JP4573982B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性が優れた成形品が得られる難燃性樹脂組成物及びそれからなる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
合成樹脂に難燃性を付与するための方法は既に種々提案されており、一般には燃焼遅延剤又は不燃性物質と呼ばれる化合物、例えば塩化パラフィン、ポリブロモジフェニルエーテル等の塩素化又は臭素化有機化合物を合成樹脂に添加する方法が知られている。また、酸化アンチモン(Sb2O3)等の補助燃焼遅延剤を前記の燃焼遅延剤又は不燃性物質と組み合わせたものを、合成樹脂に対して数重量%から数十重量%の割合で配合する方法も知られている。
【0003】
しかし、これらのハロゲン化添加剤を大量に配合すると、燃焼時に有毒ガスを発生する可能性があり、この分解が始まると合成樹脂の機械的性質や難燃性が低下するほか、分解生成物が成形装置や混練装置等の使用装置の金属部分を腐食させるという問題も生じる。
【0004】
よって、上記問題を生じさせないためにハロゲンを含まない化合物が多く提案されており、例えば下記のとおり、燃焼時に系中の化合物が相互作用して、炭素を含む又は炭化された不燃性の発泡体を形成し、合成樹脂の分解で生じる引火性の分解ガスの放出を遅くできるような化合物系や、輻射熱から合成樹脂を遮断するような化合物系(以下、このような化合物系を「膨張剤系」という)を合成樹脂に添加することが知られている。
(1)炭化層を発泡させる窒素、アンモニア等の非引火性気体又は蒸気を生じさせる膨張剤(以下、「発泡剤」という)
(2)炭化層の生成に寄与する化合物(一般には糖、トリメチロールプロパン、モノ又はポリペンタエリトリトール等のポリヒドロキシル化合物である)
(3)脱水剤(一般には燃焼時に酸を生じる化合物であり、最も広く用いられている脱水剤は、ポリ燐酸アンモニウム、燐酸メラミン、硫酸メラミンである)
G.Camino等は、ポリ燐酸アンモニウムと、ペンタエリトリトールとの混合物とからなる膨張剤系をエチレン系ポリマー(ポリオレフィン)に用いることを提案している(Polym.Degrad.7,25〜31,(1984)及び12,203(1985))。
【0005】
しかし、エチレン系ポリマーで、上記混合物を30重量%用いても酸素指数は6%しか増加せず、機械的性質が低下することから、実用上問題があった。
【0006】
また、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)に代表されるスチレン系樹脂に対しては、ポリ燐酸アンモニウムとペンタエリトリトールとの混合物からなる膨張剤系が、スチレン系樹脂に対しても難燃効果を示すことが分かっている。
【0007】
しかし、スチレン系樹脂は一般に燃焼中に炭化物を形成しにくいため、難燃化のためには多量の難燃化剤の配合が必要とされており、前記膨張剤系を配合して十分な難燃効果を発現させるには、その配合量を30重量%以上にまで高める必要があり、機械物性の低下、外観不良等の問題が生じ、実用化には不十分であった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決でき、難燃性の優れた成形品が得られる難燃性樹脂組成物及びそれからなる成形品を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、特定組成の膨張剤系と特定の金属酸化物を併用することにより、それらが相乗的に作用して、合成樹脂の難燃性を大幅に高められることを見出し、本発明を完成したものである。
【0010】
本発明は、課題の解決手段として、(a)合成樹脂、(b)炭化水素多価アルコール又は炭水化物類、(c)発泡剤、(d)難燃性脱水剤及び(e)シリカを含む金属酸化物を含有する難燃性樹脂組成物を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる(a)合成樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエーテルエステルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリスルホン樹脂から選ばれる1又は2以上を挙げることができる。
【0012】
ポリオレフィン系樹脂としては、下記のものを挙げることができる。
