JP4567839B2 - 放射性物質貯蔵設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は放射性物質を密封した密封体から出る放射線を遮蔽するための放射性物体貯蔵容器、放射性遮蔽構造物等の放射性物質貯蔵設備に関し、詳細には熱及び外部雰囲気条件による遮蔽体の劣化を抑制し得る、耐久性に優れた放射性物質貯蔵設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所から発生する使用済燃料集合体を、解体処理すると共にプルトニウム等の再度燃料として使用できる有用物質を回収するため、再処理する計画がある。従来、このような使用済燃料は、その再処理を行うまでの間、原子炉の燃料集合体プール等に一次保管されてきたが、年々増大する使用済燃料によりプール等の保管設備の収容能力が限界に達するおそれがある。そこで、再処理を行うまでの間、安全に、安価にかつ取り出し可能な状態で使用済燃料を長期間保管できる設備が必要となってきている。
【0003】
このような設備として空気による自然冷却を行う乾式法の開発が進められ、プールに比べて運転コストの低いことが注目されている。
乾式法は、溶接密封金属容器(以下、キャニスタという)を用いた方法と輸送キャニスタに似た金属キャスク法との2つに大きく分類される。キャニスタ方式は、さらに多数のキャニスタを1つの貯蔵設備で遮蔽するボールト方式と、1つのキャニスタを1つのコンクリート構造物で遮蔽するサイロ若しくはコンクリートキャスク方式とに分けられる。それぞれの方式に一長一短があるが、低コストであることから近年米国ではコンクリートキャスク方式が注目されてきている。
図5及び図6は従来のコンクリートキャスク方式に使用されるコンクリートモジュールの水平方向及び垂直方向の概略断面図を示している。
【0004】
このコンクリートモジュール30は、キャニスタ31とコンクリート製遮蔽体32とから基本的に構成されている。キャニスタ31は使用済燃料集合体を複数封入した溶接密封構造であり、封入した内部の放射性物質が外部に漏洩しない構造を有し、円筒状に形成されている。このキャニスタ31は円筒状のコンクリート製の遮蔽体32の中に装荷される。キャニスタ31と遮蔽体32との間には冷却空気流路33を形成する一定のギャップが設けられている。この冷却空気流路33に外部空気を導入するために、遮蔽体32の底部側には冷却空気入口34が設けられ、遮蔽体32の上部側には冷却空気出口35が設けられている。また、遮蔽体32の冷却空気流路33の内面には金属製のライナー36が設けられている。
【0005】
通常、使用済燃料からは崩壊熱に伴う発熱と放射線の発生を伴う。従って、このコンクリートモジュール30では使用済燃料の冷却、放射線の遮蔽、放射性物質の密封性能が必要になる。コンクリートキャスク方式では、冷却はキャニスタ31と遮蔽体32間の冷却空気流路33を流れる空気で、遮蔽は遮蔽体32で、密封はキャニスタ31で担保する。また、コンクリートモジュール30の強度も遮蔽体32で担保される。ここで、密封では絶対に放射性物質が外部に漏洩しないこと、遮蔽では貯蔵施設内や施設外の放射線量が法律に規定された基準値以下であること、冷却では、貯蔵期間中、キャニスタの表面温度やコンクリート製遮蔽体32の温度がキャニスタやコンクリートの性状に悪影響を与えないようにすることが要求されている。
【0006】
ところで、従来のコンクリート製遮蔽体では、外表面は常温であるが、内表面は使用済燃料からの崩壊熱により高温となり、内外表面における温度差が大きくなって、熱応力(内周部で圧縮応力、外周部で引張応力)が作用し、外周部での引張り応力がコンクリートの引張り強度より大きくなることが多く、このため外周部にひび割れが発生する要因となっている。コンクリート製遮蔽体に過度な温度ひび割れが発生すると、外表面を覆うシール材等が施されていない場合には、ひび割れを通して水分や塩分が浸入し易くなるため、鉄筋の発錆が促進され、コンクリート製遮蔽体の耐久性や遮蔽性能の低下が懸念される。また、温度ひび割れが過度に発生した場合には、コンクリート製遮蔽体の構造一体性の低下も懸念され、結果的には、耐久性や放射線遮蔽性能が低下して、使用に適さなくなるという問題があった。
