JP4570351B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
そして冷凍装置並びに庫内ファン4Bが運転されると、蒸発器4Aにより生成された冷気が冷蔵室内に循環供給されて冷蔵室内が冷却される。また、冷凍装置とともに凝縮器ファンが駆動され、前面パネル7の吸気口8Aから吸い込まれた外気で冷凍装置の凝縮器5等が冷却され、冷却に供した後の暖排気が流通空間6に立ち上ったのち排気口8Bから前面に排出されるようになっている。
しかるに従来のものでは、機械室2内で冷凍装置を冷却した後の暖排気を排出する部分において、図15に示すように、流通空間6を立ち上った暖排気の一部が天板9に当たる可能性がある。その上、天板9の庇9Aの前縁は下方に屈曲されて形成されている場合が多く、また前面パネル7についても、周縁の強度を確保するための構造上の理由から、排気口8Bは上縁よりも少し下がった位置からしか形成できないという事情があって、流通空間6の天井部まで立ち上った暖排気は、スムーズに排気できなくて、むしろ滞留し勝ちとなる。そのため、特に流通空間6の部分に張られた天板9は加熱されて少なからず温度上昇し、食材等が置けない等により使用が制限されるおそれがあった。
また、冷凍装置の駆動を制御するための各種電気部品は、制御ボックスに収納して機械室2内に設置されることになるが、特に機械室2も含めて小型の冷蔵庫では、その設置スペースの確保も重要な問題となっていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものである。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記制御ボックスは、冷凍装置の仕様等に応じて交換される可能性のある電気部品等を主に収納する補助の制御ボックスとして、主の制御ボックスとは別に備えられているところに特徴を有する。
流通空間の天板の裏面に制御ボックスが設けられることで、流通空間を立ち上った暖排気が天板に直接に当たることが回避され、また暖排気が滞留し勝ちであった天井部が制御ボックスで埋められた状態となるから、暖排気が排気口に向けてスムーズに流れて排出される。その結果、流通空間の天板が不必要に加熱されることが防止されて、食材を置くことができる等、天板の使用範囲を広げることができる。
また、制御ボックスが、流通空間の天井部といった言わばデッドスペースを利用して設置されているのであるから、省スペース化に寄与できる。制御ボックスの内部の空間に加え、制御ボックスと天板との間に空間が設けられることによって、天板の裏側に二重の断熱層が形成された状態となり、もって暖排気による天板の加熱をより確実に防止することができる。
一方、天板が貯蔵庫本体から機械室にわたる一枚板で形成されている場合、流通空間に対応する天板の端部は、下に受けるものがないため、補強部材を設けることが多い。そして、制御ボックスを出し入れするためのレールをこの補強部材に設けたから、構造的な変更を最小限に留めて対応することができる。
制御ボックスを取り付ける場合は、後側を上げた斜め姿勢として載置部をレールの手前に載せ、レール上を摺動させて奥へ押し込みつつ前側を持ち上げて水平姿勢とし、掛止部を補強部材の前部に差し込んで掛止する。取り外す場合は、掛止部を抜きつつ制御ボックスを前方に引き出し、最後は前側を下へ傾けつつ載置部をレールから手前に外すようにして抜き取ればよい。
制御ボックスを安定して支持できる上に、着脱作業を簡単に行うことができる。
制御ボックスを流通空間の天板の裏面に装着した場合に、特に制御ボックスの前面側には、天板上に零れた水滴が裏側に回り込んで垂れたり、厨房の床面を水洗いしたときの跳ね返った水が、前面パネルと天板との隙間や排気口を通って降り懸かる可能性がある。一方、制御ボックス側では、電気部品の交換等を行う場合の便宜を考えると、箱本体に蓋を被せる構造とすることが望ましく、また、上記したように制御ボックスを安定して支持しかつ着脱を容易に行うためには、制御ボックスの前部を掛止構造とするのが望ましいという事情がある。
そこで本発明では、掛止部を設けるに当たり、蓋に対して箱本体の前面を覆う前面板を形成し、この前面板の下縁から前方に延出された延出板の延出端に掛止部を形成した構造とした。端的には、箱本体の前面が蓋の前面板で覆われた構造であるから、水が降り懸かった場合も、前面板で遮られて箱本体すなわち制御ボックス内に浸水することが防がれる。
<請求項4発明>
天板の裏面から垂れたり、前方から降り懸かった水滴は延出板に滴下する可能性が高く、滴下した水分は、傾斜に倣って流下したのち排出開口から速やかに排出される。制御ボックス内に浸水することがより確実に防がれる。
