JP4573466B2 - 車両の情報管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自転車、自動二輪車および乗用車等の車両の情報を管理するための情報管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自転車のフレームに、自転車の車台番号等を自転車のユーザ情報に対応させて電気的に書き込んだステッカを貼付し、警察官等が携帯する読み取り器でステッカの登録情報を読出すようにした情報管理システムが、たとえば特開2000−67331号公報で既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来のものでは、ステッカの貼付位置が明らかであるのでステッカを剥いでしまうことが容易であり、ステッカが剥がれてしまった自転車からユーザ情報を得ることは不可能となる。またステッカへの電気的な書き込みは、自転車の購入者が決まったときに自転車の販売店で行わねばならず、各販売店が、ステッカ発行装置を備える必要がある。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、車両ユーザの情報を得ることを不能とするための工作を簡単にはできないようにするとともに、車両販売店での新たな設備投資を不要とした車両の情報管理システムを提供することを第1の目的とする。
【0005】
また車両の駐車場への入・出庫管理を行なうために、車両ユーザにカードを携帯させておき、そのカードの読取りに応じて、駐車場への車両の入・出庫管理を行なうようにしたものが既に実現されているが、そのようなものでは、車両ユーザがカードを読み取り器に挿入する操作が必要であるので面倒であり、しかも車両ユーザがカードの携帯を忘れたときには入・出庫管理が不能となる。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、登録車両の駐車場への入・出庫管理を面倒な操作を不要として確実に行ない得るようにした車両の情報管理システムを提供することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車両毎に異なるコードのみを予め記憶するとともに記憶したコードを要求信号の受信に応じて送信し得るIDタグを、車両の一部を構成する被埋設部材に外部からの視認を不能として車両出荷前に予め埋設しておき、販売店での車両販売時に当該車両が備えるIDタグのコードと車両ユーザとの関係が定まるのに基づき、当該車両のIDタグのコードに関連させた車両ユーザの情報を前記販売店から特定の管理センタに連絡して、この情報を該特定の管理センタで管理し、前記コードを異にした全てのIDタグに共通な前記要求信号の送信ならびに前記IDタグからの前記コードのみの受信を可能とした読み取り器による読み取りに基づく照会に応じて、照会したコードに対応した車両ユーザの情報を照会者が前記管理センタから得ることを特徴とする。
【0008】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、車両のIDタグからコードのみを読み取って管理センタに照会することで、その車両のユーザの情報を容易に得ることができる。しかもIDタグは、車両の一部を構成する被埋設部材に、外部からの視認を不能として車両出荷前に予め埋設されるものであるので、通常はIDタグの位置は不明であり、車両からIDタグを除去してしまう工作は容易ではない。またIDタグが記憶するのは、車両毎に異なるコードのみであり、車両メーカからの車両出荷時に車両に具備されていればよく、車両の販売店は、車両の販売によって当該車両が備えるIDタグのコードと車両ユーザとの関係が定まることに基づいて、車両ユーザの情報をIDタグのコードに関連させて管理センタに連絡すればよく、販売店で新たに必要とする設備はなく、販売店での新たな設備投資は不要である。
【0009】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、警察官に前記読み取り器を携帯させるとともに前記IDタグの車両への埋設位置を予め認識させておき、不審な車両のIDタグから読み取った前記コードを前記管理センタに照会することにより、前記不審な車両を保有する真のユーザの情報を警察官が得るようにしたことを特徴とし、かかる構成によれば、不審な車両のIDタグからコードを読み取って管理センタに照会することで、その不審な車両の真のユーザの情報を警察官が得ることができ、盗難にあった車両の捜索が容易となる。
