JP4565215B2 - 有害獣用忌避材および有害獣の忌避方法 - Google Patents

有害獣用忌避材および有害獣の忌避方法 Download PDF

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Description

本発明は、山林、農地、果樹園などの樹木、果実、その他野菜類などの植物を食したり、倒したりする有害獣の忌避材および有害獣の忌避方法に関する。
近年、猟師の減少や人工的な山林の開発などにより、猪などの野生獣類の個体数が増加しそれに伴い餌が不足となり人里に現れる事が多くなって来た。人里に現れた獣類は農地、果樹園など簡単に食料となるものが豊富にあり、これらの農地、果樹園などにおいて、作物などを餌として食い荒らすことが一つの生活パターンとしての行動に成ってしまった。このように、近年は農作物に対する食害が極めて深刻な問題となってきている。
特に猪は、野鼠、野兎、モグラなどに比べて個体も大きく、力もはるかに強く、全国的に被害が拡大しており米、果実、根菜類、などは特に被害が多く果実などは木そのものを押し倒してしまうほどの被害が出ている。この様な被害は実害はもとより、長いものでは50年以上手入れを続けてきた果実の木が一夜のうちに押し倒されたのを見て農家の生産意欲をも無くさせてしまう事になっている。
しかして、被害を防ぐべく、耕作地の周囲に、金網の様なネット状物を張りめぐらせたりしても、猪などでは、これらをなぎ倒してしまい、費用がかかる割には、保護効果が少ない。
有害動物忌避剤として、カプサイシン類、天然わさび、芥子油などをマイクロカプセルに内包したものが、犬、猫、イノシシ、イタチ、蛇などの有害動物忌避剤として提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、マイクロカプセル化するのは、かなり高価になり、耕作地などの広い面積に使用することはコストの面からも現実的でない。このマイクロカプセル化した忌避剤は、極めて微細な例えば通常10〜50μm程度の微粒子であり、そのままでは取り扱いがしにくい。仮に、耕作地に撒いたとすると、撒く作業中だけでも、作業者が空気中に飛散しているマイクロカプセルを吸い込んでしまい、あるいは目に入ったりすると、カプサイシンが使用されている場合には、咳やくしゃみが極めてひどく、目を開いていられない、涙が止まらないなど、到底作業を続行できる状態にはならないし、仮に、耕作地に撒けたとしても、風が吹くと簡単に飛ばされてしまい、目的の耕作地に対する忌避機能が失われるのみならず、風下の地域の居住者が風に乗って飛んできたこれらのカプセルを吸い込んだり、それが目に入ったりすることにより、公害問題を生じることとなる。
そこで、カプサイシンを内包するマイクロプセルを不織布などのシート状物に固着させ、このシートを土中に埋設して齧歯動物による掘削被害を防止することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、このシートは、モグラなどの齧歯動物が水田の周囲の畦道に穴を開けて水田に引いた用水を流出させたり、河川や農業用水路などの堤防に開けた小さな穴からの強い水流により穴が拡大して決壊に至るなどの被害を防止するためのシートであって、耕作地の内部に縦横に埋めることは費用も高くなるし、耕作物の根の発達を物理的に阻害するなどの問題もあり、耕作地の周囲に埋めることができる程度である。その程度ではイノシシなどが簡単に乗り越えて耕作地に入ってしまうと言う問題がある。モグラなどの被害も問題にはなるが、はるかに個体の大きさが大きく、力も強い猪などの有害獣による被害は極めて大きい。しかも、このようなシート状物を土中に埋設するのはかなりの労力や多少の土木技術を要すると言う問題もある。
特開平7−76502号公報 特開平11−146752号公報
従って、上記のような食害防御用保護材は、比較的コストが高いと言う問題と、小動物より大きな猪などの有害獣による被害を効率よく防止することができないと言う問題、労力や土木技術を要すると言う問題など上述した問題がある。
本発明は、猪などに対しても有効に忌避作用を発揮でき、使用方法が簡単で、比較的コストも安く、風などによる飛散によって生じる公害問題も生じる恐れもなく、使用後放置しても土壌汚染などの公害問題の発生も少なく、植物などへの悪影響がなく、地球環境の汚染も少ない優れた有害獣用忌避材並びにこれを用いた有害獣の忌避方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の有害獣用忌避材並びに有害獣の忌避方法の発明は次の様である。
