JP4561344B2 - 翼部材 - Google Patents

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Description

本発明は、風力発電用ブレード等に好適なFRP製翼部材とその製造方法に関する。
翼部材はその断面が厚み分布を有する形状であり、これにより流体の流れを制御する機能を発現する。一般に航空機や自動車用のリアスポイラに代表される水平翼および垂直翼、航空機、ヘリコプターおよび船舶等のプロペラ翼、送風機のタービン翼や、攪拌機のブレード、風力発電用のブレードなどに用いられる。これらの例のように、翼部材は移動体に固定されて使用されたり、またはそれ自身が回転したりすることで、流体の流れを制御する機能を利用されることが多い。
そのため、翼部材は軽量であることが求められる。すなわち、翼部材を含めた装置全体の軽量化や翼部材の慣性力低減により装置の構造や動力の軽装化に寄与するためである。
また、翼部材は流体から圧力を受けるため、破壊や変形に耐え得る十分な強度と剛性を有することが必要不可欠である。
従来、翼部材としてアルミ、チタン等の金属材料が用いられてきたが、軽量化かつ高剛性の要求から金属と比較して軽量で、かつ高強度、高剛性である繊維強化樹脂(以降、FRPと略す)が使用されるようになった。さらに近年では、高強度、高剛性を確保しつつ、さらなる軽量化を達成するため、FRPの表皮材と該表皮材に囲まれたコア材として密度の小さい樹脂やハニカム構造を充填するサンドイッチ構造が提案されている。
例えば、特許文献1には、FRP製中空本体にフォームコアを配置した自動車用リアスポイラが記載されている。また、特許文献2には、繊維強化樹脂製の外皮内にガラス繊維により強化された発泡充填材を充填した風車翼が記載されている。翼部材はその使用目的から長手方向の強度、剛性を高めることが重要であるが、いずれの文献においてもこの点については課題と認識されておらず、有効な解決手段は提案されていない。
かかる問題を解決せんとして、特許文献3には、強化樹脂製のスキン層で囲まれたブレード内部に主桁を配置し、前縁側において繊維を連続させたことを特徴とする風力発電機用プロペラブレードを提案している。このプロペラブレードでは、ブレード内部に主桁が配置されているため、ブレード自体の長手方向の強度および剛性は向上しているが、密度が高い桁材料をブレード内部に使用しているように、もう一方の必要特性である軽量性には十分配慮しているとはいえない。
また、ブレード内部に主桁や前後の補強材等からなる複数の構造体から構成する場合、これら相互の接合強度が高くないと、部材としての強度や剛性が得られず、技術の適用難度が高いこと、複数の構造体を配置するため工数を余分に要することなどからコストアップも無視できない。
特開2004−268875号公報 特開平6−323238号公報 特開平13−165033号公報
本発明は、かかる従来技術の欠点を鑑み、軽量かつ高強度、高剛性を達成する高効率で安全な翼部材を提供することを目的とする。
本発明は、かかる課題を解決するために、次の手段を採用するものである。すなわち、
(1)次の構成要素[A]、[B]を含み、構成要素[A]は[B]を完全に包含していることを特徴とする翼部材[1]
[A]翼部材[1]の全長の90%以上の長さに亘り、長手方向に引き揃えられた連続炭素繊維層を含むFRPからなる表皮材[2]
[B]密度0.05〜1.0g/cm であるとともに、厚みが3mm以下の部位における構成要素[B]の密度が、[B]全体の平均密度の1.5〜10倍の範囲内である、一体構造の樹脂多孔質体からなるコア材[3]
)構成要素[A]の厚みが0.5〜5.0mmの範囲内である(1)に記載の翼部材[1]
)構成要素[A]の前縁部[4]での最大厚みが、構成要素[A]全体の平均厚みの1.05〜5倍の範囲内である(1)または(2)に記載の翼部材[1]
)全幅W(m)と全長L(m)との比W/Lが0.05〜0.5である(1)〜()のいずれかに記載の翼部材[1]
)構成要素[A]と構成要素[B]とが一体化されている(1)〜()のいずれかに記載の翼部材[1]
)自由振動での1次固有振動数が、20〜100Hzの範囲内である(1)〜()のいずれかに記載の翼部材[1]
