JP4560672B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、硬化性、耐久性等に優れ、かつ各種基材、例えばエンジニアリングプラスチック、金属、木材、紙、ガラス、スレート等に対する密着性、接着性が良く、接着剤、被覆材料、シール剤、成型材料、三次元立体成型材料、印刷版材料、各種光学素子として有用な液状硬化性樹脂組成物に関する。
硬化性樹脂はシリコーン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系などの液状樹脂を加熱、光照射、2液混合などの方法により化学反応させ硬化させるものである。この硬化性樹脂はシール剤や接着剤やポッティング剤、封止剤などあらゆる箇所で使用されている。光照射により硬化する樹脂は光硬化性樹脂と呼ばれ、紫外線、可視光線などを照射することによって短時間で重合硬化する硬化性組成物である。この種の光硬化性樹脂組成物を用いた接着剤は低エネルギーの光で速やかに硬化することが要求されており、例えばガラス等の接着やコーティング、ポッティング剤などとして多く用いられている。
現在、民生化されている表示媒体には液晶ディスプレー、有機ELディスプレー、プラズマディスプレー等が存在するが、それぞれ構成する部材に対してシール剤が必要とされている。例えば、液晶ディスプレーでは液晶パネル作成時のセルを形成する際に、2枚のパネルを貼り合わせてその間に液晶を封入するのであるが、パネルの周辺部分をシールするメインシールと呼ばれるものと、液晶をセルに注入後、封口部分をシールするエンドシールと呼ばれるものが必要である。さらに、このように作成されたディスプレーパネルとフレキシブル基板との導電接着部の補強、防湿を目的としたモールド材と称されたシール剤などが必要である。
また、アルカリ電池や色素増感型太陽電池など内部にアルカリ溶液や有機溶剤を封入したものをシールする用途も少なくない。その場合シール剤が耐薬品性、耐溶剤性が悪いとシール剤が内容物に侵され、シール機能を果たさなくなってしまう恐れがある。このように被シール部分や被接着部分には耐薬品性が必要な箇所が多く、前述のシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂では耐性が不十分で使用に適さない箇所が存在している。
一方、アイオノマー樹脂は疎水性高分子主鎖に、部分的にカルボン酸またはスルホン酸などの金属塩またはアンモニウム塩のイオン基を側鎖として少量含んだイオン性高分子である。疎水性高分子マトリックス中のイオン基部はミクロ相分離を起こし、イオン会合体相を形成する。イオン会合体相(イオンクラスター)は架橋点として作用するため、アイオノマー樹脂はホスト高分子の性質をある程度保持しながら優れた耐薬品性、力学特性、接着特性、透明性、溶融加工性などの材料物性を示す。
アイオノマー樹脂は耐薬品性に極めて優れているため、従来の硬化性樹脂では適さなかったアルカリ溶液や有機溶剤と接触する箇所へのシール剤や接着剤として使用可能である。しかしながら、アイオノマー樹脂は常温で固体状を示すものであり、シール剤、接着剤として使用する場合には、加熱溶融させて被シール部分に塗布したり、予め成形したものを被着体に溶着させたりするなど、作業性が良くなかった。通常、ゴムや熱可塑性樹脂などの常温で固体を示すポリマーをシール剤や接着剤として使用する場合、作業性を向上させるために、有機溶剤や反応性モノマーに溶解させて液状化する。液状化された組成物は塗布装置から吐出させたり、スクリーン印刷などにより塗布することができる。この液状組成物は有機溶剤を揮散させたり反応性モノマーを重合させたりすることにより硬化することができシール剤や接着剤などを形成することができる。しかし、アイオノマー樹脂は優れた耐溶剤性、耐薬品性のため、有機溶剤や反応性モノマーに溶解しない。よって、前述の手法が使用できず、加熱溶融樹脂、すなわち、ホットメルト樹脂として使用するしかなかった。
ホットメルトは作業性が悪く、量産性に乏しいものであり、特に、被シール部材が熱により劣化するものであれば使用できない。特許文献1、特許文献2にはアイオノマー樹脂をそれぞれ、光硬化性樹脂、加熱硬化樹脂にする技術が記載されている。本文献はアイオノマー樹脂にシランカップリング剤、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有化合物、およびトリメチロールプロパントリアクリレートなどの(メタ)アクリロキシ基含有化合物を添加するものであるが、本文献の実施例で示すとおり、アイオノマー樹脂以外の成分の添加量は少量であり、かつミキシングロールで混合していることから、アイオノマー樹脂固体中にシランカップリング剤などの成分を混練しているものである。すなわち、本文献はアイオノマー樹脂が液状成分に溶解または分散しているのではなく、少量の液体が混合(混練)された固体状物である。一方、本文献には液状でも提供でき、材料に塗布して乾燥した後、被着体と貼合せ硬化接着することができると記載されている。しかし、液状にするためには「各構成成分部材に何ら影響を与えない溶媒に均一に溶解させて、」と記載されているにとどまり、具体的な溶媒は一切記載されておらず、本文献により液状化を達成することはできないものであった。また、本文献はアイオノマー樹脂を液体状にするものではなく、アイオノマー樹脂を液状成分に溶解または分散させることは不可能であった。
特開平9−183956号公報 特開平9−176601号公報
このように、シール剤や接着剤として用いる場合、作業性が良く、かつ、より耐熱性の高いもの、より耐久性、特に耐薬品性に優れたシール剤が望まれていた。
