JP4567979B2 - プラズマ処理システム及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理システム及びプラズマ処理方法 Download PDF

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Description

本願の発明は、プラズマを利用して処理を行うプラズマ処理システム及びプラズマ処理方法に関するものである。
プラズマによるガスの活性化は、産業の各分野で様々な応用がされている。例えば、各種電子デバイス、各種ディスプレイ装置等の製造では、プラズマ中で活性化させたガスを利用して基板に対して各種表面処理を行っている。プラズマ中の気相反応を利用して薄膜を作成するプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)、プラズマ中で生じた活性種やイオンの作用を利用してエッチングを行うプラズマエッチング等である。
このようなガス活性化に用いられるプラズマの一つのタイプとして、誘導結合プラズマが知られている。誘導結合プラズマは、高周波電力を利用して生成したプラズマの一種であり、プラズマと高周波電極とが誘導性結合している。誘導結合プラズマ方式は、プラズマ中に流れる誘導電流により高密度プラズマの生成が可能であり、ガスを高効率で活性化させることができるため、ガス活性化装置に適している。
図9は、誘導結合プラズマ方式を採用した従来例のガス活性化装置の正面断面概略図である。図9に示す装置は、前述したような表面処理に用いられるものであり、表面処理システムに搭載されている。この装置は、内部で気体放電によりプラズマが生成される放電管1と、放電管1にガスを供給するガス供給系2と、放電管1内のガスに高周波電力を印加する高周波電力印加機構とから主に構成されている。高周波電力印加機構は、放電管1の周囲に設けられたアンテナ31と、アンテナ31に高周波電流を供給して放電管1内に高周波磁界を誘起する高周波電源32と、高周波電源32とアンテナ31と間の回路上に設けられた整合器33とから主に構成されている。
放電管1内には、プラズマ化していないガス(中性ガス分子)が次々に供給されるが、中性ガス分子には、高周波磁界により誘起された高周波電界で加速されたプラズマ中の電子が衝突する。衝突により、ガス分子の解離、励起等が生じ、基底状態のガス分子とは異なる化学的に活性な種が生まれる。「ガス活性化」とは、このように活性種を生じさせることを指している。放電管1の下端開口は、処理チャンバー5に接続されている。処理チャンバー5内には、表面処理を行う基板10が配置されている。解離、励起等により生成された活性種は、処理チャンバー5内に進入し、基板10に達して表面処理に利用される。尚、本願発明における「解離」の用語は、広い意味を持つものであり、イオン化、分解の双方を含む。つまり、イオン化のみの現象でも「解離」と言い得るし、電気的には中性な分子又は原子に分解される現象も「解離」と言い得る。
特許第3426382号公報 特開2000−133498号公報
ガス活性化効率を上げるには、電子密度を高くすること、即ちプラズマ密度を高くすることが必要で、一般的には、圧力が高い方が高密度プラズマとなり易い。しかし、高い圧力にするとプラズマが局在化し易くなり、誘導結合プラズマ源においては、放電管内の周辺部よりも中央部で低濃度のプラズマとなる。このため、上述したようなガス活性化装置では、放電管1内のガスの流れとの関係から、圧力を高くしてもあまり活性種の密度が増加しないという課題がある。この点について、図10を使用して説明する。図10は、図9に示すような従来のガス活性化装置において、ガス圧とプラズマ密度との関係について示した図である。
放電管1内に流れるガスの流速は、周知のように、放電管1の中央部分において大きく、周辺部分において小さい(図10(1))。従って、中央部分を通って流れるガス分子の量は多く、周辺部分を通って流れるガス分子の量は少ない。この傾向は、図10(1)に示すようにガスの流れが層流である場合に顕著である。
一方、図10(3)(4)に示すように、誘導結合によって放電管1内にプラズマを生成した場合、管軸に垂直な面内でのプラズマ密度分布は、圧力によって異なってくる。圧力が高い場合には、プラズマシースが狭く、周辺部で高い誘導電流が流れるため、図10(3)に示すように周辺部のプラズマ密度が高くなる。つまり、周辺部で活性化効率が高く、中央部で低くなる。一方、圧力が低くなると、平均自由行程が長くなってプラズマシースが広くなる。このため、電子は放電管1の中央付近まで移動可能になり、従って、図10(4)に示すように、多くの中性ガス分子が供給される中央部でプラズマ密度が高くなる。尚、本明細書において、「管軸」とは、管の長さ方向(管が延びる方向)に垂直な面における管の中心を通り、長さ方向に沿った線を意味する。
