JP4566446B2 - 自走式破砕機の油圧駆動装置及び自走式破砕機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リサイクル原料としての被破砕物を破砕する破砕装置を備えた自走式破砕機の油圧駆動装置及び自走式破砕機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、再生資源促進法(いわゆるリサイクル法)の施行(平成3年10月)といった廃棄物再利用促進の背景の下、例えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊等の建設現場で発生する大小さまざまな岩石・建設廃材、あるいは産業廃棄物等(=被破砕物)をリサイクル原料とし、この被破砕物を破砕処理してリサイクル品としての破砕物を生成する自走式破砕機の活躍の場が拡がりつつある。
【0003】
この自走式破砕機は、例えば油圧ショベル等によって投入される被破砕物を、上部に設けた受け入れ手段としてのホッパにより受け入れ、このホッパにより受け入れた被破砕物を破砕装置で所定の大きさに破砕処理してリサイクル品としての破砕物を生成し、この生成した破砕物を、破砕装置下方に設けたコンベア上に落下させて運搬する。そして、運搬中の破砕物は、コンベア上方に配置された磁選機によって例えばコンクリート塊に混入している鉄筋片等を吸着して取り除かれ、最終的に自走式破砕機の外部へ搬出するようになっている。
【0004】
この自走式破砕機は、破砕作業を行う上記破砕装置や、コンベア、磁選機等の破砕作業に関連する作業を行う補助機械の他に、自走用の走行手段(例えば無限軌道履帯)を備えており、これら破砕装置、補助機械、及び走行手段は、それぞれ対応する油圧アクチュエータを備えた油圧駆動装置によって駆動動作される。
【0005】
このような油圧駆動装置としては、例えば実開平6−81641号公報に記載のように、左・右走行用油圧ポンプと、これら左・右走行用油圧ポンプからの圧油により駆動する左・右走行手段(走行部)と、左・右走行手段への圧油の流れを制御する左・右走行用コントロールバルブ(油圧制御弁)と、破砕装置用油圧モータ(クラッシャ)と、この破砕装置用油圧モータへの圧油の流れを制御する破砕装置用制御弁手段(クラッシャ用油圧制御弁)とを有するものがある。
【0006】
なお、この従来技術は、破砕作業時には上記の左・右走行用コントロールバルブの中立ポートを通過した左・右走行用油圧ポンプからの圧油を合流させて破砕装置用油圧モータに供給するようになっており、左・右走行手段及び破砕装置に圧油を供給する油圧ポンプを兼用することにより油圧ポンプの台数を節減したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には以下のような課題が存在する。
すなわち、走行手段は、通常、稼動現場の用地内における破砕作業位置の変更や自走式破砕機自体の位置調整等に用いられ、長距離走行するようなことはあまりない。長距離移動するにしても、例えばトレーラ等により輸送されることが多く、この場合においても、走行手段はトレーラの荷台への乗降時に駆動される程度である。また、このような走行手段を駆動させる頻度も、上記の破砕装置や補助機械等、他の機器の駆動頻度に比べて少ないのが通常である。
【0008】
そのため、自走式破砕機の大型化を防止するためにも、走行手段としては、所定の走行力、登坂力、安定性等が確保される程度の定格のものであれば、この条件を満たす範囲内でなるべく小さなものを取付けることが望ましい。また、このような比較的小さな走行手段を設けた場合、これを駆動させる上記走行用油圧モータもそれに見合う程度の比較的容量の小さなものを用いるのが望ましい。
【0009】
それに対し、上記破砕装置は、近年、多種多様化してきたリサイクル原料として投入される被破砕物の確実な破砕処理能力を確保するために、高出力で駆動できることが望ましい。つまり、この破砕装置を駆動する破砕装置用油圧モータに供給する圧油の最大圧力は、破砕装置の破砕処理能力に対する信頼性を確保するために十分な値に設定する必要がある。
【0010】
上記従来技術は、前述のように、破砕装置用油圧モータ及び左・右走行手段に圧油を供給する油圧ポンプを兼用した構成であり、このような構成において、比較的小型の走行手段を設け、すなわち、走行用油圧モータとして比較的容量の小さなものを用いて破砕装置の所要の破砕能力を確保するために十分な容量の油圧ポンプを備えると、例えば圧油の過剰供給による走行用油圧モータの破損等の不具合が生じる可能性がある。また、このような不具合を防止するために、例えばリリーフ弁等により油圧ポンプからの圧油の最大圧力を低く設定した場合、逆に破砕装置用油圧モータに供給する圧油の圧力が十分に得られず、破砕装置の破砕処理能力に対する信頼性を確保することが困難となる。
【0011】
本発明は、上記の事柄に基づいてなされたものであり、その目的は、走行手段の小型化を図りつつも、破砕装置の所要の破砕能力を確保することができる自走式破砕機の油圧駆動装置及び自走式破砕機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、自走用の左・右走行手段と、被破砕物を破砕処理する破砕装置とを有する自走式破砕機に設けられ、原動機により駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油により前記左・右走行手段及び前記破砕装置をそれぞれ駆動する左・右走行用油圧モータ及び破砕装置用油圧モータとを備えた自走式破砕機の油圧駆動装置において、前記油圧ポンプからの圧油を前記左・右走行用油圧モータ及び破砕装置用油圧モータにそれぞれ導く左・右走行用コントロールバルブ及び破砕装置用制御弁手段と、前記油圧ポンプからの圧油を前記左・右走行用油圧モータ又は前記破砕装置用油圧モータのいずれかに導くように前記左・右走行用コントロールバルブ及び破砕装置用制御弁手段を切換操作する操作手段と、前記油圧ポンプの吐出圧の最大値を制限するためのリリーフ圧を設定するリリーフ弁と、前記操作手段の操作状態に応じ、前記リリーフ弁の前記リリーフ圧を変更するリリーフ圧変更手段とを備え、前記リリーフ圧変更手段は、前記操作手段を構成する操作盤により走行作業が選択されたときには前記リリーフ弁のリリーフ圧を前記操作盤により破砕作業が選択されたときと比較して相対的に低い値とし、前記操作盤により破砕作業が選択されたときには前記リリーフ弁のリリーフ圧を前記操作盤により走行作業が選択されたときと比較して相対的に高い値とする
【0013】
本発明においては、油圧ポンプの吐出圧の最大値を制限するためのリリーフ圧の値を、操作手段の操作に応じて変更するリリーフ圧変更手段を備えたことにより、走行手段の小型化を図りつつも、破砕装置の所要の破砕能力を確保することができる。
【0014】
例えば、圧油の供給源として、それぞれ上記の左・右走行用油圧モータに圧油を供給する第1及び第2油圧ポンプを備え、上記の破砕装置用制御弁手段を、上記の第1及び第2油圧ポンプの吐出管路に対し、それぞれ上記左・右走行用コントロールバルブを介して接続した油圧駆動装置を構成したとする。このような油圧駆動装置においては、まず、上記の操作手段により左・右走行用コントロールバルブを切換操作すると、第1及び第2油圧ポンプからの圧油は、それぞれ左・右走行用油圧モータに切換供給され、走行手段が駆動される。一方、操作手段により、左・右走行用コントロールバルブを中立位置に切換操作すると、第1及び第2油圧ポンプからの圧油は、左・右走行用コントロールバルブの例えば中立ポートを通過して合流し、上記破砕装置用制御弁手段に供給される。このとき、この破砕装置用制御弁手段を切換操作することにより、合流した第1及び第2油圧ポンプからの圧油を上記の破砕装置用油圧モータに切換供給し、破砕装置を駆動させることができる。
【0015】
このような油圧駆動装置において、例えば、上記の破砕装置用制御弁手段は、上記操作手段からのパイロット圧により駆動されるパイロット操作式の少なくとも1つの破砕装置用コントロールバルブを備え、前述のリリーフ圧変更手段は、この破砕装置用コントロールバルブへのパイロット圧に応じ上記の第1及び第2油圧ポンプの吐出圧の最大値を制限するリリーフ圧を変更する構成とする。具体的には、例えば破砕装置用油圧モータの正転駆動させるように、操作手段により破砕装置用コントロールバルブ切替操作したときにのみ、操作手段からのパイロット圧をリリーフ弁により設定されたリリーフ圧に付勢する構成とする。
【0016】
これにより、例えば、操作手段により破砕装置用制御弁手段が操作されたときには、上記合流した第1及び第2油圧ポンプからの圧油の最大値を、リリーフ弁単体で設定される比較的低いリリーフ圧よりも高い比較的高い値とすることができるため、破砕装置の十分な破砕処理能力を確保することができる。一方、それ以外、例えば左・右走行用コントロールバルブが操作されたとき等には、リリーフ圧変更手段に上記パイロット圧が付勢されないため、上記のリリーフ圧はリリーフ弁単体で設定される比較的低い値となる。
【0017】
これにより、破砕装置の所要の破砕能力を確保するために十分な容量の油圧ポンプを備えた場合でも、左・右走行手段及びこれらを駆動する左・右走行用油圧モータとして比較的小さなものを用いることができる。したがって、走行手段の小型化を図りつつも、破砕装置の所要の破砕能力を確保することができる。
【0018】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、自走用の左・右走行手段と、被破砕物を破砕処理する破砕装置とを有する自走式破砕機に設けられ、原動機により駆動される第1及び第2油圧ポンプと、これら第1及び第2油圧ポンプから吐出される圧油により前記左・右走行手段及び前記破砕装置をそれぞれ駆動する左・右走行用油圧モータ及び破砕装置用油圧モータとを備えた自走式破砕機の油圧駆動装置において、前記第1油圧ポンプの吐出管路に接続され、前記自走式破砕機の走行動作時に第1油圧ポンプからの圧油を前記左走行用油圧モータへ供給する左走行用コントロールバルブと、前記第2油圧ポンプの吐出管路に接続され、前記自走式破砕機の走行動作時に第2油圧ポンプからの圧油を前記右走行用油圧モータへ供給する右走行用コントロールバルブと、前記第1及び第2油圧ポンプの吐出管路に接続され、前記自走式破砕機の破砕動作時に第1及び第2油圧ポンプからの圧油を合流させて前記破砕装置用油圧モータへ供給する破砕装置用制御弁手段と、前記第1及び第2油圧ポンプからの圧油を前記左・右走行用油圧モータ又は前記破砕装置用油圧モータのいずれかに導くように前記左・右走行用コントロールバルブ及び破砕装置用制御弁手段を切換操作する操作手段と、前記第1及び第2油圧ポンプの吐出圧の最大値を制限するためのリリーフ圧を設定するリリーフ弁と、前記操作手段の操作状態に応じ、前記リリーフ弁の前記リリーフ圧を変更するリリーフ圧変更手段とを備え、前記リリーフ圧変更手段は、前記操作手段を構成する操作盤により走行作業が選択されたときには前記リリーフ弁のリリーフ圧を前記操作盤により破砕作業が選択されたときと比較して相対的に低い値とし、前記操作盤により破砕作業が選択されたときには前記リリーフ弁のリリーフ圧を前記操作盤により走行作業が選択されたときと比較して相対的に高い値とする
【0019】
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記破砕装置はシュレッダであり、前記リリーフ圧変更手段は、前記操作盤により前記破砕作業として前記シュレッダの正転が選択されたときに、前記リリーフ圧を相対的に高い値とする。
【0020】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記破砕装置用制御弁手段は、前記操作手段からのパイロット圧により駆動されるパイロット操作式の少なくとも1つの破砕装置用コントロールバルブを備えており、前記リリーフ圧変更手段は、前記破砕装置用コントロールバルブへ供給されるパイロット圧に応じて前記リリーフ圧を変更する。
【0021】
(5)上記目的を達成するために、本発明は、自走用の左・右走行手段と、