(1)エチレンのポリマー又はコポリマー、例えば高密度ポリエチレン(密度が約0.96〜0.97)、ラジカル低密度ポリエチレン(密度が約0.92〜0.93)及びエチレンと3〜8個の炭素原子を有する少なくとも1つのα−オレフィンのコポリマー(密度が役0.89〜0.95);
(2)プロピレンのホモポリマー及びエチレンのモル比が0.5〜30%のエチレンとプロピレンとのコポリマー;
(3)エチレンと酢酸ビニル又はプロパン酸ビニル等の2〜6個の炭素原子を有する少なくとも1つの飽和カルボン酸ビニルエステルとのコポリマー;
(4)エチレンと好ましくはカルボキシル基の隣にエチレン性不飽和結合を有する不飽和酸のエステルとのコポリマー。
【0013】
不飽和酸は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸又は桂皮酸等の一塩基酸が好ましいが、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタコン酸又はムコン酸等の二塩基酸でもよい。二塩基酸の場合には、不飽和酸エステルはモノエステルでもよいが、ジエステルであるのが好ましい。不飽和酸エステルを誘導するアルコールは1〜8個の炭素原子を有するのが好ましい。エステル化グループは直鎖でも、分岐していてもよく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、イソアミル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル又はイソオクチルにすることができる。
【0014】
このコポリマーはエチレンから誘導された基や不飽和酸エステルから誘導された基の以外の下記のような各種の基から誘導されたグループを有することができる。
【0015】
不飽和ジカルボン酸無水物(これはコポリマー中に約5重量%までの比率で存在することができる。この無水物は無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、好ましくは無水マレイン酸の中から選択する);不飽和グリシジルモノマー(それはコポリマー中に約18重量%までの比率で存在することができる。グリシジルモノマーはグリシジルメタクリレート及びアクリレート、イタコン酸モノ−又はジグリシジル、ブテントリカルボン酸モノ−、ジ−及びトリグリシジルの中から選択することができる);アイオノマー(Ca、Mg、又はZnで全体又は一部が塩化されたエチレン/アクリル又はメタクリル酸のコポリマー等)。
【0016】
スチレン系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレン等のα−置換スチレン、オルトクロロスチレン、パラメチルスチレン等の芳香環が置換されたスチレン等のビニル芳香族化合物ポリマー、アクリロニトリル等のコモノマーと上記のビニル芳香族化合物とのコポリマー、ポリブタジエン又はポリイソプレンにグラフトした前記ポリマーを挙げることができ、具体的には、ポリスチレン、耐衝撃ポリスチレン(HIPS)とよばれる、ポリブタジエンにグラフトされたポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)を挙げることができる。
【0017】
ポリアミド系樹脂としては、1つ又は複数のアミノカプロン酸、アミノ−7−ヘプタン酸、アミノ−11−ウンデカン酸等のアミノ酸、1つ又は複数のカプロラクタム、ラウリルラクタム等のラクタム、1つ又は複数のヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等のジアミンの塩又は混合物と、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等のジアシッドとの縮合で得られるポリアミド又は上記モノマーの混合物の縮合で得られるコポリアミドを挙げることができ、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12を挙げることができる。
【0018】
(メタ)アクリル系樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、これらのアルキルエステルの単独重合体あるいは共重合体。ポリメタクリル酸メチル等を挙げることができる。
【0019】
ポリビニルアルコールとしては、エチレン−ビニルエステルコポリマーの一部又は全部をアルコール化して得られる3〜75モル%のエチレンを含むエチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH)を挙げることができる。
