JP4557368B2 - バルク状非晶質合金およびこれを用いた高強度部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はバルク状非晶質合金およびこれを用いた高強度部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の金属または合金は溶融状態から冷却すると通常は結晶化する。しかし、ある種の金属または合金は、溶融状態から十分に大きな冷却速度で冷却すると、過冷却されたまま常温に達し、非晶質の金属または合金が得られることがわかっている。その場合の冷却速度は、従来は104 〜106 K/秒程度の超急冷が必要であり、このため非晶質の金属または合金は急速冷却の可能な薄体、粉末あるいは細線状などに限られていた。薄体や細線状だけではなく、バルク状の非晶質合金が作製可能となれば、例えば高強度や高硬度といった非晶質合金の有する優れた特性により、非晶質合金の用途範囲を著しく拡大できる。
【0003】
溶融状態の金属合金を溶融状態から例えば鋳込みなどを行った上で冷却した場合に、バルク状の非晶質が得られるためには、1 K/秒〜103 K/秒程度、あるいはそれ以下の遅い冷却速度でも結晶化が抑制されることが必要である。最近では低い冷却速度で非晶質化する合金の研究が進み、そのような合金として、例えば特公平7-122120号公報に示される合金、特開平8-74010号公報、特開平8-199318号公報に示される合金、米国特許5288344号明細書、米国特許5368659号明細書に示される各種Zr系合金が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の公知例による組成の合金では、溶湯をそのまま金型に鋳造する方法では非晶質化することができなかった。これは鋳込みの際の不均一核生成により結晶化が進むためであることから、不均一核生成を防止することが必要であった。この点に関し、米国特許5797443号明細書、あるいはMaterial Science Forum Vols. 269-272 (1998) pp.797-802には、不均一核生成を抑えるために酸素含有量を実施可能なレベルに制限する必要があることが記載されている。
しかし、これらをもってしても、まだ非晶質合金を得るには不十分であった。例えば後者の文献に記載されているZr55Al10Cu30Ni5 の合金は酸素含有量が0.26 at%〜0.73 at%の範囲内で非晶質を形成しているが、溶湯から金型鋳造した場合は、一部非晶質化したものの、バルクサイズとして満足すべき大きさを持つ非晶質にはならなかった。また酸素含有量0.28 at%(原子パーセント)のZr65Al7.5 Cu17.5 Ni10の合金についても同様であった。さらにMaterials Transactions, JIM Vol.38, pp 473-477 (1997) には酸素のほか、炭素や窒素の含有によっても不均一核生成があり得るであろうと記載されているが、何ら具体的な記載がない。
【0005】
本発明はバルク状非晶質合金に関するこうした従来技術の課題を解決して、高強度で伸びを有するバルク状非晶質合金、およびバルク状非晶質合金を用いて構成されてなる高強度部材の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のバルク状非晶質合金は、炭素を0.005 at%以上0.5 at%以下含有し、非晶質相を体積率で50%以上100 %以下含有することを特徴とするものである。
【0007】
そして本発明のバルク状非晶質合金は、ビッカース硬度400以上を有することが望ましく、また、伸び1 %以上を有することが望ましい。
【0008】
本発明のバルク状非晶質合金においては、炭素を0.005 at%以上0.5 at%以下含有するとともに、酸素を0.005 at%以上1.0 at%以下含有することがより好ましい。
【0009】
また、本発明のバルク状非晶質合金においては、炭素を0.005 at%以上0.5 at%以下、酸素を0.005 at%以上1.0 at%以下含有するとともに、窒素を0 at%以上0.2 at%以下および水素を0 at%以上1.0 at%以下含有することがさらに好ましい。
【0010】
