本発明は、半田等からなる導電性部材のような射出対象物をノズルの所定位置に配置した後に、検出対象物を接合対象部材間に射出し、これら接合対象部材を接合する接合装置に関するものである。特にノズルの所定位置に射出対象物が配置されたことを検出する検出対象物の検出方法、及び当該方法によって検出対象物の位置を検出できる接合装置、接合方法に関する。
例えば、磁気ヘッドの製造において、所謂磁気ヘッドコアに設けられた電極と、コアを支持する所謂ジンバル上の配線端部と、を接続する工程が存在する。当該工程向けに、例えば特許文献1(図13)に開示されるような、電極525-配線端部529との近接部分に半田ボール515を供給し、半田ボール515を介してこれらの電気的接続を図る方法が知られている。
この方法では、導電性材料である半田ボール515を用い、且つ半田ボール515が多数個保持された部分より一個ずつ分離するために複数の貫通孔517が、回転中心より所定距離を離れ且つ一定の角度間隔で配置された円盤状部材513を用いている。円盤状部材513が回転することにより貫通孔517に入り込んだ半田ボール515が個別に分離、移送される。貫通孔517が半田ボール515の搬送経路511と連通する位置において、半田ボール515が自重によって搬送経路511内を落下し、半田ボール515が所定の供給位置に移動する。更に、半田ボール515は当該供給位置にてレーザ光503の照射を受け、溶融することによって電極525‐配線端部529間の電気的接続を行っている。当該方法においては、搬送経路を半田ボールの酸化を防止するために供給される窒素ガス、窒素混合気体等の供給経路としても用いており、窒素ガスによって半田ボールの供給位置への移動のアシストを行っている。
ここで、磁気ヘッドはこれを搭載する磁気記録装置(所謂HDD:Hard Disk Drive装置)の小型化、高性能化に伴って、近年益々微小化及び構造の複雑化が進められている。磁気ヘッドと同様に半田ボールも小径化が著しく、特許文献1に開示される方法の場合、電極‐配線端部間の所定位置に対してこれを確実に保持することが困難となってきている。
このような状況に対処する手法が特許文献2に開示されている。当該手法においては、内部に設けられた空間内に半田ボールを保持するノズルにおいて半田ボールの供給用開口を小径化し、当該開口の内側に詰まるようにして半田ボールを保持する。保持状態のノズルを電極等に接触させること無くこれらに対して位置決めし、その後半田ボールをレーザ光にて溶融すると共にノズル内部の圧力を高くして溶融した半田ボールを開口部から射出させ、電極上の所定位置に溶融半田を付着させることとしている。
特開2002−170351号公報
特表2004−534409号公報
特許文献2に開示される構成においても、特許文献1に開示される構成と同様の貫通孔を有する回転円盤を用いて半田ボールの個別搬送を行っており、自由落下及び窒素ガスによるアシストによってレーザ光照射位置に半田ボールを移送することとしている。当該構成において、ノズルの内部空間は半田ボールによって略密閉状態とされ、この状態にて内部空間に窒素ガスを送ることによって溶融半田ボールの射出に要する内部空間内の圧力上
昇を行っている。
ここで、磁気ヘッド等の小型化による電極サイズ或いは電極ピッチの微細化に伴って、用いる半田ボールの径は60μm程度にまで小さくなってきている。当該サイズの半田ボールにおいては、静電気等による回転円盤への付着、半田ボールに作用する重力に対するノズル内の窒素による抵抗の増加等が生じることから、半田ボールがノズルの所定位置に達するまでに要する時間が大きな径の半田ボールと比較して長くなってしまう。
このため、半田ボールが射出されるノズルのノズル開口に達したか否かは時間によって管理することが困難となってきている。従来は、このような半田ボールの所定位置への到達を判定するために、ノズルの内部空間内の圧力を測定し、圧力の上昇をもってこれを感知することとしている。当該方法は、例えば窒素ガス流によるアシストによって半田ボールが射出されるノズル開口に移送し、ノズル開口が半田ボールによって閉鎖された後も窒素ガスの供給を行うことによって所定圧力までノズルの内部空間の圧力が増加することに基づき判定するものである。
しかし、ノズル開口の閉鎖に伴った圧力上昇にはある程度の時間を要する。また、閉鎖状態等によっては圧力が所定値まで上昇するまでの時間にもばらつきが生じる可能性がある。このため、実際の処理においては例えば1〜2秒といった待機時間のばらつきがあり且つ待機時間自体も長いものとなっていた。
また、従来の如く時間或いは圧力によって半田ボールのノズル内所定位置への移送終了を検知する場合には、半田ボールの移送をアシストする窒素ガス等のガスの流量、流速等を制御パラメータとして考慮する必要があった。
本発明は以上述べた状況に鑑みて為されたものであり、半田等からなる導電性部材のような検出対象物を対象物保持部に保持し、これを接合対象部材間に射出し、接合対象部材間の接合を行うための接合装置において、対象物保持部に検出対象物が保持されたことを確実且つ迅速に検出する検出対象物の検出方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、当該方法によって位置が検出された検出対象物を用いて、接合対象部材に対して検出対象物を供給し且つ検出対象物を溶融して接合対象部材間を接合する接合装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の検出対象物の検出方法の第1の態様は、検出対象物に熱線を照射する照射部とともに使用され、前記検出対象物を保持し、開口を有する対象物保持部において、前記検出対象物の有無を検出する検出方法であって、撮像素子により前記開口を有する所定領域の画像信号を撮像し、
前記照射部の照射光路と、前記撮像素子の撮像光路と、を光学的手段によって、前記開口内において略一致させる。
本発明の検出対象物の検出方法の第2の態様によれば、前記検出対象物が導電性部材であり、前記対象物保持部がノズルである。
本発明の検出対象物の検出方法の第3の態様によれば、前記撮像素子はCMOSである。
本発明の検出対象物の検出方法の第4の態様によれば、前記CMOSを用いて撮像された前記画像信号を積分することで積分値を算出し、前記積分値が所定値を超えていない場合には前記検出対象物が無いと判断し、前記積分値が所定値を超えている場合には前記検出対象物が有ると判断する。
本発明の検出対象物の検出方法の第5の態様によれば、前記CMOSを用いて撮像された一画面分の前記画像信号のうち、画面範囲から任意のエリアを選択抽出し、前記エリア内の画像信号の積分値を算出する。
本発明の検出対象物の検出方法の第6の態様によれば、前記CMOSは1/6インチである。
また、上記課題を解決するための本発明の接合方法の第1の態様は、ノズルから略球状の導電性部材を接合対象物に射出し前記接合対象物を電気的に接合する接合方法であって、 前記ノズルの開口部の直径より大きい外径を有する前記導電性部材を用意し、前記導電性部材を前記ノズルの外側から前記ノズルの開口部に圧着させ、上記第2の態様乃至第6の態様いずれかの検出対象物の検出方法により前記検出対象物の有無を検出し、前記検出工程において前記検出対象物があると判断された場合には、前記ノズルの内部空間内に圧縮気体を供給し、前記内部空間内が所定の圧力値の際に、前記開口部に圧着させた前記導電性部材に対して前記内部空間を介して熱線を照射し、前記圧縮気体により固相状態のままで前記導電性部材を前記接合対象物に射出する。
また、本発明の接合方法の第2の態様によれば、前記導電性部材の前記開口部に対する圧着は、前記ノズルを前記導電性部材に対して押圧することにより行う。
本発明の接合方法の第3の態様によれば、前記導電性部材の前記開口部に対する圧着を補助するために、前記内部空間を介して前記開口部に吸引力を付与する。
本発明の接合方法の第4の態様によれば、前記導電性部材が射出された後、さらに前記導電性部材に熱線の照射を継続する。
