JP4557589B2 - 車両の減速制御装置および車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の減速制御装置および車両に関し、特に、車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、自動変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する動作により、車両の減速制御を行う車両の減速制御装置および車両に関する。
自動変速機とブレーキとを協調制御する技術としては、自動変速機をエンジンブレーキを働かせる方向にマニュアルシフトする際に、ブレーキを作動させるものが知られている。そのような自動変速機とブレーキの協調制御装置として、特開昭63−38060号公報(特許文献1)に開示された技術がある。
上記特許文献1には、自動変速機(A/T)においてエンジンブレーキを動作するためのマニュアルシフトの際に、変速開始時から実際にエンジンブレーキが働くまでのニュートラル状態による空走を車両のブレーキを作動して防止する技術が開示されている。
また、上記特許文献1には、以下のように記載されている。マニュアルダウンシフトの変速指令時間から所定時間又はエンジンブレーキが効きはじめる(A/Tの出力軸の負トルクが大きくなる)まで、変速の種類と車速等から求められる変速時のエンジン負トルクのピーク値に対応して、車両のブレーキを作動させる。マニュアルシフト時に車両のブレーキが変速時の負のA/T出力軸トルクに対応した制動力で作動されることから、マニュアルシフト時にエンジンブレーキの大きさに対応して、車両に制動力が加えられる。マニュアルシフトが行われた時から変速が完了する時まで、安定した制動力が車両に加えられ、マニュアルシフト時に応答性が高くかつ安定した制動力が得られる。自動変速機のニュートラル状態の間、車両のブレーキが作動されて急激にエンジンブレーキがかからないので、制動力の変動が小さくなる。
特開昭63−38060号公報 特開2002−123898号公報
ところで、走行環境や走行状態などの所定の制御条件(制御開始条件)が成立したときに、その制御条件に基づいて、自動変速機とブレーキを協調制御することが考えられる。その場合、自動変速機とブレーキの協調制御が行われるべき走行環境や走行状態などの制御条件としては、様々な形態が考えられる。複数の形態のそれぞれに基づいて、自動変速機とブレーキの協調制御が行われる場合に、複数の形態のそれぞれの制御条件が同時に成立した場合についての検討がなされていない。
特に、複数の形態のそれぞれの制御条件が同時に成立した後、ある一つの制御条件が成立しなくなったときの取り扱いについて決められていないと、制御上、何らかの不都合が生じるおそれがある。
本発明の目的は、車両に制動力を生じさせる制動装置の制御と自動変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速制御が協調して行われて、車両の減速制御が行われるに際して、複数の制御条件が成立した場合に、不都合が発生することが最小限に抑制されつつ減速制御の実行が可能な車両の減速制御装置および車両を提供することである。
本発明の車両の減速制御装置は、車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより前記車両の減速制御を行う車両の減速制御装置であって、前記車両の走行環境に関する第1制御条件に基づいて、第1の減速制御を行う第1減速制御手段と、前記車両の走行環境に関する前記第1制御条件とは異なる第2制御条件に基づいて、第2の減速制御を行う第2減速制御手段とを備え、前記第1制御条件と前記第2制御条件が同時期に成立したときに、前記第1減速制御手段に設定される目標減速度および第2減速制御手段に設定される目標減速度のうち最大値が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の目標減速度に決定されることを特徴としている。
また、本発明の車両の減速制御装置は、車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより前記車両の減速制御を行う車両の減速制御装置であって、前記車両の走行環境に関する第1制御条件に基づいて、第1の減速制御を行う第1減速制御手段と、前記車両の走行環境に関する前記第1制御条件とは異なる第2制御条件に基づいて、第2の減速制御を行う第2減速制御手段とを備え、前記第1制御条件と前記第2制御条件が同時期に成立したときに、前記第1減速制御手段に設定される変速段又は変速比および第2減速制御手段に設定される変速段又は変速比のうち最低速用の変速段又は変速比が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の変速段又は変速比に決定されることを特徴としている。
また、本発明の車両の減速制御装置は、車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより前記車両の減速制御を行う車両の減速制御装置であって、前記車両の走行環境に関する第1制御条件に基づいて、第1の減速制御を行う第1減速制御手段と、前記車両の走行環境に関する前記第1制御条件とは異なる第2制御条件に基づいて、第2の減速制御を行う第2減速制御手段とを備え、前記第1制御条件と前記第2制御条件が同時期に成立したときに、前記第1減速制御手段に設定される目標減速度および第2減速制御手段に設定される目標減速度のうち最大値が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の目標減速度に決定されるとともに、前記第1減速制御手段に設定される変速段又は変速比および第2減速制御手段に設定される変速段又は変速比のうち最低速用の変速段又は変速比が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の変速段又は変速比に決定されることを特徴としている。
また、本発明の車両の減速制御装置は、車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより前記車両の減速制御を行う車両の減速制御装置であって、前記車両の走行環境に関する第1制御条件に基づいて、第1の減速制御を行う第1減速制御手段と、前記車両の走行環境に関する前記第1制御条件とは異なる第2制御条件に基づいて、第2の減速制御を行う第2減速制御手段とを備え、前記第1制御条件が成立して前記第1減速制御手段に目標減速度が設定されるとともに、前記第2制御条件が成立して前記第2減速制御手段に目標減速度が設定された場合に、前記第1減速制御手段に設定される目標減速度および第2減速制御手段に設定される目標減速度のうち最大値が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の目標減速度に決定されることを特徴としている。
また、本発明の車両の減速制御装置は、車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより前記車両の減速制御を行う車両の減速制御装置であって、前記車両の走行環境に関する第1制御条件に基づいて、第1の減速制御を行う第1減速制御手段と、前記車両の走行環境に関する前記第1制御条件とは異なる第2制御条件に基づいて、第2の減速制御を行う第2減速制御手段とを備え、前記第1制御条件が成立して前記第1減速制御手段に変速段又は変速比が設定されるとともに、前記第2制御条件が成立して前記第2減速制御手段に変速段又は変速比が設定された場合に、前記第1減速制御手段に設定される変速段又は変速比および第2減速制御手段に設定される変速段又は変速比のうち最低速用の変速段又は変速比が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の変速段又は変速比に決定されることを特徴としている。
また、本発明の車両の減速制御装置は、車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより前記車両の減速制御を行う車両の減速制御装置であって、前記車両の走行環境に関する第1制御条件に基づいて、第1の減速制御を行う第1減速制御手段と、前記車両の走行環境に関する前記第1制御条件とは異なる第2制御条件に基づいて、第2の減速制御を行う第2減速制御手段とを備え、前記第1制御条件が成立して前記第1減速制御手段に目標減速度及び変速段又は変速比が設定されるとともに、前記第2制御条件が成立して前記第2減速制御手段に目標減速度及び変速段又は変速比が設定された場合に、前記第1減速制御手段に設定される目標減速度および第2減速制御手段に設定される目標減速度のうち最大値が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の目標減速度に決定されるとともに、前記第1減速制御手段に設定される変速段又は変速比および第2減速制御手段に設定される変速段又は変速比のうち最低速用の変速段又は変速比が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の変速段又は変速比に決定されることを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置において、前記第1及び第2制御条件のうちのいずれか一方は、車間距離に関する条件であることを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置において、前記第1及び第2減速制御手段のうちの少なくともいずれか一方は、前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行うことを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置において、前記第1及び第2減速制御手段のうちのいずれか一方は、前記制動装置の作動及び前記変速動作の少なくとも一方により前記車両の減速制御を行うことを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置において、前記第1減速制御手段に設定される変速段又は変速比および前記第2減速制御手段に設定される変速段又は変速比は、相対的に低速用の変速段又は変速比であることを特徴としている。
また、本発明の車両は、制動力を生じさせる制動装置と、変速段又は変速比が変更可能な変速機と、上記の車両の減速制御装置とを備えることを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置および車両によれば、複数の制御条件が成立した場合に、不都合が発生することが最小限に抑制されつつ、制動装置と自動変速機の協調制御による減速制御の実行が可能となる。
以下、本発明の車両の減速制御装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1から図25を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、ブレーキ(制動装置)と自動変速機の協調制御を行う車両の減速制御装置に関する。
本実施形態では、ブレーキと自動変速機を協調制御して所望の減速度(被駆動力)を得るものにおいて、(1)路面勾配、(2)先方コーナR、(3)運転者の走行指向、(4)路面μ、及び(5)先行車両との相対車速ないしは車間距離、の中の少なくともいずれか2つに基づいて、出力変速段及び目標減速度の少なくともいずれか一つが決定される。
この場合、上記(1)〜(4)と(5)の制御条件が重畳したとき(同時に成立した場合)は、それぞれの変速段と目標減速度の最大値(低速段かつ大減速度)が選択される。
更に、路面μが所定値以下である場合には、選択された変速段と目標減速度の大きさに制限が設けられる。
本実施形態の構成としては、以下に詳述するように、以下の[1]〜[7]の構成が必要である。
[1]変速段または変速比を変更可能なトランスミッション
