことがさらに好ましい。アンチモン化合物およびゲルマニウム化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモングリコラート、二酸化ゲルマニウム、およびゲルマニウムグリコラート等を挙げることができる。
さらに、従来公知の酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、カーボンブラック等の顔料のほか、従来公知の着色防止剤、安定剤、および抗酸化剤等の添加剤を含有しても差支えない。
次に、本発明のポリエステル繊維を構成するポリエステルポリマーの製造方法を説明する。具体例としてPETの例を記載するが、特にこれに限定されるものではない。
PETは通常、次のいずれかのプロセスで製造される。すなわち、(1)テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低重合体を得、さらにその後の重縮合反応によって高分子量ポリマーを得るプロセス、(2)ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によって低重合体を得、さらにその後の重縮合反応によって高分子量ポリマーを得るプロセスである。ここで、エステル化反応は無触媒でも反応進行するが、本発明のチタン化合物を触媒として添加してもよい。また、エステル交換反応においては、通常既知の、マンガン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウム等の化合物や、本発明のチタン触媒を用いて反応を進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物を添加することが行われる。
本発明のポリエステル繊維を構成するポリエステルポリマーの製造方法は、上記(1)または(2)の一連の反応の任意の段階、好ましくは上記(1)または(2)の一連の反応の前半で得られた低重合体に、リン化合物、二酸化チタン粒子/金属化合物等の添加物を添加した後、重縮合触媒として本発明のチタン化合物を添加して重縮合反応を行い、高分子量のPETを得るというものである。さらには、前記低重合体に、二酸化チタン粒子を添加した後、重縮合触媒として本発明のチタン化合物を添加して重縮合反応を行い、高分子量のPETを得るというものである。
また、上記の反応は回分式、半回分式あるいは連続式等の形式で実施されるが、本発明の製造方法はそのいずれの形式にも適応し得る。
本発明のポリエステル繊維を構成するポリエステルポリマーには、溶融重縮合に引き続いて固相重縮合を行って高分子量のポリエステルを製造する方法も好ましく採用できる。特にポリエステル繊維が工業用織物の構成素材である場合には、溶融重縮合に引き続いて固相重縮合を行うことが好適である。固相重縮合を行うことは、ポリエステルの高分子量化と共にカルボキシル末端基濃度を低減できるため好適である。
本発明のポリエステル繊維を構成するポリエステルポリマーの極限粘度は、通常は0.45以上であればよいが、特に0.55以上であることが、強度に優れることから好ましい。
また、本発明のポリエステル繊維の製造に供するポリエステルポリマーのカルボキシル末端基(以下、COOH末端基と略称する)濃度は、通常は50当量/ポリエステル10g以下であればよいが、特に35当量/ポリエステル10g以下であることが、ポリエステルの分解速度が抑制できる傾向にあるために好ましい。
さらに、本発明のポリエステル繊維、特にポリエステルモノフィラメントを、工業用織物の構成素材とする場合には、特に高強力でかつ、十分な耐加水分解性や耐熱性が要求されることから、ポリエステルモノフィラメントの極限粘度が0.65以上、COOH末端基濃度が30当量/ポリエステルモノフィラメント10g以下であることが好ましい。より好ましくは、極限粘度が0.70以上、COOH末端基濃度25当量/ポリエステルモノフィラメント10 g以下であり、さらに好ましくは極限粘度が0.75以上、COOH末端基濃度20当量/ポリエステルモノフィラメント10g以下である。
本発明のポリエステルモノフィラメントは、1本の単糸からなる連続糸である。ポリエステルモノフィラメントの繊維軸方向に垂直な断面の形状(以下、断面形状もしくは断面という)は、円、扁平、正方形、半月状、三角形、5角以上の多角形、多葉状、ドッグボーン状、繭型などいかなる断面形状を有するものでもよい。本発明のモノフィラメントを工業用織物の構成素材として用いる場合には、モノフィラメントの断面形状が円もしくは扁平の形状が好ましい。特に、モノフィラメントが抄紙用ドライヤーカンバスの経糸である場合には、防汚性を有効に発現させることと、カンバスの平坦性という観点から、モノフィラメントの断面形状が扁平なものが好ましく用いられる。本発明における扁平とは、楕円、正方形もしくは長方形のことであるが、数学的に定義される正確な楕円、正方形もしくは長方形以外に、概ね楕円、正方形もしくは長方形に類似した形状、例えば正方形および長方形の角を丸くした形状を含むものである。また、楕円の場合は、楕円の中心で直角に交わる長軸の長さ(LD)と短軸の長さ(SD)とが次式を満足する関係にあり、正方形もしくは長方形の場合は、長方形の長辺の長さ(LD)と短辺の長さ(SD)とが次式を満足する関係にあることが好ましい。
1.0≦LD/SD≦10
ここで、モノフィラメント断面の重心を通る線分の長さは、用途によって適宜選択できるが、0.05〜2.50mmの範囲が好ましい。また、糸の必要強度は用途により異なるが、概ね2.0cN/dtex以上であることが好ましい。
本発明のポリエステル繊維、特にポリエステルモノフィラメントは、優れた抗張力と耐久性および均一性を有していることから、工業用織物の構成素材として好適である。
本発明における工業用織物とは、本発明のポリエステル繊維を工業用織物の少なくとも一部の構成素材として用いた各種工業用途に使用される織物のことであり、例えば抄紙ワイヤー、抄紙ドライヤーカンバス等の抄紙機に装着される織物類、サーマルボンド法不織布熱接着工程用ベルト織物、熱処理機内搬送用ベルト織物および各種フィルター織物等のことである。