)風力発電用ブレードである(1)〜()のいずれかに記載の翼部材[1]
)次の構成要素[A]、[B]を含む翼部材[1]の製造方法であって、翼部材[1]の長手方向に垂直な任意断面において、構成要素[B]の短径の長さD(m)と、構成要素[A]に包含される前の構成要素[B]の短径の長さD(m)との比D/Dが0.2〜0.95の範囲内であるように、ホットプレス、オートクレーブ、および、RTMからなる群から選ばれる成形法によって加熱加圧成形することを特徴とする翼部材[1]の製造方法。
[A]翼部材[1]の全長の90%以上の長さに亘り、長手方向に引き揃えられた連続炭素繊維層を含むFRPからなる表皮材[2]
[B]密度0.05〜1.0g/cm であるとともに、厚みが3mm以下の部位における構成要素[B]の密度が、[B]全体の平均密度の1.5〜10倍の範囲内である、一体構造の樹脂多孔質体からなるコア材[3]
)翼部材[1]形状の型内に液状樹脂を注入後、型内で発泡、硬化させることによって構成要素[B]を得る()に記載の翼部材[1]の製造方法。
(1)繊維強化プリプレグシートを構成要素[B]の周囲に巻きまわして完全に包含することで、加熱加圧成形前の積層体を得る()または()に記載の翼部材[1]の製造方法。
本発明の翼部材によれば、軽量かつ長手方向の引張、曲げに対して高強度、高剛性の翼部材を提供することができる。
以下、本発明を図面を参照しながら説明する。図1は、翼部材の全体斜視図である。図2は図1におけるa−a断面図、図3は図1のb−b断面図であるが、図2・図3に示すように、翼部材1は表皮材2のFRPによりコア材3である樹脂多孔質体を完全に包含する構造としている。
効率的に翼構造の剛性を向上させ、軽量化を図るためには外皮としての剛性強化が好ましい。本発明では、表皮材2にFRPを用いることにより高強度・高剛性とし、さらに、表皮材2でコア材3を完全に包含することで、翼部材内部への水分や異物の混入を防止できるとともに、応力集中を低減できるために翼部材の耐久性向上が図れる。かかる観点から、FRPとしては、その強化繊維に、炭素繊維やガラス繊維、有機高弾性率繊維(例えば、米国デュポン(株)社製のポリアラミド繊維“ケブラー”)、アルミナ繊維、シリコンカーバイド繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維等の高強度、高弾性率繊維が好ましい。また、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ビニロン繊維等の合成繊維、さらには、有機天然繊維も使用でき、それぞれの強化繊維を単独または複数組み合わせてもよい。この中で少なくとも、高い剛性と軽量性を両立するために、弾性率と密度との比である比弾性率が高い炭素繊維を含むことが必要である。炭素繊維は例えばポリアクリロニトリル(PAN系)、ピッチ系、セルロース系、炭化水素による気相成長系炭素繊維、黒鉛繊維等を用いることができ、これらを2種類以上併用してもよい。中でも、強度と剛性とのバランスに優れるPAN系炭素繊維を含むことが好ましい。また強化繊維形態は連続繊維や不連続繊維のものを使用でき、両者を組み合わせてもよいが、中でも、一方向に引き揃えられた炭素繊維や織物がより好ましい。
図3は図1のb−b断面図であるが、図3において、少なくとも翼部材1の全長の90%以上の長さに亘り、長手方向に引き揃えられた連続炭素繊維層6を含むFRPからなる表皮材2を含むことが必要である。これにより軽量性と長手方向の引張および曲げに対する強度、剛性の両立ができる。連続炭素繊維を長手方向に引き揃えた層がない場合には、翼部材の長手方向において、十分な引張および曲げに対する強度、剛性が得られず、翼部材が大きな流体の圧力を受けたときに、大変形し、ついには破壊するといった問題が発生する可能性がある。また特に翼部材が風力発電ブレードなどに使用される場合には、ブレードが回転する際に長手方向の曲げ剛性が十分でないと、風圧で大きく変形しながら回転することになり、発電効率の低下を招く。
連続炭素繊維層6は表皮材2の最表層に配置してもよく、また最内層に配置してもよいが、好ましくは外部からの衝撃を直接受けないように少なくとも最表層以外にも配置することがよい。また高い曲げ剛性が得られないと十分に高い固有振動数が得られず、翼部材と接する構造物の振動と共振し、翼部材が破壊する可能性がある
