JP4563569B2 - グラブ式浚渫船の水平掘削制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラブ式浚渫船に関し、特に、電動式油圧バケットと油圧シリンダ式昇降装置とを有するグラブ式浚渫船において、海底を水平に掘削するためにグラブバケットの刃先をほぼ水平に移動させる水平掘削制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、浚渫船とは、港湾または航路の水底(海底)から土砂を採る船をいう。このような浚渫船には、グラブ式、バケット式、ディッパー式、ポンプ式などの種々の種類がある。グラブ式浚渫船では、台船上の起重機でグラブバケットを水底に降下して土砂をつかみ上げている。
【0003】
このようなグラブ式浚渫船において、掘削などに使われるグラブバケットを制御するための制御装置が従来から種々提案されている。
【0004】
例えば、特開昭48−95007号公報(以下「先行技術1」と呼ぶ。)には、グラブバケットを開口状態で巻下げる際その閉口を防止し、閉口状態で巻上げる際その開口を防止することができるようにした「グラブバケットの制御装置」が開示されている。この先行技術1では、グラブバケットを支持するための支持ロープを操作する支持ドラムを支持用誘導電動機で駆動し、グラブバケットを開閉するための開閉ロープを操作する開閉ドラムを開閉用誘導電動機で駆動している。開閉用誘導電動機の一次側には巻上げ巻下げ用および開閉用電磁接触器を挿入し、二次側には抵抗器を接続している。支持用誘導電動機の一次側もしくは二次側に調整器を設けている。そして、グラブバケットの開口巻下げ時および閉口巻上げ時に、調整器を介して支持用誘導電動機の速度−トルク特性曲線を、開閉用誘導電動機のそれより零速度側に設定するようにしている。
【0005】
一方、臨界工業地域において、汚泥の浚渫作業・構造物の基礎工事は、海底を平坦に掘削する作業である。このような海底掘削の仕上げ時にグラブ式浚渫船によって掘削面を平坦にする作業の場合、グラブバケットの刃先を水平に動かし凸部のみを掘削する。しかしながら、通常、グラブバケットの閉じが進むとグラブバケットの刃先は上昇してしまう。
【0006】
平坦な掘削状態を達成するために、特公昭56−2170号公報(以下「先行技術2」と呼ぶ。)は、グラブしゅんせつ船においてグラブバケットにより海底の土砂を水平に掘削する装置が提案されている。この先行技術2に開示された掘削装置は、グラブバケットのシェルを開閉させるロープを巻上げ巻戻す開閉ドラムと、グラブバケットを昇降させるロープを巻上げ巻戻す支持ドラムと、各ドラム毎の主クラッチ及びブレーキを含む両ドラムの伝動系列とを備えた複胴式巻上機である。この掘削装置に、開閉ドラムと支持ドラムの回転関係が伝動系列と逆になるように連動クラッチと連動歯車列とを配設した両ドラムの副伝動系列と、バケットシェルの開口度を感知する開口度計と、この開口度計により各ドラムの主クラッチ、ブレーキ及び連動クラッチの作動を制御する制御系列とを設けている。そして、掘削装置は、グラブバケットを海底に着地させ開閉ロープを巻上げる閉口過程において、バケットシェルの開口度を開口度計により感知し、支持ドラムを所定の減速比をもって回動させ、支持ロープを所定量繰出すように制御している。
【0007】
さらに、特許第2817042号公報(以下「先行技術3」と呼ぶ)には、バケットの刃先を水平に移動させるようにした「グラブバケット制御装置」が開示されている。この先行技術3に開示されたグラブバケット制御装置は、グラブバケットの開閉ロープの現在位置を検出する手段と、グラブバケットを支持する支持ロープの現在位置を検出する手段と、これら両検出手段の検出値に基づき、現在のグラブバケットの開口度を算出する手段と、グラムバケットの開口度に応じた支持ロープの移動必要量をメモリから読み出す手段と、メモリから読み出された支持ロープの移動必要量を閉じ開始時の支持ロープ位置に加算して、グラブバケット全開時の支持ロープ位置を求める加算手段と、現在のグラブバケットの開口度に基づいて支持ロープの移動量をメモリから読み出し、この値にグラブバケット全開時の支持ロープの位置を加算して支持ロープの現在位置を算出する手段と、この算出手段の出力と支持ロープの現在位置との偏差を計算する手段と、この偏差に応じた速度指令を作る手段とを有し、速度指令でグラブバケットを駆動している。
【0008】
