JP4573857B2 - 逐次更新型非定常検出装置、逐次更新型非定常検出方法、逐次更新型非定常検出プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

逐次更新型非定常検出装置、逐次更新型非定常検出方法、逐次更新型非定常検出プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、多数の入力データから統計的な解析を行って非定常状態を検出する逐次更新型非定常検出装置、逐次更新型非定常検出方法、逐次更新型非定常検出プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体に関する。
多数のパターンの中から非定常パターンを判別する従来技術には、
(1)学習されたサンプルから構成される辞書とのマッチングをとり、辞書に類似サンプルがあれば(あるいは、なければ)非定常と判別する
(2)多数のサンプルの学習によって生成された識別関数の出力によって判別する
などの方法がある。
オンライン入力データを扱う場合には、高速性を確保するため、前記(1)の方法で高速なマッチングを行う、もしくは前記(2)の方法で固定の識別関数を用いて判別する、という方法がとられてきた。
しかし、(a)大量のサンプルに定常、非定常のラベルづけするだけのコストがかけられない、(b)あらかじめ各カメラごとに学習に充分な数のサンプルを得ることが困難である、(c)設定後に状況が変化してしまう、といった場合も多く、識別辞書の精度を高めるのは容易ではない。
特に入力が映像であって、多数のカメラから構成される遠隔監視システムの映像に対して非定常パターンの判別を適用する状況を考えると、いずれの問題も起こりえる。
このため屋内で環境が比較的安定している場合を除き、安定した非定常パターンの判別を行うのは困難である。こうした理由により、現在のところ非定常の実用的なシステムは、環境や人の出入りの状況などが比較的安定し、特徴抽出機能や識別機能を逐次更新する必要がないアプリケーションに限られている。
非特許文献1は、前記(2)の方法によるエレベータ内の監視における非定常検出で、実用化されている例であるが、「人物の移動範囲が狭く出現者数が少ないといった好条件が整っているため」安定した結果が得られることが文献中に述べられている。
前記問題点(a)に対する解決手段としては、学習手法を教師なし手法にする必要がある。また前記(b),(c)に対する解決手段としては、学習を逐次的に行う手法にしてサンプルが加わるごとに識別軸を更新できるようにする必要がある。
このような背景を考慮すると、監視システム適用などに向けた非定常検出には初期状態では少数サンプルしか得られなくても、オンライン動作によって人手をかけることなく識別精度を向上させることができる逐次学習機能をもち、教師無し学習を前提とした手法であることが求められる。
教師無し学習を用いた非定常検出の従来手法には、確率モデルを用いる方法があり、画像の変化領域の時空間特徴量の確率モデルを推定し、転びなどの非定常動作を検出する手法などが提案されている。
確率モデルは逐次更新が可能であるが、入力をすべてそのままモデル更新に加えてしまうと、新たに入力されたサンプルがはずれ値であった場合、モデルがはずれ値の影響を受けて更新されてしまう恐れがある。そこで、はずれ値かどうかを判定してから更新データに加えるかどうかを決定する必要があると考えられるが、サンプルが少数の間はそのサンプルがはずれ値か否かは判定しにくいため、あらかじめある程度の数の定常データでモデルを生成しなくてはならない。
逐次学習については、移動する監視ロボットでは視野画像の定常状態を更新することが重要なため、いくつかの手法が提案されており、画素値の発生確率を用いるものがある。その他、侵入検知システムにおいて、オンラインで入力されるサンプルを識別し、定常と識別されたサンプルを加えてマスク領域の背景を重みづけ更新するといった手法がある。しかしより複雑な特徴量に対応するには、特徴空間における識別面を更新する手法を適用しなくてはならない。
映像から非定常判定を高精度に行うには、時空間特徴を用いることが有効である。人物や物体の位置の要因から非定常となる場合と、動きの方向や動きの速度の要因から非定常となる場合が想定されるためである。