これは、有段変速機、無段変速機のいずれでもよい。本実施形態では、図2の自動変速機10が対応する。
[2]制動装置(ブレーキ又は自動変速機の後流に配置されたMG装置)
本実施形態では、図2のブレーキ装置200が対応する。
[3]車速及びエンジン負荷等により基本変速段を決定する手段
本実施形態では、図1の基本変速段確定手段601が対応する。
[4]被駆動時に、自動変速機と、制動装置を協調制御する手段
本実施形態では、図2の制御回路130が対応する。
[5]車間距離又は相対車速の検出手段、及びその検出結果に基づいて基本変速段を補正し、目標減速度を設定する手段
本実施形態では、図2の車間距離計測部101、相対車速検出・推定部97と、図1、図6の第2基本変速段補正手段(車間距離対応)604と、第2目標減速度設定手段(車間距離対応)605が対応する。
[6]道路情報や運転者の運転指向や路面μに基づいて、基本変速段を補正し、目標減速度を設定する手段
本実施形態では、図1の第1目標減速度設定手段(道路形状対応)602(図6の第1−1目標減速度設定手段(道路形状対応)602a)と、図1の第1基本変速段補正手段(道路形状対応)603(図6の第1−1基本変速段補正手段(道路形状対応)603a)と、図6の第1−2目標減速度設定手段(低μ路対応)602bと、第1−2基本変速段補正手段(低μ路対応)603bと、第1−3目標減速度設定手段(運転者指向対応)602cと、第1−3基本変速段補正手段(運転者指向対応)603cと、補正手段選択手段609と、第3目標減速度設定手段610が対応する。
[7]上記[3]〜[6]に基づいて、変速段と目標減速度を決定する手段
本実施形態では、最低速段セレクト手段606と、目標減速度MAXセレクト手段607が対応する。
[8]路面μに基づいて上記変速段と目標減速度を補正する手段
本実施形態では、図1、図6の路面μ補正手段608が対応する。
まず、図1を参照して、本実施形態の基本的な考え方について説明する。
まず、基本変速段確定手段601において、車速とエンジン負荷(アクセル開度等)に基づいて、基本変速段が確定される(通常一般の制御)。次に、第1目標減速度設定手段(道路形状対応)602では、道路勾配や先方コーナRに基づいて、基本変速段の補正が行われる。それに加えて、第1基本変速段補正手段(道路形状対応)603では、被駆動時(アクセルのOFF)に、目標減速度が設定される。
また、第2基本変速段補正手段(車間距離対応)604では、被駆動時に、車間距離情報に基づいて、上記基本変速段は、車間距離に対応した変速段に補正される。第2目標減速度設定手段(車間距離対応)605では、車間距離情報に基づいて、車間距離に対応した目標減速度が設定される。
最低速段セレクト手段606では、道路勾配や先方コーナRに基づく制御条件と、車間距離情報に基づく制御条件が共に成立した場合(重畳した場合)に、第1目標減速度設定手段(道路形状対応)602により補正された変速段と、第2基本変速段補正手段(車間距離対応)604により補正された変速段とが比較され、その比較の結果、低い方の変速段が選択される。
また、目標減速度MAXセレクト手段607では、道路勾配や先方コーナRに基づく制御条件と、車間距離情報に基づく制御条件が共に成立した場合(重畳した場合)に、第1基本変速段補正手段(道路形状対応)603により設定された目標減速度と、第2目標減速度設定手段(車間距離対応)605により設定された目標減速度とが比較され、その比較の結果、より大きな目標減速度が選択される。
路面μ補正手段608では、路面μが設定値よりも低い場合に、最低速段セレクト手段606により選択された変速段、及び目標減速度MAXセレクト手段607により選択された目標減速度の少なくともいずれか一方を制限して、相対的に低速側の変速段又は相対的に大きな目標減速度が設定されないようにされる。路面μが低い場合に、大きな減速度/駆動力の発生を抑えると共に、適度なエンジンブレーキ力を発生させるために高速段を規制するためである。
このように、路面μ補正手段608を経た変速段及び目標減速度がそれぞれ、最終変速段611、最終目標減速度612である。本実施形態の自動変速機とブレーキの協調制御では、最終変速段611に変速され、最終目標減速度612が目標減速度に設定される。
なお、路面μ補正手段608による変速段及び目標減速度の制限は、最低速段セレクト手段606及び目標減速度MAXセレクト手段607の選択よりも前に行われることができる。
上記のようにすることで、ブレーキと自動変速機の協調制御による各制御のレベルが向上すると共に、全体的な整合をとることができる。
図2において、符号10は自動変速機、40はエンジン、200はブレーキ装置である。自動変速機10は、電磁弁121a、121b、121cへの通電/非通電により油圧が制御されて5段変速が可能である。図2では、3つの電磁弁121a、121b、121cが図示されるが、電磁弁の数は3に限定されない。電磁弁121a、121b、121cは、制御回路130からの信号によって駆動される。
スロットル開度センサ114は、エンジン40の吸気通路41内に配置されたスロットルバルブ43の開度を検出する。エンジン回転数センサ116は、エンジン40の回転数を検出する。車速センサ122は、車速に比例する自動変速機10の出力軸120cの回転数を検出する。シフトポジションセンサ123は、シフトポジションを検出する。パターンセレクトスイッチ117は、変速パターンを指示する際に使用される。加速度センサ90は、車両の減速度(減速加速度)を検出する。相対車速検出・推定部97は、自車と前方の車両との相対車速を検出又は推定する。車間距離計測部101は、車両前部に搭載されたレーザーレーダーセンサ又はミリ波レーダーセンサなどのセンサを有し、先行車両との車間距離を計測する。
路面μ検出・推定部95は、路面の摩擦係数μを検出又は推定する。路面μ検出・推定部95による路面のμの検出・推定の具体的方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。例えば、前後の車輪速差の他に、車輪速の変化率や、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)やTRS(トラクション・コントロール・システム)やVSC(ビークル・スタビリティ・コントロール)の作動履歴、車両の加速度、ナビ情報の少なくともいずれか一つを用いて、路面のμの検出・推定を行うことができる。ここで、ナビ情報には、カーナビゲーションシステムのように予め記憶媒体(DVDやHDDなど)に記録されている路面(例えば非舗装路)の情報の他、車両自体が過去の実走行や他の車両や通信センターとの通信(車車間通信や路車間通信を含む)を介して得た情報(道路状況を示す情報や天候状況を示す情報を含む)が含まれる。その通信には、道路交通情報通信システム(VICS)やいわゆるテレマティクスが含まれる。
ナビゲーションシステム装置119は、自車両を所定の目的地に誘導することを基本的な機能としており、演算処理装置と、車両の走行に必要な情報(地図、直線路、カーブ、登降坂、高速道路など)が記憶された情報記憶媒体と、自立航法により自車両の現在位置や道路状況を検出し、地磁気センサやジャイロコンパス、ステアリングセンサを含む第1情報検出装置と、電波航法により自車両の現在位置、道路状況などを検出するためのもので、GPSアンテナやGPS受信機などを含む第2情報検出装置等を備えている。
運転指向推定部115は、CPU131の一部として設けられることができる。運転指向推定部115は、運転者の運転状態及び車両の走行状態に基づいて、運転者の運転指向(スポーツ走行指向か通常走行指向)を推定する。運転指向推定部115の詳細については更に後述する。ここで、スポーツ走行指向とは、動力性能を重視した指向、加速指向ないしは運転者の操作に対する車両の反応が迅速なスポーツ走行を好むことを意味する。
道路勾配計測・推定部118は、CPU131の一部として設けられることができる。道路勾配計測・推定部118は、加速度センサ90により検出された加速度に基づいて、道路勾配を計測又は推定するものであることができる。また、道路勾配計測・推定部118は、平坦路での加速度を予めROM133に記憶させておき、実際に加速度センサ90により検出した加速度と比較して道路勾配を求めるものであることができる。
制御回路130は、スロットル開度センサ114、エンジン回転数センサ116、車速センサ122、シフトポジションセンサ123、加速度センサ90の各検出結果を示す信号を入力し、また、パターンセレクトスイッチ117のスイッチング状態を示す信号を入力し、また、ナビゲーションシステム装置119からの信号を入力し、相対車速検出・推定部97及び路面μ検出・推定部95のそれぞれによる検出又は推定の結果を示す信号を入力し、また、車間距離計測部101による計測結果を示す信号を入力する。
制御回路130は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU131、RAM132、ROM133、入力ポート134、出力ポート135、及びコモンバス136を備えている。入力ポート134には、上述の各センサ114、116、122、123、90からの信号、上述のスイッチ117からの信号、相対車速検出・推定部97、路面μ検出・推定部95及び車間距離計測部101のそれぞれからの信号が入力される。出力ポート135には、電磁弁駆動部138a、138b、138c、及びブレーキ制御回路230へのブレーキ制動力信号線L1が接続されている。ブレーキ制動力信号線L1では、ブレーキ制動力信号SG1が伝達される。
ROM133には、予め図7−1〜図9−2のフローチャートに示す動作(制御ステップ)が格納されているとともに、自動変速機10のギヤ段を変速するための変速マップ及び変速制御の動作(図示せず)が格納されている。制御回路130は、入力した各種制御条件に基づいて、自動変速機10の変速を行う。
ブレーキ装置200は、制御回路130からブレーキ制動力信号SG1を入力するブレーキ制御回路230によって制御されて、車両を制動する。ブレーキ装置200は、油圧制御回路220と、車両の車輪204、205、206、207に各々設けられる制動装置208、209、210、211とを備えている。各制動装置208、209、210、211は、油圧制御回路220によって制動油圧が制御されることにより、対応する車輪204、205、206、207の制動力を制御する。油圧制御回路220は、ブレーキ制御回路230により、制御される。
油圧制御回路220は、ブレーキ制御信号SG2に基づいて、各制動装置208、209、210、211に供給する制動油圧を制御することで、ブレーキ制御を行う。ブレーキ制御信号SG2は、ブレーキ制動力信号SG1に基づいて、ブレーキ制御回路230により生成される。ブレーキ制動力信号SG1は、自動変速機10の制御回路130から出力され、ブレーキ制御回路230に入力される。ブレーキ制御の際に車両に与えられるブレーキ力は、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる各種データに基づいてブレーキ制御回路230により生成される、ブレーキ制御信号SG2によって定められる。
ブレーキ制御回路230は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU231、RAM232、ROM233、入力ポート234、出力ポート235、及びコモンバス236を備えている。出力ポート235には、油圧制御回路220が接続されている。ROM233には、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる各種データに基づいて、ブレーキ制御信号SG2を生成する際の動作が格納されている。ブレーキ制御回路230は、入力した各制御条件に基づいて、ブレーキ装置200の制御(ブレーキ制御)を行う。
次に、運転指向推定部115の詳細について説明する。
運転指向推定部115は、複数種類の運転操作関連変数のいずれかの算出毎にその運転操作関連変数が入力されて推定演算が起動されるニューラルネットワークNNを備え、そのニューラルネットワークNNの出力に基づいて車両の運転指向を推定する。