上記説明から解るように、従来のガス活性化装置では、放電管1内の圧力を高くしても、多くのガス分子がプラズマ密度が相対的に低い中央部を通過してしまうため、最終的な活性化効率は高くならないという課題がある。逆に、活性化効率が低い中央部を多くのガス分子が通過してしまうので、得ようとしている活性種が充分に得られず、ガスの消費量ばかりが多くなってしまう。
尚、このようなプラズマ密度分布の逆転現象は、放電管1の内径にもよるが、実用的に用いられるガス活性化装置において実用的に用いられる範囲の寸法(例えば直径7cm)では、100Pa程度を境にして生じると考えられる。
本願の発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、誘導結合方式でプラズマを生成して利用するプラズマ処理システムにおいて、ガス活性化効率を効果的に高めることのできる技術を提供するものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、放電管と、開口を通して前記放電管と連通している処理チャンバーと、前記放電管内にガスを供給するガス供給系と、前記放電管内のガスに高周波電力を印加して誘導結合プラズマを生成する高周波電力印加機構と、前記放電管内において中央部に比べて周辺部におけるガス流量が多くなるよう設けられた流量規制具と、前記流量調整具の一端に取り付けられた端板とを備えており、
前記端板は浮遊電位となっており、
前記端板と前記放電管と間には、前記処理チャンバーに向けて前記ガスが流れる隙間が形成されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記流量規制具は、放電管の軸に沿って延びる形状であって放電管と同軸に設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記放電管の管壁と前記流量規制具との間に磁界を設定する磁石が設けられており、この磁石は、磁界を設けないときの放電管の壁面及び流量規制具の壁面への電子の飛行経路に交差する方向に磁力線を設定して各壁面に向かう電子の運動を抑制するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1乃至いずれかに記載のプラズマ処理システムを使用したプラズマ処理方法であって、前記端板によってコンダクタンスを調整し、前記放電管内の圧力を前記処理チャンバー内の圧力より高くしつつ処理を行う方法であるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1記載の発明によれば、高い誘導電流が流れ易い放電管内の周辺部にガスが多く流れるので、プラズマの中で生ずる活性種の密度を効果的に高くすることが可能であり、全体の活性化効率を効果的に高めることができる。また、端板により電子の拡散が抑制されるので、放電管内のプラズマをより高密度にすることができる。
また、請求項2記載の発明によれば、上記効果に加え、流量規制具が放電管と同軸であるので、流量規制具によって形成される流路も同軸となる。このため、均一なガスの流れが形成される。
に差を付けながらガスを活性化させる場合に最適な構成となる。
また、請求項記載の発明によれば、上記効果に加え、磁石の作用によりさらに高密度のプラズマを得ることができ、さらに効率良くガスの活性化を行うことができる。
以下、本願発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)について説明する。まず、実施形態の構成の説明に参照される参照例の構成について説明する。
図1は、第一の参照例プラズマ処理システムの正面断面概略図であり、ガス活性化装置が搭載されている。図1に示すガス活性化装置は、図9に示す装置と同様、内部で気体放電によりプラズマが生成される放電管1と、放電管1にガスを供給するガス供給系2と、放電管1内のガスに高周波電力を印加する高周波電力印加機構とから主に構成されている。高周波電力印加機構は、アンテナ31と、アンテナ31に高周波電流を供給して放電管1内に高周波磁界を誘起する高周波電源32と、高周波電源32とアンテナ31と間の回路上に設けられた整合器33とから主に構成されている。