非特許文献2,3ではこの理由から時空間特徴を用いている。しかし識別空間の逐次更新機能はない。時空間特徴は次元数が大きいが、次元数の大きな特徴量の識別に適した識別手法で逐次更新を行う手段がなかったためである。
尚、本発明に関連する、インクリメンタルPCA(主成分分析)のアルゴリズムは、非特許文献4に記載され、インクリメンタルSVM(サポートベクターマシン)のアルゴリズムは非特許文献5に記載されている。
鷲見和彦、関真規人、塩崎秀樹、"画像によるエレベータ内異常検知技術"、情報処理、Vol.〜48、No.〜1、pp.〜17−22,2006. 数藤、若林、荒川、安野、"長時間の監視映像からの非定常シーケンスの検出"、情処研究報告CVIM−151,pp.77−82,2005. 数藤、大澤、若林、安野、"映像時空間内での変化領域を特徴量とする監視映像からの非定常度推定"、信学技報Vol.106、No.75、pp.49−54,2006. Juyang Weng,Yilu Zhang and Wey−Shiuan Hwang,"Candid Covariance−free Incremental Principal Component Analysis,"IEEE Trans. Pattern Analysis and Machine Intelligence,vol.〜25、no.〜8、pp.〜1−16,〜2003. G.Cauwenberghs,T.Poggio,"Incremental and Decremental Support Vector Machine Learning,"Proc. Neural Information Processing,no.〜13、pp.〜409−415,2000. URL:http://citeseer.ist.psu.edu/454996.html 最終アクセス日:2007年5月15日
前記技術的な背景から、次元数の大きな特徴量を入力として扱うことができ、且つ新たなサンプルが追加入力されることによって識別系を逐次更新することが可能な非定常検出の方法が必要である。
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、次元数の大きな特徴量を入力として扱うことができ、且つ、新たなサンプルが追加入力されることによって識別系を逐次更新することが可能な逐次更新型非定常検出装置、逐次更新型非定常検出方法、逐次更新型非定常検出プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
非定常検出の主な方法として、
(1)定常のパターンや非定常のパターンそのものと入力パターンを照合する方法
(2)定常のパターンや非定常のパターンを確率的にモデル化し、入力パターンがモデルに一致する確率を求める方法
(3)非線形識別手法であるSVM(サポートベクターマシン)を利用し、入力パターンが学習によって作成した識別空間の定常と非定常のどちら側に存在するかで識別する方法
などがある。
識別精度を考えると、前記(1),(2),(3)の順で、より次元数の少ない入力パターンを扱う場合に適している。
例えば映像からの非定常検出において、時空間特徴を用いる場合、入力パターンの次元数は(1フレームの画素数)×(フレーム数)となる。このような場合には、前記(1)よりも(2)、(2)よりも(3)が適している。
しかし、計算効率も考えると、次元数が大きい場合には前記(3)を用いても最適化の計算時間やメモリ容量といったコストがかかるため、高速性を確保するためには効率良く扱う必要がある。
こうした場合、一般的に主成分分析(PCA)による次元圧縮の適用が妥当と考えられる。
そこで、主成分分析による次元圧縮特徴を入力としてSVMによる学習を行う系であって、入力サンプルを逐次的に反映して識別軸を更新するような識別系を用いる。
しかし、このような識別系の構築は、以下の2つの問題があるため容易ではない。
問題1
PCAの部分空間を更新するには、通常はそれまでの入力データをすべて記憶しておかなくてはならない。SVMの識別軸の更新についても同様である。このため、大量のメモリが必要になる。
問題2
PCAの部分空間に対して逐次学習を行う場合、逐次学習の前後で異なる部分空間に射影されたベクトル(PCA特徴とする)が生成される。つまり、逐次学習前の部分空間への射影で生成されたPCA特徴と、逐次学習後の部分空間への射影で生成されたPCA特徴とは、同じ尺度で比較ができない。
