JP4572043B2 - ガス分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、自動車のエンジンからの排ガスや工場からの排ガスあるいは大気中に含まれる複数の成分をそれぞれ個別に定量分析することのできるガス分析装置に関する。
【0002】
例えば、自動車のエンジンから排出されるガス(サンプルガス)に含まれるNO、NO2 およびNOX (=NO+NO2 )を同時に分析する装置として、NOX 測定ラインとNO測定ラインとを並列的に設け、NOX 測定ラインにおいては、NO2 をNOに変換するNOX コンバータを設け、この変換によって生成したNOと本来NOX 測定ラインに流れるNOとを併せたものをサンプルガス中のNOX 濃度として求め、NO測定ラインにおいては、NOのみの濃度を求めて、NOX 濃度〔NOX 〕と、NO濃度〔NO〕とNOX コンバータのコンバータ効率〔COMeffi〕とを用い、NO2 濃度〔NO2 〕を、
〔NO2 〕=(〔NOX 〕−〔NO〕)/〔COMeffi〕 ……(1)
なる関係式により求めるようにしたNO/NO2 分析装置がある。
【0003】
しかしながら、NOX 測定ラインには、NOX コンバータが設けられているため、NOX 測定ラインに設けられたNOX 分析部の応答遅れ時間Td および立ち上がり応答時間T90は、NO測定ラインに設けられたNO分析部のそれらに比べて遅くなり、NOX 分析部の出力とNO分析部の出力との間に、応答遅れ時間Td の差に起因する応答速度差が生ずることとなり、NOX 分析部およびNO分析部によってそれぞれ得られた〔NOX 〕、〔NO〕および〔COMeffi〕を前記(1)式を用いて演算して、〔NO2 〕を求めた場合、図3(B)に示すように、指示が出ないはずの〔NO2 〕濃度が表れる。
【0004】
そこで、上記二つの分析部の応答遅れ時間Td の差に起因する応答速度差を補正するため、従来のNO/NO2 分析装置においては、図5に示すように構成されていた。すなわち、図5において、1はサンプルガスラインで、例えばサンプルガスSGとしての排ガスが流れる。このサンプルガスライン1は、開閉弁2、三方電磁弁3、流量調整用のキャピラリ4をこの順に備えるとともに、キャピラリ4の下流側の点5において、二つのガスライン6,7(以下、第1ガスライン6、第2ガスライン7という)に分岐している。
【0005】
なお、8は三方電磁弁3に接続される、校正ガスCGを導入するためのガスラインである。そして、9は三方電磁弁3とキャピラリ4との間の点10に接続されるバイパスラインで、圧力調整器11を備えるとともに、その下流側は適宜のガス処理部(図示していない)に接続されており、余分なサンプルガスSGを排出して、サンプルガスライン1におけるサンプルガスSGの圧力を一定に保持する。また、12は前記接続点10に接続される圧力ゲージである。さらに、13はサンプルガスライン1のキャピラリ4と分岐点5との間の点14と、バイパスライン9の圧力調整弁11より下流側の点15との間を接続するガスラインである。
【0006】
前記第1ガスライン6は、NOX 測定ラインともいうべきもので、この第1ガスライン6には、流量調整用のキャピラリ16および三方電磁弁17が設けられ、さらに、この三方電磁弁17には、第1ガスライン6を流れるサンプルガスSG中のNO2 をNOに変換するNOX コンバータ18を備えたガスライン19と、開閉弁20を備えたガスライン21とが互いに並列になるように接続され、さらに、これらのガスライン20,21は、その下流側の点22において合流し、その合流点22の下流側に、第1ガスライン6を流れるサンプルガスSG中に本来含まれているNOおよびNOX コンバータ18によって変換されて生成したNOとを併せて分析する第1ガス分析部としてのNOX 分析部23が設けられている。
【0007】
前記第2ガスライン7は、NO測定ラインともいうべきもので、この第2ガスライン7には、流量調整用のキャピラリ24およびNOX コンバータ18とほぼ同容積のバッファタンク25が設けられるとともに、バッファタンク25の下流側に、第2ガスライン7を流れるサンプルガスSG中のNOを分析する第2ガス分析部としてのNO分析部26が設けられている。
【0008】