ここで、抄紙ワイヤーとは、平織、二重織および三重織など様々な織物として、紙の漉き上げ工程で使用される織物であって長網あるいは丸網などとして用いられるものであり、この抄紙ワイヤーを構成するモノフィラメントには均一性に優れることが要求される。また、抄紙ドライヤーカンバスとは、平織り、二重織および三重織など様々な織物(相前後する緯糸と緯糸とがスパイラル状の経糸用モノフィラメントによって織継がれたスパイラル状織物を含む)として、抄紙機のドライヤー内で紙を乾燥させるために使用される織物のことである。また、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ベルト織物とは、不織布を構成する低融点のポリエチレンのような熱接着性繊維を融着させるために、不織布を炉中に通過させるための織物であり、平織り、二重織、などの織物である。また、熱処理炉内搬送用ベルト織物とは、各種半製品の乾燥、熱硬化、殺菌、加熱調理などのために、高温ゾーン内において半製品を搬送する織物のことである。抄紙ドライヤーカンバス織物、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ベルト織物および熱処理炉内搬送用ベルト織物には、高温・高湿雰囲気でも長期間使用可能な耐加水分解性と耐熱性に優れることが要求される。また、各種フィルターとは、高温の液体、気体、粉体等を濾過する織物のことである。
本発明のポリエステル繊維は、溶融紡糸時に紡糸口金吐出孔周辺に付着堆積するポリエステルの触媒起因付着物が、従来のアンチモン触媒を使用したポリエステルの場合よりも極めて少ないために、紡糸口金孔から溶融吐出された直後のポリマーが付着物と接触して、溶融糸条が変形したまま冷却固化されることにより発生する線径斑が少なく均一性に優れたものである。
本発明のポリエステル繊維がモノフィラメントであって、抄紙ワイヤーの構成素材である場合には、次に示す方法で測定したモノフィラメントの平均直径に対する線径斑率が5%以下の円形断面を有するモノフィラメントであることが好ましい。線径斑率が3%以下であると更に好ましい。
<モノフィラメントの直径の測定方法>
(1)レーザー外形測定器(アンリツ(株)製SLB DIA MEASURING SYSTEM KL151Aまたは他社同等品)を使用してモノフィラメント30カ所の直径(mm)を小数点以下3桁まで測定する。
(2)測定値10点の平均直径を算出する(小数点以下4桁目を四捨五入し小数点以下3桁まで求める)。
(3)線径斑率は、各測定値の最大直径値(A)と最小直径値(B)の差を線径斑とし、測定値30点の平均直径(X)から下式によって求める。
((A)―(B))/(X)×100=線径斑率(%
抄紙ワイヤーは、パルプを主成分とする分散液からパルプを漉き揚げ、水を吸引して紙の基本的な表面状態や均一性が形成される工程で使用されるものであるために、モノフィラメントの線径均一性が最も必要とされる用途である。上記の方法で測定したモノフィラメントの平均直径が0.05〜0.50mmで、上記線径斑率が5%以下であると、表面と織り構造が均一な抄紙ワイヤーとなり、漉き揚げた高含水パルプからの搾水を均一に行うことができるため、厚みが均一で表面特性に優れた紙の製造が可能になるという好ましい効果が得られるのである。
また、本発明のポリエステル繊維であるポリエステルモノフィラメントが、特に、抄紙ドライヤーカンバス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ベルト織物、および熱処理炉内搬送用ベルト織物の構成素材である場合には、ポリエステルモノフィラメントが、カルボジイミド基を含有する化合物を0.01〜3.0重量部含有し、かつ未反応の状態のカルボジイミド化合物を0.001〜2.0重量部含有するものであることが、本発明の効果を損なうことなく、高温・高湿条件下における耐加水分解性が優れたものとなるため好ましい。
ここで、本発明のポリエステル繊維が含有するところのカルボジイミド基を含有する化合物とは、ポリエステル繊維中において、活性なカルボジイミド基(−N=C=N−)を分子中に1個以上含有するカルボジイミド化合物のことである。
カルボジイミド化合物の構造はいずれでもよいが、具体例としては、例えば、N,N´−ジ−o−トリイルカルボジイミド、N,N´−ジフェニルカルボジイミド、N,N´−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N´−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジ−tert−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N´−フェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、およびN,N´−ジ−p−トリイルカルボジイミド等のモノカルボジイミド化合物(以下、MCD化合物と略記する)が挙げられる。
これらのMCD化合物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択し、ポリエステル繊維に含有させればよいが、ポリエステルに添加後の安定性から、芳香族骨格を有する化合物が有利な傾向にあり、中でもN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジ−tert−ブチルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、およびN,N´−ジ−o−トリイルカルボジイミドなどが有利な傾向にあり、特にN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(以下、TICという)が好適である。TICは、市販品であるRhein−Chemie社製の“STABAXOL”(登録商標)IまたはRaschig AG社製の“Stabilizer”(登録商標)7000等を使用することができる。
本発明のポリエステル繊維が含有するMCD化合物は、ポリエステルの加水分解を促進する触媒作用を有するポリエステル自身のCOOH末端基を反応封鎖して不活性化する作用を有する。
ポリエステルのCOOH末端基は、原料由来、重縮合起因、溶融成型時の熱や加水分解、および湿熱雰囲気中で使用中の加水分解によって発生する。
ポリエステルの加水分解を抑制するためには、溶融成形前のポリエステルにMCD化合物を含有させてCOOH末端基を不活性化すると共に、成形品中にもMCD化合物を含有させて湿熱雰囲気中で使用中の加水分解によって発生するCOOH末端基を不活性化する必要がある。したがって、ポリエステル繊維の耐用期間を延長する上では、繊維中にいかに多量のMCD化合物を含有させるかが重要になる。
また、本発明のポリエステル繊維が含有することができるカルボジイミド化合物としては、1分子中に2個以上のカルボジイミド化合物を含有するポリカルボジイミド化合物を更に挙げることができる。ポリカルボジイミド化合物は、ポリカルボジイミド化合物中の未反応のカルボジイミド基(D1)と、ポリエステルのCOOH末端基および/またはヒドロキシル末端基とが一部反応しているカルボジイミド基(D2)との合計((D1)+(D2))で1分子中に2〜100個のカルボジイミド基を含有するポリカルボジイミド化合物である。