【0020】
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステルを挙げることができる。
【0021】
本発明では、膨張剤系として、(b)炭化水素多価アルコール又は炭水化物類、(c)発泡剤及び(d)難燃性脱水剤を使用する。
【0022】
本発明で用いる(b)炭化水素多価アルコール又は炭水化物類としては、1又は2以上のポリヒドロキシル化合物を使用することができる。
【0023】
ポリヒドロキシル化合物としては、グルコース、マルトース及びアラビノース等の糖類、アラビトール、エリトリトール、ソルビトール、イノシトール、トリメチロールプロパン、グリセロール、モノ−、ジ−及びトリペンタエリトリトール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のポリヒドロキシルポリマー、式(C6H10O5)nのデンプン、ポリエチレングリコール等のポリヒドロキシルアルコール及びエチレン/ビニルアルコールコポリマー、燃焼中に熱分解によってヒドロキシル化合物を生成するようなポリウレタン又はポリエステル等を挙げることができ、これらの中でもモノ−、ジ−及びトリペンタエリトリトールが特に好ましい。
【0024】
本発明で用いる(c)発泡剤は、燃焼時に窒素やアンモニアのような非引火性ガスを形成する窒素含有化合物が好ましい。このような化合物としては、メラミン、メラム、メレム、アンメリン、アンメリド、尿素、グアナミン、シアナミド、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、グアナゾール、ウラゾール、ベンゾイミダゾール、エチレンジメラミン、ジエチレントリメラミン、ピペラジン等を挙げることができ、これらの中でもメラミンとその誘導体、例えばグアナミンが好ましい。
【0025】
本発明で用いる(d)難燃性脱水剤、即ち、燃焼時に酸を生成する化合物としては、特にH3PO4、H3PO3、H4P2O7等の燐を含む酸を生じる、アミン塩、アンモニウム塩又はエステル等が好ましい。
【0026】
このような化合物としては、燐酸アンモニウム、ピロ燐酸アンモニウム、ポリ燐酸アンモニウム、燐酸メラミン、亜燐酸メラミン、亜燐酸ピペラジン、二亜燐酸ピペラジン、亜燐酸グアナゾール、ピロ燐酸メラミン、ピロ燐酸ピペラジン、トリエチルホスフェート等の燐酸エステル、エチルホスホン酸ジエチル等のホスホン酸エステルを挙げることができる。特に、一般式(NH4)n+2PnO3n+1(ここで、n≧2の整数を表す)に対応するポリ燐酸アンモニウムが好ましい。
【0027】
本発明の組成物では、膨張剤系を構成する(b)、(c)及び(d)成分が、それぞれ別々の化合物である必要はなく、例えば、(c)発泡剤と(d)難燃性脱水剤とをアミン塩、アンモニウム塩等の単一化合物の形で使用してもかまわない。
【0028】
本発明の組成物では、膨張剤系として、(a)成分としてモノ、ジ又はトリペンタエリトリトールを使用し、(b)成分としてポリ燐酸アンモニウムを使用することが好ましい。
【0029】
本発明では、(a)、(b)及び(c)成分からなる膨張剤系の相対比を広い範囲で変えることができ、例えば、〔(c)+(d)〕/(b)の重量比を1〜7、好ましくは2〜4の範囲で変えることができる。
【0030】
上記した(b)、(c)及び(d)成分からなる膨張剤系の総含有量は、組成物中、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
【0031】
本発明で用いる(e)金属酸化物としては、珪素を含む金属酸化物、他の種類の金属酸化物との混合物若しくは化合物、又は珪素を含む金属酸化物に珪素以外の金属酸化物を担持させたものを挙げることができる。
【0032】
珪素以外の金属酸化物としては、P、Sb等のVB族、B、Ga等のIIIB族(アルミニウムは除く)、Ti、Zr等のIVA族、Sn等のIVB族、Fe、Co等のVIII族の金属元素の酸化物又はこれらの混合物が好ましい。
【0033】
(e)金属酸化物は、次の一般式(I)で表される複合系珪酸塩が好ましい。
【0034】
(M’qOr)u(SiO2)p (I)
(式中、M’は、IA族、IIA族、P、Sb等のVB族、B、Ga等のIIIB族(アルミニウムは除く)、Ti、Zr等のIVA族の金属原子、Sn等のIVB族、Fe、Co等のVIII族の金属原子又はこれらの混合物を示し、p、q、r及びuは整数を示す。)
