JP4563612B2 - らせん漏洩同軸ケーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、らせん漏洩同軸ケーブルに係わり、特に、中波放送帯の路側通信用アンテナケーブルとして使用する場合に有用ならせん漏洩同軸ケーブル(一般には、SLCXとも称する。)に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、中波放送帯を利用した路側通信システムにおいては、道路沿いの所要区間に中波放送帯の電波を輻射させるらせん漏洩同軸ケーブルが布設され、当該電波がこの区間を走行する車両のアンテナで受信され、カーラジオを介して聴取されるように構成されている。
【0003】
従来、この種の路側通信システムとしては、図4に示すようなものが知られている。同図において、符号1は、上り側2および下り側3にそれぞれ追越車線2a、3a、走行車線2b、3bを有する片側2車線道路(以下、「2車線道路」という。)を示しており、この2車線道路1のサービスエリア(約3km)4の中央部付近には送信機5が設置されている。しかして、この送信機5は、2車線道路1の中央分離帯6に設置された分配器7に接続され、この分配器7には、中央分離帯6に長手方向に沿って布設されたらせん漏洩同軸ケーブル8が接続されている。尚、図中、符号9は終端抵抗器、Wはらせん漏洩同軸ケーブル8と走行車線2b、3bの最遠側との幅方向の距離(以下、「離線距離」という。)を示している。
【0004】
次に、このような路側通信システムに使用されるらせん漏洩同軸ケーブルには、絶縁体外径が12mmのケーブル(以下、「12Dタイプのケーブル」という。)と、絶縁体外径が16mmのケーブル(以下、「16Dタイプのケーブル」という。)とがあり、これらのケーブルは、それぞれ、表1に示すように、10m地点における結合損失(dB)の値によって、3種別(12DタイプのケーブルはA〜Cのケーブルに、16DタイプのケーブルはD〜Fのケーブル)に分けられる。
【0005】
【表1】
【0006】
ここで、結合損失とは、発信器出力の開放端子電圧とケーブル近傍における電界強度の比をいい、10m地点の結合損失には、ケーブルを通常の乾燥した土壌の上に直線状にころがし布設した状態でケーブルから直角方向10m(道路幅2車線における離線距離に対応)、地上高1.2m(平均車高に対応)の箇所におけるループアンテナで受信したときの電界強度の測定値(測定値の長さ方向の50%累積値)を用いており、また、15m地点の結合損失には、ケーブルを通常の乾燥した土壌の上に直線状にころがし布設した状態でケーブルから直角方向15m(道路幅3車線における離線距離に対応)、地上高1.2m(平均車高に対応)の箇所におけるループアンテナで受信したときの電界強度の測定値(測定値の長さ方向の50%累積値)を用いている。一方、伝送損失は、ケーブルを通常の乾燥した土壌の上に直線状にころがし布設した状態での測定値を用いている。尚、結合損失及び伝送損失は、送信周波数が1620kHzの場合の値である。
【0007】
ところで、近時においては、交通渋滞の緩和等から2車線道路1の走行車線2b、3b側に新たに走行車線を追加する2車線道路の3車線化や、いわゆる片側3車線道路(以下、「3車線道路」という。)の新設により、離線距離Wが10mよりも5m程度長くなり、また、道路上の美観および植栽剪定の効率化等のため、らせん漏洩同軸ケーブルを、中央分離帯6の内部や中央分離帯6の頂部に設けた管路内に布設するための検討が行なわれている。このため、らせん漏洩同軸ケーブルを中央分離帯6の内部や中央分離帯6の頂部に設けた管路内に布設した状態で、3車線道路に使用できるらせん漏洩同軸ケーブルの開発が望まれている。
【0008】
さらに、上述した3車線道路において、らせん漏洩同軸ケーブルから輻射された中波放送帯の電波を、自動車のアンテナで受信してカーラジオで聴取するためには、一つのサービスエリアを約1.5kmとした場合、この1.5kmのサービスエリア内において、離線距離Wが15mの各地点における電界強度が最低60dBμV/m必要とされる。
【0009】
しかしながら、現行の2車線用のらせん漏洩同軸ケーブルを中央分離帯の内部や中央分離帯の頂部に設けた管路内に布設し、一つのサービスエリアを1.5km程度とした場合に、電波法で規定されている最大出力(10W)を送出しても、一つのサービスエリアの全長にわたって15m地点の電界強度を上記の60dBμV/mとすることが困難であった。
【0010】