ポリカルボジイミド化合物(以下、PCD化合物と略記する)としては、ポリ(アルキル置換芳香族カルボジイミド)化合物が好ましく、例えば、カルボジイミド基に結合するベンゼン環の2,6−位および/または2,4,6−位にイソプロピル基が置換した構造を繰り返し単位とする芳香族PCD化合物、1,3,5−トリス(1−メチルエチル)−2,4−ジイソシアナトベンゼンから合成される芳香族PCD化合物、1,3,5−トリス(1−メチルエチル)−2,4−ジイソシアナトベンゼンと2,6−ジイソプロピルベンゼンジイソシアネートとの混合体から合成される芳香族PCD化合物、および1,3,5−トリス(1−メチルエチル)−2,4−ジイソシアナトベンゼンと1,3,5−トリス(イソプロピル)−2,4−ジイソシアナトベンゼンとの混合体から合成される芳香族PCD化合物を好ましく挙げることができる。ただし、これに何ら制限されるものではない。
これらのPCD化合物の中では、カルボジイミド基に結合するベンゼン環の2,6−位および/または2,4,6−位にイソプロピル基が置換した構造を繰り返し単位とする芳香族PCD化合物が特に好ましい。
前記カルボジイミド基に結合するベンゼン環の2,6−位および/または2,4,6−位にイソプロピル基が置換した構造を繰り返し単位とする芳香族PCD化合物は、市販品として、例えば平均分子量約3,000の“STABAXOL”(登録商標)P(Rhein Chemie社製品)、平均分子量約10,000の“STABAXOL”(登録商標)P100(Rhein Chemie社製品)および平均分子量約20,000の“STABILIZER”(登録商標)9000(Raschig社製品)を入手することができる。これらのPCD化合物は、予めポリエステルに練り込んだマスターバッチとしても市販されており、例えば前記した平均分子量約10,000の“STABAXOL”(登録商標)P100を15重量%含有するPETマスターバッチである“STABAXOL”(登録商標)KE−7646(Rhein Chemie社製品)および前記した平均分子量約20,000の“STABILIZER”(登録商標)9000を15重量%含有するPETマスターバッチである“STABILIZER”9000MB(登録商標)(Raschig社製品)等が知られている。
また、本発明のポリエステル繊維は、上記MCD化合物とPCD化合物とを併せて含有することができる。この場合には、MCD化合物とPCD化合物とを合計して3.0重量部以下の含有量であることが好ましい。
カルボジイミド基を有する化合物の含有量は、ポリエステル繊維を100重量部としたときに、0.01〜3.0重量部であることが、耐加水分解性改善効果が十分でかつ溶融紡糸の安定性や繊維の均一性や強度を良好とするために好ましく、より好ましくは0.02〜2.0重量部である。未反応の状態のカルボジイミド化合物を0.001〜2.0重量部含有するものであると、高温・高湿条件下における耐加水分解性が更に優れたものとなるため好ましい。
本発明のポリエステル繊維に前記カルボジイミド化合物を0.01〜3.0重量部含有させるには、原料のポリエステルが保有していたCOOH末端基および溶融紡糸時の加熱による加水分解や熱分解で発生したCOOH末端基とを合計した総COOH末端基と、ポリエステル中の水酸末端基を封鎖・不活性化反応し、更に製品ポリエステル繊維中に0.01〜3.0重量部のカルボジイミド化合物が残存含有する量のカルボジイミド化合物を、ポリエステルに添加し溶融混練した後、溶融紡糸する方法が有利である。また、カルボジイミド化合物と共に、ポリエステルのCOOH末端基および水酸末端基と反応する公知のエポキシド化合物およびオキサゾリン化合物などを併用することもできる。
カルボジイミド化合物を0.01〜3.0重量部含有する本発明のポリエステル繊維は、当然のことながらCOOH末端基は5当量/繊維10g以下である。
本発明のポリエステル繊維には、ポリオレフィン系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーを0.01〜10重量部含有させることが、耐加水分解性が一層優れたものとなるため、また紡糸性や繊維の強度が十分なものとなるために好ましく、0.1〜7重量部含有することがより好ましい。
上記したポリオレフィン系ポリマーは、公知のオレフィン系モノマーから重合したポリマーであり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、テトラシクロドデセン等の環状オレフィンの開環重合体および該重合体の水素添加物、テトラシクロドデセン等の環状オレフィンとエチレン等のα−オレフィンとの共重合体および該重合体の水素添加物等が挙げられ、これらの中から1種以上を選択使用することができる。これらのポリオレフィンは、各々国内外各社から広く市販されているポリマーを使用するこ
とができる。環状オレフィン(共)重合体としては、例えば“アペル”(登録商標)(三井化学社製品)、“アートン”(登録商標)(JSR社製品)、“ゼオネックス”(登録商標)(日本ゼオン社製品)、“ゼオノア”(登録商標)(日本ゼオン社製品)、および“トパス”(登録商標)(チコナ社製品)等があり、これらを購入して使用することができる。
また、前記したポリスチレン系ポリマーとしては、アタクチック構造のポリスチレン、アイソタクチック構造のポリスチレンおよびシンジオタクチック構造のポリスチレンを使用することができ、スチレンを主体として他に少量のα−メチルスチレンが共重合されていてもよく、これらの中ではシンジオタクチック構造のポリスチレンが特に好ましい。これらのポリスチレンは、各々国内外各社から広く市販されているポリマーを使用することができる。シンジオタクチック構造のポリスチレンとしては、市販品として“ザレック”(登録商標)(出光興産社製品)が知られており、これを購入して使用することができる。
また、本発明のポリエステル繊維には、酸化防止剤をポリエステル繊維100重量部に対して0.01〜1.0重量部含有させることが、耐乾熱性が一層優れたものとなることから好ましい。例えば、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジテトラ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]“IRGANOX1010”(登録商標)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製品)を挙げることができる。
さらに、本発明のポリエステル繊維は、カルボジイミド化合物およびポリオレフィン系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーさらに酸化防止剤以外の成分として、耐防汚性に寄与する公知のフッ素樹脂、シリコーンオイル等、各種熱可塑性ポリマー、紫外線吸収剤、および各種着色料等の公知の改質・添加剤を含有することができる。