例えば図5に示すように、運転指向推定部115は、信号読込手段96と、前処理手段98と、運転指向推定手段100とを備えている。信号読込手段96は、前記各センサ114、122、116、124、225、123などからの検出信号を比較的短い所定の周期で読み込む。前処理手段98は、信号読込手段96により逐次読み込まれた信号から、運転指向を反映する運転操作に密接に関連する複数種類の運転操作関連変数、すなわち車両発進時の出力操作量(アクセルペダル操作量)すなわち車両発進時のスロットル弁開度TAST、加速操作時の出力操作量の最大変化率すなわちスロットル弁開度の最大変化率ACCMAX 、車両の制動操作時の最大減速度GNMAX、車両の惰行走行時間TCOAST 、車速一定走行時間TVCONST、所定区間内において各センサから入力された信号の区間最大値、運転開始以後における最大車速Vmax などをそれぞれ算出する運転操作関連変数算出手段である。運転指向推定手段100は、前処理手段98により運転操作関連変数が算出される毎にその運転操作関連変数が許可されて運転指向推定演算を行うニューラルネットワークNNを備え、そのニューラルネットワークNNの出力である運転指向推定値を出力する。
図5の前処理手段98には、車両発進時の出力操作量すなわち車両発進時のスロットル弁開度TASTを算出する発進時出力操作量算出手段98a、加速操作時における出力操作量の最大変化率すなわちスロットル弁開度の最大変化率ACCMAX を算出する加速操作時出力操作量最大変化率算出手段98b、車両の制動操作時の最大減速度GNMAXを算出する制動時最大減速度算出手段98c、車両の惰行走行時間TCOAST を算出する惰行走行時間算出手段98d、車速一定走行時間TVCONSTを算出する車速一定走行時間算出手段98e、例えば3秒程度の所定区間内における各センサからの入力信号のうちの最大値を周期的に算出する入力信号区間最大値算出手段98f、運転開始以後における最大車速Vmax を算出する最大車速算出手段98gなどがそれぞれ備えられている。
上記入力信号区間最大値算出手段98fにおいて算出される所定区間内の入力信号のうちの最大値としては、スロットル弁開度TAmaxt、車速Vmaxt、エンジン回転速度NEmaxt 、前後加速度NOGBW maxt (減速のときは負の値)或いは減速度GNMAXt (絶対値)が用いられる。前後加速度NOGBW maxt 或いは減速度GNMAXt は、例えば車速V(NOUT )の変化率から求められる。
図5の運転指向推定手段100に備えられたニューラルネットワークNNは、コンピュータプログラムによるソフトウエアにより、或いは電子的素子の結合から成るハードウエアにより生体の神経細胞群をモデル化して構成され得るものであり、例えば図5の運転指向推定手段100のブロック内に例示されるように構成される。
図5において、ニューラルネットワークNNは、r個の神経細胞要素(ニューロン)Xi (X1 〜Xr )から構成された入力層と、s個の神経細胞要素Yj (Y1 〜Ys )から構成された中間層と、t個の神経細胞要素Zk (Z1 〜Zt )から構成された出力層とから構成された3層構造の階層型である。そして、上記入力層から出力層へ向かって神経細胞要素の状態を伝達するために、結合係数(重み)WXij を有して上記r個の神経細胞要素Xi とs個の神経細胞要素Yj とをそれぞれ結合する伝達要素DXij と、結合係数(重み)WYjk を有してs個の神経細胞要素Yj とt個の神経細胞要素Zk とをそれぞれ結合する伝達要素DYjk が設けられている。
上記ニューラルネットワークNNは、その結合係数(重み)WXij 、結合係数(重み)WYjk を所謂誤差逆伝搬学習アルゴリズムによって学習させられたパターン連想型のシステムである。その学習は、前記運転操作関連変数の値と運転指向とを対応させる走行実験によって予め完了させられているので、車両組み立て時では、上記結合係数(重み)WXij 、結合係数(重み)WYjk は固定値が与えられている。
上記の学習に際しては、複数の運転者についてそれぞれスポーツ走行指向、通常走行(ノーマル)指向の運転が例えば高速道路、郊外道路、山岳道路、市街道路などの種々の道路において実施され、そのときの運転指向を教師信号とし、教師信号とセンサ信号を前処理したn個の指標(入力信号)とがニューラルネットワークNNに入力させられる。なお、上記教師信号は運転指向を0から1までの値に数値化し、例えば通常走行指向を0、スポーツ走行指向を1とする。また、上記入力信号は−1から+1までの間あるいは0から1までの間の値に正規化して用いられる。
次に、自動変速機10の構成を図3に示す。図3おいて、内燃機関にて構成されている走行用駆動源としてのエンジン40の出力は、入力クラッチ12、流体式動力伝達装置としてのトルクコンバータ14を経て自動変速機10に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達される。入力クラッチ12とトルクコンバータ14との間には、電動モータおよび発電機として機能する第1モータジェネレータMG1が配設されている。
トルクコンバータ14は、入力クラッチ12に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機10の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、それらポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えている。
自動変速機10は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速部32と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速部34とを備えている。第1変速部32は、サンギヤS0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置36と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およびハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備えている。
第2変速部34は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置40と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置42と、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置44とを備えている。
サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸120cに連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3および中間軸48に一体的に連結されている。そして、リングギヤR0と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS2とリングギヤR0との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられる。
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられる。
以上のように構成された自動変速機10では、例えば図4に示す作動表に従って後進1段および変速比が順次異なる前進5段(1st〜5th)の変速段の何れかに切り換えられる。図4において「○」は係合で、空欄は解放を表し、「◎」はエンジンブレーキ時の係合を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。前記クラッチC0〜C2、およびブレーキB0〜B4は何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
図6は、本実施形態の構成・動作を説明するための機能ブロック図である。図6において、図1と共通する構成については、同じ又は対応する符号が付されている。
図6に示すように、図1の構成に加えて、路面μに基づいて、目標減速度を設定する第1−2目標減速度設定手段(低μ路対応)602bと、同じく路面μに基づいて、上記基本変速段を補正する第1−2基本変速段補正手段(低μ路対応)603bと、アクセル開度の変化情報から得られる運転者指向に基づいて、目標減速度を設定する第1−3目標減速度設定手段(運転者指向対応)602cと、同じく運転者指向に基づいて、上記基本変速段を補正する第1−3基本変速段補正手段(運転者指向対応)603cとを備えている。
図1の第1目標減速度設定手段(道路形状対応)602は、図6では、第1−1目標減速度設定手段(道路形状対応)602aに対応し、図1の第1基本変速段補正手段(道路形状対応)603は、図6の第1−1基本変速段補正手段(道路形状対応)603aに対応している。
まず、目標減速度の設定について説明する。
低μ路である場合には、第1−2目標減速度設定手段(低μ路対応)602bにより目標減速度が設定され、第3目標減速度設定手段610に出力される。
低μ路ではなく、運転者の走行指向がスポーツ走行指向である場合には、第1−3目標減速度設定手段(運転者指向対応)602cにより目標減速度が設定され、第3目標減速度設定手段610に出力される。
また、低μ路ではなく、運転者の走行指向がスポーツ走行指向でもない場合には、第1−1目標減速度設定手段(道路形状対応)602aにより目標減速度が設定され、第3目標減速度設定手段610に出力される。
第3目標減速度設定手段610は、入力した目標減速度を目標減速度MAXセレクト手段607に出力する。
次に、変速段の設定について説明する。
低μ路である場合には、第1−2基本変速段補正手段(低μ路対応)603bにより変速段が設定され、補正手段選択手段609に出力される。
低μ路ではなく、運転者の走行指向がスポーツ走行指向である場合には、第1−3基本変速段補正手段(運転者指向対応)603cにより変速段が設定され、補正手段選択手段609に出力される。
また、低μ路ではなく、運転者の走行指向がスポーツ走行指向でもない場合には、第1−1基本変速段補正手段(道路形状対応)603aにより変速段が設定され、補正手段選択手段609に出力される。
補正手段選択手段609は、入力した変速段を最低速段セレクト手段606に出力する。
最低速段セレクト手段606では、補正手段選択手段609により出力された変速段と、第2基本変速段補正手段(車間距離対応)604により補正された変速段のうち、より低速側の変速段が選択される。その選択された変速段が路面μ補正手段608を経た後の変速段が最終変速段611とされる。
目標減速度MAXセレクト手段607では、第3目標減速度設定手段610により出力された目標減速度と、第2目標減速度設定手段(車間距離対応)605により設定された目標減速度のうち、より大きな目標減速度が選択される。その選択された目標減速度が路面μ補正手段608を経た後の目標減速度が最終目標減速度612とされる。
本実施形態の自動変速機10とブレーキ装置200の協調制御では、最終変速段611に変速され、目標減速度が最終目標減速度612に設定される。
図2及び図7−1〜図9−2を参照して、本実施形態の動作を説明する。
まず、図7−1及び図7−2を参照して、最終目標減速度612の求め方について説明する。
[ステップS1]
まず、図7−1のステップS1に示すように、制御回路130では、路面μ検出・推定部95からの信号に基づいて、路面μが設定値よりも低い低μ路であるか否か、及び運転指向推定部115からの信号に基づいて、運転者の運転指向がスポーツ走行指向であるか否かがモニタされる。ステップS1の次に、ステップS2が行われる。
[ステップS2]
ステップS2では、制御回路130により、スロットル開度センサ114からの信号に基づいて、アクセルがOFFの状態か否かが判定される。ステップS2の結果、アクセルがOFFの状態であると判定されれば、ステップS3に進む。一方、アクセルがOFFの状態であると判定されなければ、本制御フローはリターンされる。