被破砕物を破砕処理する破砕装置と、原動機により駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油により前記左・右走行手段及び前記破砕装置をそれぞれ駆動する左・右走行用油圧モータ及び破砕装置用油圧モータとを備えた自走式破砕機において、前記油圧ポンプからの圧油を前記左・右走行用油圧モータ及び破砕装置用油圧モータにそれぞれ導く左・右走行用コントロールバルブ及び破砕装置用制御弁手段と、前記油圧ポンプからの圧油を前記左・右走行用油圧モータ又は前記破砕装置用油圧モータのいずれかに導くように前記左・右走行用コントロールバルブ及び破砕装置用制御弁手段を切換操作する操作手段と、前記油圧ポンプの吐出圧の最大値を制限するためのリリーフ圧を設定するリリーフ弁と、前記操作手段の操作状態に応じ、前記リリーフ弁の前記リリーフ圧を変更するリリーフ圧変更手段とを備え、前記リリーフ圧変更手段は、前記操作手段を構成する操作盤により走行作業が選択されたときには前記リリーフ弁のリリーフ圧を前記操作盤により破砕作業が選択されたときと比較して相対的に低い値とし、前記操作盤により破砕作業が選択されたときには前記リリーフ弁のリリーフ圧を前記操作盤により走行作業が選択されたときと比較して相対的に高い値とする
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自走式破砕機の一実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本実施の形態の自走式破砕機の全体構造を表す側面図、図2はその上面図、図3は図1中左側から見たこの自走式破砕機の前面図である。
これら図1乃至図3において、1は走行体で、この走行体1は、走行体フレーム2と、この走行体フレーム2の両側にそれぞれ設けたトラックフレーム3と、このトラックフレーム3の一方側(図1中左側)に設けた遊動輪4と、前記トラックフレーム3の他方側(図1中右側)に設けた駆動輪5と、この駆動輪5の回転軸(図示せず)に直結した左・右走行用油圧モータ6L,6R(図1には左走行用油圧モータ6Lのみ図示、後述の図6も参照)と、前記遊動輪4及び前記駆動輪5に掛け回した履帯(無限軌道履帯)7とで構成されている。
【0023】
8は前記走行体フレーム2の上部に設けた本体フレーム、9はこの本体フレーム8の他方側(図1中右側)に支持部材10を介して設けた動力装置(詳細は後述)である。
【0024】
11は、例えば油圧ショベル等の投入重機により投入されるリサイクル原料としての被破砕物(例えば建設廃材、家電品、プラスチック廃材、古タイヤ等)を受け入れる上方拡径形状のホッパ、12は前記本体フレーム8の長手方向前方側(図1中左側)端部上に設けられ、前記ホッパ11により受け入れた被破砕物を所定の大きさに破砕し下方へ排出するせん断式破砕装置(2軸シュレッダ)で、前記ホッパ11はこのせん断式破砕装置12のハウジング13の上部に対し、例えばボルト等により着脱可能に取り付けられている。
【0025】
14は本体フレーム8上の前記せん断式破砕装置12よりも後方側(図1中右側)に設けられ、内部にせん断式破砕装置12を駆動する油圧モータ15を備えた駆動装置で、せん断式破砕装置12は、図1に示すように、その前記駆動装置14と反対側(すなわち図1中左側)の端部が、本体フレーム8の長手方向前方側(図1中左側)端部と略同一位置にあって自走式破砕機前方側外方に臨むように配設されている。
【0026】
図4は上記のせん断式破砕装置12の詳細構造を表す一部分解上面図、図5はこの図4中V−V断面による断面図である。
これら図4及び図5において、16,16は前記ハウジング13に略水平方向に配置された断面が略正多角形形状(この例では略正方形形状)の前記回転軸、17はその略円盤状のディスク部18の周方向に複数(この例では5つ)のフック部19を有する一体型の回転歯、20はこの回転歯17より僅かに厚く径の小さい円盤状のスペーサで、前記回転軸16,16にこれら回転歯17及びスペーサ20をそれぞれ交互に挿通し固定させて回転体21,21を構成している。これら回転体21,21は、図4及び図5に示すように、それぞれ前記回転軸16,16が前記本体フレーム8の長手方向(すなわち自走式破砕機前後方向)に略沿うように配設されており、また、互いの回転歯17,17同士が径方向に一部重なり合い、噛み合うように配置されている。
【0027】
22,23はこれら回転体21,21のそれぞれ図4中上下側の回転軸16,16の前記駆動装置14側(図4中右側)の端部に固定した従動歯車及び駆動歯車、24はこの駆動歯車23の前記駆動装置14側(図4中右側)に連結された入力軸で、この入力軸24が前記駆動装置14の油圧モータ15の出力軸25(図1参照)に接続されてその駆動力が入力されるようになっている。
【0028】
これにより、前記油圧モータ15から入力軸24に入力された駆動力(トルク)が、図4中下側に示した回転体21に伝達されるとともに、図4中上側に示した回転体21にも、前述の駆動歯車23及び従動歯車22を介して伝えられ、これら回転体21,21を図5中矢印方向を正転(矢印と反対方向を逆転)として、互いに逆方向に回転させるようになっている。これにより、前記ホッパ11(先の図1参照)より導入された被破砕物を互いの回転歯17,17(厳密にはフック部19及びスペーサ20)間に噛み込んで細片状にせん断し、所定の大きさに破砕するようになっている。このとき、前記駆動歯車23及び従動歯車22のギヤ比を、両回転体21,21の回転速度が異なるように設定し、ホッパ11から導入された被破砕物を前記回転歯17のフック部19により押し切りせん断破砕するようにするとより好ましい。なお、26は両回転体21,21の回転軸16,16をハウジング13に対して回転自在に支持するベアリングである。
【0029】
また、前記のハウジング13は図4及び図5に示すように、略箱型形状となっているが、そのうち前記駆動装置14と反対側(すなわち自走式破砕機前方側)の側壁としてのエンドブラケット27が例えばボルト等により着脱自在な構造(あるいはヒンジ等を用いた開閉構造)となっており(図4は取り外した状態を示している、破線矢印参照)、このエンドブラケット27を取り外す(又は開く)と、ハウジング13内にある回転軸16,16の駆動装置14と反対側の端部がせん断式破砕装置12の外に露出し、自走式破砕機の前方に臨むようになっている。
【0030】
28,28は前記ハウジング13の幅方向両側の側壁としてのクリーニングフィン支持部材29の内側に設けられ、回転体21,21の各スペーサ20に対向するように、これらスペーサ20とほぼ同数配置されたクリーニングフィンで、図5に示すように、その基底部30が、先のクリーニングフィン支持部材29のスロット29a内に挿入配置されている。また、このクリーニングフィン支持部材29は、ハウジング13の一方側(図4中下側、図5中右側)側部31に、例えばボルト(図5中1点鎖線参照)を介し着脱自在に取り付けられており、これを取り外すことによって、クリーニングフィン支持部材29及びクリーニングフィン28を一括して前記ハウジング側部31から外側に抜き出せるようになっている。
【0031】
図1乃至図3に戻り、32はせん断式破砕装置12の下方に設けられ、投入された被破砕物をせん断式破砕装置12により破砕処理して生成したリサイクル品としての破砕物を下方へ導くシュート、33はこのシュート32から導出された破砕物を搬送し排出するコンベアである。このコンベア33は、連結部34によって前記動力装置9及び本体フレーム8から吊り下げ支持され、搬送方向上流側(図1中左側)がシュート32の下方に位置し、搬送方向下流側(図1中右側)が動力装置9の下方から図1中右側に向かって昇り傾斜となっている。35はコンベア33の駆動モータ(図2参照)である。
【0032】
36はコンベア33上方に設けられ、コンベア33により搬送される破砕物中に含まれる、例えば鉄筋片等の異物を吸着して取り除く磁選機で、前記コンベア33の上方にこのコンベア33と略直交するようにアーム37を介し前記動力装置9に支持されている。38はこの磁選機36の磁選機ベルトで、磁選機用油圧モータ39によって磁力発生手段(図示せず)まわりに駆動することにより、磁力発生手段からの磁力を磁選機ベルト38越しに作用させて磁性物を磁選機ベルト38に吸着させた後、コンベア33と略直交する方向に搬送除去するようになっている。
【0033】
40は動力装置9の前方側(図1中左側)に設けた運転席で、前記左・右走行用油圧モータ6L,6Rを駆動制御する左・右走行用操作レバー装置41L,41Rと、前記破砕装置用油圧モータ15、コンベア用油圧モータ35、磁選機用油圧モータ39を起動・停止させるスイッチ類(後述)を有する操作盤42(後述の図6参照)とを備えている。
【0034】
ここで、上記せん断式破砕装置12、コンベア33、磁選機36、及び走行体1は、前記動力装置9に内蔵された油圧駆動装置によって駆動される被駆動部材を構成している。以下、この油圧駆動装置の詳細構成を順を追って説明する。
【0035】
図6は、本発明の自走式破砕機の一実施の形態に備えられた油圧駆動装置の全体概略構成を表す油圧回路図である。
この図6において、43はエンジン、44A,44B,44Cはこのエンジン43によって駆動される可変容量型の第1及び第2油圧ポンプ並びに固定容量型の第3油圧ポンプである。このとき、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bからの圧油は、それぞれ上記左・右走行用油圧モータ6L,6Rに供給され、また前記破砕装置用油圧モータ15には、これら第1及び第2油圧ポンプからの圧油を合流させて供給するようになっており、第3油圧ポンプ44Cからの圧油は上記コンベア用油圧モータ35及び磁選機用油圧モータ39に供給されるようになっている。45は同様にエンジン43によって駆動される固定容量型のパイロットポンプである。
【0036】
46A,46Bは、前記第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bから前記左・右走行用油圧モータ6L,6R及び破砕装置用油圧モータ15に供給される圧油の流れ(方向及び流量、若しくは流量のみ)を制御する左走行用コントロールバルブ47L及び第1破砕装置用コントロールバルブ48、右走行用コントロールバルブ47R及び第2破砕装置用コントロールバルブ49をそれぞれ内蔵する第1及び第2制御弁装置(詳細は、後述の図7及び図9参照)、46Cは前記第3油圧ポンプ44Cからそれぞれコンベア用油圧モータ35及び磁選機用油圧モータ39に供給される圧油の流れ(方向及び流量、若しくは流量のみ)を制御するコンベア用コントロールバルブ50、磁選機用コントロールバルブ51及び分流弁52(詳細は後述)を内蔵する第3制御弁装置である(詳細は、後述の図11参照)。
【0037】
53L,53Rは前記運転席40(図1参照)に設けられ、第1制御弁装置46A内の前記左走行用コントロールバルブ47L(後述の図7参照)及び第2制御弁装置46B内の右走行用コントロールバルブ47R(後述の図9参照)をそれぞれ切り換え操作するための前記左・右走行用操作レバー装置41L,41Rの左・右走行用操作レバー、54は第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出流量を調整するポンプ制御手段としてのレギュレータ装置である。
【0038】
55Aa,55Ba,55Ca及び56aは、それぞれ前記第1、第2、第3油圧ポンプ44A,44B,44C及びパイロットポンプ45の吐出管路55A,55B,55C及び56から分岐した分流管路で、これらのうち分流管路55Aa,55Ca,56aには、それぞれ前記第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出圧P1,P2、第3油圧ポンプ44Cの吐出圧P3、及びパイロットポンプ45の吐出圧Ppの最大値を制限するリリーフ弁57,58,59が設けられており、それらのリリーフ圧の値はリリーフ弁57,58,59にそれぞれに備えられたばね57a,58a,59aの付勢力で設定するようになっている。
【0039】
図7は、前記の第1制御弁装置46Aの詳細構成を表す油圧回路図である。
