JP4559423B2 - 上体定位固定及び位置決め装置 - Google Patents

Description

関連出願

本願は、２００３年８月８日に出願され且つその全体が本明細書に組み入れられている米国仮出願第６０／４９３，５９６号に基づいており且つそれによる利益を主張している。

発明の分野

本発明は、概して、放射線治療装置のための位置決め装置に関するものであり、より特定すると、横転、縦振れ及び横振れと称される３つの回転軸線での正確で検証可能で調整可能な位置決めを提供するための放射線治療装置の患者位置決め用寝台及び搬送装置と組み合わせて使用するための上体定位固定及び位置決め装置に関する

放射線治療のための医療装置は、高いエネルギの放射線によって腫瘍組織を治療する。線量及び線量の位置決めは、腫瘍が処方された線量を受け取ること及び腫瘍を包囲し且つ隣接している腫瘍を含まない組織への損傷を最小化することの両方を確保するために正確に制御しなければならない。

内部線源放射線治療は、腫瘍組織の近くの患者の体内に放射性材料のカプセルを配置することによって行われる。線量及び線量の位置決めは、アイソトープ（同位元素）の物理的な位置決めによって正確に制御される。しかしながら、内部線源放射線治療は、患者に対する不快感及び感染の危険性を含むあらゆる外科的侵襲性処置という不利益を有している。

外部線源放射線治療は、患者の外部にある放射線源、典型的には、コバルト６０のような放射性同位元素か又は線形加速器のような高エネルギＸ線源を使用する。外部線源は、腫瘍部位へと患者の体内へ導かれる平行化ビームを生成する。外部線源放射線治療は、内部線源放射線治療の要する幾つかの問題を避けるが、腫瘍組織に沿った放射線ビームの経路内にかなりの体積の腫瘍を含まないすなわち健康な組織に不所望に且つ必然的に放射線を照射する。

腫瘍部位上に集束するビームを備えた種々の“ガントリー（骨組）”角度で患者の体内へ外部放射線ビームを照射することによって、腫瘍組織内へ所定の線量の放射線を維持しつつ、健康な組織に対する照射の副作用を減じることができる。これにより、放射線ビームの経路に沿った健康な組織の特別な体積要素は変化して、各々に対する全線量が減じられる。

健康な組織への放射線照射はまた、放射線ビームの軸線に対して直角に切り取られた腫瘍の全体断面に対して放射線ビームをぴったりと平行にすることによって減じることもできる。このような周辺コリメーションを形成するための多くの装置が存在しており、これらの装置の幾つかは、区分的に任意の外形の放射線不透過性のマスクを形成することができる多数の摺動シャッタを使用している。

ビームを腫瘍の外形に対して平行にする部分として、放射線源と放射線源の回転中心との間の半径方向の線に対する放射線ビームのずれ角度は、治療される領域が回転中心ではないようにさせるように調整しても良い。ガントリー角度の放射線ビームの角度及び幅を同時に変化させることによって、放射線ビームに平行な面内に不規則な断面を有する腫瘍組織が正確に目標を定められるのが可能になる。放射線ビームの幅及びずれ角度は、多片型（マルチプルリーフ）コリメータを使用することによって制御することができる。

典型的な患者の定位固定装置は、柱及び尖った頭部を有するねじによって患者の頭部に取り付けられるヘッドリングを含んでいた。このリングは、患者の頭部を包囲し且つ患者の頭蓋の外側テーブル内へ確実に配置することができる柱又は頭部ねじによって頭部に固定される。別の方法として、当該リングは患者の歯に整合させるための歯形を有しても良いし、又は当該リングは、頭部の外形に対して固定するために顔又は頭部のマスク型を有していても良い。このリングは、ＣＴ、ＭＲＩ、ＰＥＴ等のような撮影診断スキャニングからのスキャナー指標データを、撮影スキャナーからの二次元又は三次元撮影走査データをリングの座標基準系に関連付けるために使用されるのを可能にする図形基準配置器を受け入れることができる。ひとたび、撮影走査データ内に見られる選択された目標位置の“定位座標”がリングに対して決定されると、これらの走査映像データから見られる選択された目標位置に対応する物理的目標へとプローブを導くためにリングに取り付けられた定位円弧装置を使用することができる。別の実施形態においては、リングは、リングホルダーによって、映像の寝台若しくはテーブル又は放射線治療装置に取り付けることができ、コリメータ装置を介してＬＩＮＡＣからの放射線の給送は、選択された目標位置の定位目標座標へと導くことができる。これらは、従来技術による患者固定器及び図形基準を使用した脳定位法の例である。