さらに、上記課題を解決するための本発明の接合装置の第1の態様は、外部空間を連通し、射出物が射出されるノズル開口部を有するノズルを備えるノズル組立体と、前記ノズル開口部に前記射出物を供給する供給部と、前記ノズル内のノズル開口を有する所定領域の画像信号を撮像する撮像部と、撮像された画像信号に基づいて射出物の有無を判断する識別部と、を有する検出部と、前記射出物に熱線を照射する照射部と、前記照射部の照射光路と、前記撮像部の撮像光路とを、少なくとも前記ノズル内において一致させるように、前記照射光軸上若しくは前記撮像光軸上に配置される光学部材と、前記射出物を射出するため圧縮気体を前記内部空間に導入する射出気体供給部と、前記射出物を前記ノズル組立体から射出させるため、前記供給部により前記射出物が供給され、前記検出部により前記ノズル開口部に前記射出物が存在すると判断されると、前記内部空間に前記圧縮気体を供給し、前記射出物に熱線を照射する、という一連の動作を制御する制御部と、を備える。
本発明の接合装置の第2の態様によれば、前記撮像部は、光学レンズと撮像素子によって構成され、前記撮像素子はCMOSである。
本発明の接合装置の第3の態様によれば、前記CMOSを用いて撮像された前記画像信号を積分することで積分値を算出し、得られた積分値が、所定値を超えていないと前記射出対象物が存在しないと判断し、所定値を超えていると前記射出対象物が存在すると判断する識別部をさらに有する。
本発明の接合装置の第4の態様によれば、さらに、前記CMOSで撮像された一画面分の画像信号のうち、画面範囲から任意のエリアを選択抽出するエリア選択抽出部を備え、前記識別部は、前記任意のエリアの画像信号に基づき判断する。
本発明の接合装置の第5の態様によれば、前記CMOSは1/6インチである。
本発明の接合装置の第6の態様によれば、前記射出物を固相状態で前記ノズル組立体から射出する。
本発明の接合装置の第7の態様によれば、前記供給部は、前記射出物を貯留している貯留部に対して相対的に前記ノズルを接離させ、前記射出物を開口部に圧着させるための圧着手段である。
本発明の接合装置の第8の態様によれば、前記ノズルの外部側から前記ノズル開口部に射出物を補助的に圧着させる手段を有する。
本発明の接合装置の第9の態様によれば、前記射出物は、略球状の導電性部材で、前記ノズル開口の径は前記導電性部材の径より小さい。
さらに、本明細書において、導電性部材とは、半田、金などの金属材料あるいは合金などの、接合する対象である部材同士を電気的に接続できる部材を意味する。また、導電性部材の形状は、球状に限らず、立方体形状、円錐体形状等をも含むものである。
また、透光性のない検出対象物とは、光を全く通さない部材に限らず、光をほぼ通さない部材をも含む。
本発明の検出対象物の検出方法及び接合装置によれば、極微小径の検出対象物が対象物保持部に達したことを迅速且つ確実に検出することが可能となる。従って、接合装置における検出対象物へ供給する時間を短時間に的確に管理することができるようになり、接合時間の短縮化が可能となる。
また、照射光路と撮像光路とが開口内において略一致しているので、撮像工程と照射工程とを異なる場所で行うことが不要となり、接合作業を迅速に行える。
以下、本発明の検出対象物の接合装置の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図面において同一部分は同一符号で示してある。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態の接合装置を示す側面図である。接合装置1は、導電性で透光性のない検出対象物が保持され、先端のノズル開口3aから検出対象物(若しくは射出物)を射出するノズル3を有する対象物保持部であるノズル組立体5と、ノズル組立体5内に導電性部材を供給する供給部7と、導電性部材が所定位置にあるか否かを判断するための検出部13と、導電性部材を溶融するための熱線を照射する照射部15と、ノズル組立体5内に供給部7により検出対象物をノズル組立体5内に供給した後に検出部13を駆動させる制御部17と、を備える。さらに、検出部13は、ノズル組立体5のノズル3内でノズル開口3aを有する所定領域の画像信号を撮像する撮像部9及び画像信号を積分して得られた積分値が所定値を超えていない場合には、前記検出対象物が無いと判断する画像処理部11を有する。以下に上述した各要素について説明する。
ノズル組立体5は、ノズル本体19と、ノズル本体19と同心にその下部に連結され、ノズル開口3aを有する先細り形状のノズル3と、ノズル開口3aを開閉するストッパ21と、を有する。
ストッパ21は、側面が略L字形状の薄い板部材であり、その厚さは、ノズル開口3aに位置する検出対象物を、ノズル開口3aを画成するノズル3の周壁と協働して支持できるように寸法付けされていればよい。よって、ノズル開口3aをストッパ21が完全に閉鎖する必要はない。なお、図1中において、ストッパ21はノズル開口3aを閉じた状態が示されている。不図示のストッパ駆動部により、ストッパ21を移動又は揺動(図中の矢印方向)させることにより、ノズル開口3aの開閉を行う。また、ノズル本体19の内部空間はノズル3の半田収容空間と連通し、ノズル本体19の内部空間内に後述する供給部7から移送された導電性部材がノズル開口3aに移動する構成である。
また、ノズル本体19の上面は、後述の光学ユニット32からの導光ができるように透光性の遮蔽部材20で形成されている。このように、ノズル組立体5の内部空間は、ノズル開口3aを除き密閉された空間が形成される。
ノズル組立体5の上方には、検出部13と照射部15が配置されている。検出部13は、筐体27、筐体27内に配置されるCCD、CMOS等の撮像素子23、ノズル開口3aから撮像素子23までの撮像光路上に配置される光学系の結像レンズ25を有する撮像部9と、撮像素子23からの画像信号を用いて画像処理を行い、導電性部材が所定位置に存在するか否かを識別する画像処理部11を有する。また、撮像素子23の撮像光軸31は、ノズル開口3aのほぼ中心を通るように配置されている。
照射部15は、検出対象物を溶融するため図中において下方に向かい熱線を照射する光源29を備える。本実施形態では光源29の照射光軸33は、撮像部13の撮像光軸31と、ほぼ平行になるような関係である。また、光源29からの熱線は、後述する光学ユニット32により、ノズル組立体5内へ導かれ、ノズル開口3aのほぼ中心を通る。このように、熱線の照射光路と撮像光路とは、少なくともノズル開口3a内ではほぼ一致する。従って、ノズル組立体5の内部空間は、撮像光路及び照射光路として機能する。
光学ユニット32は、照射部15及び検出部13と、ノズル組立体5との間に介在している。光学ユニット32の筐体内に熱線の照射光軸33上に配置される反射ミラー35と、撮像部9の撮像光軸31上に配置されるハーフミラー37と、を備える。従って、光源29から鉛直方向下方に進む熱線の照射光路は、反射ミラー35により90度右方に変えられる。さらに熱線の照射光路は、ハーフミラー37により、鉛直方向下方に変えられ、熱線がノズル組立体5内そしてノズル開口3aへ導かれる。
供給部7は、検出対象物をノズル組立体5内へ供給する部材である。たとえば、圧縮ガスを供給できるエア源と、検出対象物を貯留する貯留部と、を備える構成で、エア源からのエアにより、貯留部からノズル組立体5内へ検出対象物を供給する。
さらに、制御部17は、照射部15の熱線の光源29、検出部13の画像処理部11、供給部7、対象物保持部5のストッパ21に連結され、それぞれの部材の動作を所定のタイミングで駆動するように制御する。
上記構成の接合装置1は、以下のように動作する。まず、制御部17からの指令によりストッパ21がノズル開口3aを閉鎖する(図1の状態)。次に、制御部17からの指令により、供給部7で圧縮ガス等により単一の検出対象物がノズル組立体5内に供給される。