この図7において、前記左走行用コントロールバルブ47L及び第1破砕装置用コントロールバルブ48は、いずれも対応する左走行用油圧モータ6L及び破砕装置用油圧モータ15への圧油の方向及び流量を制御可能な油圧パイロット方式の3位置切換弁となっている。これらコントロールバルブ47L,48は、第1油圧ポンプ44Aの吐出管路55Aに接続されたセンターバイパスライン60Aaを備えた第1弁グループ60Aにおいて、上流側から、左走行用コントロールバルブ47L、第1破砕装置用コントロールバルブ48の順序で配置されている。そしてこの第1弁グループ60Aは、2連の上記コントロールバルブ47L,48を含む1つのバルブブロックとして構成されている。61Lはこのセンターバイパスライン60Aaの最下流側に設けられたポンプコントロールバルブ(詳細は後述)である。
【0040】
左走行用コントロールバルブ47Lは、パイロットポンプ45で発生され前述の操作レバー53Lを備えた操作レバー装置41Lで所定圧力に減圧されたパイロット圧により操作される。すなわち、操作レバー装置41Lは、上記操作レバー53Lとその操作量に応じたパイロット圧を出力する一対の減圧弁62La,62Lbとを備えている。操作レバー装置41Lの操作レバー53Lを図7中a方向(又はその反対方向、以下対応関係同じ)に操作すると、パイロット圧がパイロット管路63a(又はパイロット管路63b)を介して左走行用コントロールバルブ47Lの駆動部47La(又は駆動部47Lb)に導かれ、これによって左走行用コントロールバルブ47Lが図7中上側の切換位置47LA(又は下側の切換位置47LB)に切り換えられる。そして、第1油圧ポンプ44Aからの圧油が吐出管路55A、センターバイパスライン60Aa及び左走行用コントロールバルブ47Lの切換位置47LA(又は下側の切換位置47LB)を介して左走行用油圧モータ6Lに供給され、左走行用油圧モータ6Lが正転方向(又は逆転方向)に駆動される。
【0041】
なお、操作レバー53Lを図7に示す中立位置にすると、左走行用コントロールバルブ47Lはばね47Lc,47Ldの付勢力で図7に示す中立位置に復帰し、左走行用油圧モータ6Lは停止する。
【0042】
図8は、この油圧駆動装置に備えられた操作弁装置64の詳細構成を表す油圧回路図である。
この図8において、前述したように、56はパイロットポンプ45の吐出管路であり、この吐出管路56に対し、走行ロック用ソレノイド制御弁65、破砕装置正転用ソレノイド制御弁66F、破砕装置逆転用ソレノイド制御弁66R、走行速度切換用ソレノイド制御弁67(後述)が互いにパラレルに接続されている。
【0043】
上記走行ロック用ソレノイド制御弁65は、操作弁装置64に内蔵されており、パイロットポンプ45からのパイロット圧を操作レバー装置41Lに導くパイロット導入管路68a,68bに配設され、コントローラ70(図3参照)からの駆動信号Stで切り換えられるようになっている。
【0044】
走行ロック用ソレノイド制御弁65は、ソレノイド65aに入力される駆動信号StがONになると図8中右側の連通位置65Aに切り換えられ、パイロットポンプ45からのパイロット圧を導入管路68a,68bを介し操作レバー装置41Lに導き、操作レバー53Lによる左走行用コントロールバルブ47Lの上記操作を可能とする。一方、駆動信号StがOFFになると、走行ロック用ソレノイド制御弁65はばね65bの復元力で図8中左側の遮断位置65Bに復帰し、導入管路68aと導入管路68bとを遮断するとともに導入管路68bをタンク69へのタンクライン69aに連通させ、導入管路68b内の圧力をタンク圧とすることにより、操作レバー装置41Lによる左走行用コントロールバルブ47Lの上記操作をロックするようになっている。
【0045】
図7に戻り、第1破砕装置用コントロールバルブ48は、パイロットポンプ45で発生され前記操作弁装置64内の上記破砕装置正転用ソレノイド制御弁66F及び上記破砕装置逆転用ソレノイド制御弁66Rで所定圧力に減圧されたパイロット圧により操作される。つまり、図8に示した破砕装置正転用ソレノイド制御弁66F及び破砕装置逆転用ソレノイド制御弁66Rは、コントローラ70(図6参照)からの駆動信号Scr1,Scr2でそれぞれ駆動されるソレノイド66Fa,66Raが設けられており、第1破砕装置用コントロールバルブ48はその駆動信号Scr1,Scr2の入力に応じて切り換えられるようになっている。
【0046】
すなわち、駆動信号Scr1がONで駆動信号Scr2がOFFになると、破砕装置正転用ソレノイド制御弁66Fが図8中右側の連通位置66FAに切り換えられるとともに破砕装置逆転用ソレノイド制御弁66Rはばね66Rbの復元力で図8中左側の遮断位置66RBに復帰する。これにより、パイロットポンプ45からのパイロット圧が導入管路71a,71bを介し第1破砕装置用コントロールバルブ48の駆動部48aに導かれ、また導入管路72a,72bはタンクライン69aに連通されてタンク圧になり、これによって第1破砕装置用コントロールバルブ48が図7中上側の切換位置48Aに切り換えられる。これにより、第1油圧ポンプ44Aからの圧油が吐出管路55A、センターバイパスライン60Aa、及び第1破砕装置用コントロールバルブ48の切換位置48Aを介して破砕装置用油圧モータ15に供給され、破砕装置用油圧モータ15が正転方向に駆動される。
【0047】
同様に、駆動信号Scr1がOFFで駆動信号Scr2がONになると、破砕装置正転用ソレノイド制御弁66Fがはばね66Fbの復元力で図8中左側の遮断位置66FBに復帰するとともに破砕装置逆転用ソレノイド制御弁66Rが図8中右側の連通位置66RAに切り換えられる。これによって、パイロット圧が導入管路72a,72bを介し第1破砕装置用コントロールバルブ48の駆動部48bに導かれ、また導入管路71a,71bはタンク圧になり、第1破砕装置用コントロールバルブ48が図7中下側の切換位置48Bに切り換えられる。これにより、第1油圧ポンプ44Aからの圧油がその切換位置48Bを介して破砕装置用油圧モータ15に供給され、破砕装置用油圧モータ15が逆転方向に駆動される。
【0048】
なお駆動信号Scr1,Scr2がともにOFFになると、破砕装置正転用ソレノイド制御弁66F及び破砕装置逆転用ソレノイド制御弁66Rはともにばね66Fb,66Rbの復元力で図8中左側の遮断位置66FB,66RBに復帰し、第1破砕装置用コントロールバルブ48はばね48c,48dの復元力で図7に示す中立位置48Cに復帰して破砕装置用油圧モータ15への圧油は遮断され、破砕装置用油圧モータ15が停止する。
なお、走行速度切換用ソレノイド制御弁67の詳細については、後述する。
【0049】
前記のポンプコントロールバルブ61Lは、流量を圧力に変換する機能を備えるものであり、前記のセンターバイパスライン60Aaとタンクライン69bとを絞り部分61Laaを介して接続・遮断可能なピストン61Laと、このピストン61Laの両端部を付勢するばね61Lb,61Lcと、前記のパイロットポンプ45の吐出管路56にパイロット導入管路73a(図8参照)、前記走行速度切換用ソレノイド制御弁67、及びパイロット導入管路73b(図8参照)を介して上流側が接続されてパイロット圧が導かれ、下流側がタンクライン69cに接続され、かつ前記のばね61Lbによってリリーフ圧が可変に設定される可変リリーフ弁61Ldとを備えている。
【0050】
このような構成により、ポンプコントロールバルブ61Lは以下のように機能する。
すなわち、上述したように左走行用コントロールバルブ47L及び第1破砕装置用コントロールバルブ48はセンターバイパス型の弁となっており、センターバイパスライン60Aaを流れる流量は、各コントロールバルブ47L,48の操作量(すなわちスプールの切換ストローク量)により変化する。各コントロールバルブ47L,48の中立時、すなわち第1油圧ポンプ44Aへ要求する各コントロールバルブ47L,48の要求流量(言い換えれば左走行用油圧モータ6L及び破砕装置用油圧モータ15の要求流量)が少ない場合には、第1油圧ポンプ44Aから吐出される圧油のうちほとんどが余剰流量としてセンターバイパスライン60Aaを介してポンプコントロールバルブ61Lに導入され、比較的大きな流量の圧油がピストン61Laの絞り部分61Laaを介してタンクライン69bへ導出される。これにより、ピストン61Laは図7中右側に移動するので、ばね61Lbによるリリーフ弁61Ldの設定リリーフ圧が低くなり、管路73bから分岐して設けられ後述のネガティブ傾転制御用の第1サーボ弁74へ至る管路75aに、比較的低い制御圧力(ネガコン圧)Pc1を発生する。
【0051】
逆に、各コントロールバルブ47L,48が操作されて開状態となった場合、すなわち第1油圧ポンプ44Aへ要求する要求流量が多い場合には、センターバイパスライン60Aaに流れる前記余剰流量は、左走行用油圧モータ6L及び破砕装置用油圧モータ15側へ流れる流量分だけ減じられるため、ピストン絞り部分61Laaを介しタンクライン69bへ導出される圧油流量は比較的小さくなり、ピストン61Laは図7中左側に移動してリリーフ弁61Ldの設定リリーフ圧が高くなるので、管路75aの制御圧力Pc1は高くなる。
【0052】
本実施の形態では、後述するように、この制御圧力(ネガコン圧)Pc1の変動に基づき、第1油圧ポンプ44Aの斜軸44Aaの傾転角を制御するようになっている(詳細は後述)。
【0053】
図9は、前記第2制御弁装置46Bの詳細構成を表す油圧回路図である。
この図9において、第2制御弁装置46Bは前記第1制御弁装置46Aとほぼ同様の構造になっており、47Rは右走行用コントロールバルブ、49は第2破砕装置用コントロールバルブであり、それぞれ第2油圧ポンプ44Bから吐出された圧油を右走行用油圧モータ6R及び破砕装置用油圧モータ15へ供給するようになっている。これらコントロールバルブ47R,49は、第2油圧ポンプ44Bの吐出管路55Bに接続されたセンターバイパスライン60Baを備えた第2弁グループ60Bにおいて上流側から右走行用コントロールバルブ47R、第2破砕装置用コントロールバルブ49の順序で配置されている。
【0054】
この第2弁グループ60Bは、上記第1制御弁装置46Aの第1弁グループ60Aと同様、1つのバルブブロックとして構成されている。しかもこのとき、右走行用コントロールバルブ47Rは、第1弁グループ60Aの左走行用コントロールバルブ47Lと流量制御特性が同一の弁(例えば同一構造の弁)となっており、さらに第2破砕装置用コントロールバルブ49は、第1弁グループ60Aの第1破砕装置用コントロールバルブ48と流量制御特性が同一の弁(例えば同一構造の弁)となっている。この結果、第2弁グループ60Bを構成するバルブブロックと、第1弁グループ60Aを構成するバルブブロックとが、互いに同一構造となっている。またセンターバイパスライン60Baの最下流側には、前記ポンプコントロールバルブ61Lと同様の構造及び機能を備えたポンプコントロールバルブ61Rが設けられている。
【0055】
右走行用コントロールバルブ47Rは、左走行用コントロールバルブ47Lと同様に操作レバー装置41Rのパイロット圧により操作され、操作レバー53Rを図9中b方向(又はその反対方向、以下対応関係同じ)に操作すると、パイロット圧がパイロット管路76a(又はパイロット管路76b)を介して右走行用コントロールバルブ47Rの駆動部47Ra(又は駆動部47Rb)に導かれ、これによって右走行用コントロールバルブ47Rが図9中上側の切換位置47RA(又は下側の切換位置47RB)に切り換えられ、第2油圧ポンプ44Bからの圧油がその切換位置47RA(又は切換位置47RB)を介して右走行用油圧モータ6Rに供給され正転方向(又は逆転方向)に駆動される。操作レバー53Rを図9に示す中立位置にすると、右走行用コントロールバルブ47Rはばね47Rc,47Rdの付勢力で図9に示す中立位置に復帰し、右走行用油圧モータ6Rは停止する。
【0056】
なお、操作レバー装置41Rへのパイロット圧は、上記操作レバー装置41L同様、パイロットポンプ45より走行ロック用ソレノイド制御弁65を介して供給される。したがって、操作レバー装置41Lと同様、走行ロック用ソレノイド制御弁65のソレノイド65aに入力される駆動信号StがONになると操作レバー53Rによる右走行用コントロールバルブ47Rの上記操作が可能となり、駆動信号StがOFFになると、操作レバー装置41Rによる右走行用コントロールバルブ47Rの上記操作が不可能となる。
【0057】
第2破砕装置用コントロールバルブ49は、上記第1破砕装置用コントロールバルブ48と同様、パイロットポンプ45で発生され前記操作弁装置64内の上記破砕装置正転用ソレノイド制御弁66F及び上記破砕装置逆転用ソレノイド制御弁66Rで所定圧力に減圧されたパイロット圧により操作される。