[ステップS3]
ステップS3では、制御回路130により、低μ路であるか否かが判定される。このステップS3では、ステップS1でのモニタ結果を用いて、低μ路であるか否かの判定が行われる。ステップS3の結果、低μ路である場合には、ステップS4に進み、そうでない場合には、ステップS7に進む。
[ステップS4]
ステップS4では、制御回路130により、低μ路用ベース減速度マップに基づいて、ベース減速度が求められる。ステップS4では、図10に示される低μ路用ベース減速度マップが用いられる。低μ路用ベース減速度マップは、ROM133に予め登録されている。図10に示すように、コーナRと、道路勾配に基づいて、低μ路用の目標減速度のベースとなるベース減速度が求められる。
図10の低μ路用ベース減速度マップでは、後述のステップS11で使用される図11の高μ路用ベース減速度マップに比べて、中程度の減速度にホールドされ易くされている。低μ路では、大きな減速度が生じないようにされるとともに、適度な減速度が生じるように低い減速度が規制される。ステップS4の次に、ステップS5が行われる。
[ステップS5]
ステップS5では、制御回路130により、低μ路用必要減速度補正量マップに基づいて、低μ路用の必要補正量減速度が求められる。ステップS5では、図13に示される低μ路用必要減速度補正量マップが用いられる。低μ路用必要減速度補正量マップは、ROM133に予め格納されている。図13の低μ路用必要減速度補正量マップには、必要減速度401と車速(自動変速機10の出力軸120cの回転数NOに対応)とから決まる、低μ路用必要減速度補正量が定められている。
まず、必要減速度401について説明する。
必要減速度401とは、図16に記載されている通り、先方のコーナ501を予め設定された所望の旋回Gで旋回するために(所望の推奨車速Vreqでコーナ501に進入するために)必要とされる減速度である。即ち、所望の推奨車速Vreqでコーナ501に進入するための車速軌跡の傾きである。推奨車速Vreqは、コーナ501の半径(又は曲率)Rに対応した値である。上記ステップS2においてアクセルが全閉であると判定された場所Aにおける車速から、コーナ501の入口502で要求される推奨車速Vreqまで減速するには、図16の必要減速度401で示すような減速が必要とされる。アクセルが全閉であると判定された場所がコーナ501の入口502に近いほど、必要減速度401は大きな値となる。
制御回路130は、車速センサ122から入力した現在の車速と、ナビゲーションシステム装置119から入力した、現在位置からコーナ501の入口502までの距離L及びコーナ501のRに基づいて、必要減速度401を算出する。以下では、必要減速度401の求め方について説明する。
必要減速度401が求められるに際しては、まず、(1)コーナ501の入口502での推奨車速Vreqを求め、次に、(2)必要減速度401が求められる。
以下では、(1)と(2)に項目分けして説明する。
(1)推奨車速Vreqの算出
推奨車速Vreqは、下記式[1]より求められる。
Vreq=√(G×9.8×R)…[1]
ここで、G:コーナ走行時の旋回横G、R:コーナの半径、である。
以下で、上記式[1]の導出を行う。
α=V×ω=R×ω2=V2/R…[2](等速円運動の式より)
ここで、α:加速度、ω:角速度、V:速度、R:半径、である。
上記[2]式より、
V=√(α×R) α=G×9.8なので(9.8:重力加速度)
V=√(G×9.8×R)
(2)必要減速度401の算出
必要減速度401をGreqとすると、Greqは下記式[3]より求められる。
Greq=(V2−Vreq2)/(2×L×9.8)…[3]
ここで、V:現在(アクセルOFF時)の車速、L:コーナからの距離、である
以下で、上記式[3]の導出を行う。
1=V0+α×t…[4](等加速度運動の式より)
L=V0×t+1/2×α×t2…[5](等加速度運動の式より)
ここで、V0:初速、V1:t秒後速度、α:加速度、t:時間、L:移動距離、である。
上記[4]式より、t=(V1−V0)/α…[6]
上記式[6]を上記式[5]に代入
L=V0×(V1−V0)/α+α×(V1−V02/(2×α2
L=(V1 2−V0 2)/(2×α)
α=(V1 2−V0 2)/(2×L)
αをGに変換
G=(V1 2−V0 2)/(2×L×9.8)
上記のようにして、必要減速度401が求められると、次に、図13に示すように、必要減速度401と、車速(自動変速機10の出力軸120cの回転数NOに対応)とから、必要減速度補正量が求められる。上記式[3]より、コーナまでの距離Lが小さいと、必要減速度401(Greq)が大きくなることが示され、図13より、必要減速度401が大きいほど、必要減速度補正量が大きくなることが示されている。
なお、上記式[1]のG(旋回横G)の値は、可変に設定されることができる。
ここで、必要減速度補正量は、理論上から求まる値ではなく、各種条件から適宜設定可能な適合値である。即ち、スポーツ走行指向では、減速すべきときには相対的に大きな減速度が好まれるため、図15に示されるスポーツ走行指向用必要減速度補正量マップでは、上記必要減速度補正量の値が大きな値に設定されている。
また、上述した理由から、図13の低μ路用必要減速度補正量マップでは、図14の高μ路ベース用必要減速度補正量マップに比べて、必要減速度補正量が、小さな値に設定される。
ステップS5の次に、ステップS6が行われる。
[ステップS6]
ステップS6では、制御回路130により、目標減速度が求められる。目標減速度は、上記ステップS4で求められたベース減速度と、上記ステップS5で求められた必要減速度補正量の和として求められる。ステップS4からステップS6は、図6の第1−2目標減速度設定手段(低μ路対応)602bに対応している。ステップS6の次に、ステップS14が行われる。
[ステップS7]
ステップS7では、制御回路130により、運転指向がスポーツ走行指向(パワー走行指向)であるか否かが判定される。制御回路130は、運転指向推定部115により推定された運転者の運転指向(運転指向推定値)に基づいて、運転者の運転指向がスポーツ走行指向か否かを判定する。
ステップS7の判定の結果、運転者の運転指向がスポーツ走行指向であると判定されれば、ステップS8が実行される。一方、運転者の運転指向がスポーツ走行指向であると判定されない場合には、ステップS11が実行される。
[ステップS8]
ステップS8では、制御回路130により、スポーツ走行指向用ベース減速度マップに基づいて、ベース減速度が求められる。ステップS8では、図12に示されるスポーツ走行指向用ベース減速度マップが用いられる。スポーツ走行指向用ベース減速度マップは、ROM133に予め登録されている。図12に示すように、コーナRと、道路勾配に基づいて、スポーツ走行指向時の目標減速度のベースとなるベース減速度が求められる。
図12のスポーツ走行指向用ベース減速度マップでは、後述のステップS11で使用される図11の高μ路ベース用ベース減速度マップに比べて、大きな減速度が生じるように設定されている。スポーツ走行指向時には、運転者の操作に対する車両の応答性を高め、きびきびとした車両走行を実現するためである。ステップS8の次に、ステップS9が行われる。
[ステップS9]
ステップS9では、制御回路130により、スポーツ走行指向用必要減速度補正量マップに基づいて、スポーツ走行指向用の必要補正量減速度が求められる。ステップS9では、図15に示されるスポーツ走行指向用必要減速度補正量マップが用いられる。スポーツ走行指向用必要減速度補正量マップは、ROM133に予め格納されている。図15のスポーツ走行指向用必要減速度補正量マップでは、図14の高μ路ベース用必要減速度補正量マップに比べて、必要減速度補正量が、大きな値に設定される。上述したように、スポーツ走行指向時には、運転者の操作に対する車両の応答性を高め、きびきびとした車両走行を実現するためである。ステップS9の次には、ステップS10が行われる。
[ステップS10]
ステップS10では、制御回路130により、目標減速度が求められる。目標減速度は、上記ステップS8で求められたベース減速度と、上記ステップS9で求められた必要減速度補正量の和として求められる。ステップS8からステップS10は、図6の第1−3目標減速度設定手段(運転者指向対応)602cに対応している。ステップS10の次に、ステップS14が行われる。
[ステップS11]
ステップS11では、制御回路130により、高μ路ベース用ベース減速度マップに基づいて、ベース減速度が求められる。ステップS11では、図12に示される高μ路ベース用ベース減速度マップが用いられる。高μ路ベース用ベース減速度マップは、ROM133に予め登録されている。図11に示すように、コーナRと、道路勾配に基づいて、高μ路ベース時の目標減速度のベースとなるベース減速度が求められる。ステップS11の次には、ステップS12が行われる。
[ステップS12]
ステップS9では、制御回路130により、高μ路ベース用必要減速度補正量マップに基づいて、高μ路ベース用の必要補正量減速度が求められる。ステップS12では、図14に示される高μ路ベース用必要減速度補正量マップが用いられる。高μ路ベース用必要減速度補正量マップは、ROM133に予め格納されている。ステップS12の次には、ステップS13が行われる。
[ステップS13]
ステップS13では、制御回路130により、目標減速度が求められる。目標減速度は、上記ステップS11で求められたベース減速度と、上記ステップS12で求められた必要減速度補正量の和として求められる。ステップS12の次に、ステップS13が行われる。ステップS11からステップS13は、図6の第1−1目標減速度設定手段(道路形状対応)602aに対応している。ステップS13の次には、ステップS14が行われる。
[ステップS14]
ステップS14では、制御回路130では、車間距離計測部101から入力した車間距離を示す信号に基づいて、自車と前方の車両との車間距離が所定値以下であるか否かを判定する。ステップS14の結果、車間距離が所定値以下であると判定されれば、ステップS15に進む。一方、車間距離が所定値以下であると判定されなければ、ステップS16に進む。
制御回路130では、車間距離が所定値以下であるか否かを直接的に判定する代わりに、車間距離が所定値以下に詰まったことが判るパラメータ、例えば衝突時間(車間距離/相対車速)、車間時間(車間距離/自車速)、それらの組み合わせなどにより、間接的に車間距離が所定値以下であるか否かを判定してもよい。
[ステップS15]
ステップS15では、制御回路130により、目標減速度が求められる。目標減速度は、自車に対してその目標減速度に基づく減速制御(後述)が行われたときに、前方車両との関係が目標の車間距離や相対車速になるような値(減速加速度)として求められる。目標減速度を示す信号は、ブレーキ制動力信号SG1として、制御回路130からブレーキ制動力信号線L1を介してブレーキ制御回路230に出力される。
目標減速度は、予めROM133に記憶された目標減速度マップ(図17)を参照して求められる。図17に示すように、目標減速度は、自車と前方車両との相対車速[km/h]と車間時間[sec]に基づいて求められる。なお、ここで、車間時間は、上記の通り、車間距離/自車速である。
図17において、例えば、相対車速が−20[km/h]であって、車間時間が1.0[sec]であるときの目標減速度は−0.20(G)である。自車と前方車両との関係が安全な相対車速や車間距離に近づく程、目標減速度は、小さな値として(減速しないように)設定される。即ち、目標減速度は、自車と前方車両との距離が十分に確保される程、図17の目標減速度マップの右上側の小さな値として求められ、自車と前方車両とが接近している程、同目標減速度マップの左下側の大きな値として求められる。ステップS15は、図6の第2目標減速度設定手段(車間距離対応)605に対応している。ステップS15の次に、ステップS16が実行される。
[ステップS16]