本発明のポリエステル繊維の製造の一例を以下に示す。原料のポリエステルには、有機チタン化合物の加水分解物であるチタン化合物を主たる重縮合反応触媒とし、かつ二酸化チタン粒子を含有してなるポリエステルポリマーであり、チタン化合物由来のチタン残渣をチタン原子換算で1.0〜100ppm、リン残渣をリン原子換算で0.1〜200ppmそれぞれ含有し、チタン原子(Ti)とリン原子(P)のモル比率Ti/Pが0.1〜20であり、チタン、リン以外の金属原子を金属原子換算で0.1〜300ppm含有し、さらに金属原子(M)とリン原子(P)のモル比率M/Pが0.05〜2.0のポリエステルポリマーを準備し、必要に応じてカルボジイミド化合物やポリカルボジイミド化合物、ポリオレフィン系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーを混合し、プレッシャーメルターもしくは1軸や2軸エクストルーダに計量供給し、溶融混練した後、エクストルーダ先端に設けた計量ギアポンプを介して紡糸口金より押し出し、冷却・延伸・熱セットを行うなどの方法で製造する。
かくして得られる本発明のポリエステル繊維、特にポリエステルモノフィラメントは、製糸性が良好であると共に、均一な線径および優れた耐加水分解性を有するものであり、各種工業用織物の構成素材および各種ブラシ、漁網などの構成素材としても好適に使用することができる。中でも、抄紙ワイヤー、抄紙ドライヤーカンバス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ベルト織物、熱処理炉内搬送用ベルト織物および各種フィルター等の構成素材として好適である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の特性値は以下に述べる方法で測定した。
[PET中のチタン元素、リン元素、他の金属元素等の含有量]
(1)チタン元素
PET中の二酸化チタン粒子等の無機粒子の影響を除去するために、下記の前処理をした上で、蛍光X線元素分析装置(堀場製作所社製、MESA−500W型)にて行った。すなわち、PETをオルソクロロフェノールに溶解(溶媒100gに対してポリマー5g)し、このポリマー溶液と同量のジクロロメタンを加えて溶液の粘性を調製した後、遠心分離器(回転数18000rpm、1時間)で粒子を沈降させる。その後、傾斜法で上澄み液のみを回収し、上澄み液と同量のメタノール添加によりポリマーを再析出させ、そのあと3G3のガラスフィルター(IWAKI社製)で濾過、濾上物をさらにメタノール洗浄と濾過を2回繰り返した後、室温で12時間真空乾燥し、更に150℃で16時間真空乾燥してメタノールを除去した。以上の前処理を施して得られた粒子を除去したポリマーについてチタン量の分析を行った。
(2)リン元素及びアルカリ金属以外の金属元素量
蛍光X線元素分析装置(堀場製作所社製、MESA−500W型)にて分析を行った。
(3)アルカリ金属元素
PETを湿式分解法や乾式灰化分解法等の公知の前処理を施した後、原子吸光分析装置(島津製作所社製、AA6300)により求めた。
[極限粘度の測定方法]
オルソクロロフェノール溶液中25℃で測定した粘度より求めた極限粘度であり、〔η〕で表わされる。
[ポリエステルのCOOH末端基濃度の測定方法]
(1)10ml試験管にポリエステル成分として0.5±0.001gのポリエステルサンプルを秤取する、
(2)o−クレゾール10mlを前記試験管に注入し、100℃で30分間加熱攪拌しサンプル溶解させる、
(なお、固相重縮合ポリエステルポリマーは160℃で15分間加熱撹拌溶解)
(3)試験管の内容液を30mlビーカーに移す(試験管内の残液を3mlのジクロルメタンで洗浄してビーカーに追加する)、
(4)ビーカー内の液温が25℃になるまで放冷する、
(5)0.02NのKOHメタノール溶液で滴定する。
[ポリエステル繊維中の未反応状態のカルボジイミド化合物の含有量の測定方法]
(1)100mlメスフラスコに試料約200mgを秤取する、
(2)ヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルム(容量比1/1)2mlを加えて試料を溶解させる、
(3)試料が溶解したら、クロロホルム8mlを加える、
(4)アセトニトリル/クロロホルム(容量比9/1)を徐々に加えポリマーを析出させながら100mlとする、
(5)試料溶液を目開き0.45μmのディスクフィルターで濾過し、HPLCで定量分析する。HPLC分析条件は次の通り、
カラム:Inertsil ODS−2 4.6mm×250mm
移動相:アセトニトリル/水(容量比94/6)
流 量:1.5ml/min.
試料量:20μl
検出器:UV(280nm)。
[モノフィラメントの耐加水分解性評価方法]
モノフィラメントを100リットルのオートクレーブに入れ、121℃飽和水蒸気中で12日間処理した後のモノフィラメントの強力を下記のモノフィラメントの引張試験により求め、処理前のモノフィラメントの強力と比較した強力保持率を、耐加水分解性の尺度とした(以下、蒸熱処理後の強力保持率という)。蒸熱処理後の強力保持率が高いほど耐加水分解性が優れることを表す。
[モノフィラメントの引張試験]
JIS L1013−1999の8.5に準拠して行った。
(1)サンプルつまみ間隔25cm
(2)引張速度30cm/min
(3)試験温度20℃
〔実施例1〕
高純度テレフタル酸(三井化学社製)100kgとエチレングリコール(日本触媒社製)45kgのスラリーを、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびそのオリゴマーの混合物(以下、BHTと略称する)約123kgが仕込まれている、温度250℃、圧力1.2×105Paに保持されたエステル化反応槽に4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行い、このエステル化反応生成物の123kgを重縮合槽に移送した。
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された前記重縮合反応槽の低重縮合体を30rpmで攪拌しながら、二酸化チタン粒子(富士チタン(株)社製のTA−100(結晶構造:アナターゼ型)(15重量%)/エチレングリコールスラリーを、得られるポリマー100重量部に対して0.4重量部添加した。二酸化チタン添加終了10分後に、テトライソプロピルチタネートの部分加水分解物(0.5重量%)/エチレングリコールスラリーを、得られるポリマーに対してチタン原子換算で10ppmとなるように添加し、攪拌しながら、反応系を250℃から280℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で、反応系を窒素パージし常圧に戻し重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてPETのペレットを得た。