前記NOX 分析部23およびNO分析部26は、いずれも、例えば、化学発光分析計(CLD)よりなり、NOと反応させるためのオゾンガスが供給されるように構成されている。すなわち、27は酸素ガス供給ラインで、二方電磁弁28および圧力調整弁29が設けられるとともに、この圧力調整弁29の下流側の点30において二つのオゾンガス供給ライン31,32に分岐し、それぞれのオゾンガス供給ライン31,32には、流量調整用のキャピラリ33,34および酸素ガスからオゾンガスを発生させるオゾンガス発生器35,36が設けられ、オゾンガス発生器35,36の下流側の流路がNOX 分析部23およびNO分析部26にそれぞれ接続されている。
【0009】
そして、前記第1ガスライン6および第2ガスライン7は、NOX 分析部23およびNO分析部26の下流側の点37において合流し、この合流点37より下流側のガスライン38には、オゾンガス分解器39および吸引ポンプ40が設けられ、さらに、その下流側は前記ガス処理部に接続されている。
【0010】
上記構成のNO/NO2 分析装置においては、三方電磁弁3をオンにし、三方電磁弁17をオフにするとともに、二方電磁弁28をオンにし、さらに、オゾンガス発生器35,36吸引ポンプ40をオンにすると、サンプルガスSGがサンプルガスライン1に導入されるとともに、オゾンガスがNOX 分析部23およびNO分析部26にそれぞれ供給される。
【0011】
前記サンプルガスライン1に導入されたサンプルガスSGは、分岐点5において分流し、第1ガスライン6および第2ガスライン7をそれぞれ流れる。
【0012】
そして、第1ガスライン6を流れるサンプルガスSGは、三方電磁弁17を経てガスライン19に入り、NOX コンバータ18において、NO2 がNOに変換され、このNOは、第1ガスライン6を流れるサンプルガスSGに元々含まれていたNOとともにNOX 分析部23に供給される。このNOX 分析部23には、オゾンガス供給ライン31によってオゾンガスが供給されているので、前記サンプルガスSGに含まれるNOがオゾンガスと化学発光反応し、そのときの発光量に基づいてNO濃度に比例した信号が得られ、このNOX 分析部23においては、第1ガスライン6を流れるサンプルガスSG中に含まれるNOとNO2 の濃度、すなわち、NOX の濃度に比例した信号が得られる。
【0013】
また、第2ガスライン7を流れるサンプルガスSGは、バッファタンク25を経てNO分析部26に供給される。このNOX 分析部26には、オゾンガス供給ライン32によってオゾンガスが供給されているので、前記サンプルガスSGに含まれるNOがオゾンガスと化学発光反応し、そのときの発光量に基づいてNO濃度に比例した信号が得られ、このNOX 分析部26においては、第2ガスライン7を流れるサンプルガスSG中に含まれるNO濃度に比例した信号が得られる。
【0014】
そして、上記構成のNO/NO2 分析装置においては、第2ガスライン7に、第1ガスライン6におけるNOX コンバータ18と同容量のバッファタンク25を設けたことにより、第1測定ライン6のNOX 分析部23と第2ガスライン7のNO分析部26とにおける応答速度差がなくなり、NOX 分析部23からのNOX 濃度信号およびNO分析部26からのNO濃度信号は同時に出力され、これらの信号は、コンピュータなどの演算制御装置(図示していない)に同時に入力される。そして、前記両濃度信号を処理することにより、NOX 濃度およびNO濃度を得ることができ、さらに、これらのNOX 濃度およびNO濃度とNOX コンバータ18のコンバータ効率を前記(1)式に用いることにより、NO2 濃度が求められる。
【0015】
なお、NOX 分析部23およびNO分析部26からそれぞれ排出されるガスは、ポンプ40の作用によりオゾン分解器39を通過し、このとき、残存するオゾンガスが分解されてガス処理部方向に排出される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のNO/NO2 分析装置によれば、NOX 濃度、NO濃度およびNO2 濃度を各別に得ることができるが、上述の説明から理解されるように、第1ガスライン6にNOX コンバータ18を設けたことに起因して生ずるNOX 分析部23とNO分析部26とにおける応答速度差の補正を、第2ガスライン7に、NOX コンバータ18と同容量のバッファタンク25を設けてその容積や断面積によって調整するといったハード的構成によって行っているため、微妙な調整が困難である。