また、特公昭60−53141号公報(以下「先行技術4」と呼ぶ)には、グラブバケットの上昇に必要な動力を効果的に軽減することができる「省力グラブ作業船」が開示されている。この先行技術4に開示された省力グラブ作業船では、浚渫機構においてグラブバケットとカウンタウェイト(重錘)をツルベ方式により釣り合わせた重錘式機構を採用し、それにより、操業において大幅な省エネを達成している。
【0009】
詳述すると、この先行技術4に開示された省力グラブ作業船は、台船上に水平面内で旋廻操作自在に支持された作業台と、この作業台により起伏操作自在に基端部が枢支されていると共に、先端部にシーブを回転自在に支持するブームと、グラブバスケットを作業台上の主ウインチにより昇降操作しうるように少なくともシーブを経て架設された主索(支持ロープ)と、グラブバスケットのバスケットの開閉操作を作業台上の補助ウインチにより行なうことができるように少なくともシーブを経て架設された補助索(開閉ロープ)とを有する作業船である。そして、この省力グラブ作業船は、主索を介して主ウインチに伝達されるグラブバスケットの重量を軽減する重量軽減装置と、この重量軽減装置の作動を随時無効にする無効装置とを備えている。重量軽減装置は、台船上に昇降自在に配置ばせる重錘と、この重錘を一端側に懸吊すると共に他端側がシーブを経てグラブバスケットに結着されて、重錘の懸吊重量をグラブバスケットの重量の一部と相殺させる荷重調整索とより構成されている。無効装置は、台船上に設けられて重錘を単独で上昇駆動し得る重錘駆動装置より構成されている。尚、重錘は、作業台の不均合モーメントを相殺するような位置で昇降する平衡用重錘である。
【0010】
さらに、特許第2923419号公報(以下「先行技術5」と呼ぶ)には、グラブバケットの開閉を、開閉ロープを使用して行うのではなく、グラブバケットに内蔵した電動式油圧設備によって行うようにしたものが提案されている。そのようなグラブバケットは電動式油圧バケットと呼ばれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
先行技術1は、グラブバケットの巻上げ又は巻下げ時の不具合を防止するための制御装置を開示するのみであって、グラブバケットの刃先をほぼ水平に移動させることについては何ら開示せず、それを示唆する記載もない。
【0012】
一方、先行技術2及び3は、いずれも、グラブバケットの刃先をほぼ水平に移動させるための制御装置を開示している。しかしながら、先行技術2及び3のいずれも、開閉ロープを使用してグラブバケットの開閉を行うグラブ式浚渫船に適用される制御装置を開示するだけであって、本発明が対象としているような、開閉ロープを使用せずにグラブバケットに内蔵した電動式油圧設備によりグラブバケットの開閉を行うグラブ式浚渫船には適用できない。また、先行技術文献2では、グラブバケットの昇降および開閉を行うための動力源としてエンジンを使用しているので、本発明が対象としているような、超大型グラブバケット(例えば、自重が370t、容量が200m2)を昇降させたり開閉するには不向き(困難)である。尚、先行技術文献3には、グラブバケットの昇降および開閉を行うための動力源については何ら記載されていない。
【0013】
また、先行技術4は、上述した重錘式機構を採用しているので、超大型グラブバケットの昇降を行うことが可能である。しかしながら、先行技術4では、グラブバケットの刃先をほぼ水平に移動させるための制御装置については何ら開示せず、それを示唆する記載もない。また、先行技術4でも、上記先行技術2及び3と同様に、開閉ロープ(補助索)を使用してグラブバケットの開閉を行っている。さらに、先行技術4では、主ウインチ及び補助ウインチの動力源として何を使用するかについては何も開示していない。尚、このような超大型グラブバケットを昇降するためには、動力源として油圧シリンダ等の油圧設備を使用するのが好適である。
【0014】
さらに、先行技術5は、グラブバケットの開閉をそれに内蔵した電動式油圧設備によって行うことを開示するのみで、グラブバケットの刃先をほぼ水平に移動させる制御装置については何等開示せず、それを示唆する記載もない。
【0015】