一方、一つのサービスエリアの全長を数百メートル程度と短くすれば、現行の2車線用のらせん漏洩同軸ケーブルであっても、一つのサービスエリアの全長にわたって15m地点の電界強度を上記の60dBμV/mとすることも可能となるが、この場合、路側通信システムを設置する区間が長くなると、必要とする送信器の台数も多くなり、全体の路側通信システム構築の上でコストアップを招くといった問題点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、3車線道路用に対応し得る新規ならせん漏洩同軸ケーブルの開発が望まれているが、かかるらせん漏洩同軸ケーブルの開発に際しては、伝送損失を少なくとも現行のらせん漏洩同軸ケーブルと略同等の約10dB/kmにすることが望まれており、特性インピーダンスについても、送信機や接続用ケーブルとのインピーダンスマッチングを図ることから、現行のらせん漏洩同軸ケーブルと略同等の50±5Ωにすることが望まれている。また、布設場所の制約からも、絶縁体外径についても、最大で現行の16Dタイプのケーブルと略同等にすることが望まれている。
【0012】
本発明は、このような点に着目してなされたもので、一つのサービスエリアを1.5km程度とした場合に、中央分離帯の内部や中央分離帯の頂部に設けた管路内に布設した状態で、電波法で規定された最大出力(10W)の範囲内で、上記のサービスエリアの全長にわたって3車線道路に対応することができ、また、伝送損失や特性インピーダンスも現行のらせん漏洩同軸ケーブルと略同等で、しかも、絶縁体外径の最大径についても現行の16Dタイプのケーブルと略同等となるらせん漏洩同軸ケーブルを提供することを目的としている。
【0013】
このような目的を達成するため、本発明のらせん漏洩同軸ケーブルは、外径が約6.5mmのフェライトコアから成る磁性コアと、この磁性コアを中心に厚さが4.55mm程度のポリエチレン樹脂から成る絶縁体を介して同軸的に設けられ、らせん方向が相互に逆向きとなり、素線外径がそれぞれ0.2mmの内部導体および外部導体と、この外部導体の外方に設けられたポリエチレン樹脂から成る外被とを備えたらせん漏洩同軸ケーブルにおいて、磁性コアの外径および絶縁体の外径は、絶縁体外径が16mmの現行の2車線道路用のらせん漏洩同軸ケーブルと同様とされ、磁性コアの比透磁率をμ、内部導体の巻き付けピッチをP1、外部導体の巻き付けピッチをP2としたときに、μ=13、2.0≦(P2/P1)≦2.6の条件を満足することを特徴としている。
【0014】
また、本発明のらせん漏洩同軸ケーブルは、外径が約6.5mmのフェライトコアから成る磁性コアと、この磁性コアを中心に厚さが4.55mm程度のポリエチレン樹脂から成る絶縁体を介して同軸的に設けられ、らせん方向が相互に逆向きとなり、素線外径がそれぞれ0.2mmの内部導体および外部導体と、この外部導体の外方に設けられたポリエチレン樹脂から成る外被とを備えたらせん漏洩同軸ケーブルにおいて、磁性コアの外径および絶縁体の外径は、絶縁体外径が16mmの現行の2車線道路用のらせん漏洩同軸ケーブルと同様とされ、磁性コアの比透磁率をμ、内部導体の巻き付けピッチをP1、外部導体の巻き付けピッチをP2としたときに、μ=15、2.0≦(P2/P1)≦2.9の条件を満足することを特徴としている。
【0015】
これらの本発明のらせん漏洩同軸ケーブルによれば、一つのサービスエリアを1.5km程度とした場合に、中央分離帯の内部や中央分離帯の頂部に設けた管路内に布設した状態で、電波法で規定された最大出力(10W)の範囲内で、上記のサービスエリアの全長にわたって離線距離が15mの各地点において、60dBμV/mの電界強度を確保することができ、また、伝送損失や特性インピーダンスも現行のらせん漏洩同軸ケーブルと略同等で、しかも、絶縁体外径の最大径についても現行の16Dタイプのケーブルと略同等とすることができる。
【0016】
さらに、上述した本発明のらせん漏洩同軸ケーブルにおいては、延線時に作用する張力を前記絶縁体および(または)前記外被で負担させることが望ましい。
【0017】
このような構成にすると、絶縁体および(または)外被に、漏洩する電磁波エネルギーを吸収させることなく、延線時に作用する張力を負担させることができる。
【0018】
また、上述した本発明のらせん漏洩同軸ケーブルにおいては、前記外被に、非金属性の支持線が前記外被と一体的に設けられ、この支持線で延線時および(または)架線時に作用する張力が負担される構成としてもよい。
【0019】