そこで本発明では、
前記問題1を解決する手段として、
PCAの部分空間はインクリメンタルPCAによって、SVMの識別空間はインクリメンタルSVMによって、いずれも逐次更新する。この場合、記憶するのはPCAによって少ない次元数で表現されたサポートベクタのみでよく、高次元の入力特徴をすべて保存しておく必要がない。
前記問題2を解決する手段として、
少ない数の上位の固有値で充分な寄与率が得られるという条件のもとではSVMの評価関数の最適化計算におけるベクトル間の距離尺度が変わらないことを利用する。
すなわち本発明の請求項1に記載の逐次更新型非定常検出装置は、1サンプルごと、或いは少数のサンプルごとに逐次入力されるデータから統計的な解析によって非定常状態を検出する装置であって、入力データからインクリメンタルPCA(主成分分析)のアルゴリズムを用いて統計的な処理によって特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成手段と、前記生成された特徴ベクトルを用いてインクリメンタルSVM(サポートベクターマシン)のアルゴリズムにより非定常状態を検出する識別手段とから成り、前記特徴ベクトル生成手段は特徴空間モデル記憶部を有し、前記識別手段は識別辞書モデル記憶部を有し、前記特徴ベクトル生成手段は、入力データが入力されるごとに、それを構成する所定フレームを、前記特徴空間モデル記憶部に記憶されている特徴空間モデルに新たに加えて当該特徴空間モデルを更新し、前記入力データの特徴ベクトルを、前記更新された特徴空間モデルに射影して次元圧縮した特徴ベクトルを求め、前記識別辞書モデル記憶部に記憶されている、入力ベクトルを更新前の特徴空間モデルに射影した形のサポートベクタ群を、前記更新された特徴空間モデルに射影したサポートベクタ群に更新し、前記識別手段は、前記次元圧縮した特徴ベクトルが入力されるごとに前記識別辞書モデル記憶部に記憶されているサポートベクタ群を更新し、該更新による非定常判定のインクリメンタルSVMの関数に基づいて非定常状態を検出することを特徴としている。
また請求項2に記載の逐次更新型非定常検出装置は、請求項1において、前記入力データは映像の変化領域抽出に基づく時空間データであることを特徴としている。
また、本発明の請求項3に記載の逐次更新型非定常検出方法は、特徴ベクトル生成手段および識別手段を備え、1サンプルごと、或いは少数のサンプルごとに逐次入力されるデータからインクリメンタルPCA(主成分分析)のアルゴリズムを用いて統計的な解析によって、インクリメンタルSVM(サポートベクターマシン)のアルゴリズムにより非定常状態を検出する方法であって、前記特徴ベクトル生成手段が、入力データが入力されるごとに、それを構成する所定フレームを、特徴空間モデル記憶部に記憶されている特徴空間モデルに新たに加えて当該特徴空間モデルを更新する第1の更新ステップと、前記特徴ベクトル生成手段が、前記入力データの特徴ベクトルを、前記更新された特徴空間モデルに射影して次元圧縮した特徴ベクトルを求めるステップと、前記特徴ベクトル生成手段が、識別辞書モデル記憶部に記憶されている、入力ベクトルを更新前の特徴空間モデルに射影した形のサポートベクタ群を、前記更新された特徴空間モデルに射影したサポートベクタ群に更新する第2の更新ステップと、前記識別手段が、前記次元圧縮した特徴ベクトルが入力されるごとに前記識別辞書モデル記憶部に記憶されているサポートベクタ群を更新する第3の更新ステップと、前記識別手段が、前記第3の更新ステップの更新による非定常判定のインクリメンタルSVMの関数に基づいて非定常状態を検出するステップとを備えたことを特徴としている。
また請求項4に記載の逐次更新型非定常検出方法は、請求項3において、前記入力データは映像の変化領域抽出に基づく時空間データであることを特徴としている。
また、本発明の請求項5に記載の逐次更新型非定常検出プログラムは、コンピュータを、請求項1または2に記載の特徴ベクトル生成手段および識別手段として機能させる逐次更新型非定常検出プログラムとしたことを特徴としている。
また、本発明の請求項6に記載の記録媒体は、請求項5に記載の逐次更新型非定常検出プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としたことを特徴としている。