したがって、本発明の課題は、電動式油圧バケットと油圧シリンダ式昇降装置とを有するグラブ式浚渫船において、グラブバケットの刃先をほぼ水平に移動させることが可能な制御装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、電動式油圧バケットと、該バケットを上下動させる支持ロープと、該支持ロープに接続された油圧シリンダにより前記バケットを昇降させる昇降装置と、前記油圧シリンダを油圧駆動する油圧駆動装置とを有するグラブ式浚渫船の水平掘削制御装置において、前記バケットを開閉操作するバケット開閉操作器と、前記バケットの開度を検出する開度検出器と、該開度検出器の検出出力に基づき前記バケットのシェル取り付け部からシェル下端までの距離であるバケット刃先高さ移動量を求めるバケット刃先高さ移動量計算器と、前記支持ロープの繰出し量を検出する支持ロープ繰出し検出器と、該支持ロープ繰出し検出器で検出された支持ロープ繰出し量に基づいて、前記パケットの昇降位置であるシェル取り付け位置を検出するバケット昇降位置検出器と、該バケット昇降位置検出器によるシェル取り付け位置と前記バケット刃先高さ移動量計算器によるバケット刃先高さ移動量とを加算して、シェル下端現在位置を求める位置計算手段と、前記バケット開閉操作器の閉信号を受け、所定のシェル下端目標位置と前記シェル下端現在位置との偏差を求める手段と、前記偏差に従って前記油圧駆動装置を制御する手段と、バケット閉動作を開始時、前記昇降装置が動作するのに必要な時間分制御の開始を遅らす手段と、バケット閉動作時、前記昇降装置の上下動切替に有するむだ時間を考慮して、上動作から停止・下動作への動作切替を行う手段と、前記バケットの閉完了前で前記昇降装置を停止させるのに必要な時間を見込んで制御を終了する手段と、を有することを特徴とするグラブ式浚渫船の水平掘削制御装置が得られる。
【0017】
上記グラブ式浚渫船の水平掘削制御装置において、前記所定のシェル下端目標位置を前記昇降装置が動作する時間から求めた位置としても良い。また、不感帯を設定し、該不感帯より昇降切替時間点を求めるようにしても良い。さらに、前記バケット刃先高さ移動量計算器により求めたバケット刃先高さ移動量に基づいてフィードフォワード信号を発生するフィードフォワードコントローラと、前記フィードフォワード信号を前記偏差に加え合わせる手段とを更に備えても良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図3乃至図5を参照して、本発明の一実施の形態に係る制御装置が適用されるグラブ式浚渫船について説明する。グラブ式浚渫船11は台船12を備え、台船12上には船室13が載っている。台船12上の船室13の前方には旋回台14が搭載されている。この旋回台14上には作業台15が水平面内で旋回操作自在に組み付けられている。
【0020】
作業台15の前部には、ジブ16が取り付けられている。ジブ16の先端には複数台のロープ車18が取り付けられている。各ロープ車18には主索(支持ロープ)であるワイヤロープ19が架設され、その一端はグラブバケット20のシェルの上端部20aに係止されている。グラブバケット20のシェルの上端部はバケットシェル取り付け部と呼ばれる。
【0021】
一方、台船12上には、図5に示されるような、上下方向に延在する油圧シリンダ30が取り付けられている。油圧シリンダ30は、シリンダ筒体31と、このシリンダ筒体31内で往復動自在に配置されたピストン32と、このピストンピストン32からシリンダ筒体31と同軸に上方へ延在するピストンロッド33とから成る。ピストンロッド33の上端部はシリンダ筒体31から外部へ突出している。油圧シリンダ30は、その前方に配置された油圧駆動設備(油圧駆動装置)34によって油圧駆動される。
【0022】
また、油圧シリンダ30の両側には一対の重錘(カウンタウェイト)36が配置されており、この一対の重錘36は重錘フレーム38の両側にある下フレーム38a側で支持されている。また、重錘フレーム38の上フレーム38bは上記ピストン軸312の上端に固定されている。したがって、矢印Aで示すように、ピストン31の上下動に応じて、一対の重錘36も上下動する。
【0023】
また、重錘フレーム38の両側にある下フレーム38aには、一対の重錘36の上方に一対の動滑車39が取り付けられている。さらに、重錘フレーム38を間に挟むように、船台12上には、ガントリーフレーム40が固定設置されている。重錘フレーム38の両側で、ガントリーフレーム40の一対の上フレーム40aには4台の固定滑車42が取り付けられている。すなわち、ガントリーフレーム40間で、重錘フレーム38は上下動自在に配置されている。
【0024】
上記ワイヤロープ19の他端は、一方の固定滑車42、動滑車39、他方の固定滑車42を介して重錘フレーム38の下フレーム38aに固着されている。
【0025】