頭蓋に取り付けられるヘッドリング、歯形又はヘッドリングに取り付けられるマスク型の使用は、頭部領域の放射線照射に対して限られた有用性を有する。特に、リングは、プローブに対する障害であり且つ放射線ビームが頭蓋の最も下方部分、咽頭鼻部、あご、首及び上部胸郭において目標にねらいを定めることが望ましい放射線ビームにとっても障害である。この状況においては、頭部の周りに配置されるリング構造は、所望のビーム入射方向に対しては、邪魔であり且つ障害物である。リングは、患者の頭上の高い位置に配置することができるが、これは、頭蓋基部及び上咽腔に対するビームのアクセスの立体角を制限し過ぎるかも知れない。ヘッドリングはまた、いくつかの場合には、寝台又は患者のテーブルに対する頭部の広い屈曲角形成を阻止するかも知れない。放射線透過性の多数の頭部位置決め装置又は固定装置は存在しない。

従来技術によるヘッド及び首の固定器の他の例としては、口咬合タイプの頭部安定化装置又はマスクがある。しかしながら、これらのタイプの装置は、図形基準手段及び／又は目標物位置決め装置の使用を含んでいない。これらはまた、頭部の動きを効率よく固定することができる付勢手段も備えていない。これらは、異なる寝台に対して繰り返しの位置決めを有しておらず且つ障害がない訳ではない。

一方向の動きを許容する頭部を位置決めし及び／又は再度曲げるための他の器具があるが、二方向以上の動き又は回転の自由度を提供するものはない。
従って、コンパクトで、軽量で、寝台頂部への設置及び寝台頂部からの取り外しが容易で、放射線透過性の固定及び位置決め装置であって、横転、縦振れ及び横振れを含む三つの回転軸線において患者の位置の調整を可能にすることができる装置が必要とされている。

本発明は、放射線撮像、放射線治療及び放射線外科処置のために患者の上体を正確に固定配置及び位置決めするための器具である。放射線外科手術は、特に頭及び首領域における高い精度の放射線治療に対する用語である。当該器具の目的は、断層撮影治療装置の寝台頂部上に患者を固定すること、特に特別な位置の寝台頂部上で患者の上体を固定し、患者をスキャンしてその患者の解剖学的構造の配置を検査し、次いで、所望の治療位置に力学的に調整することである。これらの調整は、特に、制御装置によってなされ、撮像及び治療用途のためのフィードバック装置と連動される。この装置は、必ずしも給送装置に対してではなく、放射線治療又は放射線外科手術の目的のために使用されるが、装置の診断部分に対しても同様に使用することができる。この装置は、構造的な及び位置の正確さを確保するために、調整分解能の保証機構を有するのが好ましいであろう。

本発明は、放射線撮像、放射線治療及び放射線外科処置の目的で、患者の頭部、首及び上方胸郭の、正確で繰り返し可能で検証可能な配置のための、標準的に適用可能で、頭部固定、位置決め及び調整可能な装置を提供する。この装置は、断層撮影治療装置の搬送装置において必ずしも使用されなくても良く、断層撮影治療装置の診断部分に対して使用することもできる。本発明の装置はまた、ＣＴ、ＭＲＩ、ＰＥＴ又はその他の如何なる放射線撮像装置における使用にも適合可能であるかも知れない。