得られたPETの〔η〕は0.634であった。ポリマーから測定したチタン触媒由来のチタン原子(Ti)の含有量は10ppm、リン原子(P)の含有量は6.5ppmであり、チタンとリンのモル比率Ti/Pは1.00であることを確認した。また、チタン、リン以外の金属原子(M)含有量は8.5ppmであり、金属とリンのモル比率M/Pは1.10であることを確認した。
上記PETペレットを、ロータリー式の固相重合装置に仕込み、温度225℃、圧力0.133kPa以下にて16時間減圧固相重縮合を行い、固相重合PETを得た。この固相重合PETは、〔η〕が0.89で、COOH末端基濃度が14当量/10g(以下、14eq/10 gと略称する)であった。
この固相重合PETを乾燥後、1軸エクストルダー型紡糸機のホッパーおよびホッパー下部のポリマー配管を経由して1軸エクストルダーに連続供給した。1軸エクストルダー内で約290℃で3分間混練した溶融ポリマーを、紡糸パック内の絶対濾過精度10μmの金属不織布を使用した濾過層を通して円形断面糸用紡糸口金より紡出した。紡出モノフィラメントを70℃の湯浴で冷却後、常法に従い合計5.0倍に2段延伸で延伸し、さらに熱セットを行い、断面形状が円形のモノフィラメントを得た。
この溶融紡糸を48時間継続したが、溶融紡糸性と製糸工程通過性は全く問題が無かった。48時間で溶融紡糸を中断する直前のモノフィラメントの平均直径は0.220mmであり、線径斑は1.8%であり、モノフィラメントの〔η〕は0.818であった。また、溶融紡糸中断後の口金吐出孔周辺の付着堆積物は極微少であり、溶融紡糸継続が可能な状態であった。これらの結果を表1および表2に併示する。
チタン触媒由来のチタン原子(Ti)の含有量10ppm、リン原子(P)の含有量6.5ppmであり、チタンとリンのモル比率Ti/Pは1.00。また、チタン、リン以外の金属原子(M)としてNa、K、S、Feが検出され、その含有量は8.5ppm、金属とリンのモル比率M/Pが1.10であるPETを構成成分とする本発明のポリエステルモノフィラメントは、工業用織物の一種である抄紙ワイヤーの構成素材として好適である。
〔比較実施例1〕
触媒として三酸化アンチモン(以下、Sbと略称する)(住友金属鉱山社製)を、得られるポリマーに対してアンチモン原子換算で170ppm、リン酸を、得られるポリマーに対してリン原子換算で15ppm添加したこと以外は、実施例1と同様にして溶融重縮合と固相重縮合を行い、〔η〕が0.89でCOOH末端基濃度が16eq/10gの固相重合PETを得た。
この固相重合PETを用いた以外は、実施例1と同様に溶融紡糸を行い、断面形状が円形のモノフィラメントを得た。この溶融紡糸を24時間継続したころから、吐出溶融糸条に曲がり現象やぴく付き現象が発生するようになったが、48時間の溶融紡糸を行った。48時間で溶融紡糸を中断する直前のモノフィラメントの平均直径は0.219mmであり、線径斑は9.8%であり、モノフィラメントの〔η〕は0.822であった。
また、溶融紡糸中断後の口金吐出孔周辺には、Sbの結晶とPETのオリゴマーおよび劣化PETとの混合物からなる堆積物が、吐出孔に沿って環状に存在しており、このままでは溶融紡糸の継続が不可能な状態であった。
これらの結果を表1に併示する。アンチモン金属化合物を主たる触媒とした従来技術から成る本比較実施例1で得たポリエステルモノフィラメントは、前記した本発明のポリエステルモノフィラメントよりも線径斑が大きく、抄紙ワイヤー用の構成糸としては不適当なものであった。
〔比較実施例2〕
アルミニウム化合物とリン化合物を含有する触媒の例として、特開2002−220734号公報の実施例1をトレースして、ポリエステルを得た。
具体的には、高純度テレフタル酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、トリエチルアミンを酸成分に対して0.3mol%加え、0.25Mpaの加圧下245℃にて水を系外に留去しながらエステル化反応を120分間行い、エステル化率が95%のBHTを得た。
このBHTに対して、触媒をアルミニウムトリスアセチルアセトネートの2.5g/lのエチレングリコール溶液を、ポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として0.015mol%加え、リン化合物として、O−ethyl 3,5−di−tert−butyl−4−hydroxybenzylphosphonic acidの10g/lのエチレングリコール溶液を、ポリエステル中の酸成分に対して0.04mol%添加し、それ以外は実施例1と同様にして溶融重合と固相重合を行い、〔η〕が0.87で、COOH末端基濃度が17eq/10gの固相重合PETを得た。
この固相重合PETを用いた以外は、実施例1と同様に溶融紡糸を行い、断面形状が円形のモノフィラメントを得た。この溶融紡糸を36時間継続したころから、吐出溶融糸条に曲がり現象やぴく付き現象が発生するようになったが、48時間の溶融紡糸を行った。48時間で溶融紡糸を中断する直前のモノフィラメントの平均直径は0.223mmであり、線径斑は8.6%であり、モノフィラメントの〔η〕は0.796であった。
また、溶融紡糸中断後の口金吐出孔周辺には、PETのオリゴマーおよび劣化PETからなる堆積物が吐出孔に沿って環状に存在しており、このままでは溶融紡糸の継続が不可能な状態であった。
これらの結果を表1に併示する。アルミニウム化合物とリン化合物を含有する触媒を用いて重合されたPETから成る本比較実施例2で得たポリエステルモノフィラメントは、前記した本発明のポリエステルモノフィラメントよりも線径斑が大きく、抄紙ワイヤー用の構成糸としては不適当なものであった。
〔比較実施例3〕
特定の置換基で置換されたチタン化合物とリン化合物を含有する触媒の例として、特開2004−204396号公報の実施例1をトレースして、ポリエステルを得た。
具体的には、温水371gにクエン酸・一水和物532g(2.52モル)を溶解、撹拌させ、この溶液にテトライソプロピルチタネート288g(1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を真空下で蒸留した。その生成物を冷却し、NaOH380g(3.04モル)の32重量/重量%水溶液をゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール504g(80モル)と混合し、真空下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。この混合溶液に対し、リン酸の85重量/重量%水溶液(114g、1.00モル)を加えることで、リン化合物を含有するクエン酸キレートチタン化合物を得た(P含有量2.49重量%、pH=5.0)。