冷凍装置の仕様が変わった場合、特に圧縮機が変更になると、その付属の電気部品も交換する必要がある。そのため、制御ボックスを標準化できないという事情があった。
そこで本発明では、冷凍装置の仕様が変わっても交換が不要である電気部品は、別に備えた主の制御ボックスに収納し、流通空間の天井部に設ける制御ボックスは、補助の制御ボックスとして、交換の可能性のある電気部品を主に収納するようにした。
その結果、主の制御ボックスを標準化でき、冷凍装置の仕様の変更に対しては、補助の制御ボックスのみを選択して対応すればよいから、トータルしてコストの低減に寄与することができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図9によって説明する。この実施形態では、横型(テーブル型)の冷凍冷蔵庫を例示している。
図1ないし図3において、符号10は冷凍冷蔵庫の本体であって、前面に開口した横長の断熱箱体により構成され、底面の四隅に設けられた脚11によって支持されている。本体10の内部は、後付けされる断熱性の仕切壁12によって左右に仕切られ、左の相対的に狭い側が冷凍室14A、右の広い側が冷蔵室14Bとなっている。冷凍室14Aの前面の開口には揺動式の断熱扉15が、冷蔵室14Bの前面の開口には観音開き式の断熱扉16がそれぞれ装着されている。
機械室18内の上部における奥行き方向の中央部よりも少し手前に寄った位置には、冷凍室14Aと連通した断熱性の蒸発器室20Aが張り出し形成されているとともに、その下方には、冷凍ユニット45が出し入れ可能に収納される収納スペース21が設けられている。また仕切壁12の冷蔵室14B側の面には、ダクト23を張ることで別の蒸発器室20Bが形成されている。
冷凍回路25の構成部材のうち、冷凍側の蒸発器33Aが、冷凍室14A側の蒸発器室20A内に庫内ファン35Aとともに装備され、冷蔵側の蒸発器33Bが、冷蔵室14B側の蒸発器室20B内に、同様に庫内ファン35Bとともに装備されている。
それに対して機械室18の収納スペース21の底面には、上記した基台37が出し入れ可能に載置される底板40が張られている。この底板40は浅皿状に形成され、正面から見た右側板が本体10の側面の下端部に、左側板が、蒸発器室20Aの側面の下縁から垂下状に設けられた前後一対の支持フレーム42の下端にそれぞれ固定されて支持されている。
それとともに、冷凍回路25を形成するために、両蒸発器33A,33Bの入口側に接続されて引き出されたキャピラリチューブ32A,32Bが対応する電磁弁31A,31Bに接続されるとともに、両蒸発器33A,33Bの出口側から引き出された冷媒配管の合流配管が、圧縮機26の入口側に接続されるようになっている。
前面パネル55の下部側には、凝縮器27等を冷却すべく外気の吸気口57が形成され、吸気口57の前面にはエアフィルタ58が装着されている。前面パネル55の上部における正面から見た左側縁側、すなわち上記した流通空間53の前方に対応する位置には、排気口59が開口されている。
天板50における流通空間53の上方に突出した左端部は、下に受けるものがないことから、補強のために下面に補強部材70が配されている。
この補強部材70は、図5に示すように、亜鉛鋼板等の金属板をプレス成形することによって、細長い下面開放の箱形に形成されている。この補強部材70が開口を下に向けた姿勢において、流通空間53の天板50の裏面に当てられ、図7に示すように、正面から見た右側面を蒸発器室20Aの側面等にねじ71で止めされて固定されている。補強部材70の後面板72は、天板50の後側の側板に当てられ、前面板73は、天板50の庇50Aの奥に留まっている。また補強部材70の左側面には、側面パネル52の上縁がねじ止めされる。
箱本体81は、上記した補強部材70と同幅で、補強部材70の半分強の長さを持った、上面開放の細長い箱形に形成されている。この箱本体81では、下面の前端側の角部に、前方に向けて緩やかな上り勾配となったガイド面83が形成されているとともに、底面の奥端に寄った位置に、電線等の引出口84が開口されている。
一方の蓋82は、箱本体81内に緊密に嵌合可能な幅で、箱本体81よりも短い長さを持った、下面開放の箱形に形成されている。蓋82側では、上面の前端側の角に斜めの逃がし面85が形成されている。蓋82の前面板と後面板とは、その下縁が下方に延ばされて脚片86が形成され、脚片86の下縁に外向きに屈曲された取付板87が形成されている。
この補助制御ボックス80内には、同図の鎖線に示すように、主に圧縮機26の付属品としてのコンデンサや、起動用リレー等の電気部品Aが収納されるようになっている。それらのリード線は、引出口84から外部に引き出される。