本発明において、バルク状非晶質合金とは、薄体、粉末あるいは細線状などの微小寸法を有することを必要とせずに、3次元のどの方向についても例えば1 mm以上を有する寸法形状で非晶質相を有するもので、非晶質相を体積率で50 %以上100 %以下含有する合金である。
【0011】
本発明においては、非晶質合金は104 〜106 K/秒といった超急冷を行うことを必要とせず、104 K/秒未満の小さな冷却速度で冷却し非晶質の形成が可能である。このため、バルク状で非晶質が形成でき、非晶質特有の性質、例えば高強度を得ることができる。
【0012】
本発明のバルク状非晶質合金は、従来のような急冷を要することなく、容易に形成できるので、より大きな寸法の非晶質合金の製造が可能となり、非晶質合金が薄いテープ状などの微小寸法に限られていた場合に比べ、より広い用途に非晶質合金の特徴を生かして用いることができる。
【0013】
本発明において、炭素含有量を0.5 at%以下に限定したのは、それによって不均一核の生成が少なくなって、非晶質相を体積率で50 %以上100 %以下含有するバルク状非晶質合金を得ることができ、高い硬度とともに伸びを有し、機械的強度が高いなど、非晶質合金のもつ優れた特性が得られるためである。炭素含有量が0.5 at%を超えると、不均一核生成が顕著になり、このため非晶質化が難しくなって、工業的な方法で体積率で50 %以上100 %以下の非晶質からなるバルク状非晶質合金を得ることが困難になり、このような条件で製造した合金は良好な機械的性質を示すなどの非晶質合金のもつ優れた特性が失われるからである。なお、本発明において、炭素の含有量は0.1 at%以下であることがさらに好ましい。他方、炭素の含有量を0.005 at%以上に限定したのは、炭素の含有量が0.005 at%未満では、得られるバルク状非晶質合金の材料の硬度が低下するとともに、伸びの低下が認められるからである。
【0014】
また本発明のバルク状非晶質合金において、炭素含有量を0.005 at%以上0.5 at%以下に限定するのに加えて、酸素含有量を0.005 at%以上1.0 at%以下含有することがより好ましいのは、炭素含有量を規定量範囲に制御することに加えて、酸素の含有量を規定量範囲に制御することにより、不均一核生成が抑制され、より大きな形状のバルク状非晶質合金を得ることができるからである。酸素含有量が1.0 at%を超えると結晶しやすくなる。なお、酸素の含有量は0.2 at%以下であることがさらに好ましい。他方で酸素の含有量を0.005 at%以上に限定したのは、酸素の含有量が0.005 at%未満では、バルク状非晶質合金の材料の硬度が低下するとともに伸びの低下が認められるようになって、非晶質合金の特徴の一つである高強度を利用した用途での利点が減少するからである。
【0015】
また本発明のバルク状非晶質合金においては、炭素含有量を0.005 at%以上0.5at%以下、酸素含有量を0.005 at%以上1.0 at%以下に限定するのに加えて、窒素含有量を0 at%以上0.2 at%以下および水素含有量を0 at%以上1.0 at%以下にすることがさらに好ましいのは、炭素および酸素含有量を上記規定量範囲に制御することに加えて、窒素および水素の含有量を規定量範囲に制御することにより、不均一核生成がさらに抑制され、より大きな形状のバルク状非晶質合金を得ることができるからである。窒素の含有量が0.2 at%を超えると、不均一核生成が顕著になり、また水素の含有量が1.0 at%を超える場合にも、不均一核生成により結晶化しやすくなる。なお、窒素の含有量は0.1 at%以下、水素の含有量は0.2 at%以下であることがさらに好ましい。
【0016】
本発明のバルク状非晶質合金は、金属成分として、ZrおよびHfから選択される1種または2種の元素Xを25 at%以上85 at%以下、Ni, Cu, Fe, CoおよびMnから選択される少なくとも1種の元素Mを5 at%以上70 at%以下、Alを0 at%を超え35 at%以下含有するとともに、非金属成分として炭素を0.005 at%以上0.5 at%以下含有するものを好ましく用いることができる。 本発明において、Ni, Cu, Fe, CoおよびMnから選択されるM元素は、ZrまたはHfと共存することによって、より低い冷却速度で非晶質を得やすくするとともに、結晶化温度を上昇させる。そしてAlは上記元素と共存することにより過冷却液体領域幅を拡大して非晶質相を安定化させ、且つ合金の展延性を向上させる。