【0007】
この熱によるひび割れの影響を防止するため、例えば、周知の技術としてプレストレストを導入し熱応力による引張力をキャンセルする方法がある。また、特開平7−27897号公報、同8−43591号公報には、キャニスタ或いはその金属ライナーと遮蔽体との間に遮熱板或いはさらにヒートパイプを配置する構造が開示されている。このような構造においては、プレストレス導入工法は技術的には可能であるが高コストであり、遮熱板やヒートパイプを設けることによりコンクリート製遮蔽体の内部温度の上昇をある程度抑えることは期待できるが、内外面温度差やコンクリートの乾燥収縮によりコンクリート製遮蔽体の外表面に発生するひび割れや表面より進むコンクリートの経年劣化(中性化、塩分の浸入等)を防止することは困難であり、さらに、高コストであるという問題があった。
このため、低コストで、長期間にわたり耐久性や遮蔽性能の低下が無い放射線物質貯蔵設備が切望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたもので、放射性物質の密封体から発せられた放射熱によるコンクリート製遮蔽体の内外面温度差及び内面の金属製ライナーあるいは内面鋼板の温度上昇による熱応力に起因する温度ひび割れの発生を防止し、コンクリート製遮蔽体の耐久性及び放射線遮蔽能力を長期間にわたって維持することができる放射線物質貯蔵設備を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、コンクリート製遮蔽体の一部に内面温度の上昇による変形を吸収し得る後述する特定の形状のスリットを設け、且つ、該スリット中に、コンクリートに比べて剛性の小さい放射線遮蔽用の物質を充填することで、前記問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の放射性物質貯蔵設備は、放射性物質を密封した密封体の外側を円筒状のコンクリート製遮蔽体で囲み、該密封体と該遮蔽体との間に空気流入空間を設け、該空気流入空間の内部を流れる空気により放射性物質が発生する熱を除去する放射性物質貯蔵設備において、該円筒状のコンクリート製遮蔽体の内周を金属製ライナー又は内面鋼板で被覆し、該金属製ライナー又は内面鋼板から該円筒状のコンクリート製遮蔽体内周表面より外周表面に向かい、且つ、円筒状のコンクリート製遮蔽体を貫通しないスリットを設けてなり、該円筒状のコンクリート製遮蔽体に形成する該スリット中に、コンクリートに比べて剛性の小さい放射線遮蔽用の物質を充填することを特徴とする。
【0010】
このような円筒状のコンクリート製遮蔽体に形成するスリット中には、コンクリートに比べて剛性の小さい放射線遮蔽用の物質を充填することが好ましく、また、この放射線遮蔽用物質は液状或いはゲル状の流動性を有する物質であることがハンドリング性の観点からは好ましく、このような液状の放射線遮蔽用物質を用いる場合、この物質が内部に漏れ出すのを防止する目的で、コンクリート製遮蔽体の熱変形時に内部に液状物質を保持するための凹部をスリットの一部に形成することが好ましい。
【0011】
通常、放射性物質の密封体から発せられた放射熱によってコンクリート製遮蔽体の内面温度が上昇し、遮蔽体の内外面温度差及び遮蔽体の内面に取り付く金属製ライナーあるいは内面鋼板の温度上昇により、コンクリート製遮蔽体に引張応力が発生する。この引張応力は、コンクリートの引張強度を超える場合が多く、コンクリート製遮蔽体の外側表面を起点としてコンクリート製遮蔽体内部に熱応力による温度ひび割れが発生することが避けられない。