放電管1は円筒形であり、図1に示すように上下方向に延びるよう設けられている。放電管1は、上端が細く絞られており、そこにガス供給系2が接続されている。ガス供給系2は、供給するガスを溜めたボンベ、ボンベと放電管1とをつなぐ配管、配管上に設けたバルブ、流量調整器、フィルタ等から構成されている。
放電管1は、石英ガラスのような誘電体製である。アンテナ31は、この参照例ではコイル状である。
高周波電源32としては、数100kHzから数10MHzの範囲の任意の周波数のものが用いられる。出力は、放電管1の内径、放電管1内の圧力等に応じて適宜決定される。尚、コイル状のアンテナ31の巻き数は、0.5〜数十程度であり、高周波の周波数に応じた最適巻き数が実験的に定められる。例えば13.56MHzの場合、巻き数は1〜5の範囲である。
参照例プラズマ処理システムに搭載されたガス活性化装置の大きな特徴点は、放電管1内において中央部に比べて周辺部におけるガス流量が多くなるようにする流量規制具4が設けられている点である。流量規制具4は、この参照例では、放電管1の中央に設けられた棒状であり、中央部でのガス流量をゼロにするものである。流量規制具4は、丸棒即ち断面が円形の棒状であり、放電管1と同軸であって軸方向に延びている。流量規制具4も、石英ガラスのような誘電体製である。流量規制具4の上端は半球状となっているが、円錐状に形成される場合もある。流量規制具4は、放電管1の下端と同じ位置まで延びている。
図1に示すプラズマ処理システムは、気密な真空チャンバーである処理チャンバー5と、処理チャンバー5内を排気する排気系51と、処理チャンバー5内の所定位置に処理対象である基板10を保持する基板ホルダー6とを備えている。尚、処理チャンバー5は、上壁部に開口を有しており、この開口に放電管1の下端が気密に嵌め込まれている。
図1において、高周波電源32を動作させた状態でガス供給系2がガスを放電管1内に供給する。供給されたガスは、放電管1内を流れるが、この際、アンテナ31に供給された高周波電流によって放電管1内に高周波磁界が誘起され、この高周波磁界により誘起された高周波電界により放電管1内に放電が生じ、ガスがプラズマ化する。プラズマ中で生じた活性種は、処理チャンバー5内に進入し、基板10に達して表面処理に利用される。尚、基板10は、放電管1と同軸の位置に保持されるようになっている。これは、放電管1から送られる活性種の基板10上での分布を均一にし、処理を均一にするためである。
上記構成及び動作に係る本参照例のプラズマ処理システムにおけるガス活性化装置は、流量規制具4の作用によりガス活性化効率が上昇している。以下、この点について説明する。
図2は、放電管1内のガスの流速分布を概略的に示した図である。放電管1内のガス流速分布は、ガスの流れが層硫か乱流かによって若干異なる。層流の場合、図2(1)に示すように、管軸方向に凸となる放物線を描く。乱流の場合、図2(2)に示すように、流路の端部では低くなるもののほぼ均一な速度分布となる。層流となるか乱流となるかは、ガスの圧力、流速、流路の形状等による。いずれにしても、本参照例によれば、ガスは、放電管1の中央部には流れず、活性化効率の高い周辺部のみを流れる。このため、全体の活性化効率(全体のガス供給量に対する活性化量)を高くできる。
圧力によってプラズマ密度分布がどう異なるかについて、図3を使用して説明する。図3は、図1に示す参照例における圧力と放電管1内のプラズマ密度分布との関係を示したものである。この参照例では、流量規制具4によって放電管1の中央部にはガスが流れなくなっている。従って、図3に示すように、圧力が低い場合にはプラズマ密度は低くなるものの、基本的には同様の形状の分布となる。従って、適切な値に圧力を高めることで効果的にプラズマ密度を高くすることが可能であり、全体の活性化効率を効果的に高めることができる。
次に、構成がさらに最適化された第二の参照例プラズマ処理システムにおけるガス活性化装置について、図4を使用して説明する。図4は、第二の参照例プラズマ処理システムにおけるガス活性化装置の主要部の正面断面概略図である。この参照例では、流量規制具4を冷却する冷却系7が設けられており、流量規制具4の取付構造が最適化されている。
まず、放電管1は上端部分がフランジ状となっており、その上にガス導入板21が設けられている。ガス導入板21は、放電管1に対して気密に取り付けられている。ガス導入板21は、中央に円形の開口を有している。そして、開口の縁に沿って水平方向に周状に溝211が形成されている。ガス導入板21は、この溝211と外側面とを連通させるようにして設けられた第一のガス導流路212と、溝211から下方に延びてガス導入板21の下面に達する第二のガス導入路213とを有している。第二のガス導入路213の出口は、放電管1内を臨んでいる。第二のガス導入路213は、放電管1と同軸な円周上に均等間隔をおいて複数設けられている。尚、溝211は、いわゆるガスリザーバとして機能する。