図5の実線で示す状態は、重錘36が下方にあって、グラブバケット20を釣り上げている状態を示している。この状態において、油圧駆動設備34により油圧シリンダ30を油圧駆動して、その内部のピストン31を矢印Aの上方へ移動させる。すると、重錘フレーム38は、二点鎖線で示されるように、上方へ移動するので、重錘36も上方へ移動する。これよりワイヤロープ19が繰出されるので、グラブバケット20は、矢印Bで示す下方へ移動して、二点鎖線で示されるような釣り下げた位置へ移動することになる。
【0026】
図4はグラブバケット20が開いた状態を示している。この状態では、グラブバケット20のシェル下端にある一対の刃先20bは互いに離れた状態にある。
一方、図3又は図5に示されるように、グラブバケット20が閉じた状態では、グラブバケット20の一対の刃先20bは接触した状態になる。
【0027】
図5に示されるように、図示のグラブバケット20は、バケット開閉油圧設備50によって油圧駆動される。バケット開閉油圧設備50は、後述する制御装置から供給されるバケット開閉指令に応答して、グラブバケット20を油圧駆動して、グラブバケット20の開閉を制御する。このような構成のグラブバケット20は、電動式油圧バケットと呼ばれる。バケット開閉油圧設備50の詳しい構成についての図示は省略するが、モータや電動ポンプを備えている。尚、バケット開閉油圧設備50の具体的な構成については、例えば、上述した特許第2923419号公報や実公平5−33505号公報、特開平7−268898号公報を参照されたい。
【0028】
尚、図示の実施の形態において、グラブバケット20の自重は370tで、容量は200m3である。
【0029】
図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る水平掘削制御装置60について説明する。図示の水平掘削制御装置60は、海底を水平に掘削するためにグラブバケット20の刃先20bをほぼ水平に移動させるための装置であり、作業台15(図3)に配置される。
【0030】
水平掘削制御装置60には、グラブバケット20の開閉を操作するためのバケット開閉操作器62が接続されている。バケット開閉操作器62からのバケット開閉操作信号は、バケット開閉指令発生器64と操作監視部66とに供給される。バケット開閉指令発生器64は、バケット開閉操作信号に応答して、グラブバケット20内に収容されているバケット開閉油圧設備50(図5)のモータ(図示せず)へバケット開閉指令を供給する。一方、操作監視部66は、バケット開閉操作信号に応答して、所定のバケットシェル下端20bの目標値を目標値設定器68へ設定する。
【0031】
一方、図5に示されるように、グラブバケット20には、グラブバケット20の開度を検出するためのバケット開度検出器22が取り付けられている。このようなバケット開度検出器22は、例えば、上記特許第2923419号公報に開示されているので、それを参照されたい。
【0032】
バケット開度検出器22からのバケット開度検出信号は、バケット刃先高さ移動量計算器70に供給される。バケット刃先高さ移動量計算器70は、バケット開度検出信号に基づき、バケットシェル取り付け部20a(図5)とシェル下端20b(図5)との間の距離(バケット刃先高さ移動量)を計算する。
【0033】
一方、グラブ式浚渫船は、ワイヤロープ(支持ロープ)19の繰出し量を検出するための支持ロープ繰出し検出器72を備えている。この支持ロープ繰出し検出器72からの支持ロープ繰出し量はバケット昇降位置検出器74に供給される。バケット昇降位置検出器74は、支持ロープ繰出し量からグラブバケット20のバケットシェル取り付け部20aの位置すなわち高さ(バケット昇降位置)を検出する。このバケット昇降位置は、バケット刃先高さ計算器76に供給される。また、バケット刃先高さ計算器76には、バケット刃先高さ移動量計算器70からバケット刃先高さ移動量が供給される。バケット刃先高さ計算器76は、バケットシェル取り付け位置(バケット昇降位置)にバケット刃先高さ移動量を加算して、バケットシェル下端20bの昇降方向位置、すなわち、シェル下端現在位置(バケット刃先高さ)を求める。
【0034】
目標値設定器68に設定された所定のシェル下端目標位置と、バケット刃先高さ検出器76からのシェル下端現在位置とは減算器78に供給される。この減算器78は、バケット開閉操作器62からの閉信号を受けると、所定のシェル下端目標位置とシェル下端現在位置との偏差を求める。この偏差は増幅器80で増幅された後、加算器82に供給される。
【0035】