触媒を本チタン化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして溶融重合と固相重合を行い、〔η〕が0.90で、COOH末端基濃度が15eq/10gの固相重合PETを得た。この固相重合PETを用いた以外は、実施例1と同様に溶融紡糸を行い断面形状が円形のモノフィラメントを得た。
この溶融紡糸を48時間継続したが、溶融紡糸性と製糸工程通過性はほぼ問題が無かった。48時間で溶融紡糸を中断する直前のモノフィラメントの平均直径は0.221mmであり、線径斑は7.6%であり、モノフィラメントの〔η〕は0.814あった。
しかし、溶融紡糸中断後の口金吐出孔周辺には、PETのオリゴマーおよび劣化PETの混合物が環状にわずかに付着しており、このままでは溶融紡糸の継続が不安な状態であった。
これらの結果を表1に併示する。チタン触媒由来のチタン原子(Ti)の含有量10ppm、リン原子(P)の含有量12.5ppmであり、チタンとリンのモル比率Ti/Pは0.53、また、チタン、リン以外の金属原子(M)の含有量は22.7ppm、金属とリンのモル比率M/Pが2.13であるPETを構成成分とするポリエステルモノフィラメントは、上記した本発明のポリエステルモノフィラメントよりも線径斑が大きく、抄紙ワイヤー用の構成糸としては不適当なものであった。
〔比較実施例4〕
特定のチタン化合物とリン化合物をグリコール中で加熱することにより得られた触媒の例として、特開2004−218126号公報の実施例1をトレースして、ポリエステルを得た。
具体的には、三口フラスコにエチレングリコール919gと酢酸10gを入れて混合攪拌した中に、チタンテトラブトキシド71gをゆっくり添加し、チタン化合物のエチレングリコール溶液を得た。
一方、三口フラスコにエチレングリコール656gを入れて攪拌しながら100℃まで加熱し、モノラウリルホスフェートを34.5g添加して溶解させることにより、リン化合物のエチレングリコール溶液を得た。
この溶液(約690g)を100℃に加熱した状態の中に、先に準備したチタン化合物のエチレングリコール溶液310gをゆっくり加熱し、1時間攪拌保持し、反応を完結させた。
この反応によって得られた生成物は、エチレングリコールに不溶であったため、白濁状態で微細な析出物として存在した。
触媒を前記チタン化合物とリン化合物の合成品にした以外は、実施例1と同様にして溶融重合と固相重合を行い、〔η〕が0.90で、COOH末端基濃度が14eq/10gの固相重合PETを得た。この固相重合PETを用いた以外は、実施例1と同様に溶融紡糸を行い、断面形状が円形のモノフィラメントを得た。
この溶融紡糸を48時間継続したが溶融紡糸性と製糸工程通過性はほぼ問題が無かった。48時間で溶融紡糸を中断する直前のモノフィラメントの平均直径は0.222mmであり、線径斑は7.4%であり、モノフィラメントの〔η〕は0.811あった。
しかし、溶融紡糸中断後の口金吐出孔周辺には、PETのオリゴマーおよび劣化PETの混合物が環状にわずかに付着しており、このままでは溶融紡糸の継続が不安な状態であった。
これらの結果を表1に併示する。チタン触媒由来のチタン原子(Ti)の含有量10ppm、リン原子(P)の含有量18.8ppmであり、チタンとリンのモル比率Ti/Pは0.34、また、チタン、リン以外の金属原子(M)の含有量は8.5ppm、金属とリンのモル比率M/Pが0.38であるPETを構成成分とするポリエステルモノフィラメントは、上記した本発明のポリエステルモノフィラメントよりも線径斑が大きく、抄紙ワイヤー用の構成糸としては不適当なものであった。
〔比較実施例5〕
二酸化チタン粒子を添加しない以外は、実施例1同様にテトライソプロピルチタネートの部分加水分解物(0.5重量%)/エチレングリコールスラリーを、得られるポリマーに対してチタン原子換算で10ppm単独にて溶融重合と固相重合を行い、〔η〕が0.90でCOOH末端基濃度が15eq/10gの固相重合PETを得た。
この固相重合PETを用いた以外は、実施例1と同様に溶融紡糸を行い、断面形状が円形のモノフィラメントを得た。この溶融紡糸を36時間継続したころから吐出溶融糸条に若干の曲がりが発生するようになったが、48時間の溶融紡糸を行った。48時間で溶融紡糸を中断する直前のモノフィラメントの平均直径は0.225mmであり、線径斑は8.2%であり、モノフィラメントの〔η〕は0.789であった。
また、溶融紡糸中断後の口金吐出孔周辺には、PETのオリゴマーおよび劣化PETからなる堆積物が吐出孔に沿って環状に存在しており、このままでは溶融紡糸の継続が不可能に近い状態であった。
これらの結果を表2に併示する。チタン触媒由来のチタン原子(Ti)の含有量10ppmであるPETを構成成分とするポリエステルモノフィラメントは、上記した本発明のポリエステルモノフィラメントよりも線径斑が大きく、抄紙ワイヤー用の構成糸としては不適当なものであった。
〔実施例2〜7〕
実施例2は、実施例1の二酸化チタン粒子の添加量を3.0重量部、テトライソプロピルチタネートの部分加水分解物を得られるポリマーに対してチタン原子換算で80ppmにそれぞれ変更した例、実施例3は、実施例1の二酸化チタン粒子の添加量を0.1重量部、テトライソプロピルチタネートの部分加水分解物を得られるポリマーに対してチタン原子換算で3ppmにそれぞれ変更した例、実施例4は、実施例1にリン酸85重量/重量%水溶液を50ppm添加し得られるポリマーに対してリン原子換算で19.9ppmに変更した例、実施例5は、実施例1の二酸化チタン粒子の添加量を0.05重量部に変更した例、実施例6は、実施例1の二酸化チタン粒子の添加量を0.2重量部、テトライソプロピルチタネートの部分加水分解物を得られるポリマーに対してチタン原子換算で80ppmにそれぞれ変更した例、実施例7は、実施例1に酢酸コバルト・四水塩を40ppm添加し得られるポリマーに対して他金属原子換算で18ppmに変更した以外は、実施例1と同様にして溶融重合と固相重合さらには溶融紡糸を行い断面形状が円形のモノフィラメントを得た例である。
これらの溶融紡糸を48時間継続したが、いずれの例においても、溶融紡糸性と製糸工程通過性は全く問題が無かった。また、溶融紡糸中断後の口金吐出孔周辺の付着堆積物は少なく溶融紡糸継続が可能な状態であった。
これらの結果を表2に併示する。PETを構成成分とする本発明のポリエステルモノフィラメントは、工業用織物の1種である抄紙ワイヤーの構成素材として好適である。
〔比較実施例6〜9〕