表皮材2に用いられるFRPのマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を使用することができる。具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ナイロン樹脂、シアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂等があるが、これらに特に限定されるものではない。エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で熱または光や電子線などの外部からのエネルギーにより硬化して、少なくとも部分的に三次元硬化物を形成する樹脂が好ましく使用できる。 コア材3は、軽量性を確保するために樹脂多孔質体からなることが必要である。樹脂多孔質体とはその主成分が樹脂からなり、構造内部に空隙を多数供えた構造を有するものである。空隙は発泡剤が発泡したものでも良いし、中空ガラスビーズ等を多数含んだシンタクティックコアでも良い。樹脂は熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を使用することができる例えば、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等があり、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、変性フェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、HIPS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル樹脂、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルイミドやポリメタクリルイミド等のイミド樹脂、さらにはエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1‐ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重合体、エチレン/一酸化炭素/ジエン共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸グリシジル、エチレン/酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、ポリエーテルエステルエラストマー、ポリエーテルエーテルエラストマー、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、ポリエステルアミドエラストマー、ポリエステルエステルエラストマー等の各種エラストマー類等がある。これらは、単独で使用しても良いし、複数を混合して使用しても良い。より具体的には、コア材3は軽量性を確保するために密度0.05〜1.0g/cmの一体構造の樹脂多孔質体を用いることが好ましい。ここで一体構造とは、樹脂多孔質体が分割されておらず、コア材3全体に渡って樹脂部分が物理的(形態)にも化学的(組成)にも連続している状態をいう。ここで、樹脂多孔質体およびコア材の密度とは、外見上の体積当たりの質量のことであり、構造内部の空隙の総体積に大きく依存する。コア材3の密度は、0.05〜1.0g/cmであることが必要である。0.05未満の場合には、十分な圧縮剛性を達成することができず、翼部材が曲げ荷重に対して座屈破壊を生じやすいといった問題がある。一方、コア材3の密度が1.0g/cmより大きい場合には、圧縮剛性は十分確保できるものの、重量が増大するため好ましくない。また、樹脂気孔体が一体構造をなしていないと、成形体である翼部材の強度が十分に得られず好ましくない。
また、翼部材において、厚みが3mm以下の部位ではコア材3の密度がコア材3全体の平均密度の1.5〜10倍であることが必要である。密度1.5倍以上とすることで、翼部材の構造上、強度、剛性が不足しがちな薄肉部分にカケや亀裂が生じるのを防止できるためである。ただし、10倍より大きくしてしまうと、コア材を使用する本来の目的である軽量化効果が減少するため好ましくない。