次に、検出部13により、ノズル3のノズル開口3aに検出対象物が存在するか否かが判断される。検出部13の撮像部9としては、CCDやCMOS等の撮像素子を利用した撮像装置を用いることができる。撮像装置により、ノズル開口3aを有する所定領域の画像信号を得た後、画像処理部11において画像信号を積分し積分値を得る。さらに、その積分値が所定値を超えている場合には、検出対象物が開口部3aに位置付けられていると判断する。反対に積分値が所定値を超えていない場合には、検出対象物がノズル開口3aに存在しないと判断される。
また、検出対象物の有無を識別するための所定値は、ノズル開口に検出対象物がある場合と、ノズル開口に検出対象物がない場合とについて予め試験を行うことで適切な値を求めておく。なお、検出対象物をノズル開口3aに供給する工程では、ストッパ21がノズル開口を閉じた状態であるので、上述の所定値は、ストッパによりノズル開口3aが部分的に塞がれることを考慮して設定することが好ましい。
次に、画像処理部11が、導電性部材がノズル開口3aに到達している、と判断すると、画像処理部11は制御部17に対して検出対象物が到着したことを示す到着信号を制御部17に発する。
制御部17は、この到着信号を受け取ると、ストッパ21の駆動部に対し駆動信号を発し、ストッパ21を開放するとともに、照射部15の光源29に対し駆動信号を発し、照射部15の光源29から熱線が検出対象物に照射される。ここで、ストッパ21と照射部15は、同期しており、ストッパ21の開放と同時もしくは一定時間の時差を持って熱線が導電性部材に照射される。すなわち、一定時間の時差がある場合には、導電性部材がノズル開口3aを通過した後に照射されることになる。
また、導電性部材を射出する手段としては、重力による自由落下、供給部7から検出対象物を射出する際に利用する圧縮ガス、または、ノズル組立体5の内部に圧縮ガス(窒素等の不活性ガス)を供給するための射出エア供給源すなわち射出気体供給部を設ける等、種々の構成が適用できる。
以下に、本発明の接合装置を半田付け装置に適用した実施例1について説明する。図2は、半田付け装置の模式図であり、図3は、半田付け装置の要部を示す部分断面図であり、(a)〜(d)は、半田ボールを射出する工程を示す。図4は、半田付け装置の要部ブロック図である。なお、図3(b)〜(d)は、半田ボールを供給し、射出するまでの工程を明確にするため、説明に不要な部材を割愛した。
半田ボール接合装置301は、架台352と、架台352の作業面352a上に配置されるx方向移動可能なx軸方向移動ステージ364及びy軸方向移動可能なy軸方向移動ステージ360と、x軸方向移動ステージ364の上面に固定されるワーク358を搬送するワークトレー366と、y軸方向移動ステージ360上に固定されるz軸方向移動可能なz軸方向移動ステージ362と、z軸方向移動ステージ362に装着される対象物保持部であるノズル組立体305と、撮像部313と、照射部315と、制御部と、供給部と、を備える。制御部及び供給部は、図面の明瞭化のため図2から割愛した。
ノズル組立体305は、ノズルアーム368を介してz軸方向移動ステージ362に固定され、ノズルアーム368が図2中の上下方向を移動する構成である。また、撮像部313及びレーザ照射部315は、ノズル組立体305に載置されているので、ノズル組立体305の移動とともにz軸方向に移動する。
さらに、z軸方向移動ステージ362が、y軸方向移動ステージ360に固定されているので、z軸方向移動ステージ362がy軸方向(図2の左右方向)に移動可能である。他方、ワーク358のx軸方向(図2の紙面の表裏方向)への移動は、x軸方向ステージ364に固定されているワークトレー366を移動することにより行う。
ワークトレー366のワーク載置面366aは、鉛直方向に対して傾斜しており、載置面366a上にワーク358が載置され、電極間の接合がなされる。なお、本実施例では、ワーク358として、ハードディスクに用いられる電子部品を用い、具体的には磁気ヘッドスライダ370が装着されたフレキシャ372である。磁気ヘッドスライダ370の電極とフレキシャ372の電極との接合は、半田ボールを用いて半田付けにより行われる。ここで、両電極は90度の角度を挟んで配置され、これらの電極が形成する角部に半田ボールを配置し、当該ボールをレーザ光により溶融してこれらの電極間の電気的接合が行われる。
以下に、半田ボール接合装置301の主要部について説明する。半田ボール接合装置301の主要部は、導電性部材である半田ボール304が保持され、先端の開口303aから半田ボール304を射出するノズル303を有するノズル組立体305と、ノズル組立体305内に半田ボール304を供給する供給部307と、半田ボール304が所定位置にあるか否かを判断するための検出部313と、半田ボール304を溶融するためのレーザを照射する照射部315と、ノズル組立体305、供給部307、照射部315、及び検出部313を制御する制御部317と、を備える。さらに、検出部313は、ノズル303内の開口303aを有する所定領域(撮像領域)を撮像する撮像部309及び撮像部309により撮像された撮像信号に基づいて半田ボール304が所定位置にあるか否かを判断する画像処理部311を有する。
まず、ノズル組立体305は、上部が透光性の遮蔽部材320で形成されたノズル本体319と、ノズル本体319と同心で、その下部に連結され、ノズル開口303aを有する先細り形状のノズル303と、ノズル開口303aを開閉し略逆L字状ストッパ324と、を有する。L字状ストッパ324は公知のピエゾ素子等の駆動手段により移動(矢印371方向)することで、ノズル開口303aの開閉を行う。
なお、図3(a)中において、L字状ストッパ324はノズル開口303aを閉じた状態で示されている。また、ノズル本体319の内部空間319bとノズル303の半田収容空間303bは連通し、後述する供給部307からノズル本体319の内部空間319b内に半田ボール304が移送されると、当該半田ボール304がノズル開口303a近傍に移動する構成である。
ノズル本体319の内部空間319bの内径、ノズル303の半田収容空間303bの内径および開口303aの径は、少なくとも半田ボール304の外径より若干大きく寸法づけられており、半田収容空間303b内を半田ボール304が自由に移動できる構成である。
また、ノズル本体319の周壁には、後述する供給部307が連結されている。供給部307からの半田ボール304は、ノズル本体319の周壁を貫通する半田ボール供給口319aを介してノズル本体319の内部空間319bに導入される。
さらに、ノズル本体部319には、半田ボール304を射出するための射出エア供給部335が連結され、射出エア供給部335は、ノズル本体部319の周壁を貫通する孔を介して内部空間319bに窒素等の圧縮ガスを供給する。
ノズル組立体305の上方には、検出部313と照射部315が配置されている。検出部313は、筐体327内に配置される撮像素子のCMOS323及び光学系を構成する結像レンズ325を有する撮像部309と、CMOS323から得られる画像信号を処理して、半田ボール304が所定位置に存在するか否かを識別する画像処理部311を有する。なお、本実施例では、1/6インチのCMOS323を使用した。また、撮像部313のCMOS323は、その撮像光軸331がノズル開口303aのほぼ中心を通るように配置されている。
照射部315は、半田ボール304を溶融するため図3中において下方に向かいレーザ光を照射するレーザ光源329を備える。本実施形態ではレーザ光源329の照射光軸333は、撮像部315の撮像光軸331と、ほぼ平行になるような関係である。なお、レーザ光は、後述する光学ユニット332により、ノズル組立体305の内部空間319b内に導光され、ノズル開口303aのほぼ中心を通過する。すなわち、ノズル組立体305の内部の内部空間319b及び半田収容空間303bは、レーザ経路としても機能する。また、レーザ光源329からノズル開口303aまでの照射光路は、照射光軸上に配置される光学ユニット332により屈曲する構成である。
