JP4558132B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規な皮膚外用剤、さらに詳しくはリン脂質及び2価のマグネシウムイオンを有する有機酸塩及び/又は無機酸塩を配合した粗分散液において、該粗分散液を高圧乳化機により微粒子化処理を施すことで得られる、100nm以下の平均粒子径を有し、皮膚に対して安全性が高く、経時安定性に優れた皮膚外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、リン脂質を配合した化粧料としては特開昭56−115452号、特開昭57−111169号、特開昭57−227465号、特開昭57−228795号、特開昭61−177248号及び特開平3−235341号など公報に記載されている通り、リン脂質を安定に配合する技術が知られている。
【0003】
リン脂質としては、卵黄、大豆、紅花、ヒマワリなどから抽出し精製したものが知られており、一般的には卵黄あるいは大豆由来が用いられる。このリン脂質は未水素添加リン脂質及び/あるいは水素添加リン脂質であるが、化粧品としての配合を考慮すると、色、におい及び脂質の酸化において経時的に安定な水素添加リン脂質が汎用されている。
【0004】
リン脂質を含む皮膚外用剤、例えば、リポソーム分散液やリン脂質を乳化剤とした乳化懸濁液などは、リン脂質界面が電気的に中性のため、分散液あるいは懸濁液は不安定化し、経時的に分離する。特に、電解質の種類及び配合量によってもその安定性は大きく変化する。
【0005】
一方、リン脂質を含む皮膚外用剤の工業規模での生産は、一旦粗分散液あるいは懸濁液を調製後、これを微粒子化装置、例えばゴーリンタイプの高圧ホモジナイザーや超音波照射等で処理する方法で製造されている。さらに、特公平2976526号や特開平11−47580号などにある新しいタイプの高圧乳化機が提案されているが、高圧乳化機では乳化させる圧力を高く設定すると処理時にベース温度が上昇することから、リン脂質を含む皮膚外用剤では経時的に沈殿や変色など、その安定性に問題が生じる。
【0006】
しかしながら、従来のリン脂質を含む皮膚外用剤ではリン脂質膜界面が電気的に中性であるため、経時的に不安定化し分離する。特に、電解質の種類及び配合量によってもその安定性は大きく変化する。また、分離を防ぐためには乳化剤、脂肪酸石鹸などを添加し安定化させているが乳化剤等の添加量が多く、使用性及び安全性に問題がある。さらに、リン脂質は天然由来のものが多く、その品質のばらつきが大きいために化粧品の品質にも影響を及ぼすことがしばしばあった。これを防ぐために、微粒子化装置、例えばゴーリンタイプの高圧ホモジナイザーや超音波照射等で処理する方法で製造しているが、製造方法、製造時間の長時間化あるいは製造工程の煩雑化などの問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来のリン脂質を含む皮膚外用剤がもつ欠点、さらにリン脂質を含む皮膚外用剤の製造方法に由来する欠点を克服し、リン脂質及び2価のマグネシウムイオンを有する有機酸塩及び/又は無機酸塩を配合した粗分散液において、該粗分散液を高圧乳化機により微粒子化処理を施すことで得られる、100nm以下の平均粒子径を有し、経時的に安定で、皮膚への安全性が高く、使用性に優れた皮膚外用剤を提供することを目的となされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような事情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成した。すなわち、本発明は(1)フォスファチジルコリン含量が90%以上、かつ、ヨウ素価が平均して0.1〜44の範囲であることを特徴とするリン脂質及び2価のマグネシウムイオンを有する有機酸塩及び/又は無機酸塩を配合した粗分散液において、該粗分散液を高圧乳化機により微粒子化処理を施することで得られる、100nm以下の平均粒子径を有する皮膚外用剤、(2)2価のマグネシウムイオンの配合濃度を1.0mM〜150mMの範囲である(1)の皮膚外用剤、(3)リン脂質の配合量が0.01〜5.0wt%の範囲である(2)の皮膚外用剤、(4)高圧乳化機での圧力が25,000〜50,000psi、かつ、冷却部の排出部にかかる圧力を500〜2,000psiの範囲に設定する(3)の皮膚外用剤、を提供するものである。
【0009】
【発明実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明において「リン脂質」とは、分子内にリン酸基とアシル基及び/またはアルキル基からなる疎水基を2個以上有するものをいい、例えば、フォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルセリン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルグリセロール、フォスファチジン酸、スフィンゴミエリン、カルジオリピンまたはこれら誘導体の1種または2種以上の混合物等が挙げられる。その中で、フォスファチジルコリン含量は90%以上であり、さらに好ましくはフォスファチジルコリン含量92%以上が好ましい。本発明において「ヨウ素価」とは、粧原基の一般試験法の「ヨウ素価測定法」である。本発明での「ヨウ素価」の範囲は、この「ヨウ素価測定法」に準じリン脂質を分析したとき平均で0.1〜44の範囲であり、さらに好ましくは平均で0.5〜40である。本発明でのリン脂質の配合量は特に限定されるものではないが好ましくは0.01〜5.0wt%の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜2.0wt%である。安定性、安全性には問題ないが0.01wt%よりも少ない量では皮膚外用剤として効果が期待できなく、5.0wt%を越える量では使用性に問題がある。