本発明の装置の用途としては、頭部、脳及び首のための細分化された定位放射線治療、頭部、脳及び首のための定位放射線外科手術並びに頭部、脳及び首のための定位撮像法がある。現在の設計は、患者の頭部、首及び上方胸郭を固定する装置を含む。

本発明は、患者位置決めテーブルと現存の上体固定装置とに組み合わせて使用するための医療用装置であり、縦振れ、横転及び横振れの３つの回転範囲において正確で且つ可変の位置決めを提供する。

本発明は、放射線撮像、放射線治療及び放射線外科手術の目的のために、患者の頭部及び首領域の正確で繰り返し可能で検証可能な配置のために適用可能な頭部及び首部固定及び位置決め装置である。頭部及び首部の高精度放射線治療において使用するための用途としては、頭部及び首部のための細分化された定位放射線治療、頭部及び首部のための定位放射線治療並びに頭部及び首部のための定位撮像がある。

本発明は、横転、縦振れ及び横振れと称される動きの３つの回転軸線における正確で検証可能で調整可能な位置決めを提供するための放射線治療装置の患者位置決め寝台及び搬送装置と組み合わせて使用するための定位上体固定及び位置決め装置である。

当該装置の目的は、寝台上に患者を固定すること、特に、特定の位置にある寝台上に患者の頭部及び首部を固定して、患者上をスキャンし且つ重ね合わせ像に従って患者の解剖学的構造の配置を検証し、次いで、必要ならば、患者の位置を所望の治療位置に対応するように調整を行うことである。

この装置は、特定の範囲内のあらゆる位置へと移動し且つその位置に保持することができる。
本発明の装置は、極めてコンパクトで、軽量で、寝台頂部への設置及び取り外しが容易である。これらは、従来技術よりも優れた利点を有する。なぜならば、良好に作動する殆どの位置決め装置が、実際には、床に取り付けられている大きく且つ手が込んだ扱い難い装置であるからである。

本発明のその他の種々の特徴、目的及び利点は、以下の詳細な説明から当業者に明らかとなるであろう。

好ましい実施形態の説明

図面を参照すると、図１は、本発明と一緒に使用するのに適した放射線治療装置１０を示している。放射線治療装置１０は、片持ち梁状頂部１４を備えている放射線不透過性の寝台１２を含んでいるのが好ましい。寝台の頂部１４は、軌道２０に沿った寝台１２の動きがＩＥＣ ６１２７“Ｔ”座標系によって記載された長手軸線平行移動に沿って延びている状態で放射線治療装置１０の環状ハウジング１８の穴１６内に受け入れられる。寝台１２は、長手軸線に沿って配置されているのが好ましく且つ前記軸線に沿って摺動し、最初に前方面内を通過し、次いで、後方面内を通過することができるのが好ましい。寝台には、案内軌道２０に沿って支持されており且つ当該技術において公知の電動駆動装置によって動かされて、その位置が以下に説明するようにコンピュータ２２によって制御されるようにする。

寝台１２はまた、ＩＥＣ６１２１７“Ｔ”座標系によって表された横軸平行移動及び垂直軸平行移動における寝台頂部１４の調整を可能にするために、内部軌道アセンブリ及び昇降機（図示せず）をも含んでいる。横方向及び垂直方向の動きは、穴１６の直径によって制限される。

穴１６と同軸で且つハウジング１８内に配置されている回転ガントリー２４は、その内面上に、Ｘ線源２６と高エネルギ放射線源２８とを支持している。Ｘ線源２６は一般的な回転アノードＸ線管であっても良く、一方、放射線源２８は、当該技術において理解されているようなＸ線、加速された電子、陽子又は重イオンを生成するものを含むあらゆる治療用放射線源であっても良い。Ｘ線源２６及び放射線源２８は、寝台頂部１４が穴１６内に配置されたときに、ガントリー２４と一緒に、患者用寝台１２の頂部近くの回転中心を中心として回転する。

Ｘ線源２６は、寝台頂部１４が穴１６内に位置決めされたときに、穴１６を横切るファンビーム３０を生成するように平行にされる。ファンビーム３０は、中心軸線を中心に発散し、その中心軸線の角度はガントリー２４の位置によって制御される。中心軸線は、以下において投射軸線と称される。