本発明によれば、放射性物質貯蔵設備の円筒形コンクリート製遮蔽体の内周部を金属製ライナー或いは内面鋼鈑で被覆し、これらの被覆体からコンクリート製遮蔽体の一部に、連続して該円筒状のコンクリート製遮蔽体内周表面より外周表面に向かい、且つ、円筒状のコンクリート製遮蔽体を貫通しないスリットを形成することで、コンクリート製遮蔽体内外面の温度差による変形を吸収することができ、所望されない外周表面を起点とするひび割れの発生を効果的に防止することができる。
本発明においては、さらに、このスリット中に剛性の小さい放射線遮蔽用の物質を充填することで、熱変形に対するひび割れ防止効果を低下させることなく、スリットの形成部分における放射性遮蔽性能を確保することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の放射性物質貯蔵設備は、放射性物質を密封した密封体の外側をコンクリート製遮蔽体で囲み、該密封体と該遮蔽体との間に空気流入空間を設け、該空気流入空間の内部を流れる空気により放射性物質が発生する熱を除去させる構成を有するが、厚肉円筒状のコンクリート製遮蔽体に、内周表面より外周表面に向かい、且つ、円筒状のコンクリート製遮蔽体を貫通しないスリットを設けるとともに、コンクリート製遮蔽体内面に配置された金属製ライナーあるいは内面鋼板にもスリットを設け、キャニスタ装荷時のコンクリート製遮蔽体の熱変形を吸収する機構を有することにより、コンクリート製遮蔽体の温度ひび割れを防止することを特徴とする。
【0013】
このようなスリットは、円周方向に対して1カ所設けても、複数箇所設けても良く、設備の大きさやコンクリート製遮蔽体の材質、円筒部分の肉厚などの条件を考慮して、必要に応じて設ければよいが、複数箇所にスリットを設ける場合には、原則的に円周を等分割するよう設けることが効果の観点から好ましい。
このスリットは、キャニスタ装荷時にコンクリート製遮蔽体の熱変形、即ち、コンクリート製遮蔽体が熱膨張した場合にスリットが隙間無く塞がるような位置、形状・寸法となるように、形状、材質の熱膨張率、温度条件などを考慮して設計することにより、熱変形時における放射線遮蔽性能も確保される。
例えば、コンクリート遮蔽体の内半径(r)を1000mm程度、内面温度の上昇(ΔT)を60℃程度とすると、線膨張係数α(1×10-5/℃)を用いて、温度膨張による内面の長さの変化は次式により求められる。
Δl=2π・R・αΔT
この式に上記数値を当てはめれば、Δl=2×1000×10-5×60×π=3.8(mm)となり、これがコンクリート遮蔽体の内周面における長さの変化(膨張)となるため、この膨張を吸収するのに必要な内周面におけるスリット幅は約3.8mmとなる。
【0014】
なお、本発明においては、キャニスタ装荷時に、熱変形によりスリットが隙間無く塞がるまでの間、放射線遮蔽性能を確保する目的で、スリット中にコンクリートに比べて剛性の小さい放射線遮蔽用の適当な物質を充填する。このような物質としては、例えば、コールタール等が挙げられる。
なお、放射線遮蔽用の充填物質として、例えば、コールタールのような液状或いはゲル状物質等の流動性を有する物質を充填する場合は、スリットの一部に凹部を設ける等してコンクリート製遮蔽体の熱変形時にこれらの物質を遮蔽体内部に誘導し、保持して、コンクリート製遮蔽体の内面に漏れ出ることがない機構を設けることが望ましい。例えば、図1に示すようなスリットの中間部に凹部17aを設ける態様が挙げられる。温度の上昇とともに内部に充填されたコールタールの流動性が高くなり、スリットが狭まるとともにコールタールが内部に誘導され、スリットが閉じた状態ではその凹部17aに保持されることになる。
【0015】