このような構成にすることにより、支持線に、漏洩する電磁波エネルギーを吸収させることなく、延線時および(または)架線時に作用する張力を負担させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のらせん漏洩同軸ケーブルの好ましい実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明のらせん漏洩同軸ケーブルの端部を段剥した状態を示す斜視図である。同図において、本発明のらせん漏洩同軸ケーブルは、中心に、現行の16Dタイプのケーブルと同様に外径が約6.5mmのフェライトコアから成る磁性コア10を備えている。ここで、現行の磁性コア10としては、比透磁率μが10〜11程度のものが使用されているが、本発明においては、比透磁率μが13以上のものが使用される。これは、磁性コア10の比透磁率μを大きくすると、結合損失および伝送損失が小さくなることから、比透磁率μを大きくすることが望ましいが、本発明者らの実験では、比透磁率μが12程度では、結合損失および伝送損失の双方の目標特性を満足するピッチ比が得られないことが確認されたためである。一方、磁性コア10として、比透磁率μが13以上のものを用いると、後述するように、結合損失および伝送損失の双方の目標特性を満足するピッチ比が得られることから、比透磁率μが13以上の磁性コア10を使用している。尚、比透磁率μが15の磁性コア10を使用すると、後述するように、比透磁率μが13の磁性コア10を使用したものに比し、許容ピッチ比が広がることになる。また、磁性コア10として、比透磁率μが余り大きなものを用いると、磁性コア10の可撓性や伸びの特性から、問題が生じるが、比透磁率μが15程度では、特に問題が生じないことも確認されている。
【0022】
また、磁性コア10として、その外径が約6.5mmのものを使用するのは、磁性コア10の外径は、本発明の目的に関して効果的なパラメータではなく、外径を大きくすれば、絶縁体外径も必然的に大きくなり、ひいては従前のコネクタ等の使用が困難になることから、現行の16Dタイプのケーブルに合わせたものである。
【0023】
次に、磁性コア10の外方には、内部導体11が設けられ、この内部導体11の外方には絶縁体12が設けられている。
【0024】
内部導体11は、素線外径が0.2mmの軟銅線を所要本数、例えば右方向に横巻きすることにより形成され、また、絶縁体12は、電気絶縁性能に優れたポリエチレン樹脂を厚さが4.55mm程度となるように押出被覆することにより形成されている。これにより、内部導体11の外径が6.9mmとなり、絶縁体12の外径が16.0mmとなる。
【0025】
しかして、この絶縁体12の外方には、内部導体11と同軸的に外部導体13が設けられ、この外部導体13の外方には、例えば、黒色のポリエチレン樹脂を押出被覆して成る外被14が設けられている。
【0026】
外部導体13は、素線外径が0.2mmの軟銅線を、内部導体11のらせん方向と逆向きとなるように、例えば、内部導体11のらせん方向が右方向であれば左方向に所要本数横巻きすることにより形成されている。尚、図中、Gは、らせん方向に形成されるギャップを示している。
【0027】
ここで、内部導体の巻き付けピッチをP1、外部導体の巻き付けピッチをP2とすると、両者のピッチ比P2/P1(以下、「ピッチ比(P2/P1)」という。)が大きくなると、伝送損失が小さくなるが結合損失が大きくなる関係にある。
【0028】
そこで、変動パラメータを、磁性コア10の比透磁率μとピッチ比(P2/P1)として、各種のらせん漏洩同軸ケーブル試作し、検討を行なった。
【0029】
検討結果を表2、表3に示す。尚、同表において、総合評価欄の◎および○印は、伝送損失および特性インピーダンスが現行の2車線道路用と略同等(伝送損失:約10dB/km、特性インピーダンス:50±5Ω)であり、絶縁体外径が2車線道路用の16Dタイプのケーブルと同等(絶縁体外径:16mm)であることを示している。
【0030】
【表2】
【0031】
表2は、磁性コアの比透磁率μを15とした場合の測定結果を示しており、同表から、比較例1〜3では、何れにおいても、結合損失および伝送損失の双方の目標特性(結合損失:50dB以下、伝送損失:10dB/km以下)を満足する結果は得られないが、実施例1〜3では、何れにおいても、結合損失および伝送損失の双方の目標特性を略満足していることが判る。尚、表2の結合損失は、長さ約150mの各ケーブルを通常の乾燥した土壌の上に直線状にころがし布設した状態で、ケーブルから直角方向10m、地上高1.2mの箇所におけるループアンテナで受信したときの電界強度の測定値(測定値の長さ方向の50%累積値)を用いて求めており、また、伝送損失は、ケーブルを通常の乾燥した土壌の上に直線状にころがし布設した状態での測定値であり、送信周波数は1620kHzである。