(1)請求項1〜6に記載の発明によれば、次元数の大きな特徴量を入力として扱うことができ、且つ、新たなサンプルが追加入力されることによって識別系を逐次更新することが可能な非定常検出を実施することができる。
例えば、監視カメラ映像等の映像から非定常なシーンを検出する際に、次第に蓄積されていくシーンを逐次学習して定常度合いの算出に用いることで、予め定常、及び非定常なシーンの学習を行うことなく、非定常なシーンの検出が可能となる。
(2)また、入力サンプルを逐次的に反映して識別軸を更新可能な、PCAによる次元圧縮特徴を入力としてSVMによる学習を行う識別系が構築できる。PCAの部分空間はインクリメンタルPCAによって、SVMの識別空間はインクリメンタルSVMによって、いずれも逐次更新することができるので、入力サンプルが増加するほど精度が増す。
従来では、PCAの部分空間に対して逐次学習を行う場合、逐次学習の前後で異なる部分空間に射影されたベクトル(PCA特徴とする)が生成され、逐次学習前の部分空間への射影で生成されたPCA特徴と、逐次学習後の部分空間への射影で生成されたPCA特徴とは、同じ尺度で比較ができないため、インクリメンタルな入力を行う系でPCAとSVMを合わせ用いることができなかった。
本発明によれば、少ない数の上位の固有値で充分な寄与率が得られるという条件のもとではSVMの評価関数の最適化計算におけるベクトル間の距離尺度が変わらないことを利用し、SVMにかける前にPCAによって少ない次元数で表現することで計算量を減らし、SVMのサポートベクタを次元圧縮された形で記憶することでメモリ容量を節約できる。
このため、入力が映像から得られる時空間データのように高次元の特徴量となる場合にも逐次学習による非定常検出を行うことができる。
映像監視からの非定常検出では、非定常なデータが学習に充分なほど得られないことがほとんどであるが、本発明を利用すれば、初期状態では少数サンプルしか得られなくても、オンラインの教師無しサンプル入力によって人手をかけることなく識別精度を向上させることができる。
また、あらかじめ定常と非定常を定義することが困難であったり、定常と非定常のラベルづけを行うコストがかけられない場合も多いが、本発明のアルゴリズムにおいて、SVMは教師無しの場合(1クラスSVM)にも適用できるため、学習させるために定常と非定常のラベルづけを行わなくてもデータをとり続けるだけで識別系の精度を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
図1は本実施形態例の全体構成を示すブロック図であり、11は本発明の特徴ベクトル生成手段としての特徴ベクトル生成部である。110は特徴ベクトル生成手段が有している特徴空間モデル記憶部である。
12は本発明の識別手段としての識別部であり、120は識別手段が有している識別辞書モデル記憶部である。
これら特徴ベクトル生成部11、特徴空間モデル記憶部110、識別部12および識別辞書モデル記憶部120は、例えばコンピュータで構成され、該コンピュータによって後述する各処理が実行されるものである。
図1において、データがオンラインで入力されると、特徴ベクトル生成部11において特徴ベクトルが生成される。特徴ベクトルは、識別部12で識別にかけられ、非定常判定結果が出力される。
特徴ベクトル生成部11は、特徴空間モデル記憶部110に記憶されている特徴空間モデルと識別辞書モデル記憶部120に記憶されている識別辞書と新しい入力データを用いて特徴空間モデルを逐次更新し、更新された特徴空間モデルを用いて新しい入力データを特徴ベクトルに変換する。
識別部12は、特徴空間モデル記憶部110に記憶されている特徴空間モデルと識別辞書モデル記憶部120に記憶されている識別辞書と新しい入力データを用いて識別辞書モデルを逐次更新し、更新された識別辞書モデル記憶部120に記憶されている識別辞書を用いて識別を行い非定常状態を検出する。
次に、図2を用いて、特徴ベクトルの生成と、識別の具体的な実現方法の実施例を説明する。サンプルがオンライン的に入力される場合、サンプルの増加に伴いSVMの識別辞書だけでなく、入力の特徴量の圧縮を行う主成分分析の部分空間も変化していくと考えられる。そこで、部分空間はインクリメンタルなPCA(IPCA)によって求め、その結果をインクリメンタルなSVM(ISVM)の入力とすることができる。