(1)多孔質天然石粒の前記孔内にカプサイシンからなる有害獣の忌避成分を含有し、当該多孔質天然石粒の表面が少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチック皮膜で被覆されてなる粒状忌避材を含むことを特徴とする有害獣用忌避材。
(2)ポリ乳酸を構成する乳酸モノマーのd体−乳酸の含有割合が、当該ポリ乳酸を構成する乳酸モノマーの8〜20モル%である前記(1)項に記載の有害獣用忌避材。
(3)ポリ乳酸を構成する乳酸モノマーのd体−乳酸の含有割合が、当該ポリ乳酸を構成する乳酸モノマーの10〜18モル%である前記(1)項に記載の有害獣用忌避材。
(4)多孔質天然石粒が、ゼオライト系天然石粒である前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の有害獣用忌避材。
(5)多孔質天然石粒が、平均粒径が1mm〜50mmの粒子である前記(1)〜(4)項のいずれかに記載の有害獣用忌避材。
(6)前記(1)〜(5)項のいずれかに記載の粒状忌避材の複数個が、少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチックで互いに接着された顆粒状の集合体からなる有害獣用忌避材。
(7)前記(1)〜(5)項のいずれかに記載の粒状忌避材が、天然石粒の表面に、生分解性プラスチックで固着されてなる有害獣用忌避材。
(8)天然石粒が、平均粒径が1mm〜150mmの天然石粒である前記(7)項に記載の有害獣用忌避材。
(9)有害獣用忌避材が、猪用の忌避材である前記(1)〜(8)項のいずれかに記載の有害獣用忌避材。
(10)前記(1)〜(9)項のいずれかに記載の有害獣用忌避材を、農地、山林、果樹園、獣道のいずれかの土壌の上に散布するか、当該土壌中に混合することを特徴とする有害獣の忌避方法。
(11)忌避の対象となる有害獣が主として猪である前記(10)項に記載の有害獣の忌避方法。
本発明の有害獣用忌避材は、有効忌避成分が、植物性のカプサイシンからなる忌避成分であるので、動物や作物に対して毒性がなく安全であり、耕作地の土壌上に直接撒いたり、当該土壌中に鋤きこんで使用しても、作物が安全である。しかも極めて強力な忌避作用を発揮できると共に、猪などに対してもその忌避作用が極めて強烈なので、再度その近辺に近づかない様にしようと言う学習効果も植え付けることができ、猪などに対しても有効に忌避作用を発揮できる。忌避効果が徐々に発揮されるように多孔質天然石粒の前記孔内にカプサイシンからなる有害獣の忌避成分を含有させており、多孔質であるから表面積が多く、カプサイシンを多く担持でき、しかも、その表面を少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチック皮膜で被覆しているので、徐々に生分解性プラスチック皮膜が分解していき、したがって忌避効果を長期間持続させることができる。
忌避材の形状も石粒状であるので、耕作地や農地などに撒いても違和感がなく、多孔質天然石粒からなるので、使用後放置しても土壌汚染などが生じることもなく、植物などへの悪影響がなく、地球環境の汚染も少ないだけでなく、むしろ忌避効能が失われた後は、保水機能、保肥機能などの性質が発揮されて土壌改良材として働くことも期待できる。また、赤土などの粘土質の土に対しては空気の通りを良くする土壌改良材として働くことも期待できる。皮膜は生分解性プラスチックからなるので、分解されて消失するのでプラスチックによる土壌への悪影響もない。したがって使用後放置しても地球環境の汚染も少ない優れた有害獣用忌避材を提供できる。
また、少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチック皮膜を使用しているので、ポリ乳酸の分解期間は、カプロラクトン系生分解性プラスチックなど他の生分解性プラスチックに比べて、約6ヶ月〜1年と長期にわたるので、忌避効果を長期間発揮することができる。
耕作地や農地などに撒くか、当該土壌に鋤き込んで使用できるので使用方法が簡単で、特別の労力や土木技術を要求されない。
忌避成分の担持体として多孔質天然石粒を用いているのでコストも安く、したがって耕作地全体に使用することができ、風などによる飛散によって生じる公害問題も生じる恐れもない優れた有害獣用忌避材を提供できる。
また、本発明の有害獣の忌避方法の発明においては、前記に記載の有害獣用忌避材を、農地、山林、果樹園のいずれかの土壌の上に散布するか、当該土壌中に混合するだけでよいので、上述したように、使用方法が簡単で、特別の労力や土木技術を要求されない。しかも、農地、山林、果樹園、獣道などの土壌の上に直接散布するか、当該土壌中に直接混合して使用するので、猪などは極めて敏感な嗅覚有する鼻で地面に直接接触して臭いを嗅ぐ性質があり、この特性を利用して猪なども、上記簡単な方法で忌避することができ、優れた有害獣の忌避方法を提供できる。