ステップS16では、制御回路130により、上記のステップで求めた目標減速度のうち最大の目標減速度が選択される。
上記のように、低μ路である場合(ステップS3−Y)には、ステップS4〜ステップS6(第1−2目標減速度設定手段(低μ路対応)602b)に基づいて、目標減速度が求められる。一方、低μ路ではなくスポーツ走行指向である場合(ステップS7−Y)には、ステップS8〜ステップS9(第1−3目標減速度設定手段(運転者指向対応)602c)に基づいて、目標減速度が求められる。他方、低μ路ではなくスポーツ走行指向でもない場合(ステップS7−N)には、ステップS11〜ステップS13(第1−1目標減速度設定手段(道路形状対応)602a)に基づいて、目標減速度が求められる。
これらのことから、ステップS3〜ステップS13までのステップにおいては、第1−1目標減速度設定手段(道路形状対応)602a、第1−2目標減速度設定手段(低μ路対応)602b及び第1−3目標減速度設定手段(運転者指向対応)602cのいずれか一つのみによって、目標減速度が求められる。
また、車間距離が所定値以下である場合(ステップS14−Y)には、ステップS15(第2目標減速度設定手段(車間距離対応)605)によって、目標減速度が設定され、車間距離が所定値よりも大きい場合(ステップS14−N)には、第2目標減速度設定手段(車間距離対応)605によっては、目標減速度は設定されない。
ステップS16では、車間距離が所定値以下である場合(ステップS14−Y)には、ステップS15(第2目標減速度設定手段(車間距離対応)605)によって求められた目標減速度と、第1−1目標減速度設定手段(道路形状対応)602a、第1−2目標減速度設定手段(低μ路対応)602b及び第1−3目標減速度設定手段(運転者指向対応)602cのいずれか一つのみによって求められた目標減速度のうち、いずれか大きい目標減速度が選択される。
一方、ステップS16では、車間距離が所定値よりも大きい場合(ステップS14−N)には、第1−1目標減速度設定手段(道路形状対応)602a、第1−2目標減速度設定手段(低μ路対応)602b及び第1−3目標減速度設定手段(運転者指向対応)602cのいずれか一つのみによって求められた目標減速度が、そのままステップS16の選択結果として選択される。ステップS16は、目標減速度MAXセレクト手段607に対応している。ステップS16の次に、ステップS17が行われる。
[ステップS17]及び[ステップS18]
ステップS17では、制御回路130が、路面μ検出・推定部95からの信号に基づいて、路面μが所定値よりも低いか否かが判定される。ステップS17の判定の結果、路面μが所定値よりも低いと判定された場合には、ステップS18に進み、そうでない場合には、ステップS19に進む。
車間距離に基づく目標減速度の設定に際しては、路面μが考慮されていないため、ステップS15(第2目標減速度設定手段(車間距離対応)605)によって非常に大きな値の目標減速度が求められることが考えられる。その場合には、ステップS16では、その非常に大きな目標減速度が選択されることになるが、それは、路面μが低い場合には、車両の安定性にとって好ましくない。そこで、路面μが低い場合(ステップS17−Y)には、ステップS16で選択された目標減速度を所定値以下に制限することとしている(ステップS18)。ステップS17及びステップS18は、路面μ補正手段608に対応している。ステップS18の次には、ステップS19に進む。ここで、ステップS17の判定しきい値である所定値と、ステップS3での判定しきい値である設定値とは異なる値であることができる。
[ステップS19]
ステップS19では、制御回路130により、最終目標減速度が決定される。即ち、ステップS17において、路面μが低いと判定されない場合には、ステップS16で選択された目標減速度がそのまま最終目標減速度として決定される。一方、ステップS17において、路面μが低いと判定された場合には、ステップS16で選択された目標減速度がステップS18において所定値以下に制限された後の値が、最終目標減速度として決定される。ステップS19によって決定された最終目標減速度は、最終目標減速度612に対応している。ステップS19の次には、本制御フローはリセットされる。
再度の本制御フローにおいて、ステップS5、ステップS9、ステップS12の必要減速度補正量は、コーナの入口までの距離Lに応じて変化する値であるため、ステップS6、ステップS10、ステップS13で求められる目標減速度は、リアルタイムで更新される値である。最初の1サイクル回目の制御フローのステップS19で求められる最終目標減速度は、後述する図9−1において、減速制御の開始条件(ステップSC1)が成立した後、変速制御(ステップSC2)及びブレーキ制御(ステップSC3)が実際に実行される前の時点(減速制御開始時点)での最終目標減速度として、特に、最大目標減速度と称される。即ち、最終目標減速度は、後述するように、減速制御の途中段階においてもリアルタイムに求められるため、ブレーキ制御及び変速制御が実際に実行された後(実行継続中)に求められる最終目標減速度と区別する意味で、最初の1サイクル回目の制御フローのステップS19で求められる最終目標減速度は、特に、最大目標減速度と称される。
次に、図8−1及び図8−2を参照して、最終変速段611の求め方について説明する。
図8−1のステップSA1〜SA3は、図7−1のステップS1〜S3と同じであり、ステップSA5は、ステップS7と同じであり、ステップSA8は、ステップS14と同じであり、ステップSA11は、ステップS17と同じであるため、その説明は省略する。
[ステップSA4]
ステップSA4では、制御回路130により、低μ路用変速段マップに基づいて、変速段が求められる。ステップSA4では、図18に示される低μ路用変速段マップが用いられる。低μ路用変速段マップは、ROM133に予め登録されている。図18に示すように、コーナRと、道路勾配に基づいて、低μ路用の変速段が求められる。
図18の低μ路用変速段マップでは、後述のステップSA7で使用される図19の高μ路ベース用変速段マップに比べて、中程度の変速段にホールドされ易くされている。低μ路では、大きな減速度/駆動力が生じないように低速用変速段が選択され難くされるとともに、適度な減速度が生じるように高い変速段が規制される。ステップSA4は、図6の第1−2基本変速段補正手段(低μ路対応)603bに対応している。ステップSA4の次に、ステップSA8が行われる。
[ステップSA6]
ステップSA6では、制御回路130により、スポーツ走行指向用変速段マップに基づいて、変速段が求められる。ステップSA6では、図20に示されるスポーツ走行指向用変速段マップが用いられる。スポーツ走行指向用変速段マップは、ROM133に予め登録されている。図20に示すように、コーナRと、道路勾配に基づいて、スポーツ走行指向用の変速段が求められる。ステップSA6は、図6の第1−3基本変速段補正手段(運転者指向対応)603cに対応している。
図20のスポーツ走行指向用変速段マップでは、後述のステップSA7で使用される図19の高μ路ベース用変速段マップに比べて、低速用の変速段が選択されるように設定されている。スポーツ走行指向時には、運転者の操作に対する車両の応答性を高め、きびきびとした車両走行を実現するためである。ステップSA6の次に、ステップSA8が行われる。
[ステップSA7]
ステップSA7では、制御回路130により、高μ路ベース用変速段マップに基づいて、変速段が求められる。ステップSA7では、図19に示される高μ路ベース用変速段マップが用いられる。高μ路ベース用変速段マップは、ROM133に予め登録されている。図19に示すように、コーナRと、道路勾配に基づいて、高μ路ベース用の変速段が求められる。ステップSA7は、図6の第1−1基本変速段補正手段(道路形状対応)603aに対応している。ステップSA7の次に、ステップSA8が行われる。
[ステップSA9]
ステップSA9では、制御回路130により、車間距離に対応した変速段が求められる。ここでは、制御回路130により、自動変速機10による目標減速度(以下、変速段目標減速度)が求められ、その変速段目標減速度に基づいて、自動変速機10の変速制御(シフトダウン)に際して選択すべき変速段が決定されることができる。以下、このステップSA9の内容を(1)、(2)に項分けして説明する。
(1)まず、変速段目標減速度を求める。
変速段目標減速度は、自動変速機10の変速制御により得ようとするエンジンブレーキ力(減速加速度)に対応したものである。変速段目標減速度は、最大目標減速度以下の値として設定される。変速段目標減速度の求め方としては、以下の3つの方法が考えられる。
まず、変速段目標減速度の第1の求め方について説明する。
変速段目標減速度は、図7−1のステップS15において図17の目標減速度マップにより求めた最大目標減速度に、0よりも大きく1以下の係数を乗算した値として設定する。例えば、図7−1のステップS15の上記例の場合と同様に、最大目標減速度が−0.20Gである場合には、例えば0.5の係数を乗算してなる値である、−0.10Gが変速段目標減速度として設定されることができる。
次に、変速段目標減速度の第2の求め方について説明する。
予めROM133に、変速段目標減速度マップ(図21)が登録されている。図21の変速段目標減速度マップが参照されて、変速段目標減速度が求められる。図21に示すように、変速段目標減速度は、図17の目標減速度と同様に、自車と前方車両との相対車速[km/h]と車間時間[sec]に基づいて求められる。例えば、図7−1のステップS15の上記例の場合と同様に、相対車速が−20[km/h]であって、車間時間が1.0[sec]である場合には、−0.10Gが変速段目標減速度として求められる。図17及び図21から明らかなように、相対車速が大きく急激に接近する場合、車間時間が短い場合、あるいは車間距離が短い場合は、早期に車間距離を適正な状態にする必要があるため、減速度をより大きくする必要がある。また、このことから、上記の状況ではより低速段が選択されることになる。
次に、変速段目標減速度の第3の求め方について説明する。
まず、自動変速機10の現状のギヤ段のアクセルOFF時のエンジンブレーキ力(減速G)を求める(以下、現状ギヤ段減速度と称する)。予めROM133に現状ギヤ段減速度マップ(図22)が登録されている。図22の現状ギヤ段減速度マップが参照されて、現状ギヤ段減速度(減速加速度)が求められる。図22に示すように、現状ギヤ段減速度は、ギヤ段と自動変速機10の出力軸120cの回転数NOに基づいて求められる。例えば、現状ギヤ段が5速で出力回転数が1000[rpm]であるときには、現状ギヤ段減速度は−0.04Gである。
なお、現状ギヤ段減速度は、車両のエアコン作動の有無やフューエルカットの有無などの諸状況に応じて、現状ギヤ段減速度マップにより求めた値を補正してもよい。また、車両のエアコン作動の有無やフューエルカットの有無などの諸状況毎に、複数の現状ギヤ段減速度マップをROM133に用意しておき、それらの諸状況に応じて使用する現状ギヤ段減速度マップを切り換えてもよい。
次いで、現状ギヤ段減速度と最大目標減速度との間の値として、変速段目標減速度が設定される。即ち、変速段目標減速度は、現状ギヤ段減速度よりも大きく、最大目標減速度以下の値として求められる。変速段目標減速度と現状ギヤ段減速度及び最大目標減速度との関係の一例を図23に示す。
変速段目標減速度は、以下の式により求められる。
変速段目標減速度=(最大目標減速度−現状ギヤ段減速度)×係数+現状ギヤ段減速度
上記式において、係数は0より大きく1以下の値である。
上記例では、最大目標減速度=−0.20G、現状ギヤ段減速度=−0.04Gであり、係数を0.5と設定して計算すると、変速段目標減速度は−0.12Gとなる。