【0058】
すなわち、コントローラ70からの駆動信号Scr1がONで駆動信号Scr2がOFFになると、パイロットポンプ45からのパイロット圧が導入管路71a,71bを介し第2破砕装置用コントロールバルブ49の駆動部49aに導かれ、また導入管路72a,72bはタンクライン69aに連通されてタンク圧となり、第2破砕装置用コントロールバルブ49が図9中上側の切換位置49Aに切り換えられる。これにより、第2油圧ポンプ44Bからの圧油がその切換位置49Aを介して破砕装置用油圧モータ15に供給され、破砕装置用油圧モータ15が正転方向に駆動される。
【0059】
同様に、駆動信号Scr1がOFFで駆動信号Scr2がONになると、パイロット圧が導入管路72a,72bを介し第2破砕装置用コントロールバルブ49の駆動部49bに導かれ、また導入管路71a,71bはタンク圧になり、第2破砕装置用コントロールバルブ49が図9中下側の切換位置49Bに切り換えられ、第2油圧ポンプ44Bからの圧油がその切換位置49Bを介して破砕装置用油圧モータ15に供給され、破砕装置用油圧モータ15が逆転方向に駆動される。
【0060】
なお、駆動信号Scr1,Scr2がともにOFFになると、第2破砕装置用コントロールバルブ49はばね49c,49dの復元力で図9に示す中立位置49Cに復帰して破砕装置用油圧モータ15が停止する。
【0061】
以上説明したように、第1弁グループ60Aの第1破砕装置用コントロールバルブ48と第2破砕装置用コントロールバルブ49とは、ソレノイド制御弁66F,66Rへの駆動信号Scr1,Scr2に応じて互いに同一の動作を行い、駆動信号Scr1がONで駆動信号Scr2がOFFの場合には、第1油圧ポンプ44A及び第2油圧ポンプ44Bからの圧油を合流させて破砕装置用油圧モータ15へと供給するようになっている。
【0062】
前記のポンプコントロールバルブ61Rは、第2油圧ポンプ44Bへ要求する各コントロールバルブ47R,49の要求流量(言い換えれば右走行用油圧モータ6R及び破砕装置用油圧モータ15の要求流量)が少ない場合には、比較的大きな流量の圧油がピストン61Raの絞り部分61Raaを介してタンクライン69bへ導出され、ピストン61Raが図9中左側に移動してばね61Rbによるリリーフ弁61Rdの設定リリーフ圧が低くなり、管路73cから分岐して設けられ後述のネガティブ傾転制御用の第2サーボ弁77へ至る管路75bに、比較的低い制御圧力(ネガコン圧)Pc2を発生する。各コントロールバルブ47R,49が操作され第2油圧ポンプ44Bへの要求流量が多い場合には、ピストン61Raは図9中右側に移動してリリーフ弁61Rdの設定リリーフ圧が高くなり、管路75bの制御圧力Pc2は高くなる。そして、第1油圧ポンプ44Aと同様、第2油圧ポンプ44Bの斜軸44Baの傾転角がこの制御圧力(ネガコン圧)Pc2の変動に基づき制御される(詳細は後述)。
【0063】
図10は、前記のレギュレータ装置54の詳細構成を表す油圧回路図である。
この図10において、78,79は傾転アクチュエータ、74,77は上記の第1サーボ弁及び第2サーボ弁であり、これら第1及び第2サーボ弁74,77によりパイロットポンプ45から傾転アクチュエータ78,79に作用する圧油の圧力を制御し、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの斜軸44Aa,44Baの傾転(すなわち押しのけ容積)を制御するようになっている。
【0064】
傾転アクチュエータ78,79は、両端に大径の受圧部78a,79a及び小径の受圧部78b,79bを有する作動ピストン78c,79cと、受圧部78a,78b及び受圧部79a,79bがそれぞれ位置する受圧室78d,78e及び受圧室79d,79eとを備えている。そして、両受圧室78d,78e及び79d,79eの圧力が互いに等しいときは、作動ピストン78c,79cは受圧面積の差によって図10中右方向に移動し、これによって斜軸44Aa,44Baの傾転は大きくなり、それぞれのポンプ吐出流量が増大する。また、大径側の受圧室78d,79dの圧力が低下すると、作動ピストン78c,79cは図10中左方向に移動し、これによって斜軸44Aa,44Baの傾転が小さくなりそれぞれのポンプ吐出流量が減少するようになっている。なお、大径側の受圧室78d,79dは第1及び第2サーボ弁74,77を介してパイロットポンプ45の吐出管路56に連通する管路80に接続されており、小径側の受圧室78e,79eは直接管路80に接続されている。
【0065】
第1及び第2サーボ弁74,77はともにネガティブ傾転制御用のサーボ弁であり、第1油圧ポンプ44Aに係る第1サーボ弁74は前述したようにポンプコントロールバルブ61Lからの制御圧力(ネガコン圧)Pc1により駆動され、第2油圧ポンプ44Bに係る第2サーボ弁77は前述したようにポンプコントロールバルブ61Rからの制御圧力(ネガコン圧)Pc2により駆動されり、これらは互いに同等の構造となっている。
【0066】
すなわち、制御圧力Pc1,Pc2が高いときは弁体74a,77aが図10中右方向に移動し、パイロットポンプ45からのパイロット圧Ppを減圧せずに傾転アクチュエータ78,79の受圧室78d,79dに伝達し、これによって斜軸44Aa,44Baの傾転が大きくなって第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出流量をそれぞれ増大させる。そして制御圧力Pc1,Pc2が低下するにしたがって弁体74a,77aがばね74b,77bの力で図10中左方向に移動し、パイロットポンプ45からのパイロット圧Ppを減圧して受圧室78d,79dに伝達し、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出流量を減少させるようになっている。
【0067】
以上により、レギュレータ装置54の2つの第1及び第2サーボ弁74,77では、前述したポンプコントロールバルブ61L,61Rの機能と併せてコントロールバルブ47L,48又はコントロールバルブ47R,49の要求流量に応じた吐出流量が得られるよう、具体的にはセンターバイパスライン60Aa,60Baから流入しポンプコントロールバルブ61L,61Rを通過する流量が最小となるように第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの斜軸44Aa,44Baの傾転(吐出流量)を制御する、いわゆるネガティブコントロールが実現される。
【0068】
次に、前述の走行速度切換用ソレノイド制御弁67について説明する。
先の図8において、走行速度切換用ソレノイド制御弁67は、コントローラ70からソレノイド67aに入力される駆動信号SvがONになると図8中右側の連通位置67Aに切り換えられ、パイロットポンプ45からのパイロット圧をパイロット導入管路73a及びパイロット導入管路73b,73cを介し前記可変リリーフ弁61Ld,61Rd(図7及び図9参照)に導く。これにより、前述した各コントロールバルブの要求流量の大小に応じた制御圧力Pc1,Pc2の発生を行うことができ、この結果、前述したように、コントロールバルブ47L,48の要求流量に応じた吐出流量が得られるよう第1油圧ポンプ44Aの斜軸44Aaの傾転を制御するネガティブコントロールや、コントロールバルブ47R,49の要求流量に応じた吐出流量が得られるよう第2油圧ポンプ44Bの斜軸44Baの傾転を制御するネガティブコントロールを実現することができる。
【0069】
一方、駆動信号SvがOFFになると、走行速度切換用ソレノイド制御弁67はばね67bの復元力で図8中左側の遮断位置67Bに復帰し、パイロット導入管路73aとパイロット導入管路73b,73cとを遮断するとともにパイロット導入管路73b,73cを前記タンクライン69aに連通させ、これらパイロット導入管路73b,73c内の圧力をタンク圧とする。これにより、前述した各コントロールバルブの要求流量の大小に関係なく、制御圧力Pc1,Pc2は常に前記タンク圧に等しくなる。言い換えれば、前述したネガティブコントロールを用いた、コントロールバルブの要求流量に応じた吐出流量を得るためのポンプ傾転制御が無効となる。
【0070】
以上のような走行速度切換用ソレノイド制御弁67の機能の結果、以下のような走行速度の切換制御が実現される。
すなわち、走行速度切換用ソレノイド制御弁67が連通位置67Aの場合には、前述したように、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの斜軸44Aa,44Baの傾転がネガティブコントロールにより制御されることから、左・右走行用油圧モータ6L,6R以外は動作しない走行時においては、左走行用コントロールバルブ47Lの要求流量に応じた吐出流量がネガティブコントロールされた第1油圧ポンプ44Aから吐出されるとともに、右走行用コントロールバルブ47Rの要求流量に応じた吐出流量がネガティブコントロールされた第2油圧ポンプ44Bから吐出される。このとき、前述したように、左・右走行用コントロールバルブ47L,47Rの要求流量と左・右走行用操作レバー53L,53Rの操作量とは対応しているから、左・右走行用操作レバー53L,53Rの操作量と左・右走行用油圧モータ6L,6Rへの供給流量との関係は直線的な関係となる。つまり、モータ供給流量は、左・右走行用操作レバー53L,53Rの操作量が0のときはほぼ0であり、操作量が増加するにつれて供給流量はほぼ直線的に増大し、操作量が最大値になるとモータ供給流量はポンプ吐出流量最大値となる。
【0071】
一方、走行速度切換用ソレノイド制御弁67が遮断位置67Bの場合には、前述のようにパイロット導入管路73b,73c内の圧力をタンク圧とするので、各コントロールバルブの要求流量の大小に関係なく、制御圧力Pc1,Pc2は常にタンク圧となる(言い換えれば、上記連通位置67Aの場合における制御圧力の最大値に比べて制御圧力の最大値が低減される)。この結果、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出流量は常に最小値となる(言い換えれば、上記連通位置67Aの場合に比べてポンプ最大吐出流量が低減される)。このようにして、前述したネガティブコントロールを用いた、コントロールバルブの要求流量に応じた吐出流量を得るためのポンプ傾転制御が解除される。
【0072】
したがって、左・右走行用油圧モータ6L,6R以外は動作しない走行時においては、左・右走行用コントロールバルブ47L,47Rの要求流量(すなわち左・右走行用操作レバー53L,53Rの操作量)に関係なく、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bからは最小流量が吐出され、その流量のうち左・右走行用コントロールバルブ47L,47Rの開度に応じた部分のみが左・右走行用油圧モータ6L,6Rへの供給流量となる。すなわち、左・右走行用操作レバー53L,53Rの操作量と左・右走行用油圧モータ6L,6Rへの供給流量との関係は、上記連通位置67Aの場合のよりも傾きの小さな直線となり、操作量が0のときはモータ供給流量は0であり、操作量が増加するにつれて供給流量はほぼ直線的に増大し、操作量が最大値(バルブ全開状態)になるとモータ供給流量はポンプ吐出流量最小値となる。
【0073】
図11は、前記第3制御弁装置46Cの詳細構成を表す油圧回路図である。
この図11において、前述のように、50は前記コンベア用油圧モータ35に接続されたコンベア用コントロールバルブ、51は前記磁選機用油圧モータ39に接続された磁選機用コントロールバルブ、52は分流弁である。
【0074】
この分流弁52は、詳細な構造説明を省略するが、圧力補償機能を内蔵したこの種のものとして公知の分流弁であり、コンベア用油圧モータ35や磁選機用油圧モータ39の負荷圧力の如何にかかわらず、常に(コンベア用油圧モータ35への供給圧油量):(磁選機用油圧モータ39への供給圧油量)=2:1となるように、第3油圧ポンプ44Cからの圧油を分配供給するようになっている。
【0075】