光学ユニット332は、照射部315及び撮像部309と、ノズル組立体305との間に装着されている。そして、光学ユニット332は、照射部315の照射光軸333上に配置されるミラー335と、撮像部309の撮像光軸331上に配置されるハーフミラー337とを備える。この構成により、レーザ光源329からのレーザ光の照射光路は、ミラー335により90度右方に変えられる。さらにレーザ光の照射光路は、ハーフミラー337により、鉛直方向下方に反射され、レーザ光がノズル組立体305の遮蔽部320を介してノズル開口303aへと導かれる。すなわち、ノズル組立体305内では、撮像部313の撮像光路と照射部315の照射光路333とはほぼ一致する構成である。
次に供給部307について説明する。供給部307は、ノズル組立体305の側部に装着され、一方が開口した供給部本体343と、供給部本体343の開口を塞ぐ端板345と、を備える。さらに、供給部本体343は、貯留部347と、整列部349と、移送部351と、を備える。
供給部本体343の貯留部347は、端板345と供給部本体343内部に設けられた凹部により画成され、半田ボール304が貯留される貯留空間353を備える。貯留部347に連続する整列部349は、貯留空間353に連通する整列路355が設けられている。さらに、整列部349に連続するのは移送部351である。移送部351内には、整列路355に連通する移送路357が設けられている。また、移送部351は、整列部349と反対側でノズル本体319に装着されている。移送部351の移送路357は、半田ボール供給口319aを介してノズル組立体305の内部空間に連通する。すなわち、貯留空間353からノズル組立体305の内部まで連通する構成である。なお、本実施例の整列路355及び移送路357は、供給部本体343の長手方向で貯留空間353から直線状に延び、その径は、半田ボール304より若干大きく寸法付けされている。従って、整列路355、移送路357内では半田ボール304が一列状に整列されるように寸法付けされている。
供給部本体343の貯留部347は、端板345と供給部本体343内部に設けられた凹部により画成され、半田ボール304が貯留される貯留空間353を備える。貯留部347に連続する整列部349は、貯留空間353に連通する整列路355が設けられている。さらに、整列部349に連続するのは移送部351である。移送部351内には、整列路355に連通する移送路357が設けられている。また、移送部351は、整列部349と反対側でノズル本体319に装着されている。移送部351の移送路357は、半田ボール供給口319aを介してノズル組立体305の内部空間に連通する。すなわち、貯留空間353からノズル組立体305の内部まで連通する構成である。なお、本実施例の整列路355及び移送路357は、供給部本体343の長手方向で貯留空間353から直線状に延び、その径は、半田ボール304より若干大きく寸法付けされている。また、第1の通気口356には第1のエア供給・吸引部369が連結されている。よって、第1エア供給・吸引部369から供給されるエアや吸引力は、第1の通気口356を介して貯留空間353内に付与される。
さらに、整列部347には、整列路355の延在する方向に対してほぼ直交する方向に貫通し、整列路355に連通する第2の通気口359が設けられている。第2の通気口359には、第2のエア供給・吸引部321が連結され、第2のエア供給・吸引部321からのエアや吸引力は、第2の通気口359を介して整列路357内に供給される。従って、整列路に対してほぼ垂直の方向から、整列路355内にエアや吸引力が付与される構成である。
また、整列路355と移送路357の境界領域には、整列路355に連通し、第1のストッパ361を挿脱可能に収容する第1のストッパ収容路363が設けられている。
また、第2の通気口の中心から第1のストッパ361の、貯留部347側の面までの整列路の長さは、半田ボールの外径とほぼ同じ寸法から外径の1.5倍程度の寸法までの範囲内とすることが好ましい。また、第1のストッパ361の、貯留部347側の面から貯留空間353までの整列路355の距離は、少なくとも半田ボール304一つ分の長さとする。よって、整列路355内に一列状に並び、列先頭の半田ボール304が第1のストッパ361に当接した状態で、第2のエア供給・吸引部321からエアを供給すると、列先頭の半田ボールと、残りの半田ボールを分離することができる。
さらに、移送部349には、移送路357と連通し、第2のストッパ339を挿脱可能に収容する第2のストッパ収容路365が設けられている。第1のストッパ収容路363と、第2のストッパ収容路365との間の距離は、少なくとも半田ボール一つ分の外径より長く寸法付けることが好ましい。
第1のストッパ361及び第2のストッパ339には、それぞれを駆動するための第1のストッパ駆動部367及び第2のストッパ駆動部374が連結されている。従って、第1のストッパ361及び第2のストッパ339を駆動し収容路363、365で挿脱されることにより、整列路355及び移送路357を開放/遮断する。
また、第1のストッパ361及び第2のストッパ339が整列路355及び移送路357を閉鎖した状態であっても、整列路及び移送路へのエアの供給ができるように、第1のストッパ361及び第2のストッパ339が整列路及び移送路に対して寸法付けされている。
なお、供給部本体307の端板345から、ノズル組立体305のノズル303の開口303aの中心までの距離(L)は、適宜変更できることは言うまでもない。
さらに、制御部317は、図4のブロック図に示されるように、照射部315の光源部329、検出部313の画像処理部311、供給部307、対象物保持部305のL字状ストッパ開閉駆動部322に連結され、それぞれが所定のタイミングで駆動するように指令する。
次に、図5、6を用いて半田ボールが所定位置に存在するか否かの判断する工程について説明する。図5は、撮像領域と画素の関係を示し、(a)は半田ボールが存在する状態を示し、(b)は(a)から選択抽出したエリアを示し、(c)は半田ボールが存在しない状態を示し、(d)は(c)から選択抽出したエリアを示す。図6は、CMOSを用いた積分回路を示す。
図5に示される撮像領域の画素数は、640x480pixelである。使用されるノズル開口303aの径は、約70〜200μmである。また、CMOS型の撮像素子では、図6に示される積分回路を用いて画像信号の積分を行う。積分回路は、CMOSからの画像信号のうち抽出された所定エリアの画素の画像信号をコンデンサに加算する積分を行う。
このような条件下において、撮像領域内におけるノズル開口の面積は、その他の領域(ノズル内の周壁部)との面積に比べ相対的にかなり小さい。例えば、CCD型の撮像部を用い、撮像領域全体の画像信号を積分し積分値を求めると、半田ボールでノズル開口が塞がれていない場合には、ノズル開口の領域の面積がその他の面積に対して相対的に非常に小さいため、明暗差が小さくなり、半田ボールが存在しないことを識別することが困難になる。さらに、ノズル開口は、L字状ストッパにより塞がれる領域も存在するため、撮像領域全体の積分値から半田ボールの有無を識別することを一層困難にしている。
なお、CCDの場合には、撮像領域すべての画像信号をA/Dコンバータで画像データに変換した後に、所定エリアの各画素の画像データのみを加算し積分処理する手法も考えられるが、撮像領域すべての画像信号をデジタル化する必要があるため、処理時間の短縮化には限界がある。