【0017】
すなわち、NOX コンバータ18は、NO2 をNOの変換する触媒よりなるものであるが、高温のサンプルガスSGに起因して燃焼し、経時的に減少し、そのため、NOX コンバータ18のコンバータ触媒が減少し、これによって応答速度が変化することがあるが、このように応答速度に変化が生じた場合、再度調整することができないのである。
【0018】
上述のような問題は、NO/NO2 分析装置のみならず、メタン系炭化水素(以下、MHCという)および全炭化水素(以下、THCという)の濃度を測定し、これらの濃度から非メタン系炭化水素(以下、NMHCという)を測定するようにしたメタン/非メタン分析装置や、SO2 、SO3 およびSOX の濃度を測定するSOX 分析装置など他のガス分析装置においても同様に生じているところである。
【0019】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、二つの独立したガス分析部における応答遅れ時間の差に起因する応答速度差の補正を確実に行うことができるようにしたガス分析装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明では、サンプルガスが流れるサンプルガスラインを、第1ガス分析部を備えた第1ガスラインと第2ガス分析部を備えた第2ガスラインとに分岐し、前記二つのガス分析部の出力の差をとって前記サンプルガス中の特定成分の濃度を得るようにしてあり、第2ガス分析部の応答遅れ時間に比べて第1ガス分析部の応答遅れ時間が遅いガス分析装置において、前記二つのガス分析部の出力を一定時間ごとにサンプリングし、二つのガス分析部の出力の差をとるに際して、一定時間ごとにサンプリングした二つのガス分析部の出力にそれぞれ移動平均処理を施すと共に、第1ガス分析部の出力に対して、二つのガス分析部の応答遅れ時間の差の分だけ前にサンプリングした第2ガス分析部の出力を用いて演算を行うようにしている(請求項1)。
ここで、前記第1ガスライン上にコンバータを備え、前記演算制御装置が前記特定成分の濃度を得る際に、コンバータ効率を用いて演算を行うようにしてもよく(請求項2)、前記演算制御装置が前記特定成分の濃度を得る際に、前記第1ガス分析部と前記第2ガス分析部の相対感度補正値を用いて演算を行うようにしてもよい(請求項3)。
【0021】
例えば、NO、NO2 およびNOX を同時に測定するNO/NO2 分析装置の場合、NOX 分析部およびNO分析部の出力をそれぞれ一定時間ごとにサンプリングし、NOX およびNOのそれぞれの濃度〔NOX 〕,〔NO〕を求めるとともに、これらの濃度〔NOX 〕,〔NO〕を用いてNO2 の濃度〔NO2 〕を求めるに際して、前記NOX コンバータを設けたことに起因して生ずる前記二つのガス分析部における応答遅れ時間Td の差を考慮にいれて演算を行うのである。
【0022】
より具体的には、前記一定時間ごとにサンプリングして得られた〔NOX 〕,〔NO〕およびてNOX コンバータのコンバータ効率〔COMeffi〕を用いて、下記(1)式によって演算を行う。
〔NO2 〕=(〔NOX 〕−〔NO〕)/〔COMeffi〕 ……(1)
このとき、演算に用いる〔NOX 〕と〔NO〕を、二つの分析部の応答遅れ時間Td の差だけずらすことにより、応答遅れ時間の差に起因する応答速度差を補正するのである。
【0023】
そして、第1ガス分析部の出力および第2ガス分析部の出力のそれぞれに移動平均処理を施すようにしてあるので、二つのガス分析部における立ち上がり応答時間T90を補正することができ、立ち上がりのなまりを調整することができ、前記応答速度差の補正の効果をより一層高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の詳細を、図を参照しながら説明する。図1および図2は、この発明の一つの実施の形態を示す。図1は、この発明のガス分析装置としてのNO/NO2 分析装置の構成を概略的に示すもので、このNO/NO2 分析装置が図5に示したものと大きく異なる点は、第2ガスライン7に設けられていたバッファタンク25を除去し、キャピラリ24を経たサンプルガスSGをNO分析部26に導入するように構成したことである。
【0025】