ファンビーム３０は、寝台頂部１４を出て行った後に、Ｘ線源２６と正反対の横切った位置に位置決めされている線形アレイの検知器３２によって受け取られる。このようにして、回転ガントリー２４は、寝台頂部１４上の患者へのファンビーム放射線投影が患者の周囲の種々の角度で得られるのが可能になる。

放射線源２８は、ファンビーム３０と似ているが放射線検知器及びストッパ３６によってガントリー２４の反対側面上で受け取られるようにファンビーム３０を直角に横切っている高エネルギ放射線３４のファンビームを投射するように取り付けられている。代替的な実施形態においては、ストッパ３６は、患者の動きをたどるための検知器に対する代替品を提供するために、検知器によって置き換えられる。高エネルギ放射線３４のファンビームは、当該ビーム内に中心合わせされ且つ投射軸線に対して直角な放射線軸線を中心に発散する。

放射線源２８は、高エネルギ放射線ビーム３４を、そのエネルギ及び／又はフルエンス（流速量）が個々に制御され得る多数の隣接する光線に分けるために、その前方に取り付けられたコリメータ３８を備えている。ここで使用されている光線のエネルギ及び／又はフルエンスの制御は、独立したＸ線フォトン（又は、電子、陽子又は重イオンを使用する放射線治療の場合には粒子）のエネルギのみならず、代替的又は付加的には、フルエンス、フルエンス率及び露出時間の関数であるようなフォトン又は粒子の総数を含むものと理解されるべきである。粒子を使用する放射線治療の場合には、粒子のエネルギ、フルエンス及びフルエンス率は、シノグラム（ｓｉｎｏｇｒａｍｓ）を使用して制御されても良い。このシノグラムは、以下の説明から明らかとなるように、本発明によって修正しても良い。

フルエンス制御に適したコリメータは好ましい。くさびフィルタを使用しているこのコリメータの簡単な改造は、粒子エネルギの制御のために使用しても良い。別の方法として、単一ビーム走査装置を使用しても良いし又は個々に改造された一組の光線を提供する他の装置を使用しても良い。放射線源及びＸ線源の位置は、放射線源から得られる像が放射線源にねらいを定めるために使用できるように正確に特徴を決定されている。

コンピュータ２２は、ディスプレイスクリーン４０並びに当該技術において良く知られているユーザー入力マウス及びキーボードのような入力装置４２を含み且つ寝台１２の動作を制御し且つ放射線源２８及びＸ線源２６と共にガントリー２４の作動を調整し且つ当該技術において公知の方法に従って患者の走査中に線形アレイの検知器３２からデータを収集するために放射線治療装置１０に接続されているのが好ましい。

本発明の定位上体固定及び位置決め装置５０は、寝台頂部１４又は寝台１２への他の付加装置上に取り付けられるのが好ましく、寝台頂部は、長手方向、横方向及び垂直方向の動きを含む３つの動作範囲を有しているのが好ましい。寝台１２は、放射線治療装置１０内で患者を正確に位置決めするために、垂直方向、横方向及び水平方向に調整することができる。本発明の定位状態固定及び位置決め装置５０は、横転、縦振れ及び横振れとして規定されている患者の頭部、首及び上方胸郭の付加的な３つの動作範囲を提供する。寝台１２の３つの動作範囲と共に、本発明は、６つの動作範囲を提供する。定位状態固定及び位置決め装置５０の位置は、患者の放射線治療のために定位置に調整可能であり且つ係止可能である。これらの調整及び平行移動は、本発明にとって本質的である。上記した本発明の複雑な動きは、寝台１２と定位上体固定及び位置決め装置５０の動きとを組み合わせることによって達成される。