そこで、本実施例では、撮像素子323としてCMOSを用いた。撮像部309により撮像された画像信号のうち、ノズル開口を有する32x32pixelの所定エリアのみの画像信号を画像抽出部312により抽出して積分しその積分値を得る。識別部314においてその積分値が所定値を超えている場合には、半田ボールが存在すると識別され、所定値を超えていない場合には、半田ボールがノズル開口に存在しないと識別される。所定エリアでは、ノズル開口に対応する面積(半田ボールが存在しない場合に明部となる部分)が、その他の部分(暗部)の面積に対して多くとることができるので(図5(b)、(d))、明暗差が明確になり半田ボールの有無の識別が容易となる。
さらに、640x480pixelの画像信号を転送するには、約33msecの時間を要する。しかし、32x32pixelの所定エリアのみの画像信号の転送は約2msecで可能である。従って、識別部等の処理速度にもよるが、半田ボール304がノズル開口303aを塞いでから、約5.5msecで半田ボールの有無の識別結果を転送できる。よって、半田ボールの有無を半田する工程の処理を高速かつ正確に行うには、CMOSが好ましい。
次に、上記構成の半田付け装置における半田付け工程について図7(a)〜(c)を用いて説明する。図7(a)は、貯留部から第2ストッパへ半田ボールを供給する工程を示す工程図であり、図7(b)は、第2ストッパからノズル組立体へ半田ボールを供給する工程を示す工程図であり、図7(c)は、半田ボールの有無を検出し半田付けをする工程を示す工程図である。
まず半田付け工程の前に、半田付けの対象物であるワーク358をワーク載置面366aに固定する。そして、ノズル組立体305とワーク358との間の相対関係の位置決めを行う。これは、x軸方向移動ステージ364によりワーク358を移動し、y軸方向移動ステージ360、z軸方向移動ステージ362によりノズル組立体357を移動することで行う。
そして、図3(a)に示すように、最初の半田ボール304aが第2のストッパ339に到達した状態にする。すなわち、最初の半田ボール304aについては、図7(a)のS1からS8までの工程を経て第2のストッパ339に到達している。なお、第1、第2のストッパ361、339は、閉じた状態である。
次に、図3(b)に示されるように、第1のエア供給・吸引部369からの圧縮エアにより(図7(a)のS2)、半田ボール304が整列路355内に一列に整列される(図7(a)のS3)。一方、第1のエア供給・吸引部369からの圧縮エアは、最初の半田ボール304aにも作用する(図7(b)のS11)。そして、第1のストッパ361が閉じた状態で、半田ボール接合装置301の制御部317からの要求に従い、第2のストッパ339を開き(図7(b)のS12)、移送路357を開放する。最初の半田ボール304aがノズル本体319の内部空間319b内を通り、ノズル303の半田収容空間303b内に導入され(図7(b)のS13)、その後第2のストッパ339を閉じるとともに第1のエア供給・吸引部369を停止する(図7(b)のS14)。
半田ボール304が整列路355内に一列に整列した後、第2のエア供給・吸引部321を動作させて圧縮空気が第2の通気口359を介して整列路355内に供給される(図7(a)のS4)。その結果、2番目の半田ボール304bと、その他の半田ボール304は分離される。
次に、第1のエア供給・吸引部369によるエア供給を停止し、第1のエア供給・吸引部369による吸引力を付与する(図7(a)のS5)。その結果として、2番目の半田ボール304bを除く他の半田ボール304は貯留空間353内に引き戻される(図3(c))。
上述のように、第1のエア供給・吸引部369から供給される圧縮エアは、第2のストッパ339に係止されている最初の半田ボール304aと、貯留部内の半田ボールと、を移送するために使用される。よって、貯留部の半田ボールを整列させる工程及び第2のストッパ339に係止される半田ボールをノズル組立体内へ移送させるタイミングが一致するように第1のエア供給・吸引部369によるエア供給開始および停止を制御部により適宜制御する。
次に、第1のエア供給・吸引部369による吸引を停止し(図7(a)のS6)、第1のストッパ361を開き(図7(a)のS7)、整列路355を開放する。第2のエア供給・吸引部321からの圧縮エアにより2番目の半田ボール304bが第2のストッパ339に到達し係止される(図7(a)のS8、図3(d))。そして、第1のストッパ361を閉じ、第2のエア供給・吸引部321を停止する(図7(a)のS9)。
他方、図7(b)のS13において移送路357を通過し、ノズル303内に位置している最初の半田ボール304aが所定位置、すなわち、L字状ストッパ324の上面及び開口303aを画成する周壁により支持された状態であるか否かの判断が行われる。
半田ボールの有無を判断する工程では、画像処理部311の画像抽出部312からの指令により、撮像部309により撮像された撮像信号にうち、所定エリアの画像信号のみを抽出し、その画像信号を積分し積分値を得る(図7(c)のS21)。次に、識別部314は、その積分値が所定値を超えている場合には、最初の半田ボール304aがノズル開口303aに位置づけられていると判断する。また、積分値が所定値を超えていない場合には、最初の半田ボール304aが開口303aに到達していないと判断し、積分値が所定値を超えるまで繰り返される(図7(c)のS22)。
そして、最初の半田ボール304aが開口303aにあると判断されると、開閉駆動部322及び射出エア供給部335に制御部317からの駆動信号が発せられ、L字状ストッパ324を開放するとともに、射出エアが供給される(図7(c)のS23)。そして最初の半田ボール304aがノズル303の外部へ吐出される(図3(d))。2番目の半田ボール303bが第2のストッパ339に係止された状態で、最初の半田ボール304aが吐出されることになる。なお、開閉駆動部322と射出エア供給部335の駆動タイミングは、制御部により同期することができる。
さらに、最初の半田ボール304aがノズル開口303aを通過して吐出された(図7(c)のS23)後に、制御部317からの駆動信号によりレーザ光源329が駆動し、飛翔中の最初の半田ボール304aにレーザ光が照射される(図7(c)のS24)。すなわち、半田ボール304aは、固相状態で開口303aを通過する。レーザ光により溶融した半田ボール304aが所定位置に付着し電気接合がなされ(図7(c)のS25)、第2のストッパ339を閉鎖し、接合工程の一工程が終了する(図7(c)のS26)。
なお、上記した半田供給及び接合工程は一例にすぎず、適宜変更できることは言うまでもない。例えば、撮像処理(図7(c)のS21)は、第2のストッパ閉鎖(図7(b)のS14)後としたが、閉鎖する前であってもよい。また、レーザ照射する工程(図7(c)のS24)は、L字状ストッパ324を開放した後としたが、開放する前であっても、半田ボール304aが溶融しない程度まで、レーザ光を照射することも可能である。
最後に、開閉駆動部322に制御部317から駆動信号を付与することにより、L字状ストッパ324で開口部303aを閉鎖し、図3(a)に示す状態となる。このように、連続する複数の半田ボールの先頭の半田ボールを吐出する際には、第2番目の半田ボール
304bが第2のストッパ339に係止される状態となるので、半田ボール接合装置301の制御部317からの半田ボール供給要求に対して遅れ(ディレイ)が少なく、結果的に射出間隔を短くできる。
以下に、本発明の接合装置を半田付け装置に適用した実施例2について説明する。実施例1に係る半田付け装置は、ノズル内に半田ボールを供給し、ストッパによりその開口部の近傍に半田ボールを保持し、半田ボールを射出させ熱線を照射する構成を採用したが、実施例2の半田付け装置は、ノズル組立体の外側から半田ボールをノズル開口部に圧着した状態において、ノズルの内部空間内に圧縮エアを供給するとともに半田ボールに熱線を供給することで半田ボールを吐出させる構成である。