上記のように、変速段目標減速度の第1及び第3の求め方では、係数が用いられたが、その係数の値は、理論上から求まる値ではなく、各種条件から適宜設定可能な適合値である。即ち、例えば、スポーツカーでは、減速すべきときには相対的に大きな減速度が好まれるため、上記係数の値を大きな値に設定することができる。また、同じ車両であっても、車速やギヤ段に応じて、上記係数の値を可変に制御することができる。運転者の操作に対する車両の応答性を高め、きびきびとした車両走行を意図した所謂スポーツモードと、運転者の操作に対する車両の応答性をゆったりとしたものとして、低燃費となるような車両走行を意図した所謂ラグジュアリーモードやエコノミーモードと呼ばれるモードが選択可能な車両の場合、スポーツモード選択時には、変速段目標減速度はラグジュアリーモードやエコノミーモードよりも大きな変速段変化が起きるように設定される。
変速段目標減速度は、このステップSA9で求められた後は、減速制御が終了するまで再度設定し直されることはない。即ち、変速段目標減速度は、この減速制御開始時点(変速制御(図9−1のステップSC2)及びブレーキ制御(ステップSC3)が実際に実行される前の時点)で求められた後は、減速制御が終了するまで同じ値として設定される。図23に示すように、変速段目標減速度(破線で示される値)は、時間が経過しても同じ値である。
(2)次に、上記(1)で求めた変速段目標減速度に基づいて、自動変速機10の変速制御に際して選択すべき変速段が決定される。予めROM133に、図24に示すようなアクセルOFF時の各ギヤ段の車速毎の減速Gを示す車両特性のデータが登録されている。
ここで、上記例と同様に、出力回転数が1000[rpm]であり、変速段目標減速度が−0.12Gである場合を想定すると、図24において、出力回転数が1000[rpm]のときの車速に対応し、かつ変速段目標減速度の−0.12Gに最も近い減速度となるギヤ段は、4速であることが判る。これにより、上記例の場合、ステップSA9では、選択すべきギヤ段は、4速であると決定される。
なお、ここでは、変速段目標減速度に最も近い減速度となるギヤ段を選択すべきギヤ段として選択したが、選択すべきギヤ段は、変速段目標減速度以下(又は以上)の減速度であって変速段目標減速度に最も近い減速度となるギヤ段を選択してもよい。ステップSA9は、図6の第2基本変速段補正手段(車間距離対応)604に対応している。ステップSA9の次にステップSA10が実行される。
[ステップSA10]
ステップSA10では、制御回路130により、上記のステップで求めた変速段のうち最も低速用の減速度が選択される。
上記のように、低μ路である場合(ステップS3A−Y)には、ステップSA4(第1−2基本変速段補正手段(低μ路対応)603b)に基づいて、変速段が求められる。一方、低μ路ではなくスポーツ走行指向である場合(ステップSA5−Y)には、ステップSA6(第1−3基本変速段補正手段(運転者指向対応)603c)に基づいて、変速段が求められる。他方、低μ路ではなくスポーツ走行指向でもない場合(ステップSA5−N)には、ステップSA7(第1−1基本変速段補正手段(道路形状対応)603a)に基づいて、変速段が求められる。
これらのことから、ステップSA3〜ステップSA8までのステップにおいては、第1−1基本変速段補正手段(道路形状対応)603a、第1−2基本変速段補正手段(低μ路対応)603b及び第1−3基本変速段補正手段(運転者指向対応)603cのいずれか一つのみによって、変速段が求められる。
また、車間距離が所定値以下である場合(ステップSA8−Y)には、ステップSA9(第2基本変速段補正手段(車間距離対応)604)によって、変速段が設定され、車間距離が所定値よりも大きい場合(ステップSA8−N)には、第2基本変速段補正手段(車間距離対応)604によっては、変速段は設定されない。
ステップSA10では、車間距離が所定値以下である場合(ステップSA8−Y)には、ステップSA9(第2基本変速段補正手段(車間距離対応)604)によって求められた変速段と、第1−1基本変速段補正手段(道路形状対応)603a、第1−2基本変速段補正手段(低μ路対応)603b及び第1−3基本変速段補正手段(運転者指向対応)603cのいずれか一つのみによって求められた変速段のうち、いずれか低速用の変速段が選択される。
一方、ステップSA9では、車間距離が所定値よりも大きい場合(ステップSA8−N)には、第1−1基本変速段補正手段(道路形状対応)603a、第1−2基本変速段補正手段(低μ路対応)603b及び第1−3基本変速段補正手段(運転者指向対応)603cのいずれか一つのみによって求められた変速段が、そのままステップSA10の選択結果として選択される。ステップSA10は、最低速段セレクト手段606に対応している。ステップSA10の次に、ステップSA11が行われる。
[ステップSA12]
車間距離に基づく変速段の設定に際しては、路面μが考慮されていないため、ステップSA9(第2基本変速段補正手段(車間距離対応)604)によって非常に大きな値の変速段が求められることが考えられる。その場合には、ステップSA10では、その非常に大きな変速段が選択されることになるが、それは、路面μが低い場合には、車両の安定性にとって好ましくない。そこで、路面μが低い場合(ステップSA11−Y)には、ステップSA10で選択された変速段を所定値以下に制限することとしている(ステップS1A12)。ステップSA11及びステップSA12は、路面μ補正手段608に対応している。ステップSA12の次には、ステップSA13に進む。
[ステップSA13]
ステップSA13では、制御回路130により、最終目標変速段が決定される。即ち、ステップSA11において、路面μが低いと判定されない場合には、ステップSA10で選択された変速段がそのまま最終変速段として決定される。一方、ステップSA11において、路面μが低いと判定された場合には、ステップSA10で選択された変速段がステップSA12において所定値以下に制限された後の値が、最終変速段として決定される。ステップSA13によって決定された最終変速段は、最終変速段611に対応している。ステップSA13の次には、本制御フローはリセットされる。
本減速制御において、最終変速段611は、変わらない値である。減速制御の途中に、変速段が変更されることは、運転者に違和感を与えるためである。
次に、図9−1及び図9−2を参照して、本実施形態の減速制御の動作について説明する。
[ステップSC1]
ステップSC1では、制御回路130により、アクセルがOFFの状態でかつブレーキがOFFの状態であるか否かが判定される。ステップSC1において、ブレーキがOFF状態であるとは、運転者によるブレーキペダル(図示せず)の操作がなくてブレーキがOFF状態であることを意味しており、ブレーキ制御回路230を介して入力したブレーキセンサ(図示せず)の出力に基づいて判定される。ステップSC1の判定の結果、アクセルがOFFの状態でかつブレーキがOFFの状態であると判定されれば、ステップSC2に進む。一方、アクセルがOFFの状態でかつブレーキがOFFの状態であると判定されなければ、ステップSC7に進む。
図25は、本実施形態の減速制御を説明するためのタイムチャートである。図25には、現状ギヤ段減速度、変速段目標減速度、最大目標減速度、自動変速機10の変速段、自動変速機10(AT)の入力軸回転数、ATの出力軸トルク、ブレーキ力、アクセル開度が示されている。
図25のT0の時点では、符号301に示すように、アクセルがOFF(アクセル開度が全閉)の状態で、かつ符号302に示すように、ブレーキがOFF(ブレーキ力がゼロ)の状態である。この時点T0において、現在の減速度(減速加速度)は、符号303に示すように、現状ギヤ段減速度と同じである。
[ステップSC2]
ステップSC2では、制御回路130により、変速制御が開始される。即ち、図8−2のステップSA13で決定された最終変速段(上記例では、4速)に変速制御される。図25のT0の時点において、符号304に示すように、自動変速機10は変速制御によりダウンシフトされている。それに伴い、エンジンブレーキ力が増加し、T0の時点から現在の減速度303は増加する。ステップSC2の次に、ステップSC3が実行される。
[ステップSC3]
ステップSC3では、ブレーキ制御回路230により、ブレーキ制御が開始される。即ち、図7−2のステップS19で決定された最終目標減速度まで、ブレーキ力を予め決められていた所定の勾配で増加させる(スウィープ制御)。図25のT0〜T1の時点において、ブレーキ力302が所定の勾配で増加し、それに伴い、現在の減速度303は増加し、T1の時点にて、現在の減速度303が目標減速度に達するまでブレーキ力302は増加し続ける(ステップSC4)。
ステップSC3において、ブレーキ制御回路230は、制御回路130から入力したブレーキ制動力信号SG1に基づいて、ブレーキ制御信号SG2を生成し、そのブレーキ制御信号SG2を油圧制御回路220に出力する。上述の通り、油圧制御回路220は、ブレーキ制御信号SG2に基づいて、制動装置208、209、210、211に供給する油圧を制御することで、ブレーキ制御信号SG2に含まれる指示通りのブレーキ力302を発生させる。
ステップSC3の上記所定の勾配は、ブレーキ制御信号SG2の生成時に参照されるブレーキ制動力信号SG1によって定められる。上記所定の勾配は、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる、路面の摩擦係数μや本制御の開始時(図25のT0の時点の直前)のアクセルの戻し速度、アクセルを戻す前の開度に基づいて変更される。例えば、路面の摩擦係数μが低い場合には勾配(傾斜)は小さくされ、アクセル戻し速度又はアクセルを戻す前の開度が大きい場合には勾配を大きくされる。
上記のように、所定の勾配でブレーキ力302を増加させる方法に代えて、現在の減速度303が目標減速度となるように、現在の減速度303と目標減速度との偏差に基づいて、車両に与えるブレーキ力302のフィードバック制御を行うことができる。また、ブレーキ制御によるブレーキ力302は、自動変速機10の入力軸回転数の時間微分値とイナーシャにより決まる変速イナーシャトルク分を考慮して決定してもよい。
ここで、ステップSC3における「最終目標減速度」には、図7−1及び図7−2の最初の1回目のサイクルのステップS19で求められた最大目標減速度と、後述するステップSC5で再度求められる最終目標減速度の両方が含まれ、ステップSC3のブレーキ制御は、図9−2のステップSC7にてブレーキ制御が終了するまで継続して実行される。ステップSC3の次には、ステップSC4が実行される。
[ステップSC4]
ステップSC4では、制御回路130により、現在の減速度303が最終目標減速度であるか否かが判定される。その判定の結果、現在の減速度303が最終目標減速度であると判定されれば、ステップSC5に進む。一方、現在の減速度303が目標減速度であると判定されなければ、ステップSC3に戻る。図25のT1の時点までは現在の減速度303は最終目標減速度に到達していないため、それまではステップSC3においてブレーキ力302が所定の勾配で増加される。
[ステップSC5]
ステップSC5では、最終目標減速度が再度求められる。制御回路130は、図7−1及び図7−2の各ステップを実行して、最終目標減速度を求める。最終目標減速度は、上述した通り、自車の車速、コーナまでの距離や相対車速や車間距離に基づいて設定されており(ステップS5、S9、S12、S15)、減速制御(変速制御及びブレーキ制御の両方)が始まると、自車の車速、コーナまでの距離や相対車速や車間距離も変化するので、その変化に応じた最終目標減速度がリアルタイムで求められる。
ステップSC5にてリアルタイムに最終目標減速度が求められると、ステップSC2にて開始されて継続中のブレーキ制御により、現在の減速度303が目標減速度になるようにブレーキ力302が与えられる(ステップSC2、SC3参照)。
ステップSC5の最終目標減速度を求める動作は、図9−2のステップSC7にてブレーキ制御が終了するまで継続して行われる。後述するように、ブレーキ制御は、現在の減速度303が変速段目標減速度に一致するまで、継続される(ステップSC6、SC7)。上記のように、現在の減速度303は、最終目標減速度に一致するように制御されるため(ステップSC2、SC3)、結果として、ステップSC5の最終目標減速度を求める動作は、その求めた最終目標減速度が変速段目標減速度に一致するまで継続される。