(e)金属酸化物は、次の一般式(II)で表される複合系珪酸塩がより好ましい。
【0035】
Mx[(M’vOw)y(SiO2)z] (II)
(式中、MはLi、Na、K等のアルカリ金属の陽イオン、Ba、Ca、Mg等のアルカリ土類金属の陽イオン、NH4 +、テトラアルキルアンモニウム陽イオン及び水素イオン(H+)から選ばれる1種を示し、M’は、P、Sb等のVB族、B、Ga等のIIIB族(アルミニウムは除く)、Ti、Zr等のIVA族の金属原子、Sn等のIVB族、Fe、Co等のVIII族の金属原子又はこれらの混合物を示し、v、w、x、y、zは整数を示す。)
(e)金属酸化物としては、シリカ−酸化チタン(SiO2−TiO2)、シリカ−酸化リン(SiO2−P2O5)、シリカ−酸化マグネシウム(SiO2−MgO)、シリカ−酸化ジルコニウム(SiO2−ZrO2)及びシリカ−酸化リン−酸化チタン(SiO2−P2O5−TiO2)から選ばれる1又は2以上のものが好ましい。
【0036】
(e)金属酸化物の含有量は、組成物中、好ましくは0.25〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。金属酸化物の含有量が0.25重量%以上であると難燃性の付与効果を高めることができ、10重量%以下であると機械的性質が低下することが防止される。
【0037】
本発明の組成物は、上記した(a)〜(e)成分を含むものであるが、必要に応じて各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、着色顔料、染料、紫外線安定剤、離型剤、熱劣化安定剤、帯電防止剤、ガラス繊維等の充填剤・強化材等を挙げることができる。
【0038】
また本発明の組成物には、膨張剤系以外の難燃剤を配合することができ、このような難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、赤リン等のリン系化合物、トリアジン化合物やグアニジン化合物等の(c)発泡剤とは異なる窒素系難燃剤、シリコーン化合物系難燃剤、(d)成分とは異なる有機リン酸エステル類等を挙げることができる。これらの中でも、本発明で用いる膨張剤系と併用し、難燃性又は機械物性等を低減させないためには、有機リン酸エステル系の難燃剤が好ましい。
【0039】
本発明の組成物を製造するに際しては、予め粉砕・ふるい分けして直径を200μm以下にした(b)〜(d)成分からなる膨張剤系に(e)成分を加え、タンブラー又はミキサー等を使用し、乾燥状態で機械的に混合した後、溶融した(a)合成樹脂に前記(b)〜(e)成分からなる混合物を加え、ニーダー、一軸押出し機、二軸押出し機を使用して混和すればよい。
【0040】
本発明の組成物は、大きな難燃性を必要とする塗料、接着剤に混合することができる。また、本発明の組成物を耐火・遮断扉の内部被覆成分として使用すると、火災時には膨張して炭化発泡体となって断熱効果を発揮する。本発明の難燃性組成物は、電気ケーブルの被覆剤として使用することもできる。
【0041】
【実施例】
以下に、実施例、比較例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例では、下記の各成分を使用した。
(a)成分
耐衝撃性ポリスチレン(HIPS):東洋スチレン製R65
ABS樹脂:セビアン500(ダイセル化学工業製)
PMMA:メタクリル酸メチル重合体:住友化学製アクリペットVF
ABS/PBT:ダイセル化学製ABS(セビアン500)と、ポリブチレンテレフタレート(ポリプラスチックス社製”ジュラネックス2000”)との62/38(重量比)ブレンド
PA6:ユニチカ製ナイロン、”ユニチカナイロンA1030BRF”
PP:グランドポリマー製のポリプロピレン,”グランドポリプロJ106W”
(b)、(c)、(d)成分(膨張剤系)
APP/diPER:ポリ燐酸アンモニウム(APP)とジペンタエリトリトール(diPER)とからなる、APP/diPERの重量比が3/1の混合物。ここで用いたポリ燐酸アンモニウムは、リンの含有量が29重量%であるクラリアントジャパン社から市販のエキソリット422であり、ジペンタエリトリトールは広栄化学から市販されているジペントリットである。
(e)成分
(e−1):日揮化学製N633L。アルミノ珪酸塩。SiO2/Al2O3=84/13(重量比)