コンクリート製遮蔽体の内周表面には、金属製ライナー或いは内面鋼鈑が取りつけられる。金属製ライナーとしては一般的なものが使用できる。また、内面鋼鈑の素材としては、一般的にはJIS G3101、JIS G3106に規定される構造用圧延鋼材などが好適に使用できる。金属製ライナーや内面鋼鈑の厚みには特に制限はなく、必要とする強度に応じて適宜選択されるが一般的には5〜20mm程度、さらに10mm前後が好適である。また、内面鋼鈑には耐久性向上の目的で錆止め塗装などの防錆処理を施すことが好ましい。
【0016】
コンクリート製遮蔽体は、強度確保のため、鉄筋コンクリート構造で構築するか、コンクリートの表面を鋼板で被覆する構造で構築することが好ましい。コンクリート製遮蔽体を鋼鈑で被覆する場合には、鋼鈑に頭付きスタッド等のずれ止め形成し、コンクリートと鋼鈑とを一体化した鋼板コンクリート構造で構築しても良い。このような、鋼鈑コンクリート構造は、先に本発明者らが提案した特願2000−36834号明細書に詳細に記載されている。
【0017】
コンクリート製遮蔽体を鉄筋コンクリー卜構造で構築する場合、前記スリット長さを外側円周方向鉄筋と厚肉円筒壁内面との距離より短くし、外側円周方向鉄筋を周方向に連続的に配置するとともに、内側円周方向鉄筋はスリット部を貫通せず、折り曲げ等によりコンクリート製遮蔽体内に定着することにより、コンクリート製遮蔽体の構造一体性を必要程度確保しつつ、熱変形吸収機構を有するコンクリート製遮蔽体を構築することが出来る。
【0018】
コンクリート製遮蔽体を鋼板コンクリート構造で構築する場合、内側鋼板にはスリットを設けるが、外側鋼板は円周方向に連続した構造とすることにより、コンクリート製遮蔽体の構造一体性を必要程度確保しつつ、熱変形吸収機構を有するコンクリート製遮蔽体を構築することが出来る。
【0019】
また、金属製ライナーあるいは内面鋼板とコンクリート製遮蔽体の温度上昇を抑え、内表面近傍のコンクリート製遮蔽体の高温による劣化を防止するため、必要に応じ、金属製ライナーあるいは内面鋼板の表面に例えばセラミック系の断熱材を取り付けても良い。
【0020】
以下に、本発明を図面を参照して具体的に説明する。
図1に、本発明の第1の実施の態様に係る放射性物質貯蔵設備10、即ち、コンクリート製遮蔽体を鉄筋コンクリート製で構築し、遮蔽体の円筒部に熱変形吸収用のスリットを設けた態様の概略平面図を示す。図2はその概略立断面図である。
この放射性物質貯蔵設備10はキャニスタ11とコンクリート製遮蔽体12から構成される。キャニスタ11は円筒状であり、内部には放射性物質が密封されている。
【0021】
コンクリート製遮蔽体12は、内面に金属製ライナー13を有する鉄筋コンクリート製の円筒部分12aとこれを支持する厚肉円板12b、及び、キャニスタ搬入出口の上蓋12cより構成されている。
遮蔽体12の内径とキャニスタ11の外径との間の間隙は冷却空気流路14として機能する。
遮蔽体12の下側には、遮蔽体外部と冷却空気流路14を連通するための単数又は複数の冷却空気流路15が形成されている。この入り口側の冷却空気流路15は、外側に水平に形成された第1水平部、第1水平部の内側の端部から上に伸びる垂直部、及び垂直部の上側端部から内側に水平に伸びる第2水平部から構成されている。第1水平部の上面は第2水平部の下面と同一平面上に又は第2水平部の下面の下側に位置し、これにより第2水平部を通った放射線が屈曲部の壁面で反射されて外部に漏洩しないようになっている。なお、各水平部は内側になるにつれて上に傾斜してもよい。
遮蔽体12の入口側の冷却空気流路15より上側の内部には図示しない複数の突起が形成されており、この突起によりキャニスタ11が遮蔽体12に支持される。
【0022】