前記コンベア用コントロールバルブ50は、ソレノイド駆動部50aを備えた電磁切換弁である。ソレノイド駆動部50aには、コントローラ70からの駆動信号Sconで駆動されるソレノイドが設けられており、コンベア用コントロールバルブ50はその駆動信号Sconの入力に応じて切り換えられるようになっている。すなわち、駆動信号Sconがコンベア33を動作させるON信号になると、コンベア用コントロールバルブ50が図11中右側の切換位置50Aに切り換えられる。これにより、吐出管路55C及び分流弁52を介し導かれた第3油圧ポンプ44Cからの圧油は、切換位置50Aから供給管路81aを経て、コンベア用油圧モータ35に供給され、この油圧モータ11が駆動される。このときの戻り油は、排出管路81bを経てタンク69へと戻る。駆動信号Sconが、前記コンベア33(図1参照)の停止に対応するOFF信号になると、コンベア用コントロールバルブ50は、ばね50bの付勢力で図11に示す遮断位置50Bに復帰し、コンベア用油圧モータ35は停止する。
【0076】
磁選機用コントロールバルブ51は、上記コンベア用コントロールバルブ50同様、そのソレノイド駆動部51aにコントローラ70からの駆動信号Smで駆動されるソレノイドが設けられる。駆動信号Smが前記磁選機36を動作させるON信号になると、磁選機用コントロールバルブ51は、図11中右側の連通位置51Aに切り換えられ、第3油圧ポンプ44Cからの圧油が、分流弁52、磁選機用コントロールバルブ51の切換位置51A、及び供給管路82aを介し磁選機用油圧モータ39に供給されて駆動され、戻り油は排出管路82bを介しタンク69へ戻る。駆動信号Smが磁選機36の停止に対応するOFF信号になると、磁選機用コントロールバルブ51はばね51bの付勢力で図11に示す遮断位置51Bに復帰し、磁選機用油圧モータ39は停止する。
【0077】
なお、上記したコンベア用油圧モータ35及び磁選機用油圧モータ39への圧油の供給に関し、回路保護等の観点から、供給管路81a,82aと排出管路81b,82bとの間を接続する管路83a,84aには、それぞれリリーフ弁83b,84bが設けられている。
【0078】
図6に戻り、85は前述の第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出圧を制限する前記リリーフ弁57に設けた駆動部で、この駆動部85は、パイロット圧の前記導入管路71b(図8参照)に管路86を介して接続している。これにより、せん断式破砕装置12の正転駆動時、すなわちコントローラ70からの駆動信号Scr1がONとなり、前記破砕装置正転用ソレノイド制御弁66Fが連通位置66FAに切換えられたとき、パイロットポンプ45からのパイロット圧が導入管路71a、連通位置66FA、導入管路71b、及び管路86を介して、前記駆動部85に付勢され、リリーフ弁57による第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出圧の最大値(すなわちリリーフ圧)は、ほぼ前記のばね57aの付勢力とこの駆動部85へのパイロット圧を合計した比較的大きな値に設定されるようになっている。一方、コントローラ70からの駆動信号Scr1がOFFとなり、破砕装置正転用ソレノイド制御弁66Fが遮断位置66FBに切換えられた場合、前述のように、導入管路71a,71bが遮断されるとともに、管路86は、導入管路71bを介してタンクライン69aに接続されてその内部圧力がタンク圧となり、駆動部85へのパイロット圧の付勢力が0となり、リリーフ弁57のリリーフ圧が前記のばね57aのみの付勢力に略等しい比較的低い値に設定されるようになっている。
【0079】
また、前記の操作盤42には、せん断式破砕装置12を起動・停止させるためのシュレッダ起動・停止スイッチ42aと、せん断式破砕装置12の動作方向を正転又は逆転方向のいずれかに選択するためのシュレッダ正転・逆転選択ダイヤル42bと、コンベア33を起動・停止させるためのコンベア起動・停止スイッチ42cと、磁選機36を起動・停止させるための磁選機起動・停止スイッチ42dと、走行操作を行う走行モード及び破砕作業を行う破砕モードのいずれか一方を選択するためのモード選択スイッチ42eと、走行速度の通常モード又は微速モードを選択するための走行モード選択スイッチ42fとを備えている。
【0080】
操作者が上記操作盤42の各種スイッチ及びダイヤルの操作を行うと、その操作信号が前記のコントローラ70に入力される。コントローラ70は、操作盤42からの操作信号に基づき、前述したコンベア用コントロールバルブ50、磁選機用コントロールバルブ51、走行ロック用ソレノイド制御弁65、破砕装置正転用ソレノイド制御弁66F、破砕装置逆転用ソレノイド制御弁66R、走行速度切換用ソレノイド制御弁67にそれぞれ備えられたソレノイド駆動部50a,51a及びソレノイド65a,66Fa,66Ra,67aへの前記の駆動信号Scon,Sm,St,Scr1,Scr2,Svを生成し、対応するソレノイドにそれらを出力するようになっている。
【0081】
すなわち、操作盤42のモード選択スイッチ42eで「走行モード」が選択された場合には、走行ロック用ソレノイド制御弁65の駆動信号StをONにして走行ロック用ソレノイド制御弁65を図8中右側の連通位置65Aに切り換え、操作レバー53L,53Rによる走行用コントロールバルブ47L,47Rの操作を可能とする。操作盤42のモード選択スイッチ42eで「破砕モード」が選択された場合には、走行ロック用ソレノイド制御弁65の駆動信号StをOFFにして図8中左側の遮断位置65Bに復帰させ、操作レバー53L,53Rによる走行用コントロールバルブ47L,47Rの操作を不可能とする。
【0082】
また、操作盤42のシュレッダ正転・逆転選択ダイヤル42bで「正転」(又は「逆転」、以下、対応関係同じ)が選択された状態でシュレッダ起動・停止スイッチ42aが「起動」側へ押された場合、破砕装置正転用ソレノイド制御弁66Fのソレノイド66Fa(又は破砕装置逆転用ソレノイド制御弁66Rのソレノイド66Ra)への駆動信号Scr1(又は駆動信号Scr2)をONにするとともに破砕装置逆転用ソレノイド制御弁66Rのソレノイド66Ra(又は破砕装置正転用ソレノイド制御弁66Fのソレノイド66Fa)への駆動信号Scr2(又は駆動信号Scr1)をOFFにし、第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ48,49を図7及び図9中上側の切換位置48A,49A(又は下側の切換位置48B,49B)に切り換え、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bからの圧油を合流させて破砕装置用油圧モータ15に供給して駆動し、せん断式破砕装置12を正転方向(又は逆転方向)に起動する。
【0083】
なお、前述のように、破砕装置正転用ソレノイド制御弁66Fのソレノイド66Faへの駆動信号Scr1がONで、破砕装置逆転用ソレノイド制御弁66Rのソレノイド66Raへの駆動信号Scr2がOFFのとき、前記リリーフ弁57の駆動部85にパイロット圧が付勢され、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bから合流した圧油の最大圧が比較的高く設定され十分な破砕トルクが得られるようになっている。
【0084】
その後、シュレッダ起動・停止スイッチ42aが「停止」側へ押された場合、上記駆動信号Scr1,Scr2をともにOFFにして第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ48,49を図7及び図9に示す中立位置48C,49Cに復帰させ、破砕装置用油圧モータ15を停止し、せん断式破砕装置12を停止させる。
【0085】
また、操作盤42のコンベア起動・停止スイッチ42cが「起動」側へ押された場合、コンベア用コントロールバルブ50のソレノイド駆動部50aへの駆動信号SconをONにして図11中右側の連通位置50Aに切り換え、第3油圧ポンプ44Cからの圧油をコンベア用油圧モータ35に供給して駆動し、コンベア33を起動する。その後、操作盤42のコンベア起動・停止スイッチ42cが「停止」側へ押されると、コンベア用コントロールバルブ50のソレノイド駆動部50aへの駆動信号SconをOFFにして図11に示す遮断位置50Bに復帰させ、コンベア用油圧モータ35を停止し、コンベア33を停止させる。
【0086】
同様に、磁選機起動・停止スイッチ42dが「起動」側へ押された場合、磁選機用コントロールバルブ51を図11中右側の連通位置51Aに切り換え、磁選機用油圧モータ39を駆動して磁選機36を起動し、磁選機起動・停止スイッチ42dが「停止」側へ押されると、磁選機用コントロールバルブ51を遮断位置51Bに復帰させ、磁選機36を停止させる。
【0087】
また、走行モード選択スイッチ42fで「通常モード」が選択された場合には、走行速度切換用ソレノイド制御弁67の駆動信号SvをONにして走行速度切換用ソレノイド制御弁67を図8中右側の連通位置67Aに切り換え、前述のように左・右走行用コントロールバルブ47L,47Rの要求流量(左・右走行用操作レバー53L,53Rの操作量)に応じたポンプ吐出流量の制御を可能とする。走行モード選択スイッチ42fで「微速モード」が選択された場合には、走行速度切換用ソレノイド制御弁67の駆動信号SvをOFFにして図8中左側の遮断位置67Bに復帰させ、前述のように左・右走行用コントロールバルブ47L,47Rの要求流量に応じたポンプ吐出流量の制御を中止し、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bのポンプ吐出流量を一定値とする。
【0091】
次に、上記構成の本実施の形態の自走式破砕機の動作を以下に説明する。
(I)破砕作業時
上記構成の自走式破砕機において、破砕作業時には、操作者は、操作盤42のモード選択スイッチ42eで「破砕モード」を選択して走行操作を不可能にした後、シュレッダ正転・逆転選択ダイヤル42bで「正転」を選択し、磁選機起動・停止スイッチ42d、コンベア起動・停止スイッチ42c、シュレッダ起動・停止スイッチ42aを順次「起動」側へ押す。
【0092】
上記の操作により、コントローラ70から磁選機用コントロールバルブ51のソレノイド駆動部51aへの駆動信号SmがONになって磁選機用コントロールバルブ51が図11中右側の連通位置51Aに切り換えられ、またコントローラ70からコンベア用コントロールバルブ50のソレノイド駆動部50aへの駆動信号SconがONになってコンベア用コントロールバルブ50が図11右側の連通位置50Aに切り換えられる。さらに、コントローラ70から破砕装置正転用ソレノイド制御弁66F及び破砕装置逆転用ソレノイド制御弁66Rのソレノイド駆動部66Fa,66Raへの駆動信号Scr1,Scr1が、それぞれON、OFFになり、第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ48,49が図7及び図9中上側の切換位置48A,49Aに切り換えられる。
【0093】
これにより、第3油圧ポンプ44Cからの圧油が磁選機用油圧モータ39及びコンベア用油圧モータ35に供給され、磁選機36及びコンベア33が起動される一方、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bからの圧油が合流して破砕装置用油圧モータ15に供給されせん断式破砕装置12が正転方向に起動される。
【0094】
このとき、パイロットポンプ45から導入管路71bを介して第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ48,49の駆動部48a,49aに導かれるパイロット圧が、導入管路71bから分岐した管路86を介してリリーフ弁57に設けた駆動部85に導かれる。これにより、リリーフ弁57による第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出圧の最大値が高く設定され、破砕装置用油圧モータ35に供給される第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bからの合流圧油の圧力が高くなる。
【0095】
以上のように動力装置9内の油圧駆動装置が作動すると、例えば油圧ショベル等によりホッパ1に投入された被破砕物はせん断式破砕装置12へと導かれ、せん断式破砕装置12で所定の大きさに破砕される。破砕された破砕物は、せん断式破砕装置12からシュート32を介してコンベア33上に落下して搬送される。この搬送される破砕物は、その搬送中に磁選機36によって異物(例えばコンクリートの建設廃材に混入している鉄筋片等の磁性物)が取り除かれ、大きさがほぼ揃えられて、最終的に自走式破砕機の後部(図1中右端部)から搬出される。