(e−2):日揮化学製LZY−54。アルミノ珪酸塩。SiO2/Al2O3=83/17(重量比),Na含量13重量%、Fe含量0.13重量%)
(e−3):日揮化学製MFI−300。アルミノ珪酸塩。SiO2=99重量%、Al2O3<1重量%
(e−4):日揮化学製 SAPO−11。アルミノ珪酸塩。SiO2/Al2O3/P2O5=6/39/52(重量比)
(e−5):日揮ユニバーサル製E55Y。シリカ−酸化チタン、TiO2が70重量%、Si/Al=435。(ごくわずかのAlしか含まれていない)
(e−6):日揮ユニバーサル製E36C1。P2O5−SiO2=1/2(重量比)
(e−7):日揮ユニバーサル製E48A2。SiO2/P2O5/TiO2=30/60/10(重量比)
(e−8):NEケミキャット製。シリカ−酸化ホウ素。Si/B元素比は約50
(e−9):NEケミキャット製。シリカ−酸化ガリウム。Si/Ga元素比は約50
(e−10):NEケミキャット製。シリカ−酸化スズ。Si/Sn元素比は約50
(e−11):NEケミキャット製。シリカ−酸化チタン。Si/Ti元素比は約50
(e−12):NEケミキャット製。シリカ−酸化鉄。Si/Fe元素比は約50
(e−13):NEケミキャット製。シリカ−酸化コバルト。Si/Co元素比は約50。
【0042】
実施例1〜18、比較例1〜7
表1、表2、表3に示す各成分(重量%表示)を使用し、ペレット状又は粉末状の(a)成分、粉末状の(b)〜(e)成分とをバレル中で乾燥状態で混合した後、二軸押出し機により200〜250℃で溶融混練し、ペレット化した。
【0043】
得られたペレットを乾燥し、射出成形(シリンダー温度200〜250℃)により試験片を作成し、JIS規格 K7201により酸素指数(OI)(%で表示)を測定し、UL94燃焼試験を実施した(試験片の厚さ=3.2mm)。結果を表1、表2、表3に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
(a)合成樹脂に対して、(b)〜(d)の膨張剤系のみを配合した比較例と、更に(e)金属酸化物を配合した実施例との対比から明らかなとおり、膨張剤系と金属酸化物を併用することによって、酸素指数が大幅に向上されており、その結果、難燃性を高めることができた。なお、(a)合成樹脂に(e)金属酸化物を配合しただけでは、酸素指数は殆ど上昇しない。
【0048】
【発明の効果】
本発明の組成物は、(a)合成樹脂に対して、(b)〜(d)成分からなる膨張剤系と(e)成分の金属酸化物を併用して配合することによって、酸素指数を大幅に高めることができるので、優れた難燃性を有する成形品を得ることができる。
Claims (4)
- (a)合成樹脂、(b)炭化水素多価アルコール又は炭水化物類、(c)発泡剤、(d)難燃性脱水剤及び(e)珪素を含む金属酸化物を含有しており、
(e)珪素を含む金属酸化物が、次の一般式(II)で表される複合系珪酸塩である難燃性樹脂組成物。
(M’ q O r ) u (SiO 2 ) p (I)
(式中、M’は、P、Sb、B、Ga、Ti、Zr、Sn、Fe、Co又はこれらの混合物を示し、p、q、r及びuは整数を示す。) - (a)合成樹脂、(b)炭化水素多価アルコール又は炭水化物類、(c)発泡剤、(d)難燃性脱水剤及び(e)珪素を含む金属酸化物を含有しており、
(e)珪素を含む金属酸化物が、次の一般式(II)で表される複合系珪酸塩である難燃性樹脂組成物。
M x [(M’ v O w ) y (SiO 2 ) z ] (II)
(式中、MはLi、Na、Kのアルカリ金属の陽イオン、Ba、Ca、Mgのアルカリ土類金属の陽イオン、NH 4 + 、テトラアルキルアンモニウム陽イオン及び水素イオン(H + )から選ばれる1種を示し、M’は、P、Sb、B、Ga、Ti、Zr、Sn、Fe、Co又はこれらの混合物を示し、v、w、x、y、zは整数を示す。) - (e)珪素を含む金属酸化物が、シリカ−酸化チタン(SiO2−TiO2)、シリカ−酸化リン(SiO2−P2O5)、シリカ−酸化マグネシウム(SiO2−MgO)、シリカ−酸化ジルコニウム(SiO2−ZrO2)及びシリカ−酸化リン−酸化チタン(SiO2−P2O5−TiO2)から選ばれる1又は2以上のものである請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1記載の難燃性樹脂組成物からなる成形品。
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