本発明の忌避材を製造する場合に用いる、カプサイシンを定着・担持させるための担持体としては、多孔質天然石粒が用いられる。多孔質天然石粒は、合成ゼオライトなどの合成多孔質セラミックスに比べたはるかに安価であり、優れた忌避材の担持体としての機能を有しており好ましい。
多孔質天然石粒としては、ゼオライト系天然石粒や軽石などが挙げられる。
ゼオライト系天然石粒としては、特に限定するものではないが、例えば、モルデナイトゼオライト凝灰石、ホージャサイト、エリオナイト、オフレタイト、シャバサイト、グメリナイト、ヒューランダイトなどが挙げられる。モルデナイトゼオライト凝灰岩は天然のゼオライト質凝灰岩の一種であり、例えば、福井県福井市川西地域などで産出される。これらのゼオライト系天然石は、微細多孔質であり、吸着性能にも優れているし、合成ゼオライトに比べてかなり安価である。
多孔質天然石粒の大きさとしては平均粒径が好ましくは1〜50mm、より好ましくは2〜20mm程度である。あまりに小さいものを用いると、土壌表面に散布した場合に、風によって簡単に飛ばされてしまう恐れや、雨で簡単に流されてしまう恐れがある。あまりに大きいと、目的とする土壌面積にほぼ忌避効果が発揮されるように散布ないし混合する場合に、コストが高くなり、効率が良くない。即ち、土壌全面にほぼ均一に散布ないし混合するには、平均粒径が大きすぎると合計重量でより多くの本発明の忌避材が散布ないし混合されることになり、コストが高くなり、効率が低下する傾向になる。
ここで平均粒径とは、無作為に選択した50個の粒子の最大径の算術平均を言う。
忌避成分としては、カプサイシンを主成分とする唐辛子エキスを使用する。植物性のカプサイシンからなる忌避成分であるので、動物や作物に対して毒性がなく安全であり、しかも極めて強力な忌避作用を発揮できるので、猪などに対しても有効であり、強力な忌避作用なので学習効果も植え付けることができるので好ましい。カプサイシン類としては、化学的に合成されたものも、動物や環境に悪影響を与えないものであれば用いることが可能である。カプサイシンは、必要に応じて、適宜、溶媒で希釈して用いてもよい。希釈溶媒としては、例えば、エチルアルコール、メチルアルコール、へキサン、キシレン、プロピオン酸エステルなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
カプサイシンを、多孔質天然石粒の前記孔内に含浸させるには、カプサイシン含油樹脂(液状)ないしはその希釈液と多孔質天然石粒とを攪拌することにより行うことができる。通常は希釈溶媒を使用する方が、含浸しやすく、希釈液を使用した場合には、溶媒を加熱して揮発させて、多孔質天然石粒の細孔内にカプサイシンを定着させることが好ましい。あまり高温で加熱すると細孔内のカプサイシンが減量、逸散してしまうので、比較的沸点の低い溶媒を用いるのがよく、上記のようなカプサイシンが減量する温度(以下、これを「減量温度」と略称する。約120℃以上である。)より低い温度、即ち好ましくは115℃以下の温度で加熱するのがよい。減量する理由は明確には解明できていないが、120℃以上に加熱されると減量しやすくなることは事実である。
次に、かくして得られたカプサイシンが含浸された多孔質天然石粒の表面を、少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチック皮膜で被覆する。
生分解性プラスチックとしては、少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチックを使用することが必要である。使用する生分解性プラスチック全体に対してポリ乳酸の割合は、目的とする分解期間をどのくらいに設定するかなどに応じて調整すればよく、したがって共用するポリ乳酸以外の生分解性プラスチックの使用割合(ブレンド割合)は、その分解速度によっても代わってくるので一概に規定できない。特に限定するものではないが使用した生分解性プラスチック全体に対してポリ乳酸の割合は100重量%〜20重量%の範囲で選定することが好ましい。
例えば、カプロラクトン系の生分解性プラスチックは、1〜2週間で分解し、分解速度が早い。また、例えばポリブチレンサクシネートなどは、およそ3ヶ月前後であり、ポリ乳酸系の生分解性プラスチックは6ヶ月から1年程度の長期の分解期間を有する。したがって、なるべく徐々に生分解性プラスチック皮膜が分解していくことによって、徐々に忌避成分が揮発する(徐放性と言う)ことにより忌避効果を長期間発揮するにはポリ乳酸系の生分解性プラスチックの使用割合を多くすることが好ましい。したがってポリ乳酸系の生分解性プラスチックの使用割を100重量%とすることも好ましい。