図8は、実施例2に係る半田付け装置の模式図である。図9(a)は、実施例2の半田付け装置の要部を示す正面図であり、図9(b)は、IXB部の光軸を通る平面に沿ったノズル組立体の拡大断面図であり、半田ボールが圧着した状態を示し、図9(c)は、図9(a)のIXB部の光軸を通る平面に沿った拡大断面図であり、半田ボールが吐出した状態を示す。図10は、半田付け装置の要部ブロック図である。図11は、半田付け工程のフローチャートである。
以下、半田ボール接合装置1301の構成について説明する。なお、半田ボール接合装置1301の構成のうち、実施例1の半田ボール接合装置とは異なる部分を中心に説明する。
図8に示すように、半田ボール接合装置1301は、主として、ノズル組立体(対象物保持部)1305と、撮像部1313と、レーザ照射部1315と、制御部1301と、架台1352と、架台1352の作業面1352a上に配置されるx方向移動可能なx軸方向移動ステージ1364及びy軸方向移動可能なy軸方向移動ステージ1360と、第1のx軸方向移動ステージ1364の上面に固定されるワーク1358を搬送するワークトレー1366と、第2のx軸方向移動ステージ1121の上面に固定される半田ボールを貯留する貯留部1121と、を備える。貯留部1121は、ワークトレー1366とy軸駆動部1131との間で、基台1352の上面1352aに配置される。
ノズル組立体1305は、ノズルアーム1368を介してz軸方向移動ステージ1362に固定され、z軸方向移動ステージを駆動するためのz軸方向駆動部1137によりノズル組立体1305がz方向(図8中の上下方向)に移動できる。また、撮像部1313及びレーザ照射部1315は、ノズル組立体1305に載置されているので、ノズル組立体1305と一体的にz軸方向に移動する。
さらに、z軸方向移動ステージ1362が、y軸方向移動ステージ1360に固定されているので、y軸駆動部1131を駆動させることにより、z軸方向移動ステージ1362がy軸方向(図8の左右方向)に移動する。他方、ワーク1358のx軸方向(図8の紙面の表裏方向)への移動は、第1のx軸駆動部1145を駆動させることにより、x軸方向ステージ1364に固定されているワークトレー1366を移動させることて行われる。同様に、半田ボールを貯留するための貯留部1121のx軸方向への移動は、ワークトレー1366が固定されているx軸方向ステージ1123を第2のx軸駆動部1151を駆動させることにより行う。
ここで、y軸駆動部1131、z軸駆動部1137、第1の及び第2のx軸駆動部1145、1151は公知の構成のものを利用する。例えば、y軸駆動部1131は、不図示のモータ、yボールネジ、yナットから構成することができる。雌ネジが設けられているyナットはyスライダ(例えば、符号1131の部材)に固定されている。雄ネジが外周に設けられているyボールネジは、その両端を玉軸受で回転可能にy軸駆動部の筺体内に支持され、yボールネジの一端にはモータが連結されている。モータを駆動しyボールネジを回転させると、yボールネジに螺合しているy方向ナットがyボールネジに沿って往復運動する。このy方向ナットが往復運動することでy方向スライダが、y方向に移動する。その他の駆動部も同様に構成できる。
以下に、半田ボール接合装置の主要部について説明する。図9(a)に示されるように、半田付け装置1301は、半田ボール1117を射出するノズル1303と、レーザ照射部1315と、ガス供給部1305と、検出部1313と、制御部1317と、を備える。さらに、検出部1313は、ノズル1303内の開口1113aを有する所定領域(撮像領域)を撮像する撮像部1309及び撮像部1309により撮像された撮像信号に基づいて半田ボール1117が所定位置にあるか否かを判断する画像処理部1311を有する。
また、図9(a)中には、半田ボール1117が載置される貯留部1121が半田ボール接合装置1301の近傍に示されている。さらに、図9(a)中において、ノズルが貯留部1121に移動した状態が破線で示されている。なお、ノズル組立体1305を移動し半田ボール1117を開口部1113に圧着させたるために移動させる駆動手段(すなわち半田ボールをノズル組立体の開口部に供給するための手段)等は、図9からは割愛されている。
図9(b)、(c)に示されるように、ノズル組立体1305は、ノズル1303と、加圧エア供給部1307と、上板1320とを備える。ノズル1303は、その内部に、後述するレーザ光が通るとともに、圧縮ガスが供給される内部空間1303bを備え、長手方向における両端が開口する円筒状の部材である。ノズル1303の長手方向の一端部は、レーザ光のみが透過できるガラス等から形成される上板1320により閉じられ、他端部は、半田ボール1117が圧着される開口部1113を構成する。
開口部1113は、ノズル1303の長手方向に所定の長さを有する。また、開口部1113の開口は、内部空間1303bに連続し、均一の内径D1(もしくは曲率半径)である内周面1113aを有する。当該内径は少なくとも半田ボール1117の外径D2(もしくは曲率半径)より小さく寸法付けされている。
さらに、ノズル1303の周壁1303dには、半田ボール1117を射出するための加圧エア供給部1307が連結され、加圧エア供給部1335は、ノズル1303の周壁1303dを貫通する孔を介して内部空間1303bに窒素等の圧縮ガスを供給する。
さらに、ノズル組立体1305は、半田ボール1117をノズル1303の所定位置に供給するための供給手段を備える。供給手段は、ノズル1303と貯留部1121との相対距離を接離させるための手段であり、前述した第1のx軸駆動部1145、y軸駆動部1131、z軸駆動部1137とから構成される。
ノズル組立体1305の上方には、検出部1313と照射部1315が配置されている。検出部1313は、筐体1327内に配置される撮像素子のCMOS1323及び光学系を構成する結像レンズ1325を有する撮像部1309と、CMOS1323から得られる画像信号を処理して、半田ボール1117が所定位置に存在するか否かを識別する画像処理部1311を有する。なお、本実施例では、1/6インチのCMOS1323を使用した。また、撮像部1313のCMOS1323は、その撮像光軸1331がノズル開口1113aのほぼ中心を通るように配置されている。
照射部1315は、半田ボール1117を溶融するため図9中において下方に向かいレーザ光を照射するレーザ光源1329を備える。本実施形態ではレーザ光源1329の照射光軸1333は、撮像部1315の撮像光軸1331と、ほぼ平行になるような関係である。なお、レーザ光は、後述する光学ユニット1332により、ノズル1303の内部空間1319b内に導光され、ノズル開口1113aのほぼ中心を通過する。すなわち、ノズル1303の内部の内部空間1303bは、レーザ経路としても機能する。また、レーザ光源1329からノズル開口1113aまでの光路は、照射光軸上に配置される光学ユニット1332により屈曲する構成である。
光学ユニット1332は、照射部1315及び撮像部1309と、ノズル組立体1305との間に装着されている。そして、光学ユニット1332は、照射部1315の照射光軸1333上に配置されるミラー1335と、撮像部1309の撮像光軸1331上に配置されるハーフミラー1337とを備える。この構成により、レーザ光源1329からのレーザ光の照射光路は、ミラー1335により90度右方に変えられる。さらにレーザ光の照射光路は、ハーフミラー1337により、鉛直方向下方に反射され、レーザ光がノズル組立体1305の遮蔽部1320を介してノズル開口13aへと導かれる。すなわち、ノズル組立体1305内では、撮像部1313の撮像光路と照射部1315の照射光路1333とはほぼ一致する構成である。
なお、ワーク1358は、図8に示されるように、ハードディスクに用いられる電子部品を用い、具体的には磁気ヘッドスライダ1370が装着されたフレキシャ1372である。ここで、両電極は90度の角度を挟んで配置され、これらの電極が形成する角部に半田ボールを配置し、当該ボールをレーザ光により溶融してこれらの電極間の電気的接合が行われる。