【0096】
(II)自力走行時
例えば稼働現場内において自走式破砕機を平地走行させる場合は、操作者は、操作盤42のモード選択スイッチ42eで「走行モード」を選択するとともに、走行モード選択スイッチ42fで「通常モード」を選択し、運転席40に搭乗して操作レバー53L,53Rを前方に操作する。これにより、左・右走行用コントロールバルブ47L,47Rが図7及び図9中上方の切換位置47LA,47RAに切り換えられ、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bからの圧油が左・右走行用油圧モータ6L,6Rに供給されることにより、これら左・右走行用油圧モータ6L,6Rが正転方向に駆動され、履帯7により自走式破砕機が前方(図1中左方向)へ走行する。
【0097】
このとき、走行モード選択スイッチ42fで「通常モード」を選択していることから走行速度切換用ソレノイド制御弁67が連通位置67Aとなり、前述したように、左・右走行用操作レバー53L,53Rの操作量に応じた吐出流量が第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bから吐出されるとともに、その操作量に応じて左・右走行用コントロールバルブ47L,47Rの開度が大きくなる。これにより、操作者が走行用操作レバー53L,53Rを比較的大きな操作量で操作することで高速走行が可能となるので、可動現場内において素早く所望の位置へ移動することができ、稼働率の向上等を図ることができる。
【0098】
なお、例えば稼動現場に向かうためにトレーラーに積載するためにトレーラー荷台上へ向かって自走する場合は、操作者は、操作盤42のモード選択スイッチ42eで「走行モード」を選択するとともに、走行モード選択スイッチ42fで「微速モード」を選択し、運転席40に搭乗して操作レバー53L,53Rを前方にに操作する。このとき、走行モード選択スイッチ42eで「微速モード」を選択していることから走行速度切換用ソレノイド制御弁67が遮断位置67Bとなり、前述したように、左・右走行用操作レバー53L,53Rの操作量に関係なく常時ポンプ最小吐出流量が第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bから吐出される。これにより、操作者が走行用操作レバー53L,53Rを比較的小さな操作量で操作することで超低速走行(微速走行)が可能となる。
【0099】
また、左・右走行用操作レバー53L,53Rの操作量の増加に対し比較的低い割合で左・右走行用油圧モータ6L,6Rの供給流量を増加させるので、操作量の変化量に対する速度変化を小さくすることができ、自走速度の精密な制御が可能となる。
【0100】
以上説明したような構成及び動作である本発明の一実施の形態による自走式破砕機の油圧駆動装置によれば、以下のような効果を得られる。
(1)走行手段の小型化と破砕装置の所要の破砕能力の確保との両立
本実施の形態においては、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出圧の最大値を制限するためのリリーフ圧の値が、破砕作業時、すなわち前述のように操作盤42のモード選択スイッチ42eで「破砕モード」を選択して走行操作を不可能にした後、シュレッダ正転・逆転選択ダイヤル42bで「正転」を選択したとき、リリーフ弁57の駆動部85にパイロット圧が付勢されて高くなることにより、履帯7の小型化を図りつつも、せん断式破砕装置12の所要の破砕能力を確保することができる。
【0101】
すなわち、前述したように、本実施の形態の油圧駆動装置においては、まず、操作盤42のモード選択スイッチ42eで「走行モード」を選択し、操作レバー装置41L,41Rにより左・右走行用コントロールバルブ47L,47Rを切換操作すると、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bからの圧油は、それぞれ左・右走行用油圧モータ6L,6Rに切換供給され、操作レバー装置41L,41Rの操作に応じて履帯7が駆動される。
【0102】
一方、操作盤42のモード選択スイッチ42eで「破砕モード」を選択すると、左・右走行用コントロールバルブ47L,47Rの駆動部47La,47Lb,47Ra,47Rbへのパイロット管路63a,63bがタンク圧となり、左・右走行用コントロールバルブ47L,47Rは、それぞればね47Lc,47Ld及びばね47Rc,47Rdの付勢力により中立位置47LC,47RCに切換操作される。その結果、第1及び第2油圧ポンプ44A,444Bからの圧油は、それぞれセンターバイパスライン60Aa,60Baを介し、左・右走行用コントロールバルブ47L,47Rの中立位置47LC,47RCを通過して破砕装置用コントロールバルブ48,49に供給される。
【0103】
この状態で、シュレッダ正転・逆転選択ダイヤル42bで「正転」を選択し、シュレッダ起動・停止スイッチ42aを起動側にすると、破砕装置用コントロールバルブ48,49の切換位置48A,49Aを通過した圧油を合流させて破砕装置用油圧モータ15に供給し、せん断式破砕装置12が正転駆動する。
【0104】
このとき、破砕装置用コントロールバルブ48,49を切換位置48A,49Aに切換操作しりため、駆動部48a,49aに導かれるパイロット圧は、前述したように、管路86を介して第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出圧力の最大値を制限するリリーフ弁57に設けた駆動部85にも導入され、リリーフ弁57のリリーフ圧をそのばね57aの付勢力(リリーフ弁単体で設定される比較的低いリリーフ圧)にパイロット圧を付加した比較的大きな値に変更することができる。このため、せん断式破砕装置12の十分な破砕処理能力を確保することができる。
【0105】
一方、それ以外、例えば、上記のように左・右走行用コントロールバルブ47L,47Rが操作されたとき(すなわち走行時)等には、リリーフ弁57の駆動部85にはパイロット圧が付勢されず、このリリーフ弁57のリリーフ圧はばね57aの付勢力のみにより設定される比較的低い値となる。
【0106】
以上のように、せん断式破砕装置12の所要の破砕能力を確保するために十分な容量の油圧ポンプ(この例では、上記第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの2ポンプ)を備えた場合でも、履帯7及びこれを駆動する左・右走行用油圧モータ6L,6Rとして比較的小さなものを用いることができる。したがって、履帯7の小型化を図りつつも、せん断式破砕装置12の所要の破砕能力を確保することができる。
【0107】
(2)作業効率向上効果
本実施の形態の自走式破砕機の油圧駆動装置においては、上述したように、破砕動作時には、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bから吐出された圧油をそれぞれの吐出管路55A,55Bから第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ47L,47Rを介し、互いに合流させて破砕装置用油圧モータ15へ供給し駆動する。また走行動作時には、第1油圧ポンプ44Aから吐出された圧油を、その吐出管路55Aから左走行用コントロールバルブ47Lを介し左走行用油圧モータ6Lへ供給して駆動するとともに、第2油圧ポンプ44Bから吐出された圧油を、その吐出管路55Bから右走行用コントロールバルブ47Rを介し右走行用油圧モータ6Rへ供給して駆動する。
【0108】
このように、コンベア33、磁選機36といった補助機械側と比べて非常に負荷が大きいせん断式破砕装置12側の油圧回路を、同様に比較的負荷が大きい走行側と共通化して独立した回路として構成するとともに、コンベア33、磁選機36側には別途第3油圧ポンプ44Cから圧油を供給することにより、せん断式破砕装置12側とコンベア33、磁選機36側とを完全に切り離した油圧回路としている。これにより、共通の油圧源から破砕装置側と補助機械側の両方に圧油を分配供給する構造と比較して、補助機械側に圧力損失を発生させることなく、せん断式破砕装置12側と補助機械(すなわちコンベア33、磁選機36)側にそれぞれ十分な圧油を供給することができる。したがって、補助機械33,36側の動力損失を低減できるので、エネルギ効率を向上できると共にせん断式破砕装置12側への投入馬力を増大でき、破砕作業効率を向上することができる。また燃費の向上も図れる。
【0109】
また、自走式破砕機では、油圧ショベル等の建設機械と異なり、基本的に走行しながらの作業は行わず、また要求される走行速度も極めて小さい。これにより、通常の使用態様であれば、左・右走行用油圧モータに投入される馬力の合計と、破砕装置用油圧モータに投入される馬力とが、比較的同程度の値となる。したがって、本実施の形態のように、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bからの圧油を走行動作時にはそれぞれ左・右走行用油圧モータ6L,6Rへ供給し、破砕動作時には合流させて破砕装置用油圧モータ15へ供給するのは、自走式破砕機の特性上、最も有効でかつ無駄の少ない回路構成であり、これによってもエネルギ効率を向上できる効果がある。
【0110】
(3)蛇行防止効果
本実施の形態では、走行動作時に第1油圧ポンプ44Aからの圧油が左走行用油圧モータ6Lへ、第2油圧ポンプ44Bからの圧油が右走行用油圧モータ6Rへ供給されることから、共通の油圧源から左走行用油圧モータ6Lと右走行用油圧モータ6Rの両方に圧油を分配供給する構造と比べて、左・右の回路独立性を確保でき、走行時の蛇行を防止でき直進走行性を向上できる効果もある。
【0111】
(4)破砕装置用コントロールバルブを2つに分けたことによる効果
本実施の形態では、破砕動作時に第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bからの圧油を合流させて破砕装置用油圧モータ15に供給するに際し、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの圧油をそれぞれ第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ48,49を介した後に合流させ、破砕装置用油圧モータ15へ供給する。すなわち、合流前に2つのバルブを用いて圧油の流れの制御を行っている。これにより、例えば第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bからの圧油を合流させた後に1つの破砕装置用コントロールバルブを設けて制御する場合よりも、コントロールバルブ1つあたりの通過流量を低減できるので、コントロールバルブにおける圧力損失をより小さくできる。また、大型のコントロールバルブを使用する必要がなくなり、コストダウンを図れる。しかもこのとき、第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ48,49として同一特性のコントロールバルブを使用することで、さらにコストダウンを図れる。さらにこのとき、第1破砕装置用コントロールバルブ48及び左走行用コントロールバルブ47Lよりなるバルブブロック60Aと、第2破砕装置用コントロールバルブ49及び右走行用コントロールバルブ47Rよりなるバルブブロック60Bを左・右で共通化して構成することにより、さらにコストダウンを図れる。
【0112】
(5)微速走行時の圧力損失低減効果