始めに、映像(サイズw×hの画像の時系列)が特徴ベクトル生成部11に入力される。次に、動領域抽出を行って二値化したのち、tフレームずつを1サンプルと考えて、w×h×t次の時空間特徴とする。
このままでは次元数が大きく識別にコストがかかるので、主成分分析を行う。変化領域の時系列が1サンプルが入力されるごとに、それを構成するtフレームを新たに加えて部分空間を更新する(図2の更新(1))。部分空間の更新には、非特許文献4に開示されたIPCAのアルゴリズムを用いる。
こうして生成される部分空間への射影によって、w×h×t次の時空間特徴をp×t次に圧縮する。以下、このp×t次の圧縮された特徴量を主成分特徴と呼ぶことにする。
次にこの主成分特徴を識別器(識別部12)への入力として、非定常検出を行う。
主成分特徴が1サンプル入力されるごとに、このサンプルを新たに加えて識別軸の更新を行う(図2の更新(3))。識別器にははずれ値検出手法の一つである1クラスSVMを用いて、識別軸の更新には非特許文献5に開示されたISVMのアルゴリズムを用いる。
ただし、入力データが教師つきで得られる場合には、SVMの判別式は2クラス識別の判別式を用いることもできる。
少ない数の上位の固有値で充分な寄与率が得られるという条件が満たされる場合には、二つの元の特徴ベクトル間の距離は主成分特徴間の距離として小さいデータ量で表現できる。
そこで評価関数の最適化計算に用いるサンプル間の距離尺度を変えずにSVMの学習の際の計算が効率化できる。
監視データから非定常判定を行うとき、大多数のデータが定常的で、少ない数の上位の固有値で充分な寄与率が得られるという条件が満たされることが多いため、この手法を適用することができる。
このとき、識別演算に用いるサポートベクタは、元の入力ベクトルを一回前インクリメント時の部分空間に射影した形で識別辞書のモデルに保存されている。これを更新された部分空間に射影しなおす必要がある(図2の更新(2))。
具体的な計算式は図3のようになる。図3において、xは入力ベクトル、Uは部分空間への射影行列、XSVはISVMのサポートベクトル集合、αとρは1クラスSVMのパラメータ、f(x)は1クラスSVMの識別関数である。右肩の数字(n)はインクリメントの回数を示す。xnはn番目の入力ベクトルである。
図4は部分空間とSVMの識別関数のインクリメントの処理フローを示し、各プロセスにおける計算式(更新式)は、図3の計算式(1)〜(4)に対応している
まず特徴ベクトルxnが入力されると、部分空間Un-1はUnに更新される(ステップS1;更新(1))。SVMの識別関数に必要となる、サポートベクタ群は部分空間への投影によって次元圧縮された状態で記憶されているが、このサポートベクタ群Un-1SV n-1をUnSV n-1に更新する(ステップS2;更新(2))。
また、特徴ベクトルxnを部分空間Unに投影し、次元圧縮した特徴ベクトルx’n=Unnを求める(ステップS3)。
次にISVMの処理を行う。まず、サポートベクタ群XSV n-1とこれを次元圧縮したサポートベクタ群UnSV n-1を更新しUnSV nを記憶し、次にサポートベクタのパラメータαn-1とρn-1をαnとρnに更新する(ステップS4;更新(3))。
これらのパラメータによって更新されたISVMの関数fn(x)を用いて、入力された特徴ベクトルxnを圧縮したベクトルx’nを関数に入力し(ステップS5)、非定常判定結果fn(x’n)を出力する(計算式(4))。
以上のプロセスにおいて、識別系の更新と、最新の入力データに対する出力との順序を逆にすることも可能であり、その場合は、更新する前のfn-1(x)を用いて非定常判定結果fn-1(x’n)を出力したのち、上記と同様にfn-1(x)をfn(x)に更新する(図4のステップS5と非定常判定結果出力との処理順序を逆にする)。
上記処理の流れを図3で説明するならば、まずn−1ステップめのIPCAの結果の部分空間U(n-1)が生成されており、新たな入力ベクトルxnが加わるとき、U(n-1)はxnを用いてインクリメントされU(n)が生成される(図3の式(1))。