比較実施例6は、実施例1にリン酸85重量/重量%水溶液に250ppm添加し得られるポリマーに対してリン原子換算で73.7ppm、酢酸コバルト・四水塩を200ppm添加し得られるポリマーに対して他金属原子換算で55.9ppmにそれぞれ変更した例、比較実施例7は、実施例1の二酸化チタン粒子の添加量を0.02重量部に変更した例、比較実施例8は、実施例1に酢酸コバルト・四水塩を80ppm添加し得られるポリマーに対して他金属原子換算で27.4ppmに変更した例、比較実施例9は、実施例1のテトライソプロピルチタネートの部分加水分解物を得られるポリマーに対してチタン原子換算で80ppm、リン酸85重量/重量%水溶液を660ppm添加し得られるポリマーに対してリン原子換算で184.0ppmにした以外は、実施例1と同様にして溶融重合と固相重合さらには溶融紡糸を行い断面形状が円形のモノフィラメントを得た例である。
いずれの例においても、これらの溶融紡糸を43時間継続したころから吐出溶融糸条に若干の曲りが発生するようになったが、48時間の溶融紡糸を行った。また、溶融紡糸中断後の口金吐出孔周辺には、PETのオリゴマーおよび劣化PETからなる堆積物が吐出孔に沿って環状にわずかに存在しており、このままでは溶融紡糸の継続が不可能な状態であった。
これらの結果を表2に併示する。本比較実施例6〜9のPETを構成成分とするポリエステルモノフィラメントは、上記した本発明のポリエステルモノフィラメントよりも線径斑が大きく、抄紙ワイヤー用の構成糸としては不適当なものであった。
Figure 0004574410
Figure 0004574410
〔実施例8〕
実施例1で得た固相重合PET100重量部に対して、モノカルボジイミド化合物のTICである“Stabilizer”(登録商標)7000(Raschig AG社製品)1.3重量部を計量しながら1軸エクストルダーに連続供給し、1軸エクストルダー内で約290℃で3分間混練し、溶融ポリマーを紡糸パック内の絶対濾過精度10μmの金属不織布を使用した濾過層を通して円形断面糸用紡糸口金より紡出した。紡出モノフィラメントを70℃の湯浴で冷却後、常法に従い合計5.0倍に2段延伸で延伸しさらに熱セットを行い、断面形状が円形のモノフィラメントを得た。
この溶融紡糸を48時間継続したが、溶融紡糸性と製糸工程通過性は特に問題が無かった。48時間で溶融紡糸を中断する直前のモノフィラメントの平均直径は0.450mmであった。モノフィラメントの〔η〕は0.813、COOH末端基濃度は2.2eq/モノフィラメント10gであり、未反応のTIC含有量は0.14重量部であった。また、溶融紡糸中断後の口金吐出孔周辺の付着堆積物は微少であり、溶融紡糸継続が可能な状態であった。
このポリエステルモノフィラメントの蒸熱処理後の強力保持率は79%であった。
これらの結果を表3に併示する。このポリエステルモノフィラメントは、工業用織物である抄紙ドライヤーカンバス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ベルト織物、熱処理炉内搬送用ベルト織物および各種フィルター等の構成素材として好適である。
〔比較実施例10〜13〕
比較実施例1、2、3、4の固相重合PETを用いたこと以外は、実施例8と同様に溶融紡糸を行い、断面形状が円形のモノフィラメントを得た。
この溶融紡糸を48時間継続し、中断する直前のポリエステルモノフィラメントの特性および溶融紡糸中断後の口金吐出孔周辺の状態結果を表3に併示する。
いずれのポリエステルモノフィラメントともに、工業用織物である抄紙ドライヤーカンバス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ベルト織物、熱処理炉内搬送用ベルト織物および各種フィルター等の構成素材としては、上記した実施例8のポリエステルモノフィラメントよりも蒸熱処理後の強力保持率が低いものであった。
Figure 0004574410
〔実施例9〜14、比較実施例14〜18〕
実施例2〜7、比較実施例5〜9にて得た固相重合PETを用いたこと以外は、実施例8と同様に溶融紡糸を行い、実施例9〜14および比較実施例14〜18の断面形状が円形のモノフィラメントを得た。
この溶融紡糸を48時間継続し中断する直前のポリエステルモノフィラメントの特性および溶融紡糸中断後の口金吐出孔周辺の状態結果を表4に併示する。
実施例9〜14は、本発明のポリエステルモノフィラメント中の金属量規定の範囲内にあり、口金吐出孔周辺の状態に特に問題なく、工業用モノフィラメントの要求特性である蒸熱処理後の強力保持率が良好であり、これらのポリエステルモノフィラメントは、工業用織物である抄紙ドライヤーカンバス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ベルト織物、熱処理炉内搬送用ベルト織物および各種フィルター等の構成素材として好適である。
しかし、比較実施例14〜18は、いずれも本発明のポリエステルモノフィラメント中の金属量規定の範囲外にあり、口金吐出孔周辺にPETオリゴマーと劣化PET混合物が環状に付着する傾向にあり、カルボジイミドを同様に含有した本発明実施例のポリエステルモノフィラメントよりも蒸熱処理後の強力保持率が低いものであった。
Figure 0004574410
@0001
〔実施例15〕
実施例1にて得た固相重合PET91重量部、ポリカルボジイミド化合物で平均分子量約10,000の“STABAXOL”(登録商標)P100を15重量%含有するPETマスターバッチである“STABAXOL”(登録商標)KE−7646(Rhein Chemie社製品)4重量部とポリオレフィン系ポリマーである環状オレフィン(共)重合体“アペル”(登録商標)6015T(三井化学社製品)5重量部からなるポリエステル100重量部に対して、モノカルボジイミド化合物のTICである“Stabilizer”(登録商標)7000(Raschig AG社製品)1.3重量部とフェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジテトラブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]“IRGANOX”(登録商標)1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製品)0.2重量部を計量しながら、1軸エクストルダーに連続供給し、1軸エクストルダー内で約290℃で3分間混練した溶融ポリマーを、紡糸パック内の絶対濾過精度10μmの金属不織布を使用した濾過層を通して円形断面糸用紡糸口金より紡出した。紡出モノフィラメントを70℃の湯浴で冷却後、常法に従い合計5.0倍に2段延伸で延伸しさらに熱セットを行い、一部のカルボジイミド基がPETと反応したPCD化合物0.6重量部と未反応のMCD化合物を0.16重量%含有し、断面形状が円形のモノフィラメントを得た。
この溶融紡糸を48時間継続したが、溶融紡糸性と製糸工程通過性は特に問題が無かった。48時間で溶融紡糸を中断する直前のモノフィラメントの平均直径は0.450mmであった。このモノフィラメントのCOOH末端基濃度は2.2eq/モノフィラメント10gであった。また、溶融紡糸中断後の口金吐出孔周辺の付着堆積物は微少であり溶融紡糸継続が可能な状態であった。