【0017】
本発明の上記の合金組成においては、さらに酸素の含有量の範囲を0.005 at%以上1.0 at%以下に規定することが好ましい。また、上記炭素および酸素の含有量の範囲を規定するのに加えて、窒素の含有量を0 at%以上0.2 at%以下および水素の含有量を0 at%以上1.0 at%以下に規定することが一層好ましい。
【0018】
また、本発明のバルク状非晶質合金は、金属成分としてCuが0 at%以上50 at%以下であり、Al, Si, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, ZrおよびHfから選択される1または2種以上の元素Xが0.1 at%以上45 at%以下であり、CuとMとの合計が25 at%以上90 at%以下を含有するTi基合金が、非金属成分として炭素を0.005 at%以上0.5 at%以下含有するものを好ましく用いることができる。
【0019】
ここでCuおよびMの含有を上記範囲に限定したのは、その範囲から外れるとバルク状非晶質合金を得ることが困難になるからである。
【0020】
本発明の上記の合金組成においては、さらに酸素の含有量の範囲を0.005 at%以上1.0 at%以下に規定することが好ましい。また、上記炭素および酸素の含有量の範囲を規定するのに加えて、窒素の含有量を0 at%以上0.2 at%以下および水素の含有量を0 at%以上1.0 at%以下に規定することが一層好ましい。
【0021】
本発明のバルク状非晶質合金は、金属成分としてZrとTiから選択される1種または2種の元素とV, Nb, Hf及びCrから選ばれる少なくとも1種の元素との合計が30 at%以上75 at%以下、CuとNiから選択される1種または2種の元素とFe, Co, Mn, Ru, Ag及びPdから選ばれる少なくとも1種の元素との合計が5 at%以上62 at%以下、Beの含有量が2 at%以上47 at%であるとともに、非金属成分として炭素を0.005 at%以上0.5 at%以下含有することを特徴とするものを好ましく用いることができる。
【0022】
本発明において、金属成分をこのように範囲限定したのは、この範囲から外れると結晶化しやすくなり、ある程度以上の大きさを持ったバルク状非晶質合金が得られなくなるからである。
【0023】
本発明の上記の合金組成においては、さらに酸素の含有量の範囲を0.005 at%以上1.0 at%以下に規定することが好ましい。また、上記炭素および酸素の含有量の範囲を規定するのに加えて、窒素の含有量を0 at%以上0.2 at%以下および水素の含有量を0 at%以上1.0 at%以下に規定することが一層好ましい。
【0024】
また本発明の高強度部材は、上記バルク状非晶質合金を用いて構成されてなることを特徴とするものである。本発明によれば、非晶質合金特有の特性、例えば高強度の特性をバルクサイズで高強度部材に用いることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明のバルク状非晶質合金は、例えば次のようにして製造することができる。まず、合金を構成する各金属を所定の組成になるよう秤量する。ここで、金属成分、炭素Cの秤量に加えてガス成分である酸素 O、窒素 Nおよび水素 Hを所定量含有させておくことができる。これらのガス成分は、これらの成分をよく固溶するZrやTiに含ませておくと好都合である。 また合金母材は必要に応じてZrまたはTiをゲッターとして用いたアルゴン雰囲気中でアーク溶融などを用いて溶融して調製してもよい。
【0026】
この合金母材をるつぼにセットし、真空引きを行った上で高周波誘導加熱により溶解を行う。溶解温度は合金の融点を超える温度が選ばれる。ここで真空溶解の際に用いるルツボとしては、例えば黒鉛るつぼや石英ルツボ、窒化けい素ルツボなどを用いることができる。合金中の炭素などの非金属は溶融時にこれらのルツボから一部取り込まれる。その量は溶融温度に依存するので、溶融温度の管理により、その量を制御することができる。
【0027】