ガス導入板21の中央の開口は、放電管1と同軸の位置に設けられており、この開口に気密に嵌め込まれるようにして流量規制具4が設けられている。従って、ガス導入板21の溝は、流量規制具4によって気密に閉じられた状態である。流量規制具4も、上端部分がフランジ状となっており、この部分がガス導入板21に乗っている。
流量規制具4は、冷媒を流す空洞41を有している。空洞41は、図4に示すように上下に長く、上側は上端面にまで達して開口42となっている。この開口42は冷媒の流入用である(以下、冷媒流入口)。流量規制具4の下端は閉じられているが、下端より僅かに上の位置に冷媒流出口43を有している。
放電管1も、冷媒流出口43と同じ高さ及び同じ周方向の位置に、冷媒排出口11を有している。二つの冷媒排出口43,11は、冷媒排出管71によってつながっている。
冷却系7は、冷媒導入口42から冷媒を導入し、冷媒排出口43から冷媒を排出することで、流量規制具4をするようになっている。冷媒としては、水又は融点の低い他の冷媒が使用される。冷却系7は、排出された冷媒を再冷却して循環させるサーキュレータを備えることがある。
また、図4に示す構造から解るように、流量規制具4は、ガスの上流側でのみ保持された構造となっている。下流側で保持しようとすると、流路中に保持部材を設けることになり易く、解離、励起等によって生成された活性種の流れを遮蔽してしまう構造となり易い。本参照例では、このような問題はない。
この参照例では、ガス供給系2は、ガス導入板21内の第一のガス導入路212、溝211、第二のガス導入路213を通して放電管1にガスを供給する。供給されたガスは、放電管1内を通して輸送され、高周波電力によってプラズマ化し、プラズマ中で所望の解離、励起等が生ずる。放電管1は、プラズマによって加熱され、また場合によっては高周波によって誘導加熱されるが、冷却系7によって冷却される。このため、限度以上に温度上昇することはない。尚、ガス導入板21は、高周波の導入を乱さないよう誘電体で形成されることが好ましいが、アンテナ31の位置などによっては導体で形成してもよいこともある。
次に、本願発明の第三の参照例について説明する。図5は、第三の参照例プラズマ処理システムにおけるガス活性化装置の正面断面概略図である。図5に示す参照例では、流量規制具4は、放電管1内を中央部の流路と周辺部の流路とに仕切るものとなっている。流量規制具4は、円筒形であり、放電管1と同軸の位置に設けられている。
ガス供給系2は、流量規制具4内の流路(以下、内側流路)と、放電管1内であって流量規制具4外の流路(以下、外側流路)とに、異なるガスを供給するようになっている。流量規制具4の下端は、放電管1の下端と同じ高さ又はそれより低い位置となっている。従って、内側流路に流れるガスと外側流路に流れるガスは、混じり合うことなく処理チャンバー5内に導入されるようになっている。
この参照例では、放電管1の内部において高い誘導電流が流れ易いところと流れにくいところに別々のガスを流すので、そのような違いを効果的に利用することができる。つまり、解離もしくは励起等の度合いを低くしたり又は活性を低く抑えたいガスは内側流路を通して流し、解離もしくは励起等の度合いを高くしたり又は活性を高くしたいガスは外側流路に流す、という使い方である。
このガス活性化装置は、例えば、シランガス(SiH等)と窒素ガスとを使用して窒化シリコン膜を作成するプラズマCVD装置に好適に搭載される。この種の成膜では、SiHのような解離度の低い活性種を多く基板10に供給した方が良質な薄膜ができるものの、窒素は解離しづらいため、高密度プラズマが必要である。そこで、内側流路にシランガス(SiH等)を流し、外側流路に窒素ガスを流すようにする。内側流路では、シランガスの過剰な解離を抑えてSiHのような解離度の低い活性種が豊富に生成される。外側流路では、高密度プラズマにより窒素が効率よく解離され、原子状窒素のような窒素活性種や窒素イオンが豊富に生成される。これらの活性種が基板10に到達することで、基板10上に良質な窒化シリコン膜が作成される。 尚、従来のように放電管1内に単純にシランと窒素の混合ガスを供給する構成であると、良質な膜が得られない問題の他、シランに過剰な解離が生じて気相中での重合が多く生じてしまい、基板10上の成膜速度が低下したり、管壁等に多くの膜堆積が生じたりする問題がある。