バケット刃先高さ移動量計算器70からのバケット刃先高さ移動量は、フィードフォワードコントローラ84にも供給される。フィードフォワードコントローラ84は、バケット刃先高さ移動量に基づいて、バケット開速度と起伏速度とを演算し、フィードフォワード(FF)信号を生成する。このFF信号は加算器82に供給される。加算器82は、増幅器80からの出力信号とFF信号とを加算して、加算結果を出力する。加算結果は絶対値回路84でその絶対値が計算される。昇降指示信号が昇降装置の上昇方向を示している場合には、絶対値回路84の出力信号は上昇用速度制御増幅器86に供給され、昇降指示信号が昇降装置の下降信号を示している場合には、絶対値回路84の出力信号は下降用速度制御増幅器88に供給される。上昇用速度制御増幅器86と下降用速度制御増幅器88の出力信号は、油圧駆動設備34に供給される。
【0036】
上昇用速度制御増幅器86からの出力信号に応答して、油圧駆動設備34は、油圧シリンダ30を、そのピストン32が図5の矢印Aの下方へ移動するように油圧駆動して、グラブバケット20を図5の矢印Bの上方へ移動させ、グラブバケット20を釣り上げる。一方、下降用速度制御増幅器88からの出力信号に応答して、油圧駆動設備34は、油圧シリンダ30を、そのピストン32が図5の矢印Aの上方へ移動するように油圧駆動して、グラブバケット20を図5の矢印Bの下方へ移動させ、グラブバケット20を釣り下げる。
【0037】
次に、図1に加えて図2をも参照して、図1に示した水平掘削制御装置60の制御動作について説明する。図2において、横軸は刃先水平位置(mm)を示し、縦軸は刃先垂直位置(mm)を示す。また、図2において、白抜き四角で示す曲線は制御がない場合の刃先の軌跡を示し、黒塗り丸で示す曲線は本発明による水平掘削制御装置60による制御がある場合の刃先の軌跡を示す。図2に示す例では、目標値設定器68にシェル下端目標位置として−4800mmが設定されている。
【0038】
図2から明らかなように、制御がない場合、グラブバケット20が閉じるに従って、その刃先(バケットシェル下端)20bは目標位置(−4800mm)から下方にずれていき、最もずれた刃先20bの位置は約−6150mmとなり、最大で約1350mmもの誤差が発生することが分かる。
【0039】
これに対して、本発明の水平掘削制御装置60による制御によれば、誤差を約200mm以下に抑えられることが分かる。ここで、図2中、Cの区間は、昇降装置によりグラブバケット20を上昇させている区間であり、Dの区間は、上昇から下降に切り替えている区間であり、Eの区間は、昇降装置によりグラブバケット20を下降させている区間である。
【0040】
尚、本発明が対象として超大型グラブバケット20を昇降させる場合、昇降装置である油圧シリンダ30を起動させてから実際に油圧シリンダ30を動作させまでにはある程度の時間が必要となる。その為、Cの区間においてバケット閉動作を開始させる場合、この昇降装置を動作させるのに必要な時間分、バケット制御装置の制御の開始を遅らせる。すなわち、実際に昇降装置が動作するタイミングに合わせて水平掘削制御装置60の制御動作を開始させる。
【0041】
一方、昇降装置の動作を停止させる際にも、停止指令からある程度の時間遅れて昇降装置が実際に停止することになる。すなわち、Eの区間において、グラブバケット20の閉を完了する前に、昇降装置を停止させるのに必要な時間を見込んで水平掘削制御装置60の制御動作を終了させる。
【0042】
また、上昇から下降に切り替えるDの区間では、不感帯を設定し、この不感帯より昇降切替時間点を求めるようにしても良い。さらに、目標値設定器68に設定するシェル下端目標位置を、昇降装置が作動する時間から求めた位置としても良い。
【0043】
次に、図1に示した水平掘削制御装置60の概略動作について説明する。先ず、バケット開閉操作器62から閉指令が入力する。この場合、昇降装置による昇降上げが作動するようになってから(すなわち、制御に関係なく昇降上げし30mm動作したら)、水平掘削制御装置60は、バケット開閉指令発生器64よりバケット閉指令をグラブバケット20のバケット開閉油圧設備50へ発生させて閉動作を開始すると共に、昇降制御(フィードフォワード制御+フィードバック制御)を開始する。このとき目標値設定器68に設定される制御目標位置は、グラブバケット20が開時の刃先20bの位置である。
【0044】
油圧シリンダ30における所定の油圧切替むだ時間(特性値)を考慮し、水平掘削制御装置60は、その油圧切替むだ時間で決まるタイミングで、昇降上げを停止し、昇降下げへ切替える。この切替後、上記むだ時間分、昇降装置は昇降動作を行わない。換言すれば、水平掘削制御装置60は制御を行わない。