ステップSC5の時点では、既に減速制御が行われている分だけ、減速制御開始前に(最初の第1回目のサイクルでの)図7−1及び図7−2の動作が行われた時点よりも自車の車速が低下している。このことから、ステップSC5において、コーナの入口までに推奨車速にまで減速し、目標の車間距離や相対車速にするために求められる最終目標減速度は、通常、減速制御開始前に図7−1及び図7−2の動作が行われた時点で求めた最大目標減速度に比べて小さな値となる。
図25のT1〜T7の時点では、“リアルタイムに最終目標減速度を求めて現在の減速度303がその最終目標減速度に合うようにブレーキ力302を与える”という動作が繰り返されるが、その間、ブレーキ制御が継続される結果として、ステップSC5で繰り返し求められる最終目標減速度が漸次小さくなり、その最終目標減速度の値の減少に応じて、ブレーキ制御で与えられるブレーキ力302も漸次小さくなり、現在の減速度303は、その最終目標減速度に概ね一致しながら漸次減少する。ステップSC5の次には、ステップSC6が実行される。
[ステップSC6]及び[ステップSC7]
ステップSC6では、制御回路130により、現在の減速度303が変速段目標減速度に一致したか否かが判定される。その判定の結果、現在の減速度303が変速段目標減速度に一致したと判定されれば、ブレーキ制御は終了する(ステップSC7)ブレーキ制御の終了は、ブレーキ制動力信号SG1によってブレーキ制御回路230に伝達される。一方、現在の減速度303が変速段目標減速度に一致しなければ、ブレーキ制御は終了しない。図25のT7の時点で現在の減速度303が変速段目標減速度に一致するので、車両に与えられるブレーキ力302はゼロになる(ブレーキ制御の終了)。
[ステップSC8]
ステップSC8では、制御回路130により、アクセルがONにされたか否かが判定される。アクセルがONにされた場合には、ステップSC9に進む。アクセルがONにされていない場合には、ステップSC12に進む。図25の例では、T8の時点でアクセルがONにされたと判定される。
[ステップSC9]
ステップSC9では、復帰タイマーがスタートする。図25の例では、T8の時点から復帰タイマーがスタートする。ステップSC9の次にステップSC10に進む。復帰タイマーは、制御回路130のCPU131に設けられている(図示せず)。
[ステップSC10]
ステップSC10では、制御回路130により、復帰タイマーのカウント値が所定値以上であるか否かが判定される。カウント値が所定値以上でなければ、ステップSC8に戻る。カウント値が所定値以上になれば、ステップSC11に進む。図25の例では、T9の時点でカウント値が所定値以上となる。
[ステップSC11]
ステップSC11では、制御回路130による、変速制御(ダウンシフト制御)が終了し、予めROM133に格納された通常の変速マップ(変速線)に従いアクセル開度と車速に基づき決定される変速段に復帰する。図25の例では、T9の時点で変速制御が終了し、アップシフトが実施される。ステップSC11が実施されると、本制御フローは終了する。
[ステップSC12]
ステップSC12では、制御回路130により、車間距離が所定値を超えたか否かが判定される。このステップSC12は、図7−1のステップS14及び図8−1のステップSA8に対応したものである。車間距離が所定値を超えていると判定されれば、ステップSC11に進む。車間距離が所定値を超えていると判定されなければ、ステップSC8に戻る。
図1及び図6に示す例では、第1目標減速度設定手段(道路形状対応)602(602a)及び第1基本変速段補正手段(道路形状対応)603(603a)が設けられていることから、道路勾配とコーナRに基づく減速制御は、自動変速機10とブレーキ装置200の協調制御により行われるとして説明した。同様に、第2基本変速段補正手段(車間距離対応)604及び第2目標減速度設定手段(車間距離対応)605が設けられていることから、車間距離に基づく減速制御は、自動変速機10とブレーキ装置200の協調制御により行われるとして説明した。同様に、第1−2目標減速度設定手段(低μ路対応)602b及び第1−2基本変速段補正手段(低μ路対応)603bが設けられていることから、路面μに基づく減速制御は、自動変速機10とブレーキ装置200の協調制御により行われるとして説明した。同様に、第1−3目標減速度設定手段(運転者指向対応)602c及び第1−3基本変速段補正手段(運転者指向対応)603cが設けられていることから運転者指向に基づく減速制御は、自動変速機10とブレーキ装置200の協調制御により行われるとして説明した。
上記に対して、本実施形態では、道路勾配及びコーナRに基づく減速制御、路面μに基づく減速制御、運転者指向に基づく減速制御、及び車間距離に基づく減速制御のうちのそれぞれの減速制御に際して使用する要素は、自動変速機とブレーキの両方に限定されるものではなく、いずれか一方で減速制御が行われてもよい。但し、本実施形態では、複数の減速制御(道路勾配及びコーナRに基づく減速制御、路面μに基づく減速制御、運転者指向に基づく減速制御、及び車間距離に基づく減速制御)から最終的に選択された目標減速度と変速段に基づく、自動変速機とブレーキの協調制御が行われることは、必須の条件とする。即ち、本実施形態では、必ず、自動変速機が最終変速段611に変速され、ブレーキが最終目標減速度612に基づいて作動する協調制御が行われるものとする。
図26は、図6の変形例を示している。図26に示すように、路面μに基づく減速制御は、自動変速機の変速のみによって行われ(第1−2目標減速度設定手段(低μ路対応)602bが無い)、車間距離に基づく減速制御は、ブレーキ単独制御により行われ(第2目標減速度設定手段604が無い)、最終的には、自動変速機が最終変速段611に変速され、ブレーキが最終目標減速度612に基づいて作動する協調制御が行われる。
この場合、運転指向がスポーツ走行指向である場合には、第1−3目標減速度設定手段(運転者指向対応)602cにより設定された目標減速度が、第3目標減速度設定手段610に入力され、運転指向がスポーツ走行指向である場合以外は、第1−1目標減速度設定手段(道路形状対応)602aにより設定された目標減速度が、第3目標減速度設定手段610に入力される。
最低速段セレクト手段606では、補正手段選択手段609から入力した変速段をそのまま路面μ補正手段608を経由させ、その経由したものが最終変速段611とされる。
以上に述べた本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
例えば、コーナR、道路勾配、路面μ、運転走行指向、車間距離などの複数の形態に基づいてそれぞれ減速制御が行われ、それら複数の形態の減速制御がそれぞれ、自動変速機の単独の制御により、又はブレーキ単独の制御により、又は自動変速機とブレーキの協調制御により行われる場合に、少なくとも二つの形態の制御条件が成立した場合の減速制御が、自動変速機とブレーキの協調制御により行われるに際して、その制御条件が成立した少なくとも二つの形態の減速制御において、それぞれ異なる変速段及び/又は目標減速度を指示されたときに、制御上、何らかの不都合が生じないように良好に調停が行われることができる。
仮に、複数の形態の制御の制御条件が同時に成立した場合に、上記のような調停が行われずに、その制御条件が成立した複数の形態の制御がそれぞれが独立して行われたとすると、好ましくない事態が生じるおそれが考えられる。例えば、コーナ制御と同時に追従制御が行われている場合に、先行車がコーナに進入して自車両から検出されなくなる(ロスト)と、追従制御が終了し、その結果、変速段がアップシフトされてしまうことが考えられる。
特に、車間距離に基づく制御と、他の形態の制御のそれぞれの制御条件が同時に成立したときの変速段と目標減速度をどのように設定するかについて、マップなどを用いて取り決めを行うのは難しく、複雑な内容となるが、本実施形態によれば、簡便な方法で制御上不都合のない取り扱いが実現可能となる。
なお、上記においては、目標減速度を求めるためのマップ(図10〜図15、図17)及びフローチャート(図7−1及び図7−2)の他に、変速段を求めるためのマップ(図18〜図20)及びフローチャート(図8−1及び図8−2)が別途設けられたが、この方法に代えて、以下の方法を用いてもよい。即ち、変速段を求めるためのマップ(図18〜図20)及びフローチャート(図8−1及び図8−2)が設けられることなく、目標減速度を求めるためのマップ(図10〜図15、図17)及びフローチャート(図7−1及び図7−2)を用いて、目標減速度が求められた後には、その目標減速度に0よりも大きく1以下の係数(例えば0.5)を乗算して変速段目標減速度を求め、その変速段目標減速度に対応する変速段が求められる方法が採用されてもよい。
また、上記において、車間距離に対応した変速段が求められるとき(ステップSA9)は、図21〜図23を参照して変速段が求められたが、この方法に代えて、図17に示すような単一のマップを用いて、直接的に変速段が求められることができる。
なお、上記においては、有段の自動変速機10を例にとり説明したが、CVTに適用することも可能である。その場合、上記の「ギヤ段」や「変速段」は「変速比」に置き換え、「ダウンシフト」は「CVTの調整」に置き換えればよい。また、上記のブレーキ制御は、上記ブレーキに代えて、回生ブレーキなどの他の、車両に制動力を生じさせる制動装置を用いても可能である。更に、上記においては、車両が減速すべき量を示す減速度は、減速加速度(G)を用いて説明したが、減速トルクをベースに制御を行うことも可能である。
本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の基本的考え方を示すブロック図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の概略構成図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の自動変速機を説明する骨子図である。 図3の自動変速機の作動表を示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の運転指向推定部を示すブロック図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における最終目標減速度を求める動作の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における最終目標減速度を求める動作の他の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における最終変速段を求める動作の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における最終変速段を求める動作の他の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における車間距離制御と他の減速制御の制御条件が同時に成立した場合の動作の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における車間距離制御と他の減速制御の制御条件が同時に成立した場合の動作の他の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態で使用される低μ路用ベース減速度マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態で使用される高μ路ベース用ベース減速度マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態で使用されるスポーツ走行指向用ベース減速度マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態で使用される低μ路用必要減速度補正量マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