【0010】
さらに上記第2の目的を達成するために、請求項3記載の発明は、車両毎に異なるコードのみを予め記憶するとともに記憶したコードを要求信号の受信に応じて送信し得るIDタグを、車両の一部を構成する被埋設部材に外部からの視認を不能として車両出荷前に予め埋設しておき、販売店での車両取得時に当該車両が備えるIDタグのコードを認識した車両ユーザの申し出に応じて、駐車場の入・出庫を管理する管理センタに当該車両のIDコードを登録し、前記コードを異にした全てのIDタグに共通な前記要求信号の送信ならびに前記IDタグからの前記コードのみの受信を可能として駐車場の出入口に設置した読み取り器による読み取りに基づいて、前記管理センタで駐車場への前記車両に対する入・出庫を管理することを特徴とする。
【0011】
このような請求項3記載の発明の構成によれば、駐車場の出入口で車両のIDタグから各車両毎に異なるコードのみを読み取ることで、管理センタではその車両の駐車場に対する入・出庫を容易に管理することができる。しかもIDタグは、車両の一部を構成する被埋設部材に、外部からの視認を不能として車両出荷前に予め埋設されるものであるので、車両ユーザがカードを携帯する場合に比べて面倒な操作が不要であり、また車両ユーザがカードの携帯に注意を払う必要もなく、確実な入・出庫管理が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】
図1および図2は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は情報管理システムの構成を示すブロック図、図2はIDタグおよび読み取り器の構成を示すブロック図である。
【0014】
先ず図1において、車両として、たとえば自動二輪車Vを製造する車両メーカ1は、その自動二輪車Vの一部を構成する合成樹脂製の被埋設部材に、外部から視認することを不能としてIDタグ2を埋設した状態で自動二輪車Vを出荷する。而して被埋設部材としては、たとえば左右一対のバックミラー3…の一方における合成樹脂製のミラーハウジング3aが選択される。
【0015】
図2において、IDタグ2は、アンテナコイル4と、該アンテナコイル4に接続される送・受信回路5と、送・受信回路5に接続されるICチップ6とを備え、たとえば合成樹脂から成るケース中に埋封される。
【0016】
このようなIDタグ2では、読み取り器7から送信される要求信号をアンテナコイル4が受信したときの電磁誘導作用によって該アンテナコイル4に起電力が生じ、その起電力が直流に変換されて送・受信回路5およびICチップ6に供給される。それにより、自動二輪車V毎に異なるようにしてICチップ6が予め記憶しているコードのみが、アンテナコイル4から発信されることになる。
【0017】
一方、読み取り器7は、アンテナコイル8と、該アンテナコイル8に接続される送・受信回路9と、送・受信回路9を制御する制御回路10と、制御回路10に操作信号を入力する操作部11と、制御回路10で制御される表示部12と、バッテリ13とを備え、警察官等が携帯し得るように構成される。
【0018】
この読み取り器7では、IDタグ2に該読み取り器7を近接させた状態で操作部11を警察官等が操作するのに応じて、制御回路10は、送・受信回路9を介してアンテナコイル8から要求信号を出力させる。この際、アンテナコイル8から出力される要求信号は、コードを異ならせた全てのIDタグ2に共通なものであり、要求信号の受信に応じてIDタグ2から発信される固有のコードはアンテナコイル8から送・受信回路9を介して制御回路10に入力され、制御回路10は、入力されたコードのみを表示するように表示部12を作動せしめる。すなわち読み取り器7により、自動二輪車Vが備えるIDタグ2のコードのみを読み取ることができる。
【0019】
再び図1において、IDタグ2を備える自動二輪車Vは販売店14での購入により車両ユーザに譲渡されることになるが、販売店14は、販売した自動二輪車Vが備えるIDタグ2のコードと車両ユーザとの関係が定まることに基づいて、車両ユーザの情報たとえば住所、氏名および電話番号等を当該自動二輪車VのIDタグ2のコードに関連させて管理センタ15に連絡する。一方、管理センタ15では、車両ユーザの情報をIDタグ2のコードに関連させて図示しないコンピュータにデータベース化して記憶させておき、携帯電話16等の電話による照会や、パソコン17を用いた通信による照会に応じて、照会したコードに対応した車両ユーザの情報を回答することができる。