【0010】
このようなリン脂質としては、例えば、ジラウロイルフォスファチジルコリン、ジミリストイルフォスファチジルコリン、ジパルミトイルフォスファチジルコリン、ジステアロイルフォスファチジルコリン、ジオレイルフォスファチジルコリン、ジベヘノイルフォスファチジルコリン、1−ステアルイル−2−ラウロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ステアルイル−2−ミリストイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ステアルイル−2−パルミトイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ステアルイル−2−オレイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ステアルイル−2−ベヘノイル−sn−フォスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ラウロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ミリストイル−sn−フォスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ステアロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−オレイル−sn−フォスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ベヘノイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−ラウロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−パルミトイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−ステアロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−オレイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−ベヘノイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ラウロイル−2−ミリストイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ラウロイル−2−パルミトイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ラウロイル−2−ステアロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ラウロイル−2−オレイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ラウロイル−2−ベヘノイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ベヘノイル−2−ラウロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ベヘノイル−2−ミリストイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ベヘノイル−2−パルミトイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ベヘノイル−2−ステアロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ベヘノイル−2−オレイル−sn−フォスファチジルコリン、1−オレイル−2−ラウロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−オレイル−2−ミルストイル−sn−フォスファチジルコリン、1−オレイル−2−パルミトイル−sn−フォスファチジルコリン、1−オレイル−2−ステアロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−オレイル−2−ベヘノイル−sn−フォスファチジルコリンなどがあり、天然系では大豆リン脂質、紅花リン脂質、サフラワーリン脂質あるいはヒマワリリン脂質などの植物系リン脂質及び卵黄リン脂質を水素添加により還元したものなどが挙げられる。また、本発明では、これらリン脂質から選ばれる1種もしくは2種以上を用いることができる。
【0011】