尚、生分解性プラスチックのポリマー同士をブレンドして用いるのではなく、例えば、ポリ乳酸系の生分解性プラスチックで被覆した前記忌避材と、他の生分解性プラスチックで被覆した前記忌避材とを併用して用いることも好ましい。
即ち、分解速度の早い生分解性プラスチックで被覆した忌避材や、分解速度が中庸の生分解性プラスチックで被覆した忌避材、分解速度が比較的遅いポリ乳酸系の生分解性プラスチックで被覆した忌避材を適宜の割合で混合することにより、忌避効果が発揮される時期とその強度を適宜コントロールした忌避材を得ることができ好ましい。本発明で言う、「少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチック皮膜で被覆されてなる粒状忌避材」とはこのような、混合忌避材も含む意味である。
上記のポリ乳酸以外の他の生分解性プラスチックとしては、特に限定するものではないが、例えば、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体、ポリヒドロキシブチレート/バリレート共重合体、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、カプロラクトンと他のヒドロキシカルボン酸との共重合体などが挙げられる。変性でんぷん系などの天然物系の生分解性プラスチックも用いることも可能である。
尚、生分解性プラスチックとしてポリ乳酸100重量%用いた忌避材でも、被覆の厚いもの、薄いものが適宜混合されることにより、忌避効果が発揮される時期とその強度を適宜コントロールした忌避材を得ることもできる。
また、通常、特に分解速度の速い生分解性プラスチックで被覆した忌避材を併用しなくとも、初期状態から忌避効果が発揮できる。それは、被覆としてポリ乳酸100重量%用いた忌避材でも、通常被覆が完全でない部分が生じたり、被覆の薄い部分が生じるからである。
ポリ乳酸としては、ポリ乳酸を構成する乳酸モノマーのd体−乳酸の含有割合が、当該ポリ乳酸を構成する乳酸モノマーの8〜20モル%、より好ましくは10〜18モル%であるポリ乳酸を用いることが特に好ましい。
かかるポリ乳酸は、皮膜を形成しやすく、後述するような、ポリ乳酸エマルションをカプサイシンを含浸した多孔質天然石粒の表面に塗工して皮膜を形成する場合に、加熱乾燥する必要が生じるが、カプサイシンの前述した減量温度120℃より低い温度、即ちおよそ90から120℃未満でも造膜可能になり、加熱乾燥の際に含浸したカプサイシンが減量、消失することを少なくでき、カプサイシン含有率の高い忌避材とすることができ好ましい。なお、乳酸は光学異性体としてd体とl体があるが、一般的に使用されているポリ乳酸は、d体−乳酸の含有割合が2モル%前後のものである。
ポリ乳酸におけるd体−乳酸の含有割合は、ポリ乳酸をクロロホルムに溶解し、旋光計(日本分光株式会社デジタル旋光計P−1010など)にて、旋光度を測定する。夫々100モル%d体から成るポリ乳酸と100モル%l体から成るポリ乳酸の旋光度の文献値から検量線を引き、測定値の旋光度からd体とl体の比率を求めることにより測定できる。
カプサイシンが含浸され定着された多孔質天然石粒の表面を、少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチック皮膜で被覆するには、少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチックの水性エマルションを使用することが好ましい。
生分解性プラスチックの水性エマルションの濃度は、被覆する際の塗工方法などによっても異なるので特に限定するものではないが、生分解性プラスチック含有固形分濃度で30〜70重量%程度が好ましい。あまりに濃度が高すぎると粘度が高くなり塗工作業がしづらくなる傾向にあり、あまりに濃度が薄すぎると塗工工程の効率が低下する傾向になる。
なお、生分解性プラスチックの水性エマルションにそれらの可塑剤を添加して使用することは、造膜性を向上させ、加熱乾燥の際の加熱温度も著しく低くし得るので特に好ましい。
かかる生分解性プラスチックの水性エマルションを使用して、カプサイシンが含浸され定着された多孔質天然石粒の表面に生分解性プラスチックの皮膜を形成するには、特に限定するものではないが、カプサイシンが含浸され定着された多孔質天然石粒をかき混ぜながら、例えばパン型造粒機に入れてパン型造粒機を回転させながら、カプサイシン定着多孔質天然石粒に上記生分解性プラスチックのエマルションをスプレーし、その表面に生分解性プラスチックのエマルションを塗工する方法が、生分解性プラスチックのエマルションの付着量をコントロールしやすく好ましい。しかしこの方法のみに限定されるものではなく、本発明の目的が達成されるのであれば、他の塗工方法を採用することは任意である。