また、図10に示されるように、制御部1317は、y軸駆動部1131、z軸駆動部1137、第1及び第2のx軸駆動部1145、1151から構成される供給部と、対象物保持部であるノズル組立体1305と、レーザ照射部1315と、検出部1313とにに電気的に接続されており、各要素は制御部1317からの指令により作動する構成となっている。図示していないが、ノズル1303と、ワーク1358と、貯留部1121の半田ボール1117と、の間の位置決めを行うために例えばCCDカメラ等の位置決め用カメラを用い、位置決め用カメラからの映像に基づいて、位置決めを行う制御ができることは言うまでもない。
次に、半田ボールが所定位置に存在するか否かを判断する工程について、実施例1(図5、図6)と異なる点についてのみ説明する。実施例2では、半田ボールでノズル開口1113aを閉鎖するように圧着させた後に半田ボールの有無が判断される(図9(b)参照)。CMOSである撮像部1309により撮像された画像信号のうち、ノズル開口を有する32x32pixelの所定エリアのみの画像信号を画像抽出部1312により抽出して積分しその積分値を得る。
識別部1314においてその積分値が所定値を超えている場合には、半田ボールが存在すると識別され、所定値を超えていない場合には、半田ボールがノズル開口に存在しないと識別される。所定エリアでは、ノズル開口に対応する面積(半田ボールが存在しない場合に明部となる部分)が、その他の部分(暗部)の面積に対して多くとることができるので(図5(b)、(d)参照。)、明暗差が明確になり半田ボールの有無の識別が容易となる。さらに、実施例1の場合と異なり、ストッパがノズル開口の直下に配置されていないので、半田ボールが所定位置に配置されている場合と、配置されていない場合とでは、ストッパのような光を遮る部材がないので、明暗差が顕著に現れる。よって、半田ボールの識別をより確実に行うことができる。
なお、第1実施例と同様に、本実施例でも、32x32pixelの所定エリアのみの画像信号の転送は約2msecで可能である。従って、識別部等の処理速度にもよるが、半田ボール1117がノズル開口1113aを塞いでから、約5.5msecで半田ボールの有無の識別結果を転送できる。
次に、上記構成の半田付け装置における半田付け工程について図11を用いて説明する。
半田付け工程の前には、半田付けの対象物であるワーク1358をワーク載置面1366aに固定する。そして、ノズル組立体1305に接合部材を圧着する工程に移行する(ステップS101)。まず、制御部1317からの指令により、x軸方向移動ステージ1123により貯留部1121を移動し、y軸方向移動ステージ1360及びz軸方向移動ステージ1362によりノズル組立体1305を移動させ、貯留部1121の半田ボール1117に対してノズル組立体1305が鉛直方向上方に所定距離離れた位置関係とする。
さらに、ノズル1303を下降させ、貯留部1121に載置された球状の半田ボール1117に当接した後、さらに半田ボール1117に対してノズル1303の開口部1113を所定の力で押圧し、半田ボール1117を開口部1113の周縁部に圧入させる。この時、半田ボール1117は歪むことにより内部応力が発生し、当該内部応力に起因する摩擦力によって保持される。従って、半田ボール1117は半田ボール1117の、図面中において水平(左右)方向に延在する水平面に沿った断面の最大寸法部である直径部1117aは、先端部1113bと当接する半田ボール1117の当接部1117bより射出方向xにおいて貯留部1121に近い側に位置する。すなわち、直径部1117aがノズル1303の開口部1113と半田ボール1117の接触部分より外側に位置させた状態でノズル1303に圧着される。さらに、換言すると、半田ボール1117は、ノズル1303の外側(開口部若しくは外部空間)に位置し、ノズル1303の内側には半田ボール1117は存在していない。
なお、最大寸法部とは、射出方向(本実施形態では上下方向)に対して垂直に延在する平面による半田ボールの断面を画成する外周上において、任意の2点間を結ぶ線分の最大長さを意味する。
次は、半田ボールの有無を判断する工程である。この工程では、画像処理部1311の画像抽出部1312からの指令により、撮像部1309により撮像された撮像信号にうち、所定エリアの画像信号のみを抽出し、その画像信号を積分し積分値を得る(図11のステップS102、図5対応)。次に、識別部1314は、その積分値が所定値を超えている場合には、最初の半田ボール1117がノズル開口1113aに位置づけられていると判断する。また、積分値が所定値を超えていない場合には、半田ボール1117が開口1113aに圧着していないと判断し、積分値が所定値を超えるまで繰り返される(図11のS103)。なお、当該所定値は、半田ボール1117が開口部1113から外れてしまった場合のみならず、開口部1113に圧着されてはいるが、ノズル開口1113aを完全には覆っていないため内部空間が密閉されず内部空間1303b内を所定圧力とすることが困難な場合にも、半田ボール1117が所定位置にないことを識別できるように設定されている。
そして、最初の半田ボール1117がノズル開口1113aを覆いノズル開口部1113の所定位置にあると判断されると(図11のステップS103)、後述のノズルの位置決め工程が開始される
位置決め工程では、図8に示されるようにノズル1303を、ワークトレー1366のワーク載置面366a上に配置されたワーク1358の所定位置から鉛直方向上方に位置決めを行う(ステップS104)。もちろん、ノズル1303を固定した状態で、ワークトレ−1366を移動して、両者の相対的な位置め決めを行う構成としても良い。
位置決め工程の後、ガス供給部1307から圧縮ガスを内部空間1303b内に供給する(ステップS105)。制御部1317により内部空間1303b内の圧力が所定値に達したか否かが判別される(ステップS106)。内部空間1303b内の圧力が所定値に達したことが制御部1317により判別された場合には、内部空間1303bを介して半田ボール1117にレーザ照射部1329からのレーザ光1333を照射する(ステップS107)。なお、内部空間1303b内が所定圧力に達しているか否かの判別は、例えば予め、ガス供給後から所定圧力に達するまでの所定時間を計測しておき、制御部によりガス供給後から所定時間が経過したか否かを判別することで、行うことができる。
レーザ光1333は、内部空間1303bに面している半田ボール1117の部分を照射し加熱すると、半田ボール1117の弾性係数が低下し、結果として内部応力が緩和する。そのとき、内部空間1303bに充填された圧縮ガスの付勢力が半田ボールの内部応力によって発生する摩擦力(保持力)を上回ることにより、半田ボール1117と開口部1113の先端部1113bとの圧着が解除され、略球状の半田ボール1117が射出される(図9(c)、ステップS108)。
射出された半田ボール1117は、ワークトレー1366上のスライダ1370の電極とフレキシャ1372の電極とが形成する角部に着弾する(図8、ステップS109)。なお、レーザ照射部1329からのレーザ光1333は、半田ボール1117が溶融するまで継続される。
そして、半田ボールが着弾位置(スライダ1370とフレキシャ1372との角部)において完全に溶融した後に、レーザ照射部1329及びガス供給手段1307の作動を停止するように制御部1317からの信号が送られる(ステップS110)。そして、半田ボール1117が固化し接合が完了する。
上記の通り、本実施形態の接合装置1301では、固体状の半田ボール1117をノズル1303の開口部1113に圧着させた後、内部空間内に圧縮ガスを供給するとともに、レーザ照射部1329からのレーザ光1333を照射することにより、半田ボール1117の内部応力を緩和(半田ボールの弾性係数を低下)させ、圧縮ガスにより半田ボール1117の圧着を解除する構成である。このような構成であるので、実施例1に比べ半田付け装置の構成が簡素化されるとともに、半田付け装置の制御が容易となる。