上記の課題を解決するために鋭意検討の結果、耐薬品性に優れたアイオノマー樹脂を特定のモノマーに溶解させることにより、耐溶剤性、耐熱性など、耐久性の極めて高い、かつ作業効率性の高い硬化性組成物が得られ、この組成物をシール剤、接着剤として用いることにより、良好な硬化物が得られることを見出し、この発明を完成するに至った。すなわち、本発明は (A)エチレンと不飽和脂肪酸塩共重合体の部分金属塩であるアイオノマー樹脂であり、不飽和脂肪酸含有量が1〜30重量%、かつイオン化度が5〜80%であるもの、(B)分子内に少なくとも1つ以上オキセタン環を有する化合物:(A)成分1重量部に対し5〜100重量部、(C)カチオン重合触媒:(A)成分(B)成分の合計量100重量部対し0.05〜10重量部、の成分を必須成分とする硬化性樹脂組成物である。
以下、本発明を構成する各成分を詳細に説明する。本発明の(A)成分はエチレンと不飽和脂肪酸塩共重合体の部分金属塩であるアイオノマー樹脂であり、該アイオノマー樹脂としては、エチレン−不飽和脂肪酸共重合体の金属塩、エチレン−不飽和脂肪酸エステル−不飽和脂肪酸3元共重合体の金属塩、エチレン−ビニルエステル−不飽和脂肪酸3元共重合体の金属塩が好適に用いられる。具体的には、不飽和脂肪酸として、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸等が用いられ、不飽和脂肪酸エステルとして(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等が用いられ、ビニルエステルとして蟻酸ビニル、酢酸ビニル、アクリル酸ビニル等が用いられる。不飽和脂肪酸の含有率はアイオノマー樹脂100重量%に対して、1〜30重量%であり、特に5〜25重量%であることが好ましい。この含有率が1重量%以下であるとイオン架橋効果が低下し接着力の低下を招く場合があり、30重量%を超えると加工性が低下する場合がある。これらのアイオノマー樹脂の中和成分としては、Na、K、Li、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Cu2+、CO2+、Ni2+、Mn2+、Al3+等の1価から3価の金属の陽イオンが挙げられ、好適には、広く汎用性があり加工適応性に優れたNa、Zn2+が用いられる。これら金属イオンによるイオン化度は5〜80%とすることが好ましく、更に好ましくは7〜70%である。イオン化度が5%未満であると耐薬品性が低下し、80%を超えると固く脆い組成物となる場合がある。
本発明の(B)成分は分子中にオキセタン環を1個以上有する化合物である。オキセタン環とはトリメチレンオキシドとも表現されるものであり、下記化学式で示される。(B)成分は分子中にオキセタン環を1個以上有するものであり、オキセタン環の個数は特に制限はないが、商業的な原料の入手のしやすさなどから現実的には1〜4個ものを使用するのが適当である。また、好ましくは1または2個有するものが好ましい。
(B)成分の具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等を挙げることができる。
分子中にオキセタン環を2個以上有するオキセタン化合物の具体例としては、3, 7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3, 3’−(1, 3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1, 4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1, 2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1, 3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1, 4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1, 6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルなどを挙げることができる。これらの例示化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて(A)成分を構成することができる。
これらの成分は(A)成分のアイオノマー樹脂と混合することにより、アイオノマー樹脂を溶解することができる。(B)成分でない反応性モノマーなどは通常、アクリルモノマーなどが良く使用されているが、それらではアイオノマー樹脂を溶解させることはできない。また、有機溶剤にも溶解させることはできない。つまり、アイオノマー樹脂は優れた耐薬品性から、有機溶剤や反応性モノマーにほとんど溶解されなかったが、本発明の(B)成分には溶解させることができる。よって、アイオノマー樹脂を常温で液状として扱うことができる。後述する(C)成分により(B)成分を硬化させることによりアイオノマー樹脂も析出し、全体を硬化させることができるのである。上述した(B)成分のうち、特に好ましい化合物は2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス〔1−エチル(3−オキセタニル)〕メチルエーテルである。これらが好ましい理由は、(A)成分の溶解性が他の(B)成分に比べて特に高いからである。他の(B)成分は(A)成分を溶解するのに時間がかかったり、加熱工程が必要であったり、溶解する量に限界があったりするが、前記2つの化合物であれば、混合撹拌することで容易に溶解することができる。
(B)成分の使用量は(A)成分1重量部に対し、5〜100重量部である。5重量部より少なければ溶液の粘度が高くなり塗布作業性が著しく劣るり、より好ましくは10重量部以上である。1,000重量部より多いと、組成物全体にしめる(A)成分の含有量が低下してアイオノマー樹脂の優れた耐薬品性が生かされず、より好ましくは50重量部以下である。ただし、本組成物を耐薬品性能が高くなくても良い箇所に適用する場合は(B)成分が100重量部より多くてもかまわない。