このポリエステルモノフィラメントの蒸熱処理後の強力保持率は93%であった。
これらの結果を表5に併示する。このポリエステルモノフィラメントは、工業用織物である抄紙ドライヤーカンバス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ベルト織物、熱処理炉内搬送用ベルト織物および各種フィルター等の構成素材として好適である。
〔実施例16〕
実施例15のポリオレフィン系ポリマーを、ポリスチレン系ポリマーであるシンジオタクチック構造のポリスチレン“ザレック”(登録商標)30ZC(出光興産社製品)に変更し、フェノール系酸化防止剤を添加しない以外は、実施例15と同様に溶融紡糸を行い、断面形状が円形のモノフィラメントを得た。
この溶融紡糸を48時間継続したが、溶融紡糸性と製糸工程通過性は特に問題が無かった。48時間で溶融紡糸を中断する直前のポリエステルモノフィラメントの特性および溶融紡糸中断後の口金吐出孔周辺の状態結果を表5に併示する。
このポリエステルモノフィラメントは、工業用織物である抄紙ドライヤーカンバス、サーマルボンド法不織布熱接着工程用ベルト織物、熱処理機内搬送用ベルト織物および各種フィルター等の構成素材として好適である。
〔比較実施例19〜22〕
比較実施例1〜4の固相重合PETに変更した以外は、実施例16と同様に溶融紡糸を行い、断面形状が円形のモノフィラメントを得た。
この溶融紡糸を48時間継続し中断する直前のポリエステルモノフィラメントの特性および溶融紡糸中断後の口金吐出孔周辺の状態結果を表5に併示する。
いずれのポリエステルモノフィラメントともに、モノカルボジイミド化合物、ポリカルボジイミド、ポリスチレン系ポリマーを同様に含有した実施例16のポリエステルモノフィラメントよりも蒸熱処理後の強力保持率が低いものであった。
Figure 0004574410
本発明のポリエステル繊維、特にポリエステルモノフィラメントは、従来の繊維よりも線径均一性が優れることから工業用織物である抄紙ワイヤーの構成素材として好適である。また、カルボジイミド化合物さらにはポリオレフィン系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーを含有する本発明のポリエステルモノフィラメントは、従来のモノフィラメントよりも耐加水分解性が優れることから、工業用織物である抄紙ドライヤーカンバス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ベルト織物、熱処理炉内搬送用ベルト織物および各種フィルター等の構成素材として好適である。

Claims (11)

  1. テトライソプロピルチタネートの含水エチレングリコールによる部分加水分解物であるチタン化合物を主たる重縮合反応触媒とし、かつ二酸化チタン粒子を含有してなるポリエステルポリマーからなる繊維であって、前記チタン化合物由来のチタン残渣をチタン原子換算で1.0〜100ppm、リン残渣をリン原子換算で0.1〜200ppmそれぞれ含有し、これらチタン原子(Ti)とリン原子(P)のモル比率Ti/Pが0.1〜20であると共に、さらにチタンおよびリン以外の金属原子を金属原子換算で0.1〜300ppm含有し、この金属原子(M)と前記リン原子(P)のモル比率M/Pが0.05〜2.0であることを特徴とするポリエステル繊維。
  2. 前記チタン化合物由来のチタン残渣をチタン原子換算で2.0〜50ppm、前記リンをリン原子換算で0.5〜100ppmそれぞれ含有し、これらチタン原子(Ti)とリン原子(P)のモル比率Ti/Pが0.3〜15であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル繊維。
  3. 繊維の極限粘度が0.65以上、かつカルボキシル末端基濃度が30当量/ポリエステル繊維10g以下であることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステル繊維。
  4. モノフィラメントであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載のポリエステル繊維。
  5. 次に示す方法で測定したモノフィラメントの平均直径が0.05〜0.50mmであり、この平均直径に対する線径斑率が5%以下の円形断面モノフィラメントであることを特徴とする請求項記載のポリエステル繊維。
    <モノフィラメントの直径の測定方法>
    (1)レーザー外形測定器(アンリツ(株)製SLB DIA MEASURING SYSTEM KL151Aまたは他社同等品)を使用してモノフィラメント30カ所の直径(mm)を小数点以下3桁まで測定する。
    (2)測定値30点の平均直径を算出する(小数点以下4桁目を四捨五入し小数点以下3桁まで求める)。
    (3)線径斑率は、各測定値の最大直径値(A)と最小直径値(B)の差を線径斑とし、測定値30点の平均直径(X)から下式によって求める。
    [(A)―(B)]/(X)×100=線径斑率(%)
  6. さらにカルボジイミド基を含有する化合物を0.01〜3.0重量部含有し、かつ未反応状態のカルボジイミド化合物を0.001〜2.0重量部含有しているモノフィラメントであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載のポリエステル繊維。
  7. 前記カルボジイミド基を含有する化合物が、アルキル置換芳香族モノカルボジイミド化合物およびポリ(アルキル置換芳香族カルボジイミド)化合物から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項記載のポリエステル繊維。
  8. さらにポリオレフィン系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーを0.01〜10重量部含有することを特徴とする請求項または記載のポリエステル繊維。
  9. 請求項1〜のいずれか1項記載のポリエステル繊維を用いてなることを特徴とする工業用織物。
  10. 前記ポリエステル繊維が請求項記載のモノフィラメントであり、抄紙ワイヤーの構成素材であることを特徴とする請求項記載の工業用織物。
  11. 前記ポリエステル繊維が請求項のいずれか1項記載のモノフィラメントであり、抄紙ドライヤーカンバス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ベルト織物、熱処理炉内搬送用ベルト織物および各種フィルターから得らばれた少なくとも1種の構成素材であることを特徴とする請求項記載の工業用織物。
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