【0032】
以上より、磁性コアの比透磁率μが15の場合、ピッチ比(P2/P1)を2.0以上でかつ2.9以下とすれば、結合損失および伝送損失の双方の目標特性を満足するらせん漏洩同軸ケーブルが得られることが確認された。
【0033】
【表3】
【0034】
表3は、磁性コアの比透磁率μを13とした場合の測定結果を示しており、同表から、比較例1〜4では、何れにおいても、結合損失および伝送損失の双方の目標特性(結合損失:50dB以下、伝送損失:10dB/km以下)を満足する結果は得られないが、実施例1、2では、何れにおいても、結合損失および伝送損失の双方の目標特性を略満足していることが判る。尚、表3の結合損失は、長さ約150mの各ケーブルを通常の乾燥した土壌の上に直線状にころがし布設した状態で、ケーブルから直角方向10m、地上高1.2mの箇所におけるループアンテナで受信したときの電界強度の測定値(測定値の長さ方向の50%累積値)を用いて求めており、また、伝送損失は、ケーブルを通常の乾燥した土壌の上に直線状にころがし布設した状態での測定値であり、送信周波数は1620kHzである。
【0035】
以上より、磁性コアの比透磁率μが13の場合、ピッチ比(P2/P1)を2.0以上でかつ2.6以下とすれば、結合損失および伝送損失の双方の目標特性を満足するらせん漏洩同軸ケーブルが得られることが確認された。
【0036】
ここで、電界強度と結合損失との関係について説明する。先ず、結合損失と伝送損失は反比例の関係にあり、結合損失を50dBよりも小さくなるように設計すると、図3に示すように、伝送損失が急激に増加して、約10dB/kmの伝送損失を確保することが困難になる。一方、伝送損失が実用上問題ない範囲となるような結合損失の最小値が約50dBであることが本発明者らの実験により確認されている。このような観点から、本発明においては、結合損失の目標値を約50dBに設定している。また、離線距離が10m位置での結合損失が約50dBであれば、一つのサービスエリアの長さが1.5km程度となる場合であっても、その全長にわたって、電波法で規定されている最大出力(10W)の範囲内で、らせん漏洩同軸ケーブルを中央分離帯の内部や中央分離帯の頂部に設けた管路内に布設した状態で、3車線道路の外側車線(離線距離が約15m地点)60dBμV/mの電界強度を確保することができることも確認されている。
【0037】
以上述べたように、本発明のらせん漏洩同軸ケーブルによれば、中央分離帯の内部や中央分離帯の頂部に設けた管路内に布設した状態で、一つのサービスエリアの長さが1.5km程度となる場合であっても、その全長にわたって、電波法で規定されている最大出力(10W)の範囲内で、結合損失および伝送損失の双方の目標特性を満足することができ、換言すれば、離線距離が15mの地点において、60dBμV/mの電界強度を確保することができる。また、絶縁体外径が16.0mmであることから、現行の16Dタイプのケーブルを接続するコネクタ等を使用することができる。さらに、本発明のらせん漏洩同軸ケーブルにおいては、内部導体の外方に絶縁体を有し、また外部導体の外方に外被を備えていることから、絶縁体および(または)外被に延線時に作用する張力を負担させることができる。
【0038】
図2は、本発明の他の実施例に係るらせん漏洩同軸ケーブルの斜視図を示している。尚、同図において、図1と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0039】
この実施例は,架空布設用のらせん漏洩同軸ケーブルの一例であるが、前述のらせん漏洩同軸ケーブルと同様に、磁性コア10の外方に、順次、内部導体11、絶縁体12及び外部導体13が設けられており、この外部導体13の外方には、延線時および(または)架線時に作用する張力を負担させるFRPやアラミド繊維等から成る非金属性の支持線15がケーブルの長手方向に沿って配設されている。
【0040】
しかして、外部導体13の外方には、支持線15に跨って共通して押出被覆される外被(以下、「共通外被」という。)16が設けられ、この共通外被16により、支持線15と共通外被16とが一体化されている。
【0041】