前記図1のように構成されたNO/NO2 分析装置においても、前記図5に示したNO/NO2 分析装置と同様に、NOX 分析部23およびNO分析部26のそれぞれからNOX 濃度に比例した信号およびNO濃度に比例した信号が得られる。しかし、図1のNO/NO2 分析装置では、第2ガスライン7にバッファタンク25が設けられていないので、NOX 分析部23の出力信号とNO分析部26の出力信号との間には、二つの分析部23,26における応答遅れ時間Td の差に起因する時間差がある。
【0026】
そこで、前記NO/NO2 分析装置においては、NOX 分析部23およびNO分析部26の出力を、図2に示すようにしてソフト処理し、NOX 濃度〔NOX 〕およびNO濃度〔NO〕を求め、さらに、これらの濃度を用いてNO2 濃度〔NO2 〕を求めるようにしている。以下、図2を参照しながら、前記各濃度を求める手順について詳細に説明する。
【0027】
図2は、前記NO/NO2 分析装置に付設された演算制御装置としてのコンピュータにおける信号処理の手順の一例を示すものである。
【0028】
前記NOX 分析部23およびNO分析部26からの出力41,42は、それぞれAD変換された(ステップS1)後、0.1秒ごとに、前記コンピュータの演算部に取り込まれる(ステップS2)。
【0029】
そして、前記NO/NOX の出力に移動平均をかける(ステップS3)。この場合、NOX 分析部用の移動平均入力43およびNO分析部用移動平均入力44を、それぞれ、MANOX 値,MANO値として入力する。
【0030】
前記移動平均処理したNO/NOX の出力を、NO濃度〔NO〕およびNOX 濃度〔NOX 〕にそれぞれ変換する(ステップS4)。
【0031】
前記NO濃度〔NO〕およびNOX 濃度〔NOX 〕とNOX コンバータ18のコンバータ効率〔COMeffi〕45を用いて、下記(1)式により、NO2 濃度〔NO2 〕を求める(ステップS5)。
〔NO2 〕=(〔NOX 〕−〔NO〕)/〔COMeffi〕 ……(1)
この場合、二つの分析部23,26における応答遅れ時間Td の差を補正するための値〔Tdif 〕46も入力する。そして、前記NO濃度〔NO〕としては、前記応答遅れ時間Td の差の分だけ前の値を用いる。なお、前記補正値〔Tdif 〕は、ソフトウェア上で任意に変更できるものとする。
【0032】
前記演算を行うことにより、NOX 濃度値47およびNO濃度値48とともにNO2 濃度値49が得られる。
【0033】
以上説明したように、この発明のNO/NO2 分析装置においては、二つのガス分析部23,26の出力を一定時間ごとにサンプリングし、二つのガス分析部23,26の出力の差をとるに際して、第1ガスライン6における処理に起因して生ずる二つのガス分析部23,26における応答遅れ時間Td の差を考慮にいれて演算を行うようにしているので、二つのガス分析部23,26における応答遅れ時間Td の差に起因する応答速度差の補正を確実に行うことができる。また、一定時間ごとにサンプリングした二つのガス分析部23,26の出力に移動平均をかけるようにしているので、二つのガス分析部23,26における立ち上がり応答時間T90を補正することができる。
【0034】
図3(A)は、上述のように処理したときのNO濃度〔NO〕、NOX 濃度〔NOX 〕およびNO2 濃度〔NO2 〕の関係を示すもので、二つのガス分析部23,26における応答遅れ時間Td の差に起因する応答速度差が補正されるとともに、二つのガス分析部23,26における立ち上がり応答時間T90が補正されているので、NO濃度を示す曲線とNOX 濃度を示す曲線とが一致し、NO2 濃度の指示の振れ幅が最小限に抑制できたことがわかる。
【0035】
そして、上記NO/NO2 分析装置においては、サンプルガスSGの測定によって、NOX コンバータ18における触媒が減少し、二つのガス分析部23,26における応答遅れ時間Td の差が変化しても、前記補正値〔Tdif 〕をソフトウェア上で任意に変更できるので、所望の補正を容易に行うことができる。
【0036】
図4は、この発明の他の実施の形態を示すもので、ガス分析装置としてのメタン/非メタン分析装置の構成を概略的に示している。この図4において、51はサンプルガスラインで、サンプルガスSGとしての排ガスが流れる。このサンプルガスライン51は、開閉弁52を備えるとともに、この開閉弁52の下流側の点53において、二つのガスライン54,55(以下、第1ガスライン54、第2ガスライン55という)に分岐している。56,57は校正ガスとしてのTHC、メタンガスを第1ガスライン54および/または第2ガスライン55に導入するための校正ガス導入ラインで、58,59は接続点である。