【0020】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、自動二輪車V毎に異なるコードを要求信号の受信に応じて送信し得るIDタグ2を、自動二輪車Vの一部であるミラーハウジング3aに埋設しておき、販売店14での自動二輪車Vの販売時に当該自動二輪車Vが備えるIDタグ2のコードと車両ユーザとの関係が定まることに基づき、当該車両VのIDタグ2のコードに関連させた車両ユーザの情報を販売店14から管理センタ15に連絡して、この情報を該管理センタ15で管理し、読み取り器7による読み取りに基づく照会に応じて、照会したコードに対応した車両ユーザの情報を照会者が前記管理センタ15から得るようにしている。
【0021】
したがって自動二輪車VのIDタグ2からコードのみを読み取って管理センタ15に照会することで、その自動二輪車Vのユーザの情報を容易に得ることができる。
【0022】
また警察官に読み取り器7を携帯させるとともにIDタグ2の埋設位置を予め認識せしめておき、不審な自動二輪車VのIDタグ2からコードを読み取って管理センタ15に照会することで、その自動二輪車Vを保有する真の車両ユーザの情報を警察官が得ることができ、盗難にあった自動二輪車Vの捜索が容易となる。
【0023】
しかもIDタグ2は、ミラーハウジング3aに外部からの視認を不能として埋設されるものであるので、通常はIDタグ2の位置は不明であり、第三者が自動二輪車VからIDタグ2を除去してしまう工作は容易ではない。
【0024】
またIDタグ2が記憶するのは、自動二輪車V毎に異なるコードであり、車両メーカ1からの自動二輪車Vの出荷時に自動二輪車Vに具備されていればよく、販売店14は、自動二輪車Vの販売によって当該自動二輪車Vが備えるIDタグ2のコードと車両ユーザとの関係が定まることに基づいて、車両ユーザの情報をIDタグ2のコードに関連させて管理センタ15に連絡すればよく、販売店14で新たに必要とする設備はなく、販売店14での新たな設備投資は不要である。
【0025】
図3は本発明の第2実施例を示すものであり、駐車場への自動二輪車V等の車両の入・出庫を管理する管理センタ18のコンピュータのソフトウエアは、予め登録してある自動二輪車Vの入・出庫にあたっては駐車場の出入口に設置して在るゲートバー19を開くように構築されており、前記出入口には、その出入口を通過する車両たとえば自動二輪車Vにおける一方のバックミラー3のミラーハウジング3aに埋設されたIDタグ2からコードを読み取るための読み取り器7,7が、たとえばゲートバー19を支持する一対の支柱20,20内に配置される。
【0026】
而して読み取り器7…は全ての車両のIDタグ2…に共通な要求信号を送信するとともに、出入口を通過する自動二輪車V等の車両が備えるIDタグ2からのコードのみを受信するものであるが、読み取り器7およびIDタグ2間の距離を一定に定めるのは困難であるので、読み取り器7はIDタグ2に近接しなくても良い程度の交信能力を有するものが用いられる。
【0027】
ところで車両ユーザは、販売店14(第1実施例の図1参照)での自動二輪車Vの取得時に当該自動二輪車Vが備えるIDタグ2のコードを認識することができるものであり、認識したコードを車両ユーザが申し出ることに応じて、前記管理センタ18は、申し出のあったコードをコンピュータに登録することになる。
【0028】
この第2実施例によれば、駐車場の出入口の読み取り器7…からコードを異にした全てのIDタグ2…に共通な要求信号を送信するとともに、出入口を通過する自動二輪車V等の車両が備えるIDタグ2からのコードのみを読み取り器7…で受信することで、管理センタ18に登録してある車両であるか否かを管理センタ18のコンピュータで判断することができ、ゲートバー19の開閉を制御するようにして駐車場への自動二輪車V等の車両の入・出庫を管理することが可能となる。
【0029】
しかもIDタグ2が、自動二輪車Vの一部であるミラーハウジング3aに外部からの視認を不能として埋設されるものであるので、車両ユーザがカードを携帯する場合に比べて面倒な操作が不要であり、また車両ユーザがカードの携帯に注意を払う必要もなく、駐車場に対する確実な入・出庫管理が可能となる。