本発明において「2価のマグネシウムイオンを有する無機酸塩及び/又は有機酸塩」は無機酸塩及び/又は有機酸塩を1種または2種以上の混合物等が挙げられる。「2価のマグネシウムイオンを有する無機酸塩及び/又は有機酸塩」は特に限定されるものではないが、無機酸塩として、例えば、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウムなどがあり、有機酸塩として、例えば、ステアリン酸マグネシウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、モリブデン酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、アスコルビン酸マグネシウム、リン酸−L−アスコルビルマグネシウム、ヤシ油アルキル硫酸マグネシウム・トリエタノールアミン、ラウリル硫酸マグネシウム、ミリスチル硫酸マグネシウム、パルミチル硫酸マグネシウム、ステアロイル硫酸マグネシウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンマグネシウム、ラウリン酸メチルタウリンマグネシウム、パルミチン酸メチルタウリンマグネシウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸・1/2マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、グリセロリン酸マグネシウム、PCA(ピロリドンカルボン酸)マグネシウムなどがあげられる。
【0012】
本発明での2価のマグネシウムイオンを有する無機酸塩及び/又は有機酸塩の配合濃度は、特に限定されないが1.0〜150mMの範囲が好ましい。さらに、好ましくは5.0〜110mMの範囲である。1.0mM以下では皮膚外用剤としての経時的な安定性が悪くなる。150mMを越える濃度では、皮膚外用剤としての使用性が悪くなる。また、2価のマグネシウムイオンを有する無機酸塩及び/又は有機酸塩の水への溶解度が飽和濃度を越えるものがあり逆に沈殿を生じることもあり、皮膚外用剤としては不適切となる。
【0013】
本発明において「粗分散液」とは、微粒子化処理を施す前の皮膚外用剤をいい、その調製方法は特に限定されるものではないが、工業規模の生産としては、予めリン脂質及び2価のマグネシウムイオンを有する無機酸塩及び/又は有機酸塩を水に分散後、相転移温度以上に加温する方法、相転移温度以上に加温した水にリン脂質及び2価のマグネシウムイオンを有する無機酸塩及び/又は有機酸塩を分散させる方法などがある。
【0014】
本発明において使用する高圧乳化機は、高圧処理ができる乳化機であれば特に限定されるものではないが、既存の高圧乳化機としては、例えば、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディスク社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、アルティマイザー(タウテクノロジー社製)、DeBEE2000(B.E.E.International社製)などがあげられる。処理する圧力は特に限定されるものではないが、好ましくは25,000〜50,000psiがよい。処理する圧力が50,000psiを超えると、配管としての耐圧性に注意する必要があり、25,000psiより低いと目的とする微粒子化ができない場合もある。さらに好ましくは、前述の既存の高圧乳化機において乳化部の次に冷却部を入れ、冷却部と排出部の間に圧力(以下、背圧とする)をかけると良い。高圧の設定により乳化部でのベースの温度上昇を瞬時に冷却させ排出部に圧力をかけることによって、従来の方式とは異なりリン脂質を含む外用剤の経時的な沈殿や変色、かつ、粒子径を100nm以下に製造することが可能となる。上記背圧をかけることができる装置は、冷却部の出口に直接装着するか、又は出口側の配管と溶接や耐圧ジョイント等で装着することができる。背圧は特に限定されるものではないが、好ましくは500〜2,000psiの範囲がよい。背圧が2,000psiを超えると冷却部の耐圧性に注意する必要があり、500psiより低いと目的とする微粒子化ができない場合もある。乳化部の次に冷却部を入れ、冷却部と排出部の間に背圧をかけない場合、平均粒子径100nm以下であっても、経時的に沈殿物等が生じ、皮膚外用剤としては好ましくない。
【0015】
以下、図1及び図2に従って説明する。粗分散液を図1の▲1▼に添加し、▲2▼にある高圧ポンプによって▲3▼の乳化部で微粒子化処理を行う。その後、冷却装置である▲4▼をとおり、▲5▼で排出部において冷却部からの流れに背圧をかけ、皮膚外用剤を調製する。図1の▲5▼での背圧をかける方法とは、冷却部の太い配管から細い配管に導く方法であり、特に限定されるものではないが、例えば、冷却部の配管よりも内径が細い配管を有する装置(図2▲1▼参照)、処理液が流れる配管を狭くすることができる調整バルブを有する装置(図2▲2▼参照)である。かかる装置の主要部の材質は、背圧に耐え、腐食し難いものであれば特に制限はなく、例えば、ステンレス、ガラス、焼結ダイヤモンド、アルミナ、ジルコニア、セラミックス等を挙げることができる。
【0016】
本発明において「平均粒子径100nm以下」とは、本発明の皮膚外用剤の粒子径を、市販の動的光散乱法による粒子径測定装置である大塚電子製のDLS−7000またはこれに準ずる装置により測定したとき、平均粒子径100nm以下のものをいう。特に平均粒子径が80nm以下のものは、経時的な平均粒子径の変化が少なく、外観上もほとんど変化がなく好ましい。一方、平均粒子径が100nmを超えると、経時的な平均粒子径の変化が大きく、沈殿物等の外観上の変化があり好ましくない。