こうして溶融した合金の融液を真空装置内にセットされた鋳型に鋳込み、冷却を行うことにより、バルク状の非晶質合金を得る。また、鋳型としては銅製の鋳型を好ましく用いることができる。さらに真空溶解を行う際の真空装置の真空度は、1.33 Pa 以下とすることが好ましい。また合金融解時には微量の酸素などのガス圧を与えて、合金中の非金属成分の調製を行うことができる。
【0028】
このようにして得られた合金の組成は、合金の金属成分および非金属成分(ガス成分)の分析を行って決定することができる。
【0029】
得られた合金の非晶質体積率は、光学顕微鏡などを用いて組織観察を行い、その画像解析を行って非晶質体積率を求めることができる。またビッカース硬度計を用い、硬度を測定することができる。
【0030】
そしてこれらの評価結果は製造工程にフィードバックして工程の適正化に用いることができる。特に合金の組成分析は母合金について行い、フィードバックすることにより、適正な母合金組成を用いることが有効である。
【0031】
次に本発明の実施の形態を実施例に基づいてさらに具体的に述べる。
【0032】
[実施例]
表1は本発明の実施例および比較例に用いた合金組成をまとめて示した表である。
【0033】
【表1】
表1において、E1〜E5は一般式:Xa Mb Alc 、ここにXはZrおよびHfから選択される1種または2種の元素、MはNi, Cu, Fe, CoおよびMnの合金組成の具体例、C1〜C3はそれに対する比較例の組成である。また表1において、E6〜E9はTi100-d -eCud Me 、ここにMはAl, Si, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, ZrおよびHfから選択される1種または2種以上の元素の合金組成の具体例、C4〜C8はそれに対する比較例の組成である。さらにE10〜E12は、一般式:(Zr1-x Tix)a1(ME )a2(Cu1-y Niy)b1(ML )b2Bec 、ここにME はV, Nb, Hf及びCrから選ばれる少なくとも1種の元素、MLは Fe, Co, Mn, Ru, Ag及びPdから選ばれる少なくとも1種の元素である各合金組成の具体例、C9〜C11はそれに対する比較例の組成である。
【0034】
(実施例1〜14および比較例1〜9)
表1のE1〜E5の合金組成について、炭素、酸素、窒素および水素の各非金属成分の含有量を異ならせた材料をルツボにセットして高周波誘導加熱により真空溶解と鋳込みを行って合金体を作製した。ここで真空溶解の真空度は1.33 Pa以下の真空度とするとともに酸素雰囲気を調整し、溶融後の撹拌の後、同じ真空容器内にセットした銅製鋳型に鋳込むことによって、板厚1 mmおよび4 mmのバルク合金材を得た。酸素雰囲気および真空度の調整により、鋳込み後の各合金組成の非金属成分の含有量として表2の実施例1〜14および表3の比較例1〜9に示された値を有する各合金体を得た。このときの銅製鋳型は水冷等の強制冷却は行わず、自然放冷とした。
【0035】
【表2】
【表3】
このようにして得られた合金体について、組織観察を行い、その画像解析により合金の非晶質体積率を測定した。また、得られた各合金材の硬度(ビッカース硬度Hv)と伸び(破断伸び、%)を測定し、表2および表3に示した。
【0036】
表2および表3の結果から、非晶質体積率、合金体の硬度および伸びは、炭素を0.005 at%以上0.5 at%以下、酸素を0.005 at%以上1.0 at%以下、窒素を0.2 at%以下、水素を1.0 at%以下であれば好ましい値が得られることがわかる。
【0037】
(実施例15〜24および比較例10〜20)
表1のE6〜E9およびC4〜C8に示された合金組成について、炭素、酸素、窒素および水素の各非金属成分の含有量を異ならせた材料を.ルツボにセットして高周波誘導加熱により真空溶解と鋳込みを行って合金体を作製した。ここで真空溶解の真空度は1.33Pa以下の真空度とするとともに酸素雰囲気を調整し、溶融後の撹拌の後、同じ真空容器内にセットした銅製鋳型に鋳込むことによって、板厚0.5 mmおよび1 mmのバルク合金材を得た。酸素雰囲気および真空度の調整により、鋳込み後の各合金組成の非金属成分の含有量として表4の実施例15〜24および表5の比較例10〜24に示された値を有する各合金体を得た。
【0038】