かくして生分解性プラスチックのエマルションの付着したカプサイシン定着多孔質天然石粒の表面に生分解性プラスチックの皮膜を形成するには、例えば、加熱により乾燥させる。加熱温度は、あまり高くなるとカプサイシンが減量するので、115℃より低いことが好ましく、生分解性プラスチックの種類によっても異なるので、一概に規定しがたいが、可塑剤を含んでいない場合には、生分解性ポリマーの融点以上に加熱することが好ましく、ポリ乳酸を含んでいるのでおよそ100〜115℃の範囲が造膜性とカプサイシンの減量の防止の観点から好ましい。可塑剤を含んでいる場合には、生分解性ポリマーの融点以上に加熱せずに、常温でエマルションの水分を蒸発させてもよいが、乾燥速度を速めるために、上述したような温度に加熱して乾燥することが好ましい。
尚、ポリ乳酸としては、単独重合体が好ましいが、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体などの共重合体を使用することも可能である。
カプサイシン定着多孔質天然石粒への生分解性プラスチック(固形分)の被覆量(付着量)は、用いた多孔質天然石粒の見かけ密度、それらの大きさ、用いた生分解性プラスチックの種類などによって異なり、また、忌避剤が徐々に放出する時間をより長期間にするか、より短めにするかなどにより異なるので、夫々の条件に応じて適宜実験により定めればよく、特に限定するものではないが、強いて表示するとすれば、好ましくは、本発明の忌避材(最終製品)重量に対し、生分解性プラスチック(固形分)1〜20重量%、より好ましくは2〜10重量%の範囲である。あまりに生分解性プラスチックの割合が多すぎると、皮膜が厚くなりすぎて、忌避機能が発揮されるまでの時間が長すぎ、使用初期の忌避機能が発揮しにくくなる傾向にあり、あまりに生分解性プラスチックの割合が少なすぎると、皮膜があまりに薄くなりすぎて、忌避機能を持続できる期間が短くなりすぎる傾向になる。
忌避材(最終製品)における生分解性プラスチック皮膜の被覆量(付着量)を測定するには、カプサイシンが石油エーテルに溶解しやすいが、通常の生分解性プラスチックは石油エーテルに溶解しない。従って、忌避材(最終製品)をソックスレー型抽出機を用いて、石油エーテルを溶剤として用い、カプサイシン含油樹脂がほとんど抽出されなくなるまで、カプサイシンを抽出して除去した後、クロロホルムで生分解性プラスチックを抽出し、抽出固形分から生分解性プラスチック皮膜の被覆量(付着量)を求めることができる。
また、必要なら、本発明の忌避材の粒度を大きくするために、上記忌避材粒子同士が複数個互いに接着するように少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチックの添加量とか皮膜形成時の加熱条件および/又は攪拌条件を調整するとかして、本発明の上記忌避材粒が複数個互いに接着した顆粒状集合体とすることもできる。
かくして得られた本発明の忌避材は、猪などの有害獣の出没を防ぎたい農地、山林、果樹園、獣道などの土壌の上に散布するか、当該土壌中に混合して使用する。特に限定するものではないが、例えば根菜類の農地であれば、畝の周囲に本発明の忌避材を散布するとか鋤き込むなど、果樹園であれば果樹の周囲の地面に忌避材を散布するとか鋤き込むなど適宜の施行手法が採用できる。
使用割合は、有害獣の被害が生じない程度の割合で使用すればよく、特に限定するものではないが、強いて目安を示すとすると、目的の土地1m2当り50g〜1kg、好ましくは100g〜500g程度である。
また、別の本発明の忌避材(以下第2の忌避材と略称する)としては、多孔質天然石粒の前記孔内にカプサイシンからなる有害獣の忌避成分を含有し、当該多孔質天然石粒の表面が少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチック皮膜で被覆されてなる粒状忌避材を、天然石粒の表面に、生分解性プラスチックで固着させた構成の忌避材とすることもできる。
図1に本発明の第2の忌避材の概念断面模式図を示した。