本実施の形態によれば、上述したように、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bのポンプ吐出流量を増減し左・右走行用油圧モータ6L,6Rへの供給流量自体を増減することで、高速走行及び微速走行の両方を可能とする。これにより、微速走行時には、第1及び第2油圧ポンプ44A,44B→左・右走行用コントロールバルブ47L,47R→左・右走行用油圧モータ6L,6Rという一連の圧油供給経路の流量が小さくなるので、左・右走行用コントロールバルブ47L,47Rの通過流量も小さくすることができる。これにより、少なくとも、微速走行時にも高速走行時と同一の大流量が供給されることになる場合に比べれば左・右走行用コントロールバルブ47L,47Rで発生する圧力損失を低減することができ、その分第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bを駆動するエンジン43に必要な馬力を低減できる。この結果、エンジン43の燃料消費量を低減できるので、稼働時間を長くでき、生産性を向上できる効果がある。
【0113】
(6)破砕装置側ポンプのネガティブコントロールによる省エネルギ効果
本実施の形態においては、ポンプコントロールバルブ61L,61R及びレギュレータ装置54の第1及び第2サーボ弁74,77等を介したネガティブコントロールを行い、これによって、センターバイパスライン60Aa,60Baの下流側に流れる圧油の流量が小さくなるにつれて第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出流量を増加させ、破砕作業中には第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bからの吐出流量を破砕装置用油圧モータ15を駆動するために必要な最小限の流量となるように制御する。したがって、必要以上に無駄に第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出流量が増大してエンジン43の馬力を浪費することがなくなるので、さらに省エネルギ化を図ることができる。
【0114】
なお、上記本発明の一実施の形態においては、ポンプコントロールバルブ61L,61Rを用いて第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの斜軸44Aa,44Baの傾転制御(ネガティブコントロール)を行ったが、本発明の本質的な効果である上記効果(1)を得る限りにおいては、必ずしもこのような配置である必要はなく、例えば第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bは固定容量式のポンプであってもよい。
【0115】
また、本実施の形態においては、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの圧油を第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ48,49を介した後に合流させ、破砕装置用油圧モータ15へ供給したが、本発明の本質的な効果である上記効果(1)を得る限りにおいては、必ずしもこのような配置である必要もなく、例えば、センターバイパスライン60Aaのうち左走行用コントロールバルブ47Lの下流側と、センターバイパスライン60Baのうち右走行用コントロールバルブ47Rの下流側とを互いに合流させ、その合流させた後に1つの破砕装置用コントロールバルブを設けて破砕装置用油圧モータ15への圧油の流れを制御するようにしても良い。
【0116】
さらに、本実施の形態においては、走行速度切換用ソレノイド制御弁67を用いて高速走行と微速走行の両方を可能としたが、本発明の本質的な効果である上記効果(1)を得る限りにおいては、必ずしもこのような機能を備える必要はなく、高速・微速の切換はできなくてもよいことは言うまでもない。
【0117】
また、走行動作時に第1油圧ポンプ44Aからの圧油が左走行用油圧モータ6Lへ、第2油圧ポンプ44Bからの圧油が右走行用油圧モータ6Rへ供給される構造としたが、本発明の本質的な効果である上記効果(1)を得る限りにおいては、これにも限られず、例えば、1つの油圧ポンプで左・右走行用油圧モータ6L,6Rに圧油を供給する構造としてもよい。要は、走行時と破砕時における油圧ポンプの吐出圧の最大値を変更できる構造であればよい。
【0118】
本発明の自走式破砕機の他の実施の形態を図12乃至図15を用いて説明する。
図12は本発明の自走式破砕機の他の実施の形態に備えられた油圧駆動装置の全体概略構成を表す油圧回路図、図13は本実施の形態の油圧駆動装置に備えられた第1制御弁装置46A’の詳細構成を表す油圧回路図、図14は本実施の形態に備えられた第2制御弁装置46B’の詳細構成を表す油圧回路図、図15は本実施の形態の油圧駆動装置に備えられた操作弁装置64’の詳細構成を表す油圧回路図であり、それぞれ先の図6、図7、図9及び図8に対応する図ある。なお、先の各図と同様の部分には同符合を付し説明を省略する。
まず、図12において、87は正転時に破砕装置用油圧モータ15へ圧油の供給管路となる管路と、前記リリーフ弁57に設けた前記駆動部85を接続する管路88に設けた減圧弁、87aは減圧後の管路88の圧力(すなわちこの減圧弁87の下流側圧力)を設定する減圧弁87のばねである。この減圧弁87は公知の減圧弁で、下流側の圧油の圧力とばね87aの付勢力が等しくなるようにするものである。すなわち、下流側の圧力がばね87aの付勢力よりも低いとき、ばね87aの付勢力によりその弁体を図12中上側に移動させ、開口面積を小さくすることにより通過流量を減少させる。一方、下流側の圧力がばね87aの付勢力よりも高いとき、下流側の圧力によりばね87aを押し縮め、弁体が図12中下側に移動し、開口面積を小さくすることにより通過流量を減少させる。これにより、下流側の圧力とばね87aの付勢力が相殺され、下流側圧力がばね87aの付勢力により設定されるようになっている。
【0119】
また、図13及び図14において、46A’,46B’は、前記第1及び第2制御弁装置46A,46Bとほぼ同様の第1及び第2制御弁装置で、前記第1及び第2制御弁装置46A,46Bと異なる点は、それぞれに設けられた第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ48,49が電磁駆動式のコントロールバルブにより構成されている点である。すなわち、本実施の形態においては、第1破砕装置用コントロールバルブ48(又は第2破砕装置用コントロールバルブ49、以下対応関係同様)は、前述の操作によりコントローラ70から出力される前記駆動信号Scr1,Scr2が、それぞれソレノイドにより構成した駆動部48a,48b(又は駆動部49a,49b)に入力されるようになっている。
【0120】
これにより、正転時には、第1破砕装置用コントロールバルブ48(又は第2破砕装置用コントロールバルブ49)の駆動部48a(又は駆動部49a)への駆動信号Scr1がONとなるとともに、駆動部48b(又は駆動部49b)への駆動信号Scr2がOFFとなることにより、切換位置48A(又は切換位置49A)に切換えられる。一方、逆転時には、第1破砕装置用コントロールバルブ48(又は第2破砕装置用コントロールバルブ49)の駆動部48a(又は駆動部49a)への駆動信号Scr1がOFFとなるとともに、駆動部48b(又は駆動部49b)への駆動信号Scr2がONとなることにより、切換位置48B(又は切換位置49B)に切換えられる。また、前記駆動信号Scr1,Scr2がともにOFFとなると、第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ48,49と同様、ばね48c,48d及び49c,49dの付勢力により中立位置48C,49Cに復帰するようになっている。
【0121】
このように、本実施の形態においては、第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ48,49を電磁駆動式のコントロールバルブで構成した結果、図15に示すように、操作弁装置64’は、前記破砕装置正転用ソレノイド制御弁66F及び破砕装置逆転用ソレノイド制御弁66Rを省略している。
【0122】
以上の説明したように、本実施の形態においては、上記一実施の形態のように、前記第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ48,49の駆動部48a,49a(図7及び図9参照)に供給されるパイロット圧をリリーフ弁57の駆動部85に導入する代わりに、破砕装置用油圧モータ15の正転時に破砕装置用油圧モータ15に供給される圧油を減圧してリリーフ弁57の駆動部85に供給するようになっている。
【0123】
これにより、破砕作業時には、リリーフ弁57のばね57aの付勢力に上記減圧した圧油の圧力が加わり、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出圧の最大値が高くなるようになっている。一方、例えば走行時等、これ以外の動作時には、上述の正転時に破砕装置用油圧モータ15に圧油を供給する管路の圧力がタンク圧となり、リリーフ弁57の駆動部85に付勢される圧力はゼロとなるので、その際に制限される第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出圧の最大値はリリーフ弁57のばね57aの付勢力のみによる比較的低い値に設定されることになる。したがって、本実施の形態においても、上記一実施の形態と同様の効果を得る。
【0125】
本発明の自走式破砕機のさらに他の実施の形態を図16を用いて説明する。
図16は、本発明の自走式破砕機のさらに他の実施の形態に備えられた油圧駆動装置の全体概略構成を表す油圧回路図で、先の図12に対応する図ある。なお、先の各図と同様の部分には同符合を付し説明を省略する。
この図16において、89は前記リリーフ弁57の駆動部85に設けたソレノイドで、前述のように、操作盤42のシュレッダ正転・逆転選択ダイヤル42bで「正転」を選択し、シュレッダ起動・停止スイッチ42aを起動側に操作して、コントローラ70から出力される駆動信号Scr1がONとなった場合にリリーフ弁57の駆動部57aに所定の力を付加するようになっている。これにより、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出圧力の最大値を制限するためのリリーフ圧を、リリーフ弁57のばね57aの付勢力のみで制限する場合よりも高く設定できるようになっている。一方、上記駆動信号Scr1がOFFになると、ソレノイド89はニュートラルの状態となり、リリーフ弁57の駆動部57aに力が作用しないようになっている。
【0126】
その他の構成は、先に図12乃至図15を用いて説明した上記他の実施の形態と同様であるが、本実施の形態においては、リリーフ弁57に設けた駆動部85に対しソレノイド89により付勢する構成としたので、前記減圧弁87及び管路88は省略している。
【0127】
以上のような構成により、本実施の形態においては、前記第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ48,49の駆動部48a,49a(図7及び図9参照)に供給されるパイロット圧をリリーフ弁57の駆動部85に導入する代わりに、破砕装置正転用ソレノイド制御弁66Fの駆動部66Faに出力される駆動信号Scr1をソレノイド89に入力してリリーフ弁57の駆動部85に付勢力を与えるようになっている。
【0128】
これにより、破砕作業時には、リリーフ弁57のばね57aの付勢力に上記ソレノイド89による付勢力が加わり、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出圧の最大値が高くなるようになっている。一方、例えば走行時等、これ以外の動作時には、上記駆動信号Scr1がOFFとなり、リリーフ弁57の駆動部85への付勢力は0となる。これにより、その際に制限される第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出圧の最大値はリリーフ弁57のばね57aの付勢力のみによる比較的低い値に設定される。したがって、本実施の形態においても、上記一実施の形態と同様の効果を得る。
【0130】