【0030】
上記第2実施例では、予め登録してある自動二輪車Vの入・出庫にあたってゲートバー19を開くようにしたが、自動二輪車Vの出入口の通過のみを検知して駐車場への入・出庫管理を行なう場合にも本発明を適用することができる。
【0031】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0032】
たとえば上記実施例では、主として自動二輪車Vを取り上げて説明したが、本発明は、自転車や乗用車等の他の車両にも適用可能である。また上記実施例ではミラーハウジング3aを被埋設部材としたが、車両の一部を構成するとともにIDタグ2を外部からの視認不能として埋設し得るものであれば、ミラーハウジング3a以外の部材を被埋設部材としてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、販売店での新たな設備投資を不要とするとともに車両からIDタグを除去することを困難としつつ、車両のユーザの情報を容易に得ることができる。
【0034】
また請求項2記載の発明によれば、不審な車両の真のユーザの情報を警察官が得ることができ、盗難にあった車両の捜索が容易となる。
【0035】
さらに請求項3記載の発明によれば、面倒な操作を不要としつつ、車両の駐車場に対する入・出庫を容易にかつ確実に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の情報管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 IDタグおよび読み取り器の構成を示すブロック図である。
【図3】 第2実施例の情報管理システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
V・・・車両としての自動二輪車
2・・・IDタグ
3a・・・被埋設部材としてのミラーハウジング
7・・・読み取り器
14・・・販売店
15,18・・・管理センタ
Claims (3)
- 車両(V)毎に異なるコードのみを予め記憶するとともに記憶したコードを要求信号の受信に応じて送信し得るIDタグ(2)を、車両(V)の一部を構成する被埋設部材(3a)に外部からの視認を不能として車両出荷前に予め埋設しておき、
販売店(14)での車両販売時に当該車両(V)が備えるIDタグ(2)のコードと車両ユーザとの関係が定まるのに基づき、当該車両(V)のIDタグ(2)のコードに関連させた車両ユーザの情報を前記販売店(14)から特定の管理センタ(15)に連絡して、この情報を該特定の管理センタ(15)で管理し、
前記コードを異にした全てのIDタグ(2)に共通な前記要求信号の送信ならびに前記IDタグ(2)からの前記コードのみの受信を可能とした読み取り器(7)による読み取りに基づく照会に応じて、照会したコードに対応した車両ユーザの情報を照会者が前記管理センタ(15)から得ることを特徴とする車両の情報管理システム。 - 警察官に前記読み取り器(7)を携帯させるとともに前記IDタグ(2)の車両(V)への埋設位置を予め認識させておき、不審な車両(V)のIDタグ(2)から読み取った前記コードを前記管理センタ(15)に照会することにより、前記不審な車両(V)を保有する真のユーザの情報を警察官が得るようにしたことを特徴とする請求項1記載の車両の情報管理システム。
- 車両(V)毎に異なるコードのみを予め記憶するとともに記憶したコードを要求信号の受信に応じて送信し得るIDタグ(2)を、車両(V)の一部を構成する被埋設部材(3a)に外部からの視認を不能として車両出荷前に予め埋設しておき、
販売店(14)での車両取得時に当該車両(V)が備えるIDタグ(2)のコードを認識した車両ユーザの申し出に応じて、駐車場の入・出庫を管理する管理センタ(18)に当該車両(V)のIDコードを登録し、
前記コードを異にした全てのIDタグ(2)に共通な前記要求信号の送信ならびに前記IDタグ(2)からの前記コードのみの受信を可能として駐車場の出入口に設置した読み取り器(7)による読み取りに基づいて、前記管理センタ(18)で駐車場への前記車両(V)に対する入・出庫を管理することを特徴とする車両の情報管理システム。
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