表皮材2に使用するFRPとしては、上記強化繊維に上記マトリックス樹脂を予め含浸させたプリプレグを用いるのが好ましく、単層または複数層を積層して表皮材2を構成するのがよい。
複数層積層する際の強化繊維の配向はそれぞれの層で同一方向でも良いが、翼部材として各方向の強度、剛性のバランスを保持するために、異なる配向角度で積層することがより好ましい。
表皮材2の厚みは、強度、剛性と軽量化のバランスを考慮して0.5〜5.0mmの範囲内であることが好ましい。表皮材2の厚みが、この範囲で有れば、軽量化効果と強度・剛性といった構造特性が両立できる範囲が広く、設計の自由度が高いために好ましい。ここで表皮材2の厚みとは、典型的には図4における7で示される層の厚みを意味するが、一般に長手方向の先端や後縁部5は翼構造自身が薄肉となるため、表皮材2のみで構成される部分もある。このような場合には図5に示すように、表皮材の厚み7が翼構造自身の厚みと同一になることもある。
また、翼部材の前縁部4は流体から大きな圧力を受ける、あるいは、流体中の固体により衝撃を受けるため、特に強度、剛性が高いことが好ましい。そのため図4に示すように、表皮材2の前縁部4での最大厚みは、表皮材2全体の平均厚みの1.05〜5倍の範囲内であることが好ましい
また、翼部材の全幅W(m)と全長L(m)との比W/Lが0.05〜0.5であることが好ましい。該比が0.5を超えると長手方向の曲げ強度や剛性には余裕ができるが、流体を制御する効率が低下するからである。一般に該比が0.5以下の場合には、その形状的な面から長手方向の曲げ強度や剛性の不足が懸念されるが、本発明においては表皮材2として長手方向に引き揃えられた連続炭素繊維層4を備えていることからかかる問題はなく、流体を制御する効率が良くなる利点の方が大きいからである。軽量化のためには、W/Lは小さければ小さいほど好ましいが、上記、曲げ強度や剛性と効率とのバランスから、0.05以上であることが好ましい。
さらに表皮材2とコア材3とが一体化されていることが好ましい。コア材3は低密度の樹脂多孔質体からなるため単体での強度や剛性はほとんど期待できないものの、表皮材2とコア材3とが強固に一体化することによって、コア材3は、翼部材構造としての面外の圧縮補強材となるとともに、翼部材の断面2次モーメントを向上させ、曲げ剛性補強材として大きな役割を果たすからである。
また、固有振動数は材料の曲げ剛性および重量に依存し、曲げ剛性が高く、重量が小さいほど固有振動数は大きくなる傾向にある。固有振動数が小さい場合、翼部材と接する構造物の振動と共振し、あるいは制御する流体の粘性によって翼部材が自励振動を生じることによって、翼部材が疲労により強度が低下したり、破壊するといったおそれがあるため、構造物の振動数や、回転数等の使用条件に対して、高い固有振動数を有することが好ましい。具体的には自由振動での1次固有振動数が、20〜100Hzの範囲内であることが好ましい。
翼部材の製造方法としては、種々の成形法を適用することが可能であるが、中でも図6に示すように、長手方向に垂直な任意断面において、コア材3の短径の長さD(m)と、表皮材2に包含される前のコア材3の短径の長さD(m)との比D/Dが0.2〜0.95の範囲内であるように、ホットプレス、オートクレーブ、および、RTMからなる群から選ばれる成形法によって加熱加圧成形することがより好ましい。短径とは、断面において、前縁部4と後縁部5とを結ぶ外径を長径としたときに、この長径に直行する外径を意味する。表皮材に包含される前と比較して、適切な比率で短径が減少するように加熱加圧成形することによって、加圧成形時にコア材3からの成形内圧が得られるために、翼部材の良好な外観が得られやすい。またD/Dを調整することで、翼部材において、厚みが3mm以下の部位におけるコア材3の密度がコア材3全体の平均密度の1.5〜10倍に調整することが容易にできるため、翼部材の薄肉部位の強度向上の面からも好ましい。
さらに好ましくは、コア材3は翼部材形状の型内に液状樹脂を注入後、型内で発泡、硬化させることによって得ることである。これは、あらかじめ用意したブロック等の樹脂発泡体から機械加工等で切削して所望のコア材3形状を得る場合と比較して、はるかに短時間でかつ低コストでコア材3を得ることが可能となる。また機械加工等では形成が困難な薄肉形状や3次元曲面も、本方法によれば所望の形状のキャビティを備えた型を用いることで、比較的容易に得ることができる。