図1において、1が、既に説明した、多孔質天然石粒の前記孔内にカプサイシンからなる有害獣の忌避成分を含有し、当該多孔質天然石粒の表面が少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチック皮膜で被覆されてなる粒状忌避材(以下、本発明の第1の忌避材と略称する)であり、2が基材となる天然石粒、3が前記粒状忌避材(本発明の第1の忌避材)1と基材となる天然石粒2とを接着している生分解性プラスチックである。かかる構成の本発明の第2の忌避材とすることにより、基材となる天然石粒2を更に有するので、対象となる地面上に散布あるいは混合して施した第2の忌避材が、より強い風やより強い雨などによって、逸散したり流出してしまうことを防止でき好ましい。使用後放置してもプラスチック成分が生分解性プラスチックからなるので、分解されて消失し、土壌への悪影響もない。残留する素材も、多孔質天然石粒と基材となる天然石粒2であるから地球環境の汚染もない。
基材となる天然石粒2としては、多孔質の天然石粒を用いてもよいが、特に多孔質の天然石粒を用いる必要はなく、むしろ非多孔質天然石粒の方が見かけ密度が多孔質天然石粒に比べて大きいので好ましく、目的とする樹木、果樹、農作物に毒性などがない天然石粒であれば、特に限定されない。コストを安くするには、安価な砂利類、例えば、五郎太石、玉砂利、ビリ砂利などの名称で販売されている砂利類などが好適である。
前記粒状忌避材(本発明の第1の忌避材)1と基材となる天然石粒2とを接着している生分解性プラスチック3も、少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチックに限定されるものではなく、生分解性プラスチックで天然石粒2と前記粒状忌避材(本発明の第1の忌避材)1とを接着できるものであれば特に制限はない。なお、図示した態様は生分解性プラスチック3が天然石粒2の表面をほぼ被覆している態様を示したが、生分解性プラスチック3は、天然石粒2と前記粒状忌避材(本発明の第1の忌避材)1と接着するための接着材としての機能を達成できればよく、従って、生分解性プラスチック3が天然石粒2の全面をほぼ被覆している必要はない。
基材となる天然石粒2の大きさは、特に制限するものではないが、平均粒径が好ましくは1〜150mm、より好ましくは3〜5mmとかあるいは15〜100mm程度がよい。例えば3〜5mmであると、鋤き込んで使用した場合でも、使用後そのまま土壌中に放置しても特に問題が生じない大きさであり、一方、15〜100mm程度だと、使用後、除去したい場合に、容易に土壌中から見つけて取り出しやすい大きさである。
天然石粒2の平均粒径は、前記と同様で、無作為に選択した50個の粒子の最大径の算術平均を言う。
天然石粒2に対する生分解性プラスチック3の付着量も特に制限はなく、天然石粒2と本発明の第1の忌避材1とを接着できる量であればよい。多量に使用しても忌避性能に特に問題は生じないが、コストアップになるし、乾燥などに時間がかかるので特別なメリットはない。生分解性プラスチック3と天然石粒2の割合は、天然石粒2の大きさ、比重、本発明の第1の忌避材1の付着量などによっても異なるので、一概に規定できないが、例えば生分解性プラスチック3と天然石粒2の合計重量に対して、生分解性プラスチック固形分重量で5〜30重量%程度が目安となる。
本発明の上記第2の忌避材の製造方法は、特に限定するものではないが、例えばカプサイシン定着多孔質天然石粒を少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチック皮膜で被覆した本発明の第1の忌避材粒1を調整しておき、天然石粒2を生分解性プラスチックエマルション、好ましくは更に生分解性プラスチック用可塑剤エマルションとの混合物に漬し、且つ、上記で製造した本発明の第1の忌避材粒1をまぶした後、前記生分解性プラスチックエマルションを乾燥して、図1に示したような、本発明の第2の忌避材を得ることができる。この際の乾燥条件も本発明の第1の忌避材の製造の際に前述したと同様の乾燥条件を選定することが好ましい。この場合の前記生分解性プラスチックエマルションの濃度も特に限定するものではないが、生分解性プラスチック含有固形分濃度で30〜70重量%程度が好ましい。
本発明の上記第2の忌避材の使用割合も、有害獣の被害が生じない程度の割合で使用すればよく、本発明の第1の忌避材粒1と天然石粒2の使用割合、用いた前記それぞれの材料の見かけ密度の値、生分解性プラスチックの使用量などによって異なるので特に限定するものではないが、強いて目安を示すとすると、目的の土地1m2当り80g〜2kg、好ましくは150g〜1kg程度である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
忌避材の調整