なお、リリーフ弁57のリリーフ圧の設定値を変更する構造としては、以上説明した各実施の形態のような構造に限られる必要はなく、他の構成としても構わない。例えば、上記一実施の形態においては、前述したように、パイロット操作式の第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ48,49を備え、これら第1及び第2破砕装置用コントロールバルブ48,49の駆動部48a,49aへのパイロット圧をリリーフ弁57の駆動部85に加圧することによりリリーフ弁57によるリリーフ圧を変更する構造としたが、この構造において、図16を用いて説明した実施の形態と同様、リリーフ弁57の駆動部85にソレノイド89を設け、正転操作時にONとなる前記駆動信号Scr1をこのソレノイド89に入力する構造としてもよい。要は、第1及び第2油圧ポンプ44A,44Bの吐出圧の最大値を制限するためのリリーフ圧を、操作レバー装置41L,41R、操作盤42等の操作手段の操作により変更できる構造とすればよい。
【0131】
なお、以上においては、せん断式破砕装置12として、平行に配置された軸にカッタを備え、互いに逆回転させることにより建設廃材、家電品、プラスチック廃材、古タイヤ等をせん断する破砕装置(いわゆるシュレッダを含む2軸せん断機等)を備えた自走式破砕機を例にとって説明したが、これに限られず、他の破砕装置、例えば、動歯と固定歯とで破砕を行うジョークラッシャや、ロール状の回転体に破砕用の刃を取り付けたものを一対としてそれら一対を互いに逆方向へ回転させ、それら回転体の間に岩石・建設廃材等を挟み込んで破砕を行う回転式破砕装置(いわゆるロールクラッシャを含む6軸破砕機等)や、複数個の刃物を備えた打撃板を高速回転させ、この打撃板からの打撃及び反発板との衝突を用いて岩石・建設廃材等を衝撃的に破砕する破砕装置(いわゆるインパクトクラッシャ)等を備えた自走式破砕機、さらには木材、枝木材、建設廃木等の木材をカッタを備えたロータに投入することにより細片にする自走式木材破砕機にも適用可能である。これらの場合にも同様の効果を得る。
【0132】
また、以上において、せん断式破砕装置12に備えられた回転歯17として、一体的に形成されたいわゆるモノカッタを例にとって説明したが、これにも限られず、例えば略円形のディスク部に切断歯としてのカッタピースを着脱可能に設けたいわゆるピースカッタを用いてもよい。また、せん断式破砕装置12を2軸せん断機としたが、これにも限られず、上記各実施の形態を、もっと多数の軸を備えたせん断機を備えた自走式破砕機にも適用できることは言うまでもない。この場合も同様の効果を得る。
【0133】
なお、以上においては、せん断式破砕装置12の回転体21,21外周側にクリーニングフィン28,28を設けたが、これに限られず、クリーニングフィン28,28は必ずしも設ける必要はない。また、クリーニングフィン支持部材29,29を省略し、幅方向側壁が固定されたハウジングを用いてもよい。さらに、せん断式破砕装置12として2軸せん断機を例にとって説明したが、これにも限られず、もっと多数の軸を備えたせん断機を備えた自走式破砕機としてもよい。これらの場合も同様の効果を得る。
【0134】
さらに、以上において、回転軸16からのトルクを受けるために、回転軸16の断面を多角形としたが、これにも限られず、例えば回転軸16の断面及び回転歯17の軸穴形状を略円形とし、回転軸16からのトルクをキー等を用いて支持する構成としても構わない。これらの場合も同様の効果が得られる。
【0135】
【発明の効果】
本発明によれば、油圧ポンプの吐出圧の最大値を制限するためのリリーフ圧の値を、操作手段の操作に応じて変更するリリーフ圧変更手段を備えたことにより、走行手段の小型化を図りつつも、破砕装置の所要の破砕能力を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の自走式破砕機の一実施の形態の全体構造を表す側面図である。
【図2】本実施の形態の自走式破砕機の一実施の形態の全体構造を表す上面図である。
【図3】本実施の形態の自走式破砕機の一実施の形態の全体構造を表す図1中左側から見た前面図である。
【図4】本実施の形態の自走式破砕機の一実施の形態に備えられたせん断式破砕装置の詳細構造を表す一部分解上面図である。
【図5】図4中V−V断面による断面図である。
【図6】本発明の自走式破砕機の一実施の形態に備えられた油圧駆動装置の全体概略構成を表す油圧回路図である。
【図7】本発明の自走式破砕機の一実施の形態に備えられた油圧駆動装置を構成する第1制御弁装置の詳細構成を表す油圧回路図である。
【図8】本発明の自走式破砕機の一実施の形態に備えられた油圧駆動装置を構成する操作弁装置の詳細構成を表す油圧回路図である。
【図9】本発明の自走式破砕機の一実施の形態に備えられた油圧駆動装置を構成する第2制御弁装置の詳細構成を表す油圧回路図である。
【図10】本発明の自走式破砕機の一実施の形態に備えられた油圧駆動装置を構成するレギュレータ装置の詳細構成を表す油圧回路図である。
【図11】本発明の自走式破砕機の一実施の形態に備えられた油圧駆動装置を構成する第3制御弁装置の詳細構成を表す油圧回路図である。
【図12】本発明の自走式破砕機の他の実施の形態に備えられた油圧駆動装置の全体概略構成を表す油圧回路図で、図6に対応する図ある。
【図13】本発明の自走式破砕機の他の実施の形態に備えられた油圧駆動装置を構成する第1制御弁装置の詳細構成を表す油圧回路図で、図7に対応する図ある。
【図14】本発明の自走式破砕機の他の実施の形態に備えられた油圧駆動装置を構成する第2制御弁装置の詳細構成を表す油圧回路図で、図9に対応する図ある。
【図15】本発明の自走式破砕機の他の実施の形態に備えられた油圧駆動装置を構成する操作弁装置の詳細構成を表す油圧回路図で、図8に対応する図ある。
【図16】本発明の自走式破砕機のさらに他の実施の形態に備えられた油圧駆動装置の全体概略構成を表す油圧回路図で、図12に対応する図ある。
【符号の説明】
6L,R 左・右走行用油圧モータ
7 履帯(左・右走行手段)
12 せん断式破砕装置(破砕装置)
15 破砕装置用油圧モータ
41L,R 操作レバー装置(操作手段)
42 操作盤(操作手段)
43 エンジン(原動機)
44A 第1油圧ポンプ
44B 第2油圧ポンプ
44C 第3油圧ポンプ
47L,R 左・右走行用コントロールバルブ
48 第1破砕装置用コントロールバルブ(破砕装置用制御弁手段)
49 第2破砕装置用コントロールバルブ(破砕装置用制御弁手段)
57〜59 リリーフ弁
66F 破砕装置正転用ソレノイド制御弁(破砕装置用制御弁手段)
66R 破砕装置逆転用ソレノイド制御弁(破砕装置用制御弁手段)
85 駆動部(リリーフ圧変更手段)
86 管路(リリーフ圧変更手段)
87 減圧弁(リリーフ圧変更手段)
88 管路(リリーフ圧変更手段)
89 ソレノイド(リリーフ圧変更手段)

Claims (5)

  1. 自走用の左・右走行手段と、被破砕物を破砕処理する破砕装置とを有する自走式破砕機に設けられ、
    原動機により駆動される油圧ポンプと、
    この油圧ポンプから吐出される圧油により前記左・右走行手段及び前記破砕装置をそれぞれ駆動する左・右走行用油圧モータ及び破砕装置用油圧モータとを備えた自走式破砕機の油圧駆動装置において、
    前記油圧ポンプからの圧油を前記左・右走行用油圧モータ及び破砕装置用油圧モータにそれぞれ導く左・右走行用コントロールバルブ及び破砕装置用制御弁手段と、
    前記油圧ポンプからの圧油を前記左・右走行用油圧モータ又は前記破砕装置用油圧モータのいずれかに導くように前記左・右走行用コントロールバルブ及び破砕装置用制御弁手段を切換操作する操作手段と、
    前記油圧ポンプの吐出圧の最大値を制限するためのリリーフ圧を設定するリリーフ弁と、
    前記操作手段の操作状態に応じ、前記リリーフ弁の前記リリーフ圧を変更するリリーフ圧変更手段とを備え
    前記リリーフ圧変更手段は、前記操作手段を構成する操作盤により走行作業が選択されたときには前記リリーフ弁のリリーフ圧を前記操作盤により破砕作業が選択されたときと比較して相対的に低い値とし、前記操作盤により破砕作業が選択されたときには前記リリーフ弁のリリーフ圧を前記操作盤により走行作業が選択されたときと比較して相対的に高い値とすることを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装置。
  2. 自走用の左・右走行手段と、被破砕物を破砕処理する破砕装置とを有する自走式破砕機に設けられ、
    原動機により駆動される第1及び第2油圧ポンプと、
    これら第1及び第2油圧ポンプから吐出される圧油により前記左・右走行手段及び前記破砕装置をそれぞれ駆動する左・右走行用油圧モータ及び破砕装置用油圧モータとを備えた自走式破砕機の油圧駆動装置において、
    前記第1油圧ポンプの吐出管路に接続され、前記自走式破砕機の走行動作時に第1油圧ポンプからの圧油を前記左走行用油圧モータへ供給する左走行用コントロールバルブと、
    前記第2油圧ポンプの吐出管路に接続され、前記自走式破砕機の走行動作時に第2油圧ポンプからの圧油を前記右走行用油圧モータへ供給する右走行用コントロールバルブと、
    前記第1及び第2油圧ポンプの吐出管路に接続され、前記自走式破砕機の破砕動作時に第1及び第2油圧ポンプからの圧油を合流させて前記破砕装置用油圧モータへ供給する破砕装置用制御弁手段と、
    前記第1及び第2油圧ポンプからの圧油を前記左・右走行用油圧モータ又は前記破砕装置用油圧モータのいずれかに導くように前記左・右走行用コントロールバルブ及び破砕装置用制御弁手段を切換操作する操作手段と、
    前記第1及び第2油圧ポンプの吐出圧の最大値を制限するためのリリーフ圧を設定するリリーフ弁と、
    前記操作手段の操作状態に応じ、前記リリーフ弁の前記リリーフ圧を変更するリリーフ圧変更手段とを備え
    前記リリーフ圧変更手段は、前記操作手段を構成する操作盤により走行作業が選択されたときには前記リリーフ弁のリリーフ圧を前記操作盤により破砕作業が選択されたときと比較して相対的に低い値とし、前記操作盤により破砕作業が選択されたときには前記リリーフ弁のリリーフ圧を前記操作盤により走行作業が選択されたときと比較して相対的に高い値とすることを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装置。
  3. 請求項1又は2記載の自走式破砕機の油圧駆動装置において、前記破砕装置はシュレッダであり、前記リリーフ圧変更手段は、前記操作盤により前記破砕作業として前記シュレッダの正転が選択されたときに、前記リリーフ圧を相対的に高い値とすることを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の自走式破砕機の油圧駆動装置において、前記破砕装置用制御弁手段は、前記操作手段からのパイロット圧により駆動されるパイロット操作式の少なくとも1つの破砕装置用コントロールバルブを備えており、前記リリーフ圧変更手段は、前記破砕装置用コントロールバルブへ供給されるパイロット圧に応じて前記リリーフ圧を変更することを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装置。
  5. 自走用の左・右走行手段と、
    被破砕物を破砕処理する破砕装置と、
    原動機により駆動される油圧ポンプと、
    この油圧ポンプから吐出される圧油により前記左・右走行手段及び前記破砕装置をそれぞれ駆動する左・右走行用油圧モータ及び破砕装置用油圧モータとを備えた自走式破砕機において、
    前記油圧ポンプからの圧油を前記左・右走行用油圧モータ及び破砕装置用油圧モータにそれぞれ導く左・右走行用コントロールバルブ及び破砕装置用制御弁手段と、
    前記油圧ポンプからの圧油を前記左・右走行用油圧モータ又は前記破砕装置用油圧モータのいずれかに導くように前記左・右走行用コントロールバルブ及び破砕装置用制御弁手段を切換操作する操作手段と、
    前記油圧ポンプの吐出圧の最大値を制限するためのリリーフ圧を設定するリリーフ弁と、
    前記操作手段の操作状態に応じ、前記リリーフ弁の前記リリーフ圧を変更するリリーフ圧変更手段とを備え
    前記リリーフ圧変更手段は、前記操作手段を構成する操作盤により走行作業が選択されたときには前記リリーフ弁のリリーフ圧を前記操作盤により破砕作業が選択されたときと比較して相対的に低い値とし、前記操作盤により破砕作業が選択されたときには前記リリーフ弁のリリーフ圧を前記操作盤により走行作業が選択されたときと比較して相対的に高い値とすることを特徴とする自走式破砕機。
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