定位上体固定及び位置決め装置５０の回転動作は、横転、縦振れ及び横振れと称される。

横転は、患者の矢状（サジタル）軸を中心とする対象物の回転を表すために通常使用される３つの回転軸線のうちの１つである。−９０度乃至＋９０度の範囲内で自分の首を中心に左又は右へ自分の頭を回転させる、水平面に対してほぼ平行に仰向けに平らに横たわっている人は、上記の表１に示されている“横転”を意味する。

縦振れは、人体の前頭（コロナ）軸線を中心とする対象物の回転を表すために通常使用される３つの回転軸線のうちの１つである。自分のあごが首に向かって弧状に動かすときにアーチ形の動作によって自分の頭を真っ直ぐに持ち上げつつある水平面に対してほぼ平行に仰向けに平らに横たわっている人は、上の表１に示された“縦振れ”の回転を意味している。

横振れは、垂直軸線と称される球欠面及び前頭面の直交点を中心とする対象物の回転を表すために一般的に使用される３つの回転軸線のうちの１つである。水平面に対してほぼ平行に仰向けに平らに横たわっている人が一方の肩から他方の肩に向かって自分の肩を平行移動させるときに表１に示されているような“横振れ”を意味する。

図２は、本発明の定位上腹固定及び位置決め装置５０の一実施形態の斜視図である。定位上腹固定及び位置決め装置５０は、放射線撮像、放射線治療及び放射線外科処置のために患者の頭、首及び上方胸郭領域を正確に位置決めし且つ配置するために使用されるのが好ましい。

定位上腹固定及び位置決め装置５０は、寝台１２の一端に取り付けられ且つプレート部材５２を含んでおり、当該プレート部材５２は、ブラケット５８によってプレート部材５２の一端５６に取り付けられた枢動部材５４と、プレート部材５２の反対側の端部６６の開口部６４を貫通している垂直方向を向いた湾曲した線形のベアリング６２を有している垂直方向を向いたベアリングアセンブリ６０と、寝台１２の底部に向かって寝台１２の端部７０に取り付けられている水平方向を向けられたベアリングアセンブリ６８と、前記垂直方向を向けられたベアリング部材６０及び水平方向を向けられたベアリングアセンブリ６８に取り付けられている少なくとも２つの調整可能な枢動ロッドアセンブリ７２とを有している。定位上腹固定及び位置決め装置５０はまた、プレート部材５２の頂面に取り付けられた支持部材７４と、患者の頭部、首及び上方胸郭７６をプレート部材５２上に支持するためのブラケット５８とを含んでいるのが好ましい。

枢動部材５４は、定位上腹固定及び位置決め装置５０の集束及び枢動点である。枢動部材５４は、寝台頂部１４上に接触し且つ枢動して、定位上腹固定及び位置決め装置５０が、横転、縦振れ及び横振れの調整可能な動きを有するようにさせるのが好ましい。枢動部材５４は、垂直方向を向けられたベアリングアセンブリ６０及び水平方向を向けられたベアリングアセンブリ６８の集束点であるのが好ましく且つ患者が寝台１２上に横たわっているときに、患者の体の骨盤と腰椎領域との間に配置されるのが好ましい。ブラケット５８は、枢動部材５４をプレート部材５２に取り付けるのが好ましく且つ支持部材７４をプレート部材５２に固定する助けとなるのが好ましい。

垂直及び水平方向に向けられたベアリングアセンブリ６０及び６８と、調整可能な枢動ロッドアセンブリ７２とは、放射線治療ビームから寝台１２の端に配置されるのが好ましい。垂直方向に向けられたベアリングアセンブリ６０は、枢動部材５４の集束点を備えた円弧を有し且つプレート部材５２の反対側の端部６６内の開口部６４の中を貫通している垂直方向に向けられた湾曲した線形ベアリング６２と、当該湾曲した線形ベアリング６２の弧に沿って動く可動の台車７８とを含んでいるのが好ましい。同様に、水平方向に向けられたベアリングアセンブリ６８は、枢動部材５４の収束点を備えた円弧を有している水平方向に向けられた湾曲した線形ベアリング８０と、湾曲した線形ベアリング８０の円弧に沿って動く可動の台車８２とを含んでいる。