カプサイシン含油樹脂(INDO GERMAN ALKALOIDS製:カプサイシン含有量2.5重量%)9.8重量部をエタノール5.9重量部で希釈しカプサイシン溶液を、多孔質天然石粒である、福井県福井市川西地域産出のモルデナイトゼオライト凝灰石粒(平均粒子径約5mm)78.4重量部と混ぜ合わせ、十分に吸収させる。これを100℃×10分間熱処理してエタノールを揮散させ、前記多孔質天然石粒の細孔中にカプサイシン含油樹脂を定着させる。
ポリ乳酸含有量約50重量%のポリ乳酸エマルション(d体乳酸含有比率12モル%、第一工業製薬株式会社製)4.9重量部とアジピン酸ジエステル系ポリ乳酸用可塑剤エマルション(可塑剤成分約60重量%含有、第一工業製薬株式会社製)1.0重量部をあらかじめ混合したものをパン型造粒機で回転させた上記カプサイシン定着モルデナイトゼオライト凝灰石粒88.2重量部にスプレーし、前記モルデナイトゼオライト凝灰石粒の表面を塗工する。塗工後、110℃×30分問乾燥し、カプサイシン定着ゼオライト粒をポリ乳酸樹脂で被覆した忌避材を調整した。
性能評価
梅栽培農家にて堆肥を作るため幅40〜50cm深さ30cmくらいの溝を掘り、生ごみを入れ土をかぶせた農地について、猪がその極めて敏感な嗅覚で生ごみを埋めた場所を見つけ一気に掘り起こして生ごみを食べてしまうことがしばしば生じる。尚、この時、観察した結果、猪の鼻は地面に直接接触して臭いを嗅ぐことが観察された。そこで、この幅40〜50cm深さ30cmくらいの溝を掘り、生ごみを入れ土をかぶせた農地を利用して、上記で得た忌避材を用い忌避試験を行った。猪の鼻は地面に直接接触して臭いを嗅ぐので、この特徴を利用して生ごみを埋めた場所に上記忌避材を約200g/m2蒔いておくとその敏感な嗅覚に接触してその強い臭気と辛味が鼻の粘膜を刺激して退散することを確認した。その後3ヶ月間、調査したが、その場所に猪が来た形跡はなかった。しかし近隣の該忌避材を蒔いていない場所は引き続き猪の被害があった。この結果から本発明の忌避材が有効であることが認められた。また、上記忌避材を約200g/m2の割合で、大根畑の畝の周囲に撒き、人参畑の畝の周囲に鋤き込み、また、梅の木の根元の周りに地面にも撒いたが、大根や人参が食い荒らされたり、梅の実の成った梅の木がなぎ倒される現象は見られなかった。
忌避材の調整
カプサイシン含油樹脂(INDO GERMAN ALKALOIDS製:カプサイシン含有量2.5重量%)3.5重量部をエタノール5.9重量部で希釈しカプサイシン溶液を、多孔質天然石粒である、福井県福井市川西地域産出のモルデナイトゼオライト凝灰石粒(平均粒子径約1mm)18重量部と混ぜ合わせ、十分に吸収させる。これを100℃×10分間熱処理してエタノールを揮散させ、前記多孔質天然石粒の細孔中にカプサイシン含油樹脂を定着させる。
ポリ乳酸含有量約50重量%のポリ乳酸エマルション(d体乳酸含有比率12モル%、第一工業製薬株式会社製)9.8重量部とアジピン酸ジエステル系ポリ乳酸用可塑剤エマルション(可塑剤成分約60重量%含有、第一工業製薬株式会社製)2.0重量部をあらかじめ混合したものをパン型造粒機で回転させた上記カプサイシン定着モルデナイトゼオライト凝灰石粒にスプレーし、前記モルデナイトゼオライト凝灰石粒の表面を塗工する。塗工後、110℃×30分問乾燥し、カプサイシン定着ゼオライト粒をポリ乳酸樹脂で被覆した忌避材粒を調整した。
次に平均粒径約15mmの非多孔質の天然石粒(五郎太石)50重量部を上記ポリ乳酸エマルション15.8重量部と上記と同様のポリ乳酸用可塑剤エマルション3.2重量部の混合物に漬し、上記で製造したポリ乳酸樹脂で被覆カプサイシン定着ゼオライト粒からなる忌避材粒をまぶした後、更に110℃×30分問乾燥し、図1に示したような、手にとるのに持ちやすく、撒いた場所を確認しやすい大き目の形態の忌避材を得た。
また、非多孔質の天然石粒を使用せずに、同様の工程で、パン型造粒機で回転させた上記カプサイシン定着モルデナイトゼオライト凝灰石粒に、ポリ乳酸含有量約50重量%のポリ乳酸エマルション(d体乳酸含有比率12モル%、第一工業製薬株式会社製)6.9重量部とアジピン酸ジエステル系ポリ乳酸用可塑剤エマルション(可塑剤成分約60重量%含有、第一工業製薬株式会社製)1.4重量部の混合物全量をドライヤーを当てて乾燥しながらスプレー塗布することにより平均粒径約10mmの忌避材顆粒を得た。
性能評価
上記で得た非多孔質の天然石粒含有忌避材、また、上記で製造した忌避材顆粒を実施例1と同様に試験したところ、ほぼ同様に、有効な忌避効果があることが確認された。