【0045】
上記切替完了で、昇降装置による昇降下げ制御を開始する。ここでの、昇降下げ制御は、フィードフォワード制御+フィードバック制御である。また、上げ下げとも、制御出力は速度出力である。
【0046】
閉度が95%になると、水平掘削制御装置60は制御を停止する。
【0047】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を脱逸しない範囲内で種々の変更が可能なのはいうまでもない。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による水平掘削制御装置を使用することにより、バケットの刃先の高低差を200mm以下にすることができる。従って、掘削状態は極めて平坦で、バケット刃先を水平に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による水平掘削制御装置を示すブロック図である。
【図2】図1に示した水平掘削制御装置による制御動作を説明するための刃先の軌跡を示す図である。
【図3】本発明による水平掘削制御装置が適用されるグラブ式浚渫船を示す斜視図である。
【図4】図3に示すグラブ式浚渫船のグラブバケットが開いた状態を示す部分拡大斜視図である。
【図5】図3に示すグラブ式浚渫船の重錘油圧式機構を示す概略図である。
【符号の説明】
19 ワイヤロープ(支持ロープ)
20 グラブバケット
20a シェルの上端部(バケットシェル取り付け部)
20b バケットシェル下端
22 バケット開度検出器
30 油圧シリンダ
34 油圧駆動設備
36 重錘
50 バケット開閉油圧設備
60 水平掘削制御装置
62 バケット開閉操作器
64 バケット開閉指令発生器
66 操作監視部
68 目標値設定器
70 バケット刃先高さ移動量計算器
72 支持ロープ繰出し検出器
74 バケット昇降位置検出器
76 バケット刃先高さ計算器
78 減算器
80 増幅器
84 絶対値回路(ABS)
86,88 速度制御AMP

Claims (4)

  1. 電動式油圧バケットと、該バケットを上下動させる支持ロープと、該支持ロープに接続された油圧シリンダにより前記バケットを昇降させる昇降装置と、前記油圧シリンダを油圧駆動する油圧駆動装置とを有するグラブ式浚渫船の水平掘削制御装置において、
    前記バケットを開閉操作するバケット開閉操作器と、
    前記バケットの開度を検出する開度検出器と、
    該開度検出器の検出出力に基づき前記バケットのシェル取り付け部からシェル下端までの距離であるバケット刃先高さ移動量を求めるバケット刃先高さ移動量計算器と、
    前記支持ロープの繰出し量を検出する支持ロープ繰出し検出器と、
    該支持ロープ繰出し検出器で検出された支持ロープ繰出し量に基づいて、前記パケットの昇降位置であるシェル取り付け位置を検出するバケット昇降位置検出器と、
    該バケット昇降位置検出器によるシェル取り付け位置と前記バケット刃先高さ移動量計算器によるバケット刃先高さ移動量とを加算して、シェル下端現在位置を求める位置計算手段と、
    前記バケット開閉操作器の閉信号を受け、所定のシェル下端目標位置と前記シェル下端現在位置との偏差を求める手段と、
    前記偏差に従って前記油圧駆動装置を制御する手段と、
    バケット閉動作を開始時、前記昇降装置が動作するのに必要な時間分制御の開始を遅らす手段と、
    バケット閉動作時、前記昇降装置の上下動切替に有するむだ時間を考慮して、上動作から停止・下動作への動作切替を行う手段と、
    前記バケットの閉完了前で前記昇降装置を停止させるのに必要な時間を見込んで制御を終了する手段と、
    を有することを特徴とするグラブ式浚渫船の水平掘削制御装置。
  2. 前記所定のシェル下端目標位置を前記昇降装置が動作する時間から求めた位置とすることを特徴とする、請求項1に記載のグラブ式浚渫船の水平掘削制御装置。
  3. 不感帯を設定し、該不感帯より昇降切替時間点を求めることを特徴とする、請求項1に記載のグラブ式浚渫船の水平掘削制御装置。
  4. 前記バケット刃先高さ移動量計算器により求めたバケット刃先高さ移動量に基づいてフィードフォワード信号を発生するフィードフォワードコントローラと、前記フィードフォワード信号を前記偏差に加え合わせる手段とを更に備えたことを特徴とする、請求項1に記載のグラブ式浚渫船の水平掘削制御装置。
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