なお、補強部材70における前面板73の上部には逃がし孔78が開口され、図7に示すように、補強部材70内の暖排気を、逃がし孔78、さらにはコーナ板47のスリット47Aを通して、天板50の庇50Aの下から外部に逃がすことができるようになっている。
また、補強部材70内に嵌められた補助制御ボックス80の蓋82の上面と、補強部材70の上面との間には空間97ができ、補助制御ボックス80の箱本体81と蓋82との間にできた空間98と合わせて、補助制御ボックス80の下面と、天板50との間には、二重の断熱層が設けられた構造となる。
冷却運転中では、冷凍室14Aと冷蔵室14Bにおいて、それぞれ庫内サーミスタ(図示せず)で庫内温度が検知され、庫内温度が個別に設定された設定温度よりも高くなると、対応する電磁弁31A,31Bが開放されて蒸発器33A,33Bへ冷媒が供給されるとともに庫内ファン35A,35Bが駆動されることで庫内が冷却され、一方庫内温度が設定温度よりも低くなると、電磁弁31A,31Bが閉じて冷媒の供給が停止するとともに庫内ファン35A,35Bが停止することで冷却動作が停止され、その繰り返しによって、各室14A,14B内がほぼ設定温度に維持される。なお、冷凍側と冷蔵側の電磁弁31A,31Bのいずれか一方が開くと冷凍ユニット45(圧縮機26)は駆動され、両電磁弁31A,31Bが閉じると冷凍ユニット45が停止する。
また、メンテナンス等において、補助制御ボックス80を庫外に取り出す必要がある場合には、機械室18の前面パネル55を開放したのち、上記の取付時と反対に、ねじ95を緩めて固定を解除したのち、補助制御ボックス80を前方に引き出し、最後は前端側を下へ傾けつつ、載置板91をレール74から外すようにして抜き取ればよい。このとき、補助制御ボックス80に蓋82における前端角部に逃がし面85が形成されているから、補強部材70における前面板73の突出部75に引っ掛かることが避けられる。
冷凍ユニット45の仕様が変わった場合、特に圧縮機26が変更になると、その付属の電気部品Aも交換する必要があり、そのため従来では、電気部品等を収納する制御ボックスを標準化できないという事情があった。
そこでこの実施形態では、冷凍ユニット45の仕様が変わっても交換が不要である電気部品については、主制御ボックス60に収納してこれを機械室18の前面パネル55の裏面に設ける一方、交換の可能性のある電気部品Aについては、補助制御ボックス80に収納し、補助制御ボックス80自体は、流通空間53の天板50の裏面に設けられた補強部材70内に装着するようにした。
その結果、主制御ボックス60が標準化でき、冷凍ユニット45の仕様の変更に対しては、補助制御ボックス80のみを変更すればよいから、トータルしてコスト低減に寄与することができる。また、補助制御ボックス80を装着するに当たり、補強部材70内といった言わばデットスペースを利用しているから、省スペース化に寄与できる。
また、暖排気の排出効率が向上することは、外気を吸引して凝縮器27を冷却する機能、言い換えると凝縮器27の凝縮機能を高めることができ、ひいては冷凍装置の冷却能力を向上させることができる。
一方、天板50が本体10から機械室18にわたる一枚板で形成されている場合、流通空間53に対応する天板50の端部は、下に受けるものがないことから、補強部材70が設けられるのであるが、上記した補助制御ボックス80を出し入れするためのレール74が、補強部材70の側板70Aの下縁を曲げることで一体に形成されているから、構造的な変更を最小限に留めて対応することができる。
本発明の実施形態2を図10ないし図13によって説明する。この実施形態2では、補助制御ボックス100の形状に変更が加えられている。以下には、変更部分について主に説明し、実施形態1の補助制御ボックス80と同一機能を有する部位については同一符号を付すことで、説明を簡略化または省略する。
実施形態2の補助制御ボックス100も、図10に示すように、ともに亜鉛鋼板等の金属板をプレス成形並びにスポット溶接することで形成された箱本体101と蓋102とから構成されている。
一方の蓋102は、箱本体101よりも少し短い長さを持った下面開放の箱形に形成されているが、蓋102側でも前端側の形状が変更されている。すなわち蓋102における上面の前端側の角に形成された逃がし面85の下縁から、前面板110が垂下状に形成されている。この前面板110は、後記するように箱本体101に蓋102が被せられた場合に、箱本体101の前面を覆うように機能し、前面板110の下縁は、箱本体101の底面を越えて取付板105の下縁に達している。
ガイド面111の左右の側縁には側板115が立ち上がり形成されているとともに、両側板115の下端と前面板110との間に排水切欠116が形成されている。またガイド面111の幅方向の中央部の下端部には、排水口117が形成されている。