一連のラック及びピニオン、コンパクトギヤボックス機構、湾曲したベアリングレール及び台車、カム及びローラー並びにベアリングを使用することによって、横転、縦振れ及び横振れの直接的で且つ正確な平行移動が達成されるであろう。ひとたび、位置が達成されると、台車上の係止機構は、ベアリング上の台車の位置を確実に保持するであろう。駆動機構は、３つの回転動作範囲の全てにおいて手動により又は電子的に駆動されても良い。取り付け“台車”は、高精度で且つ直接的な回転平行移動を提供する。この動作は、係止機構によって定位置に係止することができるベアリング軌道上での台車を備えたラック及びピニオンの動作によるのが好ましい。係止機構の一例は、自転車のシート用支柱の高さ調整において見られるものと似た迅速解放カムレバーを備えたクラッチプレート係止機構である。

垂直方向及び水平方向を向けられたベアリングと軌道とのアセンブリ６０，６８に取り付けられた調整可能な枢動ロッドアセンブリ７２は、湾曲した垂直軌道のための開口部と同じ側の端部において、プレート部材の開口部内を貫通している少なくとも２つのロッドを含んでいる。

この装置は、横転、縦振れ及び横振れの３つの回転自由度内で調整可能であり且つ枢動部材上で枢動するのが好ましい。この装置の回転軸線は単一の枢動点において交差し、当該枢動点は、枢動部材と寝台の頂面との間で接しているのが好ましい。

当該装置は、構造的及び位置的な正確さを確保するために調整分解特性保証機構を定位置に有するのが好ましい。基本的な安全性として、当該装置の最大の機械的限度は、今日までの人体計測データに見出される現在の１％乃至９９％のカテゴリに見出される男性及び女性の体のタイプのための下方腰椎領域から胸腹胸骨／頸部領域までの通常の結合動作を越えないように設定されるであろう。

当該装置は、Ｘ−線の吸収度が低い高強度材料によって大部分が作られるであろう。カーボンファイバ、ナイロン及びアクリルのような低密度材料が、患者の上体に対する拘束手段を支持し且つ提供するための治療支援部材を形成するために使用されるであろう。この支援材料は、第１の放射線ビームの外側に組み立てられた精密な装置によって固定され且つ調整されるであろう。保護カバー及び可撓性のベローズが、装置を保護し且つ付加的な安全性を付加し且つ現在の断層撮影治療装置に対する全体的な設計主題の連続性を提供するであろう。

患者を固定位置に拘束するのに使用される利用可能な標準的概念は、本発明の装置と調和させることができる。この装置は、極めてコンパクトで軽量で組立が容易である。この装置は、全体の組立重量が２２．６８キログラム（５０ポンド）未満であるのが好ましいであろう。

本発明は、単一の接合点を有する固定の円弧及び固定の半径を有している湾曲した線形ベアリングを含んでいる。３つの軸線は、この単一の接合点又は枢動点において収束している。この装置は、カーボンファイバ、ナイロン及びアクリルのような伝達性が高く低密度の材料によって作られるのが好ましい。

図３は、寝台の頂部と平行な中心合わせされた水平位置においてプレート部材に取り付けられたプレート部材及び支持部材を備えた本発明の装置を示している。図５は、図３に示された装置の後面図である。

図４は、中心合わせされ且つ持ち上げられた位置にあるプレート部材及び支持部材を備えた本発明の装置を示している。これは、プレート部材を湾曲したベアリング軌道に沿って持ち上げ且つこれを係止機構によって所望の位置に係止することによって達成される。図６は、図４に示された装置の後面図である。

図７は、プレート部材及び支持部材が中心合わせされ且つ右方へ傾けられた状態の本発明の装置を示している。
図８は、プレート部材及び支持部材が中心合わせされ且つ左方へ傾けられた状態の本発明の装置を示している。

図９は、装置の軌道が右方位置にあり、装置が持ち上げられた位置にある本発明の装置を示している。
図１０は、装置の軌道が右方位置にあり、装置が左方に傾斜された位置にある本発明の装置を示している。