【0037】
前記第1ガスライン54は、MHC測定ラインともいうべきもので、この第1ガスライン54には、流量調整用のキャピラリ60,61および三方電磁弁62が設けられ、さらに、この三方電磁弁62には、第1ガスライン54を流れるサンプルガスSG中のNMHCのみを例えば燃焼して除去するノンメタンカッター63を備えたガスライン64と、開閉弁65を備えたガスライン66とが互いに並列になるように接続され、さらに、これらのガスライン64,65は、その下流側の点67において合流し、その合流点67の下流側に、第1ガスライン54を流れるサンプルガスSG中に含まれているMHCを分析する第1ガス分析部としてのMHC分析部68が設けられている。
【0038】
前記第2ガスライン55は、THC測定ラインともいうべきもので、この第2ガスライン55には、流量調整用のキャピラリ69,70および第2ガスライン55を流れるサンプルガスSG中のTHCを分析する第2ガス分析部としてのTHC分析部72が設けられている。
【0039】
前記MHC分析部68およびTHC分析部72は、いずれも、例えば、水素炎イオン化検出器(FID)よりなり、これらのMHC分析部68およびTHC分析部72には、燃料としての水素ガスと助燃ガスとしての空気が供給されるように構成されている。すなわち、73は水素ガス導入ラインで、二方電磁弁74および圧力調整弁75が設けられるとともに、この圧力調整弁75の下流側の点76において二つの水素ガス供給ライン77,78に分岐し、それぞれの水素ガス供給ライン77,78には、流量調整用のキャピラリ79,80が設けられ、その下流側がMHC分析部68およびTHC分析部72にそれぞれ接続されている。また、81は空気導入ラインで、二方電磁弁82および圧力調整弁83が設けられるとともに、この圧力調整弁83の下流側の点84において二つの空気供給ライン85,86に分岐し、それぞれの空気供給ライン85,86には、流量調整用のキャピラリ87,88が設けられ、その下流側がMHC分析部68およびTHC分析部72にそれぞれ接続されている。
【0040】
なお、MHC分析部68およびTHC分析部72の下流側は、適宜のガス処理部(図示していない)に接続されている。
【0041】
また、91はバイパスラインで、圧力調整器92を備えるとともに、その上流側は、第1ガスライン54のキャピラリ60、61の間の点93および第2ガスライン55のキャピラリ69、70の間の点94に接続され、下流側は前記ガス処理部に接続されており、余分なサンプルガスSGを排出して、サンプルガスライン1におけるサンプルガスSGの圧力を一定に保持する。
【0042】
上記構成のメタン/非メタン分析装置においては、開閉弁52を開き、三方電磁弁62をオフにするとともに、二方電磁弁74,82をオンにすると、サンプルガスSGがサンプルガスライン51を経て、第1ガスライン54と第2ガスライン55とに分流するとともに、水素ガスおよび空気がMHC分析部68およびTHC分析部72にそれぞれ供給される。
【0043】
前記第1ガスライン54を流れるサンプルガスSGは、キャピラリ60,61および三方電磁弁62を経てガスライン64に入り、ノンメタンカッター63を通過する際、NMHCのみが除去され、この除去処理を受けたサンプルガスSGがMHC分析部68に供給される。このMHC分析部68には、水素ガス供給ライン77、空気供給ライン85によって水素ガスおよび空気が供給されているので、前記サンプルガスSGに含まれるMHCが燃焼し、そのときに生ずる電荷に基づいてMHC濃度に比例した信号が得られる。
【0044】
また、第2ガスライン7を流れるサンプルガスSGは、キャピラリ69,70を経てTHC分析部72に供給される。このTHC分析部72には、水素ガス供給ライン78、空気供給ライン86によって水素ガスおよび空気が供給されているので、前記サンプルガスSGに含まれるTHCが燃焼し、そのときに生ずる電荷に基づいてTHC濃度に比例した信号が得られる。
【0045】