【0017】
本発明の皮膚外用剤としては、化粧水、乳液、クリーム、洗顔料、クレンジングクリーム、マッサージクリーム、パック料などとして用いることができる。本発明の皮膚外用剤は各種成分、例えば、スクワランなどの炭化水素類、油脂、ロウ類、各種エステル油、動物油、植物油、シリコーン油、脂肪酸、高級アルコールなどの油剤、エタノール、多価アルコールなどのアルコール類、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤などの両親媒性物質、酸化チタン、マイカ、酸化鉄などの顔料、カルボキビニルポリマー、キサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウムなどの高分子類、色素、ビタミン類、紫外線吸収剤、ホルモン剤、香料、抗酸化剤、防腐剤、キレート剤などを適宜配合することができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明の皮膚外用剤は、リン脂質及び2価のマグネシウムイオンを有する有機酸塩及び/又は無機酸塩を配合した粗分散液において、該粗分散液を高圧乳化機により微粒子化処理を施すことで得られる、100nm以下の平均粒子径を有し、皮膚に対して安全性が高く、経時安定性に優れることを特徴とするものである。本発明において、高圧乳化機での圧力が25,000〜50,000psi、かつ、冷却部の排出部にかかる圧力を500〜2,000psiの範囲での製造条件は、従来の製造方法に比べてより少ないエネルギーで短時間に製造することも特徴としている。
【0019】
次に実験例により本発明の効果をさらに詳しく説明する。
【0020】
(1)粒子径測定
粒子径測定は、動的光散乱法であるDLS−7000(大塚電子製)を用い、25℃、角度90度の条件で、キュムラント(Cumulant)法によって算出した。
【0021】
(2)経時安定性
経時安定性は、5℃、室温、40℃の3ヶ所で1ヶ月間の保存した状態のものについて、目視で判断し、離油、離水、沈殿物など生じた場合のものを×、外観上、変化がなかったものについて、特に問題なし:△、良い:〇、非常に良い:◎とした。
【0022】
(3)使用性の評価
使用性とは、皮膚外用剤としてののび、肌へのなじみ、塗布した後のしっとり感の項目について、専門のパネラー5名によって以下の基準で評価した。
◎:非常に良い、〇:良い、△:ふつう、×:不良
【0023】
本実験例
【表1】
Figure 0004558132
【0024】
本実験例
【表2】
Figure 0004558132
【0025】
本実験例
【表3】
Figure 0004558132
【0026】
本実験例
【表4】
Figure 0004558132
【0027】
本実験例
【表5】
Figure 0004558132
【0028】
本実験例
【表6】
Figure 0004558132
【0029】
次に実施例により本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の物性の測定と評価は以下の方法で行った。例中、%とあるのはすべて重量%である。
【0030】
【実施例1】
フォスファチジルコリン含量95%及びヨウ素価が5.0である大豆由来のリン脂質1.0wt%に精製水19.0wt%を加え、ホモジナイザーで攪拌し、これに塩化マグネシウム0.1wt%及び精製水79.9wt%を加えて、粗分散液とした。この粗分散液を処理圧力30,000psi、背圧1,000psiとしたDeBEE2000(B.E.E. International社製)で1回通過処理(1パス)を行い皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径65nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
背圧の1,000psiは冷却部の排出部 内径3mmの配管に内径0.2mmのステンレス製の配管を接続すること(図2▲1▼参照)により得た。
【0031】
【実施例2】
フォスファチジルコリン含量99%及びヨウ素価が13.0である卵黄由来のリン脂質1.8wt%に精製水18.8wt%を加え、ホモジナイザーで攪拌し、これに硫酸マグネシウム0.6wt%及び精製水79.4wt%を加えて、粗分散液とした。この粗分散液を処理圧力25,000psi、背圧1,200psiとしたマイクロフルイダイザー(マイクロフルイディスク社製)で1回通過処理(1パス)を行い皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径80nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
背圧の1,200psiは冷却部の排出部 内径3mmの配管に内径0.15mmのアルミナ製の配管を接続すること(図2▲1▼参照)により得た。
【0032】
【実施例3】
フォスファチジルコリン含量92%及びヨウ素価が38.0である大豆由来のリン脂質0.5wt%に精製水19.5wt%を加え、ホモジナイザーで攪拌し、これにクエン酸マグネシウム1.5wt%及び精製水78.5wt%を加えて、粗分散液とした。この粗分散液を処理圧力40,000psi、背圧1,800psiとしたDeBEE2000(B.E.E. International社製)で1回通過処理(1パス)を行い皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径56nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