図１１は、装置の軌道が左方位置にあり、装置が持ち上げられた位置にある本発明の装置を示している。
図１２は、装置の軌道が左方位置にあり、装置が右方に傾斜された位置にある本発明の装置を示している。

作動時には、当該装置は、頭部及び頸部を、特別な範囲内のあらゆる位置へ動かし且つその位置に正確に保持する能力を提供する。この装置は、位置を固定するための正確な許容公差を有している。言い換えると、この装置は、特別な範囲内で正しく且つ正確に動くのが好ましい。

以上、本発明を好ましい実施形態に関して説明したが、当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、ある種の代用、改変及び省略が実施形態に対してなされても良いことを理解するであろう。従って、上記の説明は、単に例示することを意図したものであり、特許請求の範囲に開示された本発明の範囲を限定すべきものではない。

図１は、放射線撮影投射の取得及び高エネルギ放射線治療ビームの発生のために設けられた放射線治療装置の斜視破断図であり、患者をその上に支持するための患者用寝台が示されている。 図２は、本発明による定位上体固定及び位置決め装置の一実施形態の前方斜視図である。 図３は、図２の装置であって、中心合わせされ且つ水平位置にある装置の側面図である。 図４は、中心合わせされ且つ持ち上げられた位置にある図２の装置の側面図である。 図５は、図３に示されている装置の後面図である。 図６は、図４に示されている装置の後面図である。 図７は、中心合わせされ且つ右傾斜位置にある図２の装置の後面図である。 図８は、中心合わせされ且つ左傾斜位置にある図２の装置の後面図である。 図９は、右方位置に移動し且つ持ち上げられた位置にある図２の装置の後方斜視図である。 図１０は、右方位置に移動し且つ左傾斜位置にある図２の装置の後方斜視図である。 図１１は、左方位置に移動し且つ左傾斜位置にあり且つ持ち上げられた位置にある図２の装置の後方斜視図である。 図１２は、左方位置に移動し且つ右傾斜位置にある図２の装置の後方斜視図である。

Claims (19)