尚、上記のような場合、解離、励起又は活性化の度合いを低くしたいガスを放電管1を経由せずに処理チャンバー5に直接導入する構造も考えられる。しかしながら、この場合、ガス導入が基板10に対して完全な軸対称にはならず、基板10上でのガスの分布が不均一になり易いという欠点がある。
次に、本願発明の第四の参照例について説明する。図6は、第四の参照例プラズマ処理システムにおけるガス活性化装置の正面断面概略図である。図6に示す装置では、放電管1内に磁界を設定する磁石8が設けられている。磁石8は、磁界を設けないときの放電管1の壁面及び流量規制具4の壁面への電子の飛行経路に交差する方向に磁力線を設定することで各壁面に向かう電子の運動を抑制し、さらにプラズマ密度を高めるものである。プラズマ中の電子は、磁力線によって捉えられて磁力線を横切る方向への運動が抑制される。このため、管壁付近で電子とイオンが再結合してプラズマが消滅することが抑制される。また、磁界によって電子の運動が促進されるため、中性ガスのイオン化効率が高まる。このようなことから、さらにプラズマ密度を高くすることができる。磁界強度は、数10ガウス〜数100ガウス程度でよい。
尚、図6では、磁石8は電磁石であるように描かれているが、永久磁石によってこれを構成することも可能である。また、図6では、放電管1の軸方向に沿って延びる磁力線としているが、軸を取り囲む周方向に沿った磁力線とする場合もある。
次に、本願発明の実施形態について説明する。図7は、実施形態プラズマ処理システムにおけるガス活性化装置の正面断面概略図である。図7に示す実施形態では、流量規制具4は、アルミニウム、ステンレス、銅のような導体で形成されており、不図示の絶縁部によってアースから絶縁されている。
前述したように、誘導結合プラズマでは、アンテナ31を流れる高周波電流により磁界が誘導され、この磁界によりプラズマ中に電流が誘導される。図7において、放電管1の管壁と流量規制具4との間の間のプラズマがアンテナ31と誘導性結合している限り、流量規制具4が導体であってもそこに誘導電流が流れることは本質的にはない。もし、誘導電流が流れたとしても、電力ロスはジュール損のみである。前述したような金属の場合、このジュール損も小さい。従って、本実施形態のように流量規制具4を導体製にしておいても問題はない。尚、この場合、プラズマからの保護等のため、流量規制具4の表面をアルマイト処理したり、誘電体の保護膜で被ったりすることはあり得る。
また、この実施形態では、流量規制具4の下端には、端板91が取り付けられている。端板91は、流量規制具4と同軸の円板状の部材である。端板91の径は、放電管1の下端開口の径よりも小さく、従って、両者の間には隙間が形成されている。放電管1内での活性化により生じた化学種は、この隙間を通して流出し、処理チャンバー5内の基板10に達するようになっている。
端板91は、流量規制具4と同様に、不図示の絶縁部によってアースから絶縁されており、浮遊電位となっている。浮遊電位は、周知のように負の電位である。浮遊電位となる端板91は、放電管1の下端開口を通した電子の拡散を防止することでプラズマをより高密度にする機能がある。電子、特に磁石8によって設定された磁力線に捉えられた電子が放電管1の開口から多く拡散してしまうと、プラズマも拡散してプラズマ密度が低下してしまう問題がある。この実施形態では、浮遊電位となる端板91が設けられているので、この部分で開口を通した電子の拡散が抑制される。このため、プラズマをより高密度にできる。
また、端板91は、放電管1の開口のコンダクタンスを調整する機能もある。コンダクタンスの値は、端板91の径を適宜選択することで調整される。端板91によってコンダクタンスを小さくする点は、処理チャンバー5内の圧力を低く保ちつつ放電管1内により高密度のプラズマを生成するためである。前述したように、高密度プラズマを生成するためには、放電管1内の圧力を高くすることが効果的であるが、放電管1と処理チャンバー5とは連通しているため、放電管1内の圧力を高くすると、処理チャンバー5の圧力も上昇し易い。処理によっては、低い圧力で処理することが必要な場合もあるので、都合が悪い。そこで、本実施形態では、端板91を設けて放電管1と処理チャンバー5との間のコンダクタンスを小さくし、ある程度の大きな圧力差が生じるようにしている。このため、放電管1内で比較的圧力を高くして高密度プラズマを生成しながら、処理チャンバー5内を所定の低圧に保つことができるようになっている。