本発明の(C)成分としてカチオン重合触媒が用いられる。カチオン重合触媒は紫外線照射や加熱によってルイス酸等のカチオン活性種を生成し、エポキシ環やオキセタン環の開環反応を誘発する化合物である。このような重合触媒の例としては、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレニウム塩、鉄−アレーン錯体などが挙げられる。特に、鉄−アレーン錯体は熱的に安定であるので好ましく、具体的には、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)(トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メサイド)、クメン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、ビス(エタ−メシチレン)鉄(II)トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メサイドなどが挙げられる。その他、特表平8−511572号公報に記載されているカチオン重合触媒を挙げることができる。
このカチオン重合触媒は、(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して、通常、0.05〜10.0重量部である。0.05重量部より少量であると、低温での硬化特性が低下し、10.0重量部より多量であると、室温付近でも硬化反応が進みやすいため、室温での保存安定性が低くなってしまうことがある。
その他、本発明には従来から公知である、無機フィラー、重合禁止剤、老化防止剤など各種添加剤を添加することができる。また、(B)成分以外の反応性希釈剤をさらに添加することも可能である。反応性希釈剤として(メタ)アクリル基を1〜3個程度含有するモノマーやエポキシ基を含有するモノマーがあげられる。ただし、これらの反応性希釈剤の含有量増加すると(B)成分が(A)成分を溶解する能力が低下してくるので、本発明の趣旨を阻害しない範囲で添加することが好ましい。
本発明はアイオノマー樹脂を常温時で液状態にすることが可能であり、光照射または加熱により硬化させることができる硬化性組成物である。本組成物の硬化後は耐薬品性、耐溶剤性をはじめ、力学特性、接着特性、透明性、溶融加工性に優れたものである。硬化前は液状であるため被着体や被シール部分に適用する際に作業性がよく、また、光照射や加熱により容易に硬化させることができるので、製造効率が高く、接着剤、シール剤、コーティング剤などに使用できる。
以下、本発明の優れた効果を実施例と比較例にて証明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
表1に示すとおり、(A)成分、(B)成分,(C)成分を記載の配合量で混合した。ただし、表中、ハイミランはエチレン−メタクリル酸共重合体のメタクリル部分に金属イオンを結合させた三井デュポンケミカル社製のアイオノマー樹脂であり、EX−OHは2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、DOXはビス〔1−エチル(3−オキセタニル)〕メチルエーテルであり、R2074はロードシル2074(ローディアジャパン社製)のヨードニウムボレート、DC1173はダロキュア1173(チバスペシャルティケミカルズ)である。混合方法は(B)成分中にペレット状の(A)成分を添加し、撹拌羽根で常温で3時間撹拌した。その後、(C)成分を添加してさらに1時間撹拌した。
上述により得られた各種組成物をろ過して、液体と固体に分離し、それぞれの重量を測定し溶解率を測定した。100%とは完全に固形分がない状態である。
各種組成物を直径3cmのポリエリレン製半透明容器に高さ1cm注入し、3000mJ/mの紫外線を照射し硬化させ、耐薬品性能を測定した。耐薬品性の試験は硬化物をアセトニトリル中に25℃7日間浸漬し、重量変化を測定し、重量変化率測定した。
比較例1として(A)成分を添加しないもので、同様に耐薬品性、耐熱性を測定した。比較例2〜8は(B)成分を用いずに従来の希釈モノマーを使用した。表中EP828はエピコート828(ビスフェノールA型エポキシ:油化シェルエポキシ社製)、HEMAは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、TMPTAはトリメチルプロパントリメタクリレートである。
比較例として表2のとおり配合した。モノマー1はイソボロニルアクリレート、モノマー2としてヒドロキシメタクリレート、モノマー3としてグリシジルアクリレートを使用した。また、有機溶剤として、トルエン、キシレンを使用して、(A)成分の溶解性を試験した。反応性モノマー中に(A)成分を添加して、同様に撹拌羽根を用いて60℃に加熱しながら常温で10時間撹拌した。その後、濾過して、濾液と残存物の量から、(A)成分の残存率を求めた。この結果、比較例で用いた反応性モノマー、有機溶剤にはアイオノマー樹脂は溶解しないことがわかる。
本発明は接着剤、シール剤、コーティング剤などに使用できる常温で液状であり、塗布性能に優れた硬化性組成物である。



Claims (1)

  1. 下記(A)成分〜下記(C)成分を必須成分とする硬化性樹脂組成物。
    (A)エチレンと不飽和脂肪酸塩共重合体の部分金属塩であるアイオノマー樹脂であり、不飽和脂肪酸含有量が1〜30重量%、かつイオン化度が5〜80%であるもの
    (B)分子内に少なくとも1つ以上オキセタン環を有する化合物:(A)成分1重量部に対し5〜100重量部
    (C)カチオン重合触媒:(A)成分(B)成分の合計量100重量部対し0.05〜10重量部
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