1. 放射線治療装置の寝台と結合可能な上***置決め装置であって、
   フレームと、
   当該フレームの一端から延びており且つ枢動点を規定している突出部と、
   前記フレームの第２の端部に結合可能な第１のアセンブリであって、前記枢動点を中心とする前記寝台に対する前記フレームの第１の範囲の動きを提供するように機能することができる第１のアセンブリと、
   前記第１のアセンブリに結合可能であって、前記枢動点を中心とする前記寝台に対する前記フレームの第２の範囲の動きを提供するように機能することができる第２のアセンブリとを含む上***置決め装置。
2. 請求項１に記載の上***置決め装置であって、
   前記突出部が球形状である上***置決め装置。
3. 請求項１に記載の上***置決め装置であって、
   前記突出部が半球形状である上***置決め装置。
4. 請求項１に記載の上***置決め装置であって、
   前記第１の動作範囲が、縦振れ回転、横転及び横振れ回転のうちの１つからなり、前記第２の動作範囲が、縦振れ回転、横転及び横振れ回転のうちの１つからなる上***置決め装置。
5. 請求項１に記載の上***置決め装置であって、
   前記第１の動作範囲が前記第２の動作範囲と異なっている上***置決め装置。
6. 請求項１に記載の上***置決め装置であって、
   前記第１のアセンブリが、軌道と、前記フレームに結合された搬送装置とを含み、前記搬送装置が、前記軌道に沿って動くようになされている上***置決め装置。
7. 請求項６に記載の上***置決め装置であって、
   前記軌道が垂直方向面内に向けられており、前記軌道は円弧形状であり、前記第１のアセンブリが、前記搬送装置が垂直方向において円弧形状の軌道に沿って動くときに前記寝台に対する前記フレームの縦振れ動作を提供するようになされた上***置決め装置。
8. 請求項１に記載の上***置決め装置であって、
   前記第２のアセンブリが、軌道及び当該軌道に沿って動くようになされた搬送装置を含んでいる上***置決め装置。
9. 請求項８に記載の上***置決め装置であって、
   前記軌道が水平面内に配向されており、前記軌道は円弧形状とされており、前記第２のアセンブリは、前記搬送装置が水平方向において前記円弧形状の軌道に沿って動くときに、前記寝台に対する前記フレームの横振れ動作を提供するようになされた上***置決め装置。
10. 請求項１に記載の上***置決め装置であって、
    前記フレームの第２の端部に結合可能な第３のアセンブリを更に含み、当該第３のアセンブリは、前記枢動点を中心とする前記寝台に対する第３の動作範囲を提供するように作動可能である上***置決め装置。
11. 請求項１０に記載の上***置決め装置であって、
    前記第３の範囲の動作が、縦振れ回転、横転及び横振れ回転のうちの１つからなる上***置決め装置。
12. 請求項１０に記載の上***置決め装置であって、
    前記第３の範囲の動作が前記第１の範囲の動作と異なっている上***置決め装置。
13. 請求項１０に記載の上***置決め装置であって、
    前記第２のアセンブリが、軌道と、当該軌道に沿って水平方向に動くようになされた搬送装置とを含み、前記第３のアセンブリが、前記フレームに結合可能な第１の端部と、前記第２のアセンブリの搬送装置に結合可能な第２の端部とを有するシャフトからなり、当該シャフトの前記第２の端部が前記第２のアセンブリの搬送装置に対して枢動可能になされている上***置決め装置。
14. 請求項１３に記載の上***置決め装置であって、
    前記第３のアセンブリが、前記シャフトの前記第２の端部が前記第２のアセンブリの搬送装置に対して枢動したときに前記フレームの前記寝台に対する横転動作を提供する上***置決め装置。
15. 位置決め装置であって、
    本体を支えるようになされ且つ第１の軸線を有するフレームと、
    前記第１の軸線を中心に前記本体部分を動かすようになされた第１のアセンブリと、
    前記第１の軸線に対して直角に配向された第２の軸線を中心に、前記本体部分を動かすようになされた第２のアセンブリと、
    前記第１及び第２の軸線に対して直角に配向された第３の軸線を中心に、前記本体部分を動かすようになされた第３のアセンブリとを含み、
    前記フレームの一端から延びている構成要素を更に含んでおり、当該構成要素は、枢動点を規定しており、前記第１のアセンブリが、前記枢動点を中心とする前記本体部分の縦振れ動作を提供するように作動可能であり、前記第２のアセンブリが、前記枢動点を中心とする前記本体部分の横振れ動作を提供するように作動可能であり、前記第３のアセンブリが、前記枢動点を中心とする前記本体部分の横転動作を提供するように作動可能であるようになされた位置決め装置。
16. 請求項１５に記載の位置決め装置であって、
    前記第１の軸線、第２の軸線及び第３の軸線が共通の点において交差するようになされた位置決め装置。
17. 放射線治療装置の寝台と結合できるようになされた位置決め装置であって、
    フレームと、
    当該フレームから延びている構成要素であって、枢動点を規定しており且つ当該枢動点を中心とする前記フレームの前記寝台に対する縦振れ動作、横振れ動作及び横転動作を同時に提供するようになされた位置決め装置。
18. 請求項１７に記載の位置決め装置であって、
    前記フレームに結合可能であり且つ前記枢動点を中心とする前記フレームの前記寝台に対する縦振れ動作を提供するようになされた第１のアセンブリと、前記第１のアセンブリに結合可能であり且つ前記枢動点を中心とする前記フレームの前記寝台に対する横振れ動作を提供するようになされた第２のアセンブリと、前記第１のアセンブリ及び第２のアセンブリに結合可能であり且つ前記枢動点を中心とする前記フレームの前記寝台に対する横転動作を提供するようになされた第３のアセンブリとを更に含んでいる位置決め装置。
19. 請求項１７に記載の位置決め装置であって、
    前記構成要素が球形状である位置決め装置。

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