本発明の有害獣用忌避材は、有効忌避成分が、植物性のカプサイシンからなる忌避成分であるので、動物や作物に対して毒性がなく安全であり、耕作地の土壌上に直接撒いたり、当該土壌中に鋤きこんで使用しても、作物が安全である。しかも極めて強力な忌避作用を発揮できる。忌避効果が徐々に発揮されるよう多孔質天然石粒の前記細孔内にカプサイシンからなる有害獣の忌避成分を含有させており、カプサイシンを多く担持でき、しかも、その表面を少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチック皮膜で被覆しているので、徐々に生分解性プラスチック皮膜が分解していき、したがって忌避効果を長期間持続させることができる。
忌避材の形状も石粒状であるので、耕作地や農地などに撒いても違和感がなく、多孔質天然石粒からなるので、使用後放置しても土壌汚染などが生じることもなく、植物などへの悪影響がなく、地球環境の汚染も少ないだけでなく、忌避効能が失われた後は、保水機能、保肥機能などの性質が発揮されて土壌改良材として働くことも期待できる。皮膜は生分解性プラスチックからなるので、分解されて消失するのでプラスチックによる土壌への悪影響もない。したがって使用後放置しても地球環境の汚染も少ない優れた有害獣用忌避材を提供できる。
また、少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチック皮膜を使用しているので、ポリ乳酸の分解期間は、約6ヶ月〜1年と長期にわたるので、忌避効果を長期間発揮することができる。
耕作地や農地などに撒くか、当該土壌に鋤き込んで使用できるので使用方法が簡単で、特別の労力や土木技術を要求されない。
忌避成分の担持体として多孔質天然石粒を用いているのでコストも安く、したがって耕作地全体に使用することができ、風などによる飛散によって生じる公害問題も生じる恐れもない優れた有害獣用忌避材を提供できる。
また、有害獣の忌避方法の発明においては、前記に記載の有害獣用忌避材を、農地、山林、果樹園のいずれかの土壌の上に散布するか、当該土壌中に混合するだけでよいので、使用方法が簡単で、特別の労力や土木技術を要求されない。しかも、農地、山林、果樹園、獣道などの土壌の上に直接散布するか、当該土壌中に直接混合して使用するので、猪などは極めて敏感な嗅覚有する鼻で地面に直接接触して臭いを嗅ぐ性質があり、この特性を利用して猪なども、上記簡単な方法で忌避することができ、優れた有害獣の忌避方法を提供できる。
以上より、本発明の忌避材は、農地、山林、果樹園などの有害獣用忌避材として有用であり、また本発明の有害獣の忌避方法は、農地、山林、果樹園などの有害獣による被害を容易に比較的コスト安く防止するのに有効である。
本発明の忌避材の一実施の形態例を示す概念断面模式図。
符号の説明
1 多孔質天然石粒の前記孔内にカプサイシンからなる有害獣の忌避成分を含有し、当該多孔質天然石粒の表面が少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチック皮膜で被覆されてなる粒状忌避材
2 基材となる天然石粒
3 接着剤としての生分解性プラスチック

Claims (9)

  1. 多孔質天然石粒の前記孔内にカプサイシンからなる有害獣の忌避成分を含有し、当該多孔質天然石粒の表面が少なくともポリ乳酸を含む生分解性プラスチック皮膜で被覆されてなる粒状忌避材を含む粒状忌避材が、平均粒径が1mm〜150mmの非多孔質の天然石粒の表面に、生分解性プラスチックで固着されていることを特徴とする有害獣用忌避材。
  2. ポリ乳酸を構成する乳酸モノマーのd体−乳酸の含有割合が、当該ポリ乳酸を構成する乳酸モノマーの8〜20モル%である請求項1に記載の有害獣用忌避材。
  3. ポリ乳酸を構成する乳酸モノマーのd体−乳酸の含有割合が、当該ポリ乳酸を構成する乳酸モノマーの10〜18モル%である請求項1に記載の有害獣用忌避材。
  4. 多孔質天然石粒が、ゼオライト系天然石粒である請求項1〜3のいずれかに記載の有害獣用忌避材。
  5. 多孔質天然石粒が、平均粒径が1mm〜50mmの粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の有害獣用忌避材。
  6. 非多孔質の天然石粒が、砂利類である請求項1〜5のいずれかに記載の有害獣用忌避材。
  7. 有害獣用忌避材が、猪用の忌避材である請求項1〜のいずれかに記載の有害獣用忌避材。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の有害獣用忌避材を、農地、山林、果樹園、獣道のいずれかの土壌の上に散布するか、当該土壌中に混合することを特徴とする有害獣の忌避方法。
  9. 忌避の対象となる有害獣が主として猪である請求項に記載の有害獣の忌避方法。
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