さらに、蓋102の両側面の下端部が、外側に段差状に広げられ、この拡幅部122が、箱本体101の左右の側面における上端部の外側に嵌められるようになっている。
なお、箱本体101の底面におけるリード線の引出口84の後方には、左右両側縁に排水切欠107が、そのさらに後方に排水口108がそれぞれ形成されている。
これにより、図11に示すように、箱本体101の長さ方向の前端寄りの位置に、蓋102が被せられた状態の補助制御ボックス100が形成される。
補助制御ボックス100を庫外に取り出す場合は、機械室18の前面パネル55を開放したのち、上記の取付時と反対に、ねじ95を緩めて固定を解除したのち、補助制御ボックス100を前方に引き出し、最後は前端側を下へ傾けつつ、載置板91をレール74から外すようにして抜き取ればよい。
補助制御ボックス100を流通空間53の天井部に装着した場合に、特に補助制御ボックス100の前面側には、天板50上に零れた水滴が裏側に回り込んで垂れたり、厨房の床面を水洗いしたときの跳ね返った水が、前面パネル55と天板50との隙間や排気口59を通って降り懸かる可能性がある。
なお、蓋102の上面に滴下した水分が側面側に流下したとしても、蓋102の側面の拡幅部122が箱本体101の側面に被さった構造であるから、箱本体101内に水分が浸入することはない。
また、箱本体101の開口した後部側に水滴が降り懸かったとしても、排水切欠107や排水口108から直ちに排出され、箱本体101内に浸入することが極力防止される。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)冷凍回路としては、上記実施形態に例示した圧縮機1台に2個の蒸発器を備えたものに限らず、圧縮機1台に1個の蒸発器を備えたもの、逆に複数個の蒸発器を備えたものであってもよい。
(2)本発明は、蒸発器も冷凍ユニットと併せて出し入れする形式のものにも、同様に適用できる。
(3)逆に冷凍ユニットが引き出し形式ではなくて、機械室の底面側に据え置く形式のものであってもよい。
(4)制御ボックスとして、補強部材内に装着する制御ボックスのみを設けるようにしてもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
Claims (5)
- 貯蔵庫本体の側方には、蒸発器が収納された蒸発器室と、圧縮機、凝縮器を含む冷凍装置が収納された収納スペースとを上下に配設した機械室が設けられ、前記貯蔵庫本体から前記機械室にわたって一枚板の天板が張られるとともに、前記機械室における前記貯蔵庫本体とは反対側の側面パネルと前記蒸発器室の側面との間に空気の流通空間が形成されており、前記機械室の前面パネルの下部側に吸気口が、上部側の前記流通空間と対応する領域に排気口が形成され、前記吸気口から吸い込まれた外気で前記冷凍装置の前記凝縮器等が冷却され、冷却に供した後の暖排気が前記流通空間に立ち上ったのち前記排気口から外部に排出されるようにした冷却貯蔵庫において、
前記流通空間の天板の裏面には、前記冷凍装置の駆動制御用の電気部品等を収納した制御ボックスが、前記流通空間を立ち上った暖排気が前記天板に当たるのを遮ることが可能で、かつ前記天板との間に空間を設けた状態で設けられており、
さらに前記天板における前記流通空間の天井面に突出した端部の裏面には補強部材が配設され、前記制御ボックスが、前記補強部材に設けられたレールに沿って出し入れ可能に装着されていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記制御ボックスの後部側には、前記レール上に摺動可能に載置される載置部が設けられる一方、前部側には、前記補強部材の前部に対して前方から差し込まれて掛止可能な掛止部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。
- 前記制御ボックスは、上面開放の箱本体に蓋が被着された構造であって、この蓋に設けられた前面板が前記箱本体の前面を覆い、かつ前記蓋の前面板の下縁から前方に延出された延出板の延出端に、前記掛止部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の冷却貯蔵庫。
- 前記延出板が斜め上方を向いた傾斜姿勢に形成され、この延出板の下部側に排水開口が形成されていることを特徴とする請求項3記載の冷却貯蔵庫。
- 前記制御ボックスは、冷凍装置の仕様等に応じて交換される可能性のある電気部品等を主に収納する補助の制御ボックスとして、主の制御ボックスとは別に備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の冷却貯蔵庫。
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