n−1ステップめの結果ISVMのサポートベクトル集合XSV (n-1)が得られている。これはU(n-1)にxn-1を投影したx’n-1=U(n-1)n-1の部分集合から成るベクトルであるからこれを現在の部分空間に投影したベクトルに修正する(図3の式(2)。そして、新たな入力x’n=U(n-1)nを加えてISVMのインクリメントを行い、αとρを更新する(図3の式(3))。これらの更新されたパラメータを用いて、1クラスSVMの識別関数f(x’n)を求める(図3の式(4))。
識別器(識別部12)の出力は、1クラスSVMの識別関数の出力(スカラー)である。このスカラーaの値は、定常サンプルとみなされた場合a>0、非定常サンプルとみなされた場合a<0となる。
a<0のとき、|a|の値が大きいほど定常からのはずれ具合が大きいとみなすことができる。これを本発明における出力の非定常度と呼ぶことにする。
次に入力サンプル数と識別器(識別部12)の出力との関係を図5〜図7とともに具体的に説明する。
図5は、ある時系列特徴を逐次的に入力として識別関数のインクリメントを行った場合、入力サンプルの時系列に対して非定常度を出力すると、インクリメント回数によってどのような変化があるかを模式的に示した図である。
図6は図5における具体的なサンプル数、出力値を示したグラフであり、サンプル数は図5のA,B,Cに対応している。
図7は実際のATMと同じつくりのセットにおいて撮影した監視映像である。
図5〜図7において、開始フレームをずらして一定フレーム数分を1サンプルとして入力する。1サンプル中に、非定常シーンのフレームが含まれているサンプルは非定常、含まれていないサンプルは定常とする。理想的には、急激な映像の変化が起こらない限り、連続した複数のサンプルに対する出力値は近い値となり、開始時刻が隣り合うサンプル同士で出力値の符号が急激に変わることはない。
図5、図6に示すように、学習サンプル数が少ない場合(図示(A))、出力値が細かく正負に振れる現象が見られ、それらの負の値に対応するサンプル全てが非定常ではない。しかし図示B,Cの順に学習サンプルを増やすことで、非定常となる誤検出が減少し、図6のように出力グラフが滑らかになっていくことが期待される。
監視映像としては、人が順番に機械の前に来て操作をし、立ち去る様子を定常シーン(図7(a),(b))として多数撮影した。また、操作者の背後から携帯カメラで盗撮するシーン(図7(c))を非定常として撮影し、これらを1つのビデオに編集したものを用いた。
非定常のラベルがつくのは200サンプルの周辺、それ以外はすべて定常である。20サンプル前後は、最初に背景中に人物が出現するシーン、200サンプル前後は盗撮シーン、その中間は機械操作のシーンである。
図5、図6において、A,B,Cと学習サンプルを増やしていくと、20サンプル前後における出力の非定常誤検出が減少していくことがわかる。また、B,Cと学習サンプルを増やすことで、40サンプル前後の非定常誤検出が減少していることがわかる。
人物の出現するシーンは他に類似シーンがないため非定常として誤検出されているが、更に入力サンプルを増やして類似シーンを追加していくと、定常として学習されると考えられる。
また、本実施形態の逐次更新型非定常検出装置における各手段の一部もしくは全部の機能をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータを用いて実行して本発明を実現することができること、本実施形態の逐次更新型非定常検出方法における手順をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータに実行させることができることは言うまでもなく、コンピュータでその機能を実現するためのプログラムを、そのコンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えばFD(Floppy(登録商標) Disk)や、MO(Magneto−Optical disk)、ROM(Read Only Memory)、メモリカード、CD(Compact Disk)−ROM、DVD(Digital Versatile Disk)−ROM、CD−R,、CD−RW,HDD,リムーバブルディスクなどに記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記のプログラムをインターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。