ここで、支持線15として非金属性のものを使用したのは、金属性の支持線を使用すると、この支持線に、漏洩する電磁波エネルギーが吸収され、これによって、らせん漏洩同軸ケーブルの布設環境によっては、伝送損失が目標特性を満足しなくなる虞があるからである。従って、この点からすれば、金属性の支持線を設けない方が、電気特性上好ましいことになる。尚、支持線を設けない場合においては、延線時に作用する張力は、前述したように、ケーブルを構成する外被14(図1参照)で負担されることになる。
【0042】
この実施例においては、前述の実施例と同様の作用、効果を有すると共に、延線時および(または)架線時に作用する張力を非金属性の支持線に負担させることができる。
【0043】
尚、前述の実施例においては、共通外被によって支持線とケーブルとを一体化した場合について述べているが、本発明はこのような形態に限定されず、らせん漏洩同軸ケーブルを支持する支持線があればよい。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のらせん漏洩同軸ケーブルによれば、中央分離帯の内部や中央分離帯の頂部に設けた管路内に布設した状態で、一つのサービスエリアの長さが1.5km程度となる場合であっても、その全長にわたって、電波法で規定されている最大出力の範囲内で、結合損失を略50dB以下で、かつ、伝送損失を略10dB/kmにすることができ、換言すれば、離線距離が15mの地点において、60dBμV/mの電界強度を確保することができる。
【0045】
また、絶縁体外径の最大径が現行の16Dタイプのケーブルと略同等とすることができることから、本発明のらせん漏洩同軸ケーブルにおいて、絶縁体外径を現行の16Dタイプのケーブルと略同等とすれば、現行の16Dタイプのケーブルを接続するコネクタを使用することができる。
【0046】
さらに、本発明のらせん漏洩同軸ケーブルにおいて、非金属性の支持線を有する構造とすれば、漏洩する電磁エネルギーが前記支持線で吸収されることもなく、かかる支持線で延線時および(または)架線時に作用する張力を負担させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のらせん漏洩同軸ケーブルの斜視図。
【図2】本発明の他の実施例に係るらせん漏洩同軸ケーブルの斜視図。
【図3】結合損失と伝送損失の関係を示すグラフ。
【図4】中波放送帯を利用した路側通信システムの模式図。
【符号の説明】
10…磁性コア
11…内部導体
12…絶縁体
13…外部導体
14…外被
15…支持線
16…共通外被
Claims (4)
- 外径が約6.5mmのフェライトコアから成る磁性コアと、この磁性コアを中心に厚さが4.55mm程度のポリエチレン樹脂から成る絶縁体を介して同軸的に設けられ、らせん方向が相互に逆向きとなり、素線外径がそれぞれ0.2mmの内部導体および外部導体と、この外部導体の外方に設けられたポリエチレン樹脂から成る外被とを備えたらせん漏洩同軸ケーブルにおいて、
前記磁性コアの外径および前記絶縁体の外径は、絶縁体外径が16mmの現行の2車線道路用のらせん漏洩同軸ケーブルと同様とされ、
前記磁性コアの比透磁率をμ、前記内部導体の巻き付けピッチをP1、前記外部導体の巻き付けピッチをP2としたときに、
μ=13
2.0≦(P2/P1)≦2.6
の条件を満足することを特徴とするらせん漏洩同軸ケーブル。 - 外径が約6.5mmのフェライトコアから成る磁性コアと、この磁性コアを中心に厚さが4.55mm程度のポリエチレン樹脂から成る絶縁体を介して同軸的に設けられ、らせん方向が相互に逆向きとなり、素線外径がそれぞれ0.2mmの内部導体および外部導体と、この外部導体の外方に設けられたポリエチレン樹脂から成る外被とを備えたらせん漏洩同軸ケーブルにおいて、
前記磁性コアの外径および前記絶縁体の外径は、絶縁体外径が16mmの現行の2車線道路用のらせん漏洩同軸ケーブルと同様とされ、
前記磁性コアの比透磁率をμ、前記内部導体の巻き付けピッチをP1、前記外部導体の巻き付けピッチをP2としたときに、
μ=15
2.0≦(P2/P1)≦2.9
の条件を満足することを特徴とするらせん漏洩同軸ケーブル。 - 請求項1又は請求項2記載のらせん漏洩同軸ケーブルにおいて、延線時に作用する張力が前記絶縁体および(または)前記外被で負担されることを特徴とするらせん漏洩同軸ケーブル。
- 請求項1又は請求項2記載のらせん漏洩同軸ケーブルの前記外被に、非金属性の支持線が前記外被と一体的に設けられ、この支持線で延線時および(または)架線時に作用する張力が負担されることを特徴とするらせん漏洩同軸ケーブル。
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