背圧の1,800psiは冷却部の排出部の配管にニードル式圧力調節バルブを有する装置(図2▲2▼参照)を接続し、これを調整することにより得た。
【0033】
【実施例4】
ジパルミトイルフォスファチジルコリン0.5wt%及びフォスファチジルコリン含量92%及びヨウ素価が87である卵黄由来のリン脂質0.5wt%を混合しトータルのヨウ素価を43.0に設定したリン脂質に精製水19.0wt%を加え、ホモジナイザーで攪拌し、これにリン酸−L−アスコルビルマグネシウム3.0wt%及び精製水77.0wt%を加えて、粗分散液とした。この粗分散液を処理圧力45,000psi、背圧2,000psiとしたDeBEE2000(B.E.E. International社製)で1回通過処理(1パス)を行い皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径66nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
背圧の2,000psiは冷却部の排出部の配管にニードル式圧力調節バルブを有する装置(図2▲2▼参照)を接続し、これを調整することにより得た。
【0034】
【実施例5】
ジオレオイルフォスファチジルコリン0.2wt%及びフォスファチジルコリン含量92%及びヨウ素価が5である大豆由来のリン脂質1.3wt%を混合しトータルのヨウ素価を23.0に設定したリン脂質に精製水18.5wt%を加え、ホモジナイザーで攪拌し、これにL−アスパラギン酸マグネシウム0.2wt%及び精製水79.8wt%を加えて、粗分散液とした。この粗分散液を処理圧力38,000psi、背圧700psiとしたDeBEE2000(B.E.E. International社製)で1回通過処理(1パス)を行い皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径41nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
背圧の1,200psiは冷却部の排出部 内径3mmの配管に内径0.18mmの焼結ダイヤモンド製の配管を接続すること(図2▲1▼参照)により得た。
【0035】
【実施例6】
ジステアロイルフォスファチジルコリン0.8wt%及びフォスファチジルコリン含量92%及びヨウ素価が21であるヒマワリ由来のリン脂質0.3wt%を混合しトータルのヨウ素価を5.7に設定したリン脂質に精製水18.9wt%を加え、ホモジナイザーで攪拌し、これにリン酸マグネシウム0.6wt%及び精製水79.4wt%を加えて、粗分散液とした。この粗分散液を処理圧力38,000psi、背圧700psiとしたDeBEE2000(B.E.E. International社製)で1回通過処理(1パス)を行い皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径57nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
背圧の700psiは冷却部の排出部の配管にニードル式圧力調節バルブを有する装置(図2▲2▼参照)を接続し、これを調整することにより得た。
【0036】
【実施例7】
フォスファチジルコリン含量96%及びヨウ素価が33.0である大豆由来のリン脂質1.9wt%に精製水18.1wt%を加え、ホモジナイザーで攪拌し、これに乳酸マグネシウム0.8wt%及び精製水79.2wt%を加えて、粗分散液とした。この粗分散液を処理圧力48,000psi、背圧600psiとしたDeBEE2000(B.E.E. International社製)で1回通過処理(1パス)を行い皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径35nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
背圧の800psiは冷却部の排出部 内径3mmの配管に内径0.22mmのアルミナ製の配管を接続すること(図2▲1▼参照)により得た。
【0037】
【実施例8】
フォスファチジルコリン含量95%及びヨウ素価が5.0である大豆由来のリン脂質1.0wt%に精製水19.0wt%を加え、ホモジナイザーで攪拌し、これに塩化マグネシウム0.1wt%、クエン酸マグネシウム1.5wt%及び精製水78.4wt%を加えて、粗分散液とした。この粗分散液を処理圧力30,000psi、背圧1,000psiとしたDeBEE2000(B.E.E.International社製)で1回通過処理(1パス)を行い皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径55nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
背圧の1,000psiは冷却部の排出部 内径3mmの配管に内径0.2mmのステンレス製の配管を接続すること(図2▲1▼参照)により得た。
【0038】
【実施例9】