さらに、導電性部材は、その固相状態で射出されるので、導電性部材の残渣がノズルの開口部及びその近傍に生じることがない。
また、実施例1のように、ノズルの開口部をストッパにより開閉する構成ではないので、導電性部材が、ストッパに引きずられ、導電性部材の射出方向がずれるということがない。また、ストッパの動作とレーザ装置の動作との同期を高精度で行うことが必要であるが、実施例2では、ノズル内を所定圧にさせしておけば、熱照射を開始のタイミングのみで射出タイミングを制御できるので、動作の制御が容易となり、構造を簡素化できる。
(実施例2の変形例)
図12は、実施例2に係るノズル組立体の変形例の断面図である。実施例2のノズル組立体2301は、半田ボール2117を開口部2113に圧着させた後に、半田ボールの圧着状態を維持するために吸引力を付与する吸引部2325を備える半田付け装置である。その他の部分の構成は、実施例2のノズル組立体と同じであるので詳細は割愛する。
吸引部2325は、チューブ2329によりノズル2303に連結され、内部空間2303b内に吸引力を付与できる構成である。吸引部2325は、チューブ1329により開口部2113の周壁2303dに設けられ、内部空間1311と外部とを連通し水平方向に貫通して延びている吸引孔2327に連結される。
上記構成のように、吸引部2325を補助的に用いると、吸引部2325からの吸引力を内部空間2303bに供給し、内部空間2303b内を負圧にすることができる。このように内部空間2303b内を負圧にすることにより、半田ボール2117の開口部2113に対する圧着状態を確実に維持することができる。
なお、吸引孔2327を設ける位置は適宜変更でき、内部空間2303bと外部とを直接連通するような構成としても良い。また、ノズルの外側と内部空間2303bとを連通する貫通孔である吸引孔2327をノズル2303に設け、単一の貫通孔を吸引孔及びガス導入路として共用し、単一の貫通孔にガス供給部2307と吸引部2325とを接続する構成としてもよい。すなわち、吸引力を開口部2113を介してノズル2303の外部に付与できる構成であれば適宜変更できる。
また、吸引部2325は、レーザ照射部(図9(a)の符号1329参照)及びガス供給部2307と同様に制御部(図8の1317に対応)に接続され、制御部からの信号を受け作動する構成である。なお、本変形例の半田付け装置による半田付けの工程において、第2実施例と異なるのは、半田ボール2117を圧着させた後、又は圧着させる前若しくは圧着の際に、吸引部2325を作動させ、内部空間2303b内に吸引力を付与する点である。圧着させる前もしくは圧着の際に吸引力を付与している場合には、半田ボール2117を開口部2113へ圧着させる工程において吸引力を補助的に作用させることができる。
なお、撮像素子にCMOSを使うかわりに透過型或いは反射型の光学式センサを用いることも考えられる。しかしながら、例えば透過型センサを用いた場合にはセンサの配置は実際に接合操作を行う位置とは異ならせる必要があり、センサ固定位置と接合操作の実施位置との間でノズルを往復させることを要し、操作時間の短縮には限りがある。
また、反射型のセンサを用いた場合、半田ボールが配置される所定位置に近づくにつれて、ノズル内部の形状の内径が小さくなるテーパ形状であることから、ノズル内面からの反射光をセンサが受光する。結果として、半田ボールの有無を正確に検出することが困難である。しかし、撮像素子としてCMOSを用いた場合には、撮像された画像信号のうち、任意エリアを選択抽出することで、ノズル内面の影響を排除することができる。
上述のように、透過型或いは反射型の光学式センサと比べても撮像素子としてCMOSを使用することの利点がある。
本発明の実施形態、実施例及び変形例では、光学系ユニットにより、照射部の光路を変えて撮像部の光路と一致するような構成としたが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、照射部と撮像部との配置を交換し、撮像部の光路を変えて照射部の光路と一致させる構成としても良いことは言うまでもない。すなわち、ノズル開口及びその近傍において、撮像部と照射部の光路を一致させることができる構成であればよい。
また、実施形態及び実施例1のノズル組立体は、ノズル本体とノズルとの2つの構成要素から形成する構成としたが、実施例2と同様に単一の部材とすることができることは言うまでもない。
さらに、実施形態及び実施例1のノズル組立体は、ノズル開口の径を検出対象物の直径より大きく寸法付けし、ストッパを設ける構成としたが、ノズル開口の径を検出対象物の直径より小さくし、溶融させた後に検出対象物を射出する構成のノズル組立体とすることが可能である。
本実施形態、実施例及び変形例の射出物は半田部材としたが、射出物として接着剤等を使用し、照射部にUVレーザを使用することも可能である。
本実施形態及び実施例におけるエア供給・吸引部としては、公知の正圧と負圧とで切り替え可能な圧力源を使用することが可能である。加圧気体を付与する圧力源と、空気を吸引できる真空源と、を別個に設ける構成としてもよい。
ストッパの形状、位置等は上記実施形態及び実施例1の形状に限定されることはない。
また、本実施形態、実施例、及びその変形例を、ノズルから吐出させた半田ボールを溶融する構成、もしくは固相状態の半田ボールをノズルから射出する構成としたが、本発明はこれらの構成に限定されない。例えば、吐出前(すなわちノズルに半田ボールが接した状態)に、半田ボールを溶融させる構成であっても本発明による検出方法、接合装置を適用できることは言うまでもない。
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
本発明の検出対象物の接合装置の実施形態の要部の正面図である。
本発明の検出対象物の接合装置の実施例1である半田ボール接合装置の側面図である。
図2の半田付け装置の要部(III)の部分断面図であり、半田ボールを射出する工程を示す。
図2の半田付け装置の要部(III)の部分断面図であり、半田ボールを射出する工程を示す。
図2の半田付け装置の要部(III)の部分断面図であり、半田ボールを射出する工程を示す。
図2の半田付け装置の要部(III)の部分断面図であり、半田ボールを射出する工程を示す。
図3の半田付け装置のブロック図である。
撮像領域と画素の関係を示し、(a)は半田ボールが存在する状態を示し、(b)は(a)から選択抽出したエリアを示し、(c)は半田ボールが存在しない状態を示し、(d)は(c)から選択抽出したエリアを示す。
CMOSを用いた積分回路を示す
半田供給〜接合工程のフローチャートであり、(a)は、貯留部から第2ストッパへ半田ボールを供給する工程を示す工程図であり、(b)は、第2ストッパからノズル組立体へ半田ボールを供給する工程を示す工程図であり、(c)は、半田ボールの有無を検出し半田付けをする工程を示す工程図である。
実施例2に係る半田ボール接合装置の模式図である。
図8の半田ボール接合装置の要部を示す側面図である。
図9(a)のノズル組立体の断面図であり、半田ボールを射出する工程を示す。
図9(a)のノズル組立体の断面図であり、半田ボールが圧着している状態を示す。
図3の半田付け装置のブロック図である。
半田付けをする工程を示す工程図である。
実施例2の変形例であるノズル組立体の断面図である。
従来の半田付け装置の部分断面図である。
符号の説明
1 検出対象物の接合装置
3、303、1303、2303 ノズル
5、305、1305 対象物保持部
7、307、1307 供給部
13、313、1313 検出部
15、315、1315 レーザ照射部
17、317、1317 制御部
21 L字状ストッパ
29 光源
32 光学ユニット