また、遮蔽体12の上部には、遮蔽体の下側に形成された冷却空気流路(入口側)15に対向する位置に冷却空気流路(出口側)16が形成されている。この冷却空気流路(出口側)16は内側に水平に形成された第1水平部、第1水平部の外側の端部から上に伸びる垂直部、及び垂直部の上側端部から外側に水平に伸びる第2水平部から構成されている。第1水平部の上面は第2水平部の下面と同一平面上に又は第2水平部の下面の下側に位置し、これにより第1水平部を通った放射線が屈曲部の壁面で反射されて外部に漏洩しないようになっている。なお、各水平部は外側になるにつれて上に傾斜してもよい。
これらの冷却空気流路(入口)15及び冷却空気流路(出口側)16の内側には、金属製ライナー13が取り付けられる。
【0023】
冷却空気は冷却空気流路(入口)15から遮蔽体内部の下側に導入され、冷却空気流路14を通過する際に遮蔽体12内に装填されたキャニスタ11を冷却し、自然対流により遮蔽体内を上昇して冷却空気流路(出口側)16から排気される。この過程において、キャニスタ11内の放射性物質から出る崩壊熱は、冷却空気流路14を通る空気の自然対流により外部に排出されると共に、崩壊熱の一部はコンクリート製遮蔽体12の金属製ライナー13及び金属製ライナを介してコンクリートに伝達される。
【0024】
コンクリート製遮蔽体12のスリット17は、こうした放射性物質の崩壊熱により遮蔽体円筒部12aに生じる温度勾配による熱変形を吸収するため、円筒部12a内側より外側に向かって幅を狭めるように形成すると共に、冷却空気の自然対流により円筒部の鉛直方向に生じる温度差を考慮して下方より上方に向かって拡幅するなど、放射性物質貯蔵設備使用時に円筒部の熱変形を吸収するための必要十分な形状・寸法とすることを原則とする。
【0025】
なお、図示した実施例では、円筒部12aにスリット17を1カ所設けた例を示したが、これに限らず、必要に応じてスリット17を複数箇所設けても良く、複数箇所設ける場合には、円周を大略等分割するようスリット17を配置することが望ましい。
また、金属ライナー13の内側には所望により断熱材層を設けることができる。
【0026】
また、キャニスタ11装荷直後より円筒部12aの熱変形によりスリット17が完全に閉じるまで間の遮蔽性能を確保するため、スリット17部に流体やゲル状等の放射線遮蔽物質を予め充填するが、円筒部の熱変形時には、これをスリットに設けた排出溝や保持用の凹部(前述の17aとして例示される)に誘導し、内部に保持するか、外部に排出する機構を設けることが望ましい。
【0027】
本態様の如き、鉄筋コンクリート構造の遮蔽体を構成する場合、円筒部12aの一体性を必要程度確保するため、スリット17を外側に配置された鉄筋(外周鉄筋)18位置よりも内側で止め、外周鉄筋18は周方向に対して連続して配筋するが、内周鉄筋19はスリット部において同方向に分断し、その端部を折り曲げるなどして円筒部コンクリートに定着する構成とすることが強度確保の観点から好ましい。
【0028】
別の実施態様として、図3にコンクリート製遮蔽体を鋼板コンクリート製で構築し、円筒部内面鋼板及びコンクリート内部に熱変形吸収用のスリットを設けた例(実施例2)を示す。図4はその概略立断面図である。キャニスタ11内の放射性物質から出る崩壊熱の冷却方法やキャニスタの支持方法等は実施例1と同様である。
【0029】
コンクリート製遮蔽体12は、円筒部の内周面外周面に取り付けられた鋼板20a、20bと円筒状の内部コンクリー卜12a、円筒部12aを支持する厚肉円板12b、及び、キャニスタ搬入出口の上蓋12cより構成されている。鋼板20a,20bとコンクリートとは鋼板20a,20bに設けた頭付きスタッド等のずれ止め21により一体化されている。入口側及び出口側の冷却空気流路の形成方法及び構造は実施例1と同様である。