本発明の一実施形態例の構成を示すブロック図。 本発明の具体的な実施例の構成を示すブロック図。 本発明の特徴ベクトル生成手段および識別手段で処理される更新式、計算式の説明図。 本発明の各手段が実行する処理の流れを示すフローチャート。 入力サンプル数と識別器の出力の関係を示す特性図。 入力サンプル数と識別器の出力の関係を示すグラフ。 入力データとして用いられる監視映像を示す説明図。
符号の説明
11…特徴ベクトル生成部、12…識別部、110…特徴空間モデル記憶部、120…識別辞書モデル記憶部。

Claims (6)

  1. 1サンプルごと、或いは少数のサンプルごとに逐次入力されるデータから統計的な解析によって非定常状態を検出する装置であって、
    入力データからインクリメンタルPCA(主成分分析)のアルゴリズムを用いて統計的な処理によって特徴ベクトルを生成する特徴ベクトル生成手段と、前記生成された特徴ベクトルを用いてインクリメンタルSVM(サポートベクターマシン)のアルゴリズムにより非定常状態を検出する識別手段とから成り、
    前記特徴ベクトル生成手段は特徴空間モデル記憶部を有し、
    前記識別手段は識別辞書モデル記憶部を有し、
    前記特徴ベクトル生成手段は、入力データが入力されるごとに、それを構成する所定フレームを、前記特徴空間モデル記憶部に記憶されている特徴空間モデルに新たに加えて当該特徴空間モデルを更新し、前記入力データの特徴ベクトルを、前記更新された特徴空間モデルに射影して次元圧縮した特徴ベクトルを求め、前記識別辞書モデル記憶部に記憶されている、入力ベクトルを更新前の特徴空間モデルに射影した形のサポートベクタ群を、前記更新された特徴空間モデルに射影したサポートベクタ群に更新し、
    前記識別手段は、前記次元圧縮した特徴ベクトルが入力されるごとに前記識別辞書モデル記憶部に記憶されているサポートベクタ群を更新し、該更新による非定常判定のインクリメンタルSVMの関数に基づいて非定常状態を検出する
    ことを特徴とする逐次更新型非定常検出装置。
  2. 前記入力データは映像の変化領域抽出に基づく時空間データであることを特徴とする請求項1に記載の逐次更新型非定常検出装置。
  3. 特徴ベクトル生成手段および識別手段を備え、1サンプルごと、或いは少数のサンプルごとに逐次入力されるデータからインクリメンタルPCA(主成分分析)のアルゴリズムを用いて統計的な解析によって、インクリメンタルSVM(サポートベクターマシン)のアルゴリズムにより非定常状態を検出する方法であって、
    前記特徴ベクトル生成手段が、入力データが入力されるごとに、それを構成する所定フレームを、特徴空間モデル記憶部に記憶されている特徴空間モデルに新たに加えて当該特徴空間モデルを更新する第1の更新ステップと、
    前記特徴ベクトル生成手段が、前記入力データの特徴ベクトルを、前記更新された特徴空間モデルに射影して次元圧縮した特徴ベクトルを求めるステップと、
    前記特徴ベクトル生成手段が、識別辞書モデル記憶部に記憶されている、入力ベクトルを更新前の特徴空間モデルに射影した形のサポートベクタ群を、前記更新された特徴空間モデルに射影したサポートベクタ群に更新する第2の更新ステップと、
    前記識別手段が、前記次元圧縮した特徴ベクトルが入力されるごとに前記識別辞書モデル記憶部に記憶されているサポートベクタ群を更新する第3の更新ステップと、
    前記識別手段が、前記第3の更新ステップの更新による非定常判定のインクリメンタルSVMの関数に基づいて非定常状態を検出するステップと
    を備えたことを特徴とする逐次更新型非定常検出方法。
  4. 前記入力データは映像の変化領域抽出に基づく時空間データであることを特徴とする請求項3に記載の逐次更新型非定常検出方法。
  5. コンピュータを、請求項1または2に記載の特徴ベクトル生成手段および識別手段として機能させる逐次更新型非定常検出プログラム。
  6. 請求項5に記載の逐次更新型非定常検出プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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