またさらに好ましくは、繊維強化プリプレグシートをコア材3の周囲に巻きまわして完全に包含することで、加熱加圧成形前の積層体を得ることである。これは、熱硬化性樹脂を含浸した強化繊維のロービングをコア材3の周囲に巻きました後に加熱加圧成形する場合や強化繊維織物をコア材3の周囲に巻きまわした後に樹脂を含浸させ加熱加圧する場合と比較して、強化繊維の配向精度が高く、かつ繊維強化プリプレグシートは事前に十分に樹脂含浸されていることから、コア材3を完全に包含することが容易である。これは成形後の翼部材の重量のバラツキを低減するためにも効果的であるとともに、一般に表皮材2に含まれるFRPの繊維重量含有率も高く設定しやすくなり、軽量かつ高強度、高剛性を達成できる。
本発明の翼部材は、風力発電用ブレードに限らず、航空機や自動車用スポイラーの水平翼、航空機、ヘリコプターや船舶のプロペラなどにも応用することができるが、その応用範囲がこれらに限られるものではない。
本発明の一実施態様に係る翼部材を示す斜視図である。 図1のa−a断面を示す断面図である。 図1のb−b断面を示す断面図である。 本発明の一実施態様に係る翼部材の前縁部の部分拡大断面図である。 本発明の一実施態様に係る翼部材の後縁部の部分拡大断面図である。 本発明の一実施態様に係る翼部材の製造法を示す断面図である。
符号の説明
1 翼部材
2 表皮材
3 コア材
4 前縁部
5 後縁部
6 連続炭素繊維層
7 表皮材厚み

Claims (10)

  1. 次の構成要素[A]、[B]を含み、構成要素[A]は[B]を完全に包含していることを特徴とする翼部材[1]
    [A]翼部材[1]の全長の90%以上の長さに亘り、長手方向に引き揃えられた連続炭素繊維層を含むFRPからなる表皮材[2]
    [B]密度0.05〜1.0g/cm であるとともに、厚みが3mm以下の部位における構成要素[B]の密度が、[B]全体の平均密度の1.5〜10倍の範囲内である、一体構造の樹脂多孔質体からなるコア材[3]
  2. 構成要素[A]の厚みが0.5〜5.0mmの範囲内である請求項1に記載の翼部材[1]
  3. 構成要素[A]の前縁部[4]での最大厚みが、構成要素[A]全体の平均厚みの1.05〜5倍の範囲内である請求項1または2に記載の翼部材[1]
  4. 全幅W(m)と全長L(m)との比W/Lが0.05〜0.5である請求項1〜のいずれかに記載の翼部材[1]
  5. 構成要素[A]と構成要素[B]とが一体化されている請求項1〜のいずれかに記載の翼部材[1]
  6. 自由振動での1次固有振動数が、20〜100Hzの範囲内である請求項1〜のいずれかに記載の翼部材[1]
  7. 風力発電用ブレードである請求項1〜のいずれかに記載の翼部材[1]
  8. 次の構成要素[A]、[B]を含む翼部材[1]の製造方法であって、翼部材[1]の長手方向に垂直な任意断面において、構成要素[B]の短径の長さD(m)と、構成要素[A]に包含される前の構成要素[B]の短径の長さD(m)との比D/Dが0.2〜0.95の範囲内であるように、ホットプレス、オートクレーブ、および、RTMからなる群から選ばれる成形法によって加熱加圧成形することを特徴とする翼部材[1]の製造方法。
    [A]翼部材[1]の全長の90%以上の長さに亘り、長手方向に引き揃えられた連続炭素繊維層を含むFRPからなる表皮材[2]
    [B]密度0.05〜1.0g/cm であるとともに、厚みが3mm以下の部位における構成要素[B]の密度が、[B]全体の平均密度の1.5〜10倍の範囲内である、一体構造の樹脂多孔質体からなるコア材[3]
  9. 翼部材[1]形状の型内に液状樹脂を注入後、型内で発泡、硬化させることによって構成要素[B]を得る請求項に記載の翼部材[1]の製造方法。
  10. 繊維強化プリプレグシートを構成要素[B]の周囲に巻きまわして完全に包含することで、加熱加圧成形前の積層体を得る請求項またはに記載の翼部材[1]の製造方法。
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