フォスファチジルコリン含量96%及びヨウ素価が38.0である大豆由来のリン脂質0.5wt%に精製水19.5wt%を加え、ホモジナイザーで攪拌し、これにクエン酸マグネシウム0.5wt%、L−アスパラギン酸マグネシウム1.2%及び精製水78.3wt%を加えて、粗分散液とした。この粗分散液を処理圧力40,000psi、背圧1,800psiとしたDeBEE2000(B.E.E. International社製)で1回通過処理(1パス)を行い皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径63nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
背圧の1,800psiは冷却部の排出部の配管にニードル式圧力調節バルブを有する装置(図2▲2▼参照)を接続し、これを調整することにより得た。
【0039】
【実施例10】
フォスファチジルコリン含量98%及びヨウ素価が42.0である大豆由来のリン脂質3.9wt%に精製水16.1wt%を加え、ホモジナイザーで攪拌し、これにPCA(ピロリドンカルボン酸)マグネシウム0.5wt%、クエン酸マグネシウム1.5wt%及び精製水78.0wt%を加えて、粗分散液とした。この粗分散液を処理圧力37,000psi、背圧1,500psiとしたDeBEE2000(B.E.E. International社製)で1回通過処理(1パス)を行い皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径55nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
背圧の1,500psiは冷却部の排出部の配管にニードル式圧力調節バルブを有する装置(図2▲2▼参照)を接続し、これを調整することにより得た。
【0040】
【比較例1】
実施例1と同様の条件で、2価のマグネシウムイオンを有する無機酸塩及び/又は有機酸塩を塩化ナトリウムに置き換えて、皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径120nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
【0041】
【比較例2】
実施例1と同様の条件で、2価のマグネシウムイオンを有する無機酸塩及び/又は有機酸塩を塩化ナトリウムに置き換えて、皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径160nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
【0042】
【比較例3】
実施例3と同様の条件で、2価のマグネシウムイオンを有する無機酸塩及び/又は有機酸塩をクエン酸ナトリウムに置き換えて、皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径110nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
【0043】
本実施例
【表7】
Figure 0004558132
【0044】
【比較例4】
実施例6と同様の条件で、2価のマグネシウムイオンを有する無機酸塩及び/又は有機酸塩をリン酸ナトリウムにそれぞれ置き換えて、皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径131nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
【0045】
【比較例5】
実施例7と同様の条件で、2価のマグネシウムイオンを有する無機酸塩及び/又は有機酸塩をクエン酸ナトリウムに置き換えて、皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径132nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
【0046】
【比較例6】
実施例1と同様の条件で、圧力設定を20,000psi、冷却部の排出部からの配管を変えずに背圧を0psiとなるようにし、皮膚外用剤とした。その結果、平均粒子径800nmの粒子から構成される皮膚外用剤を得た。
【0047】
本実施例
【表8】
Figure 0004558132

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、高圧乳化機の模式図を表す。矢印は液の流れを示す。図中の符号▲1▼は粗分散液供給槽、符号▲2▼は高圧ポンプ、符号▲3▼は高圧乳化処理部、符号▲4▼は冷却部、符号▲5▼は冷却部の排出部にかかる圧力をかけることができる装置、符号▲6▼は高圧乳化処理部にかかる圧力を測定する圧力メーター及び符号▲7▼は冷却部の排出部にかかる圧力を測定する圧力メーターを、それぞれ表す。
【図2】図2は冷却部の排出部にかかる圧力をかけることができる装置の主要部の模式図を表す。矢印は液の流れの方向と冷却部の排出部にかかる圧力が発生する周辺部を表す。

Claims (1)

  1. フォスファチジルコリン含量が90%以上、かつ、ヨウ素価が平均して0.1〜44の範囲であることを特徴とするリン脂質及び2価のマグネシウムイオンを有する有機酸塩及び/又は無機酸塩を配合した粗分散液において、高圧乳化機により分散液の平均粒子径100nm以下に微粒子化処理をした皮膚外用剤。
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