上述のように、上記構成のメタン/非メタン分析装置においては、MHC分析部68およびTHC分析部72のそれぞれからMHC濃度に比例した信号およびTHC濃度に比例した信号が得られるが、このメタン/非メタン分析装置においても、図1のNO/NO2 分析装置と同様に、第2ガスライン55にバッファタンクが設けられていないので、MHC分析部68の出力信号とTHC分析部72の出力信号との間には、二つの分析部68,72における応答遅れ時間Td の差に起因する時間差があるが、この場合も、前記図1のNO/NO2 分析装置の場合と同様に、ソフト処理することにより、二つのガス分析部68,72における応答遅れ時間Td の差に起因する応答速度差の補正を確実に行うことができ、精度のよいMHC濃度〔MHC〕、THC濃度〔THC〕、NMHC濃度〔NMHC〕を得ることができる。
【0046】
この場合におけるソフト処理は、図2に示したものと同様であるので、その詳細な説明は省略するが、この場合、NMHC濃度は、下記(2)式によって求められる。
〔NMHC〕=〔THC〕−〔MHC〕×α ……(2)
α:THC分析部72のMHC相対感度補正値
【0047】
前記(2)式によって演算を行う場合、THC濃度〔THC〕としては、前記応答遅れ時間Td 差の分だけ前の値を用いる。
【0048】
この発明は、前記各実施の形態に限られるものではなく、例えばCLDまたはNDIRを用いたSOX 分析装置など他のガス分析装置にも同様に適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のガス分析装置においては、二つの独立したガス分析部における応答遅れ時間の差や立ち上がり応答時間の差をソフトウェアによって補正しているので、前記ガス分析部における応答速度差を簡単に補正することができる。また、サンプルガスの測定によって、サンプルガス中の特定成分に対して処理を行うための触媒などが減少し、前記二つの独立したガス分析部の応答遅れ時間の差が変化したときも、前記ソフトウェア上に応答遅れ時間の差を補正するための補正値を入力するだけで簡単に補正することができる。
【0050】
そして、上記ガス分析装置においてが、バッファタンクを設ける必要がなく、それだけハード構成が簡単になるとともに、調整作業なども不要であるから、連続測定が可能になるといった優れた効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のガス分析装置の一例を概略的に示す図である。
【図2】前記ガス分析装置における信号処理手順の一例を示す図である。
【図3】(A)は前記ガス分析装置における信号の状態を示す図、(B)は従来のガス分析装置における信号の状態を示す図である。
【図4】この発明のガス分析装置の他の例を概略的に示す図である。
【図5】従来のガス分析装置を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1…サンプルガスライン、6…第1ガスライン、7…第2ガスライン、23…第1ガス分析部、26…第2ガス分析部、51…サンプルガスライン、54…第1ガスライン、55…第2ガスライン、68…第1ガス分析部、72…第2ガス分析部、SG…サンプルガス。

Claims (3)

  1. サンプルガスが流れるサンプルガスラインを、第1ガス分析部を備えた第1ガスラインと第2ガス分析部を備えた第2ガスラインとに分岐し、前記二つのガス分析部の出力の差をとって前記サンプルガス中の特定成分の濃度を得るようにしてあり、第2ガス分析部の応答遅れ時間に比べて第1ガス分析部の応答遅れ時間が遅いガス分析装置において、前記二つのガス分析部の出力を一定時間ごとにサンプリングし、二つのガス分析部の出力の差をとるに際して、一定時間ごとにサンプリングした二つのガス分析部の出力にそれぞれあらかじめ入力した値を用いた移動平均処理を施すと共に、第1ガス分析部の出力に対して、二つのガス分析部の応答遅れ時間の差の分だけ前の第2ガス分析部の出力を用いて演算を行う演算制御装置を備えたことを特徴とするガス分析装置。
  2. 前記第1ガスライン上にコンバータを備え、前記演算制御装置が前記特定成分の濃度を得る際に、コンバータ効率を用いて演算を行う請求項1に記載のガス分析装置。
  3. 前記演算制御装置が前記特定成分の濃度を得る際に、前記第1ガス分析部と前記第2ガス分析部の相対感度補正値を用いて演算を行う請求項1に記載のガス分析装置。
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