例えば、放電管1内を100〜500Pa程度、処理チャンバー5内を1〜10Pa程度にすることが、端板91により可能となる。尚、ガス供給系2の不図示の流量調整器は、流量が一定になるよう制御を行う。従って、コンダクタンスが小さくなった場合でも、放電管1から流れ出る化学種の流量は一定であり、効率は低下しない。
次に、本願発明の第五の参照例について説明する。図8は、第五の参照例のプラズマ処理システムにおけるガス活性化装置の正面断面概略図である。図8に示す実施形態では、放電管1と処理チャンバー5との境界部分に、コンダクタンス調整具92を設けている。コンダクタンス調整具92は、放電管1の下端に取り付けられている。コンダクタンス調整具92は、円形の板の中央に円形の開口を設けた形状であって、放電管1の下端開口の面積を小さくする形状となっている。コンダクタンス調整具92の機能は、実施形態における端板91の機能の一つと同様である。即ち、放電管1の開口面積を適宜選定することでコンダクタンスを小さくしながら調整することができる。尚、第五の参照例において、コンダクタンス調整具92は、誘電体製又はアースから絶縁された導体製であり、誘導電流が本質的に流れないのであれば、アースされた導体であっても良い。
尚、ガス活性化装置の利用分野としては、前述したCVDやエッチングの他、クリーニング装置、排ガス処理装置、微粉末生成装置等がある。クリーニング装置は、プラズマ中の活性化により生成した活性種やイオンの作用により表面の付着物を除去するクリーニングを行う装置である。排ガス処理装置は、有害な排ガスをプラズマによって活性化させて無害化する装置である。微粉末生成装置は、プラズマによって原料ガスを活性化させ、気相中で重合もしくは結晶成長させて微粉末を生成する装置である。
第一の参照例プラズマ処理システムにおけるガス活性化装置の正面断面概略図である。 放電管1内のガスの流速分布を概略的に示した図である。 図1に示す参照例における圧力と放電管1内のプラズマ密度分布との関係を示したものである。 第二の参照例プラズマ処理システムにおけるガス活性化装置の主要部の正面断面概略図である。 第三の参照例プラズマ処理システムにおけるガス活性化装置の正面断面概略図である。 第四の参照例プラズマ処理システムにおけるガス活性化装置の正面断面概略図である。 実施形態プラズマ処理システムにおけるガス活性化装置の正面断面概略図である。 第五の参照例のプラズマ処理システムにおけるガス活性化装置の正面断面概略図である。 誘導結合プラズマ方式を採用した従来例のガス活性化装置の正面断面概略図である。 図9に示すような従来のガス活性化装置において、ガス圧とプラズマ密度との関係について示した図である。
1 放電管
2 ガス供給系
31 アンテナ
32 高周波電源
4 流量規制具
5 処理チャンバー
51 排気系
6 基板ホルダー
7 冷却系
8 磁石
91 端板
92 コンダクタンス調整具
10 基板


Claims (4)

  1. 放電管と、開口を通して前記放電管と連通している処理チャンバーと、前記放電管内にガスを供給するガス供給系と、前記放電管内のガスに高周波電力を印加して誘導結合プラズマを生成する高周波電力印加機構と、前記放電管内において中央部に比べて周辺部におけるガス流量が多くなるよう設けられた流量規制具と、前記流量調整具の一端に取り付けられた端板とを備えており、
    前記端板は浮遊電位となっており、
    前記端板と前記放電管と間には、前記処理チャンバーに向けて前記ガスが流れる隙間が形成されていることを特徴とするプラズマ処理システム。
  2. 前記流量規制具は、放電管の軸に沿って延びる形状であって放電管と同軸に設けられていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理システム。
  3. 前記放電管の管壁と前記流量規制具との間に磁界を設定する磁石が設けられており、この磁石は、磁界を設けないときの放電管の壁面及び流量規制具の壁面への電子の飛行経路に交差する方向に磁力線を設定して各壁面に向かう電子の運動を抑制するものであることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理システム。
  4. 前記請求項1乃至いずれかに記載のプラズマ処理システムを使用したプラズマ処理方法であって、前記端板によってコンダクタンスを調整し、前記放電管内の圧力を前記処理チャンバー内の圧力より高くしつつ処理を行うことを特徴とするプラズマ処理方法。
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