態で使用される高μ路ベース用必要減速度補正量マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態で使用されるスポーツ走行指向用必要減速度補正量マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における必要減速度を説明するための図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における目標減速度マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態で使用される低μ路用変速段マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態で使用される高μ路ベース用変速段マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態で使用されるスポーツ走行指向用変速段マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における変速段目標減速度マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における出力軸回転数と変速段に応じて生じる減速度を示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における変速段目標減速度と、現状ギヤ段減速度と最大目標減速度との関係を示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における各ギヤ段の車速毎の減速度を示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の動作を示すタイムチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の変形例の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 自動変速機
40 エンジン
90 加速度センサ
95 路面μ検出・推定部
96 信号読込手段
97 相対車速検出・推定部
98 前処理手段
100 運転指向推定手段
101 車間距離計測部
114 スロットル開度センサ
115 運転指向推定部
116 エンジン回転数センサ
118 道路勾配計測・推定部
119 ナビゲーションシステム装置
122 車速センサ
123 シフトポジションセンサ
130 制御回路
131 CPU
133 ROM
200 ブレーキ装置
230 ブレーキ制御回路
301 アクセル開度
302 ブレーキ力(自動ブレーキ)
303 現在の減速度
304 変速段
401 必要減速度
501 コーナー
502 入口
601 基本変速段確定手段
602 第1目標減速度設定手段(道路形状対応)
602a 第1−1目標減速度設定手段(道路形状対応)
602b 第1−2目標減速度設定手段(低μ路対応)
602c 第1−3目標減速度設定手段(運転者指向対応)
603 第1基本変速段補正手段(道路形状対応)
603a 第1−1基本変速段補正手段(道路形状対応)
603b 第1−2基本変速段補正手段(低μ路対応)
603c 第1−3基本変速段補正手段(運転者指向対応)
604 第2基本変速段補正手段(車間距離対応)
605 第2目標減速度設定手段(車間距離対応)
606 最低速段セレクト手段
607 目標減速度MAXセレクト手段
608 路面μ補正手段
609 補正手段選択手段
610 第3目標減速度設定手段
611 最終変速段
612 最終目標減速度
L1 ブレーキ制動力信号線
SG1 ブレーキ制動力信号
SG2 ブレーキ制御信号

Claims (11)

  1. 車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより前記車両の減速制御を行う車両の減速制御装置であって、
    前記車両の走行環境に関する第1制御条件に基づいて、第1の減速制御を行う第1減速制御手段と、
    前記車両の走行環境に関する前記第1制御条件とは異なる第2制御条件に基づいて、第2の減速制御を行う第2減速制御手段とを備え、
    前記第1制御条件と前記第2制御条件が同時期に成立したときに、前記第1減速制御手段に設定される目標減速度および第2減速制御手段に設定される目標減速度のうち最大値が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の目標減速度に決定される
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  2. 車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより前記車両の減速制御を行う車両の減速制御装置であって、
    前記車両の走行環境に関する第1制御条件に基づいて、第1の減速制御を行う第1減速制御手段と、
    前記車両の走行環境に関する前記第1制御条件とは異なる第2制御条件に基づいて、第2の減速制御を行う第2減速制御手段とを備え、
    前記第1制御条件と前記第2制御条件が同時期に成立したときに、前記第1減速制御手段に設定される変速段又は変速比および第2減速制御手段に設定される変速段又は変速比のうち最低速用の変速段又は変速比が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の変速段又は変速比に決定される
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  3. 車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより前記車両の減速制御を行う車両の減速制御装置であって、
    前記車両の走行環境に関する第1制御条件に基づいて、第1の減速制御を行う第1減速制御手段と、
    前記車両の走行環境に関する前記第1制御条件とは異なる第2制御条件に基づいて、第2の減速制御を行う第2減速制御手段とを備え、
    前記第1制御条件と前記第2制御条件が同時期に成立したときに、前記第1減速制御手段に設定される目標減速度および第2減速制御手段に設定される目標減速度のうち最大値が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の目標減速度に決定されるとともに、前記第1減速制御手段に設定される変速段又は変速比および第2減速制御手段に設定される変速段又は変速比のうち最低速用の変速段又は変速比が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の変速段又は変速比に決定される
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  4. 車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより前記車両の減速制御を行う車両の減速制御装置であって、
    前記車両の走行環境に関する第1制御条件に基づいて、第1の減速制御を行う第1減速制御手段と、
    前記車両の走行環境に関する前記第1制御条件とは異なる第2制御条件に基づいて、第2の減速制御を行う第2減速制御手段とを備え、
    前記第1制御条件が成立して前記第1減速制御手段に目標減速度が設定されるとともに、前記第2制御条件が成立して前記第2減速制御手段に目標減速度が設定された場合に、前記第1減速制御手段に設定される目標減速度および前記第減速制御手段に設定される目標減速度のうち最大値が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の目標減速度に決定される
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  5. 車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより前記車両の減速制御を行う車両の減速制御装置であって、
    前記車両の走行環境に関する第1制御条件に基づいて、第1の減速制御を行う第1減速制御手段と、
    前記車両の走行環境に関する前記第1制御条件とは異なる第2制御条件に基づいて、第2の減速制御を行う第2減速制御手段とを備え、
    前記第1制御条件が成立して前記第1減速制御手段に変速段又は変速比が設定されるとともに、前記第2制御条件が成立して前記第2減速制御手段に変速段又は変速比が設定された場合に、前記第1減速制御手段に設定される変速段又は変速比および前記第減速制御手段に設定される変速段又は変速比のうち最低速用の変速段又は変速比が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の変速段又は変速比に決定される
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  6. 車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより前記車両の減速制御を行う車両の減速制御装置であって、
    前記車両の走行環境に関する第1制御条件に基づいて、第1の減速制御を行う第1減速制御手段と、
    前記車両の走行環境に関する前記第1制御条件とは異なる第2制御条件に基づいて、第2の減速制御を行う第2減速制御手段とを備え、
    前記第1制御条件が成立して前記第1減速制御手段に目標減速度及び変速段又は変速比が設定されるとともに、前記第2制御条件が成立して前記第2減速制御手段に目標減速度及び変速段又は変速比が設定された場合に、前記第1減速制御手段に設定される目標減速度および前記第2減速制御手段に設定される変速段又は変速比のうち最大値が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の目標減速度に決定されるとともに、前記第1減速制御手段に設定される変速段又は変速比および前記第減速制御手段に設定される変速段又は変速比のうち最低速用の変速段又は変速比が前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う際の変速段又は変速比に決定される
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に車両の減速制御装置において、
    前記第1及び第2制御条件のうちのいずれか一方は、車間距離に関する条件である
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の車両の減速制御装置において、
    前記第1及び第2減速制御手段のうちの少なくともいずれか一方は、前記制動装置の作動と前記変速動作とにより前記車両の減速制御を行う
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の車両の減速制御装置において、
    前記第1及び第2減速制御手段のうちのいずれか一方は、前記制動装置の作動及び前記変速動作の少なくとも一方により前記車両の減速制御を行う
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の車両の減速制御装置において、
    前記第1減速制御手段に設定される変速段又は変速比および前記第2減速制御手段に設定される変速段又は変速比は、相対的に低速用の変速段又は変速比である
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  11. 制動力を生じさせる制動装置と、
    変速段又は変速比が変更可能な自動変速機と、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の車両の減速制御装置とを備える
    ことを特徴とする車両。
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