【表4】
【表5】
このようにして得られた合金体について、上記と同様にして、組織観察を行い、その画像解析により合金の非晶質体積率を測定し、また、得られた各合金材の硬度(ビッカース硬度Hv)と伸び(破断伸び、%)を測定して、表4および表5に記載した。
【0039】
表4および表5の結果から、非晶質体積率、合金体の硬度および伸びは、炭素を0.005 at%以上0.5 at%以下、酸素を0.005 at%以上1.0 at%以下、窒素を0.2 at%以下、水素を1.0 at%以下であれば好ましい値が得られることがわかる。
【0040】
(実施例25〜34および比較例21〜27)
表1の合金組成について、炭素、酸素、窒素および水素の各非金属成分の含有量を異ならせた材料をルツボにセットして高周波誘導加熱により真空溶解と鋳込みを行って合金体を作製した。ここで真空溶解の真空度は1.33 Pa以下の真空度とするとともに酸素雰囲気を調整し、溶融後の撹拌の後、同じ真空容器内にセットした銅製鋳型に鋳込むことによって、板厚1 mmおよび4 mmのバルク合金材を得た。酸素雰囲気および真空度の調整により、鋳込み後の各合金組成の非金属成分の含有量として表6の実施例25〜34および表7の比較例21〜27に示された値を有する各合金体を得た。
【0041】
【表6】
【表7】
このようにして得られた合金体について、上記と同様にして、組織観察を行い、その画像解析により合金の非晶質体積率を測定し、また、得られた各合金材の硬度(ビッカース硬度Hv)と伸び(破断伸び、%)を測定して、表4および表5に記載した。
【0042】
表6および表7の結果から、非晶質体積率、合金体の硬度および伸びは、炭素を0.005 at%以上0.5 at%以下、酸素を0.005 at%以上1.0 at%以下、窒素を0.2 at%以下、水素を1.0 at%以下であれば好ましい値が得られることがわかる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によって合金中の炭素の含有量、炭素と酸素の含有量、または炭素と酸素と窒素と水素の含有量を規定した範囲に調整することにより、高い硬度を有し、伸びの大きいバルク状の非晶質合金を得ることができる。本発明のバルク状非晶質合金は、例えば鋳造によって製造することができるなど、従来に比べて容易に非晶質が形成でき、より大きな寸法の非晶質合金が可能である。このため、高強度部材として、従来に比べてより広い用途分野に非晶質合金の優れた特徴を応用することが可能になった。
Claims (4)
- 金属成分が Zrおよび Hfから選択される1種または2種の元素Xを25 at%以上85 at%以下、 Ni, Cu, Fe, Coおよび Mnから選択される少なくとも1種の元素Mを5 at%以上70 at%以下、 Alを0 at%を超え35 at%以下であり、非金属成分として炭素を0.005 at%以上0.5 at%以下、酸素を0.005 at%以上1.0 at%以下、窒素を0.030 at%以上0.2 at%以下および水素を0.056 at%以上1.0 at%以下含有し、非晶質相が体積率で50 %以上100 %以下で、ビッカース硬度Hvが 400以上であることを特徴とするバルク状非晶質合金。
- 金属成分がCuが50 at%以下、 Al, Si, Fe, NiおよびZrから選択される1種または2種以上の元素Mが2 at %以上65 at%以下、 Cuと Mとの合計が40 at%以上65 at%以下であるTi合金が、非金属成分として炭素を0.005 at%以上0.5 at%以下、酸素を0.005 at%以上1.0 at%以下、窒素を0.030 at%以上0.2 at%以下および水素を0.056 at%以上1.0 at%以下含有し、非晶質相が体積率で50 %以上100 %以下で、ビッカース硬度Hvが 400以上であることを特徴とするバルク状非晶質合金。
- 伸びが、1%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のバルク状非晶質合金。
- 請求項1乃至3のいずれか1項記載のバルク状非晶質合金を用いて構成されてなることを特徴とする高強度部材。
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