円筒部の内面鋼板20aには、内面鋼板20aの熱変形吸収用のスリット17を設けるが、外面鋼板20bにはスリット17を設けない。スリット17の形成方法やコンクリート製遮蔽体12の熱変形によりスリット17が閉じるまでの間の遮蔽性能の確保の方法等は実施例1と同様である。
【0030】
本発明の遮蔽体を構成するコンクリートとしては、公知のものを適宜、使用することができ、その製造方法としては、例えば、ミキサーにセメント及び細骨材・粗骨材を順次投入して数秒間空練りをした後、必要に応じて、セメント分散剤や減水剤等の添加剤を水とともに加えて練り混ぜ、得られたペースト状のコンクリート組成物を型枠に打設して製造する方法が挙げられる。
【0031】
ここで、使用可能なセメントとしては、普通セメント、早強セメント、中庸熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントのほか、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント等の各種混合セメントを使用できる。
また、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、これらのセメントに、高炉スラグ微粉末、硅石粉、石灰石粉、シリカヒューム微粉末等の無機質粉体を添加して用いることもできる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、コンクリート製遮蔽体の内外面温度差及び金属製ライナーあるいは内面鋼板の温度上昇に起因する温度ひび割れを防止し、耐久性能と遮蔽性能に優れた放射線物質貯蔵設備を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る放射性物質貯蔵設備の概略平面図を示す。
【図2】 図1の放射性物質貯蔵設備の垂直方向の概略断面図を示す。
【図3】 遮蔽体を鋼鈑コンクリート構造とした第2の実施例の放射性物質貯蔵設備の概略平面図を示す。
【図4】 図3の放射性物質貯蔵設備の垂直方向の概略断面図を示す。
【図5】 従来の放射性物質貯蔵設備の水平方向の概略断面図を示す。
【図6】 図5の放射性物質貯蔵設備の垂直方向の概略断面図を示す。
【符号の説明】
10 放射性物質貯蔵設備
11 キャニスタ
12 遮蔽体
12a 遮蔽体円筒部
12b 遮蔽体円筒部を支持する厚肉円板
12c 遮蔽体の上蓋
13 金属製ライナー
14 間隙(冷却空気流路)
15 入口側の冷却空気流路
16 出口側の冷却空気流路
17 スリット
17a スリットに形成された凹部
18 外側に配置された鉄筋(外周鉄筋)
19 内周鉄筋
20a 内面鋼鈑(表面鋼鈑)
20b 外周部鋼鈑(表面鋼鈑)
21 頭付きスタッド(ずれ止め部材)
20 断熱材層

Claims (2)

  1. 放射性物質を密封した密封体の外側を円筒状のコンクリート製遮蔽体で囲み、該密封体と該遮蔽体との間に空気流入空間を設け、該空気流入空間の内部を流れる空気により放射性物質が発生する熱を除去する放射性物質貯蔵設備において、該円筒状のコンクリート製遮蔽体の内周を金属製ライナー又は内面鋼板で被覆し、該金属製ライナー又は内面鋼板から該円筒状のコンクリート製遮蔽体内周表面より外周表面に向かい、且つ、円筒状のコンクリート製遮蔽体を貫通しないスリットを設けてなり、該円筒状のコンクリート製遮蔽体に形成する該スリット中に、コンクリートに比べて剛性の小さい放射線遮蔽用の物質を充填することを特徴とする放射性物質貯蔵設備。
  2. 前記コンクリート製遮蔽体に形成するスリット中に充填する放射線遮蔽用の物質が液状或いはゲル状の流動性を有する物質であり、スリットの一部に該放射線遮蔽用の物質をコンクリート製遮蔽体の熱変形時に内部に保持するための凹部を形成することを特徴とする請求項に記載の放射性物質貯蔵設備。
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